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電子契約を導入している企業は?業種・規模別の導入状況とサービスの選び方

電子契約を導入している企業は? 業種・規模別の導入状況と選び方のサムネイル画像
電子契約システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要22サービスの料金・機能を無料で一覧比較

電子契約システム比較表(2026年版)

電子契約の導入を検討するとき、まず気になるのは「実際にどんな企業が使っているのか」ではないでしょうか。紙の契約書にかかる印刷・押印・郵送・保管の手間を減らしたい一方で、自社と同じ業種や規模の会社がどう使い、どんな効果を得ているかを確かめてから決めたい、という担当者は少なくありません。

電子契約は、金融機関や官公庁から中小企業まで幅広い組織に広がっています。JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)とITRの調査では、2025年時点で約8割の企業が電子契約を利用しており、導入はひと段落して定着の段階に入ったと報告されています。導入実績を手がかりにすれば、自社に合うサービスの輪郭も見えてきます。

本記事では、電子契約を導入している企業の業種・規模別の広がりと得られた効果を整理したうえで、主要な電子契約サービスを料金・署名方式・機能で比較し、ニーズ別にどのサービスが自社に向くかを解説します。導入前に確認しておきたい注意点まで押さえ、自社の契約運用に合う一社を選ぶための材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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電子契約を導入している企業は?業種・企業規模別に見る導入状況

ここでは、どんな業種・規模の企業が電子契約を導入しているか、そして全体としてどの程度まで普及しているかを整理します。自社に近い導入パターンを見つける手がかりにしてください。

業種別の導入状況

電子契約は特定の業界に限らず、契約書のやり取りが多い業種を中心に広く使われています。製造業や卸・小売業では取引基本契約書や注文請書、建設業では工事請負契約書や外注先との契約が電子化されています。人材・派遣業では雇用契約書や労働条件通知書、不動産業では賃貸借契約や重要事項説明書など、継続的に大量の書面が発生する現場でも導入が進んでいます。

信頼性が重く問われる金融機関や自治体でも採用が広がっています。金融機関では三井住友銀行をはじめとするグループ23社が電子契約を導入し、自治体でも委託契約や協定書などの電子化が進んでいます。銀行の口座開設やローン契約、自治体の事業者との契約など、従来は対面と押印を前提にしていた手続きが電子化されています。

導入が進んだ業種では、具体的な成果も公表されています。たとえば高知県は電子契約の導入初年度に3,267件の契約事務を処理し、金融機関では取締役会議事録の電子化で署名取得業務が不要になり、保管スペースの削減にもつながったと報告されています。こうした硬い業種での導入実績は、取引先に電子契約を提案する際の説得材料にもなります。

出典・参考資料(3件)

企業規模別の導入状況

大手企業では、全社の契約業務を標準化し、内部統制や監査対応まで見据えて導入するケースが多く見られます。契約件数が多いほど印紙代や郵送費の削減額も大きくなるため、投資対効果を見込みやすいのが背景です。

一方、中小企業や個人事業主でも、月額基本料が無料または数千円から始められるサービスの登場で導入のハードルが下がりました。契約件数がそれほど多くない企業は、送信した件数に応じて料金が決まる従量課金型を選ぶと、固定費を抑えながら必要なぶんだけ使えます。自社の契約件数と料金体系が見合っているかが、規模にかかわらず選定の起点になります。

電子契約はどのくらい普及しているか

電子契約の利用はすでに広く定着しています。JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)とITRが実施した「企業IT利活用動向調査2025」では、電子契約の利用率は78.3%と報告されています。ここでの「利用」には、自社で電子契約を導入した場合だけでなく、取引先から電子契約を受け取って対応した場合も含まれます。

同調査は、利用率が2023年調査からほぼ横ばいで推移していることから、電子契約が普及の一巡を経て定着した段階にあると分析しています。前年の2024年調査でも導入率は77.9%で、導入企業がコスト削減効果を実感していることが示されていました。導入を迷っている企業にとっては、取引先の多くがすでに電子契約に対応している前提で検討を進められる状況です。

※本調査は年によって調査対象の母集団が異なるため、ここでは「約8割が利用し定着している」という水準と傾向として参照しています。

出典・参考資料(2件)

導入企業が得た効果(コスト削減・業務効率化の実例)

ここからは、電子契約を導入した企業がどのような効果を得ているかを、費用と業務の両面から整理します。稟議や取引先への説明で使える根拠としても役立ちます。

印紙代・郵送費などのコスト削減

電子契約で最も分かりやすい効果が、紙の契約にかかっていた費用の削減です。印刷代・郵送費・保管スペースの費用に加え、契約書に貼っていた収入印紙の負担がなくなります。

印紙税は、印紙税法の課税物件表に掲げられた「文書」に課される税金です。国税庁の質疑応答事例でも、課税対象は次のように示されています。

印紙税の課税対象は、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書です。……したがって、課税物件表の物件名欄に掲げられていない文書は、印紙税の課税対象になりません。

出典:質疑応答事例「課税対象となる文書の範囲」|国税庁

契約内容を紙に記載せず電磁的記録(電子データ)として作成・送信する電子契約は、この「文書」に当たらないため印紙税が課されません。福岡国税局も、注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信する場合は課税文書の作成に当たらない、との見解を個別の文書回答で示しています。契約件数が多い企業ほど、この印紙代の削減は大きな効果になります。

出典・参考資料(1件)

締結スピードの短縮と業務効率化

費用に次いで大きいのが、契約を締結するまでの時間と手間の削減です。紙の契約では、製本・押印・郵送・返送・保管という工程に数日から数週間かかっていました。電子契約ではこれらがオンライン上で完結し、相手がメールから署名すれば数分で締結できます。

締結後の管理も効率化します。契約書はクラウド上に一元保管され、契約期間や更新期日で検索・通知できるため、更新漏れや原本の紛失を防げます。

テレワークや複数拠点で契約業務を行う企業では、押印のための出社が不要になる効果も実感されています。

広島銀行は、電子契約サービスの切り替えによって年間約2,600時間の工数削減を公表しています。削減の規模は契約件数によって変わります。ある電子契約サービスの公式試算では、月100通の契約を処理する企業で印刷・製本・印紙・郵送などの削減により約35万円のコスト削減と67時間の時間短縮が可能とされています。

