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クラウド型UTMを比較|アプライアンス型との違いと自社に合う選び方を解説

クラウド型UTMを比較 アプライアンス型との違いと選び方のサムネイル画像

社内に機器を置かずに使える「クラウド型UTM」が気になっているものの、従来のアプライアンス型(機器設置型)と比べて本当に自社に合うのか、判断しきれていないのではないでしょうか。拠点が増えたりテレワークが広がったりして守るべき範囲が広がる一方、セキュリティの運用まで手が回らない、という声も多く聞かれます。

サイバー攻撃は中小企業も無関係ではありません。警察庁のまとめでは、2026年上半期に報告されたランサムウェア被害123件のうち、企業・団体の規模別で中小企業が約6割を占めています。情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、組織向け脅威の1位は11年連続で「ランサム攻撃による被害」でした。

限られた人員で複数の脅威に備えるために、ファイアウォールやアンチウイルスなどを1台にまとめたUTM(統合脅威管理)を、機器を持たずに使えるクラウド型で導入する企業が増えています。

出典・参考資料(2件)

本記事では、クラウド型UTMをアプライアンス型と比べながら選ぶための判断材料を整理します。両者の違い(費用・運用・拡張性)とクラウド型のメリット・デメリット、提供・運用モデルによるタイプの違い、自社に合う選び方を解説し、主要なクラウド型UTM製品をアプライアンス型の対照とあわせて比較します。自社にはクラウド型とアプライアンス型のどちらが向くかを見極める材料としてご活用ください。

ただし、機器を社内に完全に置かない純粋なクラウド型の製品は、現状まだ数が限られます。そこで本記事では、機器は置くが設定・監視・運用を委託できるマネージド型や、比較の対照となるアプライアンス型も横断して取り上げ、自社にとってクラウド型でよいかを判断できるようにします。

また、自社の状況に合わせて向いているタイプを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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クラウド型UTMとは?仕組みと向く企業

クラウド型UTMとは、ファイアウォール・不正侵入防御(IPS)・アンチウイルス・Webフィルタリング・迷惑メール対策といった複数のセキュリティ機能を、社内に専用機器を設置せず、事業者のクラウド基盤や端末側のソフトウェアで提供する形態のUTMです。

従来のアプライアンス型が各拠点に機器を置いて通信を検査するのに対し、クラウド型は通信を事業者の基盤に集約して検査したり、端末に導入したソフトで保護したりする点が異なります。

アプライアンス型UTMとクラウド型UTMで通信を検査する場所の違いを示した図解。アプライアンス型は各拠点の端末・PCから拠点に設置したUTM機器で検査してインターネットへ送る。クラウド型は拠点・テレワークの端末から事業者のクラウド基盤に集約して検査しインターネットへ送る。

クラウド型UTMの仕組み

クラウド型UTMには、拠点やテレワーク中の端末からの通信を事業者の基盤へ向け、そこで各種の脅威対策を適用してから外部とやり取りする方式が基本としてあります。このほか、拠点に小型の接続装置を置く方式や、端末にソフトウェアを導入して保護する方式もあります。いずれも、検査や脅威の遮断の中心を自社の機器ではなく事業者側が担う点が共通します。

脅威を検知するためのシグネチャ(攻撃パターンの定義)やフィルタリングの判定情報は、事業者がクラウド側で更新します。そのため、利用企業が機器のファームウェア更新やシグネチャの適用を手作業で行う負担が小さく、常に最新の定義で防御を受けやすい点が特徴です。複数拠点の設定やログを管理画面から一元的に扱える製品が多く、拠点ごとに機器を個別運用する手間を抑えられます。

クラウド型UTMが向きやすい企業

クラウド型UTMは、拠点が複数ある企業や、テレワーク・外出先からの業務が多い企業と相性が良い形態です。通信を事業者の基盤に集約して検査するため、拠点や働く場所が分散していても同じ水準のセキュリティを適用しやすく、拠点ごとに機器を設置・保守する負担を減らせます。

セキュリティ専任者を置きにくい中小企業や、情報システム担当者が1人で運用を兼務している企業にも向いています。機器の調達・設置や日々の保守を自社で抱え込まず、更新や監視を事業者側に委ねられる製品を選べば、限られた人員でも運用を回しやすくなります。一方で、独自の細かい設定を自社で作り込みたい場合など、クラウド型が必ずしも最適とは限らないケースもあります。

次章では、アプライアンス型と比べながらその判断材料を整理します。

クラウド型UTMとアプライアンス型の違い

ここからは、クラウド型UTMとアプライアンス型UTMの違いを、費用・運用・拡張性の観点で整理します。どちらが優れているという話ではなく、自社の体制や拠点の状況によって向き不向きが変わるため、判断の軸を押さえておくことが重要です。

初期費用と月額(コスト構造の違い)

アプライアンス型は、機器を購入またはリースして設置するため、導入時にまとまった初期費用が発生しやすい形態です。これに対しクラウド型は、機器の購入が不要で月額・年額中心のコスト構造になりやすく、初期の支出を抑えてスモールスタートしやすい傾向があります。

ただし、長期間使い続ける場合は、月額の積み上げが機器購入の総額を上回ることもあります。拠点数や利用台数、契約期間によって総額の見え方が変わるため、初期費用と月額のどちらを重視するかは自社の資金計画に合わせて判断することが重要です。

導入期間・運用の手間(設定・監視・保守を誰が担うか)

