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プロジェクト採算管理に強いERP比較|案件別の収支・原価・工数を一元化できる製品・ベンダーの選び方

プロジェクト採算管理に 強いERP比較のサムネイル画像
ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)のプレビュー

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ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)

案件やプロジェクトを単位に売上とコストが発生する事業では、「全社では黒字なのに、どの案件で稼いでどの案件で赤字を出しているのかが見えない」という悩みがつきまといます。見積と実績の差、工数や外注費の案件ごとの配分、進行中の案件の収益認識が、表計算ソフトや個別システムの寄せ集めでは正確に追いきれないためです。

案件別の予算実績や原価、工数と損益の連動までを一元化できるERP・システムは複数あり、提供元によって得意な業種や規模、カバーする会計領域が異なります。自社の案件管理と会計のやり方に合う製品・ベンダーを選ぶには、どの観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、案件(プロジェクト)単位の採算管理に強いERP・システム14製品を横断的に比較・解説します。案件別の予実管理・原価の案件配賦・工数連携・進行基準による収益認識といった実務要件に沿って、各製品ができることと選び方を整理しました。IT開発・広告制作・コンサルティング・建設など、案件単位で採算を管理したい事業の担当者が、資料請求やデモに進む候補を絞り込む材料としてご活用ください。

また、自社の業種や規模、重視する機能に合わせて候補を最短で絞り込めるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲|プロジェクト採算管理に強いERPとは

本記事で扱うのは、案件(プロジェクト)ごとに売上・原価・工数を集計し、案件単位の採算(収支)をリアルタイムに可視化できるERP・システムです。会計・販売・購買といった基幹業務を統合しつつ、「この案件はいくらで受注し、どれだけコストがかかり、いくら利益が残るのか」を案件を軸に管理できる点が、一般的な会計ソフトや販売管理システムとの違いになります。

想定している読者は、IT・システム受託開発、広告・制作、コンサルティング、士業・専門サービス、建設・エンジニアリングなど、案件単位で売上とコストが発生する事業者です。受注した案件ごとに利益率が大きくばらつき、工数や外注費の配分が損益を左右する業態ほど、案件採算を扱えるERPの効果が大きくなります。

一方で、物販・流通・製造のように製品や在庫を軸に管理する事業では、案件採算よりも在庫・生産管理に強い統合ERPが適する場合もあります。自社がどちらに近いかを見極めるため、まずは案件採算管理でERPに何ができるのかを整理していきます。

案件採算という絞り込みを外し、会計・販売・在庫なども含めてERP全般を幅広く比較したい場合は、以下の記事で統合基幹業務システムを企業規模・提供形態・費用から横断的に比較しています。

案件採算管理にERPが必要な理由と解決できる課題

ここからは、案件型ビジネスが抱えやすい採算管理の課題と、ERPでそれがどう変わるのかを見ていきます。

第一の課題は、案件ごとの損益が見えないことです。会計システムは全社の損益は出せても、案件単位では集計されず、どの案件が利益を生み、どの案件が赤字なのかを把握できません。結果として、問題のある案件への対策が後手に回ります。

第二に、赤字案件の発覚が遅れがちです。実績原価が月次決算を締めてから判明する運用では、案件が進行し終えた後に赤字が確定します。進行中に予算と実績の差異を追えなければ、途中での軌道修正が利きません。

第三に、工数や経費の案件配賦が属人的になります。担当者が複数案件を掛け持ちすると、作業時間や共通経費をどの案件にいくら割り振るかの基準が曖昧になり、原価の正確さが担当者の感覚に依存してしまいます。

第四に、販売・会計・工数の情報が分断され、二重入力が発生します。見積・受注の情報と、会計の仕訳、工数の実績がそれぞれ別のツールに入力されると、転記ミスや集計の手間が積み重なります。

案件採算管理に対応したERPは、これらを案件という共通の軸でつなぎます。見積から受注、工数・外注費の実績、会計までを同じ案件コードで串刺しにすることで、案件別の予実をリアルタイムに可視化し、進行中でも差異に気づける状態をつくります。工数と原価の配賦ルールをシステムに持たせれば、属人化も抑えられます。

プロジェクト採算管理ERPでできること(主な機能)

ここからは、案件採算を管理するうえで核になる機能を、実務の要件に沿って解説します。以降の比較表も同じ軸で整理しているため、各機能の意味を押さえておくと製品ごとの違いを読み取りやすくなります。中核となるのは次の4機能で、いずれも「同じ案件コードで串刺しにしたデータ」の上に成り立ちます。

案件採算管理ERPの4つの中核機能と、それを支えるデータの土台を示す図。土台は見積・受注・購買・請求・会計を同じ案件コードで一気通貫につなぎ、転記や二重入力による原価の取りこぼしを防ぐ。その上に4つの機能が成り立つ。案件別の予実・収支管理は予算と実績を突き合わせ進行中でも予実差異をリアルタイム可視化。原価の案件配賦は直接費を案件へ直課し間接費を工数比・売上比などで配賦。工数管理との連携は作業時間を単価で労務費に換算し人件費を案件原価へ反映。進行基準の収益認識は実際原価を見積総原価で割った進捗度に応じ期ごとの売上を自動計上。

