工数管理に対応したERPを探して製品ごとの機能一覧を見比べても、自社の工数入力が現場で続くのか、案件ごとの原価や収支までどこまで追えるのかは、資料だけでは判断しきれないのではないでしょうか。人件費が原価の大半を占めるプロジェクト型の事業では、ここを見誤ると赤字案件に気づくのが遅れます。
工数入力から案件別の収支まで、実際の画面でどこまで確かめられるかは製品によって幅があります。デモや無料トライアルの形式も、登録せずに触れるものから担当者による個別デモまでさまざまで、同じ「デモ」でも自分の手で操作して確かめられる範囲は製品ごとに異なります。
本記事では、工数管理ができるERP・基幹システムを、デモ・無料トライアルで試して選ぶという視点で比較・解説します。デモで確かめるべき観点や、製品ごとに「工数入力→原価配賦→案件収支」のどこまで試せるかを整理しました。資料請求やデモ申込の候補を数製品に絞り込む材料としてご活用ください。
また、自社の事業タイプや確かめたい範囲に合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事では、工数(さらに案件・プロジェクト単位の原価・収支)を扱えるERP・基幹システムのうち、デモ・無料トライアル・紹介動画で操作感を試せる製品を比較します。ここでいう工数管理は、案件や作業ごとに誰が何時間を費やしたかを記録・集計すること、プロジェクト収支は、案件(プロジェクト)単位で売上から原価を差し引いた損益を把握することを指します。
対象は、IT・システム開発、コンサルティング、広告・制作、建設・設備工事など、人件費が原価の多くを占め、案件単位で採算を見たい事業です。既存の会計や勤怠は入っているものの、工数や案件収支は表計算ソフトで管理している、という企業を主に想定しています。
一方、工数の記録だけで足りるなら工数管理の専用ツール、勤怠の延長で労務費まで押さえたいなら勤怠システムの工数オプションという選択肢もあります。工数が原価・収支に接続しない製品や、会計・販売・在庫を一体に持たない工数専用ツールとの違いは、後半の線引きの節で整理します。
工数管理やデモで試せることにこだわらず、ERP全般を企業規模・提供形態・費用で広く比較して選びたい場合は、以下の記事をご参照ください。
デモ・無料トライアルで試せる工数管理対応ERPの全体像
まず、デモ・無料トライアルで試せる工数管理対応ERPの全体像を、3つの枠組みでつかんでおきましょう。試せる「形式」、デモで確かめられる「範囲」、自社が当てはまる「タイプ」の3つがわかれば、どの製品のデモを申し込むべきかの見当がつきます。
デモ・無料トライアルの提供形式
「デモで試せる」といっても、試せる形式は製品ごとに異なります。主な形式は次のとおりで、確かめられることと、申し込みの手間が変わります。
- 登録不要のセルフデモ:申し込みなしで、ブラウザ上の架空データを自分で操作して画面の動きを確かめる形式です。手軽な反面、金額や収支を扱わないものもあります。
- 製品ツアー:主要な画面を順に案内し、機能のつながりをたどれる形式です。登録のうえ自分のペースで進めるものが多く見られます。
- オンラインの個別デモ:担当者が自社の使い方に沿って操作を見せ、その場で質問に答える形式です。自社の運用に引き寄せて確認できます。
- 紹介動画:操作の様子を収録した動画で、十数分で機能の流れを把握できます。視聴を申し込む形式のものもあります。
- 無料トライアル:実際に自社のデータで一定期間使う形式です。15日間や30日間を設ける製品があり、無料で使い続けられるプランを用意する製品もあります(2026年10月時点)。
工数入力の操作感を自分の手で確かめたいなら無料トライアルやセルフデモ、案件収支までの流れを担当者に聞きながら見たいなら個別デモ、というように、確かめたいことに合わせて形式を選ぶと無駄がありません。
デモで確認できる範囲の3段階
同じ「デモで試せる」でも、どこまで確かめられるかは製品によって次の3段階に分かれます。多くのプロジェクト型ERPは製品としては収支まで対応するため、デモで実際に差がつくのは、この3段階のどこまでを自分の手で試せるかです。

- 工数入力・集計まで:作業時間を入力し、プロジェクト別・タスク別に集計する操作を確認できる段階です。入力忘れや工数超過を知らせる仕組みの有無も、この段階で見られます。
