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サイバーセキュリティコンサルの依頼先の選び方|目的別タイプ・費用相場・依頼の進め方

サイバーセキュリティコンサル 依頼先の選び方のサムネイル画像

自社のサイバーセキュリティ対策を外部の専門会社に任せたいと考え始めたものの、どんな会社に・何を・どう頼めばよいか分からず迷っていませんか。ランサムウェアや取引先を経由した攻撃が増え、専任の担当者を置きにくい企業ほど、外部のコンサルティング会社やベンダーに相談するケースが増えています。

一口に「サイバーセキュリティコンサル」といっても、その顔ぶれはさまざまです。経営戦略から全社の体制づくりを担う総合ファーム、弱点を洗い出す診断の専門会社、事故時の緊急対応を引き受ける会社、中小企業が手の届く費用で始められる伴走・認証取得支援まで幅広くあります。依頼先によって頼める範囲も費用も大きく異なるため、自社の目的に合う依頼先をどう見極めればよいのでしょうか。

本記事では、サイバーセキュリティコンサルの依頼先を、依頼目的別の4タイプに分けて比較・解説します。頼める支援の範囲や費用相場・契約形態に加え、依頼先の選び方と、初めてでも迷わない依頼の進め方まで整理しました。自社に合う1社を絞り込むための判断材料としてご活用ください。

また、どのタイプが自社に合うか迷う場合に備えて、いくつかの質問に答えるだけで向いている依頼先のタイプがわかる「30秒で終わる選定診断ツール」も用意しています。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

サイバーセキュリティコンサルへの依頼とは

はじめに、サイバーセキュリティコンサルに何を・どこまで任せられるのか、そしてなぜ外部への依頼を検討する企業が増えているのかを整理します。依頼の全体像をつかんだうえで、後半のタイプ別比較や選び方に進むと、自社に必要な依頼先を見極めやすくなります。

セキュリティコンサルの役割(何を・どこまで任せられるか)

サイバーセキュリティコンサルは、企業の情報システムや業務の現状を外部の専門家の視点で調べ、どこにリスクがあるかを洗い出し、優先順位をつけて対策を提案する役割を担います。方針づくりの上流から、実際の診断や事故対応といった現場寄りの支援まで、会社によって守備範囲は異なります。

役割を大きく分けると、全社のルールや管理体制を設計する戦略・ガバナンス支援、システムの弱点を見つける脆弱性診断・ペネトレーションテスト、事故が起きた際の初動から復旧までを担うインシデント対応、従業員向けの教育などがあります。どこまで任せたいかによって、選ぶべき依頼先が変わります。

依頼できる支援の範囲(頼めること・自社に残すこと)

依頼できる支援は、主に次のような領域に分かれます。自社の課題がどこにあるかを照らし合わせると、相談すべき相手がはっきりします。

  • 戦略・ガバナンス設計:セキュリティ方針やルールの策定、全社的なリスク管理体制の構築、ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークなど取引先から求められる水準への対応
  • リスクの可視化:脆弱性診断やペネトレーションテスト(擬似的な攻撃による侵入テスト)で、システムやネットワークの弱点を洗い出す
  • インシデント対応:攻撃を受けた際の初動対応、原因究明(フォレンジック)、復旧、再発防止策の策定、CSIRT(インシデント対応の専門チーム)構築支援
  • 継続的な運用・教育:監視・運用の改善、従業員への標的型攻撃メール訓練やセキュリティ教育

一方で、すべてを外部任せにできるわけではありません。多くの依頼先は現状把握と改善策の提案までを担い、実際の設定変更やルールの運用は自社に残るのが一般的です。だからこそ、どこまでを依頼し、どこからを自社で担うのかを最初に決めておくことが、依頼を成功させる前提になります。

自社で担う部分にどのような対策が必要かもあわせて把握したい場合は、社内のセキュリティ対策を守る対象別のタイプに整理し、代表的なサービスと選び方をまとめた以下の記事が参考になります。

なぜ外部に依頼するのか(自社の限界・取引先要件・インシデントへの備え)

外部への依頼を検討する背景には、自社だけでは守りきれないという現実があります。警察庁の調査によると、2024年(令和6年)のランサムウェアの被害報告件数は222件と高い水準が続いています。とくに中小企業の被害件数は前年比で37%増加しており、攻撃ツールが出回って対策が手薄な企業ほど狙われやすくなっている状況がうかがえます。

被害が起きたときの影響も重くなっています。同じ調査では、被害を受けた企業のうち調査・復旧に1か月以上を要した組織の割合は49%、1,000万円以上の費用を要した組織は50%に達しました。専任のセキュリティ人材を置きにくい企業にとって、こうした事態に自力で備え、対応しきるのは簡単ではありません。

出典・参考資料(1件)

もう一つの背景が、取引先からの要請です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2025」では、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が組織向けの脅威として上位に継続して挙げられています。取引を続けるために、ISMSやプライバシーマークといった認証や一定の対策水準を求められるケースもあり、自社の体制を客観的に整える必要に迫られる企業が増えています。

出典・参考資料(1件)

専門知識や人手が社内に足りない、取引先から対策を求められている、万一の事故に備えたい。こうした動機から、自社の状況に合った依頼先を探す企業が増えているわけです。次章では、その依頼先を目的別のタイプに分けて見ていきます。

