案件や工事、製品ごとの原価が締めのあとにしか分からず、採算が見えないまま次の受注や見積もりに進んでいませんか。ExcelやクラウドCRM・会計ソフトの部門別機能では、外注費・材料費・工数の人件費換算や共通費の配賦が手作業になりやすく、原価の把握が属人化しがちです。
自社の業種や原価計算の粒度に本当に合う製品を選ぶには、どのような観点で見比べればよいのでしょうか。製品ごとに対応する業種や原価計算の範囲が異なるため、自社の要件を軸に見極めることが欠かせません。
本記事では、原価管理システムを対応業種・原価計算方式・配賦の対応範囲・料金・既存システムとの連携で比較します。製造・建設・プロジェクト型といった業種ごとの選び方や、個別原価・標準原価・配賦の対応をどう見極めるかを整理しました。資料請求する候補を数本に絞り込むための判断材料としてご活用ください。
自社に合うタイプが判断しづらい場合に向けて、30秒で終わる選定診断ツールも用意しています。
目次
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原価管理システムは、対応する業種や原価の管理単位(案件・工程・工事・基幹)、原価計算方式や配賦の対応範囲、料金、既存の会計・ERPとの連携によって、自社への向き不向きが分かれます。まずは自社が重視する基準を決めて、各製品を見比べてみてください。
関心のある基準から下の比較表とタイプ別の整理を見ていけば、自社の要件に合う候補を数本に絞り込めます。
どのタイプが自社に近いか判断しづらい場合は、業種や管理単位、重視する点から候補を示す選定診断ツールもご活用ください。
【比較表】対応業種・原価計算方式・配賦・料金・連携で比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要な原価管理システムを4つのタイプ別に整理してご紹介します。対応業種・原価計算方式・配賦の対応範囲・提供形態・料金・会計やERPとの連携を横断で比較できる形にまとめました。
各タイプの表は、料金を公表している製品を料金の安い順に、非公表の製品はその後に並べています。掲載内容は2026年10月時点の各社公式情報に基づき、公開されていない料金は「要お問い合わせ」としています。

プロジェクト・案件の個別原価を管理するタイプの比較
案件やプロジェクト単位で売上・外注費・工数・人件費を紐づけ、採算を可視化する製品を比較します。
| サービス名 | Lychee Redmine | Reforma PSA | プロカン | マネーフォワード クラウド個別原価 | MA-EYES | HUE Classic Project Management | SMILE V 2nd Edition Project Director | プロジェクト収支管理Rebo | プロジェクトマネジメントDX Flagxs | LEEAD |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業種・管理単位 | IT・製造・金融など業種を問わず プロジェクト単位 | IT・広告・イベント・コンサル・制作など 案件・プロジェクト単位 | IT・制作・建設など受託型ビジネス 案件(プロジェクト)単位 | IT・SaaS・クリエイティブ・コンサルなど プロジェクト単位 | システム開発・SES・コンサル・広告など プロジェクト単位(製品・ジョブ単位も可) | SI・工事・コンサル・研究開発など プロジェクト単位 | ソフトウェア・IT・広告制作・サービス業 案件(プロジェクト)単位 | 企画・制作業(広告・TV・映画・アニメ・イベント等) 案件単位 | 中〜大企業・SI企業中心(全業種対応) プロジェクト単位 | クリエイティブ・広告/企画、士業・コンサル、IT・システム業 プロジェクト単位 |
| 原価計算・配賦の対応 | プレミアムプラン以上で工数単価×作業時間の人件費自動算出とEVMに対応。配賦・標準原価計算は公式に記載なし | 案件別の個別原価を自動計算。工数登録を前提に労務費配賦・共通費配賦に対応(配賦基準の詳細は公式に記載なし) | 案件別の予算・実績・原価管理。工数×労務単価で人件費を原価換算(配賦基準の設定可否は公式に記載なし) | プロジェクト別に原価を算出。部門・プロジェクトへ多段階配賦(工数比率・従業員数比率・売上予算比率・面積比率・カスタム) | 工数×基準時間単価で労務費を算出。配賦基準に工数・人数・売上高・人件費比率や面積なども設定可 | 工程と配属人員を積み上げた予定原価・予実管理。月次決算で人件費算出・配賦処理(配賦基準・標準原価は公式に記載なし) | 案件別の原価・収支管理。社員別単価×工数で労務費を自動算出(標準原価・配賦は公式に記載なし) | 案件別に売上と原価(仕入・外注費等)を紐づけ予実対比。配賦・標準原価・工数/人件費は公式に記載なし | プロジェクト損益管理(P/L)で要員グレード別単価×工数から人件費を自動換算(配賦・標準原価は公式に記載なし) | 案件別に売上・工数・費用の予実を管理。プロジェクト単位で人件費の原価設定が可能(配賦・標準原価は公式に記載なし) |
