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グループ経営管理とは?管理すべき6つの論点と進め方・形態タイプの違いを解説

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経営管理システム比較表(2026年版)

子会社や関連会社が増えるにつれて、各社の業績や予算・実績がバラバラの様式で集まり、グループ全体の状況をタイムリーに把握しづらくなっていないでしょうか。

「グループ経営管理を強化する」と言われても、何を・どこまで管理すればよいのかを整理できていないまま、個別の対応に追われてしまうケースは少なくありません。グループ経営管理は、親会社がグループ各社の数値とガバナンスを束ね、グループ全体の企業価値を高めるための仕組みづくりです。

本記事では、グループ経営管理とは何か、何を・どこまで管理するのかという論点の全体像から、グループ経営の形態タイプ、進め方の手順までを、公的な整理の出所とともに解説します。あわせて、グループ各社の数値を同じ形で集めて可視化するための経営管理システムについても紹介します。

自社が今どの論点でつまずいているのかを見極め、どこから着手すべきかを判断する材料として活用してください。

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グループ経営管理とは(定義と「グループ経営」「連結決算」との違い)

グループ経営管理とは、親会社(またはホールディングス)がグループ各社の業績・予算・実績やガバナンスを束ね、グループ全体の企業価値を高めるために各社の経営を統一的に管理する取り組みを指します。単に資本関係でつながっているだけの状態から一歩進み、共通の目的・基準のもとで各社の数値を把握し、意思決定とリスク管理を行うことが目的です。

この考え方は、経済産業省が公表する「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)」でも、上場企業向けのコーポレートガバナンス・コードを補完するものとして位置づけられています。

「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下「本ガイドライン」という。)では、主として単体としての企業経営を念頭に作成されたコーポレートガバナンス・コード(以下「コード」という。)の趣旨を敷衍し、子会社を保有しグループ経営を行う企業においてグループ全体の企業価値向上を図るためのガバナンスの在り方をコードと整合性を保ちつつ示すことで、コードを補完するものである。

出典:グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)1.2|経済産業省(2019年6月28日策定)

「グループ経営」との違い

「グループ経営」は、親会社と子会社・関連会社が一体となって事業を営む経営モデルそのものを指す言葉です。これに対してグループ経営管理は、そのグループ経営を成り立たせるために、各社の業績・予算実績やガバナンスをどう束ねて管理するかという実務の側面を指します。グループ経営という大きな枠組みの中で、数値とガバナンスを管理する仕組みがグループ経営管理にあたります。

「連結決算」との違い

連結決算と混同されやすいものの、両者は目的が異なります。連結決算は、会社法や金融商品取引法が求める外部報告のための制度会計で、確定した過去の実績を決められた基準でまとめ、株主や投資家に開示することを目的とします。

一方、グループ経営管理は社内の意思決定のための管理会計です。予算・見込・実績やKPIを将来に向けて管理し、各社の状況を早く把握して経営判断につなげることを目的とします。連結決算が「外部にどう見せるか」であるのに対し、グループ経営管理は「内部でどう経営するか」に軸足がある点が本質的な違いです。

グループ経営管理で「何を管理する」のか(6つの論点)

グループ経営管理で管理する対象は、数値の管理からガバナンスまで幅広く、本記事では経済産業省のグループガイドラインや会社法が示す論点を踏まえ、主に次の6つに整理しました。まずは全体像を一覧で確認し、自社でどの論点が手つかずになっているかを照らし合わせてみてください。

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①業績・予算実績管理②会計・勘定科目の統一③決算の早期化④ガバナンス・内部統制⑤本社と子会社の役割・権限配分⑥海外子会社のモニタリング
何を管理するのかグループ各社の予算・実績・見込・KPIを同じ形式で集約し、予実差異と着地見込みを把握する勘定科目・計上基準・管理区分をグループ共通のルールに揃える連結決算や月次決算の締めを早め、数字を早く経営に届ける企業集団としての内部統制の方針を決め、子会社の業務の適正を監督する権限委譲の範囲と、委譲した場合の結果責任の仕組みを明確にする海外を含む多様な子会社の業務プロセスと共通ポリシーを明文化し監督する
できていないと起きること各社がバラバラの様式で報告し、全体の着地見込みがタイムリーに見えない各社の数字を横並びで比較できず、集計のたびに手作業が発生する決算が遅く、経営判断が後手に回る子会社の不祥事がグループ全体の信頼毀損につながる過度な集権で現場が動けない、または放任で統制が効かなくなる海外拠点の実態が見えず、リスクの把握が遅れる