出典・参考資料(2件)

前述のJIPDEC・ITRの調査でも、導入企業はコスト削減効果を実感していると報告されています。一部のサービスは導入社数や業種・規模別の導入事例を公式に公表しており、各サービスの具体的な実績は個々のサービス紹介でもあわせて取り上げています。

業種・規模ごとの導入事例と、削減時間・コスト・電子化率といった効果をさらに詳しく確かめたい場合は、以下の記事が参考になります。

電子契約とは?紙の契約との違いと法的な有効性

サービスの比較に入る前に、電子契約の仕組みと法的な有効性を押さえておきます。「電子契約で本当に大丈夫なのか」という不安は、法律上の裏づけを知ることで解消できます。

電子契約とは、紙の契約書と印鑑の代わりに、電子データ(電磁的記録)と電子署名を用いて契約を締結する方法です。契約の成立に書面と押印が法律上必須とされていない契約であれば、民法の原則どおり電子的な合意で有効に成立します。

紙の契約で押印が重視されるのは、その文書が本人の意思で作られた本物だと証明する手がかりになるためです。電子契約では、この役割を電子署名が担います。

電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第2条第1項は、電子署名を「当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示す」こと(本人性)と「当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができる」こと(非改ざん性)の両方を満たす措置と定義しています。

さらに同法第3条は、本人による電子署名が行われた電子文書について、次のように定めています。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律 第3条|e-Gov法令検索

「真正に成立したものと推定する」とは、裁判などで文書が本物かどうか争われたときに、本人の電子署名があれば本人の意思で作られたものと扱われることを意味します。紙の契約書で本人の押印が証拠として働くのと同じ役割を、電子署名が果たすわけです。

電子契約サービスの多くは、利用者本人ではなくサービス提供事業者が利用者の指示に基づいて署名を行う「立会人型(事業者署名型)」を採用しています。

デジタル庁・法務省が示すQ&A(2024年1月改定)では、立会人型でも一定の要件を満たせば第3条の電子署名に当たり得るとされています。利用者の身元確認は推定効の必須要件ではないものの、有効な立証手段の一つになると整理されています。署名方式の選び方は後述します。

出典・参考資料(2件)

自社がどのタイプのサービスに適しているか判断が難しい場合もあります。そのようなときでも最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】電子契約サービスを料金・機能・署名方式で比較