| 提供形態 | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド(SaaS/SaaS+/一括の3形態) | オンプレミス(AWS/OCI上での運用代行も選択可) | 公式に記載なし | クライアントサーバ型パッケージ(買い切り) | クラウド | クラウド |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 0円 | 150,000円(税込165,000円)〜 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(買い切り型。年間サポートはパッケージ価格の10%) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 0円〜2,100円/ユーザー(税別。10ユーザー単位。原価管理機能はプレミアム1,400円/ユーザー〜) | 30,000円(税抜)〜(ライセンス従量制) | 30,000円(税込33,000円)〜(ID数に応じて変動) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 月額課金なし | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 会計・ERP連携 | REST API・Slack/Teams連携(会計システム連携は公式に記載なし) | 勘定奉行クラウド・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計などへ仕訳データをファイル連携 | 弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードと連携(業種別ページ記載) | マネーフォワード クラウド会計Plus・勤怠/工数管理システムと連携 | 勘定奉行クラウドとAPI連携。各種マスタ・仕訳の連携に対応 | 月次決算で原価計算→仕訳→会計連携(連携先製品名は公式に記載なし) | SMILE V 会計・eValue V ワークフロー・勤次郎と連携 | 勘定奉行・大蔵大臣にアドオン連携(単独版はCSV出力) | 会計・販売管理システムとの連携は公式に記載なし | 収支・工数・経費データのCSV連携が中心(指定API連携は公式に記載なし) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※各社の公式情報をもとに作成しています(2026年10月時点)。料金を公表している製品を、公表されている料金の安い順に並べ、非公表の製品はその後に掲載しています。料金・対応状況は変更される場合があるため、最新情報は各社の資料でご確認ください。
製造・工程の原価を管理するタイプの比較
製品・品目・工程別に製造原価を積み上げ、共通費を配賦する製品を比較します。標準原価・差異分析に対応する製品も含みます。
| サービス名 | MCFrame XA 原価管理 | スマートF | STRAMMIC |
|---|---|---|---|
| 対応業種・管理単位 | 製造業(大手〜中堅グループ企業) 製品・工程・指図単位 | 製造業(食品・化学・金属加工・自動車部品など) 製品・工程単位 | 製造業(バッチ・プロセス型/加工組立型) 製品・工程単位 |
| 原価計算・配賦の対応 | 標準・予算・実際・速報原価の4方式。個別原価・総合原価に対応。直接/相互/階梯式配賦を部門・品群・品目単位で設定可 | 生産管理の原価管理モジュールを提供(原価計算方式・配賦基準の詳細は公式に記載なし) | 複数の原価種別を定義・比較。ABC(活動基準原価計算)で配賦基準を複数設定可(標準/実際原価は会計用語での明示なし) |
| 提供形態 | パッケージ(オンプレミス想定。クラウド提供可否は公式に記載なし) | クラウド(機能ごとにモジュール導入) | クラウド(IaaS)/オンプレミス/データセンター型 |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 会計・ERP連携 | MCFrame XA 生産管理・販売物流と一体導入。SOAベースのWebサービス連携 | 販売管理モジュール・外部システムとのCSV連携 | 生産・販売物流・調達モジュールと統合。外部会計システムと連携 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各社の公式情報をもとに作成しています(2026年10月時点)。料金を公表している製品を、公表されている料金の安い順に並べ、非公表の製品はその後に掲載しています。料金・対応状況は変更される場合があるため、最新情報は各社の資料でご確認ください。
工事・建設の原価を管理するタイプの比較
工事・現場単位で実行予算から実際原価・利益までを管理する製品を比較します。
| サービス名 | レッツ原価管理Go2クラウド | どっと原価NEO | 使えるくらうど工事台帳 |
|---|---|---|---|
| 対応業種・管理単位 | 建設業全般(個別原価管理が必要な業種) 工事(案件)単位 | 建設業・土木工事業 工事(案件)単位 | 建設業(工務店・電気・水道・リフォーム・解体など) 工事(案件)単位 |
| 原価計算・配賦の対応 | 工事単位で実行予算・実績を管理(原価モニター)。工事進行基準・出来高請求に対応(配賦基準の設定可否は公式に記載なし) | 工事別の実行予算・原価集計・出来高査定・工事台帳。中規模向けEXは工事進行基準・JV(共同企業体)管理に対応。原価配賦機能を提供 | 日報入力から工事台帳・原価管理・共通費配賦までを一気通貫で管理。共通費配賦機能を備える |
| 提供形態 | クラウド(Azure)/パッケージ(スタンドアロン・ネットワーク版) | オンプレミス/LAN(クラウド版は別製品「どっと原価3」) | クラウド(買い切り型) |
| 初期費用 | クラウド版11,000円〜220,000円(税込、1年契約、ユーザー数で変動) | 850,000円(税別)〜(NEO LT Aセット、別途KDSS保守年額102,000円〜) | 要お問い合わせ(買い切り型) |
| 月額費用 | クラウド版22,000円〜121,000円(税込、1年契約、ユーザー数で変動) | 月額課金なし(買い切り型。クラウド版「どっと原価3」は月額13,000円〔税抜〕〜) | 月額課金なし(買い切り型) |
| 会計・ERP連携 | 勘定奉行・PCA・弥生会計・大蔵大臣・会計王など複数の会計ソフトと連携 | 勘定奉行クラウド(3製品)・弥生会計と連携(会計連動オプション) | 会計連動機能(仕訳データ出力) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各社の公式情報をもとに作成しています(2026年10月時点)。料金を公表している製品を、公表されている料金の安い順に並べ、非公表の製品はその後に掲載しています。料金・対応状況は変更される場合があるため、最新情報は各社の資料でご確認ください。
