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給与計算の依頼先はどこ?社労士・税理士・代行会社の違いと料金相場・選び方

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給与計算アウトソーシング比較表(2026年版)

毎月の給与計算が担当者ひとりに集中し、ミスや締め切りに追われていませんか。従業員が増えて社会保険の手続きや年末調整まで手が回らなくなると、給与計算を外部に依頼する企業は少なくありません。ただ、いざ任せようとすると「そもそも誰に頼めるのか」「どこまで任せられて、いくらかかるのか」が分かりにくいのが実情です。

給与計算の依頼先には、社会保険労務士(社労士)・税理士・給与計算代行会社(BPO)があり、それぞれ対応できる業務の範囲も料金の決まり方も異なります。選び方を誤ると、任せたかった業務を結局は社内で抱えたまま、ということにもなりかねません。

本記事では、給与計算を依頼できる相手の違いと、依頼できる業務の範囲・料金相場・選び方を、関連する法令の条文も確認しながら整理します。給与計算の外部委託を検討する担当者が、自社に合った依頼先を見極めるための判断材料としてご活用ください。

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給与計算は誰に依頼できる?社労士・税理士・代行会社の違い

給与計算の外部依頼とは、従業員ごとの支給額・控除額の計算や給与明細の作成、振込データの作成といった業務を、自社の外の専門家や事業者に任せることを指します。主な依頼先は社会保険労務士(社労士)・税理士・給与計算代行会社(BPO)の3つで、まずはそれぞれの得意分野と限界を押さえておくと、依頼先を絞り込みやすくなります。

社会保険労務士(社労士)に依頼する

社労士は、労働・社会保険に関する法令にもとづく手続きの専門家です。給与計算に加えて、社会保険(健康保険・厚生年金)の資格取得届や労働保険の年度更新・算定基礎届といった手続きまで一体で任せられる点が強みです。従業員の入退社が多い企業や、労務管理ごと相談したい企業に向いています。

社会保険・労働保険の手続き代行は、社会保険労務士法で社労士(および社会保険労務士法人)の業務と定められています。給与計算に付随してこれらの手続きまで任せたい場合は、社労士が依頼先の軸になります。ただし、年末調整の税額計算など税務にあたる部分は税理士の領域で、社労士には依頼できません。

第二条 社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(…)を作成すること。
一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。

出典:社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項|e-Gov 法令検索

税理士に依頼する

税理士は税務の専門家で、年末調整の税額計算や源泉徴収票などの税務書類の作成、税務相談に対応できます。すでに顧問税理士がいる場合は、毎月の給与計算から年末調整までを一括で任せ、やり取りの窓口をまとめられることがあります。一方で、社会保険・労働保険の手続き代行は税理士の業務ではないため、その部分は別の依頼先が必要になります。

年末調整の税額計算や税務書類の作成が税理士の業務である根拠は、税理士法に定められています。

第二条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(…)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
二 税務書類の作成(…租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(…)を作成することをいう。)
三 税務相談(…租税の課税標準等(…)の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)

出典:税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条第一項|e-Gov 法令検索

給与計算代行会社(BPO)に依頼する

給与計算代行会社やBPO(業務プロセスの外部委託)事業者は、毎月の給与計算や明細発行、振込データ作成などを業務プロセスごと引き受けます。従業員数が多く処理量が大きい企業や、既存の給与システムの運用まで任せたい企業に向いています。会社によっては社労士法人・税理士法人と提携したり、社内に有資格者を擁したりして、社会保険手続きや年末調整の税務部分まで含めて対応する場合があります。

給与計算の計算事務そのもの(支給額・控除額の計算、給与明細・振込データの作成)は、特定の国家資格がなくても行えます。社会保険労務士法第27条が制限するのは社会保険・労働保険の手続き代行、税理士法第52条が制限するのは税務の代理・書類作成・相談であり、給与計算の計算事務はいずれの制限列挙にも含まれないためです。

だからこそ代行会社は給与計算を広く引き受けられますが、社会保険手続きや年末調整の税務まで任せたい場合は、その依頼先が有資格者を確保しているかの確認が欠かせません(詳しくは注意点と選び方で解説します)。

依頼できる業務の範囲と「誰に頼めるか」

給与計算の依頼では、どこまでの業務を任せるかによって適した依頼先が変わります。給与計算に関わる主な業務と、それぞれを依頼できる相手を一覧にすると次のとおりです。社会保険の手続きと年末調整の税務部分は、それぞれ社労士・税理士の独占業務にあたる点が、依頼先を分けるかどうかの分岐点になります。

