海外の取引先や調達先と新たに取引を始めるとき、その相手が各国政府の取引禁止・制裁の対象になっていないかを確認する必要があります。確認を怠って制裁対象と取引してしまうと、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反や米国の再輸出規制違反として、罰金や輸出許可の停止といった重い結果を招きかねません。
とはいえ、照合すべきリストは米国・国連・EU・日本と多岐にわたり、更新も頻繁です。どのリストを・どう照合すればよいのか、全体像をつかみにくいと感じる担当者は少なくありません。
本記事では、照合すべき主要なリストを発行元・公式ページとともに整理し、自社の確認体制を見直すための判断材料をまとめました。
目次
一括ダウンロードする
取引禁止対象スクリーニングとは
取引禁止対象スクリーニング(denied-party screening)とは、取引先となる企業や個人を、各国政府が公表する取引禁止・制裁の対象者リストと照合し、規制に触れる相手でないかを確認する作業を指します。英語の「denied party(取引禁止対象者)」や「sanctions(制裁)」から、制裁スクリーニング・サンクションチェックとほぼ同じ意味で使われます。
日本企業にとっての法的な根拠は、外国為替及び外国貿易法(外為法)とその政令にあります。輸出に関する規制は外為法第48条と輸出貿易管理令が、資産凍結などの経済制裁は外為法第16条・第21条と外国為替令が定めています。取引相手の確認は、これらを遵守するための実務上の起点になります。米国企業や米国製品が関わる取引では、米国の輸出管理規則(EAR)や米国財務省の制裁規制も確認の対象になります。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:外国為替及び外国貿易法|e-Gov法令検索
- 参考資料:輸出貿易管理令|e-Gov法令検索
- 参考資料:外国為替令|e-Gov法令検索
国内の取引先について報道やデータベースで反社会的勢力との関係を調べる「反社チェック」と、本記事で扱う取引禁止対象スクリーニングは重なる部分があります。ただし反社チェックが国内の公知情報を主な対象にするのに対し、取引禁止対象スクリーニングは海外の制裁リストまで照合範囲を広げる点が特徴です。
照合すべき主要な取引禁止・制裁リスト一覧
ここからは、取引禁止対象スクリーニングで照合すべき主要なリストを、発行元・位置づけとともに整理します。リストは発行する国や機関ごとに性格が異なり、「取引そのものを禁止するもの」「資産を凍結するもの」「輸出に許可を必要とさせるもの」が混在します。まず全体像を一覧で示します。

| 主要な取引禁止・制裁リスト | SDNリスト(特別指定国民・被封鎖者リスト) | エンティティリスト(Entity List) | 取引拒否者リスト(Denied Persons List) | 安保理制裁リスト(Consolidated List) | EU制裁リスト(consolidated list) | 経済制裁措置及び対象者リスト | 外国ユーザーリスト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 発行主体 | 米国財務省 外国資産管理室(OFAC) | 米国商務省 産業安全保障局(BIS) | 米国商務省 産業安全保障局(BIS) | 国連安全保障理事会 | EU理事会/欧州委員会 | 日本・財務省 | 日本・経済産業省 |
| 性格 | 資産凍結・取引禁止 | 輸出に許可が必要 | 輸出権限の剥奪 | 資産凍結・渡航禁止など | 資産凍結などの金融制裁 | 資産凍結・支払規制 | 輸出時に許可申請の要否を判断 |
| 地域 | 米国 | 米国 | 米国 | 国連 | EU | 日本 | 日本 |
※表のリスト名から各発行元の公式ページ(別タブ)を開けます。最新の内容・更新状況は公式ページでご確認ください。
米国のリスト(OFAC・BIS)
米国で中心となるのは、財務省の外国資産管理室(OFAC)が管理する「SDNリスト(特別指定国民・被封鎖者リスト)」です。OFACはこのリストの位置づけを次のように説明しています。
OFAC publishes lists of individuals and entities that are subject to OFAC-administered sanctions. One such list is known as the List of Specially Designated Nationals and Blocked Persons List, or “SDN List” … Property and interests in property of the individuals and entities on the SDN List, that is within the United States or within the possession or control of U.S. persons are blocked. Additionally, U.S. persons are generally prohibited from dealing with the individuals and entities on the SDN List.
