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【2026年12月改正】企業型DCの掛金上限はいくら?|併用時の計算と掛金の決め方を解説

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退職金・企業型DC(企業型確定拠出年金)比較表(2026年版)

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が掛金を拠出し、従業員が自分で運用商品を選んで老後の資産を積み立てる企業年金制度です。この掛金には、月額でいくらまで拠出できるかという上限(拠出限度額)が法令で定められています。

上限額は、他に企業年金があるかどうかで変わるうえ、2026年12月1日に施行される改正で、月額5.5万円から6.2万円へ引き上げられます。確定給付企業年金(DB)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を併用する場合、従業員が上乗せするマッチング拠出をする場合では、それぞれ上限の計算方法が異なります。

本記事では、企業型DCの掛金上限を、現行と2026年12月の改正後の両方について、ケース別に具体的な金額で解説します。あわせて、役員・従業員の掛金額の決め方や税制上の扱いも整理しました。制度の理解から、導入・掛金設計の検討まで役立てていただける内容です。

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企業型DCの掛金上限は月いくら?

企業型DCの掛金上限は、他に企業年金があるかどうかで決まります。他の企業年金がない場合、事業主が拠出できる掛金の上限は月額55,000円(年額66万円)です。この金額は、確定拠出年金法施行令(平成13年政令第248号)第11条で定められています。

第十一条第一号〔他制度加入者以外〕 五万五千円

出典:確定拠出年金法施行令 第11条|e-Gov法令検索

そして、この上限は2026年12月1日の改正で月額62,000円(年額74.4万円)へ引き上げられます。改正は国民年金基金令等の一部を改正する政令(令和7年政令第442号)として既に公布されており、施行が確定した内容です。改正後も、他の企業年金がある場合は上限から相当額を差し引く仕組みは変わりません。

出典・参考資料(2件)

この55,000円(改正後は62,000円)は、会社(事業主)が拠出できる枠の上限です。従業員が自分で上乗せできる額は、後述の「マッチング拠出をする場合」や「iDeCoを併用する場合」で解説します。

自分のケースに当てはまる金額は、他の企業年金やiDeCo、マッチング拠出の有無で変わります。次の章で、ケースごとに具体的に見ていきましょう。

ケース別の掛金上限(現行と2026年12月改正後)

ここからは、他の企業年金の有無やiDeCoの併用など、ケースごとの掛金上限を解説します。まず全体像をつかめるよう、4つのケースを現行と改正後で並べた早見表を示し、そのあとで各ケースの計算方法を詳しく見ていきます。

【早見表】現行と2026年12月改正後の掛金上限

← 横にスクロールできます →
対象となる掛金現行(2026年11月まで)2026年12月1日以降
他の企業年金がない場合月55,000円月62,000円
DB等の他制度を併用する場合月55,000円−他制度掛金相当額
(経過措置で最低27,500円)
月62,000円−他制度掛金相当額
iDeCoを併用する場合(iDeCo側の上限)月20,000円
(事業主掛金・DB掛金相当額との合算上限内。条件により下回る)
月62,000円−各月の事業主拠出額
(マッチング拠出との併用は不可)
マッチング拠出をする場合(加入者掛金の上限)月55,000円−事業主掛金額
(2026年4月に加入者掛金≦事業主掛金の制限は撤廃)
月62,000円−事業主拠出額
(例:事業主2.5万円なら3.7万円)

※金額は月額。他制度掛金相当額とはDB等の掛金に相当する額を指します。詳細は各ケースの解説を参照してください。

出典・参考資料(2件)

他の企業年金がない場合(月55,000円→62,000円)

自社にDBなどの他の企業年金がない場合、事業主が拠出できる掛金の上限は月額55,000円です。2026年12月1日からは月額62,000円に引き上げられます。年額に換算すると、現行の66万円から74.4万円へと、年間で8.4万円ぶん枠が広がります。

この上限の範囲内であれば、役員・従業員の掛金をいくらに設定するかは制度設計で決められます。多くの中小企業では、まず従業員向けのコースをいくつか用意し、役員は上限に近い額を設定する、といった形がとられています。