案件(プロジェクト)別の予実・収支管理

案件ごとに予算(見積原価・目標利益)を登録し、実際に発生した売上・原価・工数を突き合わせて予実差異を把握する機能です。進行中の案件でも、現時点の消化原価と残予算が見えることで、赤字化の兆候を早期につかめます。

案件採算に強い製品では、受注金額に対する原価の消化率、見込みと実績の利益率、複数案件を束ねたプロジェクト全体の採算といった切り口でも集計できます。経営層が見る全社損益と、現場が見る案件別損益が同じデータから生成される点が、個別の管理表との大きな違いです。

原価の案件配賦(直接費・間接費)と工数管理の連携

案件原価は、その案件に直接ひもづく外注費・材料費・経費といった直接費と、複数案件で共有する人件費や共通経費といった間接費に分かれます。採算管理ERPは、直接費を案件コードで直接集計し、間接費を工数比・売上比などの基準で各案件へ配賦することで、案件ごとの総原価を算出します。

この配賦の精度を支えるのが工数管理との連携です。担当者が入力した作業時間を単価に換算して労務費として案件へ配賦できれば、人件費の配分を感覚ではなくデータで行えます。工数入力の仕組みをERP内に持つ製品もあれば、既存の勤怠・工数ツールと連携する製品もあり、自社の工数把握の実態に合う方式を選ぶことが重要です。

原価計算の方式(標準原価・実際原価)や差異分析、配賦基準の設計そのものから製品を選びたい場合は、案件採算に限らず原価管理を専門に扱うシステムを集めた比較も参考になります。

進行基準(収益認識会計基準)への対応

長期にわたる受託・請負の案件では、完成・引き渡しを待たず、進捗に応じて売上を計上する処理が必要になる場合があります。現行の会計ルールでは、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が適用されます。一定の期間にわたり充足される履行義務について、その進捗度を見積もり、進捗度に応じて収益を認識する考え方で、従来の工事進行基準に相当します。

ただし、この進捗度に応じた収益認識が強制的に適用されるのは上場企業や会社法上の大会社などが中心で、中小企業では「中小企業の会計に関する指針」などにより適用義務の有無が分かれます。自社に求められるかは、顧問の税理士・会計士に確認すると確実です。

なお、かつて適用されていた企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」(工事進行基準・工事完成基準)は、収益認識会計基準の適用に伴って廃止されています。そのため製品を比較する際は、「工事進行基準」という名称そのものよりも、進捗度(原価比例法など)に応じた収益の計算を自動化できるか、という実務の中身で確認するのが正確です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」|企業会計基準委員会(ASBJ)(リンク)

採算管理に強いERPでは、案件ごとに積み上がる実際原価と見積総原価の比率から進捗度を算出し、期間ごとの計上売上を自動計算する機能を備える製品があります。受託開発や建設・エンジニアリングのように期をまたぐ案件が多い事業では、この自動計算の有無が決算業務の負担を左右します。

進捗度に応じた収益認識の自動計算まで求める場合、クラウド中心の案件特化型では対応製品が限られ、進捗度に応じた収益認識に対応する統合ERPも現実的な候補になります。各製品の対応状況は、比較表と個別紹介でご確認ください。

見積〜受注〜発注・購買〜請求〜会計の一気通貫

案件採算を正確に保つには、採算データの入り口となる販売・購買・会計の流れが一本につながっていることが欠かせません。見積から受注、外注先への発注・購買、顧客への請求、そして会計仕訳までを同じ案件コードで連携できれば、転記や二重入力による原価の取りこぼしを防げます。

統合ERPはこの一気通貫を標準で担う一方、会計や販売を既存システムで運用している企業では、採算管理に特化した製品を既存の基幹システムと連携させる構成も選択肢になります。どこまでを1つのシステムに集約し、どこを連携でまかなうかが、後述の選び方の分岐点です。

プロジェクト採算管理ERPの選び方

ここからは、案件型ビジネスが自社に合う製品・ベンダーを絞り込むための観点を解説します。

自社の業種で重視すべきポイントは何か

案件採算といっても、重視される機能は業種で異なります。IT・システム受託開発では、エンジニアの工数が原価の大半を占めるため、工数入力と労務費配賦の精度が採算の正確さを左右します。広告・制作では、外注費と制作進行の管理、案件ごとの粗利の早期把握が重視されます。

コンサルティングや士業・専門サービスでは、稼働時間に基づく請求と採算の連動、要員のアサイン状況の可視化が鍵になります。建設・エンジニアリングでは、期をまたぐ長期案件の進捗度に応じた収益認識と、工事別原価の積み上げが前提になります。自社の原価構造で最も比重が大きい要素(工数か、外注費か、材料費か)を軸に、その管理が得意な製品を見極めることが出発点です。

なかでも広告・制作業は、媒体費の立替・配賦やクリエイターの工数管理など業種固有の勘所があります。広告業に絞って製品を選びたい場合は、以下の記事で業種特化の選定観点を詳しく解説しています。

業種特化型のプロジェクトERPか、汎用ERPのプロジェクト管理モジュールか

製品は大きく2つの方向に分かれます。1つは、案件型ビジネスの採算管理を主目的に設計された特化型で、工数・原価配賦・案件別予実の機能が標準で作り込まれており、導入が比較的速い傾向があります。もう1つは、会計・販売・在庫などを広くカバーする統合ERPに、プロジェクト管理・案件原価のモジュールを組み合わせる方向です。

