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越境EC物流とは?配送手段・料金・代行業者の選び方をわかりやすく解説

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越境EC支援比較表(2026年版)のプレビュー

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越境EC支援比較表(2026年版)

越境EC(日本の事業者が海外の消費者へ販売するEC)では、商品をどの手段で・どこから・いくらで届けるかが、利益率と顧客満足を大きく左右します。国際郵便や国際宅配便、自社発送か物流代行かといった選択肢が多く、通関や関税、配送日数の国差など国内ECにはない論点も重なります。

この記事では、越境ECの配送手段を料金・日数・重量・補償の観点で整理し、物流の組み方(自社発送・現地倉庫・代行委託)の違い、通関や返品といった課題と対処、2026年4月に施行された物流効率化法の実務影響、そして物流を委託できるサービスの選び方までを順に解説します。

海外発送の手段と相場観をつかみ、自社の商材・出荷量・販売先の国に合った物流の組み方と委託先の当たりをつけられる状態を目指します。各手段の料金は変動するため、本文では公式の確認先を示しながら、変わりにくい事実(重量上限・補償・制度)を軸に整理します。

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越境EC物流とは?まず押さえる配送・物流の選択肢の全体像

ここでは、海外の購入者に商品を届けるための選択肢を、2つの軸で整理します。細かい料金や日数、選び方は後の章で詳しく扱います。

越境EC物流は、「どう運ぶか」と「どこから出すか」の2軸で考えると全体像をつかみやすくなります。1つ目の軸は配送手段で、国際郵便(EMSなど)・国際宅配便(クーリエ便)・海上/航空輸送に分かれます。2つ目の軸は物流の組み方で、国内倉庫から自社で発送するか、海外に自社倉庫を持つか、物流代行に委託するかという拠点と運用の選択です。

越境EC物流を2つの軸で整理した図。軸1「どう運ぶか(配送手段)」は国際郵便(EMS・国際eパケット・UGXなど)、国際宅配便(DHL・FedEx・UPSのクーリエ便)、海上/航空輸送の3つ。軸2「どこから出すか(物流の組み方)」は自社の国内発送、海外に自社倉庫、物流代行に委託の3つ。2つの軸は独立しており、自社の商材・出荷量・販売先の国に合わせて掛け合わせて選ぶ。

この2軸は独立しています。たとえば「国内倉庫から自社発送し、配送手段はEMS」という組み合わせもあれば、「現地倉庫に在庫を置き、現地のクーリエで配送」という組み合わせもあります。自社の出荷量・商材・販売先の国によって最適な掛け合わせは変わるため、まず両軸の選択肢を押さえた上で、次章以降で具体的に比較していきます。

配送手段を比較|国際郵便・国際宅配便・海上/航空の料金・日数・重量・補償

ここからは、1つ目の軸である配送手段を、対応重量・補償・追跡の有無で比較します。料金と日数は時期や国・為替で変動するため、具体額は各社の公式ページで確認する前提で、まず変わりにくい特徴を整理します。

国際郵便(EMS・国際eパケット・UGXなど)

国際郵便は、日本郵便が提供する海外発送サービスの総称です。代表的なEMS(国際スピード郵便)は、世界約120の国・地域あてに最大30kg(あて先国により20kg)まで送れる航空扱いのサービスで、追跡に対応します。

補償は、補償してほしい金額の上限(損害要償額)が2万円までなら無料で、それを超える分は申告すると最高200万円を限度に実損額まで引き上げられます。料金は仕向地と重量で決まり、たとえば米国あては500gまで3,900円、2kgまで7,900円です(2026年10月時点)。

EMSが壊れて到着した、内容品が不足しているなどの場合、最高200万円を限度とする実損額を賠償いたします。

出典:EMS(国際スピード郵便)損害賠償制度|日本郵便

小型・軽量(2kgまで)の商品には、国際eパケットや国際エアパケット(2026年6月に国際eパケットライトから改称)といった低価格帯のサービスがあります。いずれも追跡に対応しますが、補償の扱いが異なります。

国際eパケットは上限6,000円まで補償されるのに対し、国際エアパケットは日本郵便の損害賠償の対象サービス(書留扱いとした通常郵便物・保険付とした手紙・国際小包・EMS)に含まれず補償対象外です。高額品はEMSなど補償の手厚いサービスを選ぶのが安全です。