会計・ERPと一体で原価管理するタイプの比較
基幹の会計・ERPと一体で、原価・配賦・部門別損益まで扱う製品を比較します。
| サービス名 | Oracle NetSuite |
|---|---|
| 対応業種・管理単位 | 中堅〜大企業・海外展開・グループ経営 全社(会計・在庫・案件単位) |
| 原価計算・配賦の対応 | 在庫は平均原価法・先入先出法・後入先出法等。案件原価は直接費・間接費を案件予算に配賦(SuiteProjects)。標準原価・製造原価計算は公式に記載なし |
| 提供形態 | クラウド(SaaS、OCI基盤) |
| 初期費用 | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 要お問い合わせ(年間ライセンス+初期費用) |
| 会計・ERP連携 | 会計・販売・在庫・CRMを単一基盤で統合するERP一体型 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る |
※公式情報をもとに作成しています(2026年10月時点)。料金・対応状況は変更される場合があるため、最新情報は各社の資料でご確認ください。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
この診断は案件・プロジェクトの個別原価や、会計・ERPと一体で原価を扱う製品を中心に候補を絞り込みます。製造・工程や工事・建設に特化した専用製品をお探しの場合は、上の比較表で対応状況を見比べてください。
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【タイプ別】対応業種・用途で選ぶ原価管理システム
原価管理システムは、どの単位で原価を集計し、どこまで配賦や採算分析を行うかによって得意領域が分かれます。自社が「案件・工程・工事・基幹のどの単位で原価を管理したいか」を起点に、主に以下の4つのタイプから自社に近いものを見極めると、候補を絞り込みやすくなります。
| 特徴 | 該当する主なサービス | 比較表 | |
|---|---|---|---|
| プロジェクト・案件の個別原価を管理したいタイプ | 案件・プロジェクト単位で売上・外注費・工数・人件費を紐づけ、採算をリアルタイムに可視化します。クラウド中心で導入しやすく、IT・制作・広告・SI・コンサルなどのプロジェクト型事業に向きます。 | マネーフォワード クラウド個別原価、プロカン、MA-EYES、Reforma PSA ほか | 比較表を見る |
| 製造・工程の原価を管理したいタイプ | 製品・品目・工程別に製造原価を積み上げ、工場共通費などの間接費を一定の基準で配賦します。標準原価を設定し実際原価との差異を分析する製品もあり、製造業の原価管理に向きます。 | MCFrame XA 原価管理、スマートF、STRAMMIC ほか | 比較表を見る |
| 工事・建設の原価を管理したいタイプ | 工事・現場単位で実行予算を組み、材料費・外注費・労務費を実際原価として積み上げ、工事ごとの利益を管理します。建設業・工事業の原価管理に向きます。 | どっと原価NEO、レッツ原価管理Go2クラウド、使えるくらうど工事台帳 ほか | 比較表を見る |
| 会計・ERPと一体で原価管理したいタイプ | 基幹の会計・ERPと同じ基盤で、原価の集計・配賦・部門別損益までを一体で扱います。中堅〜大企業や、基幹システムとの連携を重視する企業に向きます。 | Oracle NetSuite ほか | 比較表を見る |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別の製品における機能搭載の有無や提供形態については各社情報をご確認ください。
プロジェクト・案件の個別原価を管理したいタイプ
受注した案件やプロジェクトごとに、売上に対して外注費・材料費・工数から換算した人件費を紐づけ、利益額や利益率を把握するタイプです。クラウドで提供される製品が多く、見積から請求までの業務と採算管理をあわせて扱えるものもあります。
IT・制作・広告・SI・コンサルティングなど、原価の大半が人件費と外注費で構成されるプロジェクト型の事業に適しています。工数の人件費換算や間接費の按分をどこまで自動化できるかが、製品ごとの差になりやすい領域です。
製造・工程の原価を管理したいタイプ
製品や品目、工程ごとに材料費・労務費・経費を積み上げ、工場の共通費を一定の基準で各製品へ配賦するタイプです。あらかじめ設定した標準原価と実際の発生額を比べ、差異の原因を分析できる製品もあります。
個別受注生産では製造指図ごとに原価を集計する個別原価計算が、同種製品の連続生産では生産量で割る総合原価計算が用いられます。自社の生産形態に合う計算方式と配賦の設定ができるかを確認することが、この領域の製品選びの要点です。
製造業向けの専用製品を見極めるときは、品目・工程別の製造原価をどの粒度まで積み上げられるか、標準原価を設定して実際原価との差異を分析できるか、工場共通費の配賦基準を自社のルールどおりに組めるかが判断の軸になります。該当する代表的な製品の対応状況は、下の比較表で見比べられます。
工事・建設の原価を管理したいタイプ
工事や現場を1つの単位として実行予算を組み、材料費・外注費・労務費を実際原価として積み上げ、工事ごとの利益を管理するタイプです。見積から実行予算、発注、支払までを一連の流れで扱える製品が中心となります。
建設業・工事業では、複数の現場が同時に進むため、工事別に原価と進捗を突き合わせて早期に赤字を察知できるかどうかが重要です。自社の工事規模や業態に合う製品を選ぶ必要があります。