DB等の他制度を併用する場合(上限から控除)

確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金などの他の企業年金を併用している場合、企業型DCの上限は「55,000円(改正後は62,000円)から他制度掛金相当額を差し引いた額」になります。他制度掛金相当額とは、DB等の掛金に相当する額として算定される金額です。

ここで注意したいのは、DBを併用すると上限が一律で月額27,500円になる、という単純な話ではない点です。27,500円は、控除後の額がこれを下回った場合に当面保証される下限の経過措置です。確定拠出年金法施行令の附則(令和3年政令第244号、2024年12月1日施行)が、第11条第2号の「零」を「27,500円」と読み替えることを定めています。

…新令第十一条第二号及び読替え後の旧令第十一条第二号中「零」とあるのは、「二万七千五百円」とする。

出典:確定拠出年金法施行令 附則(令和3年政令第244号)|e-Gov法令検索

DB等の掛金相当額が大きく、計算上の上限が27,500円を下回るような場合でも、現に企業型DCを実施している事業所では当面27,500円まで拠出できる扱いになります。改正後も計算式は「62,000円−他制度掛金相当額」のままで、DB併用だからといって上限が据え置かれるわけではありません。

具体的に当てはめると、たとえば他制度掛金相当額が月2万円の場合、企業型DCの上限は現行で月35,000円(55,000円−20,000円)です。2026年12月以降は月42,000円(62,000円−20,000円)になります。相当額が大きく、計算上の額が27,500円を下回るときは、経過措置により当面27,500円まで拠出できます。

iDeCoを併用する場合(共通の枠内で調整)

企業型DCの加入者がiDeCo(個人型確定拠出年金)も利用する場合、現行ではiDeCo側の上限が月額20,000円に設定されています。ただし、これは上限額で、事業主掛金やDB等の掛金相当額が大きい場合は、合算の上限により20,000円を下回ることもあります。

具体的には、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの合計が月額55,000円を超えられないため、事業主掛金が月35,000円を超える場合は、iDeCoに回せる額は20,000円を下回ります。

2026年12月1日以降は、この仕組みが変わります。iDeCoの上限は「62,000円から各月の事業主の拠出額を差し引いた額」となり、企業型DCとiDeCoを同じ枠の中で調整する形に一本化されます。

ここでいう事業主の拠出額とは、企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額の合計額です。事業主の拠出額が大きいほど、iDeCoに回せる枠は小さくなり、場合によっては拠出できなくなることもあります。また、企業型DCの加入者がiDeCoを利用するには、次の要件を満たす必要があります。

  • 企業型DCの事業主掛金が月の上限(6.2万円)の範囲内で各月拠出であること
  • iDeCoの掛金が6.2万円から各月の事業主の拠出額を控除した額の範囲内で各月拠出であること
  • 企業型DCのマッチング拠出(加入者掛金拠出)を利用していないこと
出典:企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!|厚生労働省

3つ目の要件が示すとおり、マッチング拠出とiDeCoは同時に利用できません。従業員が自分で上乗せする方法として、マッチング拠出とiDeCoのどちらを選ぶかは、改正後も重要な判断になります。この点は後半で詳しく整理します。

マッチング拠出をする場合(従業員が上乗せ)

マッチング拠出は、事業主が拠出した掛金に加えて、従業員(加入者)本人が規約で定められた範囲内で掛金を上乗せできる仕組みです。現行では、事業主掛金と合計で月55,000円の枠内で上乗せできます。かつては加入者掛金が事業主掛金の額を超えられない制限がありましたが、2026年4月1日に撤廃されました。

2026年12月1日以降は、この枠が月62,000円に広がり、マッチング拠出の上限は「62,000円から事業主の拠出額を差し引いた額」の範囲になります。

厚生労働省のリーフレットでは、上限が引き上げられることでマッチング拠出の枠が広がる様子を、具体的な拠出例で示しています。

〈拠出例〉企業型DCの事業主掛金額が2万円の場合、マッチング拠出は3.5万円まで拠出可能。/企業型DCの事業主掛金額が2.5万円に引き上げられた場合、マッチング拠出は3.7万円まで可能。

出典:企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!(裏面)|厚生労働省

また、マッチング拠出を行うには、その仕組みが企業型DCの規約に定められている必要があります。規約に定めがない場合は、まず規約の変更が前提になります。

2026年12月の改正で上限はどう変わる?

