サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

M&Aを実施したい

M&Aアドバイザリー・FA
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

カーブアウトとは?M&Aでの事業切り出しの手法・スピンオフとの違い・進め方を解説

カーブアウトとは?のサムネイル画像
M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)のプレビュー

主要18サービスの料金・機能を無料で一覧比較

M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)

事業の再編やM&Aの検討が始まると、会議で「カーブアウト」という言葉を耳にする機会が増えます。ノンコア事業の切り出しや、有望な事業を独立させる話とあわせて使われるものの、スピンオフや事業譲渡との違いまで正確に説明できる人は多くありません。

カーブアウトとは具体的に何を指し、スピンオフや会社分割とはどこが違うのでしょうか。手法ごとにどんな手続きや税務が関わり、実際に進めるときは何でつまずくのでしょうか。

本記事では、M&A・事業再編の文脈でのカーブアウトについて、結論ファーストの定義から、スピンオフ・スピンアウト・事業譲渡・会社分割との違い、2つの手法の使い分け、メリット・デメリットと進め方・注意点、税務・会計の論点、実例、相談できる依頼先の選び方までを整理します。事業の切り出しを検討する担当者が、社内で判断や説明をするための材料としてご活用ください。

M&Aアドバイザリー・FAの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

カーブアウトとは?

ここでは、カーブアウトの意味と読み方、そして本記事がどの文脈で解説するのかを先に押さえます。

カーブアウトの読み方と意味

カーブアウト(carve-out)とは、企業が特定の事業や子会社を本体から切り出し、別会社として独立させたり第三者へ売却したりする、M&A・事業再編の手法です。読み方はそのまま「カーブアウト」で、英語の「carve(切り分ける)」に由来します。

典型的には、成長の中心から外れたノンコア事業を切り離して経営資源を主力事業へ集中する場面や、単独では伸ばしにくい有望事業を外部資本と組んで独立させる場面で使われます。切り出した事業は、投資ファンドや事業会社へ売却されることもあれば、新設した会社として独立し外部から出資を受けることもあります。

なぜ「M&A・事業売却」の文脈で解説するのか

「カーブアウト」は使われる場面によって指すものが少しずつ異なります。本記事は、事業の一部を切り出して第三者へ売却する、あるいは独立会社化するM&A・事業再編の文脈で解説します。

これとは別に、大企業グループが社内の新規事業を切り出して起業家とともに育てる「社内新規事業のカーブアウト」という使われ方もあります。さらに、資産運用の世界でポートフォリオから特定資産を切り出して成績を提示する「投資パフォーマンス計測上のカーブアウト」という別概念もあります。検索で言葉が混ざりやすいため、本記事では事業の切り出し売却に話を絞って解説します。

カーブアウトとスピンオフ・スピンアウト・事業譲渡・会社分割の違い

ここからは、カーブアウトと混同されやすい言葉との違いを整理します。区別の軸は「切り出した後に親会社との資本関係が残るか」と「何を指す言葉なのか(結果の呼び名か、法的な手続きか)」の2つです。

まず押さえたいのは、カーブアウトは事業を切り出すこと全体を指す広い呼び名であり、スピンオフ・スピンアウトはその「切り出し方・独立後の資本関係」のパターン、会社分割・事業譲渡は切り出しを実現する「法的な手法」である、という関係です。MBOは経営陣が自ら買い取る形態を指します。

← 横にスクロールできます →
用語の違いカーブアウトスピンオフスピンアウト事業譲渡会社分割MBO
何を指すか事業・子会社を本体から切り出すこと全般の呼び名切り出した事業を独立会社にし、原則として既存株主へ株式を分配する形態切り出した事業を親会社と資本関係を断って独立させる形態切り出しを実現する法的手法の一つ。事業を取引として個別に移転する切り出しを実現する法的手法の一つ。事業の権利義務を包括的に承継させる経営陣が自社の事業や株式を買い取って経営権を取得すること
親会社との資本関係ケースによる(売却・独立とも含む)残さない(親会社から分離・独立)残さない手法のため直接は規定しない手法のため直接は規定しない原則残さない(経営陣やファンドが取得)
主な特徴・向く場面ノンコア事業の切り離しや有望事業の独立の総称。下のスピンオフ等を内包する一定の要件を満たすと税制上の優遇(課税の繰延)を受けられる経営陣や外部資本が独立後の会社を担う。親会社の支配から外れる対象の資産・契約を選んで移せる。移転手続きは個別に必要権利義務をまとめて移せる。簿外債務も承継の対象になりうる切り出した事業を既存の経営陣が引き継ぐ場合などに用いられる

