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内部通報制度のガイドラインとは?指針が求める措置と対象企業・2026年改正を解説

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内部通報制度の「ガイドライン」を調べると、消費者庁の「指針」や「民間事業者向けガイドライン」など複数の文書が出てきて、どれに沿えば法令を満たせるのか迷いやすいところです。

結論から言うと、事業者が従うべき中心は「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(令和3年内閣府告示第118号)です。これは法律にもとづく事実上の義務で、常時使用する労働者が300人を超える事業者は、この指針に沿った体制整備が義務づけられています。その具体的な考え方や例は、消費者庁の「指針の解説」が示します。

かつて実務の拠り所だった「民間事業者向けガイドライン」(2016年)は、現在は指針の解説へ統合されており、消費者庁のサイトでも「令和2年改正前のガイドライン」として扱われています。

本記事では、どの文書が何を定めているのかを切り分けたうえで、指針が事業者に求める措置の中身、義務の対象と施行時期(2026年施行の令和7年改正を含む)、原文(公式PDF)への到達先までを整理します。

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内部通報制度の「ガイドライン」とは — 「指針」と「指針の解説」

ここからは、内部通報制度の「ガイドライン」と呼ばれる文書が具体的に何を指すのかを整理します。内部通報制度は、組織内の不正を社内の窓口で受け付けて是正する仕組みで、社外の報道機関や行政に直接知らせる「内部告発」とは、まず社内で受け止める点が異なります。

事業者が従う中心の文書は、公益通報者保護法にもとづく指針(令和3年内閣府告示第118号)です。法律の条文そのものではなく、法律が「内閣総理大臣が定める」とした指針で、事業者が取るべき措置を定めています。公益通報者保護法第11条第4項は、この指針の根拠を次のように定めています。

内閣総理大臣は、第一項及び第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。

出典:公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第11条第4項|e-Gov法令検索

一方で、指針は要点を定めた文書のため、各措置の趣旨や具体例までは読み取りにくい面があります。それを補うのが、消費者庁が公表する「指針の解説」(令和3年〔2021年〕10月)です。指針の本文を示しながら、事業者が実際に何をすればよいかを解説する文書で、法的な義務そのものではありませんが、実務上の拠り所になります。

2016年に公表された「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」を根拠に挙げる解説記事も見られますが、この文書は令和2年の法改正に伴う指針の策定時に、記載事項が原則として「指針の解説」へ統合されました。

消費者庁の現在の制度概要ページでも「令和2年改正前のガイドライン」として整理されています。現時点で事業者が参照すべきは、指針(告示第118号)と指針の解説です。

内部通報制度の『ガイドライン』を構成する文書の関係図。法的義務である指針(令和3年内閣府告示第118号、公益通報者保護法第11条にもとづき事業者が取るべき措置を定める)と、推奨文書である指針の解説(消費者庁、令和3年10月、各措置の趣旨・具体例を示す)が事業者がいま参照すべき文書。2016年の民間事業者向けガイドラインは令和2年改正時に指針の解説へ統合済みで、現在は現役の文書ではない前身として位置づけられる。
文書法的性質根拠・位置づけ公表・適用
指針(令和3年内閣府告示第118号)法的義務(事業者が取るべき措置を定める)公益通報者保護法第11条第1項・第2項にもとづく令和3年告示。令和4年6月1日から適用
指針の解説(消費者庁)推奨(それ自体は法的義務ではないが、義務である措置を満たす方法を示す実務上の必読文書)指針の各措置の趣旨・具体例を解説。旧・民間事業者向けガイドライン(2016年)の記載事項を統合令和3年10月
(参考)民間事業者向けガイドライン(2016年)現在は現役の文書ではない令和2年改正時に記載事項を指針の解説へ統合。「令和2年改正前のガイドライン」として整理平成28年(2016年)12月9日公表
出典・参考資料(2件)

指針が事業者に求める措置(指針本文の項目)

ここからは、指針(告示第118号)が事業者に求める措置を、指針本文の項目に沿って確認します。自社の制度が指針を満たしているかを点検するには、指針本文がどう定めているかを原文で押さえるのが確実です。以下の引用は、いずれも消費者庁「指針の解説」に掲載された指針本文です。