建設業向けの専用製品を見極めるときは、工事・現場別に実行予算と実際原価を対比できるか、工事進行基準や出来高の管理に対応するか、共通費の配賦ができるかが判断の軸になります。該当する代表的な製品の対応状況は、下の比較表で見比べられます。
会計・ERPと一体で原価管理したいタイプ
財務会計・販売管理・在庫管理などと同じ基盤の上で、原価の集計・配賦・部門別損益までを一体で扱うタイプです。原価のデータが会計に直結するため、二重入力を抑えながら全社の損益を把握できます。
中堅〜大企業や、複数の子会社・部門をまたいで原価を管理したい企業、基幹システムの刷新とあわせて原価管理を見直したい企業に向いています。原価の集計・配賦だけでなく、予実や経営管理まで広げて検討したい場合は、このタイプから候補を探すとよいでしょう。
こうした全社視点での検討には、原価管理に限らない管理会計システム全体を見渡すと選択肢が広がります。目的・規模別の選び方やタイプの違いは、カテゴリ全体をまとめた以下の記事で確認できます。
原価管理システムの選び方(比較ポイント)
タイプで当たりを付けたら、候補を詰めるための比較ポイントを確認します。以下の4つの観点から、自社の要件に照らして順に絞り込んでください。
管理したい原価計算・配賦の範囲に対応しているか
まず確認したいのは、自社が扱いたい原価計算の方式と配賦に製品が対応しているかです。導入後に「粒度が粗くて使えない」という失敗を避けるための、もっとも重要な確認事項です。

原価計算の方式は、何を単位に原価を集計するかで分かれます。原価計算基準は個別原価計算を「種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する」(第二章第四節 三一)と定めており、案件・工事・製造指図といった単位ごとに直接費と間接費を集計する方式です。
これに対し総合原価計算は、同種製品を反復連続的に生産する場合に、一定期間の生産量で原価を割って単位原価を求める方式です。自社が個別受注型か連続生産型かで、適した方式が変わります。
配賦とは、材料費や外注費のように案件へ直接ひもづく費用(直接費)に対し、工場共通費や間接部門費など直接ひもづかない費用を、一定の基準で各案件・各製品へ割り振ることをいいます。
原価計算基準でも「個別原価計算における間接費は、原則として部門間接費として各指図書に配賦する」(同 三三)と定められています。工数比率・人数比率・売上高比率など、どの基準で配賦できるかは製品によって幅があるため、自社の配賦ルールを再現できるかを確認しておきましょう。
標準原価を設定して実際原価との差異を管理したい場合は、標準原価計算への対応も確認します。原価計算基準は標準原価設定の最も重要な目的を「原価管理を効率的にするための原価の標準として標準原価を設定する」(同 第三章 四〇)と位置づけており、差異分析まで行いたい製造業では、この対応可否が選定を左右します。
出典・参考資料(3件)
本記事で取り上げた製品以外も含め、より多くの原価管理システムを網羅的に見比べたい場合は、対応製品を幅広く整理した以下の比較記事もあわせてご覧ください。候補の母数を広げて検討できます。
原価管理システム比較24選|原価計算の方式・差異分析・配賦で選ぶ
製品別・工事別・案件別の利益が、締めが終わるまで分からない。Excelの原価集計が担当者ひとりに集中していて、転記のたびに数字が合わなくなる。原価管理システムの検討は、たいていこうした行き詰まりから始まります。 ところが製品を並べてみると、…
既存の会計・ERP・販売管理と連携できるか
原価管理システムで集計した原価や仕訳を、既存の会計ソフトやERP、販売管理と連携できるかは、日々の工数に直結します。連携できないと、同じデータを原価側と会計側で二重に入力することになり、転記ミスや締め作業の遅れにつながります。
確認したいのは、自社が使っている会計・販売管理との連携実績があるか、そして連携方式がCSVの取り込みなのか、APIによる自動連携なのかの2点です。リアルタイムに近い形で損益を見たい場合はAPI連携の有無が、まずは手間を減らしたい場合はCSV連携の対応範囲が判断材料になります。同一ベンダーの会計製品と組み合わせる場合は、標準で連携できることが多く導入もスムーズです。
クラウド型かオンプレミス型か
提供形態は、導入のしやすさと運用方針の両面に関わります。クラウド型は初期費用を抑えて短期間で導入でき、法改正や機能追加のアップデートが自動で適用される点が利点です。プロジェクト型の原価管理では、クラウドで提供される製品が主流になっています。
一方で、自社のネットワーク内でデータを保持したい、基幹システムと密に作り込みたいといった要件がある場合は、オンプレミス型が選ばれることもあります。製造業・建設業向けの製品ではオンプレミス型も残っているため、自社のIT方針に合う提供形態かを確認します。
サポート・導入支援体制は十分か
原価管理システムは、自社の原価計算ルールや配賦基準を設定して初めて実務で使える状態になるため、導入時の支援が定着を左右します。設定の代行や初期データ移行の支援、業種別のテンプレートが用意されているかを確認しておくと安心です。
現場が工数や実績を入力する運用になる製品では、入力のしやすさや、問い合わせへの対応窓口・対応時間も重要です。導入後に現場の入力が滞ると原価が埋まらないため、運用に乗せるまで伴走してもらえる体制かどうかを見ておきましょう。
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原価管理システムの料金・費用相場
原価管理システムの料金は、提供形態・利用人数・扱う原価計算の範囲によって幅があります。ここでは価格を左右する要素と、料金を公開している製品の例を示します。
料金を左右する主な要素は、利用するユーザー数(ID数)、対応させる原価計算・配賦の範囲、会計やERPとの連携の有無の3点です。プロジェクト型のクラウド製品では、料金を公開している例として、Reforma PSAが初期費用0円・月額30,000円から、プロカンが初期費用150,000円・月額30,000円から利用できます(いずれも2026年10月時点の各社公式情報による)。