ここからは、主要な電子契約サービスを横断的に比較します。料金・署名方式・無料プラン・紙契約の取込や契約管理の対応・導入実績・向いている企業を一覧で確認し、自社の候補を絞り込んでください。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサインSMBCクラウドサインマネーフォワード クラウド契約freeeサインjinjerサインWAN-SignBtoBプラットフォーム契約書リーテックスデジタル契約CONTRACTHUB@absonnepaperlogic電子契約かんたん電子契約 for クラウド契約大臣ベクターサインシヤチハタクラウドサインタイムDX-Signクラウドコントラクトドキュサイン(DocuSign)Dropbox SignZoho Sign
署名方式立会人型(標準)/当事者型(マイナンバーカード署名)立会人型・当事者型(ハイブリッド可)立会人型(標準)/当事者型立会人型(事業者署名型)立会人型(電子サイン)/電子署名(iTrust)オプション立会人型(署名方法を3段階から選択)当事者型・立会人型・ハイブリッド立会人型(事業者署名型)当事者型・立会人型(両対応)署名なし〜電子印鑑〜立会人型〜当事者型の5段階立会人型・当事者型(ハイブリッド)立会人型(標準)/当事者型オプション立会人型(電子サイン)/電子署名オプション立会人型(事業者署名型・推定)立会人型(電子署名はオプション)立会人型(事業者署名型・推定)メール認証による電子署名(サイバートラスト基盤)立会人型(事業者署名型)立会人型(標準)/当事者型・eIDAS対応立会人型(事業者署名型)/QES(EU向け)電子サイン・デジタル署名・適格電子署名(QES)
料金の目安Light 月額11,000円+送信料220円/件(税抜)ライト 月額8,800円(税抜)+送信料110円/件(立会人型・税込)Light 月額10,000円+送信料200円/件(税抜)年払い 法人2,480円/月〜(税抜)、送信料・保管料0円Starter 月額7,180円(年払い5,980円)〜、電子サイン100円/通〜月額1万円〜(ID数無制限、プラン別は要問い合わせ)基本プラン 月額0円(従量課金、税抜)フリー0円/シルバー月額10,000円〜/ゴールド月額30,000円〜(税抜)ENTRY 0円〜(送信は有料プラン。上位のTOTAL 3000が月額50,000円、PREMIUMは要相談)要問い合わせ(文書1件20〜200円の従量課金、税別)スタンダード 月額20,000円(税抜、送信の従量課金なし)月額10,000円〜(税抜・ビジネス版II)+送信100円/件フリー0円/スターター 月額4,400円(年払い月2,020円、税込)基本料0円+送信料440円/通(税込)、定額プラン月額1,320円〜月額1,320円〜/10ユーザー(税込・ワークフロー Lite)+電子署名オプションフリー0円/電子契約 月額8,600円(税込9,460円)〜Free 0円/Normal 月額8,800円〜(税込・参考値)スターター 月額1,980円(税抜・年契約)、初期費用0円Personal 月額1,333円/Standard ユーザー月額3,300円Essentials 月額15ドル/Standard ユーザー月額25ドルスタンダード 月額1,200円〜(年契約・1ユーザー、税別)
無料プラン・トライアルフリープランあり(1名・月2件まで)お試しフリープランあり(1ユーザー・月5件まで・期限なし)Freeプランあり(1名・月2件まで・永年無料)無料トライアル1か月(カード登録不要)。無料プランは送信不可(閲覧のみ)無料プランあり(電子サイン月1通まで・3名)。Standardは14日間トライアル無料トライアル1か月・契約書3通まで(恒久の無料プランはなし)基本プランで当事者型3件/月・立会人型10件/月まで無料(ユーザー数無制限)フリープランあり(月額0円・締結5件/月・保管3件/月・ユーザー無制限)ENTRYプランは受取専用で無料(送信不可・5ユーザー)無料プラン・トライアルともなし恒久の無料プランなし。1か月の無料トライアル(フル機能)体験版あり(1アカウント)フリープランあり(送信累計2件まで・1名)基本料0円の従量課金(送信の無料枠はなし、1通440円〜)15日間の無料トライアル(人数無制限)フリープランあり(累計10通まで・3名)Freeプランあり(毎月5件まで送信可・期限なし)。Normalは30日間無料2週間または10件までの無料トライアル(恒久の無料プランなし)フリーアカウントあり(送信3通まで)。有償プランは30日間トライアル無料プランあり(署名依頼は30日ごと3件まで)。30日間トライアル無料プランあり(1ユーザー・月5件・月次リセット)。14日間トライアル
紙契約の取込・契約管理書類インポート・AI契約書管理(Corporate以上)スキャン文書管理・契約更新通知に対応紙書類インポートに対応(Corporate以上)他社締結分も取込・AI-OCRで一元管理他社受領・紙締結分も含め一元保管締結・保管・管理に対応紙・電子を横断して一元管理(電子化代行あり)締結・電子保管・管理に対応稟議〜締結〜文書保存を一元化取引文書全体を一元管理(構築型)法定保存文書も電子化保管(スキャナ保存対応)電子契約・電子保管に対応(最大30名の多者間契約)契約書の保管・検索(書類保管機能)他サービスの署名文書も保管・検索電子決裁ワークフロー中心(契約書の保管)契約書の保管・管理に対応締結文書の保管・閲覧・DL(件数無制限)契約書の検索・保管に対応契約管理(CLM)・保管に対応Dropboxストレージと統合して保管Zoho製品・各種ストレージと連携して保管
主な導入実績・規模導入250万社以上・累計送信4,000万件超(電子契約ツールでシェア首位)導入350万社以上・累計5,000万件超(上場企業の82%が利用)自治体導入300超(クラウドサインとの合算・2025年6月時点)/SMBCグループ23社導入社数は非公開(会計・請求書などと連携)導入社数の公表値なし(freee製品群と連携)サイン単独の導入社数は非公開(統合型人事システム「ジンジャー」)運営会社は4,000社以上の情報資産を管理(契約単独の社数は非公開)/沖縄銀行ほかBtoBプラットフォーム全体で115万社以上(2025年5月時点)導入社数の公式公表値なし(電子署名法第2条第1項該当を確認)累計文書登録3,000万件超(2023年4月末)/大企業中心(従業員1,000名以上)導入社数の公式値なし(公認会計士・税理士が関与して設立)オリックス銀行・群馬銀行など金融機関が導入(社数は非公開)中小企業・個人事業主・スタートアップ中心(社数は非公開)導入実績の公表値なし(旧「みんなの電子署名」の後継)導入数116万件・継続率97%導入社数の公表値なし導入実績の公表値なし導入実績の公表値なし(中小企業・個人向け)世界180ヵ国以上・150万社以上で利用(署名UIは44言語)導入社数の最新公表値なし(グローバル利用)導入社数の公表値なし(国内データセンターで運用)
向いている企業導入実績の豊富さを重視する企業官公庁との契約があり実績を重視する企業金融機関・大企業、自治体マネーフォワード クラウド利用企業freee製品で労務・契約を一元化したい企業ジンジャーで採用〜契約を一本化したい企業紙と電子の契約を一元管理したい企業取引先を巻き込み契約を電子化したい企業当事者型で契約の確実性を重視する企業取引文書を大量に扱う大企業法定保存文書も含め確実性を重視する企業金融機関水準の信頼性を求める企業低コストで始めたい中小企業・個人事業主固定費をかけず従量で使いたい企業社内の電子決裁から始めたい企業手書きサインなど多様な署名方法が必要な企業無料で毎月一定数を送りたい企業月額固定・低価格で始めたい中小企業海外取引・多言語での契約が多い企業Dropboxで資料管理する企業・海外取引Zoho利用企業・海外取引
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※上記は各社の公式情報をもとにした2026年10月時点の整理です。最新の料金・機能・提供形態は各社の公式情報をご確認ください。

ニーズ別|電子契約サービスの個別紹介

ここからは、応えられるニーズ別に電子契約サービスを紹介します。自社が重視する条件に近いグループから読むと、候補を効率的に絞り込めます。

電子契約サービスをニーズ別に分けた6タイプの一覧。導入実績が豊富(大手・官公庁・金融での採用が多い)、会計・人事労務などバックオフィスとの連携、紙の契約書も含めた一元管理、当事者型で法的効力の確実性を重視、低コストでスモールスタート、多言語・海外取引への対応の6つと、それぞれに向いている企業を示している。

導入実績が豊富(大手・官公庁・金融での採用が多い)

まずは、導入社数が多く、大手企業や官公庁・金融機関での採用実績が豊富なサービスです。取引先に電子契約を提案する場面でも、広く使われている安心感が後押しになります。

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインの公式サイト。電子契約サービスの特長や導入実績が紹介されている。

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。公式サイトによると導入社数は250万社以上、累計送信件数は4,000万件を超えます。富士キメラ総研の調査(ソフトウェアビジネス新市場2025年版、2024年度実績)では、電子契約ツール部門のシェア首位と案内されています。

署名方式は、メール認証で手軽に締結できる立会人型(事業者署名型)が標準で、相手方は専用の証明書がなくても締結できます。あわせて、マイナンバーカードの電子証明書で契約当事者が署名する当事者型(マイナンバーカード署名)にも対応し、契約の重要度に応じて方式を選べます。

全プランで総務大臣認定のタイムスタンプを標準付与し、電子帳簿保存法の真実性・検索要件に対応します。料金は、ユーザー1名・月2件まで使えるフリープランのほか、Lightプランが月額11,000円(税抜)、送信料が1件220円(税抜)です。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインの公式サイト。電子署名・電子契約サービスの特長が紹介されている。

GMOインターネットグループのGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する、クラウド型の電子契約・電子署名サービスです。公式サイトによると導入事業者は350万社以上、累計送信件数は5,000万件を超え、国内の上場企業の82%(2026年6月末時点、利用企業3,204社を上場企業数3,897社で算出)が利用しています。