ここからは、2026年12月1日に施行される拠出限度額の改正について、施行の時期と変更点、企業がすべき対応を整理します。改正の内容は政令として既に公布されており、確定した事項です。

企業型DCに関わる2026年の2つの改正を時系列で示した図。2026年4月1日に、加入者掛金は事業主掛金の額を超えてはならないという制限が撤廃(政令第431号)。2026年12月1日に、拠出限度額が月5.5万円から6.2万円(年66万円から74.4万円)へ引き上げられ、2026年12月分の掛金から適用(政令第442号)。両者は施行日も根拠も異なる別の改正。

施行日はいつから?

拠出限度額を月額5.5万円から6.2万円へ引き上げる改正は、2026年12月1日施行です。改正を定めた令和7年政令第442号と、その施行期日を定めた令和7年政令第441号は既に公布されています。実際には、2026年12月分の掛金から新しい上限が適用されます(12月分の掛金は翌2027年1月に引き落とされます)。

出典・参考資料(2件)

何が変わるか(5.5万円→6.2万円)

改正の中心は、企業型DCの拠出限度額が月額5.5万円から6.2万円へ、7,000円引き上げられる点です。DB等を併用する場合の計算式の基準額も、55,000円から62,000円へ置き換わります。賃金の上昇や働き方の多様化を踏まえ、資産形成の枠を広げる狙いがあるとされています。

この6.2万円への引き上げとは別に、マッチング拠出については2026年4月1日に先行して別の見直しが行われています。従来は「加入者掛金は事業主掛金の額を超えてはならない」という制限がありましたが、この制限が撤廃されました。こちらは確定拠出年金法施行令の一部を改正する政令(令和7年政令第431号)などで整備されたもので、6.2万円引き上げ(政令第442号)とは施行日も根拠も異なります。

出典・参考資料(2件)

企業が対応すべきこと

上限の引き上げに合わせて自社の掛金額を引き上げる場合、規約の変更が必要になることがあります。厚生労働省のリーフレットも、この点に触れています。

本改正を踏まえて、企業型DCの上限額を引き上げる際は、規約変更が必要となる場合があります。

出典:企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!|厚生労働省

上限が引き上げられても、掛金額を必ず引き上げなければならないわけではありません。現状の掛金を維持することも、枠の拡大を活かして増額やマッチング拠出の拡充を図ることもできます。DB等を併用している場合は、他制度掛金相当額について加入者へ周知することも求められます。自社にとってどの対応が適切かを、掛金設計の見直しとあわせて検討するとよいでしょう。

掛金額の決め方

上限の範囲内で、役員・従業員の掛金をいくらに設定するかは、制度設計の中で決めます。ここでは、税制上の扱い、掛金の決め方のポイント、選択制DCという選択肢、そしてマッチング拠出とiDeCoの使い分けを順に解説します。

全額損金算入と税制上の扱い

企業型DCには、拠出時・運用時・給付時のそれぞれに税制上の優遇があります。厚生労働省は、企業型DCの税制上の扱いを次のように整理しています。

  • 〔拠出時〕事業主が拠出した掛金:全額損金算入/加入者が拠出した掛金:全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
  • 〔運用時〕運用益:運用中は非課税/積立金:特別法人税課税(現在、課税は停止されています。)
  • 〔給付時〕年金として受給:公的年金等控除/一時金として受給:退職所得控除
出典:確定拠出年金制度の概要(税制)|厚生労働省

事業主が拠出する掛金は全額が損金に算入されます。マッチング拠出で従業員が上乗せした掛金は、全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象です。掛金を上限近くまで設定するほど、損金算入や所得控除の効果も大きくなります。利益が出ている会社では、法人税の負担とあわせて掛金額を検討する例が多く見られます。