一方で、中堅〜大企業向けの製品やERP一体型・オンプレミス型は、利用規模や構成に応じた個別見積もりとし、料金を公開していないことが少なくありません。
そのため、料金はプランやオプション、連携範囲によって大きく変わります。各製品の初期費用・月額費用は、前掲のタイプ別比較表で公表されている実額を確認し、公開されていない製品は資料請求して自社の構成に応じた見積もりを取り寄せてください。
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原価管理システムおすすめ11選の詳細
ここからは、比較表で取り上げた製品を個別に解説します。提供会社・対応業種・原価計算や配賦の対応範囲・連携の特徴を整理しているので、気になる製品の詳細を確認してください。以下の番号は紹介の順番であり、優劣の順位を表すものではありません。
プロジェクト・案件の個別原価を管理するタイプ
案件・プロジェクト単位で売上と原価を紐づけ、採算を可視化するクラウド中心の製品です。工数の人件費換算や間接費の按分、見積から請求までの業務連携など、各製品の強みを確認してください。
1. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが提供する、IPO準備企業から中堅・上場企業までのプロジェクト型ビジネスを対象としたクラウド型の原価管理システムです。IT・システム開発、SaaS、クリエイティブ、コンサルティングなど、案件単位で収益と原価を管理する事業に向けて提供されています。
工数の入力から従業員別単価による労務費の按分、部門・プロジェクトへの多段階の間接費配賦、資産への振替仕訳までを、プロジェクト単位で一貫して扱えます。配賦基準はプロジェクト工数比率・部門従業員数比率・売上予算比率・面積比率のほか、任意のカスタム基準を設定できます。
マネーフォワード クラウド会計Plusや勤怠・工数管理システムと連携し、実労働時間のデータを工数入力へ反映できます。料金は利用人数や契約内容に応じた個別見積もりで、公式サイトでは公開されていません。
2. プロカン(株式会社PROCAN)

IT・制作・建設など、案件単位で進行する受託型ビジネスに特化した、株式会社PROCANが提供するクラウド型のプロジェクト収支管理システムです。「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3つのラインナップを業種別に用意しています。
案件ごとに予算・実績・原価・工数・外注費を集約し、収支をリアルタイムに可視化します。見積書・請求書・発注書などの帳票作成から稟議・承認までを、1つの入力データから処理できます。会計ソフトは弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードとの連携が業種別ページで案内されています。
初期費用は150,000円(税込165,000円)から、月額費用は30,000円(税込33,000円)からで、利用するID数に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとしても案内されています。
3. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

工数・原価・売上をプロジェクト単位で一元管理するクラウド型ERPで、株式会社ビーブレイクシステムズが提供しています。システム開発・SES・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネス向けの「V ver.」と、広告業界向けの「A ver.」の2ラインナップがあります。
作業実績として入力した工数に、マスタに設定した基準時間単価を掛けて労務費を算出し、案件原価に反映します。間接費・共通費の配賦基準には工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数といった情報も設定できます。
提供形態はSaaS版・SaaS+版・一括版の3種類から選べ、30日間の無料トライアルが用意されています。料金は利用人数や利用機能によって変わる個別見積もりで、公式サイトでは公開されていません。
4. Reforma PSA(株式会社オロ)

株式会社オロが、より大規模な企業向けのクラウドERP「ZAC」の機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けに絞ってパッケージ化した製品です。IT・広告・イベント・コンサルティング・制作・設計など、案件単位で業務が進む業種を対象としています。
実行予算(利益計画)の入力と原価の自動計算により、仕掛中の案件でも損益をタイムリーに把握できます。工数登録を前提とした労務費配賦・共通費配賦に対応し、会計システムへは固定フォーマットのファイルで仕訳データを連携します。
初期費用は0円、月額費用は最低30,000円(税抜)からで、利用する機能と人数に応じたライセンス従量制です。導入期間は1〜2か月程度が目安とされています。
5. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

SI・工事・コンサルティング・研究開発など、あらゆるプロジェクト型の業種・業態を対象とするプロジェクト収支管理システムです。請負・準委任・派遣・保守・社内プロジェクトといった契約形態に対応し、株式会社ワークスアプリケーションズが提供しています。
案件別の予算と実績を月次・勘定科目別に対比し、当初計画から完成見込みまでの収支推移を追跡できます。事前に設定した基準値で赤字見込みの案件を知らせる機能も備えます。月次決算では原価計算から仕訳作成、会計システムへの連携までを行います。