署名方式は、メール認証で締結する立会人型(契約印タイプ)と、電子認証局が発行する電子証明書で本人性を担保する当事者型(実印タイプ)の2つに対応します。自社は当事者型、相手方は立会人型で署名するハイブリッド署名も使え、この場合は相手方に契約や電子証明書を求めずに締結できます。

官公庁との契約については、デジタル庁・法務省・財務省がグレーゾーン解消制度への回答(2021年10月)で、同サービスの電子署名を国の契約書の記名押印に代わるものとして利用可能と示しています。送信料は立会人型が1件110円(税込)、当事者型が1件330円(税込)で、月5件まで無料のお試しフリープランも用意されています。

3. SMBCクラウドサイン(SMBCクラウドサイン株式会社)

SMBCクラウドサインの公式サイト。銀行も利用する電子契約として特長が紹介されている。

三井住友フィナンシャルグループ(51%)と弁護士ドットコム株式会社(49%)が2019年に設立した合弁会社、SMBCクラウドサイン株式会社が運営する電子契約サービスです。製品基盤は弁護士ドットコムのクラウドサインと共通で、金融機関や大企業向けの導入支援をSMBCグループとの連携で提供します。

金融機関での採用では、三井住友銀行をはじめとするSMBCグループ23社が導入していると公式サイトで示されています。自治体での実績は、クラウドサインとの合算(OEM提供分を含む)で導入数が300を超え(2025年6月時点)、同時点のプレスリリースでは高知県が初年度に年間3,267件の電子契約を実施した事例が紹介されています。

料金は、ユーザー1名・月2件まで使えるFreeプランのほか、Lightプランが月額10,000円(税抜)、送信料が1件200円(税抜)です。

会計・人事労務などバックオフィスと連携して使える

次に、会計・請求・人事労務といった他のバックオフィス業務と連携して使えるサービスです。すでに同じシリーズの会計ソフトや労務システムを使っている企業では、契約情報を一気通貫で扱えます。

4. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド契約の公式サイト

マネーフォワード クラウド契約は、会計・請求書・経費などを提供するバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」の一機能として使える電子契約・契約書管理サービスです。すでに同じシリーズを導入している企業なら、同一のアカウントとプラン体系のまま契約業務を追加できます。

電子署名は立会人型(事業者署名型)で、本人確認はメール認証で行い、締結時に自動でタイムスタンプが付与されて電子帳簿保存法の電子取引に対応します。契約書PDFから契約名や契約金額を読み取るAI-OCRの自動入力機能を追加課金なしで備え、他社サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理できます。

料金は、契約を含む12のサービスを基本料金内で使える入口プランが年払いで法人2,480円/月〜・個人900円/月〜(いずれも税抜)です。有料プラン契約後は契約書の送信料・保管料が0円で、送信件数が増えてもコストが膨らみにくい構成です。1か月の無料トライアルはクレジットカード登録なしで試せます。

5. freeeサイン(フリー株式会社)

freeeサインの公式サイト

クラウド会計・人事労務で知られるフリー株式会社が提供するのが、電子契約システムのfreeeサインです。契約書のテンプレート作成から送信・締結、締結後の保管・管理までを一つのサービスでまかない、弁護士監修の契約書ひな形を約100種類標準で用意しています。

freee人事労務やfreee業務委託管理といった同社の他プロダクトと連携でき、雇用契約や業務委託契約の管理を一元化できる点が、すでにfreeeを使う企業には扱いやすい構成です。kintoneやSalesforce向けの専用連携アプリも用意され、使い慣れた画面から契約書の作成・送信まで行えます。

料金は、電子サインを月1通まで送れる無料プランのほか、月額7,180円(年払い時は月5,980円)のStarter、月額35,760円(年払い時は月29,800円)のStandardが用意されています。Standardプランは14日間の無料トライアルで試せます。

6. jinjerサイン(jinjer株式会社)

jinjerサインの公式サイト

統合型人事システム「ジンジャー」のラインナップには、電子契約を担うjinjerサインが含まれます。契約書の作成・送付から合意・締結・保管までをオンラインで完結でき、相手先がjinjerサインを導入していなくても締結できます(受信側はアカウント不要)。

署名方法を書類ごとに3段階から選べる点が特徴です。メール認証による本人確認だけの「認証のみ」は無料、タイムスタンプを付ける電子サインは1送信30円、PAdES(長期署名)とタイムスタンプを付ける電子署名は1送信200円で、契約の重要度に応じて使い分けられます。電子帳簿保存法・電子署名法にも対応します。

料金は公式に月額1万円〜・ID数無制限と案内され、プラン別の金額は資料請求で確認する形です。人事労務側には労働条件通知書などを扱う雇用契約機能もそろうため、採用から契約までを同じブランドで一本化したい企業に向いています。無料トライアルは1か月・契約書3通までです。

紙の契約書も含めて一元管理できる

続いて、電子契約だけでなく、過去に締結した紙の契約書もスキャンして取り込み、まとめて管理できるサービスです。紙と電子が混在する移行期の企業に向いています。

7. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

WAN-Sign のサービスサイト

文書保管・機密書類の保管を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズが、GMOインターネットグループと共同開発した電子契約・契約管理サービスです。紙原本を扱ってきた背景を土台に、これから結ぶ電子契約と、過去に紙でやり取りした契約書の両方をひとつの画面で扱える点を軸に据えています。

WAN-Signで締結した契約に加え、他社の電子署名済みPDFや紙の契約書をスキャンしたPDFも登録でき、電子・紙を横断して一元管理できます。紙の原本そのものは運営会社の情報管理センターでの書類保管サービスと連携でき、紙を電子化する作業は書類電子化代行オプション(75,000円〜/箱、税抜)で代行してもらえます。

署名は当事者型・立会人型・両者を組み合わせたハイブリッドの3方式に対応します。基本プランは初期費用・月額0円でユーザー数無制限、当事者型は月3件・立会人型は月10件まで無料で、超過分のみ従量課金(当事者型300円/件、立会人型100円/件、税抜)です。株式会社沖縄銀行の導入では、取締役会議事録の電子化で署名取得業務が不要になり、保管スペースの削減にもつながったと報告されています。