効果を金額のイメージでつかんでみましょう。たとえば役員の掛金を月5万円(年60万円)に設定した場合、その全額が損金に算入されます。法人実効税率を約30%とすると、単年でおよそ18万円(60万円×30%)の法人税負担の軽減につながる計算です。

従業員がマッチング拠出で年24万円(月2万円)を上乗せした場合は、その全額が所得控除の対象です。所得税・住民税の合計税率を20%とすると、年およそ4.8万円(24万円×20%)の税負担が軽くなります。いずれも概算で、実際の軽減額は会社の所得や各人の適用税率によって変わります。

こうした税制上の扱いは、実際に導入を検討する現場でも関心の入り口になっています。企業型DCの導入支援に携わる担当者は、寄せられる相談の傾向を次のように話しています。

長谷川氏
SBIインシュアランスラボ株式会社
長谷川氏
独自インタビューより

圧倒的に多いのは、税金と社会保険料の負担軽減に目を付けていただくパターンです。特に社会保険料の部分は、会社と従業員で労使折半で支払っていますので、企業側でも負担を軽減できるところにもメリットを感じていただけます。「従業員にたくさん給料をあげているのに、税金や社会保険料で取られてしまって手取りが増えていない」「ベースアップをしてあげたいけれど、負担が大きくて二の足を踏んでいる」といったお悩みに対して、企業型DCがメリットのある選択肢になる場面が増えています。

想定利回りと掛金の設定方法

掛金の設定方法には、全員同額とする「定額」、給与などに一定率を掛ける「定率」、両者を組み合わせる方法があります。どの方法を選ぶかは、従業員の構成や制度で実現したい狙い(福利厚生の底上げか、役員の資産形成の重視か)によって変わります。

掛金額を考える際の目安として、将来の受取額をどの程度見込むかという「想定利回り」も参考になります。ただし、企業型DCは運用成果によって受取額が変わる制度のため、想定利回りはあくまで設計時の見込みです。従業員自身が運用商品を選ぶことを踏まえ、無理のない掛金設計と、運用の考え方を伝える投資教育をあわせて検討することが大切です。

選択制DCという選択肢と注意点

選択制DC(給与切替型)は、給与などの一部を減額したうえで、その減額分を企業型DCの掛金として拠出するか、給与として受け取るかを従業員本人が選ぶ仕組みです。会社が新たに掛金を上乗せするのではなく、給与の一部を掛金に振り替える形のため、導入のハードルを抑えやすい方法とされています。

掛金に振り替えた部分は社会保険料や所得税の計算対象から外れるため、従業員・会社の双方で負担が軽くなる面があります。一方で、標準報酬月額が下がることで、将来受け取る年金や各種給付に影響が及ぶ可能性があります。厚生労働省の通知は、事業主にこの点の説明を求めています。

具体的な金額で見ると、たとえば月3万円を給与から掛金に振り替えると、その分だけ標準報酬月額の算定基礎が下がり、社会保険料(健康保険・厚生年金などで労使合わせおおむね30%)が軽くなる場合があります。

会社と従業員の双方で負担が減る一方、社会保険料は標準報酬月額の等級ごとに決まるため、実際の軽減額は振替によって等級が下がるかどうかで変わります。等級が下がると将来の老齢厚生年金や傷病手当金などにも影響します。

労使合意により給与等を減額した上で、当該減額部分を事業主掛金として拠出し企業型年金の個人別管理資産として積み立てるか、給与等への上乗せで受け取るかを従業員が選択する仕組みを実施するに当たっては、社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性を含めて、事業主は従業員に正確な説明を行う必要があること。

出典:確定拠出年金制度について(法令解釈通知)別紙第1の(5)|厚生労働省

選択制DCを導入する場合は、目先の負担軽減だけでなく、将来の給付への影響も含めて従業員に正確に伝えることが前提になります。この説明を丁寧に行うことが、制度への納得と加入率の向上にもつながります。

マッチング拠出とiDeCo併用はどちらが得か

従業員が自分で掛金を上乗せする方法には、マッチング拠出とiDeCoの併用の2つがあり、同時には利用できません。どちらが有利かは、会社が拠出している掛金の額によって変わります。

