案件やプロジェクトごとの損益を、Excelや会計ソフトだけで管理していて「終わってみないと黒字か赤字か分からない」と感じていませんか。受注時の見積もりと実際の原価がずれても気づくのが遅れ、赤字案件の発見が決算後になってしまう、という悩みは案件型のビジネスでよく聞かれます。
案件損益管理システムを導入すると、案件ごとに売上と原価(外注費・経費・人件費)を積み上げ、進行中でも損益をリアルタイムに把握できます。ただし製品は、収支・原価管理に特化したものから、基幹システム(ERP)の一機能、工数管理から原価を割り出すもの、見積・請求と一体になったものまで幅があり、機能や料金だけでは自社に合うかを判断しづらいのが実情です。
本記事では、案件・プロジェクト単位で損益を管理できる27サービスをタイプ別に比較・解説します。機能・料金・対象規模に加え、案件損益管理で評価が分かれやすい着眼点(良い点・導入前に確認したい点)を観点ごとに整理し、各製品の向き不向きと、口コミを自分で確かめるときの見方もまとめました。案件型ビジネスで損益を管理する担当者が、自社の案件管理に合う製品を絞り込む材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲(案件・プロジェクト単位で損益を管理したい方へ)
本記事は、案件・プロジェクト単位で売上と原価を積み上げ、案件ごとの損益(収支)を把握したい企業に向けた内容です。対象は、受注した仕事を案件(プロジェクト)として進めるSI・受託ソフト開発・広告/制作・コンサルティング・建設/工事などの業種を想定しています。
自社の目的が案件ごとの損益把握にあるか、全社の数字の可視化にあるかで、適した製品は変わります。案件単位ではなく全社・部門単位の予算実績管理(予実管理)や経営管理、連結決算まで含めて目的・規模から広く比較したい場合は、管理会計システム全体を扱った以下の記事もあわせてご覧ください。
案件(プロジェクト)損益管理とは
案件損益管理とは、案件(プロジェクト)ごとに発生する売上と原価を結びつけて集計し、その案件が利益を生んでいるか損失を出しているかを管理することです。全社の損益計算書が「会社全体の結果」を示すのに対し、案件損益管理は「どの案件が稼ぎ、どの案件が赤字か」を一件ずつ切り分けて見られる点に違いがあります。
案件損益管理で見える化できること
案件損益管理システムでは、案件ごとに売上(受注金額)と原価を対応づけて管理します。原価には、外注費や経費のほか、担当者の作業時間(工数)に単価を掛けて算出する人件費が含まれます。これにより、受注時に見込んだ利益と、進行中・完了後の実際の利益の差を一件単位で追えます。
見える化の粒度は製品によって異なります。受注額から外注費などを差し引いた粗利を把握するものから、工数を人件費に換算して案件別の原価を積み上げるもの、さらに実行予算と実績を対比して着地見込みを早期に示すものまであります。自社がどこまでの精度で損益を見たいかが、製品選びの出発点になります。
Excel・会計ソフトだけの運用の限界
案件数が少ないうちは、Excelや会計ソフトでも案件損益を管理できます。しかし案件が増えると、担当者ごとに様式が異なる・工数の集計が手作業になる・会計ソフトは全社の数字が主で案件単位に分解しづらい、といった問題が表面化します。
とくに影響が大きいのが損益確認の遅れです。月次や決算でまとめて集計する運用だと、赤字案件に気づくのが進行後半や完了後になり、手当てが間に合いません。案件損益管理システムは工数・経費・外注費を案件に随時紐づけて集計するため、進行中でも損益悪化を早く把握できます。この効き目は仕様だけでは測りにくいため、導入企業の口コミで確かめて選ぶ意味があります。
口コミでわかる案件損益管理の評価ポイント
案件損益管理システムは、同じ「案件ごとの損益を見る」機能でも、使い勝手や自社業務への合い方で評価が分かれます。ここでは、評価が分かれやすい観点を良い点と改善点に分けて整理します。
各製品が実際にどの観点に強いか(向き不向き)は、後半の比較表と各サービスの個別紹介で確認できます。満足度や利用者の実際の声は各製品の公式サイトやレビューサイトで確かめ、本記事で整理した観点と照らし合わせて判断すると選びやすくなります。
良い点でよく挙がる観点
評価されやすいのは、まず案件ごとの損益が一目で分かることです。案件を開くと売上・原価・利益が並び、個別の採算をその場で確認できる点が、Excel運用からの移行者に支持されます。
次に、赤字案件や採算悪化の早期発見です。実績が実行予算を超えそうなときにアラートや予実対比で気づける製品は、損失が確定する前に手を打てると評価されます。加えて、工数・経費・外注費を自動で案件原価に反映し、転記や二重入力を減らせる点、見積から請求・支払までを一つの案件データでつなげられる点も、良い点として語られます。
改善点・導入前に押さえたい注意点
改善点として挙がりやすいのは、予実対比の作り込みです。契約時の予算を基準にした対比ができず、現時点の実績しか見えないと感じるケースがあります。自社が「見込みと実績の差」をどこまで追いたいかを、導入前に確かめておくと安全です。
もう一つが導入・定着のしやすさです。機能が豊富な製品ほど初期設定や運用ルールの整備に手間がかかり、現場に浸透するまで時間を要するという声があります。案件数が増えたときの案件検索のしやすさ、既存の会計・勤怠システムとの連携の可否も、運用開始後に効いてくる観点です。こうした改善点は、自社の運用で詰まりそうな箇所を事前に洗い出すチェックリストとして読むと役立ちます。
外部のレビューサイトで口コミを確かめるときの見方
口コミを確かめるときは、総合的な満足度の点数だけで判断しないことが大切です。案件損益管理では、同じ製品でも「原価管理」「予実管理」「工数管理」など機能ごとに評価が分かれます。自社が重視する機能に絞って評価を読むほうが、導入後のギャップを減らせます。
また、評価は投稿した企業の業種・規模・使い方によって変わります。自社に近い条件の評価を優先して読み、少数の極端な評価に引っ張られないようにすると安全です。比較メディアが独自に付けた総合ランキングや受賞は、評価の基準が読者側から確かめられないため、鵜呑みにせず参考程度にとどめるのが無難です。
案件損益管理システムの選び方
ここからは、自社に合う案件損益管理システムを絞り込むための観点を整理します。製品の成り立ちによるタイプの違い、機能と対象規模の見方、料金の読み解き方の順に解説します。
タイプ別の違い(自社の管理の仕方で選ぶ)
案件損益管理システムは、どこを起点に損益を管理するかで大きく4つのタイプに分かれます。自社が「どの形で案件の損益を見たいか」に当てはめると、候補を絞りやすくなります。