8. BtoBプラットフォーム契約書(株式会社インフォマート)

BtoBプラットフォーム契約書 のサービスサイト

株式会社インフォマートが運営する企業間取引基盤「BtoBプラットフォーム」シリーズの電子契約サービスで、請求書や受発注などと同じ基盤の上で提供されます。シリーズ全体では115万社以上に利用されており(2025年5月時点、同社IR)、取引先を巻き込んで契約業務を電子化しやすい点が位置づけの中心です。

契約締結から保管・管理までをWebで完結でき、電子署名とタイムスタンプを付与する事業者署名型(立会人型)を採用しています。契約書を受け取る取引先は、送信側のプランにかかわらず無料で利用できます。すでに同シリーズの請求書や受発注を使っている企業なら、同じ基盤の延長で契約書の電子化に踏み出せます。

フリープランは月額0円で契約締結5件/月・電子保管3件/月、ユーザー数無制限です。有料プランはシルバーが月額10,000円〜、ゴールドが月額30,000円〜(いずれも税抜)となります。公式試算では、月100通の契約を処理する企業の場合、印刷・製本・印紙税・郵送費などの削減により約35万円のコスト削減と67時間の時間短縮が見込めるとされています。

当事者型で法的効力の確実性を重視

高額な取引や官公庁・金融機関との契約など、契約の確実性が強く求められる場面では、当事者本人の電子証明書で署名する「当事者型」に対応したサービスが選択肢になります。

9. リーテックスデジタル契約(リーテックス株式会社)

リーテックスデジタル契約の公式サイト。電子契約サービスの特長が紹介されている。

電子署名法に電子記録債権法を組み合わせ、契約の締結と電子記録債権の発生を同時に行えるスキームを備えるのが、リーテックス株式会社のリーテックスデジタル契約です。稟議の回付から契約締結、文書保存までを一つのクラウド上で完結できます。

当事者型の電子署名と立会人型の電子サインの両方に対応します。本人確認では、電子債権記録機関の利用者登録を無料のアップグレードで利用でき、権限のない者による契約締結(無権代理)のリスクを抑えられる点が特徴です。2024年にはグレーゾーン解消制度で、同社の電子署名が電子署名法第2条第1項に規定する電子署名に該当することが確認されています。

料金は、契約の受け取り専用で月額0円のENTRYプランと、送信件数(タイムスタンプの付与数)に応じた定額制の有料プランで構成されます。無料のENTRYプランは5ユーザー・ストレージ1.0GBまで利用できますが、契約の送信はできません。

10. CONTRACTHUB@absonne(日鉄ソリューションズ株式会社)

CONTRACTHUB@absonneの公式サイト。電子取引・契約サービスの特長が紹介されている。

見積から発注・契約・請求まで、取引で発生する文書全体の電子化をスコープに置くのが、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)のCONTRACTHUB@absonneです。2013年の提供開始以来、従業員1,000名以上の大企業を中心に導入されています。

署名方式は、署名なし・電子印鑑・立会人型(1要素/2要素認証)・当事者型の5段階から、文書のリスクや取引金額に応じて選べます。料金は文書1件あたりの従量課金で、当事者型が200円、立会人型が100〜150円、電子印鑑が50円、署名なしが20円(いずれも税別)です。初期費用と月額基本料は公式サイトに記載がなく、問い合わせで確認する形です。

累計の文書登録件数は3,000万件を突破しています(2023年4月末時点)。自社の国内データセンターで運用され、既存のERPや購買・販売システムとの連携を前提とした構築型である点も、大量の取引文書を扱う大企業の運用に向く特徴です。

11. paperlogic電子契約(ペーパーロジック株式会社)

paperlogic電子契約の公式サイト。電子契約・文書電子化サービスの特長が紹介されている。

ペーパーロジック株式会社が運営するクラウド型の電子契約・文書電子化サービスです。公認会計士・税理士が関わって設立された経緯があり、電子帳簿保存法への対応や内部統制を重視した設計です。契約書に加えて、請求書・納品書・取締役会議事録といった法定保存文書も電子化して保管できます。

立会人型(認印相当)と当事者型(実印相当)の両方に対応し、1つのサービス内で契約ごとに署名方式を使い分けられます。当事者型では、認証局が本人確認書類をもとに身元確認を行う電子証明書を利用でき、2023年3月からは法務省の商業登記の添付書面情報としても利用できます。締結時には認定タイムスタンプが自動で付与されます。

料金は、最大50ユーザー・容量20GBのスタンダードプランが月額20,000円(税抜)で、電子署名とタイムスタンプを件数ごとの従量課金なしで利用できます。当事者型で用いる電子証明書は別料金のオプションです。恒常的な無料プランはなく、スタンダードプランのフル機能を1か月試せる無料トライアルが用意されています。

12. かんたん電子契約 for クラウド(セイコーソリューションズ株式会社)

かんたん電子契約 for クラウドの公式サイト。電子契約・電子保管サービスの特長が紹介されている。

提供元のセイコーソリューションズ株式会社は、2001年からタイムスタンプ事業を手がけてきた事業者です。その時刻認証の基盤を土台に「SEIKO TRUST」ブランドで提供するのが、クラウド型の電子契約・電子保管サービス「かんたん電子契約 for クラウド」です。契約の申し込みから締結・保管までをWebブラウザ上で完結できます。

署名方式は事業者署名型(立会人型)を標準とし、当事者署名型をオプションで選べます。付与するタイムスタンプは日本データ通信協会と総務大臣の認定を受けたもので、暗号アルゴリズムの危殆化に備えてタイムスタンプを延長する長期署名にも対応します。最大30名までの多者間契約を結べます。

公式サイトには、オリックス銀行や群馬銀行など、金融機関を含む企業の導入ロゴが掲載されています。料金は公式の製品ページに金額の記載がなく、資料請求や問い合わせで確認する形です。まず試す場合は、1アカウントで使える体験版が用意されています。

低コストでスモールスタートできる

まずは小さく始めたい企業には、月額基本料が無料または低額で、必要なぶんだけ使えるサービスが向いています。契約件数が多くない中小企業や個人事業主でも、固定費を抑えて導入できます。

13. 契約大臣(株式会社TeraDox)