UGX(ゆうグローバルエクスプレス)は、海外の物流事業者と提携した国際宅配サービスで、30kgを超える荷物も扱えます(オーバーサイズは実重量50kgまで)。関税の支払いを差出人側で負担する「元払い」に対応しているため、受取人に関税を請求せずに届けたい場合の選択肢になります。

かつて低価格帯で利用されたエコノミー航空便(SAL便)は、コロナ禍以降の引受停止が続いています(日本郵便は2025年2月時点で再開のめどが立たないと公表)。旧・国際eパケットライト(現・国際エアパケット)はSAL便から航空便に運送方法を変更して取り扱いを再開した経緯があるため、SAL前提で物流を設計していた場合は手段の見直しが必要です。

出典・参考資料(5件)
  • 出典:EMS(国際スピード郵便)損害賠償制度|日本郵便(リンク)
  • 出典:EMS 料金・日数・大きさ・重さ|日本郵便(リンク)
  • 出典:国際郵便 損害賠償制度|日本郵便(リンク)
  • 出典:UGX(ゆうグローバルエクスプレス)|日本郵便(リンク)
  • 出典:国際eパケットライトの取り扱い再開(2025年2月13日)|日本郵便(リンク)

国際宅配便(クーリエ便:DHL・FedEx・UPS)

国際宅配便(クーリエ便)は、DHL・FedEx・UPSなどの国際物流事業者が提供する、ドアツードアの速達配送です。短い日数で届き、追跡や通関手続きの代行まで一貫して対応するのが特徴で、ビジネス用途での利用が広く普及しています。

料金は国際郵便より高くなる傾向がありますが、スピードと確実性を重視する場合や、高額・大型の商材では有力な選択肢です。各社とも重量・サイズの上限、補償の範囲、燃油サーチャージなどの条件が異なり、料金は為替や時期で変動するため、見積もりは各社の公式サイトや法人向け窓口で確認します。

海上輸送・航空輸送

一定量をまとめて輸送する場合は、海上輸送・航空輸送という手段もあります。海上輸送は大量・重量のある荷物を低コストで運べる一方、日数がかかります。航空輸送はスピードに優れますが費用は高めです。現地倉庫に在庫をまとめて送る場合など、BtoB的な大口輸送で選ばれることが多く、個口配送の国際郵便・クーリエとは役割が異なります。

配送手段ごとの特徴を、対応重量・お届け日数の目安・料金水準・補償で整理すると、次のとおりです。料金と日数は国・時期・為替で変動するため、具体額は各社公式での確認が前提ですが、桁感をつかむための目安として示します。

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配送手段EMS(国際スピード郵便)国際eパケット国際エアパケット(旧・国際eパケットライト)UGX(ゆうグローバルエクスプレス)国際宅配便(DHL/FedEx/UPS)海上輸送航空輸送
対応重量の目安最大30kg(国により20kg)2kgまで2kgまで実重量50kgまで1個あたり数十kg規模(各社規定による)大量・重量物向け中〜大口
お届け日数の目安欧州は5〜9日(例:ドイツ5日・フランス6日)。米国・中国は公式検索で確認おおむね1週間前後(目安)おおむね5〜21日(目安)数日〜(仕向地による)2〜5営業日程度(仕向地による)数週間数日
料金水準中(例:米国あて500g 3,900円・2kg 7,900円。2026年10月時点)低低中〜高高低高
補償2万円まで無料/申告で最高200万円あり(上限6,000円)なし(調査請求のみ)あり(関税元払い対応)従価補償オプションあり契約条件による契約条件による
追跡●●●●●契約条件による契約条件による

料金・日数は国・時期・為替で変動します。EMSの料金例・日数は日本郵便公式(2026年10月時点)、クーリエ各社の重量・日数は各社の一般的な目安です。最新は各社公式でご確認ください。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:EMS 国際郵便料金(米国向け・第4地帯)|日本郵便(リンク)
  • 出典:EMS お届け日数を調べる(東京都発)|日本郵便(リンク)
  • 出典:国際エアパケット|日本郵便(リンク)

越境EC物流の組み方を比較(自社国内発送・現地倉庫・代行委託)