- 案件の収支・原価管理に特化したタイプ:案件・プロジェクト単位で売上と原価、工数を積み上げ、実行予算や個別原価計算まで行う専用システムです。案件の採算管理そのものを主目的とする企業に向きます。
- プロジェクト型ERP・統合基幹システムのタイプ:会計・販売・人事などと一体になった基幹システムの中で、案件別の損益まで管理します。原価配賦や実行予算を含め、全社の業務と案件採算をまとめて扱いたい中堅〜大企業に適します。
- 工数管理から案件損益を可視化するタイプ:記録した作業時間に単価を掛けて人件費に換算し、案件別の原価として積み上げます。原価の大半が人の作業時間である受託・制作型の業務で力を発揮します。
- 見積・請求(販売管理)と一体で管理するタイプ:受注(売上)と発注(原価)を案件に紐づけ、見積から請求までの流れの中で案件ごとの粗利を把握します。見積・請求業務の延長で損益を見たい小規模〜中小企業向けです。
工数を人件費として案件原価に反映するかどうかは、タイプによって扱いが異なります。原価の多くが人件費になる業務では、工数と単価から人件費を自動で原価に反映できるかが重要な分かれ目になります。
機能・対象規模の見方
機能面では、案件損益をどの粒度で出せるかを確認することが重要です。粗利(売上から外注費などを引いた額)まででよいのか、工数を含めた個別原価計算が必要か、契約時予算と実績を対比した着地見込みまで見たいのかで、適する製品が変わります。既存の会計ソフトや勤怠システムと連携して転記を減らせるかも、運用負荷を左右します。
案件ごとに原価をどう積み上げて損益を出すのか、その作り方そのものを詳しく知りたい場合は、プロジェクト単位の収支管理に絞って個別原価の組み立て方まで解説した以下の記事も参考になります。
対象規模も重要な軸です。製品には公式サイトで対象とする企業規模を示しているものがあり、小規模向けの製品を大企業で使うと機能が足りず、大企業向けの製品を小規模で導入すると設定や費用が過大になりがちです。自社の従業員数・案件数に合うレンジの製品を選ぶと、導入後の負担を抑えられます。
料金・費用の見方
料金は、提供形態と課金方式で見方が変わります。クラウド型(SaaS)はユーザー数に応じた月額課金が中心で、小規模向けなら1ユーザー月額数百円〜、中堅向けで月額数万円〜が目安です。インストール型(オンプレミス)や基幹システム一体型は、初期費用が数十万〜数百万円規模になることもあり、料金を公開せず個別見積もりとする製品が多く見られます。
「要お問い合わせ」と表示される製品は、必ずしも高額とは限りません。利用人数や必要な機能範囲で金額が変わるため、公開していないだけのこともあります。候補が絞れたら資料請求や見積もりで実額を確認するのが確実です。各製品の料金体系は、次の比較表に2026年10月時点の公式情報をもとに整理しています。
自社がどのタイプに当てはまるか迷う場合は、以下の診断で質問に答えると候補を絞り込めます。
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案件損益管理システムを機能・料金・対象規模で比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、案件損益管理システムを前述の4つのタイプに分けて紹介します。各表では、提供形態・対象規模・案件損益の見方・工数の人件費反映・費用・無料トライアルの有無を並べています。
① 案件の収支・原価管理に特化したタイプの比較
| サービス名 | OBPM Neo | プロカン | Reforma PSA | MA-EYES | SMILE V 2nd Edition Project Director | プロジェクト収支管理Rebo | HUE Classic Project Management | Flagxs(フラッグス) | LEEAD(リード) | マネーフォワード クラウド個別原価 | 勘定奉行クラウド[個別原価管理編] |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | オンプレミス | オンプレミス | オンプレミス (クラウド運用代行あり) | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド |
| 対象規模 | 要確認 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 (〜50名目安) | 中小〜大企業 | 要確認 | 要確認 | 中堅〜大企業 | 中堅〜大企業 | 中小〜中堅 | 中堅〜大企業 (IPO準備〜上場) | 中小〜中堅 (成長企業向け) |
| 案件別損益の見方 | 個別原価・採算(EVM予実) | 個別原価・予実(粗利) | 個別原価・予実(仕掛中でも損益把握) | 個別原価・予実(プロジェクト単位) | 収支・予実(予定/着地見込/結果の比較) | 予実(売上/原価予算の月次対比) | 個別原価・予実(原価計上まで) | 個別損益(プロジェクトP/L予実) | 収支・予実(計画と実績の対比) | 個別原価計算(多段階配賦・原価推移) | 個別原価・予実(粗利・予算を同一画面) |
| 工数→人件費の案件別反映 | 標準対応 (社員ランク別標準原価。Enterprise版) | 標準対応 (工数×労務単価) | 標準対応 (労務費配賦。工数登録前提) | 標準対応 (基準時間単価×作業時間) | 標準対応 (Web工数入力。勤次郎連携) | 公式に記載なし (原価は仕入・外注費が中心) | 標準対応 (人件費算出・配賦。計算方式は要確認) | 標準対応 (要員グレード別単価で自動換算) | 標準対応 (人件費の原価設定。反映ロジックは要確認) | 標準対応 (勘定科目別単価で労務費を按分) | 標準対応 (労務費計上・自動配賦・進捗度基準の原価振替) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 150,000円〜(税込165,000円〜) | 0円 | 要問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要問い合わせ(非公開) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 50,000円〜(プラン別) |
| 月額費用 | 10万5千円〜(税抜) | 30,000円〜(税込33,000円〜) | 30,000円〜(税抜) | 要問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要問い合わせ(非公開) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 27,500円〜(iA。iB 31,250円〜/iS 37,750円〜) |
| 無料トライアル | あり | — | — | あり(30日間) | あり (体験版) | — | — | あり | あり(30日間) | — | 30日間 |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
② プロジェクト型ERP・統合基幹システムのタイプの比較
| サービス名 | Oracle NetSuite | クラウドERP ZAC | Biz∫(ビズインテグラル) | OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション | SmileWorks(スマイルワークス) | アラジンオフィス | GRANDIT miraimil | intra-mart プロジェクト型原価管理 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | 両対応(クラウド/オンプレミス) | 両対応(クラウド/オンプレミス) | クラウド | 両対応(クラウド/オンプレミス) | クラウド | 両対応 (基盤上でパートナー構築) |
| 対象規模 | 中堅〜大企業 (海外展開・IPO準備) | 中堅〜大企業 (50名〜目安) | 中堅〜大企業 (年商500億円〜) | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中堅〜大企業 |
| 案件別損益の見方 | 予実・案件収益性(PSA。収益/コスト予算でマージン予測) | 個別原価・予実(案件損益。工事進行基準対応) | 個別原価(プロジェクト別。細目は要確認) | 案件別の収支把握 (原価計算の細目は要確認) | 収支・予実(案件単位の予算実績対比) | 案件別収支 (仕掛原価。プロジェクト管理オプション) | 個別原価・収支(工事進行基準・不採算案件の早期把握) | 案件別収支 (工数・経費・外注費を承認フローで集約) |
| 工数→人件費の案件別反映 | 連携・オプション前提 (PSAアドオン。タイムシート工数を元帳へ転記) | 標準対応 (工数入力→案件別労務費を自動集計、直接/間接を配賦) | 要確認 (社内労務費の管理はあり・換算方式は公式非公開) | 要確認 (開発工数管理あり・人件費換算は非公開) | 連携・オプション前提 (配賦機能+給与ワークス契約) | 連携・オプション前提 (作業日報の時間×単価を労務費化。プロジェクト管理OP) | 要確認 (プロジェクト原価モジュールあり・工数換算は非公開) | 要確認 (人件費の自動換算は公式に記載なし) |
| 初期費用 | 要問い合わせ(非公開) | 10万円(初期設定費用) | 要お問い合わせ | 要問い合わせ(非公開) | 0円〜(プラン別) | 要問い合わせ | 個別見積 | 公開なし(個別見積) |
| 月額費用 | 要問い合わせ(年間ライセンス) | 要問い合わせ (モジュール×ライセンス+保守6万円〜/月) | 要お問い合わせ | 要問い合わせ(非公開) | 5,000円〜(税別、プラン別) | 要問い合わせ | 45万円〜 | 公開なし(個別見積) |
| 無料トライアル | — | — | — | — | あり (最大2ヶ月。恒久無料プランなし) | — | あり(1か月) | あり (期間要確認) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
③ 工数管理から案件損益を可視化するタイプの比較
| サービス名 | TimeCrowd(タイムクラウド) | TeamSpirit 工数(チムスピ工数) | Lychee Redmine | CrowdLog(クラウドログ) | freee工数管理 |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | 両対応(クラウド/オンプレミス) | クラウド | クラウド |
| 対象規模 | 小規模〜大企業 | 中堅〜大企業 (50名〜) | 中堅〜大企業 | 要確認 | 要確認 |
| 案件別損益の見方 | 案件別人件費(原価) (売上との収支は外部連携前提) | 別製品連携で収支を可視化 (工数単体では損益は見えない) | 予実・収支予測(EVM。プレミアム以上) | 個別原価・予実(損益管理。工数・予算はプレミアム) | 人件費原価・予実 (売上含む案件別収支はfreee販売連携) |
| 工数→人件費の案件別反映 | 標準対応 (ワークスペース/チーム単価×稼働時間) | 連携・オプション前提 (別製品 TeamSpirit プロジェクト原価管理で標準単価×工数) | 標準対応 (コストグループ別単価×作業時間。プレミアム以上) | 標準対応 (工数実績×人件費で原価を算出) | 標準対応 (プロジェクト別人件費原価を自動算出) |
| 初期費用 | 要お問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | なし (クラウド利用料5,000円/月〜) | 要お問い合わせ(非公開) | 無料 |
| 月額費用 | 要お問い合わせ(非公開) | 18,000円〜/月(工数単体・税抜・50ユーザー分込み) | 0〜2,100円/ユーザー (原価機能はプレミアム1,400円/ユーザー〜) | 600円〜/ユーザー(ベーシック)+基本料金(非公開) | 500円〜/ユーザー(メンバー・年払・税抜) |
| 無料トライアル | あり(2週間) | あり (期間要確認) | 30日間 | あり(7日間) | 30日間 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
④ 見積・請求(販売管理)と一体で管理するタイプの比較
| サービス名 | 楽楽販売 | freee販売 | board |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド |
| 対象規模 | 要確認 | 小規模〜中小 | 小規模 (〜100名目安) |
| 案件別損益の見方 | 収支・予実(案件単位の粗利) | 粗利・予実(原価推移レポート) | 粗利(案件−発注) |
| 工数→人件費の案件別反映 | 標準対応 (工数と原価・利益率を紐づけ。計算式は要確認) | 連携・オプション前提 (人件費はfreee工数管理連携) | 非対応 (粗利ベース・工数配賦なし) |
| 初期費用 | 200,000円(税抜) | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 70,000円〜(税抜) | 約5,000円/月〜(スターター・3名・年払・税抜) | 1,200円〜(Personal・税抜) |
| 無料トライアル | あり | あり(最長30日) | 30日間 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は2026年10月時点の各社公式情報をもとに整理したものです。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)、最新の料金は各社の公式情報をご確認ください。
案件損益管理システムの各サービスの特徴
比較表で取り上げた各サービスについて、案件損益管理に関わる機能と、実際に使った企業の評価の要点を紹介します。タイプごとに、案件の収支・原価管理に特化したタイプから順に見ていきます。
① 案件の収支・原価管理に特化したタイプ
案件・プロジェクト単位で売上・原価・工数を積み上げ、実行予算や個別原価計算まで行う専用システムです。案件の採算管理そのものを主目的とする製品が並びます。
1. OBPM Neo(株式会社システムインテグレータ)