アプライアンス型は、機器の調達・設置・初期設定に一定の期間を要し、導入後もファームウェアの更新や障害時の機器交換を自社または保守契約で担います。クラウド型は、機器の設置工事が不要な製品が多く、契約後に比較的短期間で使い始められます。シグネチャ更新などの保守は事業者側が担うため、日々の運用負担が小さくなりやすい点が違いです。

さらに、設定変更や監視・障害対応まで事業者に任せられる「運用代行つき」の製品もあります。情報システム担当者が兼務で手が足りない企業では、こうした運用まで含めて委託できるかどうかが、導入後の負担を大きく左右します。

拡張性・多拠点やテレワークへの対応

拠点の増減や利用人数の変動への対応にも違いがあります。アプライアンス型は、拠点を増やすたびに機器を追加設置する必要があり、処理能力の上限に達すると上位機種への入れ替えが生じます。クラウド型は、通信を事業者基盤で処理する製品であれば、拠点やユーザーの追加を契約の変更で対応しやすく、規模の変化に合わせて柔軟に調整できます。

テレワークや外出先からの業務が多い場合も、クラウド型は端末や接続単位で保護を適用しやすく、拠点のネットワークに縛られずに同じセキュリティを届けられます。働き方が分散している企業ほど、この拡張性の差が効いてきます。

クラウド型UTMのメリット

ここまでの違いを踏まえると、クラウド型UTMを選ぶことで得られる利点は次のように整理できます。機器購入が不要なため初期投資を抑えてスモールスタートでき、設置工事の手間も小さく短期間で導入しやすい点が挙げられます。シグネチャ更新や保守を事業者が担うため日々の運用負担が軽く、情報システム担当者が兼務の企業でも運用を回しやすくなります。

拠点やテレワーク環境が増えても同じ水準のセキュリティを届けやすく、規模の変化にも契約変更で対応できます。

クラウド型UTMのデメリット・注意点

一方で、クラウド型ならではの注意点もあります。防御の一部を事業者のクラウド基盤に依存するため、その基盤で障害が起きると、集約している拠点の通信がまとめて影響を受ける可能性があります。可用性やバックアップ経路の設計、障害時の対応体制を契約前に確認しておくことが重要です。

また、事業者が提供する範囲での設定が基本となるため、独自の細かいポリシーを自社で作り込みたい場合には、アプライアンス型ほどの自由度が得られないことがあります。長期利用では月額の積み上げが総額を押し上げる点も含めて、自社の要件と照らして判断することが重要です。こうした不安を解消できるかどうかが、クラウド型でよいかを決める分かれ目になります。

クラウド型UTMの提供・運用モデル(タイプ別の違いと向く企業)

クラウド型UTMと一口に言っても、「機器を自社に置くか」「運用を自社でやるか委託するか」によって、いくつかのタイプに分かれます。ここでは製品を提供・運用モデルで分け、それぞれの構造的な違いと向く企業像を見取り図として示します。自社がどのタイプに当てはまりそうかの当たりを付けてから、次章の選び方で候補を絞り込んでください。

比較の対照として、機器を社内に置いて自社運用するアプライアンス型も1つのタイプとして並べます。

機器を自社に置くか(横軸)と運用を誰が担うか(縦軸)の2軸でUTM3タイプを位置づけた図解。機器を置かないクラウド型UTM、機器を置き運用を委託するマネージド型・クラウド管理型、機器を置き自社運用するアプライアンス型を配置している。

機器を置かずに使う「クラウド型UTM」

拠点に専用機器を設置せず、事業者のクラウド基盤や端末側のソフトウェアでUTM機能を提供するタイプです。通信を事業者基盤に集約して検査する方式や、端末にソフトを導入して保護する方式があります。機器の調達・設置が不要で、導入のハードルが低く、拠点やテレワークが分散している企業に向きます。小規模な事業者や個人事業主向けに、台数単位で手軽に使える製品もあります。

運用まで任せられる「マネージド型・クラウド管理型UTM」

設定・監視・障害対応といった運用まで事業者に委託できるタイプです。機器を拠点に設置する製品も含まれますが、その機器を自社で購入・保守するのではなく、レンタルや月額で借りて運用を任せられる点が特徴です。クラウド上の管理コンソールから集中管理する製品や、事業者の監視センターが24時間体制で見守る製品もあります。セキュリティ専任者を置けず、設定から監視・対応までまとめて任せたい企業に向きます。

ただし、このタイプには機器を設置する製品も含まれるため、「機器を置かない」ことを重視する場合は各製品の提供形態を確認してください。

対照として知る「アプライアンス型UTM(社内設置・自社運用)」

各拠点に専用機器を設置し、自社で設定・運用するタイプです。クラウド型と比較するための対照として位置づけます。機器を自社の管理下に置くため、独自のポリシーを細かく作り込みやすく、通信を外部基盤に集約しない構成を取れる点が利点です。自社または保守契約で運用できる体制があり、拠点が限られている企業に向きます。クラウド型でよいか迷ったときに、この自社運用型と比べることで判断の軸が定まります。

