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税理士事務所・会計事務所向けERP比較9選|良い点・気になる点と導入事例で選ぶ統合業務システム

会計事務所向け ERP・統合 業務システムのサムネイル画像
ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)のプレビュー

主要20サービスの料金・機能を無料で一覧比較

ERP(統合基幹業務システム)比較表(2026年版)

顧問先の記帳・決算・申告と、所内の工数や採算、顧問料の請求を、別々のソフトやExcelで管理していませんか。会計事務所では、顧問先が増えるほどデータの二重入力やチェックの手間が積み上がり、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も重なって、事務負担が膨らみがちです。

こうした業務を1つの基盤にまとめるのが、会計事務所・税理士事務所向けのERP(統合業務システム)です。ただし、顧問先対応と事務所運営のすべてを1本でまかなう製品は少なく、目的の異なるシステムを組み合わせて使うのが一般的です。製品ごとに得意分野が分かれ、スペック表だけでは自事務所に合うかを判断しにくいため、各製品の特徴や良い点・気になる点、導入事例まで確かめて選びたい、という方は多いはずです。

本記事では、会計事務所・税理士事務所向けのERP・統合業務システム9製品を比較します。製品の性格別に整理したうえで、選び方の軸、各製品の機能・料金・良い点と気になる点、電子帳簿保存法・インボイスへの対応確認、導入事例までをまとめました。自事務所の規模や顧問先構成に合うシステムを見つける検討材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲(会計事務所・税理士事務所向けERPとは)

会計事務所・税理士事務所向けのERPは、顧問先の記帳・決算・各種申告と、事務所内の工数・採算・顧問料請求・顧客管理といった業務を、1つの基盤に統合して扱うシステムの総称です。一般企業向けの統合基幹システムが自社の販売・会計・人事を束ねるのに対し、こちらは「顧問先の会計・税務を代行・支援する業務」と「事務所自身の運営」の両方を支える点に特徴があります。

本記事では、公式サイトなどで会計事務所・士業事務所向けを明示している製品に加え、事務所運営(工数・採算・案件管理)に活用できる汎用の統合業務システムも取り上げます。一方、顧問先の企業が自社経理に使う汎用の会計ソフトや、会計事務所での活用を想定しにくい一般企業向けERPは、比較の対象に含めていません。

製品の性格は後述の3タイプに分かれるため、自事務所がどの業務を重視するかを起点に読み進めると、候補を絞りやすくなります。

会計事務所向けという絞り込みを外して、一般企業向けも含めたERP全般から比較したい場合は、以下の記事で主要なERPを機能・料金・提供形態まで幅広く取り上げています。自社の業種や規模に合う製品を広く見比べたい方はこちらをご覧ください。

会計事務所がERPを導入するメリット

導入の価値は、大きく3つに整理できます。1つ目は、二重入力の解消です。顧問先とデータを共有したり、会計から申告・給与へデータを引き継いだりすることで、同じ数字を複数のソフトに打ち直す作業と、その転記ミスのチェックを減らせます。

2つ目は、工数と採算の可視化です。所員ごと・顧問先ごとに作業時間を記録できる製品なら、顧問料に見合った工数かを把握でき、請求漏れや不採算の案件を早期に見つけられます。3つ目は、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応です。証憑の保存要件や適格請求書の扱いをシステム側で支えれば、制度対応の手戻りを抑えられます。保存要件は後述の専用セクションで整理します。

会計事務所向けERPの種類(利用目的別の3タイプ)

ここからは、会計事務所向けのERP・統合業務システムを、何を重視して導入するかという利用目的で3つのタイプに分けて整理します。自事務所がどのタイプを求めているかがはっきりすると、候補の絞り込みが進みます。

会計事務所向けERPの利用目的別3タイプの図解。タイプ①は記帳・決算・申告を一体で回す会計事務所専用システム(統合型、該当:TKC、ACELINK NX-Pro、弥生会計 AE、JDL組曲Major、エプソンの財務会計)、タイプ②は自計化・記帳代行を支えるクラウド会計(該当:freee会計、マネーフォワード クラウド会計)、タイプ③は工数・採算・顧問料請求など事務所運営を強化するシステム(該当:MA-EYES、SmileWorks)。多くの事務所は顧問先対応と事務所運営を組み合わせて利用する。
  • 顧問先の記帳・決算・申告まで一体で回す会計事務所専用システム:財務・税務・申告・給与・事務所管理を1つで処理する統合型です。税務申告ソフトと会計が一体で、顧問先の会計・税務業務を事務所がまとめて回す事務所に向きます。該当する主なサービス:TKC、ACELINK NX-Pro、弥生会計 AE、JDL IBEXクラウド組曲Major、エプソンの財務会計(旧 財務顧問R4)。
  • 顧問先の自計化・記帳代行を支えるクラウド会計:顧問先と画面を共有して、記帳代行や自計化支援に使うクラウド会計です。顧問先が自ら入力した仕訳を事務所が確認・修正する運用に向きます。該当する主なサービス:freee会計、マネーフォワード クラウド会計。
  • 工数・採算・顧問料請求など事務所運営を強化するシステム:事務所自身の案件・工数・採算・顧問料請求・顧客管理を回す運営基盤です。顧問先対応の会計ソフトとは別に、所内の生産性や採算を高めたい事務所に向きます。該当する主なサービス:MA-EYES、SmileWorks。