OBPM Neoは、株式会社システムインテグレータが2008年から提供するプロジェクト管理システムのクラウド版で、システム開発業(SIer・IT企業)を主な対象とします。品質・進捗・採算・要員を一元管理し、公式サイトは原価管理に強みを持つと案内しています。
案件損益は、社員ランク別の標準原価と工数入力から工程別原価を積み上げ、原価見積・実行予算に対する実績をプロジェクト別採算として確認します。EVM(出来高による予算と進捗の評価)で採算と進捗を同時に把握でき、勤怠・会計システムと連携して月次の仕掛原価や完成原価を会計へ出力できます。
導入実績は300社以上・約56,000ユーザーとされ、導入企業では失敗プロジェクトの削減や利益率の改善が報告されています。工数から原価・採算まで一貫して追える点が評価される一方、原価管理機能が使えるのは3エディションのうち上位のEnterpriseです。料金は3エディション全体で月額10万5千円(税抜)から、最低10ライセンス・1年契約が前提です。
2. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンは、案件単位で進行する受託型ビジネス向けのクラウド型プロジェクト収支管理システムで、株式会社PROCANが提供しています。IT・システム開発、イベント・映像制作、広告・PR、デザイン・Web制作、建設・工事などの業種に合わせ、「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3ラインナップを用意しています。
案件ごとに予算・実績・原価を集約し、社内人員の工数を工数×労務単価で人件費に換算、外注費や経費と合わせて案件別の粗利を可視化します。予算実績対比表で売上・原価・工数の予実や前年対比を確認でき、見積・請求・発注・経費精算・稟議承認までを一つの入力から処理できる設計です。
初期費用は15万円(税込16万5千円)から、月額は3万円(税込3万3千円)からで、利用人数に応じて変動し、IT導入補助金の対象として案内されています。導入企業からは経理の収支確認や請求業務の負担が減ったとの効果が挙がる一方、労務単価の設定方法や会計連携の方式は公式に明示がないため、問い合わせで事前に確認しておきましょう。
3. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAは、株式会社オロが提供するクラウド型ERPで、同社の大規模向け「ZAC」の機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けに絞ってパッケージ化した製品です。IT・広告・イベント・コンサルティング・制作・設計など案件単位で業務が進む業種を対象とし、従業員50名以下が一つの目安とされています。
販売・購買・勤怠工数・経費を一元化し、実行予算(利益計画)の入力と原価の自動計算で、仕掛中の案件でも損益を把握できます。従業員がプロジェクト・作業内容ごとに入力した工数を労務費配賦で案件原価に反映し、プロジェクト別の工数(労務費)予実対比で労務費の上振れを早めに確認できます。
初期費用は0円、月額は3万円(税抜)からで、導入期間は1〜2か月程度とされ、ZACより短期間・低コストで始められる点が特徴です。勘定奉行クラウドやマネーフォワード クラウド会計などへの仕訳データのファイル連携にも対応します。導入企業では、コストを抑えつつ経営数値のレポートを月次から日次まで早期化した事例が公開されています。
4. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESは、株式会社ビーブレイクシステムズが提供するクラウド型ERPで、システム開発・SES・コンサルティングなど人件費が主なコストとなるプロジェクト型ビジネスを対象とします。工数・原価をリアルタイムに集約し、部門別・案件別・顧客別など複数の切り口で損益を可視化します。
勤怠と連動した作業実績の入力から、マスタに設定した基準時間単価と作業時間を掛けて労務費を算出し、外注費・経費と合わせて案件原価に反映します。配賦基準は工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数といった情報も設定でき、月別の原価予算と実績をグラフで比較、工事進行基準にも対応します。
料金は公開されておらず、SaaS・SaaS+・一括の3形態から選ぶ仕組みで、30日間の無料トライアルがあります。ISO/IEC 27001とクラウドセキュリティ認証を2025年3月に取得しています。導入企業では、営業事務の作業量を3分の1に減らし、経理の月次締めを1日短縮した事例が公開されています。
5. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

