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メールリレーサービスおすすめ比較12選|到達率・接続方式・料金で選ぶランキング

メールリレーサービス おすすめ比較12選のサムネイル画像
CPaaS(通信機能API)比較表(2026年版)のプレビュー

主要12サービスの料金・機能を無料で一覧比較

CPaaS(通信機能API)比較表(2026年版)

自社のアプリや業務システムから送る会員登録の通知メールやパスワード再設定メール、メルマガの大量配信が、気づかないうちに迷惑メールフォルダへ振り分けられていませんか。自前のメールサーバーやレンタルサーバーからの送信は、キャリアブロックや迷惑メール判定で届かないことがあり、Gmail・Outlookの送信者ガイドライン強化への対応やバウンス処理の運用負担も年々重くなっています。

到達率を高めやすく、自社の送信要件や既存システムに無理なく組み込めるメールリレーサービスを選ぶには、どのような観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、主要なメールリレーサービス12サービスを比較・解説します。到達率対策や接続方式(API連携・SMTPリレー)、送信ドメイン認証への対応、料金体系といった実務的な選定軸を整理しました。

あわせて、自社の送信要件に合う一社を絞り込めるよう、12サービスを到達率・接続方式・料金などの軸で横並びに比較し、代表的な送信要件ごとのおすすめと選定診断ツールも用意しました。候補を絞り込む検討材料としてご活用ください。

また、自社の送信要件に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

メールリレーサービスとは

はじめに、比較に入る前の前提として、メールリレーサービスの仕組みと、よく似たメール配信システムとの違い、そして接続方式の違いを整理します。

メールリレーサービスの仕組み

メールリレーサービスは、自社のサーバーやシステムが送るメールを、送信専用に運用された事業者のサーバー(リレーサーバー)を経由して配信する仕組みです。自社のWebサービスや基幹システムは、メールの送信処理をこのリレーサーバーに引き渡すだけで済みます。

自前のメールサーバーから直接送る場合に比べ、送信元のIPアドレスやドメインの評価が送信事業者側で管理されるため、到達率が高まりやすくなります。大量送信時のサーバー負荷やバウンス(宛先不明で戻るメール)の処理も送信基盤側に移せるので、運用の手離れがよくなる点も導入の動機です。

自社のシステム・サーバーから送ったメールが、送信事業者のリレーサーバーを経由して受信側の受信トレイに届く3段階の流れを示した図。リレーサーバーが送信元IP・ドメインの評価管理や大量送信の負荷・バウンス処理を担うため、自前サーバーから直接送るより到達率が高まりやすいことを表している。

メール配信システムとの違い

メールリレーサービスと混同されやすいのが、メルマガ向けのメール配信システムです。両者は得意領域が異なります。メールリレーサービスは、メールを「確実に・速く届ける」配信そのものに特化し、システムが生成した通知メールや大量配信を高い到達率で送ることに主眼を置きます。

一方のメール配信システムは、HTMLメールの作成画面やセグメント配信、開封率・クリック率といった効果測定までを備え、マーケティング担当者が画面上でメルマガを運用することを想定しています。

使い分けの基準は明快で、システムから自動送信する通知メール・システムメールや、既存の仕組みからの大量配信の到達率を上げたいならメールリレーサービス、メルマガの作成から効果測定までを一体で運用したいならメール配信システムが適します。

また、通知の手段をメールに限らず、SMSや音声・チャットなども含めて1つのAPIで扱いたい場合は、こうした通信機能を統合的に提供するCPaaSと呼ばれるサービスも選択肢になります。メール以外のチャネルも含めて検討したい方は、対応チャネルや国内到達率、料金で選び方を整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

接続方式(API連携・SMTPリレー)の違い

メールリレーサービスへの接続方式は、大きくAPI連携とSMTPリレーの2通りに分かれます。API連携は、サービスが用意するREST API(HTTPSでやり取りするプログラム向けの接続口)を自社システムから呼び出してメールを送る方式です。送信内容を細かく制御でき、配信結果やエラー情報をプログラムで受け取りやすい反面、送信処理を実装する開発が必要になります。

SMTPリレーは、既存システムのメール送信先(SMTPサーバー)を、リレーサーバーに向けて設定し直すだけで中継できる方式です。アプリケーションのプログラムをほとんど改修せずに移行できるため、すでにメールを送っている仕組みの到達率だけを底上げしたい場合に向きます。どちらの方式に対応しているか、両方を選べるかはサービスによって異なり、この点は選定観点としての「システム連携のしやすさ」として後述します。

メールリレーサービスの接続方式であるAPI連携とSMTPリレーの違いを2列で比較した図。API連携はREST APIを自社システムから呼び出して送信し、送信内容を細かく制御できる一方で送信処理の開発が必要。SMTPリレーは既存システムの送信先をリレーサーバーに設定し直すだけで中継でき、プログラムをほとんど改修せず移行できる。両方に対応するサービスなら用途に応じて使い分けられることを示している。

