設計業務委託契約書に収入印紙が必要かは、その契約が「請負に関する契約書(第2号文書)」に当たるかで決まります。設計の成果物(設計図書)の完成を約して報酬を受け取る設計契約は第2号文書に該当し、原則として収入印紙が必要です。契約金額に応じた税額は、工事請負契約で見かける軽減後の金額ではなく本則税率で計算するため、工事の早見表をそのまま当てはめると実際の貼付額を取り違えます。
本記事では、設計契約に印紙が要るか・契約金額別にいくらか・設計と監理をどう区別するか・設計と施工を1通にまとめたときの数え方・貼るときの実務を、国税庁の公式見解を引きながら解説します。
あわせて、電子契約で設計契約を締結すれば印紙税が丸ごと不要になる根拠と、切替えによる年間削減額の目安も末尾で解説します。
目次
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設計契約(設計業務委託契約書)に印紙は必要か
設計業務委託契約書は、原則として収入印紙が必要です。設計契約は「請負に関する契約書」(印紙税法 別表第一 第2号文書)に当たるためです。印紙税は別表第一に掲げられた文書に対して課され、文書の名称ではなく記載内容の実質的な意義で判定されます。
請負とは、一方が仕事の完成を約し、相手方がその結果に報酬を支払う契約をいいます。国税庁は請負の意義を次のように説明しています。
請負とは当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約をいいます。請負には建設工事のように有形的なもののほか、警備、機械保守、清掃などの役務の提供のように無形的な結果を目的とするものも含まれます。
出典:No.7102 請負に関する契約書|国税庁
設計業務委託は、設計図書という成果物の完成を約して報酬を受け取る契約であり、この請負の定義に当てはまります。したがって、設計業務委託契約書には記載金額に応じた収入印紙が必要です。国税庁も、後述する軽減措置の説明のなかで「建物の設計」を請負の一種として扱っています(軽減の対象外である点は次章で詳述します)。
設計に付随する調査・企画などの業務は、契約内容によって請負か委任かの判断が分かれることがあります。純粋に設計図書の作成を委託する部分は請負(第2号文書)として扱い、工事監理だけを委託する部分の扱いは後の章で切り分けます。
出典・参考資料(2件)
契約金額別の印紙税額一覧(本則税率)
設計契約の印紙税額は、契約書に記載された契約金額(記載金額)の区分で決まります。設計契約は後述のとおり建設工事の軽減措置の対象外なので、以下の本則税率で計算します。工事請負契約で使われる軽減後の金額表とは別物である点に注意してください。
| 契約金額(記載金額) | 印紙税額(第2号文書・本則税率) |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 |
| 200万円超300万円以下 | 1,000円 |
| 300万円超500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
| 1億円超5億円以下 | 10万円 |
| 5億円超10億円以下 | 20万円 |
| 10億円超50億円以下 | 40万円 |
| 50億円超 | 60万円 |
| 契約金額の記載のないもの | 200円 |
設計事務所が扱うことの多い金額帯で見ると、設計報酬500万円超1,000万円以下の契約書なら1万円、1,000万円超5,000万円以下なら2万円です。契約金額が1万円未満の設計契約書は非課税で、契約金額を契約書に記載しない場合は「契約金額の記載のないもの」として一律200円になります。
記載金額は、消費税額を区分して書くと税抜額で判定できます(後述)。設計報酬の消費税の書き方次第で税額が1段変わることがあるため、契約書を作る段階で確認しておくと無駄な印紙代を避けられます。
出典・参考資料(1件)
設計契約は建設工事の軽減措置の対象外(本則税率で計算する)
第2号文書のうち建設工事の請負契約書には、租税特別措置法による印紙税の軽減措置があります。しかし、建物の設計だけを委託する契約はこの軽減の対象外です。工事請負契約書で見かける軽減後の金額を、そのまま設計契約に当てはめてはいけません。
国税庁は、軽減措置の対象となる契約書の範囲と、設計が建設工事に当たらないことを次のように説明しています。
軽減措置の対象となる契約書は、請負に関する契約書(建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるものに限られます。)のうち、記載金額が100万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成されるものになります。
出典:建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置|国税庁 質疑応答事例