以下の表に、各タイプの機器設置の要否・運用の担い手・向く企業と、該当する主なサービスを整理しました。

← 横にスクロールできます →
タイプ機器を置かないクラウド型UTMマネージド型・クラウド管理型UTMアプライアンス型UTM(対照)
機器設置不要(事業者基盤・端末側で適用)製品により要(レンタル・月額で借用。クラウド集中管理型を含む)各拠点に機器を設置
運用の担い手事業者がシグネチャ更新・保守を担当(監視は製品による)設定・監視・障害対応まで事業者に委託できる自社または保守契約で運用
向く企業多拠点・テレワークが多く、機器を持たず手軽に始めたい企業セキュリティ専任者を置けず、運用まで任せたい企業独自ポリシーを作り込みたい、拠点が限られる企業
該当する主なサービスSmartConnect クラウド型UTM、MRB-cloud、Cyber Gate-CloudTrend Micro Cloud Edge、USEN GATE 02 ビジネスセキュリティ、beat、おまかせサイバーみまもり、ALSOK レンタルUTM運用サービスEye"247" Safety Zone USAV Ⅵ、Check Point Quantum、Sophos Firewall、FortiGate、サクサのUTM SS7000

※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の提供形態や運用範囲については各社情報をご確認ください。

自社に合うクラウド型UTMの選び方

ここからは、前章で示したタイプを自社の条件に当てはめ、候補を絞り込むための観点を解説します。拠点や働き方、運用体制、必要な対策範囲、費用の出し方を順に確認し、最後にクラウド型でよいかの最終判断につなげます。

拠点数・働き方(テレワーク・多拠点)で絞れているか

まず、守るべき拠点の数と働き方を整理します。拠点が複数あったり、テレワークや外出先からの業務が多かったりする場合は、通信を事業者基盤に集約して各拠点・端末に同じ保護を届けられるクラウド型が適しています。逆に拠点が1か所に限られ、社内ネットワークの中で完結しているなら、アプライアンス型でも運用負担は大きくなりません。

拠点追加の予定がある企業は、拠点やユーザーを契約変更で増やせるかも確認しておくとよいでしょう。

運用体制で絞れているか——自社運用か、運用代行まで任せるか

次に、社内に運用を担える体制があるかを確認します。情報システム担当者が専任でいて設定や監視を自社で回せるなら、機器を置かないクラウド型を自社運用する選択ができます。担当者が兼務で手が足りない、あるいは検知後の対応まで任せたい場合は、設定・監視・障害対応まで委託できるマネージド型・クラウド管理型が現実的な選択肢です。前章で当たりを付けたタイプを、この運用体制の軸で確定させます。

「導入したが運用しきれない」という事態を避けるうえで、最も重要な観点です。

必要な脅威対策の範囲・処理性能は足りるか

UTMとして備えるべき対策範囲が自社の要件を満たすかを確認します。ファイアウォールやアンチウイルスに加え、不正侵入防御(IPS)、Webフィルタリング、迷惑メール対策、未知の脅威を仮想環境で検査するサンドボックスなど、どこまで必要かは扱う情報や業種によって変わります。製品ごとに標準機能とオプションの範囲が異なるため、自社に必要な機能が含まれるかを個別に確かめることが重要です。

あわせて、拠点の通信量に対して処理性能が足りるか、通信が遅くならないかも判断材料になります。

初期費用の出し方・将来の拡張性で見られているか

費用は、初期費用と月額のどちらを重視するかで見方が変わります。初期の支出を抑えたいならクラウド型の月額中心のコスト構造が合いますが、長期利用では総額が機器購入を上回ることもあるため、契約期間を含めて試算することが重要です。製品ごとに課金単位(台数・拠点・ユーザー数)や契約期間が異なり、公開されていない料金も多いため、候補を数社に絞ったうえで見積もりを取り、自社の台数・拠点で総額を比べると確実です。

クラウド型でよいかの最終判断

ここまでの観点を総合して、クラウド型でよいかを判断しましょう。拠点やテレワークが分散し、運用の手間を抑えたい企業であれば、クラウド型(運用まで任せたいならマネージド型・クラウド管理型)が有力な選択肢です。一方、独自ポリシーを細かく作り込みたい、通信を外部基盤に集約しない構成を取りたいといった要件が強ければ、アプライアンス型が適することもあります。

拠点をまたいだ接続制御やクラウドサービスの利用が業務の中心になってきた場合は、UTMの発展形であるSASE(ネットワークとセキュリティをクラウドで統合して提供する仕組み)やゼロトラスト型の仕組みも視野に入りますが、まずはクラウド型UTMとアプライアンス型の軸で自社の立ち位置を固めるのが近道です。

しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】クラウド型UTM製品を比較(アプライアンス型対照つき)

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なクラウド型UTM製品を、提供・運用モデル別に整理して比較します。アプライアンス型UTMも対照として並べ、提供形態・機器設置の要否・運用の担い手・多拠点対応・料金の目安などの観点で横断的に比べられるようにしています。

比較表の多拠点・テレワーク対応欄では、複数拠点やテレワーク端末に同じ保護を適用できるものを「●」としています。機能としては対応するものの、端末単位・小規模向けのものや、拠点間接続が要問い合わせのものなど、条件が付くものは「△」とし、かっこ内にその条件を補足しました。