(SDNリストに掲載された個人・団体の米国内にある財産や、米国人が保有・管理する財産は凍結され、米国人は原則としてこれらの個人・団体との取引を禁じられる)
出典:FAQ 91: What lists does OFAC maintain?|U.S. Department of the Treasury (OFAC)
一方、商務省の産業安全保障局(BIS)が管理する「エンティティリスト」は、資産凍結のSDNリストとは性格が異なります。米国政府の横断的なスクリーニングリスト解説では、各リストの違いが次のように整理されています。
Entity List (EL) – Bureau of Industry and Security: Parties whose presence in a transaction can trigger a license requirement supplemental to those elsewhere in the EAR.
Denied Persons List (DPL) – Bureau of Industry and Security: Individuals and entities that have been denied export privileges.(エンティティリストは、取引に当該当事者が関わると輸出許可が必要になるリスト。取引拒否者リストは、輸出の権限を剥奪された個人・団体のリスト)
出典:Consolidated Screening List|International Trade Administration(米国政府)
このように同じ米国のリストでも、SDNリストは取引・資産凍結を禁じるもの、エンティティリストは輸出に許可を課すものという違いがあります。このほか、輸出の権限そのものを剥奪された相手を掲載する「取引拒否者リスト(Denied Persons List)」もBISが管理しています。自社の取引が輸出を伴うのか、資金の支払を伴うのかによって、重点的に見るべきリストが変わります。
出典・参考資料(3件)
国連・EUのリスト
国連安全保障理事会は、各制裁委員会が指定した対象者を1つにまとめた「Consolidated List(統合リスト)」を公表しています。国連は、このリストに安保理が課す措置の対象となるすべての個人・団体が含まれると説明しており、加盟国である日本はこれらに対する措置を実施する義務を負います。国内の財務省リストは、この国連の決定を日本国内で実施する下流に位置づけられます。
EUは、金融制裁の対象となる個人・団体・組織を集約した「consolidated list」を公表しています。制裁の採否・更新・解除はEU理事会が決定し、欧州委員会がリストを維持します。リストや制裁レジームには「EU Sanctions Map」からアクセスできます。EU域内との取引や、EU規制が及ぶ相手との取引では確認の対象になります。
出典・参考資料(3件)
日本のリスト(財務省・経済産業省)
日本では、資産凍結などの経済制裁は財務省が所管します。財務省は外為法に基づき「経済制裁措置及び対象者リスト」を公表しており、北朝鮮・イラン・ロシアやウクライナ関連、各国のテロ関連などの資産凍結対象者を掲載しています。根拠は外為法第16条(支払等の制限)や第21条(資本取引)などで、国連の決定を国内で実施する役割も担います。
輸出管理は経済産業省が所管します。経済産業省は、大量破壊兵器などの開発懸念が払拭されない海外の団体を輸出者への情報提供としてまとめた「外国ユーザーリスト」を公表しています。これは取引そのものを禁じる禁輸リストではなく、輸出の際に許可申請が必要かどうか(キャッチオール規制)を判断するために参照するリストである点に注意が必要です。
出典・参考資料(2件)
なぜ取引禁止対象スクリーニングが必要か
スクリーニングが必要な最大の理由は、確認を怠って規制対象と取引した場合に、法令違反として重い制裁が科されるためです。日本の外為法は、違反の内容ごとに罰則を定めています。
許可を受けずに規制対象の貨物を輸出した場合(外為法第48条第1項違反)の罰則は、同法第69条の7に定められています。
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、七年以下の拘禁刑若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