- 原価配賦(人件費・労務費)まで:入力した工数に基準単価を掛けて労務費を算出し、案件の原価へ反映する流れを確認できる段階です。間接費を工数や人数で配賦する動きも含みます。
- 案件・プロジェクト収支まで:原価に外注費・経費を積み上げ、売上と対比して案件ごとの損益まで見られる段階です。進行中の案件の着地を予測できる製品もあります。
勤怠に付けた工数オプション単体では工数入力・集計までで止まり、原価は別の原価計算システムとの連携で実現する製品があります。一方、プロジェクト型のERPでは、工数入力から案件収支までを1つの基盤で通して確かめられます。どの段階まで試せるかは、デモを申し込む前に押さえておきたい点です。
自社が当てはまる工数管理ERPの3タイプ
工数をどこから扱う製品かという視点で見ると、工数管理に対応したERPは大きく3つのタイプに分けられます。自社がどこから入るかで、当たりを付けやすくなります。
- プロジェクト収支まで一気通貫のプロジェクト型ERP:工数入力から人件費の配賦・個別原価、案件別の収支までを1つの基盤で扱うタイプです。デモで「工数→原価→収支」の流れを通して確認できます。
- 勤怠管理システムの工数管理オプション:勤怠打刻と同じ画面で作業時間を入力し、集計・労務費計上や個別原価計算の連携まで広げるタイプです。無料お試しで工数入力と集計の操作感を確かめやすい形です。
- 工事・建設など業種特化のプロジェクト原価ERP:物件(プロジェクト)単位で見積から実行予算・手配・工数実績・原価までを扱う業種特化のタイプです。パートナー経由の実機デモで工事別の原価管理の機能を確認します。
どのタイプが自社に合うかの深い線引きは次の節で、具体的にどの製品が当てはまるかは、このあとの診断ツールと比較表で確かめられます。
勤怠の工数オプションで足りるか、プロジェクト型ERPまで要るか
前節で挙げた3タイプ(プロジェクト型ERP・勤怠の工数オプション・業種特化のプロジェクト原価ERP)は、いずれも工数を扱うERP・基幹システムです。ここでは一段手前に戻り、そもそもERPまで必要なのか、勤怠の工数オプションや工数管理の専用ツールで足りるのかという、多くの担当者が最も迷う分岐を見極めます。この判断は、デモで確かめるべき違いとセットで考えると進めやすくなります。

勤怠の工数オプションで足りるのは、工数の入力と集計、労務費の計上までを、勤怠と同じ画面で済ませたい場合です。ただし勤怠管理システムの中には、工数が補助的な記録にとどまり、案件別の原価・収支に接続しないものもあります。そのためデモでは、集計した工数が個別原価計算へつながるか、どの原価計算システムと連携するのかを確かめることが大切です。
プロジェクト型ERPまで必要になるのは、工数から人件費の配賦、案件別の収支までを1つの基盤で追い、会計まで連携させたい場合です。進行中から案件の黒字・赤字を把握したい、見積もりと実績を比べたいといった要望があるなら、このタイプが候補になります。デモでは「工数→原価→収支」を通しで追えるか、会計への連携まで見えるかを確認することが大切です。
工数管理の専用ツールで十分なのは、会計・販売・在庫を一体に持つERPまでは求めず、工数の記録と分析が主目的の場合です。ただし原価計算やプロジェクト収支まで見たい場合は、専用ツールの守備範囲を超えることがあります。また、工数や工程までは触れても金額(原価・収支)を扱わないデモもあるため、そのデモで何を確かめられるのかを事前に把握しておくと、申し込み後のずれを避けられます。
とはいえ、自社がどのタイプに当てはまるかは、観点を並べただけでは判断が難しいこともあります。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。事業タイプ・確かめたい範囲・企業規模の質問に答えるだけで、デモを申し込む候補を絞り込めます。
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工数管理対応ERPをデモ提供形式×確認できる範囲で比較
ここからは、デモを申し込む前に候補を絞れるよう、工数管理に対応したERPを横並びで比較します。どの製品が・どんな形式のデモや無料トライアルを・何を確かめられる形で提供しているかを、一つの表にまとめました。