SMILE V 2nd Edition Project Directorは、大塚商会グループの株式会社OSKが開発し大塚商会が販売する、プロジェクト収支管理システムです。「SMILE V」シリーズの業種特化製品の一つで、広告制作業・SI業・コンサルティング業など案件単位で業務を進める業種を対象とします。
案件ごとに見込み発生から受注・発注・仕入・売上・請求・入金・支払までを一元管理し、「案件ポータル」で進捗と収支をリアルタイムに確認できます。予定値・着地見込み・最終結果を比較するシミュレーションで異常値を早期に発見でき、Web画面での工数入力と勤怠管理システム「Universal 勤次郎」連携で案件ごとの労務費を原価に反映します。
プロジェクト別・部門別・得意先別・サービスカテゴリー別など多角的な収支分析に対応し、独自項目の追加や帳票レイアウトの調整もできます。サポートは大塚商会の全国網が担います。提供はオンプレミスが中心で、料金は公式に公開されていないため、費用や予算管理の詳しい仕様は見積もり・デモで確認する流れになります。
6. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboは、株式会社ディータイドが提供する企画・制作業向けのプロジェクト収支管理パッケージです。ソフトウェア開発・広告制作・TV番組制作・映画制作・イベント企画運営など、案件単位で売上と原価が発生する請負型ビジネスを対象としています。
案件ごとに売上予算・原価予算を月単位で登録し、予算実績対比表で予実の差額を早い段階から損益としてシミュレーションできます。受注金額に対する原価・利益額・利益率を把握し、仕入・外注費・社内発注・仮払・即時支払をまとめて扱う債権債務管理で、先々の資金繰りまで同じシステムで見通せます。
勘定奉行・大蔵大臣とはアドオンで仕訳を自動作成でき、その他の会計システムとはCSVで連携します。導入企業では、支払に関わる処理を一元化し重複入力を減らした事例が公開されています。提供形態はオンプレミス型のパッケージで、料金は要問い合わせです。原価は仕入・外注費・経費が中心で、工数から人件費を自動で原価化する機能は公式に記載がない点に留意してください。
7. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Classic Project Managementは、株式会社ワークスアプリケーションズが「案件毎の採算を可視化し、原価計上まで統合するプロジェクト収支管理システム」として提供する製品です。SI・工事・コンサルティング・研究開発などプロジェクト型の業種を対象とし、導入事例や機能範囲から中堅〜大企業向けと位置づけられます。
工程と配置人員の積み上げで予定原価を算出し、勤怠・経費・売上を集約した人件費の算出と配賦をプロジェクト単位で行います。見積・受注・売上・請求から発注・仕入・支払までの取引を一括管理し、予実を月別・科目別に可視化、設定したボーダーで赤字懸念のプロジェクトを自動抽出します。月次決算では原価計算から仕訳・会計連携までを処理します。
導入企業では、毎月の集計・分析業務を1週間程度から1日に短縮した事例が公開されています。提供はオンプレミスと、AWS・OCI上での運用を代行する「HUE Classic Cloud」から選べます。料金は公開されておらず要問い合わせで、工数データを原価に変換する具体的な計算方式も公式には記載がないため、導入前にデモで確かめてください。
8. Flagxs(フラッグス株式会社)