出典:外国為替及び外国貿易法 第69条の7第1項|e-Gov法令検索
核兵器等の開発に関わる貨物・技術の場合は、同条第2項でさらに重い「10年以下の拘禁刑または3,000万円以下の罰金」に加重されます。また、資産凍結などの経済制裁に関する支払や資本取引の規制(外為法第16条など)に違反した場合は、同法第70条により「3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」が科されます。いずれも法人にも罰金が科される両罰規定(第72条)の対象です。
出典・参考資料(1件)
米国の規制が及ぶ取引では、米国財務省OFACや商務省BISによる執行の対象にもなり、高額の民事・刑事罰や輸出権限の停止につながるおそれがあります。罰則の適用範囲や自社の取引がどの規制に該当するかの判断は専門性が高いため、個別の取引については専門家への確認が望まれます。
加えて、制裁対象との取引が明るみに出れば、金銭的な制裁にとどまらず取引先や金融機関からの信頼を失い、事業継続に影響する評判リスクも生じます。こうしたリスクを避けるために、取引開始前のスクリーニングが実務上の必須の工程になっています。
一括ダウンロードする
取引禁止対象スクリーニングの進め方(照合の手順)
ここからは、取引禁止対象スクリーニングを実際にどう進めるのか、照合の手順を順を追って解説します。おおむね次の5つのステップで進みます。

- 対象の洗い出し:取引先・調達先だけでなく、その役員や実質的な支配者、仲介業者など、照合すべき相手を漏れなく洗い出します。
- 名寄せ・表記ゆれの対応:社名や人名は、英語表記・カタカナ表記・略称・旧社名などで揺れます。照合の前に表記を整え、別名も含めて検索できるようにします。
- リストとの照合(完全一致・あいまい一致):洗い出した対象を各リストと照合します。完全一致だけでなく、綴りの揺れや部分一致を拾う「あいまい一致(ファジーマッチング)」を併用して、取りこぼしを防ぎます。少数の照合であれば、米国政府が複数のリストを統合して無料公開する「Consolidated Screening List」などの公式ポータルで横断検索することもできます。
- ヒット候補の精査:ヒットした候補が本当に同一人物・同一企業かを、生年月日・所在地・業種などの属性で確認します。あいまい一致では無関係な同名が引っかかる「誤検知(フォールスポジティブ)」が起きるため、この精査が欠かせません。
- 判断と記録:同一と確認できた場合は取引の可否を判断し、照合した日時・対象・結果・判断の根拠を記録として残します。問題がなかった場合も「確認した事実」を記録しておくことが、後の監査や社内説明で重要になります。
この一連の流れを、取引開始時だけでなく取引の継続中も繰り返すことが求められます。手順そのものは明快ですが、対象が増え、リストが頻繁に更新されるほど、手作業では負担が大きくなります。次章では、運用で直面する具体的な課題を見ていきます。
運用で直面する課題
取引禁止対象スクリーニングは、一度実施すれば終わりではありません。運用を続けるなかで、主に次の4つの課題に直面します。
リスト更新の頻度と照合件数の増大(手作業の限界)
制裁リストは、国際情勢の変化に応じて頻繁に更新されます。財務省や経済産業省のリストも随時改正され、米国・国連・EUのリストも同様です。取引先が数百社・数千社に増えると、更新のたびに全件を手作業で照合するのは現実的ではなくなります。確認漏れや更新の見落としが、そのまま違反リスクにつながります。
50%ルール(所有関係による規制)
名前がリストに載っていない企業でも、規制対象になる場合があります。その代表が、米国OFACの「50%ルール」です。OFACは、このルールを公式ガイダンスで次のように定めています。
any entity owned individually or in the aggregate, directly or indirectly, 50 percent or more by one or more blocked persons … The property and interests in property of such an entity are blocked regardless of whether the entity itself is listed on the SDN List.