案件採算の管理が主目的で、全社基幹はすでに別で動いているなら特化型が適します。一方、会計・販売・購買・在庫まで含めて1つの基盤へ統合したい、あるいはグループ連結や多拠点・海外対応まで見据えるなら、統合ERP+モジュールの方向が合います。自社が「案件採算に閉じた悩み」を解きたいのか、「基幹全体の統合」の一部として採算管理を位置づけたいのかで分岐します。

案件採算に特化したERPと統合ERPの選び分けを示す図。特化型は案件採算の管理を主目的に設計され、工数・原価配賦・案件別予実を標準装備し導入が速く、クラウド中心で小〜中規模向け・初期0〜十数万円。統合ERPは会計・販売・在庫を広くカバーする統合ERPに案件原価・プロジェクト管理を組み合わせ、中堅〜大企業の連結・多拠点向けで初期数百万円〜。案件採算に閉じた悩みを解くか、基幹全体の統合の一部に位置づけるかで分かれる。

提供形態・企業規模・既存システムとの連携はどうか

提供形態は、クラウド(SaaS)型かオンプレミス型かで、初期コストと導入期間、カスタマイズの自由度が変わります。クラウド型は初期費用を抑えて短期に始めやすく、オンプレミス型や専用環境は自社固有の原価計算ルールへの作り込みに向きます。自社の案件管理が標準的な運用に収まるか、独自の配賦ルールが不可欠かで判断が分かれます。

企業規模も要件を左右します。数名〜数十名規模なら、導入負荷が軽く月額型で始められる製品が候補になり、中堅〜大企業で連結・多拠点・内部統制まで求めるなら、統合ERPの対応範囲が重要です。あわせて、既存の会計ソフトや販売管理システムを残すのか置き換えるのかを決め、残す場合はAPIやデータ連携で採算データを無理なく受け渡せるかを確認します。

導入前に押さえておきたい注意点は何か

採算管理ERPの効果は、現場が工数や経費を正しく入力して初めて生まれます。入力が形骸化すると原価の精度が崩れるため、入力の手間を抑える工夫(スマホ入力・プロジェクトテンプレートなど)と、入力を定着させる運用体制をあわせて検討することが重要です。

また、配賦ルールやプロジェクトの階層設計など、初期設定の負荷は製品や自社の要件で大きく変わります。料金も、初期費用・月額・ユーザー課金・オプションの組み合わせで総額が見えにくくなりがちです。見積時には、自社の利用人数と必要機能を前提にした総額と、導入支援の範囲まで含めて比較すると、運用開始後の想定外を避けやすくなります。

プロジェクト採算管理ERPの費用相場(初期・月額・ライセンス体系)

ここでは、製品を比較する前提として、料金体系の考え方を整理します。採算管理ERPの費用は、初期費用(導入支援・初期設定・データ移行)と、継続利用のためのライセンス費用に大きく分かれます。

継続費用の課金方式は、利用ユーザー数に応じたユーザー課金、機能モジュール単位の課金、企業規模や利用範囲に応じた個別見積の3つが代表的です。クラウド型は月額・年額のサブスクリプションで、ユーザー数×単価を基本に積み上がる製品が多く、小規模から始めやすい一方、人数が増えると費用も比例します。

大づかみの目安としては、クラウド中心の案件採算管理ツールは初期費用0〜十数万円・月額3万円台から始められる製品が多く、中堅〜大企業向けの統合ERPは初期費用が数百万〜数千万円規模に及びます。

中堅〜大企業向けの統合ERPでは、導入規模やカスタマイズの度合いで費用が変わるため、公開価格ではなく個別見積となるのが一般的です。正確な費用は、自社の利用人数・必要モジュール・導入支援の範囲を伝えたうえで各社に見積もりを依頼するのが確実です。各製品の料金の目安は、後述の比較表と個別紹介でも確認できます。

ここまでの機能・選び方・費用の観点を踏まえ、自社の業種・規模・重視する機能から候補を絞り込める診断ツールを用意しました。どのタイプが合うか迷う場合は、まずこちらで方向性を確かめてみてください。

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【比較表】プロジェクト採算管理ERPの機能・料金比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なプロジェクト採算管理ERP・システムを2つのタイプに分けて一覧にします。案件別予実・原価配賦・工数連携・進行基準への対応・提供形態・対象業種や規模・料金の目安を同じ軸で並べているため、自社が重視する列から読み比べてみてください。