依頼先のタイプ(依頼目的別)と自社に合うタイプの見つけ方

ここからは、依頼先を「自社が何を頼みたいか」という目的別に4つのタイプへ分けて解説します。会社ごとに得意な領域は異なるため、まず自社の目的に合うタイプを押さえてから、個別の依頼先を比べると選びやすくなります。

サイバーセキュリティコンサルの依頼先を依頼目的別に4タイプで整理した早見図。全社の方針・体制を整えたい場合は総合コンサル型、自社システムの弱点を知りたい場合は診断・ペネトレ型、事故への備えと対応を任せたい場合はインシデント対応型、認証取得や中小企業で手軽に始めたい場合は認証取得支援・伴走パッケージ型が向く。

戦略・ガバナンスから全社的に任せたいタイプ(総合コンサル型)

経営の視点でリスクを整理し、全社に共通するルールや管理体制づくりから、ロードマップの策定・実行支援まで幅広く担うタイプです。大手の総合系・監査法人系のファームが中心で、取引先要件への対応や、経営層を巻き込んだ中長期の体制整備を任せたい企業に向いています。支援範囲が広いぶん費用は高めになりやすく、主に中堅以上の企業が対象です。

弱点を洗い出したいタイプ(診断・ペネトレ型)

脆弱性診断やペネトレーションテストで、システム・Webサイト・ネットワークに潜む弱点を技術的に洗い出し、改善策を提示するタイプです。「まず自社の現状の弱点を知りたい」「特定のシステムの安全性を確かめたい」という段階の企業に適しています。手動主体の診断や実機への攻撃テストに強みを持つ専門ベンダーが多く、診断範囲や項目に応じて費用が決まるのが一般的です。

事故に備え・対応まで任せたいタイプ(インシデント対応型)

攻撃や情報漏えいが起きたときの初動対応から、原因究明、復旧、再発防止までを引き受けるタイプです。平時にあらかじめ契約しておき、緊急時にすぐ駆けつけてもらえる体制を整える使い方が中心になります。事故対応の経験が社内に乏しく、万一のときの判断と手順に不安がある企業に向いています。

認証取得や中小企業の体制づくりを手の届く形で進めたいタイプ(認証取得支援・伴走パッケージ)

大手ファームよりも手の届く費用感で、認証取得や中小企業の継続的な対策を伴走しながら進めるタイプです。ISMSやプライバシーマークなど取引先要件への対応を支援する会社や、月額制で診断から対策の提案までをパッケージで提供する会社が含まれます。専任の担当者がいなくても始めやすく、まず一歩を踏み出したい中小企業に向いています。

依頼目的からタイプを選ぶ(目的→タイプの対応)

自社の目的と、対応するタイプの関係を整理すると次のようになります。複数の目的にまたがる場合は、優先度の高いものから依頼先を検討するとよいでしょう。

  • 全社の方針・体制を整えたい、取引先要件に本格的に応えたい → 総合コンサル型
  • 自社システムの弱点を具体的に知りたい → 診断・ペネトレ型
  • 事故への備えと、起きたときの対応を任せたい → インシデント対応型
  • 認証取得を進めたい、中小企業で手軽に始めたい → 認証取得支援・伴走パッケージ型

とはいえ、自社がどのタイプに当てはまるか判断に迷うこともあります。そのような場合でも、自社の状況に合った依頼先のタイプを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】サイバーセキュリティコンサル依頼先の対応範囲・費用・形態を比較

ここからは、依頼先を目的別のタイプごとに比較します。対応する支援内容・対象企業規模・費用の目安・依頼形態を横並びで確認し、自社に合う候補を絞り込んでください。費用は公表していない会社も多いため、その場合は要問い合わせと記載しています。

総合コンサル型の比較

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サービス名PwC サイバーセキュリティコンサルティングデロイト トーマツ サイバーEY サイバーセキュリティ コンサルティングアクセンチュア セキュリティBCG サイバーセキュリティ・デジタルリスク コンサルティングプロティビティ サイバーセキュリティコンサルティングサイバーストラテジーコンサルティング(IIJグローバルソリューションズ)サイバーセキュリティコンサルティング(三菱総研DCS)
運営会社PwC Japanグループ(PwCコンサルティング合同会社)デロイト トーマツ サイバー合同会社EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社アクセンチュア株式会社ボストン コンサルティング グループ(BCG)プロティビティ合同会社株式会社IIJグローバルソリューションズ三菱総研DCS株式会社
主な支援内容(得意領域)戦略・ガバナンス策定から脆弱性診断・ペネトレーション・インシデント対応まで
電力・ICS・車載など業界特化メニュー
戦略・ガバナンスから運用(MXDR)まで一貫
インシデント対応・フォレンジック・CSIRT/SOC構築
戦略立案からアセスメント・診断・SOC高度化・インシデント対応まで
金融セクター特化メニュー
戦略設計からゼロトラスト導入・OT保護・マネージド監視まで
SOCによる24時間365日の監視・MDR
事業戦略と一体のリスク定量化・投資優先順位付け・ガバナンス設計
(脆弱性診断・SOC運用は非提供)
戦略策定から模擬攻撃・ペネトレ・IAM・マネージド運用まで(8領域)
Microsoft製品を活用した運用
NIST CSF2.0準拠の戦略策定・OTセキュリティ・CSIRT構築・運用改善
複数フレームワークに準拠
リスク分析・将来構想・工程管理をワンストップで支援
ベンダーフリー/無料のゼロトラスト診断
対象企業規模公式に明記なし(大企業・グローバル向けの色が強い)大企業・金融・重要インフラ大企業・グローバル企業・金融大企業・官公庁大企業(経営層向け)公式に明記なし公式に明記なし大企業・金融(大規模基盤の実績)
費用の目安要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
依頼・契約形態プロジェクト型
(インシデント対応は年間リテイナー)
プロジェクト型・マネージドサービスプロジェクト型・マネージドサービスプロジェクト型・マネージドサービス個別プロジェクト型プロジェクト型・マネージドサービスプロジェクト型・運用支援プロジェクト型
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