(制裁対象者が単独または合算で、直接・間接を問わず50%以上を所有する企業は、その企業自体がSDNリストに載っていなくても、財産が凍結対象とみなされる)
出典:FAQ 91: What lists does OFAC maintain?|U.S. Department of the Treasury (OFAC)
このように、取引相手の名前をリストと照合するだけでは不十分で、その企業の株主・所有構造までさかのぼって確認する必要があります。所有関係は公開情報だけでは追いきれないことも多く、見落としが生じやすい部分です。名前の照合は多くのツールで自動化できますが、実質的支配者(UBO)までさかのぼる所有構造の確認は標準機能の範囲外のことが多く、法人登記や株主情報での個別確認が別途必要になる場合があります。
出典・参考資料(2件)
誤検知(フォールスポジティブ)への対応
取りこぼしを防ぐためにあいまい一致で検索の網を広げると、今度は無関係な同名・類似名が大量にヒットします。これが誤検知(フォールスポジティブ)です。ヒットのたびに人手で同一性を確認していては、照合件数が増えるほど担当者の負担が膨らみます。検索の精度を高めつつ、誤検知をいかに効率よく除外するかが、運用を回すうえでの鍵になります。
継続的な再スクリーニングと監査証跡
取引開始時に問題がなくても、取引先が後から制裁対象になることがあります。そのため、既存の取引先を定期的に再照合する「継続的な再スクリーニング」が必要です。あわせて、いつ・誰が・何を照合し・どう判断したかの記録(監査証跡)を残しておくことが、当局の調査や社内監査、上司への説明の際に自社を守る根拠になります。この記録を手作業で維持するのも、運用上の負担の一つです。
継続的な監視を実務に定着させるには、リストとの再照合だけでなく、取引先側の変化を早期に察知する社内の仕組みも欠かせません。ゆら総合法律事務所の阿部由羅弁護士は、取引期間中のモニタリングについて次のように述べています。

代表者・役員・株主・所在地などの変更については、契約において直ちに通知することを相手方に義務付けましょう。また、相手方に直接対応する営業担当者などが違和感を覚えたときは、すぐに法務部門やコンプライアンス部門などへ共有できる仕組みを整えることも重要です。
取引禁止対象スクリーニングを効率化するには(ツールの活用)
これらの課題を、人手だけで解決するのは簡単ではありません。そこで、制裁リストや海外のリスク情報との照合に対応したスクリーニングツールを活用する方法があります。こうしたツールは、複数のリストを横断して自動照合し、更新に合わせた再スクリーニングや、照合結果の記録(証跡)までを効率化できます。
ただし、ここで比較するツールが照合できるのは、OFACのSDNリストや各国の制裁リスト・海外リスク情報・PEPsなど、取引や資産凍結の規制に関わるリストが中心です。
一方、米国のエンティティリストや経済産業省の外国ユーザーリストのように、輸出の許可要否を判断するための輸出管理に固有のリストは、貿易コンプライアンスに特化した専用システムが扱う領域です。これらは本記事で比較する反社チェック系ツールの主たる対象ではなく、輸出管理のリスト照合そのものが主目的の場合は、輸出管理専用のソリューションを別途検討する必要があります。
自社の確認の主目的が、海外取引先の制裁・反社リスクの確認にあるのか、輸出管理のリスト照合にあるのかを見極めたうえで、以下の比較を活用してください。ここでは、制裁リスト・海外リスク情報の照合に対応した主なサービスを比較します。
| サービス名 | RiskAnalyze(リスクアナライズ) | RISK EYES(リスクアイズ) | RoboRoboコンプライアンスチェック | JCIS WEB DB Ver.3 | SP RISK SEARCH | 日経リスク&コンプライアンス | Riskdog | Sansan リスクチェック |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 海外の制裁リスト | ● | ● | ● | 要確認 | ● | ● | ● | ● |