スピンオフとスピンアウトは「独立後に親会社との資本関係を残さない」点が共通しますが、スピンオフは既存株主への株式分配をともない、一定要件のもとで課税の繰延が認められる点が実務上の分かれ目になります。

スピンオフやスピンアウトも、実際には会社分割や株式譲渡といった手法を使って実現します。「呼び名(独立後の資本関係のパターン)」と「手法(会社分割・事業譲渡)」は別の階層の話で、実務では会社分割で切り出した事業を新会社に移し、その株式を第三者へ譲渡するなど、複数の手法を組み合わせる形も少なくありません。会社分割と事業譲渡という2つの手法は、次章で詳しく見ていきます。

カーブアウトの2つの手法|会社分割と事業譲渡の違い

カーブアウトを実現する法的な手法は、大きく会社分割と事業譲渡の2つに分かれます。どちらを選ぶかで、権利や契約の移り方・必要な手続き・税務の扱いが変わります。

会社分割(権利義務を包括的に承継)

会社分割は、切り出す事業に関する権利義務を、分割先の会社がまとめて引き継ぐ手法です。会社法は、既存の会社が承継する吸収分割について、次のように定めています。

吸収分割承継株式会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。

出典:会社法 第759条第1項|e-Gov法令検索

新たに会社を設立してそこへ承継させる新設分割でも、「新設分割設立株式会社は、その成立の日に、新設分割計画の定めに従い、新設分割会社の権利義務を承継する」と同様に定められています(会社法第764条第1項)。会社分割では、契約や債務を一件ずつ移し替えなくても権利義務がまとめて移る一方、認識していない簿外債務まで承継の対象に含まれうる点に注意が必要です。

事業譲渡(資産・契約を個別に移転)

事業譲渡は、対象の資産・負債・契約を取引として個別に移す手法です。会社分割のような包括承継の規定はなく、契約上の地位を移すには原則として相手方の同意が要ります。民法は、契約上の地位の移転について次のように定めています。

契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移転する。

出典:民法 第539条の2|e-Gov法令検索

そのため事業譲渡では、取引先との契約・従業員との雇用関係・許認可などを個別に移す必要があり、相手方の同意が得られない契約は引き継げないことがあります。移したい資産・契約を選んで切り出せる柔軟さがある反面、手続きは会社分割より煩雑になりやすい手法です。

承継の違い早見表

会社分割と事業譲渡で、何がどう移るのかを観点別に整理すると次のとおりです。許認可の承継可否は業種を規律する法令(業法)ごとに扱いが異なり、会社分割であっても当然に引き継げるとは限らないため、個別の確認が欠かせません。

← 横にスクロールできます →
会社分割と事業譲渡の承継権利義務の移り方契約の承継簿外債務許認可従業員の雇用主な会社法上の手続き課税の原則
会社分割包括承継(まとめて移る)原則まとめて承継(個別の同意は不要が原則)承継の対象に含まれうる業法ごとに扱いが異なり個別確認が必要労働契約承継法にもとづく手続きを経て承継分割契約・計画の作成、株主総会の特別決議など適格要件を満たせば課税の繰延(満たさなければ課税)
事業譲渡個別承継(一件ずつ移す)相手方の同意が必要(民法第539条の2)移す対象を選べるため切り離しやすい原則として取り直し・再申請が必要なことが多い個別の同意(転籍の合意)が必要事業の全部・重要な一部は株主総会の特別決議(会社法第467条)原則として譲渡損益に課税

事業の全部の譲渡や事業の重要な一部の譲渡などでは、会社法上、効力発生日の前日までに株主総会の決議による承認が必要とされています(会社法第467条)。手法選びでは、移したい範囲・簿外債務の有無・許認可の扱い・税務への影響が判断材料になります。

出典・参考資料(2件)

カーブアウトのメリット・デメリット

ここでは、カーブアウトを行う側(親会社)と、切り出される事業側の双方の視点から、メリットとデメリットを整理します。

カーブアウトのメリット

親会社にとっての最大のメリットは、ノンコア事業を切り離して経営資源を主力事業に集中できることです。売却によって資金を得られ、事業ポートフォリオの選択と集中が進みます。

切り出される事業側にも利点があります。独立によって意思決定が速くなり、親会社だけに頼らず外部から資金や人材を呼び込みやすくなります。投資ファンドや事業会社の傘下に入れば、その経営ノウハウや販路を活用して成長を加速できる場合もあります。