公益通報者保護法にもとづく指針(令和3年内閣府告示第118号)が事業者に求める7つの措置の一覧。1 従事者を定める、2 内部公益通報受付窓口を設置する、3 幹部からの独立性を確保する、4 調査をし是正に必要な措置をとる、5 通報者への不利益な取扱いを防ぐ、6 範囲外共有と通報者の探索を防ぐ、7 内部規程を定め教育・周知を行う。自社の制度が指針を満たしているかを点検する際の軸として使える。

従事者を定める(公益通報対応業務従事者の指定)

指針がまず挙げるのは、公益通報を受けて調査や是正にあたる業務のうち、通報者を特定させる事項を扱う担当者を「従事者」として指定することです。誰を従事者とするかを決め、本人にその立場を伝えておきます。

事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して公益通報対応業務を行う者であり、かつ、当該業務に関して公益通報者を特定させる事項を伝達される者を、従事者として定めなければならない。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

内部公益通報受付窓口を設置する

次に置くのが、通報を受け付ける窓口です。受付・調査・是正にあたる部署と責任者をあいまいにせず、明確に定めておきます。

内部公益通報受付窓口を設置し、当該窓口に寄せられる内部公益通報を受け、調査をし、是正に必要な措置をとる部署及び責任者を明確に定める。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

組織の長その他幹部からの独立性を確保する

経営幹部自身が関係する事案では、その幹部から独立して対応できる仕組みが求められます。通報の受付や調査が当の幹部の影響下に置かれないよう、担当や指揮命令の線引きを設計しておく必要がある部分です。

内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に係る公益通報対応業務に関して、組織の長その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置をとる。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

調査をし、是正に必要な措置をとる

受け付けた通報は、正当な理由がある場合を除いて調査します。その結果、法令違反が明らかになったときは速やかに是正へ動きます。

内部公益通報受付窓口において内部公益通報を受け付け、正当な理由がある場合を除いて、必要な調査を実施する。そして、当該調査の結果、通報対象事実に係る法令違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正に必要な措置をとる。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

通報者への不利益な取扱いを防ぐ

通報したことを理由とする不利益な取扱いは、起こさせないことが前提です。把握したときは救済・回復にあたり、行為者には懲戒その他の措置をとります。

イ 事業者の労働者及び役員等が不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとるとともに、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないかを把握する措置をとり、不利益な取扱いを把握した場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
ロ 不利益な取扱いが行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

範囲外共有と通報者の探索を防ぐ(秘密保持)

秘密保持の要になるのが、通報者を特定させる事項を必要最小限の範囲を超えて共有する「範囲外共有」の防止です。やむを得ない場合を除いて、通報者を探索することも防ぎます。

イ 事業者の労働者及び役員等が範囲外共有を行うことを防ぐための措置をとり、範囲外共有が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
ロ 事業者の労働者及び役員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとる。
ハ 範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」

あわせて、従事者には守秘義務が課されます。公益通報者保護法第12条は、従事者が正当な理由なく通報者を特定させる事項を漏らすことを禁じ、第21条は違反した者を30万円以下の罰金に処すると定めています(2022年6月1日施行の現行規定)。

内部規程を定め、教育・周知を行う

最後に、指針で求められる事項を内部規程に落とし込み、その規程に沿って運用します。法と内部通報対応体制については労働者・役員・退職者へ教育・周知を行い、従事者には通報者を特定させる事項の取扱いについて特に十分な教育を行います。

法及び内部公益通報対応体制について、労働者等及び役員並びに退職者に対して教育・周知を行う。また、従事者に対しては、公益通報者を特定させる事項の取扱いについて、特に十分に教育を行う。

出典:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)第3|消費者庁「指針の解説」
出典・参考資料(2件)

指針は、ここまでの項目に加えて、制度を実効的に保つための運用上の措置も求めています。

具体的には、(1) 通報の受付から調査・是正までの記録の保管、(2) 内部公益通報対応体制の定期的な評価・改善、(3) 書面で内部公益通報を受けた場合に、是正に必要な措置をとったときはその旨を、適切な範囲で通報者へ通知すること、の3点です。