| 対応する主な制裁リスト・情報源 | 海外240以上の国・地域のリスク情報、PEPs・Sanction情報 国内約1,000媒体+官報情報DB | 米・日の制裁リスト(米財務省・日本財務省・金融庁・経産省)+ダウ・ジョーンズWATCH LIST 新聞・WEB・独自反社DB | LSEGワールドチェック、海外情報DB約190ヵ国 SP RISK SEARCH反社DB・官報破産者DB | 海外リスク情報約500万件・PEPs約140万件超(ARI社) 全国紙・地方紙・独自リスク情報DB | 海外制裁リスト・PEPsリスト(海外コンプライアンスチェック) 独自反社DB約60万件・新聞記事 | 各国の制裁リスト・PEPs(200ヵ国以上)・OFAC対象企業 ダウ・ジョーンズ グローバルウォッチリスト400万件超・日経テレコン国内記事 | 制裁対象・PEPsデータ約30万件 行政処分・訴訟・ニュース媒体4,000以上 | 各国の制裁リスト・テロ資金供与(LSEG/旧Refinitiv World-Check) KYCCの新聞・公知情報 |
| PEPs(重要公人) | ● | 要確認 | 要確認 | ● | ● | ● | ● | 要確認 |
| 国内の反社・新聞記事情報 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 継続監視・再スクリーニング | ● | ● | 要確認 | △同一対象の再検索は1年以内無料 | 要確認 | 要確認 | ● | ● |
| 証跡・調査履歴の管理 | ● | ● | ● | 要確認 | ● | ● | 要確認 | 要確認 |
| 料金の目安 | 初期費用無料/月額27,500円〜 | 初期費用無料/月額最低15,000円〜(税別)+300円/検索 | 初期費用無料/従量250円/件〜 | 初期費用無料/年間ID利用料+検索従量(要見積もり) | 要問い合わせ(会員制) | 要問い合わせ(ID利用料+検索単価×件数) | 要問い合わせ(最低契約12ヶ月) | 要問い合わせ(Sansanのオプション) |
| 詳細情報 | 資料を見る | 資料を見る | 資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・対応状況は2026年10月時点の各社公式情報に基づく目安です。最新の内容は各社にご確認ください。
ここからは、制裁・海外リスク情報の照合に対応した主なツールを個別に紹介します。
RiskAnalyze(リスクアナライズ)

KYCコンサルティング株式会社が提供する、AIを活用したWebサービス型のコンプライアンス・反社チェックツールです。個人名・企業名を入力すると、反社会的勢力とのつながり・逮捕歴・行政処分・訴訟歴・風評などを調査し、判定済みの調査レポートを1件あたり最短0.4秒で表示します。
- 海外リスク情報・制裁リストに対応:海外240以上の国・地域のリスク情報に加え、PEPs(重要公人)やSanction(制裁)情報まで照合範囲に含みます。国内は約1,000媒体を1時間おきに自動収集し、官報情報データベースにも対応します。
- 大量照合と証跡の自動保存:CSVによる一括検索(1,000件を約1分で処理)に対応し、調査の証跡はクラウド上に7年間自動保存されます。継続的な再スクリーニングや監査対応を見据えた設計です。
- 第三者認証とシステム連携:情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001:2022(ISMS)を取得済み(2025年7月登録)。API利用料無料でSalesforce・kintoneなどの基幹システムに組み込めます。
RISK EYES(リスクアイズ)

WEBニュース記事・新聞記事などの公知情報に加え、制裁リスト・アンチソーシャルDB・行政処分情報・商業登記情報など複数の情報源を1画面で同時に検索できる反社チェック専用ツールです。ソーシャルワイヤー株式会社が提供し、取引先・従業員のスクリーニングに利用できます。
- 海外の制裁リストに対応:米国・日本の制裁リストに対応し、2026年7月には「ダウ・ジョーンズ社WATCH LIST検索」が追加され、海外制裁リストの網羅範囲を広げています。