契約大臣の公式サイト

契約大臣は、中小企業や個人事業主、スタートアップを主な対象に、低価格帯のプランをそろえる電子契約システムです。運営は、ライフイベント系ポータルも手がける株式会社TeraDoxです。取引先はメールに記載されたURLから内容を確認して合意する立会人型が基本で、受信側はアカウント登録が要りません。

無料のフリープランは初期費用もかからず、タイムスタンプ付きの電子サインを利用できます。ただし送信できるのは累計2件まで(2026年4月改定、有料プランでの送付分も累計に含む)で、毎月リセットされる枠ではない点に注意が必要です。

有料プランは、月20件まで送信できるスタータープランが月額4,400円(税込、年払いなら月額換算2,020円)から始まります。重要な契約向けには、公開鍵暗号方式の電子署名を1送信220円(税込)のオプションで追加できます。

14. ベクターサイン(株式会社ベクター)

ベクターサインの公式サイト

無料で使えた「みんなの電子署名」を統合した後継にあたるのが、ベクターサインです。ソフトウェアダウンロードサイト「Vector」を運営するベクターグループが提供しています。

料金は、基本料金0円・文書保管料0円で、署名を送信した分だけ支払う従量課金型です。基本サービスの送信料は1通440円(税込)で、ユーザー数と文書の保管数はいずれも無制限です。月額固定費をかけずに始められる一方、送信そのものに無料枠はなく、1通ごとに費用がかかります。

送信件数が多い場合は、月5通までの定額プランが月額1,320円(税込)から用意され、通数の多いプランほど1通あたりの単価は下がります。タイムスタンプはセイコーソリューションズのものを採用し、取引先はアカウント登録も費用負担もなく締結できます。

15. シヤチハタクラウド(シヤチハタ株式会社)

シヤチハタクラウドの公式サイト

印章メーカーとして知られるシヤチハタ株式会社が運営するのが、シヤチハタクラウドです。電子印鑑と社内の承認ワークフロー(電子決裁)を主軸に、電子契約・電子署名を関連機能として提供します。公式によると導入数は116万件、継続率は97%に達します。

料金は、承認ワークフローを使えるワークフロー Liteが、10ユーザー単位で月額1,320円(税込)からです。契約書に電子署名を付けるには、立会人型の電子署名を含む「セキュリティ強化」オプション(10ユーザーあたり税込1,100円)を追加します。

氏名印・日付印・役職者印といった印影に加え、手書きサインにも対応し、社内外の承認業務を同じ画面で電子化できます。受信側のゲストは登録不要・無料で捺印でき、導入前には15日間・人数無制限の無料トライアルで試せます。

16. サインタイム(サインタイム株式会社)

サインタイム(SignTime)の公式サイト

サインタイムは、サインタイム株式会社が提供するクラウド型の電子契約・電子サインサービスです。疑似印鑑の生成や印影のアップロードに加え、手書きサインやキーボード入力など複数の署名方法から選べる点が持ち味です。

無料のフリープランは期間の定めがなく、合計10通まで(累計、ユーザー3名)送信できます。有料の電子契約プランはユーザー数が無制限で、月額8,600円(税込9,460円)から、年払いなら月額換算7,880円です。

送信者と署名者が1台の端末を共有して署名する対面向けのタブレットサインは、月額20,000円のオプションとして上位プランから使えます。タイムスタンプは総務大臣認定のものを採用し、本人確認はメール認証とアクセスコードに対応します。

17. DX-Sign(株式会社バルテックサイン)

DX-Signの公式サイト

DX-Signは、バルテックグループの株式会社バルテックサインが運営する電子契約サービスです。「シンプルで使いやすい電子契約」を掲げ、相手方はメール認証で、事前のアカウント登録なしに締結へ参加できます。

無料のFreeプランは1アカウントで毎月5件まで送信でき、期限なく使い続けられます。締結済み文書の閲覧やダウンロードは件数の制限なく無料です。有料のNormalプランを30日間試せる無料キャンペーンも用意されています。

電子署名の基盤にはサイバートラストの電子証明書・リモート署名サービスを採用し、Freeプランを含む全プランで最長10年の長期署名とタイムスタンプを自動で付与します。この電子署名は、商業・法人登記のオンライン申請でも利用できます。

18. クラウドコントラクト(クラウドコントラクト株式会社)

クラウドコントラクトの公式サイト

クラウドコントラクトは、中小企業や個人事業主を対象に、月額固定・初期費用0円の低価格を掲げる電子契約サービスです。運営はクラウドコントラクト株式会社で、PDFのアップロードから送信・締結・保管までをブラウザ上で完結できます。

最安のスタータープランは月額1,980円(税抜・年契約)で初期費用は0円、月10件までの締結と1アカウントが使えます。電子署名・タイムスタンプ・契約書の検索や合意締結証明書の発行は、基本料金に含まれます。

電子署名は事業者署名型(立会人型)で、認定事業者のアマノタイムスタンプサービスを組み合わせ、電子帳簿保存法にも対応します。期限のない無料プランはありませんが、登録から2週間または10件締結までの無料トライアルを、クレジットカード登録なしで試せます。

多言語・海外取引に対応

海外の取引先と契約を結ぶ企業には、英語など多言語のインターフェースに対応し、国際的に利用されているサービスが適しています。

19. ドキュサイン(ドキュサイン・ジャパン株式会社)

ドキュサイン(DocuSign)の公式サイト

ドキュサイン(DocuSign)は、米Docusign, Inc.が2003年から提供し、日本ではドキュサイン・ジャパン株式会社が展開する電子署名・契約管理サービスです。世界180ヵ国以上で利用され、署名画面は44言語に対応します。言語や拠点の異なる取引先ともオンラインで契約を締結できます。

署名方式は、メール認証で締結する立会人型(クラウド型)を基本に、当事者型やeIDAS(EUの電子署名規則)などの基準を満たすデジタル署名にも対応します。米国のESIGN法・UETAをはじめ各国の電子署名関連法への準拠を掲げており、国境をまたぐ契約でも使いやすい構成です。

日本市場向けには日本語UIと日本円課金を用意し、シヤチハタとの提携による電子印鑑(eHanko)機能も備えます。料金はPersonalプランが月額1,333円(月払い、月5通まで)、Standardプランがユーザーあたり月額3,300円です。送信3通まで無料のフリーアカウントもあり、受信と署名は無制限で使えます。