← 横にスクロールできます →
サービス名SmartConnect クラウド型UTMMRB-cloudCyber Gate-CloudTrend Micro Cloud EdgeUSEN GATE 02 ビジネスセキュリティbeatおまかせサイバーみまもりALSOK レンタルUTM運用サービスEye"247" Safety Zone USAV ⅥCheck Point QuantumSophos FirewallFortiGateサクサのUTM SS7000
提供形態クラウド型(DCに通信集約)クラウド型(VPN接続)クラウド型(端末にソフト導入)クラウド管理型(マネージド)マネージド型(機器レンタル)マネージド型(機器設置)マネージド型(運用代行)マネージド型(レンタル+運用代行)アプライアンス型アプライアンス型アプライアンス型アプライアンス型アプライアンス型
機器設置の要否不要(DCに通信を集約)不要(既存VPNルータを利用)不要(端末にソフトを導入)必要(拠点に機器を設置)必要(機器をレンタルし設置)必要(beat-boxを設置)必要(専用BOXを設置/自己設置も可)必要(機器をレンタルし設置)必要(各拠点に設置)必要(各拠点に設置/仮想・クラウドも可)必要(各拠点に設置/仮想・クラウドも可)必要(各拠点に設置/仮想・クラウドも可)必要(各拠点に設置)
主な脅威対策の範囲FW/IPS/アンチウイルス/アンチスパム/Webフィルタ/アプリ制御FW/ウイルス対策/迷惑メール対策/URLフィルタ/SSL検査
※IPSは公式に記載なし
標準ポリシーによる対策(機能内訳は非公開)
VPN・ログ可視化・レポートは対象外
FW/IPS/マルウェア対策/Web・メール対策/URLフィルタ/クラウドサンドボックス/VPN要お問い合わせ(公式に機能一覧の記載なし)FW/IPS/アンチウイルス/迷惑メール対策
サンドボックス・Webフィルタは追加オプション
UTMによるネットワーク防御+端末セキュリティ
(詳細な機能内訳は要問い合わせ)
FW/IPS/アンチウイルス/URLフィルタ(Check Point製)FW/IPS/アンチウイルス/URLフィルタ/アプリ制御+端末EPP・EDR
サンドボックスはオプション
FW/IPS/アンチウイルス/アンチボット/アプリ制御/URLフィルタ/サンドボックスFW/IPS/Web保護/TLS検査/サンドボックス/NDRFW/IPS/アンチウイルス/アプリ制御/Webフィルタ/SD-WAN
サンドボックスはUTPバンドルに含む
FW/IPS・IDS/アンチウイルス/アンチスパム/Webフィルタ/メール誤送信防止
運用・監視の委託シグネチャ更新・保守は事業者
監視・緊急遮断は有償オプション
定義更新はクラウド側で実施
監視範囲は要問い合わせ
導入時の設定はサポート
運用監視は公式に記載なし
販売パートナーに導入・運用監視を委託可導入〜運用・監視・障害対応を一括委託
24時間監視・24時間365日保守
24時間365日の遠隔監視・保守を委託
全国約300拠点でオンサイト保守
24時間365日の監視・運用をNTT東日本に委託設定変更・脆弱性対応をALSOKが遠隔代行自社運用(導入・運用は代理店がサポート)自社運用(代理店・SOCサービスあり)自社運用(Sophos MDRオプションあり)自社運用(代理店がサポート)自社運用(設置・運用は販売店がサポート)
多拠点・テレワーク対応●●△(端末単位・小規模向け)●△(拠点間VPNは要問い合わせ)●△(複数拠点対応は要問い合わせ)△(対応範囲は要問い合わせ)△(拠点ごとに機器設置)△(拠点ごとに機器設置)△(拠点ごとに機器設置)△(拠点ごとに機器設置)△(拠点ごとに機器設置)
料金の目安(初期/月額)初期 121,000円〜/月額 42,350円〜
(税込・帯域で変動、最低利用1年)
要お問い合わせ
(初期登録費+台数別の年間ライセンス)
初期 3,000円/台(初年度のみ)
月額 1,500円/台
要お問い合わせ
(販売パートナーにより異なる)
要お問い合わせ
(機能ごとに加算)
要お問い合わせ
(利用者数に応じた月額制)
初期 20,350円(自己設置は不要)
月額 20,350円〜28,600円(税込・端末5ライセンス込み)
初期 66,000円/月額 7,700円〜
(税込・運用代行込み)
要お問い合わせ
(代理店の個別見積り)
要お問い合わせ
(代理店の個別見積り)
要お問い合わせ
(代理店の個別見積り)
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(オープン価格・代理店見積り)
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(販売店の見積り)
提供会社NTTスマートコネクト株式会社株式会社アンペールCyberGateSecurity株式会社トレンドマイクロ株式会社株式会社USEN ICT Solutions富士フイルムビジネスイノベーション株式会社東日本電信電話株式会社(NTT東日本)綜合警備保障株式会社(ALSOK)株式会社フーバーブレインチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社ソフォス株式会社Fortinet, Inc.(日本法人: フォーティネットジャパン合同会社)サクサ株式会社
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

※上記は各社の公式情報等をもとに作成しています。提供形態・機能・料金は変更される場合があるため、詳細は各社の最新情報をご確認ください(2026年10月時点)。

クラウド型UTM・マネージド型・アプライアンス型の主要サービス紹介

比較表で取り上げた各サービスについて、提供・運用モデルのタイプごとに特徴を紹介します。自社の条件に近いタイプから読み進めてください。

機器を置かないクラウド型UTM

拠点に機器を設置せず、事業者基盤や端末側でUTM機能を提供する製品です。導入のハードルが低く、多拠点やテレワーク、小規模な事業者に向きます。

1. SmartConnect Network & Security クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

SmartConnect Network & Security クラウド型UTMの公式サイト

NTTスマートコネクト株式会社が提供する、拠点にUTM機器を置かず、大阪のデータセンターに各拠点のインターネット接続を集約してセキュリティ機能を適用するクラウド型UTMです。Fortinet社のFortiGate・FortiAnalyzerを採用し、ファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタリング・アプリケーション制御を1つの基盤に統合しています。