メールリレーサービスの選び方・比較のポイント

ここからは、比較表やランキングを読む前に押さえておきたい選定軸を解説します。自社の送信要件に照らしながら、どの観点を重視するかを定めてください。

到達率を高める仕組みを備えているか

メールリレーサービスを導入する最大の目的は到達率の改善なので、最初に確認すべき軸です。送信したメールが迷惑メール判定やキャリアブロックで届かないのは、送信元IPアドレスの評価(IPレピュテーション)の低さや、受信側の流量制限が主な原因になります。

確認ポイントは、共有IPと専用IPのどちらを選べるか、キャリアやプロバイダごとに配信量・配信方法を自動で調整するか、ブロックされた際に送信経路を切り替える仕組みを備えるかです。共有IPと専用IPの性質の違いは、後述の到達率を左右する仕組みの節で解説します。

送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)に対応しているか

送信ドメイン認証は、なりすましでないことを受信側に証明し、到達率を支える土台です。後述するGmail・Outlookの送信者ガイドラインでも大量送信者には必須とされているため、対応状況は必ず確認します。

ここで分かれ目になるのは、DKIM(電子署名による認証)の署名をサービス側が付与してくれるのか、自社で署名する前提なのかという点です。

SPFやDMARCはDNS(ドメイン名の情報を管理する仕組み)に自社でレコードを設定することが多い一方、DKIM署名はサービスが代行するかどうかで運用負担が変わります。

自社に専任の技術者がいない場合は、認証設定の支援まで含めて提供するサービスを選ぶと、導入後の到達率を安定させやすくなります。

システム連携・開発のしやすさが自社に合うか

接続方式が自社のシステム構成や開発体制に合うかは、導入の手間とコストを左右します。すでにメールを送っている既存システムの到達率だけを改善したいなら、送信先を変更するだけで移行できるSMTPリレー対応のサービスが向きます。

反対に、新規開発のサービスに組み込む場合や、配信結果をリアルタイムで自社システムに反映したい場合は、API連携のしやすさが選定の軸になります。

この場合は、提供されるAPIのドキュメントが日本語で整備されているか、主要言語のSDK(開発用の部品)やWebhook(イベント発生時に自社へ通知する仕組み)があるかを確認します。

SMTPリレーとAPI連携を両方選べるサービスなら、用途に応じて使い分けられます。

エラーメール管理・ログ解析・配信分析が充実しているか

到達率を維持するには、届かなかったメールを把握して次の配信に生かす運用が欠かせません。手作業でバウンスを処理していると工数がかさむうえ、無効なアドレスへ送り続けることで送信元の評価を落とす原因にもなります。

確認したいのは、宛先不明や受信拒否などのエラー原因を自動で分類してくれるか、一定回数エラーになったアドレスへの配信を自動停止するか、配信結果やログをAPI・管理画面で検索・取得できるかです。配信状況を定量的に把握できる仕組みがあれば、到達率の低下にいち早く気づき、原因の特定と改善につなげられます。

料金体系(従量・定額)と無料プランが要件に合うか

料金体系は、送信量の見通しによって有利な方式が変わります。大きく分けて、送信した分だけ課金される従量課金型と、月間配信通数に応じた月額固定に超過分の従量を加える定額型があります。

送信量の変動が大きい、またはこれから配信量を増やしていく段階なら、使わない月の負担が軽い従量課金型が適します。配信量が安定して読める大量配信では、定額型のほうが1通あたりの単価を抑えやすくなります。初期費用の有無や、本番導入前に送信品質を検証できる無料トライアルの条件も、稟議を通すうえでの判断材料になります。

サポート体制・安定性・セキュリティは十分か

通知メールやシステムメールが止まると事業に直接影響するため、サービスの安定性とサポート体制は軽視できません。特に、トラブル時に日本語で相談できる窓口があるか、設定や設計の支援を受けられるかは、技術リソースが限られる企業ほど効いてきます。

あわせて、通信を暗号化するTLSへの対応や、プライバシーマーク・ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントの国際規格)といった第三者認証の取得状況も確認します。金融・保険など機密性の高い通知を扱う場合や、大量配信で止められない基盤を求める場合は、稼働実績や運用体制まで見て選ぶと安心です。

ここまでの選び方を踏まえても、自社の送信要件にどのサービスが合うか判断に迷う場合があります。そこで、送信するメールの種類や接続方式、到達率の重視度などの質問に答えるだけで、条件に近いサービスを絞り込める選定診断ツールを用意しました。ぜひご活用ください。

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【比較表】メールリレーサービスを横並び比較

ここからは、紹介する12のメールリレーサービスを、接続方式・料金体系・到達率対策・送信ドメイン認証・サポートといった観点で横並びに比較します。自社が重視する軸から候補を絞り込む際にご活用ください。