任せたい業務範囲で分かれる給与計算の依頼先の図解。給与計算そのもの(月次の給与計算・給与明細の作成、賞与計算、振込データの作成)は社労士・税理士・給与計算代行会社のいずれにも依頼できる。付随する手続き・税務をどこまで任せるかで依頼先が分かれ、社会保険・労働保険の手続きも任せたいなら社労士(その手続き代行は社労士の独占業務)、年末調整の税務も任せたいなら税理士(税額計算・税務書類の作成は税理士の独占業務、税理士が関与する体制でも対応可)、幅広い業務をまとめて任せたいなら給与計算代行会社(BPO、独占業務は有資格者の確保・提携を確認)が軸になる。
業務社労士税理士給与計算代行会社(BPO)
月次の給与計算・給与明細の作成○○○
賞与計算○○○
振込データ(FBデータ)の作成○○○
社会保険・労働保険の手続き代行○(社労士の独占業務)×△(提携・有資格者がいれば)
年末調整の税額計算・税務書類の作成×○(税理士の独占業務)△(提携・有資格者がいれば)
住民税(特別徴収)に関する事務○○○
○=対応可/×=その依頼先の業務ではない/△=有資格者の確保・提携により対応可。社会保険手続きは社会保険労務士法、年末調整の税務処理は税理士法にもとづく整理。

給与計算そのものはどの依頼先でも対応できます。分岐するのは「給与計算に付随する手続き・税務をどこまで任せるか」です。社会保険・労働保険の手続きまで任せたいなら社労士、年末調整の税務計算まで一括で任せたいなら税理士(または税理士が関与する体制)が軸になります。代行会社は幅広く引き受けますが、独占業務にあたる部分は有資格者を通じて対応する形になるため、その体制の有無を確認しましょう。

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従業員規模別・依頼先別の料金相場

ここからは、給与計算を依頼したときの料金相場を見ていきます。給与計算の外注費用は「基本料金+従業員1人あたりの単価」で決まることが多く、従業員数と、給与計算だけか年末調整・社会保険手続きまで含めるかによって金額が変わります。以下は各社の公表情報や大手の解説記事が示す目安で、2026年10月時点のものです。

社労士・税理士・代行会社の従業員規模別の目安

毎月の給与計算を依頼する場合の月額の目安を、依頼先ごとに従業員規模で並べると次のようになります。社労士・税理士は「基本料金+従業員1人あたりの単価」、代行会社は従業員1人あたりの従量課金が中心です。

従業員規模社労士に依頼税理士に依頼給与計算代行会社
10人以下月1.0万〜2.5万円月1.0万〜2.0万円月1万〜2万円程度(概算)
11〜30人月2.5万〜3.5万円月2.0万〜3.5万円月2万〜4万円程度(概算)
31〜50人月3.5万〜5.0万円月3.5万〜5.5万円月4万〜6万円程度
51人以上月5.0万円〜月5.5万円〜月5万円〜(概算)
各社の公表例・大手の解説が示す目安(2026年10月時点)。社労士・税理士は基本料金+従業員1人あたりの単価(概ね500〜2,000円程度)を含む月額総額の目安で、基本料金・単価は依頼先や規模により異なる。代行会社は従業員1人あたり1,000円前後の従量課金が中心で、「概算」はこの単価で試算した目安(最低料金により下限は上がることがある)。いずれも月次給与計算の目安で、年末調整は別料金やスポット対応が一般的(代行会社では給与計算のみ50名規模で月4万〜6万円、年末調整を含めると月10万〜20万円程度が示されている)。正確な費用は業務範囲と人数を伝えて見積もりで確認するのが確実。

料金を非公開とし、業務範囲のヒアリングのうえで個別見積もりとする会社も多くあります。特に代行会社は依頼する業務範囲で金額が変わるため、任せたい業務と従業員数を伝えて複数社から同じ条件で見積もりを取り、並べて比べるのが確実です。

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外部依頼が向いている企業と依頼するメリット

給与計算を外部に依頼すると、担当者の負担軽減だけでなく、属人化の解消や法改正への対応といった効果が期待できます。まず「自社は外注に向いているか」を判断するうえで、代表的なメリットを押さえておきましょう。