これらを自社の運用にどう反映するかは、後述の「自社の内部通報制度を指針に沿って整備・見直しするポイント」で具体的に取り上げます。

これらの措置のうち、教育・周知を社内で継続的に回す手段としては、後の章で取り上げる研修eラーニングが候補になります。

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体制整備が義務となる対象と施行時期(令和7年改正の反映)

ここからは、指針に沿った体制整備が「義務」となるのはどの事業者か、そしていつから適用されているのかを確認します。直近の法改正で変わる点もあわせて押さえます。

対象は常時使用する労働者が300人を超える事業者

公益通報者保護法第11条は、従事者を定めること(第1項)と、公益通報に適切に対応するために必要な体制を整備すること(第2項)を事業者に求めています。そのうえで第3項が、常時使用する労働者が300人以下の事業者については努力義務に読み替えると定めています。裏返すと、常時使用する労働者が300人を超える事業者は、従事者の指定と体制整備が義務となります。

常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者については、第一項中「定めなければ」とあるのは「定めるように努めなければ」と、前項中「とらなければ」とあるのは「とるように努めなければ」とする。

出典:公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第11条第3項|e-Gov法令検索

努力義務にとどまる300人以下の事業者も、指針は「適切かつ有効な実施を図るために必要」なものとして示されているため、規模にかかわらず指針の内容にならって体制を整えることが望まれます。

義務の分かれ目となる「常時使用する労働者」の数え方(パート・契約社員などの扱いや、どの範囲を事業者として数えるか)は、自社が境界線上にある場合に義務の有無を左右します。判断に迷うときは、消費者庁の公表資料や相談窓口で自社の数え方を確認しておくと確実です。

施行時期と令和7年改正で変わる点

従事者の指定義務・体制整備義務・守秘義務(罰則つき)は、令和2年〔2020年〕の改正法(令和2年法律第51号)で導入され、2022年6月1日(令和4年6月1日)から施行されています。指針(告示第118号)も同じ2022年6月1日から適用されており、これが現行の枠組みです。

さらに、令和7年(2025年)の改正(令和7年法律第62号。2025年6月11日公布、2026年12月1日施行)により、体制整備の実効性を高める規定が追加されます。施行日に向けた準備のためにも、この改正点を押さえておく必要があります。消費者庁の改正概要によると、主な新設事項は次のとおりです。

  • 従事者指定義務に違反する事業者(常時使用する労働者が300人超に限る)への命令権と、命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設
  • 立入検査権限を新設し、報告懈怠・虚偽報告・検査拒否への刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設
  • 体制整備義務の例示として、公益通報対応体制の労働者等への周知義務を明示
  • 公益通報者の範囲に、業務委託関係にあるフリーランス(終了後1年以内を含む)を追加し、不利益な取扱いを禁止
  • 公益通報を妨げる行為(しない旨の合意を求めること等)の禁止と、通報者を特定しようとする行為の禁止
  • 通報後1年以内の解雇・懲戒は公益通報を理由とするものと推定(立証責任の転換)し、公益通報を理由とする解雇・懲戒には直罰(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、両罰。法人は3,000万円以下の罰金)を新設

先に触れた守秘義務違反の30万円以下の罰金(第21条)は現行法(令和2年改正)の規定で、令和7年改正が新設する上記の罰則とは別のものです。

令和7年改正にあわせて法定指針(告示)も改正され、2026年12月1日施行版の指針・指針の解説が消費者庁から公表されています。ただし改正は、前章で示した措置の骨格(従事者の指定から規程・教育周知まで)を組み替えるものではなく、周知義務を体制整備義務の例示として明示するなど、実効性を高める追加が中心です。

これから整備・見直しを行う場合は、前章の現行の措置を土台にしつつ、施行日に向けて改正で加わる点(周知義務の明示や新設される罰則への備え)を織り込んでおくと、施行後の手戻りを避けられます。

出典・参考資料(3件)