← 横にスクロールできます →
サービス名CPaaS NOWAmazon SESTwilio SendGridblastengine(ブラストエンジン)ベアメール メールリレーサービスCuenote SR-SWEBCAS e-mailCustomers Mail CloudMailPublisher TransactionSENDMAGICCurumeru(クルメル)autobahn MTA
提供形態クラウド型(SMS・メール・郵送の統合API)
株式会社ネクスウェイ
クラウド型(AWSの一機能)
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社
クラウド型
Twilio(国内販売: 構造計画研究所)
クラウド型(メール配信特化・国産)
株式会社ラクスライトクラウド
クラウド型SMTPリレー専業(国産)
株式会社リンク
クラウド型(共用/専用)・オンプレ
ユミルリンク株式会社
クラウド型SMTPリレー/API
株式会社WOW WORLD
クラウド型SMTPリレー
HENNGE株式会社
クラウド型SMTPリレー
エンバーポイント株式会社
メール配信エンジン(MTA)・オンプレ/クラウド
センドマジック株式会社
クラウド型(大量配信特化)
株式会社ラクス
クラウド型(SaaS)
トライコーン株式会社
接続方式API(REST)
SMTP接続は要お問い合わせ
API(REST・v1/v2)
SMTPインターフェース
Web API
SMTPリレー(ポート587)
REST API
SMTPリレー(ポート587)
併用可
SMTPリレー(標準25番・IP制限)
587・Web APIはオプション
SMTPリレー
メール送信API(専用環境はオプション)
SMTPリレー(送信先設定のみ)
メール配信API
SMTPリレー
Web API(REST)
SMTPリレー
(API送信は要確認)
SMTPリレー(接続元IP許可方式)
API送信は記載なし
SMTPリレー
API連携
REST API/SMTPリレー
(選択制)
料金目安初期費用0円
メール料金は要お問い合わせ
初期費用0円
送信$0.10/1,000通〜(従量)
初期費用0円
月額3,000円〜(Essentials・税抜)
初期費用0円
月額3,000円〜(1万通・税抜)
初期費用50,000円
月額5,000円〜(1万通・税別)
初期費用50,000円〜
月額27,000円〜(税別)
要お問い合わせ
(リレーは個別見積もり)
要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
(固定料金制)
要お問い合わせ初期費用0円
月額12,000円〜(税別)
送信ドメイン認証●SPF・DKIM・DMARC対応●SPF・DKIM・DMARC・BIMI●SPF・DKIM・DMARC●SPF・DKIM・DMARC△SPFは顧客側設定/DKIMはオプション
DMARCは顧客側で対応したメールを送信可
●DKIM・S/MIME署名に対応
SPF・DMARCは製品トップに対応記載(詳細は要確認)
●DKIM対応
SPF・DMARCは利用者側のDNS設定
●SPF・DKIMに準拠
DMARCレポート可視化(別機能)
要お問い合わせ
(公式に記載なし)
●DKIM署名に対応
SPF・DMARCは設定支援
△SPF・DKIM対応
(DMARCは公式に記載なし)
△SPF・DKIM標準対応
(DMARCは要確認)
到達率対策国内特化サーバーでドメイン別に調整
(専用IPは要お問い合わせ)
専用IP(標準/マネージド/BYOIP)
VDMで配信状況を可視化
専用IP(Proプラン以上)
IPウォームアップ対応
複数IPプールの監視・自動切替
専用IPはオプション
共有型IP(レピュテーション管理不要)
専用IPは要お問い合わせ
専用IP(エントリー・ライト)
ドメイン別のセッション制御
高速配信エンジン
モバイル・キャリア向けに最適化
顧客ごとの専用配信基盤・専用IPの記載あり
(現行の提供条件は要確認)
受信先・キャリア別に配信を最適化
配信エンジンを日次でチューニング
送信IPの自動切替
宛先ドメイン別の配信条件グルーピング
複数IPの並列配信
キャリア・プロバイダ別に配信量を調整
固定IP2アドレス付き
23種のバウンス解析・自動配信停止
無料トライアル△明示なし(開発用サンドボックスは無料)△トライアル期間なし(新規は無料クレジット)●60日間(1日100通まで)●無期限(カード登録不要)●あり(期間・上限は要お問い合わせ)●あり●あり(条件は要確認)要お問い合わせ要お問い合わせ●あり(トライアルライセンス)要お問い合わせ●30日間
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※●=対応/△=一部・条件付きで対応。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報に基づく目安で、非公開・未掲載の項目は「要お問い合わせ」と記載しています。月額は各社が公表する最小プランの金額で、含まれる配信通数はサービスにより異なります。SMTP接続可否・DMARC対応・専用IP・無料トライアルの条件など「要確認」「要お問い合わせ」とした項目や最新の料金は、各社公式サイトでご確認ください。