ここでは、2つ目の軸である「どこから・誰が出すか」という物流の組み方を、4つの類型でコスト・スピード・手離れの観点から比較します。

越境EC物流の組み方4類型を「誰が運用するか(自社で運用/業者に委託)」と「どこから発送するか(国内から発送/現地から発送)」の2軸で整理したマトリクス図。自社運用×国内発送は自社の国内倉庫から発送(新たな倉庫契約が不要で少量から始めやすいスモールスタート向き)。自社運用×現地発送は海外に自社倉庫を構える(配送日数が短く送料も抑制、販売量が見込める国向き)。委託×国内発送は物流代行に委託して国内発送(物流実務を手離れし本来業務に集中、出荷量の増減に対応)。委託×現地発送は現地倉庫を持つ業者に委託(自社投資を抑えつつ現地発送の利点、複数国で在庫を分散)。

自社の国内倉庫から直接発送する

注文のたびに日本の自社倉庫から個別に海外発送する方法です。新たな倉庫契約が不要で、少量から始めやすいのが利点です。一方で、1件ごとに国際送料と通関対応が発生するため、出荷量が増えると送料負担が重くなり、梱包・発送・問い合わせ対応の実務も社内に残ります。スモールスタートや出荷量がまだ少ない段階に向いています。

海外に自社倉庫・拠点を構えて現地から発送する

販売先の国・地域に在庫を置き、現地から配送する方法です。現地発送になるため配送日数が短く、送料も国内発送より抑えやすく、返品対応も現地で完結しやすくなります。反面、倉庫の確保・在庫移動・現地法規制への対応といった初期コストと在庫リスクが大きいため、販売量が一定以上見込める国でないと投資に見合いにくい点に注意が必要です。

物流代行に委託し、国内倉庫から発送する

在庫の保管・梱包・発送・通関手配を物流代行(フルフィルメント)業者に任せ、日本国内の拠点から出荷する方法です。自社に物流実務を抱えずに済み、出荷量の増減にも対応しやすくなります。委託費用はかかりますが、担当者が本来の商品企画やマーケティングに集中できるのが大きな利点です。出荷量が増えて社内運用が限界に近づいた段階で検討されることが多いでしょう。

現地に倉庫を持つ業者に委託し、現地から発送する

現地倉庫を保有する物流代行業者に委託し、海外拠点から配送する方法です。現地発送による配送日数の短縮と送料の抑制という現地倉庫の利点を、自社で倉庫を構えずに得られます。複数国に展開する場合でも、業者の拠点網を活用して在庫を分散配置できます。委託費用と、どの国にどれだけ在庫を置くかの判断は必要ですが、自社投資を抑えつつ現地発送のメリットを狙えます。

これらは排他的な選択ではなく、主力の国は現地倉庫、それ以外は国内から自社発送、といった併用も一般的です。出荷量の成長に合わせて、自社発送から代行委託・現地倉庫へと段階的に移行していく流れが現実的です。

越境EC物流で押さえる課題と対処

ここからは、国内ECにはない越境特有の課題を、それぞれの対処とあわせて整理します。事前に論点を把握しておくと、手段選びと委託先選びの判断がぶれません。

通関・関税・免税制度への対応

海外発送では、あて先国の税関を通す通関手続きと関税の扱いが必要になります。関税は原則として受取人(購入者)の負担ですが、到着時に思わぬ請求が発生すると受取拒否や低評価につながります。

これを避けるには、差出人側が関税を負担するDDP(Delivered Duty Paid)に対応した配送手段・サービスを選ぶ方法があります。たとえば日本郵便のUGXは関税の元払いに対応しています。

近年は各国の少額免税(デミニミス)制度の見直しが相次いでおり、注意が必要です。米国は、従来「1発送あたり800米ドル以下は免税」としていた少額免税を、中国・香港原産品への先行適用(2025年5月)を経て、2025年8月29日に全世界を対象として廃止しました。

EUも150ユーロ以下の少額貨物の免税措置を2026年7月1日に撤廃しました(1申告行あたり3ユーロの定額関税などが適用)。日本からの少額貨物も課税対象になり得るため、販売先の国の最新制度は出荷前に確認が欠かせません。