カーブアウトのデメリット

一方で、本体から切り離すことで、これまで親会社が担っていた経理・人事・情報システムなどの管理機能を自前で用意する必要が生じます。独立後に機能が欠けるリスクは「スタンドアローン問題」と呼ばれ、準備不足のまま進めると事業運営に支障が出かねません。

また、切り出しの過程では関係者への影響も避けられません。従業員にとっては所属や処遇が変わるため、説明や配慮が不十分だと離職につながることがあります。外部資本が入れば、独立後の経営に出資者の意向が反映される点も、あらかじめ織り込んでおく必要があります。

カーブアウトで失敗しないための注意点

ここからは、実務で特につまずきやすい点を取り上げます。会社分割と事業譲渡で権利や契約の移り方がどう違うかは前章の早見表で整理したので、本章は「実際に何に備えるか」に絞って解説します。

スタンドアローン問題への備え

切り出す事業は、親会社の間接部門・ITインフラ・共通の仕入ルートなどに支えられていることが多く、独立後にこれらが欠けると単独では業務が回らなくなります(スタンドアローン問題)。どの機能を自前で用意し、どこまで親会社の支援を受けるかは切り出しの計画段階で洗い出す必要があり、その具体的な対応(カーブアウト財務諸表・TSA=移行サービス契約)は後述の「進め方」ステップ3で解説します。

許認可・契約・知的財産・従業員の承継でつまずく点

事業譲渡では契約や許認可を個別に移すため、相手方の同意が得られなかったり許認可を取り直す必要が生じたりして、想定より時間がかかることがあります。会社分割でも許認可は業法ごとに扱いが異なり、当然に引き継げるとは限りません。

知的財産(特許・商標・ライセンス)についても、親会社との共有分や第三者からの使用許諾がどう扱われるかを事前に確認しておく必要があります。従業員については、転籍の同意や労働条件の説明を丁寧に行い、離職を防ぐ配慮が欠かせません。

株主総会など必要な手続き

切り出しには、株主総会の特別決議(会社分割や事業の重要な一部の譲渡の場合)や、上場企業なら適時開示など、法定の手続きが伴います。これらは対象の規模やスキームによって要否や段取りが変わり、準備に想定以上の時間を要することもあります。手続きのスケジュールを早めに織り込み、法務・財務の専門家とともに段取りを確認しておくと安全です。

カーブアウトの進め方(実施手順)

ここでは、事業を切り出して売却・独立させるまでの大きな流れを、4つのステップで解説します。

カーブアウトの進め方を4ステップで示した図。STEP1スキームを決める(会社分割と事業譲渡のどちらで切り出すか)、STEP2承継範囲を決める(資産・負債・契約・従業員・知的財産)、STEP3カーブアウト財務諸表とTSA(移行サービス契約)、STEP4上場企業の適時開示の検討、の順に矢印でつながる流れ図。

ステップ1:スキーム(手法)を決める

最初に決めるのは、会社分割と事業譲渡のどちらで切り出すかです。移したい事業の範囲・簿外債務の有無・許認可や契約の承継のしやすさ・税務への影響を照らし合わせ、売却か独立かという出口も踏まえてスキームを設計する段階になります。この段階の判断が後工程の手続きや税負担に影響するため、専門家を交えて検討するのが一般的です。

ステップ2:承継する範囲を決める

次は、切り出す事業に含める資産・負債・契約・従業員・知的財産の範囲を確定する段階です。どこまでを対象に含めるかで、事業の価値も、買い手にとっての引き継ぎやすさも変わります。親会社と共有していた機能のうち、何を一緒に移し、何を残すのかをこの段階で切り分けておく必要があります。

ステップ3:カーブアウト財務諸表とスタンドアローン・TSA

切り出す事業の収益力を買い手に示すため、その事業を単独で運営していたと仮定して作成する財務諸表を「カーブアウト財務諸表」と呼びます。親会社と共有していたコストを事業単独の数字に引き直すことで、独立後の実態に近い損益が見えるようになります。これらは会計基準で明確に定義された用語ではなく、M&Aの実務で用いられる概念です。

あわせて、スタンドアローン問題への対応も進めます。独立後すぐには自前で用意できない間接部門やITなどの機能について、一定期間は親会社が有償で支援する「TSA(移行サービス契約、Transition Service Agreement)」を結ぶことがあります。TSAの範囲と期間を適切に設計しておくと、切り出し直後の事業の混乱を抑えられます。