診断・ペネトレ型の比較

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サービス名セキュリティ診断・ペネトレーションテスト(NRIセキュア)セキュリティ診断・評価・調査(NTTセキュリティ・ジャパン)脆弱性診断・ペネトレーションテスト(GMOイエラエ)
運営会社NRIセキュアテクノロジーズ株式会社エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン株式会社GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社
主な支援内容(得意領域)専門家による手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテスト
Web・クラウド・IoT/OT・AIなど幅広い対象
脆弱性診断・RedTeam/TLPT・各種アセスメント
経済産業省基準のSCS評価制度アセスメント・IoT/OT診断
ホワイトハッカーによる手動診断・ペネトレーションテスト(13種)
ツール型ASM(継続診断)も提供
対象企業規模金融機関・上場企業など公式に明記なし中小企業〜大企業
(中小向けプランあり)
費用の目安個別見積り
(ペネトレーションテストは800万円〜・税別)
個別見積り個別見積り
(ツール型ASMは月額4万円〜)
依頼・契約形態スポット診断(個別見積り)スポット診断・セルフ診断(継続)スポット診断・月額ASM・年間契約
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

インシデント対応型の比較

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サービス名サイバー119(ラック)IBM X-Force総合インシデントレスポンス(NTTドコモビジネス)
運営会社株式会社ラック日本アイ・ビー・エム株式会社NTTドコモビジネス株式会社
主な支援内容(得意領域)初動対応〜フォレンジック・復旧・再発防止・対外対応
24時間365日・予約不要の緊急受付
インシデント対応リテイナー・緊急対応・事前準備(計画・演習)
X-Force Redによるペネトレーションテスト
初動対応〜原因究明・改善提案をスポットで対応
WideAngleの監視・検知メニューと連携
対象企業規模中小企業〜大企業(業種不問)公式に明記なし公式に明記なし
費用の目安要お問い合わせ
(初回相談は無料)
要お問い合わせ要お問い合わせ
依頼・契約形態スポット対応
(事前契約サービスあり)
年間リテイナー・スポット緊急対応スポット対応
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

認証取得支援・伴走パッケージ型の比較

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サービス名KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージISMSアシスト
運営会社株式会社SYNCHRO株式会社スリーエーコンサルティング
主な支援内容(得意領域)予防(月次の脆弱性診断)・復旧(隔離バックアップ)・補償(サイバー保険)の統合パッケージ
月次の相談会で伴走
ISMS(ISO/IEC 27001)認証の取得・運用を進めるクラウドツール
文書作成・進捗管理/コンサル伴走プランあり
対象企業規模中小企業中心
(従業員10名以上)
中小〜中堅企業
費用の目安1台あたり月額1,250円〜月額30,000円〜(自走プラン)
依頼・契約形態月額パッケージ
(デバイス単位の課金)
月額制
(自走/コンサル伴走の2プラン)
詳細情報オンライン相談を予約公式サイト

依頼先サービスの個別紹介

比較表で挙げた依頼先のうち、相談の入口になりやすい代表的なサービスを、タイプごとに個別に紹介します。それぞれの特徴・向いている企業を踏まえ、自社の目的に合う依頼先を見極める材料にしてください。なお、比較表の総合コンサル型に含めた大手ファームの一部は、個別紹介では扱わないため、対応範囲・費用の目安は比較表で確認してください。

戦略・ガバナンスから全社的に任せたいタイプ(総合コンサル型)

経営の視点から全社の体制づくりを担う、総合系・監査法人系のファームです。幅広い支援範囲が強みで、取引先要件への対応や中長期の体制整備を任せたい企業に向いています。

1. デロイト トーマツ サイバー(デロイト トーマツ サイバー合同会社)

デロイト トーマツ サイバー(サイバーセキュリティ コンサルティング)のウェブサイト

デロイト トーマツ サイバー合同会社は、セキュリティの観点から企業の経営変革を支援する専門家集団を掲げ、戦略の策定から設計・実装、運用、継続的な改善までを一貫して担うとしています。

支援領域は、サイバー戦略とガバナンス、インシデント対応・デジタルフォレンジック、脅威インテリジェンス、検知と対応を代行するマネージドサービス(MXDR)まで広がります。CSIRTやSOCの構築支援も手がけており、事故対応から日常の運用までを外部に任せたい企業に向いた構成です。

対応にあたっては、150以上の国・地域に広がるデロイトのグローバルネットワークを活用するとしています。料金は公開されておらず、各サービスの問い合わせ窓口から相談する形です。

2. EY サイバーセキュリティ コンサルティング(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)

EY サイバーセキュリティ コンサルティングのウェブサイト

EY JapanのメンバーファームであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が担うサイバーセキュリティ支援です。NIST CSF(米国発のセキュリティ管理の枠組み)などの基準を用い、戦略立案から実装までを守備範囲としています。