デミニミス制度の見直しは、米国・EU以外でも国ごとに免税限度額や施行時期が異なります。主要国の免税限度額の一覧と撤廃の具体的な内容、事業者が取るべき対応は、以下の記事で詳しく整理しています。

中国向けでは、越境EC(跨境電商)経由の個人輸入に取引限度額と専用の課税ルールが定められています。

中国財政部などの通知(財関税〔2016〕18号・〔2018〕49号)では、1回あたり5,000元・年間26,000元までを限度に、限度内なら関税は暫定的に0%、増値税・消費税は法定納税額の70%を徴収する扱いとされています。制度は改定されることがあるため、取引前に中国側の最新の公式情報を確認してください。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:米国のデミニミス制度廃止|日本貿易振興機構(JETRO)地域・分析レポート(リンク)
  • 参考資料:EU、150ユーロ免税措置を2026年7月に撤廃|LOGISTICS TODAY(リンク)
  • 出典:関于完善跨境電子商務零售進口税収政策的通知(財関税〔2018〕49号)|中国・財政部(リンク)

高い送料と、配送日数の国差をどう抑えるか

国際配送は国内配送より送料が高く、同じ手段でも国によって配送日数が大きく異なります。送料が商品価格に対して割高になると、カート離脱や価格競争力の低下につながります。

送料を抑える対処としては、商材の重量・サイズに合った手段を選ぶ使い分け(軽量・低単価品は低価格帯の国際郵便、高額・急ぎはクーリエ)が有効です。あわせて、現地倉庫や代行の拠点を使って発送元を購入者に近づけると、送料と日数の両方を抑えられます。

配送日数の目安は手段と仕向地で変わります。たとえばEMSでは欧州主要国で5〜9日(ドイツ5日・フランス6日・イギリス5日・イタリア9日が日本郵便の目安)、クーリエ便なら多くの国で2〜5営業日程度が目安です。海上輸送は数週間かかります(米国・中国あてのEMS日数は国内地域で異なるため、日本郵便の日数検索で確認してください)。

配送日数の国差は完全にはなくせませんが、購入者に目安日数を事前に明示しておくことで、到着遅れによる不信を減らせます。主要な販売先の国ごとに、採用する配送手段の目安日数を把握しておくことが、問い合わせ削減と顧客満足の両面で効きます。

荷物の破損・紛失のリスク

長距離の国際輸送では、荷扱いによる破損や紛失のリスクが国内より高まります。対処の基本は、輸送に耐える梱包と、補償のある配送手段の選択です。

前述のとおり、国際エアパケット(旧・国際eパケットライト)は追跡できても損害賠償の対象外で、国際eパケットも補償は上限6,000円までにとどまります。高額品にはEMSやクーリエなど補償の手厚い手段を選ぶのが安全です。補償の上限や要償額の申告方法は手段ごとに異なるため、商材の単価に見合った補償設計が求められます。

返品・返送対応の難しさ

越境ECでは、返品時の国際返送に高い送料と再通関が発生し、国内ECより対応が複雑になります。返品ポリシー(返送先・送料負担・対応可否)を購入前に明示しておくこと、現地倉庫や現地拠点を持つ代行を使って返品を現地で受けられる体制を整えること、が主な対処です。返品の多い商材ほど、現地での返品受付ができる組み方の価値が高くなります。

2026年施行の物流効率化法とCLO選任義務の実務影響

2026年4月から施行された物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)は、大半の越境EC事業者が直接の義務対象にはなりません。ただし委託先の物流事業者やモールを通じて間接的に影響が及ぶため、確認すべきポイントを押さえておきましょう。同法では一定規模以上の荷主・物流事業者が「特定事業者」として指定され、物流負荷の軽減に向けた取り組みが義務づけられます。

特定荷主・特定連鎖化事業者/特定貨物自動車運送事業者等/特定倉庫業者……取扱貨物の重量 9万トン以上/保有車両台数 150台以上/貨物の保管量 70万トン以上。特定事業者には、下記の取組が義務付けられます。1 中長期計画の作成(特定荷主・特定連鎖化事業者のみ)2 定期報告(特定荷主・特定連鎖化事業者のみ)3 物流統括管理者(CLO)の選任