  • 担当者の負担軽減とコア業務への集中:毎月の計算・明細発行・振込データ作成の工数が外部に移り、担当者が採用や制度設計などの業務に時間を使えるようになります。
  • 属人化の解消:給与計算が特定の担当者ひとりに依存している状態は、退職や休職で業務が止まるリスクがあります。外部に任せることで、担当者が代わっても計算が続く体制をつくれます。
  • 法改正への対応:社会保険料率の改定や税制改正への追従を専門家に任せられ、計算ミスや対応漏れを防ぎやすくなります。

目安として、給与計算の担当者がひとりに偏っている、従業員の増加で手続きまで手が回らない、年末調整など季節性の業務だけでも切り出したい、といった状況があれば外部依頼を検討する価値があります。任せたい範囲が「給与計算だけ」なのか「社会保険手続き・年末調整まで」なのかを先に決めておくと、依頼先の種類を絞り込みやすくなります。

一方で、計算自体は社内で続けつつ手間とミスだけ減らしたいなら、法改正に自動対応する給与計算ソフトを導入する方法もあります。外部に任せるか自社ソフトで効率化するか迷う場合は、ソフトの選択肢もあわせて見比べてみてください。

給与計算を外部に依頼するときの注意点

外部依頼にはメリットがある一方で、依頼先の選定を誤ると法令違反や情報漏洩のリスクにつながります。依頼前に押さえておきたい注意点を整理します。

無資格の業者に頼むと違法になる業務

給与計算そのものは資格がなくても代行できますが、付随する業務には制約があります。社会保険・労働保険の手続き代行は社会保険労務士の独占業務で、社労士・社会保険労務士法人でない者が報酬を得て業として行うことは、社会保険労務士法第27条で禁じられています。違反した場合は、同法第32条の2第1項第6号により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。

第二十七条 社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。

出典:社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十七条|e-Gov 法令検索

同様に、年末調整の税額計算や税務相談といった税理士業務は、税理士・税理士法人でない者が行うことを税理士法第52条が禁じており、違反すると同法第59条第1項第4号により2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。

給与計算代行会社に社会保険手続きや年末調整の税務まで任せる場合は、その会社が社労士・税理士と提携しているか、有資格者を社内に擁しているかを必ず確認してください。「代行会社に頼むこと」自体が違法なのではなく、無資格の業者が独占業務まで自ら引き受ける場合に違法となりうる、という点が注意すべきところです。

出典・参考資料(2件)

個人情報漏洩のおそれがある

給与計算の委託では、従業員の氏名・住所・マイナンバー・給与額・口座情報といった機微な個人情報を外部に預けることになります。委託先からの情報漏洩は自社の責任問題にもなり得るため、セキュリティ体制の確認は欠かせません。どう見極めるかは選び方で具体的に扱います。

社内に給与計算のノウハウが残りにくい

外部に任せ続けると、給与計算の手順や法改正対応の知識が社内に蓄積されにくくなります。将来的に内製へ戻す可能性がある場合や、委託先を切り替える場合に備えて、計算のルールや賃金規程、やり取りの記録を自社でも把握できる形にしておくと安心です。

失敗しない依頼先の選び方

依頼先の種類を把握したら、自社に合う1社を絞り込みます。次の4つの観点で候補を見比べると、依頼後のミスマッチを防ぎやすくなります。

自社に必要な業務範囲に対応し、有資格者を確保しているか

給与計算だけで足りるのか、社会保険手続きや年末調整まで任せたいのかを先に決め、その範囲をカバーできる依頼先かを確認しましょう。社会保険手続きや年末調整の税務まで含めるなら、社労士・税理士が関与する体制か、代行会社なら有資格者と提携しているかを確かめます。独占業務を無資格のまま引き受けていないかの確認は、法令違反のリスクを避けるうえでも欠かせません。

自社の体制に合う対応範囲・スピード・柔軟性があるか

既存の給与システムをそのまま使えるか、勤怠データの提出形式は自社の運用に合うか、締め日から支給日までのスケジュールに間に合うかを確認しましょう。従業員ごとに異なる手当や複雑な給与体系がある場合は、そうしたイレギュラーにどこまで対応できるかも確かめておきます。導入前のヒアリングやテスト計算に応じてくれる依頼先ほど、運用開始後の食い違いが起きにくくなります。