まずは、中小〜中堅の案件型ビジネスが、クラウド中心で短期間に導入しやすい、案件採算の管理を軸にしたERP・システムです。

← 横にスクロールできます →
サービス名クラウドERP ZACMA-EYESReforma PSAプロカンSmileWorksfreee 統合型 ERPジョブマネRobotERP ツバイソ
提供形態クラウド(SaaS)クラウド(SaaS/一括)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)
対象業種・規模IT・広告・コンサル・士業等のプロジェクト型業種/中堅中心(従業員50名〜目安)システム開発・SES・コンサル等のプロジェクト型/中小〜大企業(一括版は100名以上目安)IT・広告・制作・コンサル等の案件型/中小・成長企業(従業員50名以下目安)IT・制作・建設等の受託型ビジネス/中小企業中心プロジェクト型を含む中小企業全般/小規模から段階導入IT・コンサル・広告など受託型・請負型(無形商材)/中小・成長企業(1名〜)制作・コンサル・士業等/個人事業主〜30名程度の中小企業・部門ソフト開発・IT/Web・コンサル・広告・建築等/中堅・成長企業
案件別予実●●●●●●△実績の採算可視化が中心●
原価配賦(直接費・間接費)●●●●△人件費配賦は配賦機能オプション(月額5,000円・税別)●●●
工数管理との連携●●●●●●●●
進行基準の収益認識×●××××××
料金目安初期費用10万円+モジュール×ライセンス課金(保守6万円〜/月、単価は要お問い合わせ)要お問い合わせ(利用人数・機能で変動、30日間無料トライアルあり)初期費用0円/月額30,000円(税抜)〜(ライセンス従量制)初期費用15万円(税込16万5,000円)〜/月額30,000円(税込33,000円)〜初期費用0円〜/月額5,000円〜(税別、プランにより変動)要お問い合わせ(freee販売スタンダードプランが必須。10名利用で月額約40,000円・税抜年払いが目安)初期費用無料/月額1,000円〜(案件・工数管理のビジネスプランは1人月額3,000円、税別)要お問い合わせ(法人ライセンス+ユーザーライセンスの従量制)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

※記号は ●=対応/△=公式に記載がない・オプション対応/×=対応を確認できず(非対応と断定するものではありません)。最新の仕様・料金は各社情報をご確認ください。

続いて、会計・販売・購買などを広くカバーしつつ、案件採算まで管理できる統合ERPです。中堅〜大企業やグループ経営、多拠点・グローバル対応を見据える場合の候補になります。

← 横にスクロールできます →
サービス名Oracle NetSuiteOdoo導入・開発・業務統合支援OBIC7 会計情報ソリューションGRANDITPROACTIVEBiz∫(ビズインテグラル)
提供形態クラウド(SaaS)クラウド/オンプレミス/ハイブリッドオンプレミス/クラウドオンプレミス/クラウドクラウド/オンプレミス/ハイブリッドクラウド/オンプレミス/ハイブリッド
対象業種・規模業種問わず(海外拠点・グループ連結)/中堅〜大企業・IPO準備業務統合したい企業全般/中小企業中心(規模の明記なし)業種問わず(250業種)/中堅〜大企業卸売・商社・製造・建設・サービス等/中堅〜大企業卸売・商社・素材・電機機械・建設等/年商100億円以上の中堅〜大企業建設・商社・IT業等(業種別テンプレート)/大手中心(年商500億円以上。Optimaで中堅へ)
案件別予実●(SuiteProjects)●●(プロジェクト原価管理)●(工事別実行予算管理)●●(IT業向けプロジェクト別予算管理)
原価配賦(直接費・間接費)●(SuiteProjects)●●●(原価管理テンプレート。一部はパートナー提供)●●
工数管理との連携●(SuiteProjects タイムシート)●(タイムシートで計画・実績工数を比較)△会計領域中心(公式に明記なし)△公式に明記なし△公式に明記なし△公式に明記なし
進行基準の収益認識●(完了率等の収益認識)×△公式に明記なし●(設備工事業向け)●(建設業向け)△公式に明記なし
料金目安要お問い合わせ(年間ライセンス+初期費用、金額は個別見積)Odoo本体は月額22〜33ドル/ユーザー(カタログ掲載値)+マルウェブの導入支援は個別見積要お問い合わせ要お問い合わせ(パートナー個別見積)要お問い合わせ(初期費用の目安は約2,000万円〜、公式FAQ)要お問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※表中の記号は ●=対応/△=公式に記載がない・オプション対応/×=対応を確認できず(非対応と断定するものではありません)。上記は各製品の一般的な傾向で、実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)、最新の料金は各社情報をご確認ください。

2つのタイプにまたがって迷う場合は、前述の選定診断ツールで業種・規模・重視する機能から横断的に候補を絞り込めます。

プロジェクト採算管理に強いおすすめERP

ここからは、比較表で取り上げた製品を、タイプごとに個別に紹介します。各製品の特徴や案件採算での強み、提供形態や対象規模を確認し、資料請求やデモの候補を絞り込む材料としてご覧ください。

中小〜中堅の案件型ビジネス向け|クラウド中心の案件採算管理ERP・システム

案件ごとの収支・工数・原価配賦を一元管理することを主目的に設計された製品群です。クラウド中心で導入が比較的速く、月額型で小規模から始めやすい傾向があります。

1. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACの公式サイト

東証プライム市場に上場する株式会社オロが提供する、IT・広告・コンサルティング・士業など案件単位で業務が進むプロジェクト型ビジネス向けの統合型クラウドERPです。プロジェクト別の収支管理を軸に、販売・購買・工数・経費・管理会計を一元化します。

売上に外注費・労務費・経費を案件ごとに紐付けて損益をリアルタイムに可視化し、工数管理で入力した作業時間を労務費として案件別に自動集計します。直接作業は指定案件へ直課し、間接作業は部門配下の案件へ再配賦する配賦ルールを備えます。

料金はモジュール(機能)×ライセンス数の課金で、必要な役割分だけ導入でき、導入後のライセンス増減にも対応します。初期設定費用10万円と保守費用6万円〜/月が基本で、各ライセンス単価は製品資料での開示(要問い合わせ)です。導入実績は公式発表で1,100社超とされています。

2. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESの公式サイト

日々の工数登録を起点に、人件費・外注費・経費を案件原価へ反映して損益を可視化するクラウド型ERPです。提供元の株式会社ビーブレイクシステムズは東京証券取引所グロース市場に上場しており、システム開発・SES・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネスを主な対象としています。

工数は担当者ごとに設定した基準時間の単価を掛けて労務費に換算され、プロジェクト原価へ反映されます。間接費の配賦基準には工数・人数・売上高・人件費比率のほか、面積や机の数といった非システム情報も設定できます。進捗率に応じて売上を計上する処理(従来の工事進行基準に相当)にも対応します。

導入形態は、利用人数と機能で料金が変わる「SaaS」、人数によらず定額の「一括」、一括版をSaaS形式で使う「SaaS+」の3種類から選べます。料金は公式非公開で、利用人数・機能に応じた個別見積もりとなり、30日間の無料トライアルが用意されています。

3. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAの公式サイト

ZACと同じ株式会社オロが提供する、従業員50名以下を目安とした案件・プロジェクト型ビジネス向けのクラウド型ERPです。公式はZACの機能のうち標準的なものに絞ってパッケージ化したシステムと位置づけており、初期費用0円・月額3万円(税抜)から、1〜2か月程度で導入できるとしています。

実行予算(利益計画)の入力と原価の自動計算により、仕掛中の案件でも案件別の損益を把握できます。工数登録を前提とした労務費配賦・共通費配賦に対応し、予定工数と実績工数を対比して労務費の上振れをタイムリーに確認できます。

機能別ライセンスの月額は、販売管理6,000円・購買管理2,000円・勤怠管理300円・経費管理300円(いずれもユーザー単位)で、利用する機能と人数に応じて積み上がります。会計システムへは勘定奉行クラウドなど向けにファイル連携で仕訳データを出力できます。

4. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンの公式サイト

業種別に「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3ラインナップを展開する、株式会社PROCAN提供のクラウド型プロジェクト収支管理システムです。IT・制作・建設など、案件単位で進行する受託型ビジネスを対象としています。

案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、経営分析ダッシュボードで収支をリアルタイムに可視化します。社内人員の工数を「工数×労務単価」で原価に換算し、外注費などの社外コストと合わせて案件ごとの粗利を把握できます(労務単価の設定方法は公式に明記なし)。

見積・請求・経費精算・稟議承認までを1つの入力データから連続して処理でき、弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードとの会計連携にも対応します。料金は初期費用15万円(税込16万5,000円)から、月額3万円(税込3万3,000円)からで、利用人数に応じて変動します。

5. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

SmileWorks(スマイルワークス)の公式サイト

販売・仕入・在庫・会計・給与・経費・勤怠・ワークフローを単一システムに統合した、株式会社スマイルワークス提供の中小企業向けクラウド型ERPです。各業務の入力が会計仕訳まで自動で連動する設計で、プロジェクト別の収支管理を主軸に据えています。

売上・仕入・経費・社内工数を案件ごとに集約し、案件単位で予算を入力して実績と対比できます。従業員が作業を案件別に入力する稼働報告は標準機能ですが、その工数を人件費として案件別に自動配賦するには、給与計算モジュールの契約と配賦機能オプション(月額5,000円・税別)の追加が必要です。

料金は、販売管理に絞った販売ERPプランが月額5,000円から、販売・会計・給与を機能単位で選べる標準プランが初期費用3万円・月額1万円からで、いずれも税別・オプション別です。案件管理機能は販売ワークス契約があれば追加費用なく利用できます。

6. freee 統合型 ERP(freee株式会社)

freee 統合型 ERPの公式サイト

「クラウド会計 freee」で知られるfreee株式会社が、2023年8月に提供を開始した中小・成長企業向けの統合型クラウドERPです。会計・請求・工数管理・案件管理・経費・給与・人事労務を単一プラットフォームに統合し、IT・コンサルティング・広告など受託型・請負型のビジネスを主な対象としています。

工数管理で入力した時間を時間単価でコスト換算し、案件別の売上・原価・利益を分析できます。freee会計や人事労務とデータが連携するため、工数から算出した人件費を案件へ自動でひも付けられます。利用は1名から可能とされています。

統合型ERP単体の料金は公式では非公開で、利用には「freee販売スタンダードプラン」の契約が必要です(同プランは10名利用で月額40,000円・税抜・年払いが目安)。無料お試しと無料相談が用意され、導入アドバイザリーは有償です。

7. ジョブマネ(株式会社サウスエージェンシー)

ジョブマネの公式サイト

個人事業主から従業員30名程度までの中小企業・部門単位での利用を想定した、株式会社サウスエージェンシー提供のクラウド型業務管理ツールです。スケジュールやワークフローなどのグループウェア機能と、案件管理・工数管理・原価管理・見積/請求の基幹業務機能を1つにまとめています。

案件ごとに仕入・外注費・作業工数・売上・経費を紐づけて採算を可視化し、入力した作業時間をもとに原価を計算して円グラフで把握できます。見積書を作成すると納品書・請求書までを連続作成でき、帳票の重複入力を避けられます。会計機能は持たず、会計ソフト連携を前提とした構成です。