デモの提供形式、デモで確かめられる範囲、工数の取り方、外部連携、料金・提供形態の観点で整理しています。製品の機能としては多くのプロジェクト型ERPが案件収支まで対応するため、デモ選びで実際に差がつくのは「自分で操作して試せるトライアルがあるか(提供形式)」と「工数をどう入力するか(工数の取り方)」です。
まずこの2列で、自分の手で確かめたいか担当者のデモで十分かを見極め、確かめたい段階に届く製品に絞り込んでください。
| サービス名 | Oracle NetSuite | Odoo(導入支援: マルウェブ) | クラウドERP ZAC | Reforma PSA | プロカン | MA-EYES | freee 統合型ERP | 奉行Edge 勤怠管理クラウド | GRANDIT |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| デモ・無料トライアルの提供形式 | 担当者による製品デモ・問い合わせ (無料トライアルの提供は確認できず) | 15日間無料トライアル(クレジットカード不要)・1アプリ無料プラン 導入相談・資料請求 | 無料相談・製品デモ (無料トライアルの提供は確認できず) | 無料デモ・商談/公式料金シミュレーション (無料トライアルの提供は確認できず) | 資料ダウンロード・無料デモンストレーション (無料トライアルの提供は確認できず) | 30日間無料トライアル | 無料お試し・無料相談 (導入アドバイザリーは有償) | 30日間無料お試し・オンラインデモ・紹介動画(約14分)・資料ダウンロード | パートナー経由の個別デモ・問い合わせ (公開の無料トライアルは確認できず) |
| デモで確認できる範囲 | 担当者のデモ・製品ツアーで案件収支まで提示 (自分で操作するトライアルは確認できず) | 無料トライアルで工数入力から自分で操作 (案件収支は本体機能、支援範囲は要確認) | 担当者のデモで案件収支まで提示 (自分で試すトライアルは確認できず) | 担当者のデモで案件収支まで提示 (料金シミュレーションは自分で試せる) | WEBデモ・操作デモツアーで案件収支まで提示 (自分で試すトライアルは確認できず) | 30日間無料トライアルで案件収支まで自分で操作 | 無料お試しで自分で操作 (案件別収支まで。販売スタンダードプラン前提) | 30日間無料お試しで工数入力・集計まで自分で操作 (原価は勘定奉行[個別原価管理編]連携) | パートナー経由の個別デモで工事別原価まで提示 (工数実績の入力はアドオンで補完) |
| 工数の取り方 | 手入力(タイムシート、モバイル対応) | 手入力(タイムシートで計画・実績を対比) | 手入力(案件・作業項目を指定) 打刻システムとAPI・CSV連携 | 手入力(勤怠機能の一部として入力) | Googleカレンダー連携で入力を支援 | 打刻連動・工数のみ入力・ファイル一括取込の3経路 | 手入力(時間入力、時間単価で工数コストを算出) | 勤怠打刻と同じ画面で入力(スマホ打刻対応) プロジェクト別・タスク別 | 公式に明記なし (工事別の実行予算・原価管理が中心) |
| 外部連携 | 会計・販売・在庫・CRMを単一基盤に統合 API拡張(SuiteCloud) | 会計アプリを内包 EC・会計ソフト連携、External API(Customプラン) | 会計システムへ仕訳インポート連携 打刻システム(API・CSV)・BIツール | 会計システムへ仕訳ファイル連携 (勘定奉行クラウド・弥生会計・マネーフォワード等) | 会計ソフト連携(弥生・freee・勘定奉行・マネーフォワード) ネットバンキング・外部連携基盤でAPI連携 | 勘定奉行クラウド等とAPI連携 工数・勤怠・仕訳・マスタをAPIで連携 | 会計・給与・人事労務を単一基盤に統合 API・アプリストア(Salesforce・Slack等) | 勘定奉行[個別原価管理編]・給与奉行iクラウドと連携 給与奉行11は直接連携、他社給与はCSV | 販売・会計・人事給与などを統合(モジュール構成) パートナーのアドオン・テンプレートで拡張 |