従業員が掛金を上乗せするマッチング拠出とiDeCo併用の比較図。両者はどちらか一方のみ利用でき、会社の掛金額と手数料の負担で選ぶ。マッチング拠出は口座管理手数料を会社が負担し、会社の掛金が大きく上乗せ枠が十分あるときに有利になりやすい。iDeCoの併用は口座管理手数料を加入者本人が負担し、会社の掛金が少なく上乗せ枠が小さいときに有利になりやすい。

判断の分かれ目は、会社が拠出している掛金の額と、口座管理手数料の負担です。iDeCoは加入者本人が口座管理手数料を負担しますが、マッチング拠出では会社がその手数料を負担します。

会社の掛金が少なくマッチングの上乗せ枠が小さい場合は、手数料を払っても多く積み立てられるiDeCoの併用が有利になりやすい傾向があります。逆に会社の掛金がある程度大きく、マッチングの枠が十分にある場合は、手数料負担のないマッチング拠出が有利になりやすくなります。

自分がどちらに当てはまるかは、会社の掛金額と、iDeCoでかかる手数料を確認したうえで判断するとよいでしょう。

企業型DCの導入・委託先を検討するには

ここまで見てきた掛金上限や税制上の扱いを踏まえ、実際に企業型DCを導入する際は、制度の運営を委託する運営管理機関を選ぶことになります。運営管理機関によって、対応できる企業規模や掛金設計の自由度、手数料、運用商品のラインナップが異なります。

特に中小企業では、小規模でも導入できるか、選択制やマッチング拠出に対応しているか、従業員向けの投資教育の支援があるかといった点が、比較のポイントになります。ここでは、こうした条件に対応するサービスを紹介します。

← 横にスクロールできます →
項目SBIの企業型DC
運営会社SBIベネフィット・システムズ株式会社
対象企業規模加入者1名から
(従業員30名以下の中小企業・役員のみも可)
掛金コース従業員は月5,000/10,000/20,000円の3コース
役員は上限の範囲で設定
選択制DC●給与の一部を掛金か現金かで選択
運用商品数36本
(購入時手数料無料)
導入一時金110,000円/事業所
(税込)
月額費用(事業主)11,000円/事業所
(税込。運管5,500円+投資教育5,500円)
月額費用(加入者)440円/加入者
(税込。会社負担)
詳細情報オンライン相談を予約

SBIの企業型DC(SBIベネフィット・システムズ株式会社)

SBIの企業型DCのウェブサイト

加入者1名から導入できる点を掲げるのが、SBIベネフィット・システムズが記録管理を担う「SBIの企業型DC」です。一般の金融機関では引き受けが難しい従業員30名以下の中小企業や、役員のみの加入にも対応できるとしています。記録管理システムを自社開発していることで、加入者数にかかわらず導入を受けられる設計になっていると公式サイトは説明しています。

掛金の積み立て方は、給与の一部を掛金か現金かで選べる選択制に対応します。従業員向けのコースと役員向けの枠を設けられるため、自社の状況に合わせて設計できます。運用商品は36本をそろえ、購入時手数料は無料です。

導入を検討する際の費用の目安としては、導入一時金が110,000円、月額の事業主手数料が11,000円、加入者1名あたり月額440円(いずれも税込)です。手数料は会社負担とされています。掛金の設計や手数料の詳細は、オンラインでの相談で確認できます。

従業員が実際に制度を活用するかどうかは、導入後の周知や投資教育の進め方によっても変わってきます。この点について、導入支援を担う担当者は説明会と加入率の関係を次のように述べています。

長谷川氏
SBIインシュアランスラボ株式会社
長谷川氏
独自インタビューより

従業員向け説明会を当社で開催させていただいています。この説明会を実施すると、大半の従業員様が「自分も拠出したい」と申し出てくださるケースが多く、参加率の面でも一定の効果は必ず得られると感じています。説明会自体はオプションになりますが、独自に進められる企業様より、説明会を実施いただいた企業様の方が圧倒的に加入率は高まります。