料金が業務範囲に見合い、総額で比較できるか

基本料金と従業員1人あたりの単価、年末調整など季節性業務の追加費用まで含めた総額で比べましょう。従業員数が今後増える見込みがあれば、人数が増えたときの単価も確認しておきます。見積もりは複数社から同じ業務範囲の条件で取り、金額だけでなく対応範囲とあわせて判断することが大切です。

セキュリティ体制と責任分担が明確か

従業員の個人情報を預ける以上、プライバシーマークやISMS(ISO/IEC 27001)といった第三者認証の取得状況、データの取り扱いルール、万一の漏洩時の責任分担を契約で確認しましょう。どの業務をどちらが担うのか、計算ミスが起きた場合の対応をどうするのかを、契約書で明確にしておくとトラブルを避けられます。

依頼の進め方と準備するもの

依頼先の見当がついたら、次の流れで見積もり取得から契約まで進めます。事前に社内の情報を整理しておくと、見積もりの精度が上がり、依頼後のやり取りもスムーズになります。

  1. 基礎資料をそろえる:就業規則・賃金規程、従業員名簿、勤怠データ、現在の給与計算の手順や使用しているソフトの情報を用意します。
  2. 依頼したい業務範囲を明確にする:給与計算のみか、社会保険手続き・年末調整まで含めるかを決め、現状の課題と合わせて整理します。
  3. 複数社に見積もりを依頼する:同じ業務範囲・従業員数の条件で見積もりを取り、料金と対応範囲を並べて比較します。
  4. 契約を締結する:業務範囲・責任分担・セキュリティ・納期を契約書で確認し、締結します。テスト計算で自社の給与体系に合うかを確かめてから本番に移ると安心です。

給与計算を任せられるサービスを比べる

ここからは、給与計算を依頼できる代行会社・BPO・ソフト一体型のサービスを、対応業務や特徴とあわせて紹介します。より多くのサービスを横断的に比較したい場合は、給与計算アウトソーシングの比較記事もあわせてご覧ください。従業員規模別の選び方や業務範囲・料金体系まで、依頼先を34サービスから絞り込めます。

以下に挙げるのは、給与計算を会計や労務とあわせて受ける代行会社・BPO・ソフト一体型のサービスが中心です。社会保険手続きまで一体で任せたい場合は社労士(社労士が関与する体制)が軸になるため、各サービスの社会保険手続きへの対応は個別に確認し、必要に応じて上記の比較記事や社労士への依頼もあわせて検討してください。

社労士・税理士に直接頼む場合は、顧問税理士がいればまず相談し、社労士は都道府県の社会保険労務士会や、給与計算の対応をうたう社労士事務所から探せます。

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サービス名Tenbook(テンブック)Wheat Accountingマネーフォワード おまかせ経理ジョブカンBPOfreee人事労務アウトソース
依頼先タイプ経理代行(会計・税務が主体)経理代行経理代行(BPO)給与計算代行人事労務代行
給与計算△オプション対応●●●●
賞与計算△オプション対応△オプション対応●公式に記載なし●
年末調整△オプション対応△オプション対応公式に記載なし●●
社会保険手続き公式に記載なし△社労士と連携して対応(公式注記)△提携先を案内(労務顧問オプション)公式に記載なし公式に記載なし
料金の目安要問い合わせ
(給与計算は経理代行のオプション・金額は公式に記載なし)
月30,000円〜
(月額定額プラン)
月10万円〜(税抜)
(例: 従業員5名で月10万円)
要問い合わせ
(料金は非公開)
月95,000円〜(税抜)
(50名分込み・追加1人 月1,900円)
特徴記帳〜決算・税務申告が主体の経理代行。クラウド会計「10book」を契約者へ無料提供経理DXとプロの運用を両立。全国オンライン対応・法人のみマネーフォワード クラウド導入〜実務代行をワンストップ。税務申告は対象外ジョブカン給与計算と社労士が連携して運用。勤怠確認〜Web明細発行まで対応freee人事労務の上で代行。入退社手続き・住民税更新にも対応
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

1. Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

Tenbookは、シンアカウンティングサービス株式会社が運営するクラウド型の経理代行サービスです。記帳や決算準備といった経理業務を主軸としつつ、オプションとして給与計算・賞与計算、年末調整、退職者の源泉徴収票の作成にも対応します。経理と給与計算をまとめて外部に任せたい、売上規模が比較的小さい企業に向いています。料金はプランにより異なるため、依頼したい範囲を伝えて見積もりを確認するのが確実です。

2. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

Wheat Accountingのウェブサイト

経理のDX化と専門スタッフによる運用を両立させるのが、株式会社Wheatが手がける経理アウトソーシング「Wheat Accounting」です。経理業務を中心に、給与計算にも対応します。クラウドツールを活用しながら実務を代行する設計で、少人数から始めたい成長企業にも利用しやすいサービスです。対応範囲や料金はプランによって異なるため、自社の業務量に合わせて相談するとよいでしょう。

給与計算を外部に委ねたとき、処理にかかる期間や工数がどう変わるのか。同社の佃誠吾氏は、取材のなかで次のように述べています。

佃誠吾氏
株式会社Wheat 代表取締役
佃誠吾氏
独自インタビューより

業務効率化の事例としては、従業員100名規模のお客様で、Excelを用いた手作業で、完了までに1週間を要していた給与計算業務の事例です。システムの最適化と人員配置の再設計を徹底した結果、2〜3日での完了を実現。コスト・工数ともに50%以上の削減に繋がりました。これは個人のスキルに頼るのではなく、業務プロセスを正しく組み立て直したことによる成果です。

3. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード おまかせ経理のウェブサイト

会計ソフト「マネーフォワード クラウド」を提供する株式会社マネーフォワードが手がける経理・バックオフィスの代行サービスが、マネーフォワード おまかせ経理です。記帳や支払業務に加えて、給与・賞与の計算や振込にも対応します。

マネーフォワード クラウドのシリーズと連携して運用できる点が特徴で、会計から給与まで同じ基盤でまとめたい企業に向いています。従業員規模に応じた料金が設定されており、人数と依頼範囲に合わせて見積もりを確認できます。

4. ジョブカンBPO(株式会社DONUTS)

ジョブカンBPOのウェブサイト

勤怠管理・給与計算のソフト「ジョブカンシリーズ」を提供する株式会社DONUTSが、社労士と連携して給与計算を代行するのがジョブカンBPOです。勤怠の確認から給与計算、Web明細の発行、年末調整までを公式に対応業務として掲げています。

すでにジョブカンで勤怠を管理している企業であれば、データの連携を活かして給与計算まで任せやすいのが利点です。賞与計算や社会保険手続きなどの対応範囲は、依頼時に個別に確認するとよいでしょう。

5. freee人事労務アウトソース(freee株式会社)

freee人事労務アウトソースのウェブサイト

freee人事労務アウトソースは、クラウド人事労務ソフト「freee人事労務」の上で、freeeが給与計算業務を代行する一体型のサービスです。月次の給与計算・賞与計算に加え、年末調整や住民税の更新、入退社手続きなどに対応します。

ソフトとアウトソースが同じ基盤でつながるため、システムと代行をまとめて導入したい企業に向いています。料金は公式の料金表で、月95,000円(従業員50名分を含む)に加えて、追加1名あたり月1,900円(税抜)と案内されています。

まとめ

給与計算の依頼先は、社会保険手続きまで任せたいなら社労士、年末調整の税務まで一括で任せたいなら税理士、処理量が多く業務ごと任せたいなら給与計算代行会社(BPO)が軸になります。給与計算そのものは資格がなくても代行できますが、社会保険手続きと年末調整の税務はそれぞれ社労士・税理士の独占業務にあたるため、代行会社に任せる場合は有資格者を確保しているかの確認が欠かせません。

まずは「給与計算だけか、社会保険手続き・年末調整まで含めるか」という任せたい業務範囲と従業員数を決め、同じ条件で複数社から見積もりを取って、料金と対応範囲・セキュリティ体制をあわせて比較しましょう。自社に合う依頼先を見極めることが、給与計算の負担を安心して手放す第一歩になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 給与計算の外部依頼(アウトソーシング)とは何ですか?