Flagxsは、フラッグス株式会社が提供するクラウド型のプロジェクトマネジメントプラットフォームです。WBS(作業分解構成図)の3階層による計画の標準化と、タスク・工数データの一元管理を軸に、2024年10月からは複数プロジェクトを横断する「プロジェクト損益管理」を提供しています。中〜大企業やSI企業を主な対象としています。
プロジェクトP/L(損益計算書)で、進行中の案件ごとに損益の予実をリアルタイムに確認できます。人件費は要員グレード別に単価を設定し、工数実績から自動で金額換算されるため、当初予算と実績の比較がそのまま行えます。全社横断のリソースアサイン管理で、複数案件を掛け持つメンバーの過剰な割り当ても特定できます。
ISO/IEC 27001とクラウドセキュリティ認証(ISO/IEC 27017)を取得しています。工数起点で案件別の損益を見たい企業に向く一方、料金は媒体により記載が異なり公式には公開されていないため、費用は問い合わせが必要です。会計・販売管理システムとの連携範囲も、あわせて確認しておくと安心です。
9. LEEAD(株式会社ETVOX)

LEEADは、株式会社ETVOXが提供するプロジェクト会計に特化した収支管理クラウドです。バックオフィス業務全体ではなく案件単位の収支管理に機能を絞っており、クリエイティブ・広告/企画業、士業・コンサルティング業、IT・システム業を対象としています。
案件ごとに売上・工数・費用の計画値と実績値を登録して予実を管理し、今後半年〜1年の収支見通しや人員計画まで見える化します。部署横断・顧客別・独自グループ別のセグメント分析で、事業全体との関係を見ながら個別案件の収益性を判断できます。2025年10月には日単位で実績工数を入力する機能が加わり、プロジェクト単位で人件費の原価も設定できます。
利用開始後30日間の無料トライアルがあり、最短即日で導入できます。累計登録ユーザーは1,200件、登録プロジェクトは3,500件に達したとされます(2025年11月時点・自社調べ)。料金は公開されておらず、企業の状況に応じたプラン制です。工数から人件費への振替ロジックや会計システムとの直接連携は公式に明示がないため、導入前に問い合わせて確かめておくと安心です。
10. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価は、株式会社マネーフォワードが2023年に提供を開始した個別原価管理システムです。公式は対象を「IPO準備・中堅〜上場企業」とし、IT・システム開発、SaaS、クリエイティブ、コンサルティングなどプロジェクト単位で収益・原価を管理する事業を想定しています。
工数入力と費用データから、ワンクリックでプロジェクト別の原価を算出します。労務費は勘定科目ごとに従業員別の単価を設定して按分し、間接費は工数比率・従業員数比率・売上予算比率・面積比率やカスタム基準で部門・プロジェクトへ多段階に配賦します。原価推移表で直接費・間接費や費目別の内訳を月別にドリルダウンでき、資産への振替仕訳も自動で起票します。
売上を含む案件別の収支は、マネーフォワード クラウド会計Plusとの連携が前提です。導入企業では、丸2日程度かかっていた月次の原価計算を3時間ほどに短縮した事例が公開されています。料金は公開されておらず、利用人数や契約内容で変動します。予算と実績を対比する予実管理や進行基準による売上計上は公式の機能ページに記載がなく、断定できない点に留意してください。
11. 勘定奉行クラウド[個別原価管理編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)
![勘定奉行クラウド[個別原価管理編]の公式サイト](https://i0.wp.com/wpcatalog.cryptobk.jp/wp-content/uploads/2026/09/kanjo-bugyo-cloud-kobetsu-genka-sitecapture.png?resize=1200%2C517&ssl=1)
勘定奉行クラウド[個別原価管理編]は、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する勘定奉行クラウドのエディションの一つで、財務会計の基盤にプロジェクト(案件)別の個別原価管理を加えた製品です。個別原価計算が必要な受注生産や案件型の事業を主な対象としています。
請負金額・進捗・予定期間をプロジェクトごとに一元管理し、プロジェクト別原価報告書で発生額・入金情報・粗利・予算を同じ画面で確認できます。プロジェクトごとの労務費計上、設定した基準に基づく自動配賦、進捗度を基準にした原価振替を会計処理と一体で自動化し、銀行明細や給与データからの自動仕訳と合わせて月次決算につなげます。
月額は27,500円から(iAシステム)、初期費用は5万円からと実額が公開され、30日間の無料体験があります。奉行シリーズの自動仕訳基盤をそのまま使える点が、案件別原価を会計本体で完結したい企業に向きます。料金ページの区分は中小企業向け〜グループ企業向けで、ページ内で「中堅・上場企業におすすめ」と案内されるのは別製品のため、対象は混同しないよう確認してください。
② プロジェクト型ERP・統合基幹システムのタイプ
会計・販売・人事などと一体になった基幹システムの中で、案件別の損益を管理する製品です。全社の業務と案件採算をまとめて扱いたい企業に向きます。
12. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuite は、会計・財務から販売・在庫・CRMまでを単一のクラウド基盤に統合したERPで、日本オラクル株式会社が提供・サポートします。公式サイトでは200か国以上での利用、44,000社超の導入を掲げています(2026年10月時点の公式表記)。
案件別の損益管理は、会計モジュール本体ではなく、PSA(プロフェッショナル サービス オートメーション)のアドオンモジュール「SuiteProjects」が担います。タイムシートで記録した工数は総勘定元帳へ転記され、プロジェクト会計で購買発注や直接費・間接費を案件予算に配賦し、収益・コスト予算からマージンを予測します。
案件別原価の具体的な計算式は公式サイトで公開されていないため、工数単価の設定方法などはデモや個別見積もりで確認するのが前提です。導入を検討する際は、会計・販売・在庫を1つの基盤で扱える統合性と、SuiteProjects の追加ライセンスを含めた料金を合わせて見比べて判断してください。
13. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