①業績・予算実績管理

グループ経営管理の中心となるのが、各社の予算・実績・見込を同じ形式で集め、予実差異とグループ全体の着地見込みを把握することです。経済産業省のグループガイドラインも、グループ本社(親会社)が担う役割として「グループとしての中期経営計画の策定(KPIの設定を含む)と進捗管理」を挙げています。各社の数値を同じ粒度で集約できて初めて、どの事業が計画に対して遅れているかを早期に把握し、打ち手を講じられます。

出典・参考資料(1件)

②会計・勘定科目の統一

各社が異なる勘定科目や計上基準、管理区分を使っていると、数字を横並びで比較できません。グループ共通の勘定科目体系や管理区分のルールを定め、各社がそれに沿って報告する状態をつくることが、数値管理の土台になります。買収で加わった子会社ほど独自の会計運用を持っていることが多く、統一の優先度が高くなります。

③決算の早期化

連結決算や月次決算の締めが遅いと、数字が経営に届くころには状況が変わっており、意思決定が後手に回ります。各社からのデータ収集・集計の手順を見直し、締めを早めることで、早いサイクルでグループの状況を経営に反映できるようになります。②の勘定科目の統一が進むほど、集計の手戻りが減り早期化しやすくなります。

④ガバナンス・内部統制

数値の管理だけでなく、グループ全体のガバナンス・内部統制も重要な管理対象です。会社法では、企業集団(親会社・子会社から成るグループ)の業務の適正を確保するための体制の整備を、取締役会の決定事項として定めています(会社法362条4項6号、会社法施行規則100条1項5号)。子会社の取締役の職務執行に関する親会社への報告体制や、子会社の損失リスクの管理体制などが例示されています。

出典・参考資料(2件)

上場企業に適用されるコーポレートガバナンス・コードも、取締役会がグループ全体を含めた内部統制・リスク管理体制を構築・監督すべきとしています。

内部統制や先を見越した全社的リスク管理は、適切なコンプライアンスの確保により持続的に信頼を維持し、リスクを最小化するために重要であるのみならず、経営陣が果断にリスクテイクを行うための裏付けとなり得るものであるから、取締役会は、グループ全体を含めたこれらの体制を適切に構築するとともに、内部監査部門を活用しつつ、その運用状況を監督すべきである。

出典:コーポレートガバナンス・コード(2026年7月版)原則4-4 解釈指針|株式会社東京証券取引所

子会社で起きた問題がグループ全体のブランドや信頼を損なう事例は少なくなく、親会社が基本方針を定めて子会社の業務の適正を監督する体制が求められます。

⑤本社と子会社の役割・権限配分

本社がどこまで決め、子会社にどこまで任せるかという権限配分も管理の対象です。グループガイドラインは、グループ本社が権限配分の基本的な枠組みを構築したうえで、子会社の規模・特性に応じてリスクベースで管理・監督し、権限を委譲した場合には「子会社経営に対する結果責任を問える仕組みの構築」を検討すべきとしています。

過度に集権的だと現場が動けず、逆に任せきりだと統制が効かなくなるため、委譲と結果責任のバランス設計が勘所です。

出典・参考資料(1件)

⑥海外子会社のモニタリング

海外子会社は、言語・商習慣・時差などの違いから実態が見えにくく、モニタリングの難度が上がります。グループガイドラインは、海外を含む多様な組織を適切にマネジメントするには業務プロセスを明確化し、その基礎となるグループ共通のポリシーを明文化することが重要だと指摘しています。数値の収集ルールとガバナンスのルールの双方を、海外拠点にも届く形で整えることが求められます。