多くの事務所では、顧問先対応の会計・税務システム(1つ目または2つ目)と、事務所運営のシステム(3つ目)を組み合わせて使います。どれか1つに絞る必要はなく、自事務所で手間が大きい業務から優先して検討するとよいでしょう。

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会計事務所向けERPの選び方

ここからは、会計事務所がERPを選ぶときに確認したい軸を解説します。一般的な機能の多さよりも、会計事務所ならではの業務にどれだけ合うかで絞り込むのが近道です。

顧問先の税務申告・電子申告ソフトと連携できるか

会計で入力したデータを、決算・申告へそのまま引き継げるかは、二重入力を減らすうえで重要です。会計事務所専用の統合型は、会計と税務申告・電子申告が一体になっていることが多く、連携の手間が小さい傾向があります。一方でクラウド会計を軸にする場合は、普段使う税務申告ソフトへデータを渡せるか、対応している申告ソフトの種類を確認しておくと安心です。

顧問先とのデータ受け渡しがスムーズか

顧問先がクラウドで入力したデータを事務所がそのまま確認できれば、USBメモリやメール添付でのやり取りが不要になります。顧問先の自計化を進めたい事務所では、顧問先が使いやすい入力画面を備えているか、事務所側と同じデータにリアルタイムでアクセスできるかが判断材料になります。顧問先の規模や会計リテラシーに幅がある場合は、記帳代行と自計化の両方に対応できる製品が使い回しやすくなります。

所員の工数と採算を把握できるか

顧問料に見合った工数で業務が回っているかを把握したい場合は、所員ごと・顧問先ごとに作業時間を記録し、採算を集計できる機能があるかを確認しておくとよいでしょう。工数の記録から顧問料の請求までをつなげられる製品であれば、請求の転記作業や請求漏れも抑えられます。採算管理を重視するなら、事務所運営を強化するタイプが候補になります。

顧問先ごとの進捗・期限を管理できるか

会計事務所は、多数の顧問先の決算・申告期限を並行して管理します。顧問先ごとの進捗や期限を一覧で把握し、担当者間で共有できる仕組みがあると、繁忙期の抜け漏れを防ぎやすくなります。所員数が多い事務所ほど、個人のToDo管理に頼らず、組織として進捗を見える化できるかが効いてきます。

事務所の規模・顧問先数に料金が見合うか

料金は、会計事務所専用の統合型が年額制や会員制、クラウド会計が月額課金、事務所運営のシステムが利用人数に応じた課金、と体系が分かれます。所員数や顧問先数が増えたときに費用がどう変わるかを、導入前に確認しておくとよいでしょう。小規模事務所では必要な機能に絞った構成に、規模の大きい事務所では所員数が増えても運用しやすい体系になっているかが判断の分かれ目になります。

【比較表】会計事務所向けERPを横並び比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、会計事務所向けERP9製品を前述の3タイプ別にご紹介します。提供形態・主な対象・税務申告や電子申告への対応・顧問先とのデータ連携・工数や採算の管理・料金などを横並びで確認できます。

顧問先の記帳・決算・申告まで一体で回す会計事務所専用システムの比較

← 横にスクロールできます →
サービス名TKC会計事務所向けシステムACELINK NX-Pro弥生会計 AEJDL組曲Majorエプソンの財務会計(旧 財務顧問R4)
提供形態クラウドインストール(クラウド利用可)インストール(デスクトップ)クラウド(SaaS)インストール(クラウドで顧問先と共有)
主な対象会計事務所専用会計事務所専用会計事務所専用会計事務所専用会計事務所専用
向いている事務所規模中〜大規模中〜大規模小〜中規模小〜中規模小〜中規模
税務申告・電子申告対応●法人・個人・相続・贈与、電子申告●法人・消費・所得・相続ほか、電子申告△決算・申告書作成(電子申告は別製品)●法人・消費・所得・相続ほか、電子申告△連携する「エプソンの税務申告」で対応(別製品)
顧問先とのデータ連携●FXクラウドで顧問先と連携●顧問先連動で取引データを収集●弥生ドライブ・オンライン等3経路●Web POSTBOX経由で取込(他社ソフト可)●顧問先がエプソン会計利用時にクラウド共有
工数・採算・顧問料請求△顧問先管理(OMSクラウド)中心●報酬請求・進捗・日報・原価×●報酬管理・顧問先Panel×
料金初期・月額とも要お問い合わせ要お問い合わせ(規模・機能により変動)入会金なし/弥生PAP年会費96,000円〜(税抜・年額、AE1ライセンス含む)初期費用なし/財務75,000円〜(税抜・年額、1本単位)初期費用なし/基本60,000円〜(税別・年額、2ユーザーまで)
無料トライアル・デモ要お問い合わせ●3か月無料おためし要お問い合わせ●無償トライアルあり●1か月無料
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