- 定期チェックとモニタリングの自動化:前回ヒットしなかった新規記事のみを検索できる差分検索や、登録対象を日次で継続監視し報道があればメール・チャットで自動通知するアラート機能を備え、継続的な再スクリーニングを効率化します。
- 承認ワークフローと証跡管理:検索結果への承認・否認機能と、条件分岐・通知・証跡保存までを自動化できるワークフロー機能により、社内の確認・承認プロセスをツール内で完結できます。
前章で触れた照合件数の増大や誤検知への対応が、実務の工数にどう表れるか。提供元であるソーシャルワイヤーの杉山氏は、導入事例の数値を次のように挙げています。

導入事例では、広報支援会社で検索業務を約93%削減、オンラインマッチングサービスを運営する企業で反社チェック業務を約95%削減、採用管理システムを提供する企業で従来比約85%の工数削減を実現しています。採用管理システムを提供する企業では、日次20~30件の確認に100~150分かかっていた業務が大幅に短縮されました。
RoboRoboコンプライアンスチェック

インターネット記事検索・新聞記事DB検索・海外情報DB検索を組み合わせ、生成AIによる記事要約や注目度の自動判別で確認作業を効率化するクラウド型サービスです。オープン株式会社が提供し、取引先・採用候補者などの反社・コンプライアンスチェックを自動化します。
- 約190ヵ国の海外情報DB:約190ヵ国・約540万件のデータベースで海外法人・個人をチェックでき、海外取引先の確認に対応します。
- 多層的なデータソース:エス・ピー・ネットワークの反社情報データベース「SP RISK SEARCH」(約60万件)や官報破産者情報データベースと公式連携し、ネット検索・新聞記事検索に加えた多層的な調査を1つのプラットフォームで完結できます。
- 上場基準を踏まえた監修と従量課金:SBI証券が「上場企業に求められるコンプライアンスチェックに必要な要件」の観点で監修。料金は1件あたり250円〜(インターネット検索)、初期費用無料で始められます。
ここで取り上げたのは、制裁リスト照合に対応したツールの一部です。選び方や機能、料金まで含めて反社チェック・コンプライアンスチェックツール全体を横断的に比較したい場合は、以下の記事で主要16サービスをまとめて解説しています。制裁リストへの対応は選定軸の一つとして、自社の確認体制全体を見直す判断材料になります。
反社チェックツールおすすめ16選を比較|料金・データソース・精度で失敗しない選び方
取引先や株主、採用候補の反社チェックを、担当者が新聞記事やインターネットを手作業で検索して進めていませんか。1件ずつ調べる方法は時間がかかるうえ、調べ漏れ(見落とし)と、同姓同名による誤判定(過検知)の両方が起きやすく、調査の質が担当者の経…
まとめ
取引禁止対象スクリーニングは、取引先を各国政府の取引禁止・制裁リストと照合し、規制違反を防ぐための確認作業です。照合すべきリストは、米国のSDNリスト・エンティティリスト、国連・EUの制裁リスト、日本の財務省・経済産業省のリストなど多岐にわたり、それぞれ性格が異なります。
確認を怠れば外為法や米国規制の違反として重い罰則を招く一方、リストの頻繁な更新、所有関係まで見る50%ルール、誤検知への対応、継続的な再スクリーニングと証跡管理など、運用には手作業では抱えきれない課題が伴います。
こうした課題は、制裁リストや海外リスク情報の照合に対応したツールの活用で軽減できます。自社の取引の性質に合わせて、照合できるリストの範囲・継続監視・証跡管理の観点から、適したサービスを検討してください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 取引禁止対象スクリーニングとは何ですか?
A. 取引禁止対象スクリーニングとは、取引先となる企業や個人を、各国政府が公表する取引禁止・制裁対象リストと照合し、規制に触れる相手でないかを確認する作業です。米国・国連・EU・日本などが公表するリストが照合の対象で、輸出取引や海外への送金を始める前に実施することで、外為法違反や米国の輸出・制裁規制違反を未然に防ぎます。