標準プランはサーバー・デバイス100台相当までの規模に対応し、複数拠点のセキュリティ設定を管理画面から一元化できます。有償オプションの「セキュリティ監視分析」を契約すると、同社の分析官が機器ログを分析し、インシデント発生時の早期通知や緊急遮断を代行するため、常時監視の担当者を社内に置けない企業でも運用を任せられます。

料金は初期費用が税込121,000円から、月額が税込42,350円からで、最低利用期間は1年です(帯域別のプランにより変動)。長期ログ保管や、12時間以内の対応をうたう緊急設定変更といったオプションも用意されています。

2. MRB-cloud(株式会社アンペール)

MRB-cloudの公式サイト

MRB-cloudは、事業所のルータやPC・スマートフォンからVPNで接続し、インターネット通信をクラウド側で検査する形態のUTMです。提供元は株式会社アンペール(2026年5月に株式会社網屋の連結子会社)で、事務所に専用機器を置かず、既存ルータがIKEv2方式のVPNに対応していれば導入できます。専用ルータ「MRB-Edge」も任意で選べます。

脅威インテリジェンスにはWebroot社のBrightCloudを用いています。ファイアウォール、ウイルスチェック、迷惑メールチェックに加え、78カテゴリのURLフィルタリングやURL・IPレピュテーション、SSL通信の復号検査(端末ごとに証明書の設定が必要)に対応します。複数拠点の設定を一元管理でき、固定IPがなくても外出先から接続できるため、テレワーク環境にも適用できます。

ログの保存期間は1ヶ月です。

料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせでの見積もりとなります。費用は初期登録費用と使用機器の台数に応じた年間ライセンスで構成され、拠点数が多く端末数が少ない構成での費用面の利点を同社が訴求しています。

3. Cyber Gate-Cloud(CyberGateSecurity株式会社)

Cyber Gate-Cloudの公式サイト

Cyber Gate-Cloudは、システム管理者を置けない小規模事業者やフリーランスを対象に、CyberGateSecurity株式会社が提供するクラウド型のセキュリティツールです。物理的な機器を設置せず、端末に専用ソフトをインストールして利用し、1台から契約できます。契約から納品までオンラインで完結し、訪問工事は不要で、最短1日で利用を開始できます。

「標準のセキュリティポリシー」による対策を前提とした製品で、独自のカスタム設定、通信ログやデバイス管理などの可視化機能、VPN機能、レポート配信は提供対象外と公式に明記されています。少ない台数の端末を保護する用途に向き、公式ブログでは5台以下の小規模事業者に特に適するとしています。

料金は1台あたり月額1,500円、初期費用は初年度のみ1台あたり3,000円で、契約期間は1年単位です(公式ページに税区分の記載はありません)。台数に応じた課金のため、公式ページも「PC10台以上の場合は一般的なUTMより高額になる可能性がある」と注記しており、導入台数が増えるほど割高になり得る点は自社の台数で試算が必要です。

運用まで任せられるマネージド型・クラウド管理型UTM

設定・監視・障害対応まで事業者に委託できる製品です。機器を設置する製品も含まれますが、自社で購入・保守せずに運用を任せられます。セキュリティ専任者を置けない企業に向きます。

4. Trend Micro Cloud Edge(トレンドマイクロ株式会社)

Trend Micro Cloud Edgeの公式サイト

トレンドマイクロ株式会社が開発する、拠点に設置するUTM機器(Cloud Edge gateway)とクラウド上の管理コンソールを組み合わせたセキュリティ製品です。機器が通信にまずポリシーを適用し、詳しい検査が必要なものだけをクラウドへ回す構成で、機器を置かない純粋なクラウド型ではなく、クラウドから集中管理できるタイプにあたります。

ファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・URLフィルタリング・クラウドサンドボックス・VPNなどを1台で提供し、クラウドコンソールとパートナー向けのRemote Managerで複数拠点を一元管理できます。

日本では販売パートナーのマネージドサービスと組み合わせて提供され、導入設置・初期設定・運用監視をパートナーが担うため、情報システム担当者を置けない中小企業でも機器の運用を任せられます。

推奨する同時接続台数が20〜100台のモデル(Cloud Edge SB G3/50 G3/100 G3)が用意されています。料金は公式サイトに記載がなく、販売パートナーのメニューによって異なるため、見積もりの取得が必要です。

5. USEN GATE 02 ビジネスセキュリティ(株式会社USEN ICT Solutions)

USEN GATE 02 ビジネスセキュリティの公式サイト

機器をレンタルで借りたうえで、導入前のコンサルティングから初期設定・運用・監視・障害対応までを一括で委託できるマネージドUTMサービスです。提供元は株式会社USEN ICT Solutionsで、回線と機器の問い合わせ・障害の切り分けも窓口を一本化しています。

機器は小規模向けのVSR n100から大規模向けのn2000まで5機種があり、拠点の通信量に応じて選べます。基本はルーター機能で、必要な機能を選んで契約し、契約後に追加することもできます。自動運用監視システムによる24時間監視と、専門スタッフによる24時間365日の保守サポートを備え、機器障害時のオンサイト保守にも対応します(一部機種はオプション)。

料金は公式サイトに金額の記載がなく、選んだ機能ごとに加算される方式のため、見積もりの取得が必要です。機器を設置せずに使いたい場合は、クラウド型ではなく機器を置くマネージド型である点を踏まえて検討してください。