IT・広告・コンサル・士業など、案件単位で業務が進む業種に向けて株式会社オロが提供するクラウドERPです。損益管理・プロジェクト管理・管理会計・内部統制を一元化し、公式サイトでは1,100社超・約35万ライセンスの利用を掲げています(時点の明示なし)。
原価はプロジェクト・案件単位で積み上げ、外注費・仕入・労務費を案件に紐付けて個別原価計算を自動化します。担当者が入力した工数は自動的に案件別の労務費として集計され、直接作業は指定案件へ直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。共通費や販管費も配賦基準にもとづいて自動配賦されます。
予定・実績の労務費や進捗率を同一画面で確認でき、工事進行基準にも対応します。按分計算式の詳細やモジュール別の単価は公開されていないため、自社の案件構成に合うかは製品資料や相談で確かめる必要があります。
14. Biz∫(ビズインテグラル)(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが開発・提供する国産ERPパッケージです。会計・販売購買・人事給与を共通基盤で連携させ、オンプレミス・クラウド(Biz∫Optima)・ハイブリッドから提供形態を選べます。採用実績は2,000社突破(2025年12月時点、公式)です。
案件損益は、Biz∫会計のプロジェクト原価管理機能で扱います。管理会計では予実管理や多段階の間接費配賦に対応し、IT業向けには案件別予算管理の業種別テンプレート(2024年8月提供)が用意されています。
工数から人件費への換算など原価計算の細目や料金は公式サイトで公開されておらず、要お問い合わせとなります。日本の経理実務に沿った会計機能と、必要なモジュール×ユーザー数で段階的に導入できる点を軸に、見積もりを取って比較検討してください。
15. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

統合業務ソフトウェアOBIC7のうち、案件単位で収益を管理する業種向けに株式会社オービックが用意したモジュールです。IT関連業・コンサルティング業・設備工事業・広告関連業を対象に、引合から受注・売上・開発・発注購買・外注支払・旅費経費までを案件ごとに一元管理します。
案件ごとの進捗状況や収支の現状をタイムリーに把握できる構成で、開発工数管理や稼動工数の機能を備えます。会計情報ソリューション・人事給与情報ソリューションとシームレスに連携し、同一ベンダー内でデータを引き継げます。
実行予算や仕掛・完成振替、間接費配賦といった原価計算の細目や、工数から人件費への換算ロジック、料金は公式サイトに記載がないため、資料請求や問い合わせでの確認が前提です。ただし、公表されているERP市場シェア1位はオービック(ベンダー)単位の実績で、本ソリューション単体の数値ではありません。
16. SmileWorks(スマイルワークス)(株式会社スマイルワークス)

販売・仕入・在庫・会計・給与・経費・勤怠・ワークフローをひとつにまとめた、中小企業向けの統合型クラウドERPです。株式会社スマイルワークスが提供し、プロジェクト別収支管理を主軸に据えている点が位置づけの中心です。
案件管理機能(販売ワークス配下)で、売上・仕入・稼働工数・経費を案件ごとに集約し、予算入力と実績対比を標準で行えます。ただし稼働報告そのものは工数の記録にとどまり、工数を案件別の人件費として自動配賦するには、給与ワークス契約と配賦機能オプション(月額5,000円・税別)の追加が必要です。
料金は販売ERPプランが月額5,000円、標準プランが初期30,000円・月額10,000円から(いずれも税別、オプション別)で、小さく始めて機能を追加できます。原価の科目別内訳まで分解できるかは公式に明記がないため、自社の原価管理の粒度に合うかは導入前の確認が必要です。
17. アラジンオフィス(株式会社アイル)

株式会社アイルが販売・在庫・購買管理を中核に提供する統合型パッケージシステムで、業種ごとの商習慣に合わせた業種特化パッケージを多数そろえます。オンプレミスとクラウド(アラジンクラウド)を選べ、導入実績は6,000社以上(時点の明示なし、公式)です。
原価・収支管理は、標準パッケージに追加する「プロジェクト管理」オプションが担います。案件×原価商品単位で仕掛原価を管理し、作業日報で記録した案件別の作業時間に時間単価を掛けた金額を労務費として原価に反映します。案件間の原価の付け替えや諸経費の案件への付与にも対応します。
配賦基準をどこまで細かく設定できるか、予定原価と実績原価の差異分析の専用機能があるかは公式情報だけでは確認しきれません。公式には小規模工事を想定した記載もあるため、長期・大規模案件での精緻な原価管理が必要なら、対応範囲を問い合わせて確かめてください。料金は要問い合わせです。
18. GRANDIT miraimil(GRANDIT株式会社)

国産統合型ERP「GRANDIT」の知見を引き継いだ、中堅・中小企業向けのクラウドERP(SaaS)です。経理・債権・債務・販売・調達在庫・継続契約・プロジェクト原価・経費・資産・人事・給与の11業務を、単一の共通マスタで連携させます。国内実績は公式トップで約1,500社とされています。
案件損益にかかわる機能としては、11業務の一つに「プロジェクト原価管理」があり、販売と会計の連携で請求・支払・仕訳を自動化し、承認ワークフローを標準搭載します。工数から人件費への換算など細かな仕様は公式サイトで確認できず、要確認です。
料金は月額45万円から(利用者10名・月1万伝票・財務+販売管理の想定条件)で、初期費用は個別見積もりです。恒久的な無料プランはなく1か月の無料トライアルがあり、導入は販売パートナー経由となります。11業務を共通マスタで統合運用したい企業向けの選択肢です。
19. intra-mart プロジェクト型原価管理(株式会社NTTデータ イントラマート)

ワークフロー・BPM・ローコード開発に強い業務プラットフォーム「intra-mart(intra-mart AccelPlatform)」を基盤に提供されるソリューションです。基盤を株式会社NTTデータ イントラマートが、「プロジェクト型原価管理」ソリューションを株式会社クレオソリューションサービスが提供する形態をとります。
プロジェクトごとの作業工数・経費・外注費などの原価要素を、ワークフローの申請・承認を経て集約し、案件の収支を随時確認できる構成です。原価発生の承認プロセスを運用に組み込みたい企業に向きます。
予算管理機能や工数から人件費への自動換算、会計・ERP連携の具体的な仕様は公式ソリューションページでは確認できないため、クレオソリューションサービスなどへの問い合わせが前提です。料金は非公開の個別見積もりで、公表されている13,000社超の導入実績は基盤全体のもので、本ソリューション単体の数値ではありません。
③ 工数管理から案件損益を可視化するタイプ
記録した作業時間に単価を掛けて人件費に換算し、案件別の原価として積み上げる製品です。原価の多くが人の作業時間である業務に向きます。
20. TimeCrowd(タイムクラウド株式会社)

打刻でタスクごとの作業時間を記録し、誰が何にどれだけ時間を使ったかを可視化する時間管理ツールです。タイムクラウド株式会社が単独で開発・提供し、公式サイトでは導入5,500社・61,000ID(2026年8月取得時点の表示)としています。
単価はワークスペース単価とチーム単価の二階層で設定でき、メンバーごとの時間単価×稼働時間でカテゴリ(案件)別の人件費をリアルタイムに集計します。将来日付での単価改定も事前登録できます。ただし売上と突き合わせた案件別の収支把握は、board など外部の請求・案件管理システムとの連携が前提で、TimeCrowd側で集計した人件費を連携先の案件原価に同期する構成です。
システム開発・士業・コンサルティング・Web制作など幅広い業種で利用されています。料金は公式サイトでは非公開のため、具体的な金額は要お問い合わせとなります。
21. TeamSpirit 工数(株式会社チームスピリット)