送信要件別の選び方

比較表だけでは絞りきれない場合に向けて、代表的な送信要件ごとに、どんな特徴のサービスが向くかを接続方式・料金型・到達率対策の軸で整理します。あてはまる具体的なサービスは、比較表と選定診断ツールでご確認ください。

通知メールなどのトランザクションを従量・低コストで始めたい場合は、API連携とSMTPリレーの両方に対応し、従量課金や月額数千円程度から使える従量型のサービスが向きます。小〜中規模から段階的に配信量を増やせる料金設計かどうかを確認します。

該当するサービスは比較表と選定診断でご確認いただけます。

大量配信を高速に送りたい、専用IPや国内到達率対策を重視する場合は、専用IPや占有環境を選べ、宛先ドメインごとに配信量を最適化する大量配信向けのサービスが候補です。キャリア別の配信最適化や高速配信エンジンを備えるかが見極めどころになります。

該当するサービスは比較表と選定診断でご確認いただけます。

既存メールサーバーからSMTPリレーで最短導入したい場合は、送信先サーバーの設定変更だけで導入できるSMTPリレー型が向きます。アプリケーションの改修を抑えて、すでに送っているメールの到達率だけを底上げできます。

該当するサービスは比較表と選定診断でご確認いただけます。

メールだけでなくSMSや郵送もまとめてAPIで送りたい場合は、メールをSMSや郵送と同じAPIで扱えるマルチチャネル型が候補です。ただしメールはAPIチャネルでの提供で、既存サーバーからのSMTPリレー接続の可否は提供元への確認が必要な場合があります。

該当するサービスは比較表と選定診断でご確認いただけます。より細かい条件で候補を絞り込みたい場合は、前述の選定診断ツールもあわせてご活用ください。

各メールリレーサービスの紹介

ここからは、各メールリレーサービスの特徴を1社ずつ紹介します。番号は掲載順であり、優劣を示すものではありません。対応する送信要件や到達率対策、接続方式、料金、サポート体制を確認し、自社の要件に合うかで候補を選んでください。

1. CPaaS NOW(株式会社ネクスウェイ)

CPaaS NOWのウェブサイト

メール・SMS・郵送を単一のREST APIから送れる、株式会社ネクスウェイ(TISインテックグループ)の通信APIプラットフォームです。メールはSMS・郵送と同じAPIのチャネルの一つとして送る形で提供され、1つの契約で複数のチャネルをまとめて扱えます。

送信ドメイン認証はSPF・DKIM・DMARCに対応し、利用前にDKIMの設定が必須、SPFの設定は推奨とされています。国内特化のメールサーバーでドメインごとに配信を調整するほか、送信に失敗したリクエストを別のチャネルへ自動で再送信するFallback機能を標準で備えます。

メールはAPI経由での送信を前提としており、既存メールサーバーからのSMTPリレー接続として使えるかは公式に記載がなく、利用前の問い合わせで確認が必要です。料金はSMSが1通6円からの従量課金で初期費用は0円、メールの従量単価は公式に掲載がないため要お問い合わせです(2026年10月時点)。

メール・SMS・郵送を1つのAPIにまとめた提供形態の背景について、提供元の株式会社ネクスウェイは次のように述べています。

田島氏
株式会社ネクスウェイ 事業推進部 マーケティングG
田島氏
独自インタビューより

当社はもともとコミュニケーションチャネルを35年以上提供してきた実績があり、お客様から「SMSだけ・郵送だけではなく、複数のチャネルで受け手にアプローチしたい」というお声をよくいただいていました。たとえば自治体のケースでは、年齢層によっては従来の紙での郵送が見やすいという方もいれば、メールや電子で受け取りたいという方もいらっしゃいます。このように、エンドユーザー側の受け取りニーズが多様化していることが開発の背景にあります。

2. Amazon SES(アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)

Amazon SESのウェブサイト

Amazon SESは、Amazon Web Servicesが提供するクラウド型のメール送受信サービスです。注文確認などのトランザクションメールやマーケティングメールを、APIとSMTPインターフェースの両方から送信でき、EC2・Lambdaなど他のAWSサービスと同じアカウント・権限モデル・請求体系に組み込めます。

送信ドメイン認証はSPF・DKIM・DMARCに加え、なりすまし対策と連動して受信トレイにブランドロゴを表示する仕組みであるBIMIにも対応します。送信元IPは、手動管理のStandardと自動でウォームアップするManagedの専用IP、共有IP、自社保有IPの持ち込みから選べます。

配信・バウンス・苦情などのイベントは、Configuration SetとSNS・EventBridgeなどへの発行で外部システムに連携できます。

料金は送信1,000通あたり0.10ドルからの従量課金に加え、2026年7月21日からは新規アカウント向けに月額固定費のないEssentials(1,000通0.16ドル〜)、月額105ドルのPro、月額500ドルのEnterpriseが導入されています。新規アカウントは24時間200通までのサンドボックスから始まり、本番アクセスの申請で上限が解除される仕組みです(2026年10月時点)。