具体的なメニューは、セキュリティアセスメントや診断(ペネトレーションテスト)、ID・アクセス権管理、データ保護、SOCの高度化、ダークウェブ調査、インシデント対応・フォレンジックまで多岐にわたります。金融セクターに特化した支援メニューも用意しています。

過去には第三者評価として、Forrester社の「The Forrester Wave: Global Cybersecurity Consulting Providers, Q4 2021」でリーダーに選出された実績があります。海外拠点を持つ日系企業や金融機関を主な対象とし、料金は問い合わせに応じて提示する形です。

3. アクセンチュア セキュリティ(アクセンチュア株式会社)

アクセンチュア セキュリティ(サイバーセキュリティ コンサルティング)のウェブサイト

アクセンチュア株式会社が提供するサイバーセキュリティ支援は、経営戦略としてのセキュリティ設計(サイバーストラテジー)から、脅威への対応力を高めるレジリエンス、ゼロトラスト(何も信頼せず都度検証する考え方)の導入、OTやコネクテッド製品の保護までを対象としています。

世界38拠点のサイバーセキュリティセンターを基盤に、24時間365日の監視やマネージド型の検出・対応(MDR)を提供する運用面の体制を持ちます。量子コンピュータ時代に向けた暗号の移行など、先端領域のメニューも備えます。

国内では、三菱自動車のコネクテッドカーや海上自衛隊の業務支援といった事例を公式に挙げています。大企業・官公庁を主な対象とし、料金は公開されていないため問い合わせが必要です。

4. プロティビティ サイバーセキュリティコンサルティング(プロティビティ合同会社)

プロティビティ サイバーセキュリティコンサルティング(Protiviti)のウェブサイト

プロティビティ合同会社は、25か国・85を超える拠点を持つグローバルコンサルティングファームの日本法人です。サイバーセキュリティでは「アドバイス・実装・管理」の3段階で支援する方針を掲げています。

提供メニューは、クラウドセキュリティやデータセキュリティ、模擬攻撃・ペネトレーションテスト、ID・特権アクセス管理(IAM/PAM)、セキュリティ戦略の策定、サイバーリスクの定量化、マネージドセキュリティサービスなど8領域にわたります。

Microsoft DefenderやMicrosoft SentinelといったMicrosoft製品を活用したセキュリティ運用に対応する点も公式に挙げています。料金は公開されておらず、問い合わせに応じて見積もる形です。

5. サイバーストラテジーコンサルティング(株式会社IIJグローバルソリューションズ)

サイバーストラテジーコンサルティングのウェブサイト

事業戦略と連動したサイバーセキュリティ戦略の策定を軸にしたサービスです。提供元の株式会社IIJグローバルソリューションズは、インターネットイニシアティブ(IIJ)の100%子会社にあたり、コンサルティングからアセスメント、態勢構築・運用支援、トレーニングまでを扱っています。

メニューは、NIST CSF 2.0に準拠した全社戦略の立案、工場・プラントの制御システムを対象にしたOTセキュリティ、CSIRTの構築・運用支援、形骸化した運用を立て直すアセスメント、AIセキュリティなど6区分で構成されます。

NIST CSF 2.0やサイバーセキュリティ経営ガイドライン、IEC 62443、経済産業省のOTセキュリティガイドラインといった、複数のフレームワークに沿った支援を特徴としています。料金は公開されておらず、見積もり依頼が必要です。

6. サイバーセキュリティコンサルティング(三菱総研DCS株式会社)

サイバーセキュリティコンサルティングのウェブサイト

三菱総研DCS株式会社は、三菱総合研究所と三菱UFJフィナンシャル・グループを株主に持つ情報サービス会社です。ゼロトラストを見据えたセキュアなIT環境の整備を、計画の立案から構築・運用支援までワンストップで担うとしています。

具体的なメニューは、対象を限定した簡易リスク分析、IT資産の棚卸を含む詳細リスク分析、将来構想の検討、ITセキュリティの工程管理支援などです。特定の製品・ベンダーに依存しない方針(ベンダーフリー)を掲げています。

入口として、25問の設問に答えるとレーダーチャートで結果が出る「ゼロトラスト診断」を無料で提供しています。料金は公開されておらず、本格的な依頼は問い合わせが必要です。

弱点を洗い出したいタイプ(診断・ペネトレ型)

脆弱性診断やペネトレーションテストで、システムの弱点を技術的に洗い出す専門ベンダーです。現状の弱点を具体的に把握したい企業に適しています。

診断サービスそのものを詳しく比較して選びたい場合は、診断方法の違いや費用相場、選び方を解説した以下の記事もあわせてご覧ください。

7. セキュリティ診断・ペネトレーションテスト(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

NRIセキュアテクノロジーズのセキュリティ診断サービスの公式サイト

専門家による手動診断を中核に据えた、野村総合研究所グループのセキュリティ専業会社による診断サービスです。Webアプリケーション・プラットフォーム・スマートフォンアプリ・クラウド・ソースコードなど幅広い対象をカバーし、攻撃者視点のペネトレーションテストやレッドチームオペレーションまで含みます。

診断はツール任せにせず、SANS Instituteの専門トレーニング修了者や、CISSP・OSCPなどの国際資格を持つ専門家による手作業を主体とする点が特徴です。発見した問題点と対策をまとめた報告書を提供し、Webアプリケーション診断では実施から1か月以内に対策状況の確認を行います。