この場合において建設工事とは、土木建築に関する工事の全般をいいますが、建物の設計、建設機械等の保守、船舶の建造又は機械等の制作若しくは修理等については、建設業法第2条第1項に規定する建設工事には該当しません。
軽減措置は「建設工事の請負」に係る契約書に限られ、建物の設計は建設業法上の建設工事に当たりません。このため、設計だけを委託する契約書は軽減の対象外で、前章の本則税率で税額を計算します。
たとえば設計報酬が2,000万円の設計業務委託契約書は、工事請負なら軽減後1万円のところ、設計契約では本則の2万円です。軽減措置の適用期間は令和9年3月31日までですが、いずれにしても設計契約はこの期間内であっても軽減の対象になりません。
設計は請負・監理は委任(監理だけなら印紙は不要)
ここからは、設計契約のなかでも「設計」と「工事監理」で印紙税の扱いが分かれる点を整理します。自社の契約書がどちらを含むかで、印紙の要否と記載金額の数え方が変わります。
設計のみ・監理のみ・両方を1通にまとめる場合、さらに施工(建設工事)を含む場合まで、契約の中身ごとの印紙の扱いを整理すると次のとおりです。

設計業務は請負(第2号文書)で課税
設計図書の作成を委託する設計業務は、成果物の完成を目的とする請負であり、第2号文書として課税されます。契約書の表題が「設計業務委託契約書」でも「設計委託契約書」でも、設計図書の完成を約して報酬を支払う内容であれば請負に当たり、記載金額に応じた本則税率の印紙が必要です。
監理業務は委任で不課税(純粋な監理だけなら印紙は不要)
工事監理(設計図書どおりに工事が行われているかを確認する業務)は、設計図書のような成果物の引渡しを目的とせず、工事の確認という事務の処理を委託するものです。このため請負ではなく委任(準委任)と整理されます。印紙税は別表第一に掲げられた文書だけに課され、委任に関する契約書はその20種類の課税文書に含まれません。
別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する。
出典:印紙税法第2条|e-Gov法令検索
別表第一の課税物件は第1号から第20号までの限定列挙で、委任(準委任)に関する契約書はそのいずれにも当たりません。このため、工事監理だけを単独で委託する監理委託契約書は、課税文書に該当せず収入印紙は不要です。
設計と監理を1通にまとめたとき(監理分は契約金額に算入しない)
設計と工事監理を1通の契約書(設計・監理業務委託契約書)にまとめる場合、課税されるのは請負である設計の部分です。「設計業務報酬 800万円、工事監理業務報酬 200万円」のように設計報酬と監理報酬を区分して記載すれば、委任(不課税)である監理の対価は第2号文書の記載金額に含めず、設計報酬の800万円で税額区分を判定できます(この例では1万円)。
逆に、設計と監理の報酬を区分せず合計額だけを記載すると、その全額が請負の記載金額として扱われるおそれがあります。監理分を記載金額から外したい場合は、契約書上で設計報酬と監理報酬を明確に区分して記載しておくことが前提です。
個別の設計契約の土台として、継続的な取引条件を定める基本契約書を結ぶ場合があります。この基本契約書は「継続的取引の基本となる契約書」(第7号文書)に当たり、記載金額にかかわらず一律4,000円の印紙が必要になることがあります。個別契約(第2号文書)とは別の判定になる点に注意してください。
出典・参考資料(1件)
設計施工一括・工事と設計を1通にまとめたときの金額の数え方
設計だけの契約は本則税率ですが、同じ契約書に施工(建設工事)が含まれると扱いが変わります。混同しやすい「設計施工一括(設計と施工を一体で請け負う)」と「工事と設計を1通に併記する」の2つを分けて確認します。
施工(建設工事)を含む契約は全体が軽減措置の対象になりうる
設計施工一括のように、建設工事の請負に基づいて作成される契約書であれば、そこに建設工事以外の請負事項(設計など)が併記されていても、契約書全体が軽減措置の対象になります。設計だけの契約は本則ですが、施工を含む契約は建設工事の請負として軽減後の税額で計算できる、という違いです。
工事と設計を1通に併記したとき(合算して判定・国税庁の例)
建設工事と設計を1通の契約書に併記した場合、記載金額は両方を合算して判定します。国税庁は、建設工事代金と設計請負代金を併記した契約書について次の例を示しています。
なお、建設工事の請負に係る契約に基づき作成される契約書であれば、その契約書に建設工事以外の請負に係る事項が併記されていても、軽減措置の対象になります。
出典:建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置|国税庁 質疑応答事例
この契約書に記載された契約金額は55,000,000円(建物建設工事代金50,000,000円+設計請負代金5,000,000円)ですから、印紙税額は30,000円になります。