20. Dropbox Sign(Dropbox Japan株式会社)

Dropbox Sign の公式サイト

Dropbox Signは、クラウドストレージで知られる米Dropboxが提供する電子署名サービスです。2011年創業のHelloSignを2019年に買収し、2022年10月に現在の名称へ切り替えました。国内はDropbox Japan株式会社が担い、署名者・送信者の双方の画面が日本語表示に対応します。

特徴は、Dropboxのドキュメントストレージと統合して使える点です。署名済みの文書をDropboxへ自動保存するなど、すでにDropboxで資料を管理している企業は、保管と電子署名を一体で運用できます。Salesforce・HubSpot・Google Driveなどとのノーコード連携もそろいます。

署名方式はメール認証による立会人型(事業者署名型)が基本で、EUのeIDAS規則が定める適格電子署名(QES)やGDPRにも対応するため、海外取引や多国籍チームでの利用に向きます。料金は公式サイトでは米ドル建てで、個人向けEssentialsが月額15ドル、小規模チーム向けStandardがユーザーあたり月額25ドルです。自己署名は無制限、署名依頼は30日ごとに3件まで使える無料プランもあります。

21. Zoho Sign(ゾーホージャパン株式会社)

Zoho Sign の公式サイト

Zoho Signは、業務アプリケーションスイート「Zoho」を展開するゾーホージャパン株式会社(グローバル開発元はZoho Corporation)が提供する電子署名サービスです。Zoho CRMやZoho People、Zoho WorkDriveといった同社製品と連携でき、すでにZohoを使う企業は契約業務をそのワークフローに組み込めます。

UIは日本語を含む12言語に対応します。外資系の製品ながら、東京・大阪の国内データセンターで運用します。国内の時刻認証事業者であるセイコーソリューションズのタイムスタンプと連携して電子帳簿保存法の電子取引データ保存要件に対応する点が、国内利用でも扱いやすい構成です。

署名方式は、電子サインのほか、暗号技術を用いるデジタル署名や、エンタープライズプランでの適格電子署名(QES)まで、契約の重要度に応じて選べます。料金はスタンダードプランが1ユーザーあたり年間契約で月額1,200円〜(税別)です。1ユーザー・月5件まで使える無料プランもあり、こちらはタイムスタンプには対応しません。

電子契約サービスの選び方(自社に合うサービスを選ぶポイント)

導入実績を手がかりに候補を絞ったら、残る判断軸で一社に決めていきます。ここでは、電子契約サービスを選ぶときに確認したいポイントを整理します。

署名方式(当事者型・立会人型)はどちらが必要か

電子署名には、契約当事者が自分の電子証明書で署名する「当事者型」と、サービス提供事業者が利用者の指示を受けて署名する「立会人型」があります。立会人型はメールアドレスで手軽に締結でき、相手に専用の証明書が不要なため、日常的な取引の多くに向いています。当事者型は認証局が発行する電子証明書で本人性を担保するぶん、高額な取引や官公庁・金融機関との契約など確実性が強く求められる場面に適しています。

電子署名の2つの署名方式の違いを比較した図。立会人型(事業者署名型)は、サービス提供事業者が利用者の指示を受けて署名し、メールアドレスで手軽に締結でき相手に専用の証明書が不要で、日常的な取引に向く。当事者型(当事者署名型)は、契約当事者本人が認証局の発行する電子証明書で本人性を担保し、高額・重要な契約や官公庁・金融機関との契約に向く。

デジタル庁・法務省のQ&Aでは、立会人型でも一定の要件を満たせば法的な推定効が働き得るとされる一方、裁判で身元確認の水準などが低いと判断された場合には推定が認められない可能性にも触れています。契約の重要性や金額に応じて、どちらの方式が必要かを見極めるとよいでしょう。両方の方式に対応し、契約ごとに使い分けられるサービスもあります。

契約件数と料金が見合っているか

電子契約サービスの料金は、月額基本料に加えて、契約を送信するごとにかかる送信料(1件あたり数十円〜200円程度)やユーザー数に応じた費用で構成されるのが一般的です。月間の契約件数が少ない企業は月額基本料の低いサービスや従量課金型を、件数が多い企業は送信料が割安なプランや送信料無料のプランを選ぶと、総額を抑えられます。

無料プランを比べるときは、その中身に注意が必要です。毎月決まった件数まで無料になる月次リセット型、累計で一定件数まで無料の型、閲覧はできても自社からの送信はできない型など、同じ「無料」でも使える範囲が大きく異なります。自社の使い方で実際に無料の範囲に収まるかを、送信件数に当てはめて確認しましょう。

必要な機能と契約管理の範囲が足りているか

締結だけでなく、契約書の作成・承認ワークフロー・締結後の契約管理まで一体で行いたいのか、締結機能に絞って使いたいのかで、選ぶべきサービスが変わります。

社内の稟議と連動させたい場合は承認ワークフローの有無を、過去の紙の契約も含めて管理したい場合はスキャン取込と検索・更新管理の機能を確認するとよいでしょう。会計ソフトや人事労務システムとの連携が必要なら、自社が使っているシステムに対応しているかも確認しておきたい点です。

導入実績・サポート・セキュリティは十分か

取引先に電子契約での締結を受け入れてもらうには、相手が名前を知っている・使ったことがあるサービスだと話が早く進みます。導入社数やシェア、自社と同じ業種での採用事例を確認しておくと、取引先への提案材料にもなります。

あわせて、導入時の初期設定や相手方への案内をサポートしてくれるか、電話やメールでの問い合わせ対応の範囲、情報セキュリティの認証(ISMS など)の取得状況も確認しておきたい点です。契約書という重要な情報を預ける以上、セキュリティとサポート体制は料金と同じ重みで検討したい観点です。

署名方式や料金は、どのサービスを選ぶかで特に判断が分かれる軸です。費用の目安をつかんだうえで、料金体系と署名方式のタイプから自社に合う一社を絞り込みたい場合は、以下の記事でタイプ別の選び方を詳しく解説しています。