多くのメニューは診断範囲に応じた個別見積りで、ペネトレーションテストは800万円〜(税別)と公式に示されています。金融機関や上場企業を中心とした診断実績があり、厳格な水準を求められる企業に向いた依頼先です。

8. セキュリティ診断・評価・調査(エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン株式会社)

NTTセキュリティ・ジャパンのセキュリティ診断サービスの公式サイト

NTTグループのサイバーセキュリティ専業会社が提供する、診断・アセスメント群です。専門家が複数のツールを組み合わせて診断する脆弱性診断サービスと、QualysやTenableを使って自社で継続的に脆弱性を把握するセルフ診断を選べます。

攻撃者視点で侵入を試み、人・プロセス・技術の観点から耐性を評価するRedTeam/TLPTのほか、経済産業省の評価基準に基づきサプライチェーン全体の対策状況を診断するSCS評価制度アセスメントも扱います。取引先からサプライチェーンの対策を求められている企業に適しています。

料金は全メニューが要お問い合わせで、診断対象の範囲や規模に応じた個別見積りとなります。親会社であるNTTセキュリティホールディングス株式会社の100%子会社で、ISMS認証(認証番号22127-ISMS-001)を取得しています。

9. 脆弱性診断・ペネトレーションテスト(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

GMOサイバーセキュリティ byイエラエの公式サイト

GMOインターネットグループ傘下で、多数のホワイトハッカーが在籍するサイバーセキュリティ専門企業です。Webアプリケーション・スマホアプリ・クラウド・ネットワーク・IoTデバイスなど幅広い対象に、専門家による手動主体の脆弱性診断とペネトレーションテストを提供します。

専門家による個別見積りの診断に加えて、外部に公開しているWebサイトやネットワーク機器の脆弱性を継続的に可視化するツール型のASM「GMOサイバー攻撃ネットde診断」も提供しています。ASMは自走プランが月額4万円〜、伴走プランが月額12万円〜で、中小企業向けのLite(月額4,280円・税抜)もあります。

脆弱性診断はASVSやOWASP TOP 10などの国際基準に対応し、ホワイトハッカーが診断ツールと独自の知見を組み合わせて検証します。単発の手動診断から月額制の継続診断まで選べるため、現状把握から対策を段階的に広げたい企業にも向いています。

事故に備え・対応まで任せたいタイプ(インシデント対応型)

攻撃や情報漏えいが起きたときの初動から復旧までを引き受ける依頼先です。平時に備えておき、緊急時にすぐ動いてもらいたい企業に向いています。

10. サイバー119(株式会社ラック)

サイバー119(インシデント対応支援サービス)のウェブサイト

サイバー攻撃や情報漏えいの発生時に、株式会社ラックが初動から対応を引き受けるインシデント対応支援サービスです。窓口となるのは2009年に設置された専任組織「サイバー救急センター」で、電話・メールを24時間365日・予約不要で受け付けます。

緊急ホットラインでの受付後、リモートでのファーストレスポンスと封じ込めに始まり、フォレンジック調査による原因究明、システム復旧、再発防止策の策定までを一貫して担います。必要に応じて現地への駆けつけにも対応します。

規制当局や取締役会向けの調査報告書の作成、取引先・顧客への説明、公表後のSNS・ダークウェブ監視といった対外対応まで引き受けるのが特徴です。対応実績は国内外5,300件以上で、中小企業から大企業、製造・医療・金融・官公庁まで幅広い業種を対象としています。料金は非公開で、無料相談のうえ規模と調査範囲に応じて見積もる方式です。

11. IBM X-Force(日本アイ・ビー・エム株式会社)

IBM X-Force(インシデント対応・脅威インテリジェンス)のウェブサイト

世界規模のセキュリティ組織「IBM X-Force」が提供する、インシデントへの備えから検知・対応・復旧までを支援するサービスです。日本では日本アイ・ビー・エム株式会社が窓口となります。

中核となるインシデント対応リテイナーは年間サブスクリプション型の契約で、24時間のグローバル・ホットラインとオンサイト支援を利用できます。緊急時にはインシデント・コマンド、フォレンジック分析、ディープ/ダークウェブ分析を通じて、発生の経緯と原因を把握し、法執行機関や規制当局の要求に沿った対応まで支援します。

平時向けには、インシデント対応計画やプレイブックの構築、ランサムウェア対応準備度の評価、机上演習などの事前準備サービスも用意しています。ペネトレーションテストや敵対者シミュレーションは、200名超のエシカルハッカーが在籍する専門チーム「X-Force Red」が担います。料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。

12. 総合インシデントレスポンス(NTTドコモビジネス株式会社)

総合インシデントレスポンス(NTTドコモビジネス)のウェブサイト

NTTドコモビジネス株式会社が、セキュリティ統合メニュー「総合リスクマネジメントサービス WideAngle」の一つとして提供するサービスです。インシデントの発生時に専門家が初動対応にあたり、調査・分析から改善提案までをスポットで引き受けます。

支援は、インシデントの判定と初動対応に続き、原因や被害範囲の調査、改善提案までを対象とします。WideAngle には監視・検知を担う他のメニューもあり、平時の対策から緊急時の対応までを同一ブランドで組み合わせられるのが特徴です。料金は要問い合わせです。

認証取得や中小企業の体制づくりを手の届く形で進めたいタイプ(認証取得支援・伴走パッケージ)