3. Twilio SendGrid(Twilio、国内販売代理店:株式会社構造計画研究所)

Twilio SendGridのウェブサイト

クラウド型のメール配信サービス「Twilio SendGrid」は、Twilio Inc.が開発し、国内では株式会社構造計画研究所が円建て・日本語サポート付きで取り扱っています。アカウントを作成するだけで送信でき、Web APIとSMTPリレー(smtp.sendgrid.net、ポート587)の両方に対応します。

送信ドメイン認証はSPF・DKIM・DMARCに対応し、固定IPはProプラン以上で利用できます(追加は1つあたり月額4,300円・税抜)。日本語のドキュメントとサポートはEssentials・Proのいずれも無料で、請求書払いにも対応します。

国内向けの料金は、月5万通のEssentials 50Kが月額3,000円(税抜)から、月250万通のPro 2.5Mが月額165,000円までの7段階で、初期費用は0円です。本番導入の前に、60日間・1日100通までの無料トライアルで送信品質を試せます(2026年10月時点)。

4. blastengine(株式会社ラクスライトクラウド)

blastengineのウェブサイト

blastengineは、REST API連携とSMTPリレーの2方式でシステムからメールを送れる、株式会社ラクスライトクラウドの開発者向けメール配信エンジンです。基幹システムやSaaSからのトランザクションメール・システム通知・一括配信に用途を絞り、2方式は同一料金で併用できます。

送信ドメイン認証はSPF・DKIM・DMARCに対応し、DNSレコードの設定やDKIM鍵の生成は利用者側で行い、設定をサポートが支援します。Python・Ruby・PHP・Node.js・Java・Google Apps Script向けの公式SDKと日本語ドキュメントを備え、配信エラーはDROP・SOFTERROR・HARDERRORの3種をWebhookで受け取れます。

料金は初期費用が無料で、月間10,000通の月額3,000円(税抜)から通数に応じた段階制で、月200万通で月額120,000円です。無料トライアルは期間が無期限でクレジットカードの登録も不要のため、試用から本番まで段階的に移行できます(2026年10月時点)。

5. ベアメール メールリレーサービス(株式会社リンク)

ベアメール メールリレーサービスのウェブサイト

自動通知メールや一斉配信メールの送信先を向けるだけで中継できる、株式会社リンクの国産メールリレーサービスです。IPアドレスは共有型のため、利用者側でIPレピュテーションの管理やウォームアップを運用する必要がありません。

標準の接続は25番ポートと送信元IP制限によるもので、587番ポートでのSMTP-AUTH接続やTLS中継、メール送信用のWeb APIはオプションとして提供されます。

送信ドメイン認証はSPFの設定を利用者側で行う前提で、DKIMの署名はSMTP DKIMオプションまたはWeb APIオプションで付与します。公式FAQ上の処理能力は1時間あたり約500万通以上です。

料金は月間の配信通数帯を選ぶコミットプラン方式で、1万通で月額5,000円(初期費用50,000円・税別)、100万通で月額75,000円、110万通以上は要相談です。選んだプランより配信実績が下回っても返金はされないため、通数帯の見積もりには注意が必要です(2026年10月時点)。

6. Cuenote SR-S(ユミルリンク株式会社)

Cuenote SR-Sのウェブサイト

Cuenote SR-Sは、ユミルリンク株式会社が独自開発した配信エンジン(MTA)を基盤とする、メールリレーサービス・メール送信APIです。SMTPリレーとメール送信APIの両方で配信でき、ドメインごとのセッション制御や、エラー回数が一定を超えたアドレスの自動除外といった運用機能を備えます。

送信ドメイン認証は、製品ページでSPF・DKIM・DMARCへの対応を示し、DKIMやS/MIMEの署名に対応します。専用IPはエントリー・ライトの各プランで利用でき、IPレピュテーションを自社の契約単位で管理できます。配信速度は占有環境のベンチマークで約890万通/時、プラン別の目安は約9万〜15万通/時と、条件を分けて公開されています。

料金は、共用環境のエントリープランが月額27,000円・初期費用50,000円から、専用環境が月額82,500円・初期費用150,000円から、オンプレミスが年間ライセンス1,200,000円から(いずれも税別)です。ISO/IEC 27001・27017やプライバシーマークを取得し、クラウドサービスの稼働率は2018年以降99.99%と公表されています(2026年10月時点)。

7. WEBCAS e-mail(株式会社WOW WORLD)

WEBCAS e-mailのウェブサイト

メールサーバー運用の負担を抱える企業向けに、株式会社WOW WORLDが提供するWEBCASシリーズのメール配信システムです。メールリレー用途では、既存メールサーバーの送信先を同社のリレーサーバーへ設定するだけで中継できます。