ここで取り上げたのは一例で、企業型DCの運営管理機関はほかにも多くあり、対応できる企業規模や掛金設計の自由度、手数料、運用商品のラインナップは各社で異なります。複数のサービスを比較して自社に合う委託先を選びたい場合は、次の記事で主要な導入支援サービスと、中小企業向けの選び方を詳しく解説しています。

まとめ

企業型DCの掛金上限は、他の企業年金がない場合で月額55,000円(年額66万円)です。2026年12月1日の改正で月額62,000円(年額74.4万円)へ引き上げられ、この改正は政令として既に公布された確定事項です。

DB等を併用する場合は「上限から他制度掛金相当額を差し引いた額」、iDeCo併用やマッチング拠出では共通の枠内で事業主の拠出額を差し引いた額が上限になります。DB併用時の27,500円は固定の上限ではなく、下限を保証する経過措置である点に注意が必要です。掛金を上限近くまで設定するほど、損金算入や所得控除といった税制上の効果も大きくなります。

上限の仕組みを理解したうえで、自社に合った掛金設計や導入先を検討する段階では、運営管理機関ごとの対応規模・手数料・運用商品を見比べると判断しやすくなります。気になるサービスの資料を取り寄せて、比較検討を進めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 企業型DCの計算に出てくる「他制度掛金相当額」とは何ですか?

A. 他制度掛金相当額とは、確定給付企業年金(DB)や厚生年金基金など、企業型DC以外の企業年金について、掛金に相当する額として法令の定めにより算定した金額です。DBなどを併用する場合、企業型DCの掛金上限は、月額55,000円(2026年12月1日以降は62,000円)からこの額を差し引いて計算します。

金額は制度ごとに算定方法が定められているため、自社の他制度掛金相当額は運営管理機関に確認するのが確実です。

出典・参考資料(1件)

Q. 企業型DCの上限が月6.2万円に上がる改正は、すでに決まっているのですか?

A. はい。この改正は政令(令和7年政令第442号)として既に公布された確定事項で、2026年12月1日に施行されます。2026年12月分の掛金から、新しい上限である月額62,000円(年額74.4万円)が適用されます。情報源によっては「準備中」と伝えるものもありますが、改正政令は公布済みのため、確定した内容として扱って差し支えありません。

出典・参考資料(2件)

Q. 企業型DCの掛金はいつでも自由に変更できますか?

A. 企業型DCの加入者掛金(マッチング拠出)の額は、拠出単位期間(原則1年)につき1回に限り変更できるのが原則です。ただし、2026年12月1日の上限引き上げに伴う増額については、2026年12月1日から2027年11月30日までの間、改正前の上限を超える増額は年1回の変更回数にカウントしない経過措置が設けられています。

この期間であれば、通常の年1回の変更とは別に、引き上げに合わせた増額ができます。

出典・参考資料(1件)

Q. DB等を併用している場合、企業型DCの上限は一律で月27,500円になるのですか?

A. いいえ。27,500円は上限ではなく、計算結果がこれを下回った場合に当面保証される「下限」の経過措置です。DB等を併用する場合の上限は「55,000円(2026年12月1日以降は62,000円)−他制度掛金相当額」で計算し、この結果が27,500円を下回っても、現に企業型DCを実施している事業所では当面27,500円まで拠出できます。

「DB併用なら一律27,500円」と単純化すると誤りになる点に注意してください。

出典・参考資料(1件)

Q. 企業型DCの運営にかかる手数料は、会社と従業員のどちらが負担しますか?

A. 企業型DCの導入時や運営にかかる手数料(制度の設計・運営費用や口座管理手数料など)は、事業主(会社)が負担するのが一般的です。ただし、負担区分は規約や委託先の運営管理機関によって異なる部分があるため、導入を検討する際は手数料の内訳と負担者を各社に確認しておくと安心です。

Q. 企業型DCのマッチング拠出とiDeCoは、同時に利用できますか?

A. いいえ、企業型DCのマッチング拠出とiDeCoは同時に利用できません。従業員が自分で掛金を上乗せする方法としては、どちらか一方を選ぶことになります。どちらが有利かは会社の掛金額などで変わるため、本文の「マッチング拠出とiDeCo併用はどちらが得か」もあわせてご確認ください。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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