ステップ4:適時開示の検討(上場企業の場合)

上場企業が会社分割や事業(全部または一部)の譲渡・譲受けを決定した場合は、証券取引所の規則にもとづく適時開示が関わります。投資判断への影響が軽微なものを除き、決定後は直ちにその内容を開示することが求められます(有価証券上場規程第402条。各証券取引所に共通する枠組みです)。開示のタイミングや要否は規模などの基準で変わるため、公表の段取りも含めた準備が求められます。

出典・参考資料(1件)

カーブアウトの税務・会計の論点

カーブアウトでは、使う手法や要件の満たし方によって税務の扱いが大きく変わります。ここでは意思決定の前に押さえておきたい論点を概説します。個別の税額や適用の可否は事案によって異なるため、具体的な検討は税理士など専門家への確認が前提です。

会社分割などの組織再編では、課税が発生するのが原則で、一定の要件を満たした場合に例外的に課税が繰り延べられます。経済産業省の資料は、この原則と例外を次のように説明しています。

組織再編により資産移転や株主変更があるため、課税が発生するのが原則(非適格組織再編)。……例外的に課税関係を継続させることができる(適格組織再編)。

出典:「スピンオフ」の活用に関する手引(制度編)令和7年7月|経済産業省

この「適格」と「非適格」の区別が、カーブアウトの税負担を左右します。適格組織再編に該当すれば資産は簿価で引き継がれて譲渡損益への課税が繰り延べられ、非適格なら通常の売買と同じく時価で譲渡損益が認識されます。

経済産業省の同資料では、特定の事業を切り出して独立会社とするスピンオフのうち一定のものが適格組織再編に位置づけられています。この適格スピンオフでは、譲渡損益課税を繰り延べ、配当についての課税を対象外とする措置がとられました(平成29年度税制改正)。適格と認められるには、株式のみの交付や主要資産等の移転、従業者の引き継ぎといった要件を満たす必要があります。

事業譲渡の場合は、原則として譲渡益に課税されます。また、買い手が支払った対価が受け入れた純資産を上回る部分は、税務上「資産調整勘定(税務上ののれん)」として扱われ、損金算入の対象になります(法人税法第62条の8)。

会計面では、取得した事業に生じるのれんを資産として計上し、適用する会計基準に応じて償却や減損を検討します。税務上の資産調整勘定とは償却の扱いなどが異なり、税務と会計で処理が分かれるため、具体的な影響は税理士・会計士に確認しながら両面で検討することが欠かせません。

出典・参考資料(2件)

なぜ今カーブアウトが増えているのか(背景)

日本企業では、複数の事業を抱える企業に対して事業ポートフォリオの見直しを求める流れが強まっています。関連の薄い事業を抱え込むことで企業全体の評価が割り引かれる「コングロマリット・ディスカウント」を解消し、各事業を最も伸ばせる経営体制に委ねる考え方が広がるなかで、ノンコア事業を切り出すカーブアウトが選択肢として用いられるようになりました。

経済産業省も、企業の機動的な事業再編を促す観点から、特定事業を切り出して独立会社とするスピンオフ税制の整備など、制度面の後押しを進めてきました。投資家からの資本効率への要請も背景に、ノンコア事業を切り出して専門の担い手に委ねるカーブアウトは、事業再編の有力な手段のひとつになっています。

出典・参考資料(1件)

カーブアウトの実例

実際に行われたカーブアウトの例を、対象事業・手法・結果の順に見ていきます。実務では、会社分割で新会社に事業を移してからその株式を譲渡するなど、複数の手法を組み合わせて切り出す形が多く見られます。以下では代表的な2例を取り上げます。

オリンパスの映像事業の切り出し

オリンパスは、デジタルカメラや交換レンズ、ICレコーダーなどの映像事業を切り出し、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)へ譲渡しました。具体的には、新設した完全子会社「OMデジタルソリューションズ株式会社」に映像事業を会社分割(吸収分割)で承継させ、その株式の大半をJIP側の会社へ譲渡するスキームがとられました。譲渡は2021年1月1日付で完了しています。

これにより、オリンパスは医療事業・科学事業を経営の柱とする体制へ集中し、映像事業は独立した会社のもとで継続される形になりました。関連の薄い事業を切り出して専門の担い手に委ねる、カーブアウトの典型例といえます。

出典・参考資料(1件)