| 料金・提供形態 | クラウド(SaaS)/年間ライセンス 金額は要お問い合わせ | クラウド/オンプレミス Odoo本体スタンダード22ドル/ユーザー・月〜(カタログ掲載値)、導入支援は別途見積もり | クラウド/初期費用10万円+モジュール×ライセンス月額+保守6万円〜/月 単価は要お問い合わせ | クラウド/初期費用0円・月額30,000円(税抜)〜 | クラウド/初期費用150,000円〜(税込165,000円〜)・月額30,000円〜(税込33,000円〜) | クラウド(SaaS/SaaS+/一括の3形態) 料金は要お問い合わせ | クラウド(SaaS)/統合型ERP単体は非公開 freee販売スタンダードプランが必要(10名利用で月額40,000円・税抜・年払いが目安) | クラウド/初期費用0円・月額13,080円〜(勤怠本体) 工数管理はオプション(料金は公式に記載なし) | クラウド/ライセンス(パートナー経由) 料金は要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | サービス詳細を見る |
※2026年10月時点の各社公式サイト等の情報にもとづく。料金・提供形式は変更される場合があります。
工数管理ができるERP・基幹システムの個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた各サービスの特徴を、デモ・無料トライアルの提供形式と、工数から原価・収支までどこまで確かめられるかを中心に、タイプ別に紹介します。自社の事業タイプや規模に照らし合わせながら確認してください。
プロジェクト収支まで一気通貫のプロジェクト型ERP
工数入力から人件費の配賦、案件別の収支までを1つの基盤で扱い、デモで一連の流れを確かめられる製品です。
1. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

日本オラクル株式会社が日本市場で提供・サポートするクラウドERPで、会計・販売・購買・在庫・CRMを単一のデータベースに統合します。公式サイトによると、世界200か国以上・44,000社超で利用されています(2026年10月確認)。
出典・参考資料(1件)
工数から案件収支までは、PSA(プロフェッショナルサービス自動化)のSuiteProjectsで扱います。タイムシートで作業時間を記録してプロジェクトやタスクに割り当てると総勘定元帳へ転記され、購買発注を案件に紐付けて直接費・間接費を案件予算に配賦します。収益・コスト予算からマージンを予測し、プロジェクト360ダッシュボードで案件ごとの収益性を確認できます。
ただしSuiteProjectsはアドオンモジュールで、工数から原価・収支までの流れは担当者による製品デモで確認するのが前提です。公式の導線は問い合わせ・製品デモが中心で、一般公開の無料トライアルは確認できませんでした。料金は年間ライセンスで、金額は要お問い合わせです。
2. Odoo(導入支援: 株式会社マルウェブ)

ベルギーのOdoo S.A.が開発するオープンソースERP「Odoo」の導入を、株式会社マルウェブが要件定義から運用定着まで支援するサービスです。販売・在庫・会計・CRMなど、必要なアプリを選んで追加・連携できます。
工数の予実管理はOdooのタイムシート機能が担い、公式は計画工数と実績工数を比較し、請求可能時間をメンバー・案件・タスク別に把握できるとしています。プロジェクトアプリと組み合わせて案件別の収支を扱います。ただしマルウェブが対応アプリとして明記しているのはプロジェクトまでで、タイムシートを含めた導入支援の範囲は資料請求で確認してください。
Odoo本体には15日間の無料トライアル(クレジットカード不要)と、1アプリなら無料で使い続けられるプランがあり、工数入力の操作感を自分で試せます。Odoo本体のライセンスはスタンダード22ドル/ユーザー・月から(カタログ掲載値、初回ユーザーへの12か月割引適用後)で、マルウェブの導入支援費用は別途個別見積もりです。
3. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

IT・広告・コンサル・士業など、案件単位で業務が進むプロジェクト型ビジネスに特化した統合型クラウドERPです。東証プライム上場の株式会社オロが提供し、導入実績は1,100社超(公式、基準時点の記載なし)とされています。
出典・参考資料(1件)
担当者が案件と作業項目を指定して工数を入力すると、自動的に案件別の労務費として集計され、直接作業は指定案件へ直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。売上に外注費・仕入・労務費・経費を紐付け、案件損益をリアルタイムに可視化します。