出典・参考資料(1件)

グループ経営の形態タイプと管理スタイルの違い

グループ経営の形態によって、親会社が管理に専念できる度合いや、現場との距離は変わります。代表的な3つの形態と、その管理スタイルの違いを確認します。

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純粋持株会社事業持株会社カンパニー制
特徴持株会社自体は事業を行わず、グループ戦略の立案と各社の管理に専念し、傘下に事業会社を置く親会社自身も主要な事業を行いながら、子会社を統括する法人格は1社のまま、社内を事業単位(カンパニー)に分けて独立採算で管理する
意思決定・管理のスタイルグループ戦略と資源配分に集中しやすい。一方で事業の現場との距離が生まれやすい現場感を保ちやすいが、自社事業の運営とグループ全体の管理を両立する負荷がある分社化せずに事業別の責任と採算を明確にできる。法人を分けないため再編の柔軟性は限られる

形態の違いに加えて、親会社がグループをどの程度強く統制するかという管理スタイルも、グループによって幅があります。グループの理念・方針をどこまで浸透させるか、各社の自主性をどこまで認めるかという2つの軸で捉えると、管理スタイルは大きく次の3つに整理できます。

  • 集権型:本社が共通ルールやKPIを強く定め、各社の数値・意思決定を細かく統制する。基準の統一やガバナンスが効きやすい一方、現場の自主性や意思決定スピードは落ちやすい。買収直後で統制を固めたいグループや、規制対応の重いグループに向く。
  • 中間型:共通の数値基準・報告ルールは本社が定め、事業運営の裁量は各社に委ねる。統一と自主性のバランスを取る標準的なスタイルで、多くのグループが目指す形。
  • 自主尊重型:各社の自主経営を重んじ、本社は最低限の共通指標とガバナンスのみを担う。事業特性が大きく異なる多角化グループに向くが、数値様式がばらつきやすく、全体の可視化には共通基盤づくりが欠かせない。

自社がどの形態・どの管理スタイルに当てはまるかを把握しておくと、次に述べる進め方のどこに重点を置くべきかが見えてきます。たとえば自主尊重型のグループほど、共通の数値基準づくり(②会計・勘定科目の統一)の優先度が高くなります。

グループ経営管理の進め方と、よくあるつまずき

グループ経営管理は、いきなり仕組みを導入するのではなく、現状把握から順を追って進めると定着しやすくなります。基本的な進め方と、つまずきやすいポイントごとの着手の順番を整理します。

進め方の4ステップ

グループ経営管理は、次の4ステップで順を追って進めます。各ステップには前段の結果が必要なため、順番に意味があります。

  1. 現状把握:各社がどんな様式で数字を集め、どんなガバナンス体制を敷いているかを棚卸しし、統一できていない点を洗い出す。ここでの洗い出しが、次に何を標準化すべきかを決める土台になる。
  2. グループ共通ルール・基準の標準化:勘定科目やKPIの定義、報告フォーマット、権限規程をグループ共通のルールとして定める。基準が揃って初めて、各社の数値を同じ土俵で比較できる。
  3. 仕組み化:標準化した集計と可視化を仕組みに載せる。各社からの数値収集を表計算の手作業に頼り続けると、せっかく定めたルールが形骸化しやすいため、仕組みで支える。
  4. 運用・モニタリング:定例で予実やKPIをレビューし、内部統制の運用状況を監督するサイクルを回し続ける。ここを継続することで、グループ経営管理は一過性の取り組みで終わらず定着する。

よくあるつまずきと、どの論点から着手すべきか

自社が今どこでつまずいているかによって、優先して着手すべき論点は変わります。症状別に整理すると、次のように対応づけられます。

  • 決算が遅く、数字が届くのが遅い:③決算の早期化と②会計・勘定科目の統一から着手する
  • 子会社の業績がタイムリーに見えない:①業績・予算実績管理の様式統一と、その仕組み化から着手する
  • グループ共通のルールがそもそも無い:②の標準化を起点にする
  • 子会社のガバナンスに不安がある:④ガバナンス・内部統制の基本方針の決定から着手する