出典:改正物流効率化法の施行に伴う義務|国土交通省

荷主としてCLO(物流統括管理者)の選任義務を負うのは、取扱貨物の重量が年9万トン以上の特定荷主に限られ、対象は一部の大手に絞られます。中小〜中堅の越境EC事業者がこの閾値に達して直接の義務対象になることは、通常はありません。

確認すべきは間接的な影響です。委託先の物流事業者や大手モール、配送キャリアが法対応を進める過程で、配送リードタイムや運賃、運用ルールが変わる可能性があります。自社が9万トン以上の大手荷主に該当する場合のみ直接の対象になるため、その場合は取扱貨物量と委託先の対応状況をあわせて把握しておきましょう。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:改正物流効率化法の施行に伴う義務|国土交通省(リンク)

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越境EC物流を委託先に任せる選び方と主なサービス

ここからは、物流を外部に委託する場合の選び方と、実際に越境EC物流を支援する主なサービスを紹介します。自社運用に限界を感じたら、委託は有力な選択肢になります。

なお、物流だけでなくサイト構築や運営まで含めて越境EC全体を代行に任せたい場合は、代行のタイプ別の違いや費用相場、選び方を解説した以下の記事もあわせてご覧ください。

委託先を選ぶときに確認したいポイント

委託先の比較では、次の観点を自社の状況に当てはめて確認すると判断しやすくなります。

コストと料金体系:保管料・出荷手数料・配送料がどう構成されるか、固定費型か従量・レベニューシェア型かを確認します。出荷量が読みにくい段階では、売上や出荷量に連動する料金体系のほうがリスクを抑えやすい場合があります。

越境EC・対象国での実績:国内物流ではなく越境EC特有の通関・多言語・返品対応の実績があるか、自社が狙う国・地域での対応経験があるかを確認します。実績のある委託先ほど、国ごとの規制や配送事情への対応がスムーズです。

サポート範囲:保管・出荷だけなのか、通関手配・返品対応・多言語カスタマーサポート・現地マーケティングまで含むのかを確認します。自社に残したい業務と任せたい業務を切り分けてから、範囲の過不足を見ます。

対応国・倉庫拠点とモール連携:販売先の国に対応しているか、現地倉庫を使えるか、自社が利用するECプラットフォームやモール・決済・配送キャリアと連携できるかを確認します。既存のシステム構成に組み込めるかどうかは、運用負荷に直結します。

以下では、越境EC物流に対応する主なサービスを紹介します。ここで取り上げるのは、海外販売の立ち上げから運営までをまとめて任せられるフルマネージド型や、複数国・複数チャネルの運用を統合するプラットフォーム型が中心です。

「在庫の保管と出荷だけを単価ベースで任せたい」という純粋な発送代行を探している場合は、料金体系や対応範囲が異なります。その観点で各社に確認し、自社の要件に照らして比較してください。

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サービス名Lingble Global GuideLingble LinkAnyX
運営会社Lingble Pte. Ltd.
(日本法人:
株式会社リングブル)
Lingble Pte. Ltd.
(日本法人:
株式会社リングブル)
AnyMind Japan株式会社
提供形態フルマネージド型の
グローバルEC支援
グローバルEC運営の
統合インフラ
ECマネジメント
プラットフォーム
物流サポート範囲国際配送・通関・
DDP(関税元払い)対応・
返品交換対応
出荷・在庫・返品を
一元管理(多拠点在庫で
最適な配送元を自動割当)
フルフィルメント
(倉庫保管・入出庫・
自動出荷、AnyLogi統合)
料金体系要お問い合わせ
(売上レベニューシェア型)
要お問い合わせ
(売上連動のリスク共有型)
要お問い合わせ
向いている事業者海外販売体制ごと
任せたいブランド企業
複数国・複数チャネルの
運用を統合したいブランド
複数モールで販売し
EC運営を効率化したい事業者
詳細情報オンライン相談を予約オンライン相談を予約サービス詳細を見る

1. Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

Lingble Global Guideのウェブサイト

シンガポールのLingble Pte. Ltd.(日本法人は株式会社リングブル)が運営するLingble Global Guideは、フルマネージド型のグローバルEC支援サービスです。ブランドの海外展開を、戦略立案からサイト構築・運営、物流・通関・返品対応、多言語カスタマーサポートまで一気通貫で支援します。