6. beat(富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)

beatの公式サイト

専任のネットワーク管理者を置きにくい中小企業に向けて、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が提供するネットワーク・セキュリティのアウトソーシングサービスです。専用機器「beat-box」を事業所に設置(貸与)し、設置・初期設定は訪問エンジニアが行います。機器を自社で購入せず、遠隔監視やソフト更新、電話サポート、オンサイト保守まで含めて委託できる形態です。

標準機能としてファイアウォール、IPS(不正な通信対策)、アンチウイルス、迷惑メール判定を備え、オプションのセキュリティパックでサンドボックスやWebフィルタリングを追加できます。拠点間VPNはサービスに含まれ、リモートアクセスもオプションで利用できます。beat-nocが24時間365日体制で機器を遠隔監視し、全国約300か所の拠点からオンサイト保守を提供します。

最低契約期間は1〜2年で、料金は利用者数に応じた月額制です。価格改定が複数回行われているため、現行の金額は公式サイトでの確認が必要です。公式では「UTM」という呼称は使っておらず、機器を置かないクラウド型ではない点に留意してください。

7. おまかせサイバーみまもり セキュリティパッケージ(東日本電信電話株式会社)

おまかせサイバーみまもり セキュリティパッケージの公式サイト

UTM(専用BOX)によるネットワーク防御と、端末のウイルス対策・エンドポイント保護、24時間365日の監視・運用支援を月額パッケージにまとめたサービスです。提供元は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)で、工事・設置から運用までを任せられる運用代行型として提供されています。

想定スループットと推奨接続台数で、最大50台のStandardプランと最大100台のGigaプランに分かれ、どちらもUTM1台と端末セキュリティ5ライセンスが含まれます。PCが6台以上になる場合は、1ライセンスあたり月額1,100円で端末ライセンスを追加できます。

料金は税込で、初期費用は標準工事の場合20,350円、自己設置なら不要です。月額利用料はUTM1台と端末5ライセンスを含めて、Standardが20,350円、Gigaが28,600円です。

8. ALSOK レンタルUTM運用サービス(綜合警備保障株式会社)

ALSOK レンタルUTM運用サービスの公式サイト

警備大手の綜合警備保障株式会社(ALSOK)が、UTM機器のレンタルと運用代行を月額でまとめて提供するサービスです。レンタル機器にはCheck Point Software Technologies(イスラエル)製のUTMを採用し、設定変更や脆弱性情報の収集・セキュリティパッチの適用をALSOKが遠隔で代行します。

機器を購入せずレンタルで使うため、ハードウェアの調達や保守の負担を負わずに済み、運用に特別な知識を求めない設計です。手厚いサポートが必要な場合の上位プランも用意されています。

料金は税込で、初期設定費用が66,000円、月額料金が7,700円からで、UTMのレンタル代と運用代行費用を含みます。対象規模や詳しい料金区分は問い合わせで確認してください。

対照として知るアプライアンス型UTM

各拠点に機器を設置し、自社で運用するタイプです。クラウド型と比べる対照として、独自ポリシーを作り込みたい企業や拠点が限られる企業向けの選択肢を紹介します。

9. Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ(株式会社フーバーブレイン)

Eye"247" Safety Zone USAV Ⅵの公式サイト

株式会社フーバーブレインが提供する、Check Point製のUTM機器を中核に、ネットワーク・端末・人への対策を1つにまとめたパッケージ製品です。

端末を守るEPP・EDR(パソコンなど端末側のウイルス対策と、侵入後の検知・対応)「Eye”247″ Safety Zone」、業務可視化・情報漏えい対策の「Eye”247″ Work Smart Agent」、標的型攻撃メール訓練「FB SATMail」を組み合わせ、各拠点にUTMアプライアンスを設置して使います。

UTM機能はファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・URLフィルタリング・アプリケーション制御などを備え、サンドボックスはオプションで追加します。想定するクライアント数は10〜200台で、脅威対策のスループットは台数帯に応じて750〜2,500Mbpsです。標的型攻撃メール訓練「FB SATMail」は年2回が標準で付帯します。

料金は公式サイトに記載がなく、クライアント数とライセンスに応じた販売代理店経由の個別見積もりです。機器を同梱するパッケージ製品で、月額やレンタルでの提供可否は公式情報では確認できないため、導入形態や費用は代理店に確認してください。

10. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

Check Point Quantumの公式サイト

イスラエルで創業したCheck Point Software Technologiesが開発する次世代ファイアウォール(NGFW)のブランドで、日本ではチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が窓口を担います。

各拠点に設置するアプライアンスを中心に、大企業向けの「Quantum Force」、中小企業向けの「Quantum Spark」、仮想・クラウド向けまで規模別の製品をそろえています。

IPS(侵入防御)はファイアウォールやアンチウイルスと同じゲートウェイ上で動く機能の一つとして提供され、検知のみと遮断を切り替えられます。機器を自社の管理下に置き、こうした機能を自社のポリシーで細かく設定・運用したい企業に向きます。

販売・導入は国内の代理店経由が基本で、公式サイトに価格表はなく、料金は代理店の見積もりで確認する必要があります。機器を自社の管理下に置き、設定やポリシーを作り込んで運用したい企業向けの選択肢です。

11. Sophos Firewall(ソフォス株式会社)

Sophos Firewallの公式サイト

Web保護・サンドボックス・ネットワーク検知などを1つに統合した、ソフォス株式会社のアプライアンス型セキュリティ製品(次世代ファイアウォール)です。IPS(侵入防御)はアンチウイルスやアプリケーション制御と同じ検査基盤の上で動作し、まとめて管理できます。