成功させるためのポイント

進め方を定着させるうえで共通して効くのは、グループ共通の目的とKPIを明確にすることです。何のために数値を揃えるのかが各社に伝わっていないと、報告が形式的な作業に陥ります。あわせて、権限委譲と結果責任のバランスを設計し、現場が入力・報告しやすい仕組みを用意することも欠かせません。ガバナンスの体制は一度つくって終わりではなく、事業環境の変化に合わせて定期的に見直すことで、実効性を保てます。

グループ経営管理のメリット・デメリット

グループ経営管理に取り組むことで得られる効果と、注意しておきたい負荷の両面を、前述の管理論点と紐づけて整理します。

メリット

最大のメリットは、意思決定が速くなることです。各社の数値を同じ形式で早く把握できれば(①業績・予算実績管理、③決算の早期化)、計画からの遅れを早期につかみ、打ち手を素早く講じられます。本社と子会社の役割が明確になること(⑤役割・権限配分)も、判断の迅速化につながります。

さらに、グループ全体で資源配分を最適化し、事業間のシナジーを生み出しやすくなる点も挙げられます。複数の事業を抱えることで、特定事業の不振がグループ全体に与える影響を抑えるリスク分散の効果も期待できます。

デメリット・注意点

一方で、グループ管理の体制を整えるほど、本社の間接コストや各社との調整の負荷は増えます。共通ルールの導入時には、独自の運用を続けてきた子会社との間で調整や摩擦が生じることもあります。

また、管理が形式的な報告作業に陥ると、数字は集まっても実態が見えにくくなるという本末転倒も起こり得ます。管理の目的を各社と共有し、現場が入力しやすい仕組みを整えることが、こうした負担を抑える鍵になります。

グループの数値管理を仕組み化する(表計算の限界と経営管理システムの役割)

ここまで見てきた論点のうち、業績・予算実績管理や会計の統一、決算の早期化は、グループ各社の数値をいかに同じ形で集めて可視化するかという「数値管理の仕組み化」に集約されます。多くの企業が最初は表計算ソフトで対応しますが、グループ規模が大きくなると限界が見えてきます。

各社から集まるファイルの様式がバラバラで、親会社側での転記や集計に手作業が発生し、月次や予実の更新が遅れがちになります。担当者しか構造を把握していない属人化も起こりやすく、決算の早期化や予実のタイムリーな把握の妨げになります。

こうした課題に対しては、グループ各社の予算・実績・KPIを同じ形式で集約・可視化する経営管理システムが有効な選択肢になります。子会社ごとに異なるフォーマットや定義を整理し、グループ全体で比較・把握できる状態をつくる機能を備えた製品があり、予実差異の分析やグループ会社の数値の統合を効率化できます。

ただし、外部報告のための連結決算に特化した製品と、予実・KPIの管理会計を主目的とした製品では得意分野が異なるため、自社が解決したい論点に照らして選ぶことが大切です。

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以下では、グループ各社の数値を統一的に集約・可視化する用途で有力な経営管理システムを3つ紹介します。予実管理を主目的とするか、各社でばらつく数値のフォーマットの統一を主目的とするかによって適したシステムは変わるため、自社の主目的に照らして、下記の比較表と各サービスの説明をご覧ください。

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サービス名DIGGLE(ディグル)Scale Cloud(スケールクラウド)Loglass 経営管理
提供形態クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)
主な用途予実管理特化(予算・実績・見込を一元管理)PLとKPIを関連づけた経営管理予実管理・多軸分析中心の経営管理
グループ会社・子会社管理△上位Enterpriseプランで対応●子会社ごとのフォーマットを統一しグループ全体で比較●子会社・部門単位の管理、グループ各社データの集約・可視化
会計システム連携●freee・MFクラウド・勘定奉行クラウド等とAPI/CSV連携●勘定奉行クラウド・freee・Salesforce等と連携●会計ソフト・Excelと連携
料金目安要お問い合わせ月額15万円〜要お問い合わせ
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見る