提供形態は自社運用のオンプレミス型パッケージに加え、AWSやOracle Cloud上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」も選択できます。料金は公式サイトでは公開されておらず、要お問い合わせとなっています。
6. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK/販売元:株式会社大塚商会)

案件単位で見込みの発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを一元管理する、サービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。株式会社OSKが開発し、株式会社大塚商会が販売・サポートを担っています。
案件ポータル画面で進捗と収支を一画面で確認でき、収支管理帳票はプロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で出力できます。Web画面で入力した工数は、社員別に設定した単価と掛け合わせてJOBごとの労務費へ自動で反映されます。
勤怠管理「Universal 勤次郎」や会計システム「SMILE V 2nd Edition 会計」との連携先が公式に示されています。案件別の原価と収支の管理が中心で、標準原価計算や配賦については公式サイトに記載がありません。料金は要お問い合わせです。
7. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

株式会社ディータイドが提供する、企画・制作業向けのプロジェクト収支管理システムです。クラウドのSaaSではなく、自社やプライベートクラウドで運用するクライアントサーバ型のパッケージソフトウェアである点が特徴です。
ソフトウェア開発、広告・TV番組・映画・アニメーションなどのコンテンツ制作、イベント企画運営といった業種を対象としています。案件ごとに売上と仕入・外注費などの原価を紐づけ、受注金額に対する利益額・利益率を把握できます。売上予算・原価予算を月単位で登録して予算と実績を対比し、案件収支管理表で差異を確認できます。
勘定奉行・大蔵大臣にはアドオン版が対応し、伝票登録と同時に仕訳データを書き込めます(単独起動版はCSV出力で連携)。配賦や標準原価、工数・人件費の原価計上については公式サイトに記載がありません。料金は月額課金ではなく買い切り型のパッケージ価格(年間サポートはパッケージ価格の10%)で、金額は非公開です。
8. Lychee Redmine(株式会社アジャイルウェア)

オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」をベースに、ガントチャートやカンバンなどの機能を拡張した有償のプロジェクト管理ツールです。株式会社アジャイルウェアが開発し、クラウド版とオンプレミス版の両方を提供しています。
プレミアムプラン以上では、工数単価と作業時間から人件費を自動で算出するコストマネジメント機能が使えます。スケジュール効率指数・コスト効率指数で進捗と予算を管理するEVM(出来高管理)や、経費入力・予算実績の可視化にも対応します。
クラウド版の月額料金は1ユーザーあたりフリー0円・スタンダード900円・プレミアム1,400円・ビジネス2,100円(いずれも税別、10ユーザー単位)です。工数・原価・EVMの各機能は、プレミアムプラン(1ユーザー月額1,400円)以上で利用できます。全有料プランに30日間の無料トライアルがあります。
9. プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス株式会社)

WBS(作業分解構成図)による計画の標準化を軸に、進捗管理からレポート作成までを一つの流れで可視化する、クラウド型のプロジェクトマネジメントプラットフォームです。フラッグス株式会社が提供し、中〜大企業やSI企業を主な対象としています。
2024年10月に追加されたプロジェクト損益管理(プロジェクトP/L)では、要員グレード別に設定した単価をもとに工数実績から人件費を自動換算します。進行中の案件単体の損益を予実で把握でき、全社横断のリソースアサイン管理では複数案件を掛け持つメンバーの過剰な割り当ても特定できます。
ISO/IEC 27001(情報セキュリティ)とISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ)を取得しています。料金は公式サイトで明示されておらず、要お問い合わせとなっています。
10. LEEAD(株式会社ETVOX)

プロジェクト単位の収支管理に機能を絞った、プロジェクト会計クラウドです。株式会社ETVOXが提供し、クリエイティブ・広告/企画業、士業・コンサルティング業、IT・システム業を対象業種として掲げています。
案件ごとに売上・工数・費用の計画値と実績値を登録して予実を管理し、半年から1年先の収支見通しや人員計画を見える化します。部署横断・顧客別・独自グループ別のセグメント分析により、事業全体のなかで個別案件の収益性を判断できます。
2025年10月には、日単位で実績工数を入力し本体へ自動連携する「LEEAD工数管理」が追加されました。会計システムとの連携はCSVの取り込み・書き出しが中心です。料金は公式サイトでは非公開で、30日間の無料トライアルが用意されています。
会計・ERPと一体で原価管理するタイプ
基幹の会計・販売・在庫と一体で、原価・配賦・部門別損益まで扱える製品です。原価のデータが会計に直結する点を踏まえ、対応範囲を確認してください。
11. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

日本オラクル株式会社が日本国内で提供・サポートするクラウドERPで、会計・財務管理を中核に、受発注・在庫・調達・サプライチェーン管理を単一のプラットフォームに統合します。原価管理も独立したシステムではなく、在庫や購買、会計と同じデータベース上で扱える点が、ERP一体型としての位置づけです。