●=対応/△=一部・条件付きで対応/×=非対応/「要お問い合わせ」=公式が料金等を公開していないもの。料金・機能・対応範囲は変動するため、導入前に各社公式の最新情報をご確認ください(2026年10月時点、金額は特記なき場合は税抜)。

顧問先の自計化・記帳代行を支えるクラウド会計の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名freee会計マネーフォワード クラウド会計
提供形態クラウドクラウド
主な対象顧問先と共用顧問先と共用
向いている事務所規模小〜中規模小〜中規模
税務申告・電子申告対応△決算書作成(法人税申告はfreee申告等)△決算書作成(申告は別製品)
顧問先とのデータ連携●クラウドで税理士と共有・顧問先管理●クラウドパートナーで顧問先を一元管理
工数・採算・顧問料請求××
料金初期0円/月額2,980円〜(法人・年払い、税抜)月額2,480円〜(法人・年払い、税抜)
無料トライアル・デモ●30日間無料●1か月間無料
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

●=対応/△=一部・条件付きで対応/×=非対応。クラウド会計は会計事務所が顧問先の自計化支援・記帳代行に使う製品で、申告は連携する申告製品や税理士側で行います。料金・機能は変動するため、導入前に各社公式の最新情報をご確認ください(2026年10月時点、金額は税抜)。

事務所運営を強化するシステムの比較

← 横にスクロールできます →
サービス名MA-EYESSmileWorks
提供形態クラウドクラウド(統合ERP)
主な対象事務所運営事務所運営
向いている事務所規模中〜大規模小〜中規模
税務申告・電子申告対応×△消費税申告・e-Taxデータ出力
顧問先とのデータ連携△会計ソフト連携に対応(勘定奉行等)△他社会計ソフトと仕訳連携
工数・採算・顧問料請求●工数→原価→採算・請求を一元管理●案件別収支管理・請求(人件費配賦は別オプション)
料金要お問い合わせ(公式非公開)初期0円〜/月額5,000円〜(税別、オプション別)
無料トライアル・デモ●30日間無料トライアル●申込翌月末まで無料(最大2か月)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

●=対応/△=一部・条件付きで対応/×=非対応/「要お問い合わせ」=公式が料金等を公開していないもの。事務所運営を強化するシステムは会計・税務申告ソフトとは役割が異なります。料金・機能・対応範囲は変動するため、導入前に各社公式の最新情報をご確認ください(2026年10月時点)。

会計事務所向けERP9製品の特徴と良い点・気になる点

ここからは、各製品の提供元・機能・料金・連携と、実務上の良い点・気になる点を、タイプごとに紹介します。

顧問先の記帳・決算・申告まで一体で回す会計事務所専用システム

1. TKC会計事務所向けシステム(株式会社TKC)

TKC会計事務所向けシステムのウェブサイト

1966年設立の株式会社TKCが、会計事務所向けに展開するシステム群の総称です。顧問先の記帳・決算・申告を担う税務・会計システムに加え、事務所管理のOMSクラウド、経営計画づくりを支える継続MASシステム、顧問先企業が使うFXクラウドシリーズまでを同一ベンダーでそろえています。

電子申告システムや法人決算申告システム、相続税申告、月次・決算の巡回監査支援まで、税務申告から経営助言までを一体で扱えます。顧問先向けのFXクラウドシリーズは累計33.5万社(2026年3月末時点)で利用されていると公式サイトに記載があります。

良い点は、税務・会計・事務所管理・経営助言を同一ベンダーのシステム群でまかなえ、月次決算データをTKC経営指標(BAST)として活用できることです。確認したい点は、料金が公式サイトで公開されておらず、導入の導線がTKC全国会(会員の税理士・公認会計士の団体)への入会案内を経由する構成であることです。費用は資料請求で確かめるとよいでしょう。

ACELINK NX-Proのウェブサイト

会計事務所と顧問先の情報を一元管理する統合業務パッケージで、株式会社ミロク情報サービス(MJS)が「会計事務所向けERPシステム」として提供しています。公式サイトには導入8,400事務所との表記があり(基準日の記載なし)、事務所管理・会計(会計大将)・給与・税務申告・減価償却・顧問先連動の各モジュールで構成されます。