この例の税額30,000円は、建設工事を含むため契約書全体が軽減措置の対象となり、合算した5,500万円を軽減後の税額表で引いた金額です。設計だけの契約書ではこの合算例の数字は使えず、本則税率で計算します(5,500万円なら6万円)。自社の契約書に施工(建設工事)が含まれるかどうかで、軽減後か本則かが分かれます。
施工(建設工事)を含む契約書は軽減措置の対象になり、設計だけの契約とは税額表も金額の数え方も変わります。工事請負契約書の印紙税額の一覧や、注文請書・変更契約書の扱い、軽減措置の適用条件については、以下の記事で金額区分別に整理しています。
設計契約書に印紙を貼るときの実務
貼付額が決まったら、誰が負担するか・どう貼って消すか・写しや2通作成の扱い・貼り忘れたときのリスクを押さえておきます。実務でつまずきやすい点をまとめます。
どちらが負担するか(連帯納税義務と実務上の取り決め)
設計契約書のように2者が共同で作成する課税文書は、法律上、作成者が連帯して印紙税を納める義務を負います。
一の課税文書を二以上の者が共同して作成した場合には、当該二以上の者は、その作成した課税文書につき、連帯して印紙税を納める義務がある。
出典:印紙税法第3条第2項|e-Gov法令検索
設計者と発注者のどちらが実際に負担するかは、法律の定めではなく当事者間の取り決めです。どちらが貼っても国に対する納付としては足りるため、折半や一方負担など契約や慣行に応じて決めます。
発注者が国や地方公共団体などの場合は、印紙税法上の特例があり、設計事務所側が保存する契約書は非課税になることがあります(相手方が保存する契約書の扱いは異なります)。公共の設計業務を受託するときは、この特例もあわせて確認しておくと、不要な貼付を避けられます。
消費税を区分記載すれば税抜で記載金額を判定できる(節税)
設計契約は第2号文書なので、消費税額を区分して記載すれば、その消費税額を記載金額に含めずに判定できます。国税庁は次のように扱いを示しています。
消費税および地方消費税の金額(以下「消費税額等」といいます。)が区分記載されているとき、または、税込価格および税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。
出典:No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額|国税庁
たとえば設計報酬を「1,100万円(うち消費税額等100万円)」と区分記載すれば、記載金額は税抜1,000万円となり印紙税額は1万円です。一方「1,100万円(税込)」とだけ書くと、消費税額が明らかとはいえず記載金額は1,100万円として扱われ、税額は2万円になります。区分記載の有無で税額が1段変わるため、契約書の書き方に注意してください。
ただし、この税抜判定が使えるのは消費税の課税事業者が作成する契約書です。免税事業者が作成する契約書では、消費税額を区分して書いても税抜判定は認められず、総額が記載金額として扱われます。自社が免税事業者の場合は、区分記載による税額の引き下げは使えません。
貼り方・消印の方法
収入印紙は契約書の作成時までに貼り、文書と印紙の彩紋(模様)にまたがるように消印します。消印は作成者または代理人・使用人の印章でも署名でも構いませんが、文書と印紙にかけて判明に消す必要があります。斜線だけ・「印」の一文字・鉛筆書きの署名は消印として認められません。
契約書の写し・原本を2通作成したときの扱い
設計者と発注者がそれぞれ原本を持つために2通作成し、どちらも契約の成立を証明する目的の文書であれば、2通とも課税対象となり各通に印紙が必要です。一方、正本をコピー機で複写しただけで署名・押印のないものは単なる写しにすぎず、課税対象になりません。
貼り忘れ・消印忘れの過怠税(契約は無効にならない)
課税文書に印紙を貼らなかった場合、本来の印紙税額とその2倍の合計、すなわち本来の税額の3倍に相当する過怠税が徴収されます。税務調査を受ける前に自主的に不納付を申し出た場合(「印紙税不納付事実申出書」の提出)は1.1倍に軽減されます。貼った印紙を消印しなかったときは、消印していない印紙の額面と同額の過怠税が課されます。
納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。
出典:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁
過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入できないため、負担は本来の印紙税以上に重くなります。ただし、印紙を貼っていなくても設計契約そのものの私法上の効力には影響せず、契約が無効になるわけではありません。印紙税の問題と契約の有効性は別のものです。
逆に、必要額より高い印紙を貼ってしまったときや、使わなかった収入印紙は、一定の手続きで救済されます。契約書に貼って納めすぎた分などは、税務署で「印紙税過誤納確認申請(充当請求)書」を提出すれば還付を受けられます。未使用の収入印紙は、郵便局で手数料を払えば別の額面の収入印紙と交換できます。