※各社公式情報に基づく、2026年9月時点の内容です。●=対応、△=上位プランなど条件付きで対応を表します。料金・機能の詳細は各サービスの資料・お問い合わせでご確認ください。

DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLE(ディグル)のウェブサイト

ディグル株式会社が提供するDIGGLE(ディグル)は、予算・実績・見込をクラウド上で一元管理する予実管理特化のサービスです。会計システムからのデータ取り込みと予実突合を自動化し、Excel中心の予実管理で起こりがちな属人化や集計の非効率を解消することを狙いとしています。

グループでの利用に関わる機能としては、上位のEnterpriseプランで「グループ会社管理」に対応します。予実管理に軸足を置きつつ、グループ各社の数値を束ねて管理したい企業に向いています。

富士キメラ総研の調査では、予実管理ソフトウェア(SaaS/PaaS区分)のベンダーシェアで1位(2024年度実績)とされています。料金はStandardとEnterpriseの2プラン構成で、金額は要問い合わせです(2026年9月時点)。

出典・参考資料(1件)

Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloud(スケールクラウド)のウェブサイト

Scale Cloud(スケールクラウド)は、財務数値(PL・BS・CF)と非財務数値(KPI)を関連づけて一元管理する経営管理クラウドです。予算管理・予実管理・KPI管理を一つにまとめ、経営層・管理部・事業部が同じ数字を見て議論できる状態をつくることを目的としています。

グループ経営管理の観点で特徴的なのが、子会社管理への対応です。公式サイトでは「子会社ごとに異なるフォーマットや定義を整理し、グループ全体で比較・把握しやすい状態をつくれます」と説明されており、親会社と子会社の数字を整合させる用途に適しています。料金は公式サイトで月額15万円からと案内されています(2026年9月時点。プランや利用規模により変わるため、最新の料金は要お問い合わせ)。

出典・参考資料(1件)

同社がこうした数値の一元管理の仕組みを開発した背景について、代表取締役の広瀬氏は次のように述べています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

予算達成は全チーム共通の目的であるはずなのに、そこに向かって一丸となって走れていない。それならば、まずは同じ景色を見て議論し、PDCAを回せる共通のプラットフォームを作るべきだと考えました。PLのデータも各部門のKPIデータも一箇所に集まった状態で、事業の全体像が誰にでもわかる。そういう仕組みを作りたいと思ったのが、Scale Cloud開発の背景です。

Loglass 経営管理(株式会社ログラス)

Loglass 経営管理のウェブサイト

散在するExcelや会計ソフトに分かれた予算・見込・実績・KPIデータを一か所に集めて統合するのが、株式会社ログラスのLoglass 経営管理です。予算策定から予実管理、多軸分析、レポート作成までをクラウド上で支援し、予算・実績・見込を自由な組み合わせで比較でき、3つのデータを同時に並べて確認することもできます。

子会社・部門単位の管理に対応し、各社のデータを集約してグループ全体で可視化したい場合の選択肢になります。料金は要問い合わせです(2026年9月時点)。

ここで紹介したのは数値管理に強い代表的なサービスですが、連結会計型やERP統合型まで含めた経営管理システムの全体像と、予実・連結・ERPといったタイプ別の選び方は、以下の記事で詳しく比較しています。グループ各社の数値管理の仕組み化を検討される方は、あわせてご覧ください。

まとめ

グループ経営管理とは、親会社がグループ各社の業績・予算実績やガバナンスを束ね、グループ全体の企業価値を高めるために各社の経営を統一的に管理する取り組みです。管理する対象は、業績・予算実績管理、会計・勘定科目の統一、決算の早期化、ガバナンス・内部統制、本社と子会社の役割配分、海外子会社のモニタリングという6つの論点に整理できます。

進め方は、現状把握から共通ルールの標準化、仕組み化、運用・モニタリングへと段階を踏むのが基本です。自社が今どの論点でつまずいているかを見極め、優先度の高いところから着手してください。各社の数値を同じ形で集めて可視化する部分は、経営管理システムを活用することで、標準化したルールを形骸化させずに定着させやすくなります。