認証取得の支援や、中小企業向けに費用を抑えて継続的な対策を伴走する依頼先です。専任の担当者がいなくても始めやすいのが特徴です。

13. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージの公式サイト

株式会社SYNCHROが開発した国産のサイバー対策パッケージです。月次の脆弱性診断による予防、隔離した経路への自動バックアップによる復旧、サイバー保険の自動付帯による補償を一つにまとめている点が特徴です。

中核となる脆弱性診断「KATABAMI VDP」は、ネットワーク内部から年12回(毎月)検査し、検出した弱点と対策案を月1回のペースで報告します。対策の実行は原則として自社で進めますが、毎月の相談会で進め方の助言を受けられ、実装そのものを同社に委託する場合は別料金で相談できます。

料金は公式サイト記載で1台あたり月額1,250円から、補償はあいおいニッセイ同和損害保険のサイバー保険を自動付帯します(賠償1億円・費用損害3,000万円、VDPのD判定以上への改善が条件)。専任の担当者を置かずに、予防から万一の補償までを手の届く費用で備えたい中小企業が検討しやすい依頼先です。

外部に任せきりにせず社内に対応力を残せるかは、依頼先を選ぶうえで気になる点です。対策をどこまで依頼先に任せ、どこからを自社で担うのかについて、同社の運用方針を取締役CMOの北口氏は次のように述べています。

北口氏
株式会社SYNCHRO 取締役CMO
北口氏
独自インタビューより

原則として、対策はお客様主体で進めていただくべきだと考えています。セキュリティは丸投げではうまくいきませんので、分からないことはご説明しながら、できるだけ追加投資が発生しない方法で、必要最低限のレベルで対応を進めていただくことを意識しています。結果として、お客様が自走できる状態に近づけていくのが当社の伴走スタンスです。

14. ISMSアシスト(株式会社スリーエーコンサルティング)

ISMSアシストの公式サイト

クラウド上の手順ガイドとテンプレートに沿って、ISO/IEC 27001(ISMS)認証の取得・運用に必要な文書作成や進捗管理を進められるツールです。提供元は1999年設立でISO・プライバシーマークのコンサルティングを手がける株式会社スリーエーコンサルティングで、その現場のノウハウを機能に反映しています。

情報資産台帳やリスクアセスメント、適用宣言書といった規程・文書をフォーマット入力から作成でき、「誰が・何を・いつまでに」を可視化するタスク管理やスケジュール共有で、維持審査・更新審査までの運用を管理できます。ISMSの知識が少なくても手順通りに進められる設計です。

料金は、ツール利用とチャット相談を含み自社で運用する「アシスト自走プラン」が月額30,000円、コンサルタントが定期打合せや書類作成・内部監査まで伴走する「コンサル伴走プラン」は要問い合わせの2本立てです。14日間の無料体験もあり、専任者を置かずに認証取得を費用を抑えて進めたい企業が始めやすい構成といえます。

依頼費用の相場と契約形態

依頼先を検討するうえで気になるのが費用です。サイバーセキュリティコンサルの費用は、依頼する内容と契約の形によって幅があります。ここでは契約形態ごとの考え方と、中小企業が無理なく始めるための方法を整理します。

契約形態別の費用(スポット診断・プロジェクト型・顧問契約)

費用の決まり方は、大きく3つの契約形態に分かれます。自社が必要とする支援の期間と範囲に合わせて選ぶと、過不足のない依頼になります。

  • スポット型(単発の診断・アセスメント):脆弱性診断や現状評価など、範囲を区切って一度だけ依頼する形。診断の対象範囲や項目数に応じて費用が決まります
  • プロジェクト型:体制構築や方針策定など、一定期間のプロジェクトとして依頼する形。関わる専門家の人数と期間(人日)が費用の基礎になります
  • 顧問・リテイナー契約:継続的に相談でき、緊急時の対応もあらかじめ確保しておく形。月額や年額で費用が発生します

費用の目安は依頼先のタイプと範囲で幅があります。公表されている例では、脆弱性診断・ペネトレーションテストは対象範囲に応じて変わり、本格的なものは数百万円規模(公表例では800万円から)に及ぶこともあります。

一方、継続型は比較的手の届く価格から始められ、中小企業向けの月額パッケージは1台あたり月額1,250円から、ISMS認証取得支援は月額30,000円程度から、攻撃対象の監視(ASM)は月額40,000円からといった公表例があります。

一方、大手ファームによる戦略策定や全社の体制づくりのプロジェクト型・顧問契約は、関わる専門家の人数と期間で費用が決まり、多くが非公表で個別見積りです。費用を公表していない依頼先では、対象範囲や企業規模をヒアリングしたうえで見積もる形が一般的なため、複数の依頼先から相見積もりを取り、支援範囲と費用の内訳を見比べると、妥当性を判断しやすくなります。

中小企業のスモールスタート(低コストで始める入口)

予算や人手が限られていても、できる範囲から始める方法はあります。無料の簡易診断や、月額制で診断と対策提案をパッケージにしたサービスを入口にすれば、初期の負担を抑えながら自社の状況を把握できます。まず現状を知り、優先度の高いところから段階的に対策を広げていくのが現実的な進め方です。

認証取得や継続的な対策を手の届く費用で伴走してもらいたい場合は、中小企業向けのパッケージ型や認証取得支援の依頼先が候補になります。自社の規模と目的に合わせて、無理なく続けられる形から始めるとよいでしょう。