特徴は、複数国にサイトを分散させず、統一した自社ドメインでグローバルにブランドを展開しながら現地の販売店・代理店と協業する運用モデルにあります。物流面では国際配送・通関・返品対応までを支援範囲に含み、越境ECの立ち上げから運営までをまとめて任せたいブランド企業に向きます。

料金はサイト売上に応じたレベニューシェア型(売上に連動して費用が決まる方式)で、具体の料率や初期費用は個別見積もりとなります。アパレル業界を中心に導入実績を公表しており、物流だけでなくブランドの海外販売体制づくりごと相談したい場合の選択肢になります。

2. Lingble Link(Lingble Pte. Ltd.)

Lingble Linkのウェブサイト

Lingble Linkは、同じくLingble Pte. Ltd.が提供する、グローバルEC運営を一元管理する統合インフラです。複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つのプラットフォームに統合し、受注管理・出荷・返品対応・在庫管理・価格/税設定までを同じ管理画面で扱えます。

物流の観点では、複数拠点の在庫を統合管理し、注文ごとに最適な配送元を割り当てられる点が特徴です。ShopifyやAmazon、楽天などの主要ECプラットフォーム、Adyen・Stripe・PayPalなどの決済、FedEx・DHL・UPSといった国際配送との連携が挙げられており、すでに複数チャネル・複数国に展開していて運用を統合したいブランドに向いた基盤です。

料金は売上に応じたリスク共有型とされ、詳細は要問い合わせです。

3. AnyX(AnyMind Japan株式会社)

AnyXのウェブサイト

ECマネジメントプラットフォームのAnyXは、AnyMind Japan株式会社が提供しています。複数のECモールと自社ECサイトの商品・注文・在庫を単一のプラットフォームで一元管理でき、ECチャネル管理・フルフィルメント・海外展開など6つのソリューションで構成されています。

物流面では、フルフィルメント機能として倉庫保管・入出庫・自動出荷に対応し、同社グループの物流管理サービスAnyLogiと統合して使える設計です。チャネル別・商品別に変動費を差し引いた限界利益を把握できる収益分析も備え、複数チャネルで販売しながらEC運営全体を効率化したい事業者に向きます。料金は利用機能や対象国に応じた個別見積もりで、詳細は要問い合わせです。

まとめ

越境EC物流は、配送手段と物流の組み方を自社の商材・出荷量・販売先の国に合わせて選ぶことがポイントです。配送手段は、料金・日数・補償の違いを押さえ、軽量・低単価品は国際郵便、高額・急ぎはクーリエ、大口は海上/航空、と使い分けます。物流の組み方は、出荷量の成長に合わせて自社発送から代行委託・現地倉庫へと段階的に移行していくのが現実的です。

通関・関税や返品といった越境特有の課題は、DDP対応の配送手段や現地拠点を持つ委託先の活用で軽減できます。各国の少額免税制度の見直しなど最新の制度動向も、販売先の国ごとに確認を続けることが欠かせません。自社運用に限界を感じたら、越境ECの実績がある物流代行への委託を検討し、まずは資料請求や相談から始めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 越境EC物流とは何ですか?

A. 越境EC物流とは、日本の事業者が海外の消費者に販売した商品を、海外の購入者のもとへ届けるための配送・物流の仕組み全体を指します。「どう運ぶか(配送手段)」と「どこから出すか(物流の組み方)」の2軸で整理すると、全体像をつかみやすくなります。配送手段は国際郵便・国際宅配便(クーリエ便)・海上/航空輸送に分かれ、物流の組み方は国内倉庫からの自社発送・現地倉庫・物流代行への委託に分かれます。

Q. 越境EC物流は自社運用と物流代行のどちらで始めればよいですか?

A. 越境EC物流は、出荷量がまだ少ない段階は国内の自社倉庫からの発送で小さく始め、社内の運用が限界に近づいたら物流代行への委託や現地倉庫へ段階的に移行するのが現実的です。

自社発送は新たな倉庫契約が不要で少量から始めやすい一方、出荷量が増えると送料負担や梱包・発送・問い合わせ対応の実務が重くなります。委託費用はかかりますが、物流実務を任せて担当者が本来の商品企画やマーケティングに集中できる点が物流代行の利点です。