ソニーのPC事業(VAIO)の切り出し

ソニーは、「VAIO」ブランドのパソコン事業を本体から切り出し、投資ファンドの日本産業パートナーズとの新会社「VAIO株式会社」として独立させました。新会社の出資比率はJIPが95%、ソニーが5%で、2014年7月をめどに独立し、本社は長野県安曇野市に置かれました。

主力の電機事業の立て直しを進めるなかで、ノンコアとなったPC事業を独立した会社に委ねた事例であり、切り出した事業を投資ファンドと組んで独立させるカーブアウトの形です。

出典・参考資料(1件)
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

カーブアウトを相談できる依頼先(M&Aアドバイザリー・FA)の選び方

カーブアウトは、スキームの設計から事業価値の算定、買い手探し、交渉、契約まで多くの専門領域が関わるため、社内だけで進めるのは容易ではありません。ここでは、事業の切り出し売却を相談できる依頼先の選び方を整理します。

FAとM&A仲介の違い・選び方の観点

M&Aの相談先は、大きくFA(ファイナンシャル・アドバイザー)とM&A仲介に分かれます。FAは売り手・買い手のどちらか一方に付いて(片手)その依頼者の利益を専任で代弁する立場で、売却価格や条件を依頼者に有利に進めることを目指します。一方のM&A仲介は売り手と買い手の間に立ち(両手)、双方の合意形成を中立的に支援します。

自社の利益を最大化したいなら片手のFA、相手がすでに決まっていて円滑にまとめたいなら仲介、というように立場の違いを踏まえて選ぶのが基本です。

選ぶときの観点としては、立場(片手か両手か)に加えて、料金体系(着手金・中間金・成功報酬の有無と料率)、得意な事業規模や業種、そして「切り出しの準備段階から支援してくれるか」「実行フェーズを任せられるか」というフェーズの対応範囲があります。カーブアウトでは、売却前に事業価値を高める準備を支援する先と、切り出し売却そのものを実行する先とで、相談相手が分かれることもあります。

依頼先の候補を横並びで比べたいときは、M&Aアドバイザリー会社を仲介型・FA・Big4系まで案件規模別に整理した比較記事が参考になります。自社の案件規模や、片手のFAか両手の仲介かといった立場の違いを手がかりに、相談先を絞り込めます。

ここでは、売り手側に立って事業の切り出し売却を支援するサービスの一例として、M&A Lead を紹介します。

M&A Lead(売主専門のM&Aアドバイザリー)

M&A Lead(売主専門のM&Aアドバイザリー)のウェブサイト

M&A Leadは、売り手(譲渡企業)側に専属して支援するM&Aアドバイザリー(セルサイド)です。買い手からは手数料を受け取らず、売り手側からのみ報酬を受け取る立場をとるため、譲渡価格や従業員の雇用条件など、売り手の希望の実現に向けて交渉を進めます。

対象は会社全体の譲渡だけではありません。公式のよくある質問でも「会社全体(株式)だけでなく、一部の事業譲渡も可能です」と示されており、事業の一部を切り出して売るカーブアウトの相談先になります。実際の成約事例にも、上場企業の子会社を親会社の選択と集中にともなって譲渡したケースが含まれています。

料金は完全成功報酬制で、着手金・中間金・月額報酬は0円、報酬は譲渡が完了したときの成功報酬のみです。成功報酬は譲渡対価に、取引金額の規模に応じて段階的に料率を変えるレーマン方式(5億円以下の部分5%〜100億円超の部分1%)を適用して算出し、最低手数料は2,000万円が設定されています。

自社のアドバイザーに加え、他社のアドバイザーや買い手側FA、地方銀行を中心とする金融機関のネットワークを通じて買い手候補を探す点も特徴です。相談は無料で、全国に対応しています。

まとめ

カーブアウトは、事業や子会社を本体から切り出し、独立させたり売却したりするM&A・事業再編の手法です。スピンオフ・スピンアウトは切り出し後の資本関係のパターン、会社分割・事業譲渡は切り出しを実現する法的手法という関係を押さえると、言葉の違いが整理しやすくなります。

手法選びでは、権利義務の移り方・簿外債務・許認可や契約の承継・税務への影響が判断材料になります。実際に進めるにはスキーム設計や事業価値の算定、買い手探しなど専門的な工程が多いため、売り手側に立って支援してくれるM&Aアドバイザリー・FAへの相談が現実的な一歩になります。自社の事業に合う依頼先を比較検討するところから始めてみてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. カーブアウトとは何ですか?