AI仕訳・AI-OCR入力・AI監査支援の3つのAI機能を備え、会計データの作成からチェックまでを支援します。電子申告は複数の顧問先を一括送信でき、電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応します。導入を検討する税理士・公認会計士向けには3か月間の無料おためしが用意されています(既存のMJSユーザーは対象外)。

良い点は、会計・税務・給与・事務所管理をひとつのパッケージ群で扱え、報酬請求や業務進捗といった事務所運営の管理機能も含むことです。一方で気になる点として、料金は導入する機能や事業規模によって変わり、公式サイトに金額の掲載がないため、具体的な費用は見積もりで確認する必要があります。

3. 弥生会計 AE(弥生株式会社)

弥生会計 AEのウェブサイト

弥生株式会社の会計事務所向けパートナープログラム「弥生PAP」の会員だけが利用できる、デスクトップ型(インストール型)の会計ソフトです。一般向けの弥生会計シリーズとは別ラインで、単体での販売はありません。

記帳代行向けの高速仕訳入力画面(公式にAE限定機能と記載)や、他社の勘定科目コードで入力できるテンプレートを備えます。顧問先とのデータ連携は弥生ドライブ・弥生会計オンライン・データ送受信の3経路に対応します。

料金は弥生PAPの年会費に含まれ、年会費96,000円(税抜)で1ライセンス目は無償です。2台目以降のPCで使う場合のみ追加ライセンス料(1〜10ライセンスで年13,200円・税抜ほか)がかかります。

良い点は、年会費の範囲で会計ソフトを利用でき、記帳代行向けの入力機能や複数の顧問先連携経路を持つことです。確認したい点としては、利用に弥生PAPへの入会が必要なこと、デスクトップ型のため顧問先とクラウドでデータ共有するには顧問先側で「あんしん保守サポート」への加入が必要になることが挙げられます。

4. JDL IBEXクラウド組曲Major(株式会社日本デジタル研究所)

JDL IBEXクラウド組曲Majorのウェブサイト

会計事務所専用として株式会社日本デジタル研究所(JDL)が提供する、財務・税務・給与・事務所管理のソフト群です。申込時に税理士登録番号の入力が求められ、必要なソフトを1本単位で選んで組み合わせる構成になっています。

ソフトとデータをPCに保持して処理するSaaS方式で、通信障害時も業務を続けられると公式に記載されています。顧問先とは独自のデータ送受信ツールでやり取りし、会計ソフトの種類を問わず会計データを財務システムへ取り込めます。料金は年額・税抜で、財務が75,000円、法人税申告書が32,500円など1本単位で設定され、初期導入費用と税制・制度改正時のバージョンアップ料は不要です。

良い点は、必要なソフトだけを選べる料金体系と、初期費用・バージョンアップ料がかからないことです。気になる点は、一部ソフトの申込受付終了とサポート体制の情報の2つです。2026年9月30日で通帳読取やeエビデンス管理システムなど一部ソフトの新規・追加・継続の申込受付が終了しており(財務・主要税務・給与などの本表ソフトは対象外)、電話サポートの有無は公式サイトで明記されていません。

5. エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン(セイコーエプソン株式会社)

エプソンの財務会計(会計事務所向け)のウェブサイト

セイコーエプソン株式会社の会計事務所向け財務会計ソフトで、従来の「財務顧問R4」シリーズがリニューアルした現行製品です。顧問先の日々の記帳から決算までを事務所側で処理する用途で、価格表上の名称は「プロフェッショナル」です。

OCRで領収書・請求書から仕訳を作る機能や金融機関データの自動取得(いずれも別契約が必要)に対応し、エプソンの税務申告13製品と連携して二度入力を減らせます。料金は税別で、初期導入費0円・基本ライセンス(2ユーザーまで)が年60,000円、追加1ライセンスが年10,000円、30名以上向けのフリーライセンスが年339,000円で、年間利用料のみで法令対応の更新費用は別途かかりません。

公式の導入事例では、自計化率50%を達成した事務所や、月間1,000件の仕訳の約80%を自動仕訳できるようになった事務所が紹介されています。確認したい点は、会計事務所向けの「プロフェッショナル」が電話サポート非対応であること、旧「財務顧問R4」の法改正対応は2026年3月で終了し、新規導入は現行の「エプソンの財務会計」会計事務所向けプランが対象になることです。

顧問先の自計化・記帳代行を支えるクラウド会計

6. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトです。銀行口座やクレジットカード、POSレジなどと連携して、明細の自動取得から仕訳の自動反映、決算書作成までをクラウド上で完結できます。有料課金ユーザー企業数は公式サイト掲載値で71万社(2026年3月末時点、個人事業主を含む)とされています。