依頼先の選び方(判断基準)

自社に合うタイプを絞り込んだら、個別の依頼先を次の観点で見極めましょう。各観点を自社の状況に当てはめて確認すると、候補を1社に絞りやすくなります。

対応範囲・得意領域が自社の依頼目的に合うか

最も重要なのは、依頼先の得意領域と自社の目的が一致しているかです。戦略づくりを任せたいのに診断専業の会社に相談しても、期待する支援は得られません。依頼先が「戦略・診断・インシデント対応のどこに強いか」を確かめ、自社が優先したい領域と重なる相手を選ぶとよいでしょう。将来的に範囲を広げる可能性があるなら、幅広く対応できる相手も候補になります。

実績・保有資格・専門性

自社と近い業種・規模での支援実績があるかは、判断の有力な材料になります。あわせて、担当する技術者がどのような資格や経歴を持つか、診断やインシデント対応の件数といった客観的な数値が示されているかも確認しましょう。金融や医療のように規制の厳しい業界では、その分野の対応経験があるかも重要です。

費用の透明性(見積・契約条件の明確さ)

見積もりの段階で、支援範囲と費用の内訳がはっきり示されるかを確認しましょう。どこまでが基本料金に含まれ、どこからが追加費用になるのか、成果物として何が納品されるのかが曖昧なままだと、後で想定外の負担が生じかねません。範囲と費用の対応が明確な依頼先ほど、安心して任せられます。

相性・コミュニケーション(社内に知見を残せる進め方か)

対策は依頼して終わりではなく、その後の運用は自社に残ります。専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、自社の担当者が理解しながら進められるかは、長く付き合ううえで欠かせません。報告だけで終わらず、改善のやり方まで伴走し、社内に知見が残る進め方をしてくれる依頼先を選ぶと、依頼後の運用がうまく回ります。

上の4点に加えて、依頼目的によっては次の観点も確認しておくと、候補をさらに絞り込めます。

  • ベンダー中立性:依頼先が特定のセキュリティ製品の販売元・代理店を兼ねていると、提案が製品ありきに寄ることがあります。中立的に手段を選んでくれるかを、提案内容から見ておくとよいでしょう。
  • 緊急時の対応力:戦略づくりや診断が目的でも、インシデント時に相談できる連絡窓口・対応時間(24時間対応の有無)やSLA(対応開始までの時間などの品質保証水準)が示されているかを見ておきましょう。インシデント対応を別途依頼できる体制があるかも、あわせて確認しておくと安心です。

依頼するメリットと失敗しないための注意点

外部への依頼には大きな利点がある一方、進め方を誤るとその効果が薄れてしまいます。得られる効果と、つまずきやすい落とし穴の両方を押さえておきましょう。

外部コンサルに依頼するメリット

外部に依頼する効果は、「なぜ外部に依頼するのか」で触れた背景の裏返しにとどまりません。自社だけでは気づきにくいリスクを第三者の目で客観的に洗い出せるうえ、専任の人材を採用・育成するより早く専門知識を取り入れられます。さらに、外部の診断結果や相見積もりは、経営層や取引先に対策の必要性を説明する際の客観的な根拠になります。社内の意思決定や合意形成を進めやすくなる点は、外部依頼ならではの効果です。

依頼で失敗しないための注意点(丸投げ回避・機密情報の取り扱い)

注意したいのは、目的や範囲を曖昧にしたまま依頼すると、提案が総花的になり、費用に見合う効果が見えにくくなることです。「何のために・どこまで依頼するのか」を事前に決めておくことが欠かせません。

また、外部に任せきりにすると社内に知見が残らず、支援が終わった後に対策が形だけになりがちです。自社の担当者が関与し、運用を引き継げる形で進める必要があります。加えて、依頼にあたっては自社の機密情報を外部に渡すことになるため、秘密保持契約の内容や、依頼先の情報管理体制を事前に確認しておくと安心です。

依頼の進め方(フロー)と依頼前チェックリスト

初めて依頼する場合は、進め方の全体像が分かると動きやすくなります。依頼の手順と、依頼前に確認しておきたい事項を整理します。

依頼の進め方(目的整理→相談・見積もり→契約→実施→報告・改善)

サイバーセキュリティコンサルへの依頼の進め方を5ステップで示したフロー図。STEP1 目的の整理、STEP2 相談・見積もり(複数社から取得)、STEP3 契約(秘密保持の取り決め)、STEP4 実施(診断やプロジェクト)、STEP5 報告・改善(自社の運用に落とし込む)の順に進む。

まず、自社が何に困っていて何を解決したいのか、目的と対象範囲を整理します。次に、候補となる依頼先に相談し、支援内容と費用の見積もりを受け取ります。複数社から見積もりを取り、範囲と費用を比べたうえで依頼先を決め、契約と秘密保持の取り決めを交わします。

契約後は、支援の進め方や役割分担をすり合わせてから診断やプロジェクトを実施します。最後に、結果の報告を受けて改善策を確認し、自社で運用に落とし込みます。継続的に相談したい場合は、顧問契約へ移行する選択肢もあります。各段階で自社の担当者が関わることで、支援の内容を理解しながら進められます。

依頼前チェックリスト(目的・範囲の明確化/社内に知見を残す設計/機密情報の取り扱い)