専用アプライアンスのXGSシリーズを中心に、ソフトウェア・仮想・クラウド(AWS・Azure)の形態でも導入でき、クラウド管理基盤「Sophos Central」からまとめて管理できます。設置は通信経路上に挟んで遮断するインライン構成のほか、ミラーポートで検知だけを行うTAPモードも選べます。小規模拠点向けにはXGS 87・107・116クラスのデスクトップ型が用意されています。

料金は公式サイトに記載がなく、本体と年間ライセンスの組み合わせを国内代理店が見積もる方式です。IPSは単体では契約できず、ファイアウォールのライセンスに含める形で利用する点を踏まえて、必要な機能範囲を確認してください。

12. FortiGate(Fortinet, Inc.)

FortiGateの公式サイト

Fortinet, Inc.(米国)が開発する次世代ファイアウォール(NGFW)/UTMで、日本法人のフォーティネットジャパン合同会社は販売支援の窓口を担い、見積もりや導入・サポートは正規販売代理店が行う体制です。各拠点に設置する物理アプライアンスのほか、仮想版やクラウド型でも提供されます。

IPS(侵入防御)は「FortiGuard IPS Service」というサブスクリプションとして提供され、FortiGuard Labsが配信するシグネチャ(公式のサービス資料では2023年8月時点で13,500件超)と、AI・機械学習による挙動の分析を組み合わせて検知します。正式な修正プログラムの提供前の脆弱性を暫定的に守る仮想パッチにも対応します。

通信経路上で遮断するインライン構成が標準で、検知のみを行うモードも選べます。

小規模拠点向けにはFortiGate 40F・60F系のエントリーモデルがあり、本体の購入に加えてIPSを含むセキュリティサブスクリプション(UTPバンドル等)の年間契約が前提になります。価格はオープン価格制で公表されておらず、機種・契約年数・サポートの等級によって変わるため、代理店への見積もり依頼が必要です。

13. サクサのUTM SS7000シリーズ(サクサ株式会社)

サクサのUTM SS7000シリーズの公式サイト

電話交換機やビジネスホンを祖業とする国内の通信機器メーカー、サクサ株式会社が製造・販売する機器設置型のUTM(統合脅威管理)です。拠点のインターネット接続点に専用アプライアンスを置いて通信を検査する構成で、中堅・中小企業向けのSS7000シリーズを最上位に、中位のSS6000、下位のSS5000IIとモデルが分かれています。

1台でファイアウォール、IPS/IDS(不正侵入検知・防御)、アンチウイルス、迷惑メール対策、Webフィルタリングに加え、メールの誤送信防止や添付ファイルの自動暗号化、USBメモリの検疫などを備えます。アンチウイルスエンジンにはKasperskyとESET PROTECTソリューションを採用しています。

SS7000の処理性能はファイアウォールで3.0Gbps、IPSで1.36Gbpsです(SS7000の公式仕様)。

サクサは直接販売を行わず、取扱販売店を通じて提供するため、設置工事や初期設定、日常の問い合わせは販売店が担います。現行モデルの標準価格は公式サイトに掲載がなく、販売店経由の見積もりです。セキュリティ機能のライセンス期間はグレードにより標準5年・Plus6年・Plus+7年と分かれています。

まとめ

クラウド型UTMは、機器を社内に置かずにファイアウォールやアンチウイルスなどの複数のセキュリティ機能をまとめて使える形態で、初期投資を抑えやすく、拠点やテレワークが分散した環境に同じ保護を届けやすい点が強みです。一方で、事業者基盤への依存や設定の自由度、長期利用時の総額といった注意点もあり、アプライアンス型と比べて自社に合うかを見極めることが大切です。

選ぶ際は、拠点数・働き方、運用を自社で担うか委託するか、必要な対策範囲、費用の出し方を順に確認し、機器を置かないクラウド型・運用まで任せるマネージド型・自社運用のアプライアンス型のどれが自社に合うかを判断します。本記事の比較表や選定診断ツールを使って、自社の条件に合う候補を絞り込み、気になる製品の資料を取り寄せて検討を進めてください。

また、UTMが担うのはネットワークの出入口の防御で、端末やID、データの保護まで含めた社内セキュリティ全体のなかでは一つの層にあたります。守るべき対象ごとにどんな対策があるかを俯瞰してから検討を進めたい場合は、次の記事が全体像の把握に役立ちます。

クラウド型UTMに関するよくある質問(FAQ)

Q. クラウド型UTMとは何ですか?

A. クラウド型UTMとは、ファイアウォール・不正侵入防御(IPS)・アンチウイルス・Webフィルタリングなどの複数のセキュリティ機能を、社内に専用機器を設置せず、事業者のクラウド基盤や端末側のソフトウェアで提供する形態のUTM(統合脅威管理)です。

各拠点に機器を置いて通信を検査する従来のアプライアンス型に対し、クラウド型は通信を事業者の基盤に集約して検査したり、端末に導入したソフトで保護したりします。脅威定義の更新や保守を事業者が担うため、機器を持たずに最新の防御を受けやすい点が特徴です。

Q. クラウド型UTMとアプライアンス型は、どちらを選べばよいですか?

A. クラウド型UTMは拠点が分散しテレワークが多く運用の手間を抑えたい企業に、アプライアンス型は拠点が限られ独自のポリシーを社内で作り込みたい企業に向きます。どちらが優れているという話ではなく、拠点数・働き方・運用体制・費用の出し方で向き不向きが変わります。