Q. 越境EC物流の送料を抑えるにはどうすればよいですか?

A. 越境EC物流の送料は、商材の重量・サイズに合った配送手段を選び、発送元を購入者に近づけることで抑えられます。軽量・低単価の商品は低価格帯の国際郵便、高額・急ぎの商品は国際宅配便(クーリエ)、というように使い分けるのが基本です。あわせて、現地倉庫や物流代行の拠点を使って発送元を購入者の国に近づけると、送料と配送日数の両方を抑えやすくなります。

Q. 越境EC物流で関税は誰が負担しますか?

A. 越境EC物流の関税は、原則として受取人(購入者)が負担しますが、差出人側が関税を負担するDDP(Delivered Duty Paid)対応の配送手段を選べば、受取人に関税を請求せずに届けられます。到着時に思わぬ関税の請求が発生すると、受取拒否や低評価につながります。

日本郵便のUGX(ゆうグローバルエクスプレス)は関税の元払いに対応しているため、差出人側で関税を負担したい場合の選択肢になります。

Q. 越境EC物流で、各国の少額免税(デミニミス)制度の廃止は影響しますか?

A. 越境EC物流では、各国が少額免税(デミニミス)制度の廃止・縮小を進めており、これまで免税だった少額の貨物も課税対象になり得ます。米国は従来「1発送あたり800米ドル以下は免税」としていた制度を、2025年8月29日に全世界を対象として廃止しました。

EUも150ユーロ以下の少額貨物の免税措置を2026年7月1日に撤廃しました(1申告行あたり3ユーロの定額関税などが適用)。日本からの少額貨物も課税対象になり得るため、販売先の国の最新制度を出荷前に必ず確認してください。

Q. 越境EC物流で高額品を送るとき、どの配送手段が安全ですか?

A. 越境EC物流で高額品を送る場合は、補償のあるEMS(国際スピード郵便)や国際宅配便(クーリエ)を選ぶのが安全です。低価格帯のうち国際エアパケット(旧・国際eパケットライト)は追跡に対応しますが損害賠償の対象外で、国際eパケットも補償は上限6,000円までにとどまります。

EMSは損害要償額2万円までが無料で、申告すれば最高200万円を限度とする実損額まで補償を引き上げられるため、商材の単価に見合った補償設計ができます。

Q. 越境EC物流で返品にはどう対応すればよいですか?

A. 越境EC物流の返品は、返品ポリシー(返送先・送料負担・対応可否)を購入前に明示し、現地倉庫や現地拠点を持つ代行を使って現地で返品を受けられる体制を整えることが有効です。国際返送には高い送料と再通関が発生し、国内ECより対応が複雑になります。返品の多い商材ほど、現地での返品受付ができる組み方の価値が高くなります。

Q. 越境EC物流の委託先はどう選べばよいですか?

A. 越境EC物流の委託先は、コストと料金体系・越境ECや対象国での実績・サポート範囲・対応国や倉庫拠点とモール連携の4点を、自社の状況に当てはめて確認すると判断しやすくなります。特に、国内物流ではなく越境EC特有の通関・多言語・返品対応の実績があるか、自社が狙う国・地域での対応経験があるかは重要です。自社に残したい業務と任せたい業務を切り分けてから、サポート範囲の過不足を見ます。

Q. 越境EC物流の委託費用はどのくらいかかりますか?

A. 越境EC物流の委託費用は、業者や料金体系によって異なり、保管料・出荷手数料・配送料で構成されるのが一般的です。固定費型のほか、売上や出荷量に連動する従量・レベニューシェア型があり、出荷量が読みにくい段階では連動型のほうがリスクを抑えやすい場合があります。具体的な料金は変動するため、各サービスの公式情報や見積もりで確認してください。

Q. 2026年4月施行の物流効率化法は越境EC事業者にも関係ありますか?

A. 物流効率化法でCLO(物流統括管理者)の選任などの義務を直接負うのは、取扱貨物の重量が年9万トン以上の特定荷主に限られ、中小〜中堅の越境EC事業者が直接の対象になることは通常ありません。

ただし、委託先の物流事業者や大手モール、配送キャリアが法対応を進める過程で、配送リードタイムや運賃、運用ルールに間接的な影響が及ぶ可能性があります。自社が9万トン以上の大手荷主に該当する場合は直接の対象になるため、取扱貨物量を確認しておくとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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