Salesforce Platform上に構築されたバックオフィスSaaS「TeamSpirit」の単機能プランの一つで、株式会社チームスピリット(東証グロース上場)が提供します。勤怠・経費と並ぶ「チムスピ工数」として、案件・作業単位の工数入力と集計を担います。公式の工数ページでは契約社数2,200社以上・利用ユーザー70万人(2026年2月末時点)としています。
工数はスケジューラーから自動割り当てでき、勤怠と1画面で入力して労働時間と工数時間を一致させる設計です。プロジェクト・作業分類は最大4階層で定義できます。ただし工数単体では案件の収支は見えず、標準単価×工数実績による原価計算や売上予定額・目標利益率を含む予実管理は、別製品「TeamSpirit プロジェクト原価管理」との組み合わせ導入が前提です。
工数単体のライセンス費用は月額18,000円〜(税抜、50ユーザー分を含み50名以下でも同額)、勤怠とのセット「チムスピMix」は月額30,000円〜です。初期費用は契約時に別途発生し、金額は要問い合わせとなります。
22. Lychee Redmine(株式会社アジャイルウェア)

オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」をベースに、ガントチャートやカンバンなどのUIを拡張した有償ツールで、株式会社アジャイルウェアが提供します。クラウド版とオンプレミス版があり、日清食品・パナソニック・住友電工・クレディセゾンなど製造業・金融を含む幅広い業種で導入されています。
コストマネジメント機能では、コストグループ別の工数単価×作業時間で人件費を自動算出し、交通費・外注費などの経費も入力できます。プロジェクトレポートで予算・コスト予想・収支予測を可視化し、EVMで予算超過や納期遅延の兆候を把握できます。これら工数・原価・EVM・収支の機能はプレミアムプラン(1ユーザー月1,400円〜、税別)以上で、スタンダード以下では使えません。
料金はフリー0円・スタンダード900円・プレミアム1,400円・ビジネス2,100円(いずれも1ユーザー・月、税別、10ユーザー単位)で、別途クラウド利用料が月5,000円〜かかります。全有料プランで30日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)を利用できます。
23. CrowdLog(株式会社クラウドワークス)

株式会社クラウドワークスが提供する工数管理・プロジェクト管理ツールで、公式サイトのフッターにも「Powered by CROWDWORKS」と記載されています。工数をプロジェクト・メンバー・業務項目単位で集計し、プロジェクト別の損益を見える化すると位置づけられています。累計導入は900社以上(2026年1月末時点、公式)です。
公式の機能ページでは「工数実績データを人件費と掛け合わせて原価を算出」し、「売上・原価に対して予算の登録や実績の管理ができます」と説明されています。工数入力はカレンダーや勤怠ツール(KING OF TIME・ジョブカン等)連携で省力化できます。工数・予算の機能はプレミアムプラン向けで、基本料金・初期費用は非公開(要お問い合わせ)です。
料金はベーシック1ユーザー月600円〜、プレミアム1ユーザー月1,500円〜で、別途基本料金がかかり、最低利用期間は基本12か月、無料トライアルは7日間です。公式の導入事例では、向洋電機で「プロジェクト別の採算性を可視化」、マネーフォワードで「プロジェクト単位の予実管理を実現」と紹介されています。
24. freee工数管理(フリー株式会社)

フリー株式会社が提供する「freee工数管理」(旧称: freeeプロジェクト管理)は、工数管理と労務費管理を一連で行うクラウドサービスです。工数入力から原価計算までを扱い、プロジェクトごとの人件費原価を自動算出して予実管理に対応します。
単体で把握できるのは工数と人件費原価が中心で、カレンダー取込みや未入力のリマインドで工数入力の手間を抑えます。売上・仕入を含む案件別の収支を自動集計するにはfreee販売との連携が前提で、公式ページでも「損益」「粗利」ではなく「案件別の収支」と表記されています。
料金は1ユーザー月500円〜(メンバー・年払い・税抜)、プロジェクトマネージャーとシステム管理者は月2,000円〜(年払い・税抜)で、初期費用はかからず、最低2ID・無料トライアルは30日間です。公式の導入事例では、コクヨで月末の締め作業が「わずか5分程度」に短縮されたと紹介されています。
④ 見積・請求(販売管理)と一体で管理するタイプ
受注と発注を案件に紐づけ、見積から請求までの流れの中で案件ごとの粗利を把握する製品です。見積・請求業務の延長で損益を見たい企業に向きます。
25. 楽楽販売(株式会社ラクス)

株式会社ラクスのクラウド型販売管理システムで、見積・受注・売上・請求・入金を一元管理します。ノンプログラミングで画面やワークフローを自社の業務に合わせて組める点を訴求しており、IT・システム開発、広告制作、コンサルティングなど案件型のサービス業で使われています。
案件損益は、受注情報(売上)と発注情報(原価)に間接費などの原価データを加えて案件単位で紐づけ、収支を自動集計する仕組みです。見積から引き渡しまでの収支をリアルタイムに確認でき、原価率の悪化を早い段階で把握できるとしています。
工数を人件費として扱う工数管理機能も備えますが、入力の粒度や人件費単価の計算方法は公式サイトに明示がなく、品目別に原価を積み上げる専用システムとは機能の深さが異なる場合があります。精緻な個別原価計算が必要なら、この点を資料請求で確かめておくと安全です。
公式の導入事例では、IT・システム開発の企業が案件別原価を把握できるようになり原価意識が高まった、ビルメンテナンス業の企業が見積もり時の原価率と実績の差を可視化できた、といった効果が紹介されています。料金は初期費用200,000円、月額70,000円から(いずれも税抜)です。
26. freee販売(フリー株式会社)