原価面では、在庫アイテムごとに平均原価法・先入先出法(FIFO)・後入先出法(LIFO)などの原価計算方法を設定でき、ロット単位のコストや輸入諸掛も追跡できます。購買では発注書・受領記録・請求記録の3方向照合で差異を明示し、アドオンのSuiteProjectsを使えば発注を案件に紐づけ、直接費・間接費を案件予算に配賦できます。
標準原価・実際原価や製造原価計算(BOM・製造指図)への対応は公式サイトに明記がなく、導入前に個別の確認が必要です。料金はコア・プラットフォーム、オプションモジュール、ユーザー数で構成される年間ライセンス料に初期費用が加わる形で、金額は要問い合わせとなっています。
原価管理システムとは
原価管理システムは、案件・工程・工事・製品といった単位ごとに原価を集計し、予算と実績を比べながら採算を可視化するためのシステムです。材料費・外注費・労務費・経費を集め、間接費を配賦し、見積や予算に対する実際原価の差を見える化します。
そもそも原価管理とは何かについて、日本における原価計算の考え方を示した原価計算基準は、次のように定義しています。
ここに原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう。
出典:原価計算基準 第一章 一(原価計算の目的)|企業会計審議会(1962年) 条文参照:Wikibooks
標準を決めて実績を記録し、差異を分析して改善につなげるというこの流れは、原価管理システムが担う役割そのものです。原価計算基準は企業会計原則の一環を成す実践的な指針であり、法律のような強制力を持つものではありませんが、原価計算の用語や考え方のよりどころとして広く用いられています。
原価管理システムでできること・主な機能
原価管理システムは製品によって得意領域が異なりますが、共通して次のような機能を備えています。
- 原価の集計:案件・工程・工事・製品などの単位で、材料費・外注費・労務費・経費を集計します。
- 配賦:直接ひもづかない共通費・間接費を、工数比率や人数比率などの基準で各単位へ割り振ります。
- 予実管理・差異分析:予算や標準原価に対して実際の発生額を比較し、差異と原因を可視化します。
- 労務費の算出:工数の実績に単価を掛け合わせ、人件費を原価へ反映します。
- 会計・ERP連携:集計した原価や仕訳を会計システムへ連携し、二重入力を防ぎます。
Excel・会計ソフトの部門別機能から専用システムに移すメリット
Excelや会計ソフトの部門別機能でも原価の集計はできますが、案件や工程の数が増えると、関数やマクロが複雑になり、作成者以外に仕組みが見えにくくなります。担当者の異動や退職で業務が止まるリスクや、手作業による計算ミスも避けにくくなります。
専用システムに移すと、原価の集計・配賦・差異分析が定型の処理になり、締めを待たずに進行中の案件の採算を把握できます。工数入力から人件費への換算、会計への連携まで自動化されることで、属人化を解消し、早い段階で赤字の案件に手を打てるようになります。
原価管理システム導入・運用の注意点(失敗を避けるために)
原価管理システムは、導入すれば自動で原価が埋まるわけではありません。運用でつまずきやすい点をあらかじめ押さえておくと、導入後の失敗を避けられます。
第一に、自社の原価計算と配賦の方法に製品が本当に対応しているかを、導入前に確認することです。原価差異の分析は、実際の発生額と予定・標準との差額を比べて原因をたどる作業であり、自社の計算方式を再現できない製品では、集計はできても意思決定に使えるデータになりません。比較表や資料で対応範囲を見極め、可能であればトライアルで自社のデータを入れて検証します。
第二に、現場の入力負担です。原価は、工数や実績が現場から入力されて初めて埋まります。入力が滞ると原価が実態からずれるため、入力のしやすさや、既存の勤怠・工数管理との連携で手入力を減らせるかを確認しておきましょう。
第三に、運用の定着までに一定の時間がかかる点です。初期の設定やデータ移行、現場への周知には工数が必要になるため、導入支援の体制を確認し、無理のないスケジュールで段階的に進めることが、失敗を避けるうえで大切です。
まとめ
本記事では、原価管理システムについて、対応業種・用途でのタイプ分けと、原価計算方式・配賦の対応範囲・料金・連携という比較ポイントを整理し、主要な製品をタイプ別に比較しました。
製品選びで最も重要なのは、自社が「どの単位で原価を管理したいか」と「自社の原価計算・配賦に製品が対応しているか」を最初に見極めることです。対応業種・原価計算方式・配賦・料金といった確かめられる事実で見比べれば、自社に合う候補を数本に絞り込めます。
MCB FinTechカタログでは、これらの原価管理システムの詳細な資料を無料で請求できます。ぜひ各社の資料をご覧になって、自社に最適なシステムの比較検討を進めてください。
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原価管理システムのよくある質問(FAQ)
Q. 原価管理システムとは何ですか?
A. 原価管理システムとは、案件・工程・工事・製品といった単位ごとに材料費・外注費・労務費・経費を集計し、予算や標準原価と実績を比べて採算を可視化するためのシステムです。直接ひもづかない共通費・間接費を一定の基準で配賦し、見積や予算に対する実際原価の差異を見える化することで、締めを待たずに進行中の案件の利益を把握できます。
Q. 原価管理システムと会計ソフトや管理会計システムは何が違うのですか?
A. 原価管理システムは、会計ソフトや管理会計システムよりも細かい単位(案件・工程・工事)で原価を集計し、配賦や差異分析まで行う点が異なります。会計ソフトの部門別機能は全社・部門の損益把握が中心で、案件や工程ごとの採算までは粒度が粗くなりがちです。予実や経営管理まで広く扱いたい場合は管理会計システム、原価の集計・配賦に絞って深く扱いたい場合は原価管理システムが向きます。