出典・参考資料(5件)
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電子契約なら設計契約の印紙は不要(根拠と削減効果)
設計契約を電子契約で締結すれば、収入印紙は不要です。紙の契約書に代えて電子データでやり取りする場合、印紙税の課税対象にならないためです。設計契約を継続的に扱う事務所ほど、印紙代と過怠税リスク・貼付や保管の手間をまとめて解消できます。
電子契約が課税対象にならない理由
印紙税が課されるのは別表第一に掲げられた「文書」で、電磁的記録(電子データ)はこの文書に含まれません。国税庁は、建設工事の注文請書を電子データで作成・送信する場合について次のように回答しています。
印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。
出典:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁 質疑応答事例
したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません。
この回答は建設工事の請負(注文請書)を電子データで取り交わす場面を扱っており、同じ請負である設計業務委託契約の電子化にもそのまま当てはまります。電子契約で設計契約を締結すれば、契約金額がいくらであっても印紙税はかかりません。ただし、電子で締結した後に紙の契約書を別途作成して相手方に交付すると、その紙の文書には印紙税が発生する可能性があるため注意が必要です。
設計契約を電子契約で締結する場合は、相手方の承諾を得たうえで進めるのが基本です。建築士法でも、設計受託契約・工事監理受託契約の内容を記した書面の交付を電子的な方法で行うには、その承諾が必要とされています。
電子契約への切替えによる年間削減額の目安
設計契約1件あたりの印紙代は、本則税率では500万円超1,000万円以下で1万円、1,000万円超5,000万円以下で2万円です。電子契約に切り替えるとこの印紙代がゼロになり、年間の締結件数 × 1件あたりの印紙代が、そのまま年間の削減額になります。
自社の契約金額帯と件数を当てはめて計算してみてください。たとえば本則2万円の設計契約なら、年10件で20万円、年20件で40万円が毎年削減できる計算です。
削減できるのは印紙代だけではありません。収入印紙の購入・貼付・消印の手間、貼り忘れや消印漏れによる過怠税のリスク、紙の契約書の郵送・保管のコストも同時に減らせます。契約書をクラウドで一元管理できるため、期限管理や検索もしやすくなります。
出典・参考資料(2件)
設計契約の電子化に適した電子契約サービス
設計契約を電子化するときの主な検討軸は、取引相手に同意を得やすい国内で広く使われているサービスか、契約書の作成から保管・管理まで任せられる機能があるかです。
加えて、設計施工一括のように対外的な効力の確実性を高めたい契約を扱うなら当事者型(実印相当)への対応も見ておきます。確実性より経理を含むバックオフィス全体の一元管理を重視するなら立会人型中心でも足ります。検討軸の異なる3サービスを紹介します。
設計契約の電子化に適合する3サービスの比較
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン | マネーフォワード クラウド契約 |
|---|---|---|---|
| 電子署名タイプ | 立会人型(事業者署名型・標準) 当事者型(マイナンバーカード署名) | 立会人型・当事者型 (ハイブリッド署名可) | 立会人型(事業者署名型) |
| 当事者型(実印相当)対応 | ●マイナンバーカード署名 | ◎実印タイプ(電子証明書で法人実印相当) | 立会人型のみ (公式に当事者型の案内なし) |
| 電子帳簿保存法対応 | ●認定タイムスタンプ標準付与・検索要件対応 | ●JIIMA認証(契約印&実印プラン向け) | ●電子取引に対応(スキャナ保存は非対応) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 |
| 月額費用 | 無料〜 (Light 11,000円/月、税抜。Business以上は要問い合わせ) | 無料〜 (ライト 8,800円/月、税抜・年間契約) | 無料〜 (契約単体 2,480円/月〜、税抜・年払い) |
| 無料プラン | フリープランあり (1名・月2件まで送信可) | お試しフリープランあり (1名・月5件まで送信可、契約印タイプのみ) | 無料プランあり (閲覧・ダウンロードのみ。送信は有料プラン) |
| 契約書の作成・管理 | 保管・全文検索・AI契約書管理 期限アラート(有料プラン) | 文書検索・フォルダ管理・契約更新通知 AI自動入力(ビジネス以上) | 作成・申請ワークフロー・保管・検索 AI-OCR自動入力(追加課金なし) 他社締結分も取込・一元管理 |