WEBCAS e-mailのSMTPリレー機能は、公式には「SMTPリレーサービス(メールリレーサーバー)」として提供され、比較メディアでは「WEBCASメールリレーサービス」の名でも紹介されます。WEBCAS e-mailの高速配信エンジンを使い、配信通数は無制限、契約は1ヶ月単位からです。

送信ドメイン認証はDKIMに対応し、SPF・DMARCは利用者側がDNSにレコードを設定する方式です。DNS設定の支援やレポート解析を行うDMARCレポート支援サービスも別途提供されます。大量配信の性能は、クラウド基盤全体で毎時1,000万通以上(公式の実測値)とされています。

メールリレーサービスとメール配信APIの料金は個別見積りです。参考として、管理画面から配信する本体のASP型シンプルプランは初期費用30,000円・月額10,000円からですが、これはリレー料金とは別の本体料金です。

株式会社WOW WORLDとしてISO/IEC 27001・プライバシーマークを取得し、WEBCAS e-mail本体の標準機能はISMAP-LIU(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度の一つ)に登録されています(2026年10月時点)。

8. Customers Mail Cloud(HENNGE株式会社)

Customers Mail Cloudのウェブサイト

銀行・保険などの金融機関や通信キャリア、官公庁・自治体の通知メール基盤として提供される、HENNGE株式会社のクラウド型メール配信・SMTPリレーサービスです。取引確認や予約確認、電子チケット発行といったメールの配信を主な用途としています。

送信方式はSMTPリレーとWeb API(REST)の2通りで、HENNGEは送信者ガイドラインに準拠したSPF・DKIM・TLS暗号化対応のリレーサーバーと説明しています。

2024年にはRFC 8058に準拠したワンクリック登録解除機能を、2026年8月にはDMARCレポートを分析・可視化するCustomers Mail Cloud Domain Protectionを追加しました。

2025年にはAWS Marketplaceでの提供を開始し、AWSファンデーショナルテクニカルレビューに合格しています。料金は月間配信数に応じた個別見積もりで、公式には金額が公開されていないため要お問い合わせです(2026年10月時点)。

9. MailPublisher Transaction(エンバーポイント株式会社)

MailPublisher Transactionのウェブサイト

システムが生成するトランザクションメールの配信に用途を絞った、エンバーポイント株式会社のメール配信サービスです。提供形態はSMTPリレーで、システムから送るメールを同社のサーバーへ中継して配信します。

受信プロバイダやキャリアごとに配信方法を最適化し、配信エンジンを日々モニタリングしてチューニングすると説明されています。通信はSTARTTLSによるTLS暗号化に対応し、自社開発のエラー解析モジュールが500種類以上のエラーメールを種別ごとに解析します。

送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)やAPIでの送信可否は製品ページに記載がなく、対応は問い合わせでの確認が必要です。現行の料金も公式に掲載がないため要お問い合わせで、サポートは電話が平日9:00〜18:00、専用サイトで約2,000件のナレッジ記事・解説動画が提供されます(2026年10月時点)。

10. SENDMAGIC(センドマジック株式会社)

SENDMAGICのウェブサイト

SENDMAGICは、センドマジック株式会社が2001年から自社開発してきた商用のメール配信エンジン(MTA)です。配信リストやデータベース、管理画面を持たない配信エンジンに特化し、顧客サーバーに導入するオンプレミスプランと、同社管理の専用サーバーを使うクラウドプランの2種類で提供されます。

接続は送信元IPアドレスを許可する方式のSMTP接続に対応し、公式にもメールリレー接続として案内されています。送信先でブロックが起きた際に別の送信IPへ自動で切り替える機能や、宛先ドメインごとに配信条件を分けるグルーピング、DKIM署名、STARTTLSによる暗号化を備えます。SPF・DMARCはDNS設定のサポートとして案内されています。

料金は月間の送信通数に上限を設けない固定制で、クラウドプランは目標の配信速度、オンプレミスプランは送信IPアドレス数によって決まります。公式に具体的な金額の掲載はないため料金は要お問い合わせですが、機能制限のない無料トライアルが用意されています(2026年10月時点)。

11. Curumeru(株式会社ラクス)

Curumeru(クルメル)のウェブサイト

既存メールサーバーの送信先を変更するSMTPリレーと、配信予約や結果取得を行うAPI連携に対応した、株式会社ラクスの大量配信向けメール配信システムです。画像を多く含むHTMLメールの高速配信を想定しています。

送信ドメイン認証はSPFとDKIMに対応します。エラーメールはアドレス単位で原因を9種類に分類し、一定のエラー回数に達したアドレスへの配信を自動で停止するほか、前日分の配信結果を日次のCSVレポートで受け取れます。到達率対策として、複数IPアドレスからの並列配信とキャリア・プロバイダごとの配信量調整を行うと説明されています。