初期費用は無料で、グループウェアプランは1〜100人で月額1,000円(税別)、案件・工数管理などを使うビジネスプランは1人あたり月額3,000円(税別)という料金体系です。全機能を試せる30日間の無料トライアルが用意されています。

8. RobotERP ツバイソ(ツバイソ株式会社)

RobotERP ツバイソの公式サイト

会計・販売・購買・人事給与などを扱うERPを中核に、案件管理に対応する「PSA」など計5つのクラウドサービスで構成される、ツバイソ株式会社提供の中堅・成長企業向けクラウド型基幹システムです。各サービスはREST APIで相互連携し、単独導入から段階的に組み合わせて拡張できます。

案件採算を扱うPSAでは、顧客・案件に紐付けて見積から受注・納品・請求までの売上プロセスと、発注・検収・原価までの調達プロセスを一元管理します。案件別の予算管理と実績・予測利益の測定、原価計算、工数・リソース管理に対応し、ソフトウェア開発・コンサルティング・建築・広告代理などを対象業種として挙げています。

具体的な料金は公式サイトで公開されておらず、法人ライセンスとユーザーライセンスを組み合わせた個別見積もりとなります。2026年8月には、画面を介さず外部のAIから自然言語でERPを操作できる「Tsubaiso Intelligence」の提供も開始しています。無料トライアルが用意されています。

中堅〜大企業・グループ/グローバル対応|統合ERPで案件採算まで管理

会計・販売・購買などの基幹業務を統合しつつ、プロジェクト原価や案件別予算の管理まで対応する統合ERPです。連結・多拠点・進行基準による収益認識まで見据える事業に向きます。

9. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuite の公式サイト

日本オラクル株式会社が日本国内での提供とサポートを担う、会計・販売・購買・在庫・CRMを単一のクラウド基盤に統合した統合型クラウドERPです。公式サイトによると200か国以上で利用され、27以上の言語と190以上の通貨に対応しており(2026年10月時点)、海外子会社を含む連結・多通貨での経営管理を見据える企業に向きます。

案件採算の管理は、アドオンのプロジェクト管理モジュール「SuiteProjects」が担います。タイム・アンド・マテリアルや固定価格など複数タイプの案件について、予算・見積・実績コスト・請求マイルストーンを監視し、購買発注を案件に紐づけて直接費・間接費を案件予算へ配賦できます。収益認識は労働ベース・固定・完了率など複数のルールから選べ、会計モジュールと連携します。

料金は、コア・プラットフォーム・オプションモジュール・ユーザー数で構成される年間ライセンスと初期費用が基本で、金額は公式に公開されておらず個別見積もりとなります。導入はパートナー経由になるケースが多く、費用やサポートの範囲はパートナー構成にも左右されます。

10. Odoo導入・開発・業務統合支援(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブ Odoo導入支援サービスの公式サイト

ベルギー発のオープンソースERP「Odoo」を、株式会社マルウェブが要件定義から運用定着まで一貫して導入支援するサービスです。販売・会計・在庫・CRM・プロジェクト・製造・ECなど多数のアプリから必要なものだけを選んで追加でき、販売から会計までを1つの基盤で一元管理できます。

案件採算の面では、プロジェクト(Project)アプリとタイムシートで計画工数と実績工数を比較し、請求可能な時間をメンバー・案件・タスク別に把握できます。マルウェブは要件定義・Fit & Gap分析からカスタマイズ開発、外部システム連携、データ移行、運用定着までを支援工程として掲げ、日本とベトナムのハイブリッド開発体制を特徴としています。

どの業務からどの範囲で統合を始めるかは、案件型ビジネスがERPを導入する際にも判断が分かれます。マルウェブの若林氏は、導入範囲の決め方について次のように説明しています。

株式会社マルウェブ
若林氏
独自インタビューより

判断の軸は大きく2点です。一つは、お客様が今どの業務をどのように運用していて、Odooのアプリで言えばどの領域を使うことになるのか。もう一つは、予算と優先順位です。この2点は要件定義とフィット&ギャップ分析の段階でお伝えしながら整理していきます。たとえば「まずは販売と在庫と会計だけでスタートしましょう」という形で始めて、使い方に慣れてきたら会計やCRMを段階的に追加していく、といった進め方をご提案することもあります。

Odoo本体のライセンスはアプリ数ではなくユーザー数に応じた課金で、1アプリのみなら無料、2アプリ以上はスタンダード22ドル/ユーザー・月、カスタム33ドル/ユーザー・月が目安です(カタログ掲載値、初回ユーザーへの12か月割引適用後)。マルウェブの導入支援費用は別途、要件に応じた個別見積もりとなります。

11. OBIC7 会計情報ソリューション(株式会社オービック)

OBIC7 会計情報ソリューションの公式サイト

統合基幹業務システム「OBIC7」シリーズの会計領域を担うソリューションで、株式会社オービックが開発から販売、導入後のサポートまでを自社一貫で提供します。財務会計から管理会計、連結会計までをカバーし、複数会社・グループ全体の会計管理やIFRSにも対応します。

案件採算に関わる機能としては、プロジェクト情報の登録から間接費の配賦、完成・仕掛の振替、原価収支の管理までを扱うプロジェクト原価管理を備えます。すべての伝票でワークフロー承認を利用できる点も、内部統制を重視する企業に向いた特徴です。