会計事務所の視点では、顧問先の自計化を支える設計が特徴です。簿記の知識がなくても複式仕訳が自動生成されるため、記帳に不慣れな顧問先でも入力しやすく、税理士・会計士をアカウントに招待すればクラウド上で最新データを共有できます。顧問先を登録・管理する顧問先連携や、OCR機能の先行提供などを受けられるfreee認定アドバイザー制度も用意されています。

料金は法人向けで、年払い月額2,980円のひとり法人から、スターター5,480円、スタンダード8,980円と続き、上位のアドバンスは月額39,780円〜、エンタープライズは要問い合わせです(いずれも税抜)。初期費用は0円で、30日間の無料トライアルが用意されています。電子帳簿保存法に対応してJIIMA認証を取得しており、インボイス制度にも対応します。

良い点は、明細の自動取得とAI自動仕訳、AI-OCRで記帳の手入力を抑えられ、顧問先が入力した仕訳を事務所が確認・修正する自計化運用を回しやすいことです。気になる点は、電話サポートがひとり法人プランでは対象外になるなど、サポート範囲がプランで分かれることです。入力を担う所員が無料トライアルで操作感を試しておくと安心です。

7. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

株式会社マネーフォワードが運営するクラウド会計で、法人向けには「クラウド会計」と「クラウド会計Plus」の2製品が用意されています。前者はひとり法人・中小企業(50名以下)向け、後者はIPO準備や中堅〜上場企業向けで、顧問先の事業規模に応じて選べます。

会計事務所は公認メンバー制度に登録すると、顧問先を一元管理できる管理画面(クラウドパートナー)と顧問先用アカウントを利用できます。ブロンズは年会費0円で事務所自身の利用アカウントと管理画面を使え、顧問先用アカウントを5社分付けるにはシルバー以上(年会費24万円・入会金5万円、通常プラン)への加入が必要です。顧問の税理士・会計士を招待して会計データをリアルタイムに共有する機能もあります。

顧問先の記帳代行向けには、基本料金50,000円/月(紙証憑の自動記帳サービスSTREAMED併用時は35,000円/月、STREAMEDの利用料は別途)の会計記帳代行プランがあり、顧問先社数は無制限、職員IDは10まで含まれます。弥生・勘定奉行・freee・JDL(IBEX会計)・PCAなどからの自動インポートにも対応するため、既存ソフトからの移行や併用も進めやすいでしょう。

会計事務所での採用規模が目立ちます。国内上位100会計事務所の84%が導入(2025年8月末時点、自社調べ)とされ、士業事務所の利用者は54,000名を超えると公表されています。気になる点は、料金が会計単体ではなく請求書・経費・給与などを含むバンドルである点です。公式ページでは2027年6月に料金体系の一部改定が予定されているため、契約前に最新の料金を確認しておくと安心です。

工数・採算・顧問料請求など事務所運営を強化するシステム

8. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESのウェブサイト

プロジェクト型ビジネス向けのクラウドERPで、株式会社ビーブレイクシステムズが2005年から提供しています。工数と原価をリアルタイムに集めて、案件(プロジェクト)単位の損益を可視化する製品です。公式が挙げる対応業種には監査法人・コンサルティング業も含まれており、会計事務所が所内の案件採算を管理する用途で検討できます。

見積から請求までを案件ごとに一元管理し、工数(作業実績)と勤怠を連動させて二重入力を防ぎます。入力した工数は担当者のマスタ単価を掛けて労務費に換算され、案件原価へ反映される仕組みです。顧問料に見合った工数になっているかを、原価ベースで確かめられます。

間接費の配賦では、工数・人数・売上高・人件費比率に加えて、面積や机の数といった基準も設定できます。勘定奉行クラウドとのAPI連携で仕訳の手入力を減らせるほか、2025年3月にISO/IEC 27001とクラウドセキュリティ認証を取得済みです。提供形態はSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べます。

良い点として挙げやすいのは、工数と勤怠の連動で入力の手間を抑えつつ、工数を労務費に換算して案件原価まで落とし込めることです。一方で気になる点は、料金が公式では非公開で、問い合わせが前提になることです。一括版の想定規模は100名以上が目安とされ、プロジェクト型ビジネス全般に向けた製品のため、小規模な事務所では機能を使いこなせるかの見極めが要ります。

9. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

SmileWorksのウェブサイト

販売・仕入・在庫・会計・給与・経費・勤怠を1つにまとめた、中小企業向けの統合型クラウドERPです。株式会社スマイルワークスが提供し、各業務の入力が会計仕訳まで自動で連動する設計を採ります。会計事務所では、案件別の収支管理と顧問料請求を軸に活用できます。

主軸のプロジェクト別収支管理では、売上・仕入・経費・社内工数を案件(プロジェクト)ごとに集約し、予算を入力して実績と対比できます。予実対比や関連帳票の出力までが標準機能です。見積・受注・売上・請求を扱う販売ワークスと一体のため、顧問料の請求管理まで同じ基盤で回せます。