フリー株式会社が2022年11月に提供を開始したクラウド型の販売管理システムで、同社のクラウド会計ソフト「freee会計」と自動連携する設計を主軸にしています。見積・受注・売上・請求・入金・原価管理を案件単位で扱い、IT・システム開発、コンサル、クリエイティブ・制作など人件費比率の高い案件型ビジネスを主な対象とします。
案件ごとに売上と仕入(原価)を登録すると、案件別の売上・粗利が自動で算出されます。2024年12月に追加された原価推移レポートでは、進行中案件の月別の原価実績を可視化し、利益率の低下や赤字の予兆を早めに検知できます。
ただし、人件費を原価に含めて案件収支を見るには、別製品「freee工数管理」との連携が前提になります。同製品は freee販売とは別契約(別料金)が必要なため、人件費まで管理したい場合は両製品を合わせて検討する必要があります。
公式の導入事例では、製造業の企業が経理業務のクラウド化で約80時間の残業削減につなげた、メディア・広告業の企業が月末の請求照合作業をゼロにした、といった例が紹介されています。料金は初期費用0円、スタータープランが3名・年払で月額約5,000円から、スタンダードプランが10名・年払で月額約40,000円から(いずれも税抜)で、正確な金額は個別見積もりとなります。
27. board(ヴェルク株式会社)

見積書・請求書などの帳票作成を起点に、案件単位での販売管理・債権管理までを一元化するクラウド型のサービスです。提供元はヴェルク株式会社で、フリーランス・個人事業主から従業員100名程度までの企業を主な対象とし、公式も数百人規模の会社にはフィットしない場合があると案内しています。
案件損益は、案件(受注=売上)に発注(外注費などの原価)を紐づけ、「案件−発注=粗利」という形で把握する仕組みです。見積・発注の更新が売上予測に自動反映され、案件ごとの採算をその場で確認できます。
一方で、工数を人件費に換算して案件へ配賦する機能や、契約時予算と実績を対比する予実管理には対応していません。原価の大半が社内の人件費になる受託型の業務では、この粗利に人件費が含まれない点を踏まえて使う必要があります。
有料導入は6,000社を突破したと公式が示し(the-board.jp)、有料継続率は99%超としています。公式の導入事例では、ある会計事務所が請求業務の工数を月55時間から月30時間へ25時間削減した例が紹介されています。
料金は初期費用0円、月額はPersonal 1,200円・Basic 2,400円・Standard 4,900円・Premium 7,900円(いずれも税抜)で、30日間の無料トライアルがあります。
まとめ
案件損益管理システムは、案件ごとに売上と原価を結びつけ、進行中でも損益を把握して赤字案件を早く見つけるためのツールです。製品は、収支・原価管理に特化したタイプ、プロジェクト型ERP・統合基幹システムのタイプ、工数管理から損益を可視化するタイプ、見積・請求と一体のタイプの4つに分かれます。
自社の原価の大半が人件費なら工数を人件費に反映できるタイプ、全社業務と一体で管理したいなら基幹システムのタイプ、見積・請求の延長で見たいなら販売管理一体のタイプ、というように、案件損益をどの形で見たいかから絞り込むのが近道です。候補が定まったら、自社に近い条件の口コミで実際の使い勝手や予実対比・定着のしやすさを確かめ、資料請求で機能と料金を具体的に比較して選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 案件損益管理システムとは何ですか?
A. 案件損益管理システムとは、案件(プロジェクト)ごとに売上と原価(外注費・経費・工数から換算した人件費)を結びつけ、案件単位で利益か損失かを可視化するシステムです。全社の損益計算書が会社全体の結果を示すのに対し、「どの案件が稼ぎ、どの案件が赤字か」を一件ずつ切り分けて見られます。進行中でも損益を把握でき、赤字案件を早く見つけられます。
Q. 案件損益管理システムと会計ソフトは何が違いますか?
A. 案件損益管理システムは案件ごとに損益を切り分けて見るのに対し、会計ソフトは全社や部門単位の数字を扱うのが主で、案件単位への分解を得意としない点が違いです。会計ソフトでも案件数が少なければ管理できますが、案件が増えると工数の集計が手作業になり、損益の確認が月次や決算のタイミングに遅れがちです。案件単位でリアルタイムに採算を追いたい場合に、専用の案件損益管理システムが向きます。
Q. 案件損益管理システムの口コミ・評判はどこを確かめればよいですか?
A. 口コミは総合的な満足度の点数だけで判断せず、自社が重視する機能(原価管理・予実管理・工数管理など)ごとの評価に絞って読むのが確実です。同じ製品でも機能で評価が分かれるためです。評価は投稿企業の業種・規模・使い方でも変わるので、自社に近い条件の声を優先し、少数の極端な評価に引っ張られないようにします。比較メディアの総合ランキングや受賞は基準を確かめにくいため、鵜呑みにしないのが無難です。
Q. 案件損益管理システムの料金が「要お問い合わせ」ばかりなのはなぜですか?
A. 「要お問い合わせ」の製品は必ずしも高額ではなく、利用人数や機能範囲で金額が変わるため公開していないだけのことが多くあります。インストール型や基幹システム一体型は初期費用が数十万〜数百万円規模になることもある一方、クラウド型は小規模向けなら1ユーザー月額数百円台から始められる製品もあります。候補が絞れたら資料請求や見積もりで実額を確認するのが確実です。
Q. 工数管理と案件損益管理はどう関係しますか?
A. 工数管理は案件損益管理の土台で、記録した作業時間に労務単価を掛けて人件費に換算し、外注費・経費と合わせて案件ごとの原価を積み上げます。原価の大半が人の作業時間である受託・制作型では、工数を人件費として自動で原価に反映できるかが製品選びの分かれ目です。換算の仕組みは製品で異なるため、自社の原価構成に合うかを導入前に確かめると安全です。
Q. 小規模(フリーランスや数名)の会社でも案件損益管理システムは使えますか?
A. 小規模の会社でも案件損益管理システムは使え、見積・請求業務の延長で粗利を把握する販売管理一体型や、1ユーザー月額数百円台から始められるクラウド型が小規模に向きます。製品には公式サイトで対象とする企業規模を示しているものがあり、大企業向けの高機能な製品を小規模で導入すると設定や費用が過大になりがちです。自社の従業員数・案件数に合うレンジの製品を選ぶと、導入後の負担を抑えられます。
Q. 自社に合うタイプは収支・原価管理特化とプロジェクト型ERPのどちらで選べばよいですか?
A. 案件の採算管理そのものが主目的なら収支・原価管理に特化した専用システム、会計・販売・人事まで全社業務と案件採算を一体で扱いたいならプロジェクト型ERPが向きます。導入を早く・安く済ませたいなら専用システム、基幹刷新も兼ねるならERPが候補です。原価の大半が人件費なら工数管理起点、見積・請求の延長で見たいなら販売管理一体型という選び方もあります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