プロジェクト単位で予定・実績の労務費と作業時間、進捗率を同一画面で確認でき、打刻システムとはAPI・CSVで連携できます。試す方法は無料相談・製品デモが中心で、公開ページに無料トライアルの記載はありません。料金は初期費用10万円に、機能(モジュール)×ライセンス数の月額と保守費6万円〜/月が加わり、各単価は要お問い合わせです。
4. Reforma PSA(株式会社オロ)

同じ株式会社オロが提供する、ZACの機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化した案件管理システムです。従業員50名以下を目安とし、導入実績は500社以上(公式、基準日の記載なし)とされています。
出典・参考資料(1件)
勤怠機能の一部として、プロジェクトと作業内容ごとに工数を入力します。予定工数と実績工数を対比して労務費の上振れをタイムリーに把握でき、労務費配賦・共通費配賦で案件原価へ反映します。実行予算を入力しておけば、仕掛中でも案件別の損益を確認できます。
試す方法は無料のデモ・商談で、公式サイトの料金シミュレーションも使えます。初期費用0円・月額30,000円(税抜)から始められ、導入期間は1〜2か月が目安です。
5. プロカン(株式会社PROCAN)

業種別に「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3ラインナップを展開する、案件収支管理に特化したクラウド型システムです。提供元は株式会社PROCANで、IT・システム開発、イベント・映像制作、建設・工事などの受託型ビジネスを対象とします。
Googleカレンダーに登録した日時・作業内容と連携して工数入力を支援し、工数に労務単価を掛けて人件費を原価に換算します。外注費や間接費と合わせて案件ごとの粗利を見える化し、予算実績対比表で予算に対する実績や昨年対比を確認できます。
試す方法は資料ダウンロードや無料デモンストレーションの申し込みが中心で、一定期間試用できる無料トライアルの記載はありません。料金は初期費用150,000円〜(税込165,000円〜)、月額30,000円〜(税込33,000円〜)で、利用人数(ID数)に応じて変わります。
6. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

東証グロース上場の株式会社ビーブレイクシステムズが提供するクラウド型ERPです。システム開発・SES・コンサルティングなどのプロジェクト型ビジネスに特化し、IT業界向けの「V ver.」と広告業界向けの「A ver.」の2ラインナップがあります。
工数の入力は、打刻から当日の作業時間を自動算出してプロジェクトに割り当てる方法、勤怠を使わず作業時間を振り分ける方法、ファイル一括取込の3経路に対応します。マスタに設定した基準時間単価と作業時間を掛けて労務費を算出して案件原価へ反映し、月別に原価の予算と実績をグラフで比較、着地予測で締め後の赤字を防ぎます。
配賦基準は工数・人数・売上高・人件費比率のほか、面積や机の数といった情報も設定できます。公式サイトでは30日間の無料トライアルを申し込めます(2026年10月時点)。料金は提供形態(SaaS/SaaS+/一括)で異なり、金額は要お問い合わせです。
7. freee 統合型ERP(freee株式会社)

クラウド会計 freee を提供するfreee株式会社が、2023年8月に提供を開始した中小・成長企業向けのクラウドERPです。会計・請求・工数管理・案件管理・経費・給与・人事労務を単一のプラットフォームに統合します。
IT・コンサル・広告など、時間と案件で収益を上げる無形商材ビジネス向けに設計されています(提供開始時点)。工数管理で時間を入力し、時間単価による工数コストを算出します。freee工数管理で集計したプロジェクト別の人件費をfreee販売の案件に自動連携し、案件別の売上・原価・収支を分析できます。
無料お試しと無料相談が用意されています(導入アドバイザリーは有償)。利用にはfreee販売スタンダードプランが必要で、統合型ERP単体の料金は公式に記載がありません(参考として、freee販売スタンダードは10名利用で月額40,000円・税抜・年払い)。最低限この販売プランに統合型ERPの工数・案件管理を組み合わせる形になり、総額は利用人数と構成に応じた見積もりで確認します。