ただし、入力した稼働報告(工数)を人件費として案件原価に自動反映するには、給与ワークスの契約と配賦機能オプション(月額5,000円・税別)の追加が必要です。料金は販売ERPプランが月額5,000円から、標準プランが初期30,000円・最初のモジュール月額10,000円から(いずれも税別)です。インボイス制度と電子帳簿保存法にも対応します(電帳法は会計ワークスがJIIMA認証を取得)。

良い点は、月額5,000円からの価格帯で小さく始められ、案件ごとの予実対比と帳票出力を販売ワークス契約時は追加費用なしで使えることです。

気になる点は2つあります。1つは、人件費の配賦や経費精算、承認ワークフローがそれぞれ有償オプションのため、必要な機能をそろえると月額が積み上がることです。もう1つは、恒久的な無料プランはなく、無料で使えるのは申込月の翌月末まで(公式表記は「最大2ヶ月無料」)である点です。

導入前に確認したい気になる点と失敗の回避

製品ごとの特徴とは別に、会計事務所向けのシステム全般で注意したい点には共通の傾向があります。ここでは観点ごとに整理し、導入前に確認しておきたいポイントをまとめます。

仕訳入力の操作性が日々の負担を左右する

会計事務所は入力件数が多いため、仕訳入力の速さや操作性は日々の負担に直結します。クラウド型は画面の見やすさや自動取り込みに強みがある一方、キーボード中心の高速入力に慣れた事務所では、従来のインストール型より入力が遅く感じるという声もあります。導入前に、実際に入力する所員が無料トライアルやデモで操作感を試し、繁忙期の入力量に耐えられるかを確かめておくと、導入後のギャップを避けられます。

サポート体制が事務所の運用に合うか

繁忙期や法改正対応の時期は、サポートの手厚さが事務所の安心感を左右します。電話で相談できるか、チャットやメール中心か、対応時間が自事務所の稼働に合うかは、導入後の評価が分かれるポイントです。サポートの手段と対応時間、法改正時の情報提供の体制を、契約前に確認しておくとよいでしょう。

他ソフトとの連携や移行に制約がないか

顧問先が使う会計ソフトは事務所によってさまざまで、連携できるソフトの種類に制約があると、かえって二重入力が残ることがあります。また、既存システムからの乗り換えでは、過去データの移行がどこまで対応されるかが負担を左右します。自事務所や顧問先が使う会計ソフトに対応しているか、データ移行の支援があるかを事前に確認しておくと、導入後の手戻りを防げます。

提供形態の変更・サービス終了に備えられているか

クラウドサービスは、料金体系やプランの改定、製品の統合・リニューアルが行われることがあります。長く使う基盤だからこそ、提供元の方針や後継製品への移行方針が示されているかは確認しておきたい点です。契約前に、料金改定や提供終了時の案内・移行支援の方針を把握しておくと、途中での方針転換に慌てずに済みます。

電子帳簿保存法・インボイス・証憑管理への対応確認

製品選定と並行して確認したいのが、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応です。会計事務所は顧問先の帳簿・証憑を扱うため、どの保存要件に対応する必要があるかを押さえたうえで、システムの機能を確認すると判断を誤りません。

電子帳簿保存法の3区分と、対応が必須なのはどれか

電子帳簿保存法(電帳法)の保存制度は、①電子帳簿等保存②スキャナ保存③電子取引データ保存の3つに区分されます。このうち①と②は希望者のみの任意ですが、③の電子取引データ保存は法人・個人事業者ともに対応が必要です。

電子帳簿保存法の3区分の図解。区分①電子帳簿等保存は希望者のみ(任意)、区分②スキャナ保存は希望者のみ(任意)、区分③電子取引データ保存は法人・個人事業者は対応が必要。電子取引データ保存は、書面なら保存が必要な書類に相当する電子取引データを電子のまま保存する制度。

(制度を)電子帳簿等保存制度といい、①電子帳簿等保存【希望者のみ】②スキャナ保存【希望者のみ】③電子取引データ保存【法人・個人事業者は対応が必要】の3つの制度に区分されています。

出典:電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?|国税庁(令和8年6月)

電子取引データ保存とは、書面でやり取りしていれば保存が必要な書類に相当する電子データを、電子のまま保存することを指します。

取引に関して、書面でやり取りしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当する電子取引データを受領又は交付した場合、その電子取引データの電子保存が義務付けられています。

出典:電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?|国税庁(令和8年6月)

証憑管理機能で確認すべき保存要件(真実性・可視性)

電子取引データ保存では、改ざんを防ぐ「真実性の確保」と、後から確認できる「可視性の確保」という2つの要件を満たす必要があります。システムの証憑管理機能を見るときは、タイムスタンプや訂正削除履歴、検索の仕組みがこの要件に沿っているかを確認しましょう。