拠点やユーザーの増減が見込まれる場合は、契約変更で柔軟に対応できるクラウド型が調整しやすく、逆に通信を外部基盤に集約しない構成を取りたい場合はアプライアンス型が適します。本記事の選定診断ツールで、自社の条件を入力して向くタイプを確認できます。

Q. クラウド型UTMは、クラウド基盤で障害が起きると全拠点に影響しませんか?

A. クラウド型UTMは防御の一部を事業者のクラウド基盤に委ねるため、その基盤で障害が起きると、通信を集約している拠点がまとめて影響を受ける可能性があります。これはクラウド型を選ぶうえで押さえておくべき注意点です。

対策として、事業者の可用性(冗長構成や稼働実績)、通信が止まった際のバックアップ経路、障害発生時の連絡・復旧の体制を契約前に確認しておくと安心です。拠点ごとに機器を置くアプライアンス型は影響が各拠点に限定されやすいため、可用性を特に重視する場合は構成の比較材料になります。

Q. クラウド型UTMはベンダー依存にならないか心配です。問題ありませんか?

A. クラウド型UTMは脅威定義の更新・運用・障害対応の多くを事業者に委ねる形態のため、セキュリティの水準や対応の速さが、選んだ事業者の体制に左右されます。この点を踏まえて事業者を見極めることが、ベンダー依存の不安を抑える鍵になります。

契約前に、監視・サポートの提供時間、インシデント発生時の対応範囲、運用実績、契約内容(SLAの有無)を確認しておくとよいでしょう。将来の乗り換えを見据え、設定やログの引き継ぎのしやすさを確かめておくことも、依存度を下げる備えになります。

Q. セキュリティの専任担当者がいなくても、クラウド型UTMは運用できますか?

A. クラウド型UTMは、設定・監視・障害対応まで事業者に委託できるマネージド型・クラウド管理型を選べば、セキュリティの専任担当者がいなくても運用できます。情報システム担当者が兼務の企業や、ひとり情シスの企業に向く形態です。

機器を置かないクラウド型でも脅威定義の更新や保守は事業者が担うため日々の運用負担は小さく、さらに監視や検知後の対応まで任せたい場合は、運用代行を含むマネージド型を選ぶと負担を抑えられます。どこまで委託するかを運用体制に合わせて決めるのがポイントです。

Q. クラウド型UTMの費用はどのくらいが目安ですか?

A. クラウド型UTMの費用は、機器購入が不要な分、月額数千円から数万円程度の利用料を中心とした構成が目安です。初期費用も無料のものから十数万円程度までと、アプライアンス型の機器購入より抑えやすい傾向があります。

ただし料金は拠点数・利用台数・契約期間・委託する運用範囲によって変わり、長期間使い続けると月額の積み上げが機器購入の総額を上回ることもあります。費用を抑えるには、必要な機能に絞って契約し、自社の台数・拠点で総額を試算することが有効です。

製品ごとに課金単位(台数・拠点・ユーザー数)や契約期間が異なり、公開されていない料金も多いため、候補を絞ったうえで見積もりを取り、自社の台数・拠点で総額を比べるのが確実です。

Q. クラウド型UTMは導入までどのくらいの期間がかかりますか?

A. クラウド型UTMは機器の設置工事が不要な製品が多く、契約後おおむね短期間で使い始められます。端末にソフトを導入する方式では、最短1日で利用を開始できる製品もあります。

一方、拠点に機器を設置するマネージド型や、通信を事業者基盤に集約する方式では、機器の設置・初期設定や接続構成の調整に一定の期間がかかります。導入のスケジュールを立てる際は、各製品の提供形態と初期設定の進め方を確認しておくと見通しが立ちます。

Q. クラウド型UTMは、既存のルーターやVPN環境をそのまま使えますか?

A. 製品によって異なりますが、既存のルーターやVPN環境を活かして導入できるクラウド型UTMもあります。たとえば、既存ルータがVPNに対応していれば、そこから事業者のクラウドへ接続して通信を検査できる製品があります。

一方、通信を事業者のデータセンターに集約する方式では、インターネット接続の構成を見直す必要がある場合があります。自社のネットワーク構成や回線を伝えたうえで、既存環境のどこまでを流用できるかを各事業者に確認するのが確実です。

Q. クラウド型UTMを導入すれば、ほかのセキュリティ対策は不要ですか?

A. クラウド型UTMを導入しても、それだけですべての脅威を防げるわけではなく、端末を守るEDR・EPPなどと組み合わせるのが基本です。UTMはネットワークの出入口をまとめて守る仕組みで、侵入後の端末上の脅威や、持ち出した端末の保護まではカバーしきれないためです。

テレワークやクラウドサービスの利用が増え、社内ネットワークの外で業務が行われる場面では、入口対策のUTMと端末対策を併用する多層防御が有効です。製品によっては端末セキュリティを含むパッケージで提供されるものもあるため、必要な対策範囲を確認して組み合わせを検討してください。

Q. クラウド型UTMとSASE・ゼロトラストは何が違いますか?

A. クラウド型UTMは拠点やネットワークの出入口を守る「境界型」の考え方で、SASEやゼロトラストは利用者やデバイス単位でアクセスを検証する考え方という違いがあります。守る起点が「境界」か「利用者・デバイス」かが大きく異なります。

拠点をまたいだ接続やクラウドサービスの利用が業務の中心になってくると、UTMの発展形であるSASEやゼロトラスト型の仕組みも視野に入ります。ただし多くの中小企業では、まずクラウド型UTMとアプライアンス型の軸で自社の立ち位置を固めるのが現実的な出発点です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
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