勤怠管理システムの工数管理オプション
勤怠打刻と同じ画面で工数を入力・集計し、無料お試しやオンラインデモで操作感を確かめられる製品です。
8. 奉行Edge 勤怠管理クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)の奉行クラウドEdgeシリーズに含まれる勤怠管理クラウドで、工数管理はオプションとして追加できます。日々の打刻と同じ画面で工数を入力でき、外出先でもスマートフォンで打刻してそのまま工数入力まで行えます。入力はプロジェクト別、さらに細かいタスク別に対応します。
入力漏れや、作業時間が労働時間より多く登録された場合はアラートで知らせ、集計した工数は任意の月・期間をワンクリックでExcel出力できます。さらに集計した工数を勘定奉行iクラウド[個別原価管理編]・[建設業編]と連携させると、プロジェクトごとの作業時間に応じて労務費が自動で計上されます。給与奉行iクラウドを併用すれば、支給済みの給与・賞与データも取り込めます。
工数管理オプションには、資料ダウンロード・30日間の無料お試し・オンラインデモ・紹介動画(約14分、工数管理オプションページ)という試す導線が用意されており、工数入力から集計までの操作感を申し込み前に確かめられます。
工事・建設など業種特化のプロジェクト原価ERP
物件(プロジェクト)単位で見積から実行予算・原価までを扱う、建設・設備工事など業種特化の製品です。工数そのものを広く記録するより、実行予算と実績の対比など工事別の原価管理に対応する点が特徴で、デモはパートナー経由の個別対応が基本です。
9. GRANDIT(インフォコム株式会社)

国内70社以上のパートナー企業が導入・カスタマイズを担うコンソーシアム方式の国産統合型ERPで、開発・保守はインフォコム株式会社が担います。公式サイトでは導入実績を1,500社以上と記載しています(2026年10月時点、基準日の記載なし)。
出典・参考資料(1件)
工事・建設向けには設備工事業ソリューションを用意し、工事ごとの実行予算と実績を対比しながら、予算明細単位で発注・社内手配まで登録できます。売上計上は、総予定原価に対する実績原価の進捗率に応じて進捗売上を計上する工事進行基準に対応し、計上期間は月次・四半期・半期・通期から選べます。工期の長い工事では分割検収による出来高ベースの売上計上も可能です。
工事管理や個別原価管理などの機能はパートナー提供のアドオン・テンプレートで補う構成のため、導入はパートナー経由が基本で、料金は要問い合わせです。JV(共同企業体)会計や経営事項審査向けの決算書類への対応は公式サイトでは確認できないため、必要な場合は各パートナーへの確認が要ります。
デモで確認すべき観点チェックリスト
デモや無料トライアルは、自社に合うかを見極める最後の機会です。カタログスペックでは分からない点を、次の5つの観点で確かめると、導入後のつまずきを避けられます。工数管理システムの失敗で多いのが、入力が面倒で現場に定着しないという事態なので、操作感を自分の目で見ておくことが肝心です。
- 工数入力の手間と現場での定着:1件あたりの入力がどれだけ手早く済むか、スマートフォンやカレンダー連携で負担を減らせるかを確認します。入力が続かないと原価が正しく積み上がらないため、現場の担当者やメンバーが無理なく続けられるかを見ます。
- 原価配賦の自動度:入力した工数が基準単価で労務費に換算され、案件原価へ自動で反映されるかを確認します。間接費・共通費を工数や人数で配賦する設定が、自社の実態に合わせて組めるかも見ておきます。
- 会計・勤怠との連携:自社で使っている会計ソフトや勤怠システムと、どの方式(API・ファイル取り込みなど)で連携できるかを確認します。二重入力が減るかどうかは、日々の運用工数に直結します。
- プロジェクト収支の見え方:案件ごとの損益が進行中でも把握でき、赤字案件を早めに見つけられるかを確認します。見積もりと実績の対比や、着地予測の画面があるかも、採算管理の精度を左右します。
- デモで確認できる範囲の見極め:そのデモが工数入力までか、原価配賦までか、案件収支まで見られるのかを事前に把握します。確かめたい段階に届かないデモであれば、別の形式のデモや無料トライアルを申し込む判断がつきます。