| 導入規模 | 導入250万社以上 累計送信4,000万件超 | 導入350万社以上 累計送信5,000万件超 | 公式に公表なし |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
※2026年10月時点の各社公式サイトの情報にもとづく。最新の料金・機能は各社公式でご確認ください。
ここで取り上げた3サービスは、設計契約の電子化に向く例として絞り込んだものです。料金体系や署名方式、契約書管理機能まで含めて電子契約システム全体を横断的に比較し、自社に合う一社を選びたい場合は、以下の記事で主要サービスをまとめて解説しています。
1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコム株式会社が運営する、導入250万社超の立会人型(第三者事業者のシステム上で電子署名を付与する方式)電子契約サービスです。設計事務所が発注者や元請に「この電子契約で締結したい」と提案する際、相手方が既にアカウントを持っているケースが多く、電子契約への同意を得やすい点が強みです。
設計業務委託契約書の電子化では、契約書PDFのアップロード・宛先入力・送信の3ステップで締結が完結します。相手方はメール認証で書類を確認・同意でき、新たに電子署名アカウントを作る必要がありません。締結後の契約書は電子帳簿保存法に対応した形でクラウドに保管され、期限管理や全文検索も標準で使えます。マイナンバーカードによる当事者型署名にも対応し、確実性を高めたい契約にも使い分けられます。
設計・監理の継続的な基本契約から単発の設計業務委託契約まで幅広い契約類型に対応できるため、電子契約を初めて導入する設計事務所でも扱いやすいサービスです。取引相手が既にクラウドサインを使っている場合も多く、社内外の運用負荷を抑えられます。
2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する、累計導入350万社超の電子契約サービスです。立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応し、同一契約書内で両方式を組み合わせるハイブリッド署名も使えます。設計と工事をまたぐ取引で契約類型が多岐にわたる事業者でも、1サービスで対応できる幅の広さが特徴です。
設計施工一括のように対外的な効力の確実性を高めたい契約では当事者型(実印タイプ)、社内稟議や継続的な基本契約では立会人型と、契約の性格に応じて署名方式を使い分けられます。電子帳簿保存法・電子署名法への対応や契約書管理機能も備え、建設業・設計業を含む幅広い業種での導入実績があります。
設計契約の電子化を全社的に標準化したい事務所や、工事契約もあわせて電子化したい建設会社に適した選択肢です。
3. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが提供する、契約書の作成・社内申請(ワークフロー)・締結・保管・管理までをクラウドで完結できる電子契約/契約書管理サービスです。電子署名は立会人型(事業者署名型)を採用し、本人確認はメール認証で行います。締結した電子契約には自動でタイムスタンプが付与され、電子帳簿保存法の電子取引に対応します。
会計・請求書・経費などのバックオフィスSaaS群「マネーフォワード クラウド」と同一アカウント体系で使えるため、設計事務所や工務店が経理業務とあわせて契約管理を一本化しやすい構成です。他社の電子契約サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理できる点も、既存の紙・電子が混在する契約書を整理したい事業者に向いています。
電子署名は立会人型(事業者署名型)が中心で、当事者型(実印相当)は公式サイトでは案内されていません。このため、対外的な効力の確実性を最優先する契約よりも、経理・契約を含むバックオフィス全体を同じ基盤で一元管理したい設計事務所・工務店や、追加課金なしのAI-OCR入力で契約書の登録工数を抑えたい事業者に向いた選択肢です。
まとめ
設計業務委託契約書は「請負に関する契約書」(第2号文書)に当たり、原則として収入印紙が必要です。税額は契約金額の区分で決まり、設計契約は建設工事の軽減措置の対象外なので本則税率で計算します。500万円超1,000万円以下なら1万円、1,000万円超5,000万円以下なら2万円が目安で、工事請負の軽減後の金額を流用しないよう注意してください。
設計は請負(課税)、工事監理は委任(不課税)で、1通にまとめるときは監理報酬を区分記載すれば設計報酬の額で判定できます。施工(建設工事)を含む契約は全体が軽減措置の対象になりうる一方、設計だけの契約は本則です。貼付は作成時までに行い消印をかけ、貼り忘れは本来の税額の3倍(自主申告なら1.1倍)の過怠税が課されます。負担は法律上は連帯納税義務で、実務上の分担は当事者間の取り決めによります。
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設計契約の印紙に関するよくある質問(FAQ)