自社の内部通報制度を指針に沿って整備・見直しするポイント

ここからは、指針の各項目を自社に当てはめて点検・運用するときの勘所を整理します。措置の内容そのものは前の章のとおりで、ここでは「自社の制度が指針を満たしているか」を確認し、監査や経営に説明できる状態にするための視点に絞ります。

自社の規程・窓口を指針の各項目と突き合わせて点検できているか

指針は、求められる事項を内部規程に定めて運用することを求めています。従事者の指定、窓口の設置、調査・是正、秘密保持、不利益取扱いの防止が、規程の条文と実際の運用の両面でそろっているかを一つずつ突き合わせると、不足が見えやすくなります。特に秘密保持と不利益取扱いの防止は、規程に書くだけでなく、違反時の救済・懲戒の手順まで定めておくことが点検の目安になります。

外部窓口を使う場合の独立性と利益相反をどう確保するか

経営幹部が関係する事案では、幹部からの独立性を確保する措置が指針で求められます。社内窓口だけで独立性を保ちにくい場合、弁護士事務所など社外の窓口を併設する方法があります。ただし、自社の顧問弁護士が外部窓口を兼ねると利益相反が生じうるため、事案によって受付・調査の担当を切り分けられるかを確認しておくと安全です。

運用実績を記録し、定期的に評価・改善できているか

指針の解説は、記録の保管や運用の見直し・改善、是正措置等の通報者への通知も措置として挙げています。通報の受付から調査・是正までの記録を残し、年に一度など定期的に運用を振り返って手順を見直す流れを作っておくと、制度が形だけにならず、監査の際にも説明しやすくなります。

教育・周知を継続的に回せているか

指針は、法と内部通報対応体制について労働者・役員・退職者への教育・周知を求め、従事者には特に十分な教育を行うとしています。令和7年改正では周知義務が体制整備義務の例示として明示されるため、一度きりの説明ではなく、入社時や定期研修のように継続して回す設計がいっそう重要になります。次の章では、この教育・周知を効率的に進める手段を取り上げます。

監査・経営に「指針に沿っている」と説明できる形になっているか

内部監査や経営層への報告では、指針の各項目に対して自社の規程・運用・記録がどう対応しているかを一覧で示せると、過不足の判断が速くなります。指針本文の項目をそのまま点検表の軸に使えば、第三者にも根拠が伝わりやすい形になります。

内部通報制度の周知・教育を進める研修eラーニング

ここからは、指針が求める「教育・周知」を自社で回す手段として、内部通報制度・公益通報者保護法そのものを教える研修eラーニングを紹介します。全社員・役員・退職者への周知と、従事者への重点的な教育を、受講記録を残しながら継続的に実施できる点が、この課題に合う解決策です。

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OneCompliance(株式会社Oyster)

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OneComplianceは、コンプライアンス研修に特化した株式会社Oysterのeラーニングプラットフォームです。公式のコース一覧には「内部通報制度・公益通報者保護法(規制概要と事業者の義務)」と「公益通報者保護法の改正点(令和7年改正)」の2コースがあり、本記事で取り上げた規制の概要・事業者の義務から、2026年12月施行の改正点までを専用コースで学べます。

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指針が求める教育・周知を一度きりで終わらせず継続して回すという観点について、提供元の株式会社Oysterの谷口氏は、研修を設計するうえで重視している点を次のように述べています。

谷口氏
株式会社Oyster 代表取締役
谷口氏
独自インタビューより

コンプライアンス研修は、やらないといけない一方で後回しになりやすい領域です。だからこそ、研修の中身だけでなく、運用負担が少なく業務が回るか、受講者が続けられるかまで含めて設計することが大事だと思っています。

指針・指針の解説の原文(公式PDF)はどこで確認できるか

最後に、本記事で引用した指針・指針の解説・改正概要の原文に自分で当たりたい場合の到達先をまとめます。いずれも消費者庁の公式ページで確認できます。指針(告示)本文は、制度概要ページの「法定指針及び指針の解説」欄から現行版と2026年12月1日施行版の両方にたどれます。

出典・参考資料(5件)

まとめ

内部通報制度の「ガイドライン」は、法的義務を定める指針(令和3年内閣府告示第118号)と、その具体的な考え方・例を示す指針の解説が中心です。2016年の民間事業者向けガイドラインは、現在は指針の解説へ統合された前身の文書にあたります。

常時使用する労働者が300人を超える事業者は、指針に沿った従事者の指定と体制整備が義務で、2026年12月1日施行の令和7年改正では、命令・立入検査や解雇・懲戒への罰則などが加わります。

自社の制度を見直す際は、指針本文の各項目を点検表の軸にして規程・運用・記録を突き合わせ、指針が求める教育・周知を研修で継続的に回す体制を整えておくと、監査や経営への説明もしやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 内部通報制度のガイドラインとは何ですか?