これらの観点をメモに控えてからデモに臨むと、複数の製品を同じ物差しで見比べられます。気になった点はその場で担当者に質問し、自社の運用に引き寄せて確認しておきましょう。
料金・提供形態の考え方
デモの候補を絞るうえで、料金と提供形態の考え方も押さえておきましょう。工数管理に対応したERPの費用は、提供形態・利用人数・使う機能の範囲によって変わり、公開価格を示さず個別見積もりとする製品も少なくありません。
クラウド型は、初期費用と月額または年額の利用料で構成されるのが一般的です。利用料が利用人数や機能ごとのライセンス単価で決まる製品では、必要な機能だけを選んで費用を抑えられます。中小企業向けには、初期費用を抑え、無料トライアルや無料で使い続けられるプランから始められる製品もあります(2026年10月時点)。
中堅から大企業向けの統合ERPや、プロジェクト採算の管理を追加モジュールで実現する製品は、利用規模や構成に応じた個別見積もりが中心です。オンプレミスや大規模な導入では、ライセンス費用に加えて、要件定義・初期設定・データ移行といった導入支援の費用も発生します。
工数入力を全社員が行う運用では、利用人数が費用に影響します。月額料金だけでなく、導入支援費や保守費まで含めた導入後の総費用で見比べることが大切です。具体的な金額は製品ごとに幅があるため、比較表や各サービスの紹介、資料請求で確認してください。
まとめ
工数管理に対応したERPは、デモや無料トライアルで実際の画面を確かめてから選ぶと、カタログスペックだけでは分からない操作感や定着のしやすさを見極められます。まずは試せる「形式」、デモで確かめられる「範囲」、自社が当てはまる「タイプ」の3つで全体像をつかむのが近道です。
そのうえで、本記事の比較表と診断ツールで候補を数製品に絞り込み、気になるサービスは資料を取り寄せましょう。最後はデモや無料トライアルで、工数から原価・収支までの動きを、自分の手で試せるか担当者に見せてもらうかも含めて具体的に比べ、自社に合う製品を見極めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 工数管理に対応したERPとは何ですか?
A. 工数管理に対応したERPとは、作業時間(工数)の入力・集計から、人件費の原価配賦、案件・プロジェクト別の収支把握までを1つの基盤で扱える統合基幹業務システムです。会計・販売・勤怠などと工数データがつながり、案件ごとの採算を把握できる点が、工数の入力・集計にとどまる工数管理の専用ツールとの違いです。
Q. 工数管理に対応したERPは、デモで工数管理のどこまで確かめられますか?
A. 工数管理対応ERPのデモで確かめられる範囲は、製品によって「工数入力・集計まで」「原価配賦(人件費・労務費)まで」「案件・プロジェクト収支まで」の3段階に分かれます。勤怠に付けた工数オプションは工数入力・集計までで止まり、原価は別システムとの連携で実現する製品が多い一方、プロジェクト型ERPは工数から案件収支までを通して確認できる傾向があります。
デモを申し込む前に、確かめたい段階にそのデモが届くかを押さえておくと、申し込み後のずれを避けられます。
Q. 工数管理に対応したERPは、無料トライアルで自社のデータを使って試せますか?
A. 無料トライアルの有無は製品によって分かれ、15日間や30日間の無料トライアルを用意する製品もあれば、試す方法が担当者による個別デモや紹介動画に限られる製品もあります(2026年10月時点)。1アプリなら無料で使い続けられるプランを設ける製品もあります。
工数入力の操作感を自分の手で確かめたいなら無料トライアルやセルフデモ、案件収支までの流れを聞きながら見たいなら個別デモ、と確かめたいことに合わせて形式を選ぶと無駄がありません。
Q. 勤怠管理システムの工数オプションと、プロジェクト型ERPは何が違いますか?
A. 両者の違いは、勤怠の工数オプションが工数の入力・集計と労務費の計上までを勤怠と同じ画面で担うのに対し、プロジェクト型ERPは工数から人件費の配賦・個別原価・案件別収支までを1つの基盤で追える点にあります。工数の記録と労務費の計上までで足りるなら勤怠の工数オプション、案件ごとの黒字・赤字を進行中から把握し会計まで連携させたいならプロジェクト型ERPが候補になります。
勤怠管理システムの中には工数が補助的な記録にとどまり、案件別の原価・収支に接続しないものもあるため、集計した工数が個別原価計算へつながるかをデモで確かめることが大切です。