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グループ経営管理に関するよくある質問(FAQ)

Q. グループ経営管理とは何ですか?

A. グループ経営管理とは、親会社やホールディングスがグループ各社の業績・予算実績やガバナンスを束ね、グループ全体の企業価値を高めるために各社の経営を統一的に管理する取り組みです。

単に資本でつながっているだけの状態から一歩進み、共通の目的・基準のもとで各社の数値を把握し、意思決定とリスク管理を行う点に特徴があります。

管理する対象は、業績・予算実績管理、会計・勘定科目の統一、決算の早期化、ガバナンス・内部統制、本社と子会社の役割配分、海外子会社のモニタリングという6つの論点に整理できます。

Q. グループ経営管理と連結決算はどう違いますか?

A. グループ経営管理は社内の意思決定のための「管理会計」、連結決算は外部報告のための「制度会計」である点が本質的な違いです。連結決算は会社法や金融商品取引法に基づき、確定した過去の実績を決められた基準でまとめて株主・投資家に開示することを目的とします。

一方グループ経営管理は、予算・見込・実績やKPIを将来に向けて管理し、各社の状況を早くつかんで経営判断につなげることを目的とします。「外部にどう見せるか」と「内部でどう経営するか」という目的の違いが、両者を分ける軸になります。

Q. グループ経営管理とグループガバナンスの違いは何ですか?

A. グループガバナンスはグループ全体を適切に統治・監督する「規律」の枠組みを指し、グループ経営管理はその規律に加えて業績・予算実績の管理まで含めて各社の経営を運営する、より広い取り組みを指します。

グループ経営管理の6つの論点のうち、ガバナンス・内部統制の部分がグループガバナンスにあたります。

経済産業省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)」は、上場企業向けのコーポレートガバナンス・コードを補完し、グループ全体の企業価値向上に向けたガバナンスの在り方を示したものです。

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Q. グループ経営管理は何から始めればよいですか?

A. まずは各社の数値の集め方やガバナンス体制を棚卸しする「現状把握」から始め、統一できていない点を洗い出すのが基本です。そのうえで、勘定科目やKPIの定義・報告フォーマット・権限規程をグループ共通ルールとして標準化し、集計と可視化を仕組みに載せ、運用・モニタリングを回していきます。

着手の優先順位は自社の症状によって変わり、決算が遅いなら決算の早期化と会計・勘定科目の統一から、子会社の業績がタイムリーに見えないなら業績・予算実績管理の様式統一から着手すると効果が出やすくなります。

Q. 非上場の中小規模のグループでもグループ経営管理は必要ですか?

A. 上場・非上場や規模を問わず、子会社・関連会社を複数持ち全体の状況を把握しづらい状態であれば、グループ経営管理は有効です。会社法が定める企業集団の内部統制システムの整備を決定する義務は、主に大会社である取締役会設置会社が対象で、すべての中小規模グループに一律に課されるわけではありません(会社法362条4項6号・5項)。

ただし、各社の業績・予算実績を同じ形で把握して意思決定を速める価値は規模に関係なく生まれるため、法的義務の有無とは切り離し、自社の課題に応じて取り組む意義があります。

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Q. グループ経営管理に専用のシステムは必要ですか?Excelでは対応できませんか?

A. 小規模なうちはExcelでも対応できますが、グループの会社数が増えると様式の不統一・転記の手作業・属人化が壁になり、経営管理システムの活用が有効になります。各社から集まるファイルの様式がバラバラだと、親会社側での集計に手間がかかり、月次や予実の更新が遅れがちになります。

グループ各社の予算・実績・KPIを同じ形式で集約・可視化し、子会社ごとに異なるフォーマットや定義を整理する機能を備えた製品を使うと、標準化したルールを形骸化させずに運用しやすくなります。ただし、外部報告向けの連結決算に特化した製品と、予実・KPIの管理会計を主目的とした製品では得意分野が異なるため、自社が解決したい論点に照らして選ぶことが大切です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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