【真実性の確保】(いずれかの措置を行う)タイムスタンプが付与されたデータを受領/受領したデータに速やかにタイムスタンプを付与/データの訂正削除の履歴が残る(又は訂正削除できない)システム等を利用して授受・保存/改ざん防止のための事務処理規程を策定、運用、備付け。【可視性の確保】(①と②を全て満たす)①保存データを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること②「日付・金額・取引先」の3つの要素で検索できること。

出典:電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?|国税庁(令和8年6月)

証憑をシステム内に保存する場合は、タイムスタンプの付与や訂正削除の履歴、日付・金額・取引先での検索に対応しているかが、電帳法対応の実務上の確認ポイントになります。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応

インボイス制度は、正式には適格請求書等保存方式と呼ばれ、令和5年(2023年)10月1日に始まった、複数税率に対応した仕入税額控除の方式です。買手が仕入税額控除を受けるには、適格請求書(インボイス)の保存が必要になります。

買手が仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿のほか、売手から交付を受けた「適格請求書」等の保存が必要となります。

出典:適格請求書等保存方式の概要(インボイス制度の理解のために)|国税庁

そのため、会計・請求の機能では、適格請求書の発行・受領・保存や、登録番号を含む記載事項に対応できるかが確認の対象になります。各製品の電帳法・インボイスへの対応状況や認証の有無は、個別紹介や公式情報で確認してください。

出典・参考資料(2件)

会計事務所向けERPの料金・費用相場

料金体系は製品のタイプによって考え方が異なります。導入前に、所員数や顧問先数が増えたときの費用まで見ておくと、運用後のギャップを避けられます。

会計事務所専用の統合型は、年額制や会員制が中心です。弥生会計 AEは弥生PAPの年会費96,000円(税抜)〜、JDL組曲Majorは財務75,000円(税抜)〜の1本単位、エプソンの財務会計は基本60,000円(税別)〜(2ユーザーまで)が目安で、TKCとACELINK NX-Proは料金を公式に公開しておらず要お問い合わせです。

クラウド会計は月額課金が基本で、freee会計・マネーフォワード クラウド会計はいずれも法人向けで月額2,000〜3,000円台から始められます。事務所運営を強化するシステムは利用人数や機能に応じた課金で、SmileWorksは月額5,000円(税別)〜(オプション別)、MA-EYESは要お問い合わせです。

顧問先数が多い事務所では、費用が顧問先の数や所員数で積み上がる点に注意が必要です。たとえばクラウド会計は、顧問先と共有するアカウントを増やすと上位プランや追加費用が必要になることがあり、正確な費用は顧問先数・所員数を伝えて見積もりを取るのが確実です。

公式に料金を公表せず、機能や事業規模に応じて見積もりとなる製品もあります。無料トライアルやデモで実際の使用感と費用感を確かめたうえで、比較表と個別紹介の金額も参考に検討するとよいでしょう。

会計事務所のERP導入事例

ここでは、公開されている会計事務所・税理士事務所の導入事例を、規模・課題・効果の観点で紹介します。自事務所の状況に近い事例があれば、導入後のイメージをつかむ手がかりになります。

顧問先の経理合理化を進めた事例(ACELINK NX-Pro)

千葉県市川市の高本税理士事務所は、顧問先の経理合理化を軸に事務所を成長させてきた事例として紹介されています。法人顧問先は400件を超え、相続税申告は累計で約14,000件の実績があるとされ、ミロク情報サービスの会計・税務システムを活用して経理の合理化を進めてきたと公式の導入事例で述べられています。

出典・参考資料(1件)

クラウドで顧問先とのデータ共有を強化した事例(SmileWorks)

東京都墨田区の税理士法人恒輝は、顧問先データをクラウドで安全に管理しやり取りを速くする目的で、クラウドERP「SmileWorks」を導入した事例として紹介されています。顧問先は300社を超え、USBメモリやメール添付での受け渡しや災害時のデータ消失への懸念が背景にあったとされます。導入後は担当者と同じデータに同時アクセスでき、修正作業が迅速になったと公式事例で述べられています。

出典・参考資料(1件)

Excel管理から工数・採算の可視化へ移行した事例(MA-EYES)

ある税理士事務所では、Excelで業務を管理していたため、顧問先別・社員別の稼働実績を一覧で確認できず、請求金額を毎回手作業で算出・転記していたことが課題だったとされています。クラウドERP「MA-EYES」の導入により、社員が勤務時間と作業時間を入力し、作業単価と作業時間から請求金額を計算できるようにして、顧問先別・社員別の集計を行えるようにした事例が公式に紹介されています。

出典・参考資料(1件)

まとめ

会計事務所向けのERP・統合業務システムは、顧問先の記帳・決算・申告まで一体で回す会計事務所専用システム、顧問先の自計化・記帳代行を支えるクラウド会計、工数・採算・顧問料請求など事務所運営を強化するシステムの3タイプに分かれます。自事務所で手間が大きい業務を起点に、税務申告ソフト連携・顧問先データ受け渡し・工数採算・進捗管理・料金の見合いという軸で比べると、候補を絞りやすくなります。

製品ごとに得意分野と料金体系が異なるため、各製品の良い点と気になる点を確認し、電子帳簿保存法やインボイスへの対応も押さえたうえで、無料トライアルやデモで実際の操作感を試すのがおすすめです。気になるサービスがあれば、まずは資料を取り寄せて比較してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 会計事務所向けERPとは何ですか?