Q. 勤怠管理と工数管理は、どう違いますか?
A. 勤怠管理と工数管理の違いは、勤怠管理が出退勤など労働時間そのものの把握を目的とするのに対し、工数管理は案件や作業ごとに誰が何時間を費やしたかを記録・集計することを目的とする点です。工数管理では、集計した時間に基準単価を掛けて労務費を算出し、案件の原価・収支へつなげられるため、人件費が原価の大半を占めるプロジェクト型の事業で採算管理に使われます。
Q. 工数管理に対応したERPのデモで、原価配賦やプロジェクト収支の見え方はどう確認すればよいですか?
A. 原価配賦とプロジェクト収支は、入力した工数が基準単価で労務費に換算され、間接費も含めて案件原価へ自動で反映されるか、その原価が売上と対比されて案件ごとの損益として見えるかを、実際の画面で確認します。進行中の案件の着地を予測できるか、見積もりと実績を対比できるかも、採算管理の精度を左右する確認点です。工数・人数・売上高といった自社の配賦基準で設定を組めるかも、デモ中に尋ねておくとよいでしょう。
Q. 工数管理に対応したERPは、既存の会計ソフトや勤怠システムと連携できますか?
A. 連携の可否と方式は製品によって異なり、API・CSV・iPaaSなどで会計ソフトや勤怠・打刻システムとデータをやり取りできる製品が多い一方、連携先や方式が限られる製品もあります。二重入力が減るかどうかは日々の運用工数に直結するため、デモでは自社で使っている会計・勤怠と、どの方式で連携できるかを具体的に確認しておくことが大切です。
Q. 工数管理に対応したERPは、工数入力が現場で定着するか心配です。デモで何を見ればよいですか?
A. 工数入力が定着するかは、1件あたりの入力がどれだけ手早く済むか、スマートフォンやカレンダー連携で入力の負担を減らせるかを、現場の担当者が操作する想定でデモ中に確かめることで見極められます。工数入力が続かないと原価が正しく積み上がらず、工数管理システムの失敗でよく聞かれるのが「入力が面倒で現場に定着しない」という声です。
近年の製品は1件あたり数十秒〜数分で入力できるものもあるため、操作感を自分の目で見ておくことが導入後のつまずきを避ける鍵になります。
Q. 登録不要のセルフデモで入力したデータは保存されますか?金額も確認できますか?
A. 登録不要のセルフデモは、ブラウザ上の架空データを操作する形式のものが多く、入力したデータが保存されなかったり、金額(原価・収支)を扱わなかったりする場合があります。工数や工程の操作感は手軽に試せる反面、案件収支まで確かめたい場合はセルフデモでは物足りないことがあるため、金額まで見たいなら担当者による個別デモや無料トライアルを選ぶとよいでしょう。
Q. 工数管理に対応したERPの料金は、どのくらいかかりますか?
A. 工数管理対応ERPの料金は、提供形態・利用人数・使う機能の範囲によって幅があり、初期費用0円・月額3万円程度から始められる製品から、利用規模に応じた個別見積もりが中心の統合ERPまで分かれます。工数入力を全社員が行う運用では利用人数が費用に影響するため、月額料金だけでなく導入支援費や保守費まで含めた導入後の総費用で見比べることが大切です。
具体的な金額は製品ごとに幅があるため、比較表や各サービスの紹介、資料請求で確認してください。
Q. 工数管理に対応したERPは、何から始めて候補を絞ればよいですか?
A. 候補を絞る近道は、まず「試せる形式」「デモで確かめられる範囲」「自社が当てはまるタイプ」の3つで全体像をつかみ、比較表と選定診断ツールで数製品まで絞ってから、デモ・無料トライアルを申し込むことです。いきなり各社に個別デモを依頼すると手間が大きいため、資料請求で提供形式や対応範囲を見比べ、確かめたい観点を整理してからデモに臨むと、複数の製品を同じ物差しで見比べられます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