Q. 原価管理システムは自社の業種に合わせてどう選べばよいですか?
A. 原価管理システムは、「案件・工程・工事・基幹のどの単位で原価を管理したいか」を起点に、プロジェクト型・製造・工事建設・会計ERP一体の4タイプから自社に近いものを選ぶのが基本です。IT・制作などのプロジェクト型は案件別採算のタイプ、製造業は製品・工程別の製造原価と配賦に対応するタイプ、建設業は工事・現場単位のタイプ、基幹と一体で扱いたい場合はERP一体型が候補になります。
Q. 原価管理システムはクラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶべきですか?
A. 原価管理システムは、初期費用を抑えて短期間で導入したい場合はクラウド型、自社ネットワーク内でデータを保持したい・基幹と密に作り込みたい場合はオンプレミス型が向きます。プロジェクト型の製品はクラウドが主流で、法改正や機能追加のアップデートが自動で適用されます。製造業・建設業向けの製品ではオンプレミス型も残っているため、自社のIT方針に合う提供形態かを確認してください。
Q. 原価管理システムの料金相場はどのくらいですか?
A. 原価管理システムの料金は、クラウドのプロジェクト型で月額3万円程度から利用できる製品がある一方、中堅〜大企業向けやERP一体型・オンプレミス型は個別見積もりで料金を公開していない製品が多いのが実情です(2026年10月時点)。
料金は利用人数(ID数)、対応させる原価計算・配賦の範囲、会計やERPとの連携の有無によって変わります。公開されていない製品は、資料請求して自社の構成に応じた見積もりを取り寄せてください。
Q. 原価管理システムは中小企業でも導入できますか?
A. 原価管理システムは、初期費用を抑えられるクラウド型を中心に、中小企業でも導入できる製品が揃っています。利用するID数に応じた料金体系の製品が多く、少人数から始められます。まずは自社が管理したい単位(案件・工程・工事)に合うタイプを選び、小さく始められる製品から比較するとよいでしょう。
Q. 原価管理システムは個別原価計算と総合原価計算のどちらに対応していますか?
A. 原価管理システムが対応する原価計算方式は製品によって異なるため、自社が個別受注型なら個別原価計算、同種製品の連続生産型なら総合原価計算に対応する製品かを導入前に確認する必要があります。個別原価計算は種類の異なる製品を個別に生産する形態に、総合原価計算は同種製品を反復連続して生産する形態に用いられます。標準原価との差異分析まで行いたい製造業では、標準原価計算への対応可否も確認しておきましょう。
Q. 原価管理システムは既存の会計ソフトやERPと連携できますか?
A. 原価管理システムの多くは、集計した原価や仕訳をCSVの取り込みやAPI連携で会計ソフト・ERP・販売管理と連携でき、二重入力を防げます。連携方式がCSVか自動のAPI連携か、自社が使っている会計・販売管理との連携実績があるかを確認してください。同一ベンダーの会計製品と組み合わせる場合は、標準で連携でき導入もスムーズなことが多いです。
Q. 原価管理システムの導入から稼働まではどのくらいかかりますか?
A. 原価管理システムの導入期間は、製品や自社の規模によって幅があり、クラウドのプロジェクト型では1〜2か月程度で稼働できる例もあれば、基幹に関わる大規模な導入では数か月を要することもあります。自社の原価計算ルールや配賦基準の設定、初期データの移行、現場への入力周知に時間がかかるため、導入支援の体制を確認し、無理のないスケジュールで段階的に進めることが大切です。
Q. 原価管理システムは導入前に無料で試せますか?
A. 原価管理システムは、30日間程度の無料トライアルや試用期限付きのデモ環境を用意している製品が多く、契約前に操作性を確認できます。可能であれば、トライアルで自社の実際のデータを入れ、原価計算方式や配賦が自社のルールどおりに再現できるかまで検証すると、導入後に「粒度が粗くて使えない」という失敗を避けられます。
Q. 原価管理システムに既存のExcelや旧システムのデータを移行できますか?
A. 原価管理システムへのデータ移行は、CSVでの取り込みに対応する製品が多く、Excelや既存システムの過去データを引き継げます。移行できる項目の範囲や、初期データ移行を支援してもらえるかは製品によって異なるため、資料請求やトライアルの段階で確認しておくと安心です。
Q. 原価管理システムの帳票やレポートは自社に合わせてカスタマイズできますか?
A. 原価管理システムの帳票・レポートは、プロジェクト別・部門別などの切り口で出力でき、自社の様式に合わせてカスタマイズできる製品が多くあります。経営層への報告や社内稟議に使う形式が決まっている場合は、必要な集計軸や出力様式に対応しているかを、比較表や資料で確認してください。
Q. 原価管理システムのランキングや比較は何を基準に見ればよいですか?
A. ランキングや比較を見るときは、広告の出稿量や資料請求数の多さではなく、料金・対応業種・原価計算方式(個別/総合/標準)・配賦の対応範囲・会計やERPとの連携といった自社の判断軸で各製品を見比べることが大切です。単純な順位だけでは自社の原価計算に対応できるかまでは分かりません。上のタイプ別比較表と診断ツールを使えば、こうした観点から自社の要件に合う候補を見極められます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