導入実績はOBIC7シリーズ全体の累計で29,000社超・250業種です。ITRの調査「ITR Market View:ERP市場2025」では、2023年度のERP市場ベンダー別売上金額シェアで1位(11.8%)と公表されています。料金は公式に公開されておらず、要お問い合わせとなります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:ERP市場ベンダー別売上金額シェア1位(ITR「ITR Market View:ERP市場2025」2023年度)|株式会社オービック プレスリリース(リンク)

12. GRANDIT(インフォコム株式会社)

GRANDIT の公式サイト

GRANDIT(グランディット)は、インフォコム株式会社が開発・保守を担う国産の統合型ERPです。複数企業のノウハウを集約したコンソーシアム方式で、国内70社以上のパートナーが導入・カスタマイズを手がけます。販売・調達在庫・製造、経理・資産・経費、債権・債務、人事・給与などのモジュールを備え、新版は「コンポーザブルERP GRANDIT V4」です。

案件採算では、設備工事業向けのソリューションが工事別の実行予算管理に対応し、実行予算と実績を対比して損益を把握します。収益認識は、総予定原価に対する実績原価の進捗率に応じて進捗売上を計上する処理に対応し、計上期間を月次・四半期・半期・通期から選べます。

プロジェクト別の収支や個別原価を可視化するテンプレートも用意されますが、工事管理系のアドオン・テンプレートはパートナーが提供するもので、GRANDIT本体の標準機能とは別に契約・費用が必要になる場合があります。料金は公式に公開されておらず、要お問い合わせとなります。

13. PROACTIVE(SCSK株式会社)

PROACTIVE の公式サイト

PROACTIVE(プロアクティブ)は、SCSK株式会社(住友商事グループ)が提供する統合ERPで、公式サイトでは年商100億円以上の中堅〜大企業を主な対象としています。会計・人事給与・販売・購買・生産に加え、建設業向けのソリューションまでを同一ブランドで統合し、導入実績は7,500社を超えると公表しています。

案件採算に関しては、建設業向けの「PROACTIVE Construction」が、1つの契約に複数の工事(実行予算)を紐づけ、実行予算・発注・支払のデータを連携させた原価管理を担います。収益認識は進行基準・完成基準・原価認識基準に対応し、共同企業体(JV)会計では出資比率の登録から出資金・分配金・原価・売上、構成会社間の精算までを一元管理できます。

提供形態はSaaS・IaaS・オンプレミス・ハイブリッドから選べます。料金は利用機能とユーザー数に応じた個別見積もりで、公式FAQでは初期費用の目安をおよそ2,000万円からとしています。

14. Biz∫(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

Biz∫(ビズインテグラル)の公式サイト

Biz∫(ビズインテグラル)は、株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供する国産ERPパッケージで、ワークフロー製品「intra-mart」の基盤上に会計・販売・人事給与などをそろえています。NTTデータの公式ラインアップでは年商500億円以上の大手企業を主対象とし、サブスクリプション型クラウドの「Biz∫Optima」で中堅企業へも広げています。

案件採算では、Biz∫会計がプロジェクト原価管理を備えるほか、業種別テンプレートとしてIT業向けのプロジェクト別予算管理(2024年8月提供)や、建設業向けのJV管理を用意しています。ライセンスは業務モジュール×指定ユーザー数の体系で、一般会計のみといった最小単位から段階的に導入できます。

デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2026年度版」では、大手企業向けERPパッケージ部門で2025年度の年間出荷本数1位と公表されています。導入実績は採用2,000社を突破(2025年12月時点)。料金は公式に公開されておらず、要お問い合わせとなります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:大手企業向けERPパッケージ市場 2025年度 年間出荷本数No.1(デロイト トーマツ ミック経済研究所「基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望2026年度版」)|株式会社NTTデータ・ビズインテグラル(PR TIMES)(リンク)

採算管理ERP導入の進め方

最後に、採算管理ERPを導入するまでの進め方を整理します。製品選定でつまずかないために、要件の整理から段階的に進めることが大切です。

はじめに取り組みたいのが、現状の課題の具体化です。案件別の損益が見えない、赤字の発覚が遅い、工数配賦が属人的といった困りごとを洗い出し、何をどこまで解決したいかを言語化しておきます。ここが曖昧なまま製品を比べると、機能の多さに目を奪われて自社に合わない選択につながりがちです。

次のステップは、要件の整理です。管理したい案件の単位、必要な原価配賦の基準、既存の会計・販売システムとの連携範囲、利用人数と予算を具体化し、譲れない要件と妥協できる要件を分けておくと、比較の軸が定まります。そのうえで、要件に合う複数の製品・ベンダーから資料を取り寄せ、デモで実際の操作感と自社業務への当てはめを確かめるとよいでしょう。

導入段階では、いきなり全社・全機能で始めず、一部の部門や案件から試験的に運用し、入力の定着と原価の精度を確かめながら範囲を広げる進め方が安全です。経営層を巻き込んだ推進体制を整えることも、定着を左右する要素になります。

まとめ

案件採算管理に強いERP・システムは、案件別の予実・原価の案件配賦・工数連携・進行基準による収益認識といった実務要件を、案件という共通の軸でつなぎます。自社の原価構造で比重の大きい要素を見極め、案件採算に特化した製品で解くのか、基幹全体を統合するなかで採算管理を位置づけるのかを決めることが、製品・ベンダー選びの出発点です。