A. 会計事務所向けERPとは、顧問先の記帳・決算・各種申告と、事務所内の工数・採算・顧問料請求・顧客管理といった業務を、1つの基盤に統合して扱うシステムです。一般企業向けのERPが自社の販売・会計・人事を束ねるのに対し、会計事務所向けERPは「顧問先の会計・税務を代行・支援する業務」と「事務所自身の運営」の両方を支える点に特徴があります。

Q. 会計事務所向けERPと一般企業向けERPは何が違いますか?

A. 会計事務所向けERPは、自社業務ではなく「顧問先の会計・税務の代行・支援」と「事務所自身の運営」の両方を扱う点が一般企業向けERPと異なります。顧問先の税務申告・電子申告ソフト連携、顧問先とのデータ受け渡し、進捗・期限管理、所員別・顧問先別の工数採算の把握など、会計事務所に固有の機能を備えているかが選定の分かれ目です。公式で会計事務所・士業事務所向けと明示する製品を候補にするのが安全です。

Q. 会計事務所向けERPは顧問先の税務申告・電子申告ソフトと連携できますか?

A. 税務申告・電子申告ソフトと連携できるかは、製品のタイプによって異なります。会計事務所専用の統合型は会計と税務申告・電子申告が一体のことが多く、連携の手間が小さい傾向です。クラウド会計を軸にする場合は、普段使う税務申告ソフトへデータを渡せるか、対応する申告ソフトの種類を事前に確認しておくと、会計から申告への二重入力を防げます。

Q. 会計事務所向けERPは顧問先の自計化と記帳代行のどちらにも使えますか?

A. 会計事務所向けERPには、顧問先の自計化を支える使い方と、記帳代行で事務所が入力する使い方の両方に対応できる製品があります。顧問先が自ら入力した仕訳を事務所が確認・修正する運用には、顧問先と画面を共有できるクラウド会計タイプが向きます。顧問先の規模や会計リテラシーに幅がある場合は、自計化と記帳代行の両方に対応できる製品を選ぶと、顧問先ごとに運用を切り替えやすく、同じ基盤で使い回せます。

Q. 会計事務所にも工数・採算管理の機能は必要ですか?

A. 顧問料に見合う工数で回っているか把握したい事務所では、所員別・顧問先別に作業時間を記録し採算を集計できる工数・採算管理機能が有効です。工数の記録から顧問料の請求までつなげられれば、請求の転記作業や請求漏れ、不採算案件の見落としも抑えられます。採算管理を重視するなら事務所運営を強化するタイプが、顧問先対応の効率化が主目的なら統合型やクラウド会計が候補になります。

Q. 会計事務所向けERPで電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は必須ですか?

A. 電子帳簿保存法の3区分のうち、③電子取引データ保存は法人・個人事業者ともに対応が必要で、①電子帳簿等保存と②スキャナ保存は任意です。電子でやり取りした請求書・領収書は電子のまま保存する義務があり、タイムスタンプや訂正削除履歴、日付・金額・取引先での検索などの保存要件に証憑管理機能が対応するかを確認します。インボイスでは適格請求書の発行・保存や登録番号の記載に対応できるかも確認します。

出典・参考資料(2件)

Q. 会計事務所向けERPの料金体系はどうなっていますか?

A. 料金は、タイプによって年額制・会員制、月額課金、利用人数に応じた課金に大きく分かれます。会計事務所専用の統合型は年額制や会員会費に含まれる形が多く、申込に税理士登録番号が必要な製品もあります。クラウド会計は月額課金が基本。事務所運営のシステムは利用人数に応じた課金が中心です。公式に料金を公表せず見積もりとなる製品もあるため、所員数や顧問先数が増えたときの費用まで確認しておくとよいでしょう。

Q. 会計事務所向けERPは小規模な事務所でも導入できますか?

A. 必要な機能に絞って始められる製品を選べば、小規模な事務所でも導入できます。月額数千円から段階的に機能を足せるクラウド型や、年会費の範囲で会計ソフトを使える製品など、小さく始める選択肢があります。一方、想定規模の大きい製品は機能を使いこなせるかの見極めが必要です。実際に入力する所員が無料トライアルやデモで操作感を試しておくと、導入後のギャップを避けられます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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