Q. 取引禁止対象スクリーニングと制裁スクリーニング・サンクションチェックはどう違いますか?
A. 取引禁止対象スクリーニングと制裁スクリーニング(サンクションチェック)は、ほぼ同じ意味で使われる用語で、明確な区別はありません。いずれも取引先を制裁・取引禁止リストと照合する作業を指します。
英語の「denied party(取引禁止対象者)」は輸出管理の文脈で、「sanctions(制裁)」は金融制裁の文脈でよく使われる、という傾向の違いがある程度です。なお、国内の報道やデータベースで反社会的勢力との関係を調べる「反社チェック」とは、海外の制裁リストまで照合範囲を広げる点で異なります。
Q. 輸出をしていない取引でも取引禁止対象スクリーニングは必要ですか?
A. 輸出を伴わない取引でも、海外への送金や資本取引がある場合は取引禁止対象スクリーニングが必要です。資産凍結などの経済制裁は、外為法第16条(支払等の制限)や第21条(資本取引)に基づき、輸出の有無にかかわらず規制対象者への支払・取引を制限しているためです。制裁対象者への支払はこれらに違反し、外為法第70条の罰則の対象となり得ます。
出典・参考資料(1件)
Q. 取引禁止対象スクリーニングはどのくらいの頻度で実施すべきですか?
A. 取引禁止対象スクリーニングは、取引開始時の照合に加え、既存の取引先も定期的に再照合する「継続的な再スクリーニング」が求められます。制裁リストは国際情勢に応じて頻繁に更新され、取引開始時は問題がなかった相手が後から制裁対象になることがあるためです。ただし、更新のたびに全件を手作業で照合するのは負担が大きいため、リスト更新に合わせて自動で再照合できるツールの活用が現実的な選択肢になります。
Q. 取引禁止対象スクリーニングは無料で実施できますか?
A. 各国政府の制裁リストは公式サイトで無料公開されており、照合件数が少なければ公式リストを直接参照して無料で確認することも可能です。たとえば米国政府は、複数のリストを統合した「Consolidated Screening List」を無料で提供しています。
ただし、照合件数が多い場合や、表記ゆれ・あいまい一致・所有関係(50%ルール)の確認・証跡管理まで含めると手作業では負担が大きく、有料ツールのほうが結果的に効率的になります。
Q. 取引件数が少ない中小企業でも専用ツールは必要ですか?
A. 取引件数が少なく取引先の変動も小さい場合は、公式リストの手作業照合でも対応できることがあります。一方で、海外取引先が多い・新規取引が頻繁・所有関係まで確認が必要といった場合は、件数が少なくてもツールの導入で見落としと工数を減らせます。自社の取引件数・更新頻度・確認すべきリストの範囲を踏まえて、手作業で回るかどうかを基準に判断するとよいでしょう。
Q. 取引禁止対象スクリーニングツールを選ぶときは何を基準にすればよいですか?
A. ツール選びでは、照合できるリストの範囲・継続的な再スクリーニングの自動化・証跡(監査ログ)の管理機能の3点が主な判断基準になります。
自社が確認すべきリスト(米国のOFAC・BIS、国連・EU、日本の財務省・経済産業省など)に対応しているか、リスト更新に合わせた自動再照合ができるか、照合日時・結果・判断を記録として残せるかを確認しましょう。あいまい一致による誤検知をどれだけ効率よく除外できるかも、運用負担を左右する重要な観点です。
Q. 国内取引先向けの反社チェックツールでも海外の制裁リストを確認できますか?
A. 反社チェックツールのなかには、国内の反社情報だけでなく、海外の制裁リストやPEPs(重要公人)情報まで照合できる製品があります。どのツールがどのリスト・情報源に対応しているかは、記事内の比較表で確認できます。
ただし、米国のエンティティリストのような輸出管理に固有のリストは、貿易コンプライアンスに特化した専用製品が対応している場合があるため、自社の取引が輸出中心か、制裁・反社リスクの確認中心かによって適した製品を選ぶとよいでしょう。
反社チェック・制裁スクリーニングツールの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、制裁リスト照合や海外リスク情報の確認に対応したツールの最新資料を無料で一括請求できます。対応リストの範囲・継続監視・証跡管理など、比較に必要な情報をすばやく把握できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