A. 給与計算の外部依頼とは、従業員ごとの支給額・控除額の計算や給与明細・振込データの作成といった業務を、自社の外の専門家や事業者に任せることです。主な依頼先は社会保険労務士(社労士)・税理士・給与計算代行会社(BPO)の3つで、どこまでの業務を任せるかによって適した依頼先が変わります。

Q. 給与計算は社労士と税理士のどちらに依頼すべきですか?

A. 給与計算の依頼先は、社会保険・労働保険の手続きまで任せたいなら社労士、年末調整の税務計算まで一括で任せたいなら税理士が適しています。社会保険手続きは社労士、年末調整の税務は税理士のそれぞれ独占業務にあたるため、どちらの付随業務まで任せたいかで選ぶのが基本です。給与計算だけを任せたい場合は、どちらでも、または給与計算代行会社でも対応できます。

Q. 給与計算だけを依頼し、年末調整や社会保険手続きは社内で続けることはできますか?

A. できます。給与計算のみの依頼を受け付けている依頼先は多く、毎月の計算・明細発行・振込データ作成だけを切り出して任せられます。年末調整や社会保険手続きは社内で続ける、あるいは別の依頼先に分けるといった組み合わせも可能です。任せたい範囲を先に決めてから依頼先を選ぶと、過不足のない見積もりを取りやすくなります。

Q. 給与計算の外部依頼は従業員が何人から検討すべきですか?

A. 給与計算の外部依頼に明確な人数基準はなく、給与計算が担当者ひとりに偏って属人化している、従業員の増加で社会保険手続きや年末調整まで手が回らない、といった課題が出てきた時点が検討の目安です。従業員が数名でも、担当者の退職・休職で業務が止まるリスクがあるなら検討する価値があります。

Q. 給与計算代行会社に依頼すると違法になることはありますか?

A. 給与計算の計算事務そのものは資格がなくても行えるため、代行会社への依頼自体が違法になることはありません。ただし、無資格の業者が社会保険・労働保険の手続きや年末調整の税務まで自ら引き受けると、社会保険労務士法第27条・税理士法第52条に違反するおそれがあります。これらの付随業務まで任せたい場合は、依頼先が社労士・税理士と提携しているか、有資格者を社内に擁しているかを必ず確認してください。

出典・参考資料(2件)

Q. すでに顧問税理士がいる場合、給与計算はどう依頼すればよいですか?

A. 顧問税理士がいる場合は、毎月の給与計算から年末調整までを税理士に一括で任せる方法のほか、給与計算は自社のクラウドソフトで行い、年末調整や税務申告のデータだけを税理士と共有・連携する方法もとれます。やり取りの窓口をまとめたいなら前者、社内にノウハウを残しつつコストを抑えたいなら後者が向いています。

Q. 社内に給与計算の経験者や人事担当がいなくても依頼できますか?

A. できます。多くの依頼先は導入前のヒアリングで現状の給与体系や運用を確認したうえで業務を引き受けるため、社内に専任の担当者や十分な知識がなくても依頼できます。むしろ属人化や知識不足が課題になっている企業こそ、外部依頼の効果が出やすいといえます。

Q. 給与計算を依頼すると、新しいシステムやソフトの導入は必要ですか?

A. 必ずしも必要ではありません。必要なデータを渡せば、既存の運用のまま給与計算を任せられる依頼先が多い一方で、自社のクラウドソフトの基盤に載せて代行する一体型のサービスもあります。既存のシステムを使い続けたいか、システムごと任せたいかを、依頼先選びの際に確認するとよいでしょう。

Q. 給与計算を依頼すると、就業規則や賃金規程の見直しも相談できますか?

A. 社労士が関与する依頼先であれば、給与計算に合わせて就業規則・賃金規程の作成や改定まで相談できる場合があります。就業規則の作成・届出は社労士の業務にあたるため、給与ルールと規程を一体で整えたい場合は、社労士が関わる体制かどうかを確認するとよいでしょう。

Q. 給与計算を依頼すると、自社の給与システムを直接操作してもらえますか?

A. 対応できる依頼先もありますが、システム設定のミスが起きた際に責任の所在が曖昧になるため、直接操作を推奨しない事業者もあります。必要なデータを受け渡す形で代行するのが一般的です。既存システムを使ったまま任せたい場合は、データの受け渡し方法や操作範囲を事前にすり合わせておくと安心です。

Q. 複数の事業所や支店がある場合でも給与計算を依頼できますか?

A. できます。事業所ごとに給与体系や締め日が異なっても、ヒアリングのうえで対応し、給与明細を事業所ごとに送付できる依頼先もあります。拠点が分かれている場合は、各拠点の勤怠データの集約方法や明細の配布方法を、見積もり時に具体的に相談しておくとスムーズです。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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