料金は初期費用と月額費用で構成され、プランや配信規模によって変わるため、公式では金額を示さず要お問い合わせとしています。問い合わせは専用のサポートサイトで受け付けています(2026年10月時点)。

12. autobahn MTA(トライコーン株式会社)

autobahn MTAのウェブサイト

月6千万通以上の配信実績を公式に示す、トライコーン株式会社のクラウド型メール配信サービスです。自社システムに組み込み、REST APIかSMTPリレーのいずれかを選んでメールを送れます。利用企業の一例として、月間800万通以上を配信する事例が公開されています。

送信ドメイン認証は、サービスページでSPF・DKIMへの標準対応を示し、DMARCは運営会社のサービス紹介ページに対応の記載があります。バウンスは理由を23種類取得でき、規定回数に達した宛先をブラックリストへ自動登録して配信を停止します。固定IPは2アドレスが付属し、追加は1アドレスあたり月額3,600円です。

料金は初期費用が0円で、月間10万通のM10が月額12,000円、30万通のM30が月額20,000円、70万通のM70が月額40,000円(いずれも税別)、100万通以上は要問い合わせです。30日間の無料トライアルで導入前に試せます(2026年10月時点)。

到達率を高める仕組みと送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)・Gmail・Outlook新要件への対応

ここからは、サービス選定の土台となる到達率の仕組みと、送信ドメイン認証や送信者ガイドラインへの対応を、特定のサービスに依らない実務目線で解説します。

到達率を左右する仕組み

メールが受信トレイに届くか迷惑メールに振り分けられるかは、受信側のメールサービスが送信元のIPアドレスやドメインの評価、メールの内容、送信ドメイン認証の結果などを総合して判断します。このうち運用で意識したいのが、IPレピュテーションと呼ばれる送信元IPアドレスの評価です。

IPレピュテーションは、過去にそのIPから送られたメールの迷惑メール報告やバウンスの多さなどによって形づくられる、業界で広く用いられる実務上の考え方です。評価の低いIPから送ると届きにくくなるため、新しいIPから少量ずつ送信量を増やして評価を育てる「IPウォームアップ」という運用が取られます。

送信に使うIPには、多くの利用者で共用する共有IPと、自社専用の専用IPがあります。共有IPは設定の手間が少なく手軽に使える一方、同じIPを使う他社の送信傾向の影響を受けます。

専用IPは評価を自社の送信だけでコントロールできるため、送信量が多い場合やブランドの信頼を守りたい場合に選ばれます。

いずれも単一の規格で定義された概念ではなく、受信側の運用と送信事業者の実務のうえに成り立つ考え方として理解しておくと、サービスの到達率対策を比較しやすくなります。

送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の仕組みと設定

送信ドメイン認証は、メールの送信元が正規のものであることを受信側に証明し、なりすましを防ぐ技術の総称です。代表的な3つの技術には、それぞれ国際的な技術仕様(RFC)が定められています。

SPF(Sender Policy Framework)は、自ドメインからの送信を許可するサーバーをDNSで宣言し、受信側がその宣言と実際の送信元を照合する仕組みで、RFC 7208で規定されています。

DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、送信するメールに電子署名を付け、受信側が署名を検証することで改ざんやなりすましを検知する技術で、RFC 6376が仕様を定めています。

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)は、SPFとDKIMの認証結果と、メールの差出人表示(ヘッダFrom)との整合性を確認し、認証に失敗したメールの扱い(なにもしない・隔離・拒否)を送信側が指定できる技術で、RFC 7489で規定されています。

送信ドメイン認証のSPF・DKIM・DMARCの役割を示した図。SPFは送信を許可するサーバーをDNSで宣言して受信側が照合、DKIMは電子署名を付けて受信側が検証し改ざんやなりすましを検知する。DMARCはSPFとDKIMの認証結果と差出人表示(ヘッダFrom)の整合性を確認し、認証に失敗したメールの扱い(なにもしない・隔離・拒否)を送信側が指定できる総合的な認証であることを表している。

総務省が公開している送信ドメイン認証のガイドライン案では、DMARCの位置づけが次のように説明されています。

送信ドメイン認証技術 DMARC は,これら 2 つの認証結果を利用し,メール受信者が一般的に送信者と考える,メールヘッダ上の送信者(ヘッダ From) との整合性を確認し,認証する技術です.その意味で,DMARC は総合的な送信ドメイン認証技術といえます.