A. 内部通報制度のガイドラインとは、公益通報者保護法第11条にもとづいて内閣総理大臣が定めた「指針」(令和3年内閣府告示第118号)と、その考え方・具体例を示す消費者庁の「指針の解説」を指します。指針は事業者が取るべき措置を定めた事実上の義務で、指針の解説はその措置を実務でどう満たすかを示す推奨文書です。

2016年の「民間事業者向けガイドライン」は、令和2年改正に伴い記載事項が指針の解説へ統合された前身の文書にあたります。

出典・参考資料(1件)

Q. 内部通報制度は「指針」と「民間事業者向けガイドライン」のどちらに従えばよいですか?

A. 内部通報制度で現在従うべきは、公益通報者保護法にもとづく指針(令和3年内閣府告示第118号)と、消費者庁の指針の解説です。2016年の「民間事業者向けガイドライン」は令和2年改正時に記載事項が指針の解説へ統合され、消費者庁も「令和2年改正前のガイドライン」として整理しているため、いま並立して生きている推奨文書ではありません。

古い解説記事が民間事業者向けガイドラインを根拠に挙げている場合は、指針と指針の解説に読み替えて確認するのが安全です。

出典・参考資料(1件)

Q. 従業員が300人以下でも内部通報制度の整備は必要ですか?

A. 常時使用する労働者が300人以下の事業者にとって、内部通報制度の整備は法律上の義務ではなく努力義務です(公益通報者保護法第11条第3項)。一方、常時使用する労働者が300人を超える事業者は、従事者の指定と体制整備が義務となります。ただし指針は規模にかかわらず適切かつ有効な実施を図るために示されたものなので、300人以下の事業者も指針の内容にならって体制を整えることが望まれます。

出典・参考資料(1件)

Q. 内部通報の窓口は社外に設けなければならないのですか?

A. 内部通報の窓口を社外に設けること自体は、法令や指針が課す義務ではありません。指針が求めるのは、組織の長その他幹部に関係する事案について、これらの者からの独立性を確保する措置をとることです。

社内窓口だけで独立性を保ちにくい場合に、弁護士事務所などの社外窓口を併設することが有効な選択肢になります。その際は、顧問弁護士が外部窓口を兼ねると利益相反が生じうる点に留意し、事案によって受付・調査の担当を切り分けられるか確認しておくと安全です。

出典・参考資料(1件)

Q. 令和7年改正(2026年12月1日施行)で内部通報制度は何が変わりますか?

A. 令和7年改正(令和7年法律第62号)は2026年12月1日に施行され、従事者指定義務違反への命令権と罰則、立入検査権限、公益通報を理由とする解雇・懲戒への直罰などが新たに設けられます。あわせて、公益通報者の範囲に業務委託先のフリーランスが加わり、公益通報対応体制の周知義務が体制整備義務の例示として明示されます。

現行の2022年施行の枠組みに加わる変更のため、施行日に向けて自社の規程と運用の見直しを進めておく必要があります。

出典・参考資料(1件)

Q. 内部通報制度の守秘義務に違反すると罰則はありますか?

A. 公益通報対応業務の従事者が正当な理由なく通報者を特定させる事項を漏らした場合、30万円以下の罰金が科されます(公益通報者保護法第12条・第21条)。これは2022年6月1日施行の現行規定であり、令和7年改正で新設される罰則(従事者指定義務違反への命令違反罰や解雇・懲戒への直罰など)とは別のものです。

両者を混同しないよう、現行の守秘義務違反の罰則と、改正で加わる罰則を分けて押さえておくとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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