そのうえで、業種ごとの重視点、提供形態・企業規模・既存システムとの連携、導入後の運用定着まで含めて比較すると、自社に合う候補を無理なく絞り込めます。気になる製品が見つかったら、資料請求やデモで自社業務への当てはめを確かめてみてください。

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よくあるご質問(FAQ)

Q. プロジェクト採算管理(プロジェクト会計)とは何ですか?

A. プロジェクト採算管理(プロジェクト会計)とは、案件(プロジェクト)ごとに売上・原価・工数を集計し、案件単位の利益(収支)を個別に把握する管理手法です。全社の損益しか見えない一般的な会計と異なり、「どの案件で稼ぎ、どの案件が赤字なのか」を案件を軸に可視化する点が特徴です。

案件採算管理に対応したERPは、見積・受注から工数・外注費の実績、会計までを同じ案件コードでつなぎ、この案件別損益をリアルタイムに把握できるようにします。案件ごとに利益率が大きくばらつき、工数や外注費の配分が損益を左右するIT開発・広告制作・コンサルティング・建設などの事業で、とくに効果が大きくなります。

Q. 案件ごとの収支や採算管理はERPで行えますか?

A. 案件ごとの収支や採算管理は、プロジェクト採算に対応したERP・システムで行えます。案件別に予算(見積原価・目標利益)を登録し、発生した売上・原価・工数を突き合わせることで、進行中の案件でも予実差異や利益率を把握できます。

ただし、すべてのERPが案件採算に強いわけではありません。工数の労務費換算、直接費・間接費の案件配賦、進捗度に応じた収益認識にどこまで対応するかは製品によって差があるため、自社の原価構造に合う製品を見極めることが重要です。

Q. プロジェクト採算管理ERPの進行基準による収益認識とは、どのような処理ですか?

A. 長期の受託・請負案件で、完成を待たずに進捗度に応じて売上を計上する処理のことで、採算管理に強いERPにはこれを自動計算できる製品があります。

現行の企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が定める「一定の期間にわたり充足される履行義務」の考え方に沿うもので、従来の工事進行基準に相当します。名称よりも、進捗率(原価比例法など)に応じた売上計算を自動化できるかという中身で確認するのが正確です(適用範囲や詳細は本文の機能解説を参照)。

Q. プロジェクト採算管理ERPはクラウド型とオンプレミス型でどう違いますか?

A. プロジェクト採算管理ERPのクラウド型とオンプレミス型の違いは、初期コストと導入期間、カスタマイズの自由度にあります。クラウド(SaaS)型は初期費用を抑えて短期に導入しやすく、月額のサブスクリプションで小規模から始めやすい一方、オンプレミス型や専用環境は自社固有の原価計算・配賦ルールへの作り込みに向きます。

自社の案件管理が標準的な運用に収まるならクラウド型、独自の配賦ルールが不可欠なら作り込める形態、というように自社の要件で判断します。中堅〜大企業で連結・多拠点・内部統制まで求める場合は、提供形態とあわせて統合ERPの対応範囲も確認するとよいでしょう。

Q. 赤字案件(赤字プロジェクト)を防ぐにはどうすればよいですか?

A. 赤字案件を防ぐには、ERPで工数や経費をリアルタイムに可視化し、案件の進行中に予算と実績の差異を早期につかむことが重要です。実績原価が月次決算を締めてから判明する運用では、赤字は案件が終わった後に確定してしまい、途中での軌道修正が利きません。

案件別の予実管理によって消化原価と残予算が常に見える状態をつくり、赤字化の兆候が出た段階で対策を打てるようにすることが、未然防止につながります。あわせて、現場が工数や経費を正しく入力する運用を定着させることも、原価の精度を保つうえで欠かせません。

Q. プロジェクト採算管理ERPのベンダー・製品を選ぶときのポイントは何ですか?

A. 自社の業種・原価構造への適合、案件採算機能の深さ、提供形態・企業規模、既存システムとの連携、料金とサポート体制を総合的に比較することがポイントです。とくに、自社の原価で比重の大きい要素(工数・外注費・材料費のいずれか)を軸に、その管理が得意な製品を見極めるのが出発点になります。

あわせて、案件採算に閉じた悩みを解きたいなら特化型、会計・販売まで含めて基幹全体を統合したいなら統合ERP+プロジェクトモジュール、という方向の違いも押さえておきます。そのうえで、要件に合う複数社から資料やデモを取り寄せ、自社業務への当てはめを確かめて比較するのが確実です。

Q. プロジェクト採算管理ERPの費用相場はどのくらいですか?

A. 費用は、初期費用(導入支援・初期設定・データ移行)と、継続利用のライセンス費用に大きく分かれます。クラウド型は月額・年額のサブスクリプションで、ユーザー数×単価を基本に積み上がる製品が多く、月額数万円程度から始められるものもあります。一方、中堅〜大企業向けの統合ERPは、導入規模やカスタマイズの度合いで費用が変わるため、公開価格ではなく個別見積もりとなるのが一般的です。

継続費用の課金方式は、利用人数に応じたユーザー課金、機能モジュール単位の課金、企業規模や利用範囲に応じた個別見積の3つが代表的です。正確な費用は、自社の利用人数・必要モジュール・導入支援の範囲を伝えたうえで、各社に見積もりを依頼するのが確実です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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