電子契約を導入する際の注意点

電子契約は幅広い契約に使えますが、導入前に確認しておきたい落とし穴もあります。ここでは、つまずきやすい3つの注意点を整理します。

電子化が認められない契約がある

2022年のデジタル改革関連法の施行により、以前は書面交付が義務づけられていた多くの契約が電子化できるようになりました。ただし、法律で公正証書などの書面が必須とされる契約は、現在も電子契約では締結できません。

たとえば、事業用定期借地権の設定契約は、借地借家法第23条第3項で「公正証書によってしなければならない」と定められています。任意後見契約も、任意後見契約に関する法律第3条で「法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならない」とされています。自社が扱う契約類型に書面義務が残っていないか、導入前に確認しておきましょう。

出典・参考資料(2件)

取引先の合意と社内外の運用の足並みが必要

電子契約は、相手方にも電子での締結に応じてもらう必要があります。取引先が電子署名の法的効力やセキュリティに不安を抱いている場合、法的な根拠や安全性を丁寧に説明して合意を得ることが欠かせません。導入実績の豊富なサービスほど、相手が受け入れやすい傾向があります。

社内でも、どの契約を電子で締結し、誰が承認・送信するかといった運用ルールを整えておくことが重要です。紙と電子が混在する移行期には、保管方法や管理の仕方を統一しておくと、後の混乱を防げます。

電子帳簿保存法の保存要件に対応する

電子契約で締結した契約書は、電子帳簿保存法上の「電子取引」のデータに当たり、原則として電子データのまま保存する必要があります。保存にあたっては、改ざんを防ぐ「真実性」と、必要なときに検索・表示できる「可視性」の要件を満たさなければなりません。国税庁の解説では、要件が次のように示されています。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(規則3①三~五、⑤七、8①)。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問9|国税庁

真実性は、タイムスタンプの付与や、訂正・削除の記録が残る(または訂正・削除ができない)システムの利用、訂正削除防止の事務処理規程の整備などで確保します。可視性は、取引年月日・金額・取引先で検索できる機能や、画面・書面で速やかに表示できる環境の備付けで満たします。

電子契約サービスの多くはタイムスタンプや検索機能を標準で備えており、これらの要件への対応を助けてくれます。自社が使う機能で保存要件を満たせるかを確認しておきましょう。

出典・参考資料(1件)

まとめ

電子契約はすでに約8割の企業で利用され、金融機関や官公庁から中小企業まで幅広い業種・規模に定着しています。印紙代や郵送費の削減、締結スピードの短縮、契約管理の効率化といった効果は、導入実績として多くの企業で実証されています。

自社に合うサービスを選ぶには、まず自社のニーズを特定することが近道です。導入実績の重視、会計・人事労務との連携、紙の契約も含めた一元管理、当事者型の確実性、低コストでの導入、海外取引への対応といった観点のうち、何を優先するかをはっきりさせましょう。

そのうえで、契約件数と料金が見合うか、必要な機能がそろっているか、取引先が受け入れやすい実績とセキュリティがあるかを確かめて、候補を一社に絞り込みましょう。導入前には、電子化できない契約類型や電子帳簿保存法の保存要件も確認しておきましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子契約とは何ですか?

A. 電子契約とは、紙の契約書と印鑑の代わりに、電子データ(電磁的記録)と電子署名を用いて契約を締結する方法です。書面と押印が法律上の必須条件になっていない契約であれば、民法の原則どおり電子的な合意で有効に成立します。印刷・押印・郵送・保管といった紙の工程をなくし、契約の作成から締結・保管までをオンライン上で完結できます。

Q. 電子契約は法的に有効ですか?

A. 電子契約は、書面と押印が法律で必須とされていない契約であれば、紙の契約と同じように法的に有効です。電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第3条は、本人による電子署名が行われた電子文書を「真正に成立したものと推定する」と定めています。紙の契約書で本人の押印が証拠として働くのと同じ役割を、電子署名が果たします。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子契約を導入している企業はどのくらいありますか?

A. 電子契約はすでに約8割の企業で利用され、普及が一巡して定着した段階にあります。JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)とITRの「企業IT利活用動向調査2025」では、電子契約の利用率は78.3%と報告されています。金融機関や官公庁から中小企業まで、契約書のやり取りが多い業種を中心に幅広く使われており、取引先の多くがすでに電子契約に対応している前提で検討を進められる状況です。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子契約に収入印紙は必要ですか?

A. 電子契約には収入印紙は不要で、印紙税はかかりません。印紙税は、印紙税法の課税物件表に掲げられた「文書」に課される税金です。契約内容を紙に記載せず電磁的記録(電子データ)として作成・送信する電子契約は、この「文書」に当たらないため課税されません。

福岡国税局も、注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信する場合は課税文書の作成に当たらない、との見解を示しています。契約件数が多い企業ほど、印紙代の削減効果は大きくなります。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子契約で締結できない契約はありますか?

A. 一部の契約は法律で公正証書などの書面作成が義務づけられており、電子契約では締結できません。2022年のデジタル改革関連法で多くの契約が電子化できるようになりましたが、事業用定期借地権の設定契約(借地借家法第23条第3項)や任意後見契約(任意後見契約に関する法律第3条)など、公正証書が必須とされる契約類型は例外として残ります。

自社が扱う契約に書面義務が残っていないか、導入前に確認しておきましょう。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子契約は当事者型と立会人型のどちらの署名方式を選べばよいですか?

A. 電子契約の署名方式は、日常的な取引の多くは手軽に締結できる立会人型が、高額な取引や官公庁・金融機関との契約など確実性が強く求められる場面は当事者型が向いています。立会人型はメールアドレスで締結でき相手方に専用の証明書が不要な一方、当事者型は認証局が発行する電子証明書で本人性を担保します。契約の重要性や金額に応じて、両方式を使い分けられるサービスを選ぶ方法もあります。

Q. 電子契約はどのような手順で導入を進めればよいですか?

A. 電子契約の導入は、自社に合うサービスを選び、社内の運用ルールを整え、取引先の合意を得て、電子帳簿保存法に沿った保存を設定する、という流れで進めます。

まず契約件数・必要な機能・署名方式から候補を絞り、どの契約を誰が承認・送信するかの運用ルールを決めます。相手方には電子契約の法的効力や安全性を説明して合意を得て、締結後のデータはタイムスタンプや検索機能を備えたサービスで電子帳簿保存法の保存要件を満たして保管します。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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