Q. 設計業務委託契約書とは何ですか?収入印紙は必要ですか?
A. 設計業務委託契約書とは、設計図書の作成を委託する契約を記した文書で、印紙税法上の「請負に関する契約書」(第2号文書)に当たり、原則として収入印紙が必要です。税額は契約書に記載された契約金額の区分で決まり、設計契約は建設工事の軽減措置の対象外なので本則税率で計算します。
出典・参考資料(1件)
Q. 設計契約の収入印紙に、建設工事の軽減措置は使えますか?
A. 設計だけを委託する設計契約には、建設工事の請負契約書に適用される印紙税の軽減措置は使えず、本則税率で計算します。建物の設計は建設業法上の建設工事に当たらないためです。たとえば設計報酬2,000万円の設計契約書は、工事請負なら軽減後1万円のところ、本則の2万円になります。工事の軽減後の早見表をそのまま設計契約に当てはめないよう注意してください。
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Q. 工事監理だけを委託する契約にも収入印紙は必要ですか?
A. 工事監理だけを単独で委託する監理委託契約書には、収入印紙は不要です。工事監理は成果物の完成ではなく事務処理を委託する委任(準委任)であり、印紙税の課税文書を限定列挙した印紙税法 別表第一のいずれにも当たらないためです。設計図書の作成を含まず純粋な監理だけであれば、金額の多寡にかかわらず課税されません。
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Q. 設計と工事監理を1通の契約書にまとめた場合、印紙税額はどう数えますか?
A. 設計と監理を1通にまとめた契約書の印紙税額は、設計報酬と監理報酬を区分して記載すれば、課税対象である設計報酬の額だけで判定できます。委任で不課税の監理報酬は第2号文書の記載金額に含めません。逆に設計と監理を区分せず合計額だけを記載すると、その全額が請負の記載金額として扱われるおそれがあるため、監理分を外したい場合は契約書上で報酬を明確に区分しておきます。
出典・参考資料(1件)
Q. 設計と施工を1通で請け負う設計施工一括の場合、印紙税はどうなりますか?
A. 設計施工一括のように建設工事の請負に基づいて作成される契約書は、設計が併記されていても契約書全体が建設工事の請負として軽減措置の対象になります。国税庁は、建設工事代金5,000万円+設計請負代金500万円=合計5,500万円で判定し印紙税額3万円とする例を示しています。これは施工を含むため軽減後の金額であり、設計だけの契約書では使えません。設計のみの5,500万円なら本則の6万円になります。
出典・参考資料(1件)
Q. 設計報酬が1万円未満の設計契約書にも収入印紙は必要ですか?
A. 契約金額が1万円未満の設計業務委託契約書は、非課税で収入印紙は不要です。また契約書に契約金額を記載しない場合は「契約金額の記載のないもの」として、金額の大小にかかわらず一律200円の印紙になります。
出典・参考資料(1件)
Q. 設計契約を電子契約で締結すれば収入印紙は不要になりますか?
A. 設計契約を電子契約で締結すれば、契約金額がいくらであっても収入印紙は不要です。印紙税が課されるのは紙の文書で、電磁的記録(電子データ)は印紙税法上の「文書」に含まれないためです。ただし電子で締結した後に別途紙の契約書を作成して相手方に交付すると、その紙の文書には印紙税が発生する可能性があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 締結した設計契約書をPDF化・コピーした写しにも収入印紙は必要ですか?
A. 正本をコピー機で複写しただけの、署名・押印のない写しやPDFスキャンには収入印紙は不要です。一方、発注者と設計者がそれぞれ契約の成立を証明する原本を2通作成する場合は、2通とも課税対象となり各通に印紙が必要です。印紙代を抑えたい場合は、原本を1通だけ作成して写しを交付する運用も実務上は用いられます。
出典・参考資料(1件)
Q. 設計契約書の収入印紙は、発注者と設計者のどちらが負担しますか?
A. 設計契約書の印紙税は、法律上は共同作成者である発注者と設計者が連帯して納める義務を負い、どちらが実際に負担するかは当事者間の取り決めで決まります。どちらが貼っても国への納付としては足りるため、折半や一方負担など契約や慣行に応じて決めます。
出典・参考資料(1件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