相談を始める前に、次の点を確認しておくと、依頼先との認識のずれを防げます。

  • 依頼の目的と対象範囲を、社内で言語化できているか
  • どこまでを依頼し、どこからを自社で担うのかを決めているか
  • 支援後に自社で運用を引き継げる進め方になっているか
  • 見積もりの範囲・費用の内訳・納品物が明確か
  • 秘密保持契約の内容と、依頼先の情報管理体制を確認したか

まとめ

サイバーセキュリティコンサルは、依頼先によって頼める範囲も費用も大きく異なります。全社の体制づくりから任せたいなら総合コンサル型、弱点を知りたいなら診断・ペネトレ型、事故への備えならインシデント対応型、認証取得や中小企業で手軽に始めたいなら認証取得支援・伴走パッケージ型が候補になります。

まずは自社の目的と対象範囲を整理し、合うタイプを絞り込んだうえで、対応範囲・実績・費用の透明性・進め方を確認して依頼先を選びましょう。複数の依頼先の資料を取り寄せて比べると、支援内容と費用の違いがつかみやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. サイバーセキュリティコンサルとは何ですか?

A. サイバーセキュリティコンサルとは、企業の情報システムや業務の現状を外部の専門家の視点で調べ、リスクを洗い出して優先順位をつけ、対策を提案・支援する専門サービスです。全社のルールや管理体制づくりといった上流の支援から、システムの弱点を見つける脆弱性診断、事故が起きたときのインシデント対応、従業員教育まで守備範囲は会社によって異なります。自社が何を任せたいかによって、適した依頼先が変わります。

Q. サイバーセキュリティコンサルにはどこまで任せられますか?自社に残る作業はありますか?

A. サイバーセキュリティコンサルには戦略・体制づくり、脆弱性診断、インシデント対応、教育など幅広い支援を任せられますが、多くの依頼先が担うのは現状把握と改善策の提案までで、実際の設定変更やルールの日常運用は自社に残るのが一般的です。

そのため、どこまでを依頼し、どこからを自社で担うのかを最初に決めておくことが、依頼を成功させる前提になります。支援後に運用を引き継げるよう、自社の担当者が関与しながら進めることも大切です。

Q. サイバーセキュリティコンサルの依頼費用の相場はどのくらいですか?

A. サイバーセキュリティコンサルの費用は依頼内容と契約形態によって大きく変わり、多くの依頼先は料金を公表せず、対象範囲や企業規模をヒアリングしたうえで見積もる方式をとっています。

契約形態は、範囲を区切って一度だけ頼むスポット型(診断・アセスメント)、一定期間のプロジェクト型(関わる専門家の人数と期間が費用の基礎)、継続的な相談や緊急時の対応を確保する顧問・リテイナー型に分かれます。

公表例では、専門家による本格的なペネトレーションテストが数百万円規模になる一方、中小企業向けの月額パッケージは1台あたり月額1,250円からなど、幅が大きいのが実情です。複数社から相見積もりを取り、支援範囲と費用の内訳を見比べると、妥当性を判断しやすくなります。

Q. 中小企業でもサイバーセキュリティコンサルに依頼できますか?

A. 中小企業でもサイバーセキュリティコンサルに依頼でき、専任の担当者がいなくても、無料の簡易診断や月額制のパッケージ型サービスを入口にすれば低コストで始められます。

大手ファームによる全社的な支援は費用が高めになりやすいですが、認証取得支援や中小企業向けの伴走パッケージなら、手の届く費用で継続的な対策を進められます。まず現状を把握し、優先度の高いところから段階的に対策を広げていくのが現実的な進め方です。

Q. サイバーセキュリティコンサルに依頼すると、どんな成果物が得られ、期間はどのくらいかかりますか?

A. サイバーセキュリティコンサルの主な成果物は、発見した課題と対策案をまとめた診断・評価の報告書で、期間は依頼内容によって、単発の診断なら数週間〜1か月程度、体制構築などのプロジェクトは数か月規模が目安です。

報告書を受け取って終わりではなく、示された改善策を自社の運用に落とし込むところまでが一連の流れになります。顧問・リテイナー契約では、継続的な相談や定期報告を受けながら対策を見直していきます。具体的な成果物と期間は、見積もりの段階で確認しておくとよいでしょう。

Q. サイバーセキュリティコンサルに機密情報を渡しても大丈夫ですか?情報漏えいのリスクは?

A. サイバーセキュリティコンサルへの依頼では自社の機密情報を外部に渡すことになるため、秘密保持契約(NDA)の内容と、依頼先の情報管理体制を事前に確認しておくことが重要です。

ISMS(ISO/IEC 27001)などの認証を取得しているか、情報の受け渡し方法やアクセス権限の管理がどう設計されているかを確かめると安心です。共有する情報の範囲や取り扱いルールを依頼先とすり合わせておくことで、情報漏えいのリスクを抑えられます。

Q. サイバーセキュリティコンサルに依頼する前に準備しておくことはありますか?

A. サイバーセキュリティコンサルに依頼する前には、「何のために・どこまで依頼するのか」という目的と対象範囲を社内で言語化しておくことが最も大切です。目的が曖昧なまま相談すると提案が総花的になり、費用に見合う効果が見えにくくなります。

あわせて、どこからを自社で担うか、支援後に運用を引き継げる体制か、見積もりの範囲・費用・納品物が明確か、秘密保持や情報管理をどう確認するかを整理しておくと、依頼先との認識のずれを防げます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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