A. カーブアウトとは、企業が特定の事業や子会社を本体から切り出し、別会社として独立させたり第三者へ売却したりするM&A・事業再編の手法です。成長の中心から外れたノンコア事業を切り離して主力事業へ経営資源を集中する場面や、有望な事業を外部資本と組んで独立させる場面で使われます。

Q. カーブアウトとM&Aは何が違いますか?

A. カーブアウトは、M&A(企業の合併・買収)という大きな枠組みのなかで、「事業の一部を切り出して独立・売却する」特定の進め方を指す言葉です。会社まるごとの売買も含むM&A全般に対し、カーブアウトは事業や子会社を本体から切り分ける点に特徴があり、会社分割や事業譲渡といったM&Aの手法を使って実現します。

Q. カーブアウトした事業は必ず売却されるのですか?

A. カーブアウトした事業は、第三者へ売却される場合と、新設会社として独立し外部資本を受け入れる場合の両方があり、必ずしも売却とは限りません。投資ファンドや事業会社へ譲渡する形もあれば、独立した会社として存続しながら成長を目指す形もあり、親会社の目的によって出口は変わります。

Q. カーブアウトにはどのくらいの期間がかかりますか?

A. カーブアウトにかかる期間は、対象事業の規模・スキーム・買い手探しの状況によって大きく変わり、一概には言えません。スキームの設計、承継範囲の確定、カーブアウト財務諸表の作成、買い手との交渉など工程が多いため、検討開始から完了まで数カ月から1年以上を要することもあります。早い段階で専門家に相談し、現実的なスケジュールを立てることが大切です。

Q. カーブアウトは中小企業や非上場企業でもできますか?

A. カーブアウトは、上場企業に限らず、中小企業や非上場企業でも事業の切り出し売却・独立の手法として活用できます。非上場企業では上場企業に求められる適時開示は不要ですが、会社分割や事業の重要な一部の譲渡で株主総会の特別決議など会社法上の手続きが必要になる点は、規模を問わず共通です。自社の事案で何が必要かは専門家に確認すると安全です。

Q. カーブアウトにかかる費用や手数料はどのくらいですか?

A. カーブアウトの費用は、依頼するM&Aアドバイザリー・FAの料金体系によって異なり、着手金・中間金・成功報酬の有無や料率が各社で分かれます。成功報酬は譲渡対価に応じたレーマン方式で算出されるのが一般的で、着手金や中間金をとらない完全成功報酬制のサービスもあります。これらに加えて、デューデリジェンスや契約書作成などで弁護士・会計士・税理士への費用が生じる場合があります。

Q. カーブアウトの出資比率はどのくらいが適切ですか?

A. カーブアウトの出資比率に決まった正解はなく、切り出した事業を完全に独立させたいのか、親会社が一定の関与を残したいのかという目的によって決まります。資本関係を断って独立させるなら親会社は出資を残さず、独立後も支援や連携を続けるなら一部を保有するといった設計になります。たとえばソニーのPC事業の独立では、投資ファンドが95%、ソニーが5%を出資する形がとられました。

Q. カーブアウトは誰に相談すればよいですか?

A. カーブアウトは、事業の切り出し売却を専門に扱うM&Aアドバイザリー・FA(ファイナンシャル・アドバイザー)に相談するのが一般的です。スキーム設計・事業価値の算定・買い手探し・交渉まで専門領域が多岐にわたるため、売り手側に立って支援してくれる先を選ぶと、譲渡価格や雇用条件など自社の希望を反映しやすくなります。税務や契約面では税理士・弁護士の関与も必要になります。

Q. カーブアウトを検討するとき、まず何から始めればよいですか?

A. カーブアウトの検討は、「どの事業を・なぜ切り出すのか」という目的と対象を社内で整理することから始めるのが実務的です。目的が定まると、会社分割と事業譲渡のどちらが向くか、売却か独立かといったスキームの方向性が見えてきます。そのうえで早い段階でM&Aアドバイザリー・FAに相談すると、自社の事業に合った進め方や依頼先を具体的に詰められます。

M&Aアドバイザリー・FAの資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、事業の切り出し売却や会社の譲渡を相談できるM&Aアドバイザリー・FAの最新資料を無料で一括請求できます。売り手に付くFAか中立の仲介か、料金体系や得意領域を見比べて、自社に合う依頼先を効率的に探せます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&Aアドバイザリー・FAの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

M&Aアドバイザリー・FA
おすすめの診断サービス