出典:【DMARCガイドライン案】電子メールのなりすまし対策、迷惑メール対策技術であるDMARC等(SPF、DKIMを含む)のメール認証技術 ガイドライン案(令和6年3月29日版 参考資料4)|総務省

設定の実務では、SPFとDMARCは自社でDNSにレコードを登録するのが基本です。DKIMの署名は、メールリレーサービス側が代行して付与する場合と、自社で署名する前提の場合があり、サービスによって扱いが分かれます。認証設定に不備があると、かえって到達率を下げる原因にもなるため、導入時にはサービスの案内に沿って3つの認証を正しく設定することが重要です。

出典・参考資料(3件)

Gmail・Outlookの送信者ガイドライン新要件への対応

近年、GmailとOutlookが大量送信者に対する要件を相次いで強化しており、メールリレーサービス選びでもこの対応可否が重要になっています。Googleは2024年2月1日から、Gmail宛に1日あたり5,000通を超えて送る送信者に対し、SPF・DKIM・DMARCの設定、ワンクリックでの登録解除、迷惑メール率の抑制を求めています。

1日5,000通に満たない送信者には、これらは必須要件ではありません。ただし送信ドメイン認証の設定自体は、到達率を保つうえですべての送信者に推奨されています。

このうちDMARCは、拒否や隔離を強制しない「p=none」の設定でも要件を満たします。

登録解除については、受信者がワンクリックで配信を止められる仕組み(RFC 8058で定義されるワンクリック登録解除)を、マーケティングメールや購読メールで提供する必要があります。

迷惑メール率は、Postmaster Toolsで報告される値を0.30%未満に抑えることが上限ラインとされ、0.10%未満を維持することが推奨されています。

出典・参考資料(2件)

Microsoftも、Outlook.comの消費者向けアドレス宛に1日あたり5,000通を超えて送るドメインに対し、SPF・DKIM・DMARCへの準拠を求めています。DMARCは「p=none」以上のポリシーを設定し、SPFまたはDKIM(できれば両方)とヘッダFromが整合していることが要件です。

Microsoftは2025年5月5日以降、要件を満たさない大量送信ドメインからのメールを迷惑メール(Junk)フォルダへ振り分ける運用を開始しました。

完全な受信拒否(reject)については、将来の別の時期に実施するとされており、現時点で受信拒否が始まっているわけではありません。

GmailとOutlookのいずれに対しても、送信ドメイン認証を正しく設定し、迷惑メール率を低く保つ運用が、到達率を維持する前提になっています。

出典・参考資料(1件)

メールリレーサービスを導入するメリット

ここでは、自前のメールサーバーから送る場合と比べて、メールリレーサービスの導入で得られる主な効果を整理します。

到達率を高めやすくなります。送信元IPの評価や送信ドメイン認証を送信事業者が管理するため、自社で評判を育てなくてもメールが届きやすくなり、不達による問い合わせや機会損失を減らせます。

大量のメールを短時間で送れます。高速配信に最適化された基盤を使うため、自社サーバーの処理能力に縛られず、一斉配信を送信量の増減に合わせて行えます。

運用の負担が軽くなります。バウンス処理やメールサーバーの保守、送信ドメイン認証への追従を外部基盤に委ね、限られた技術リソースを本来のサービス開発に振り向けられます。

配信状況を分析できます。到達・エラー・開封といった結果をログやAPIで把握でき、自前では見えにくい不達の原因を特定して改善につなげられます。

導入・運用で押さえておきたい注意点

一方で、導入前に理解しておきたい注意点もあります。期待どおりの効果を得るために、あらかじめ確認しておきましょう。

まず、導入にはコストが発生します。送信量に応じた料金に加え、初期費用や専用IP・各種オプションの費用がかかる場合があります。自社の配信量と料金体系を照らし合わせ、費用対効果を見積もることが必要です。

次に、接続方式によっては初期設定や技術的な知識が求められます。API連携では送信処理の実装が、SMTPリレーでも送信先の設定変更が必要です。あわせて、SPF・DKIM・DMARCのDNSレコードを正しく設定しなければなりません。認証レコードに不整合があると、むしろ到達率が下がることもあるため、設定時には整合性の確認が欠かせません。

また、メール送信という業務の一部を外部に委ねることになるため、サービスのセキュリティ体制や稼働の安定性も検討対象になります。機密性の高い通知を扱う場合は、通信の暗号化や第三者認証の取得状況、障害時のサポート体制まで含めて見極めることが大切です。

料金相場と無料プラン・無料トライアルの有無

ここでは、メールリレーサービスの料金相場と、無料で試せる仕組みの傾向を整理します。以下は2026年10月時点における一般的な相場観で、各サービスの具体的な料金は比較表と各サービスの紹介を参照してください。

料金の目安は、送信方式ごとに次のとおりです。従量課金型では、1,000通あたり十数円程度から送信できるサービスもあり、送信量が少ない月の負担を抑えられます。

定額型では、月間1万通規模で月額3,000〜5,000円前後、10万通規模で月額1万〜数万円程度が一つの目安です。大量配信向けに専用環境や専用IPを用意するプランでは、月額数万円から十数万円規模になることもあります。

初期費用は0円のサービスから、5万〜20万円程度を要するサービスまで幅があり、料金を公開せず個別見積もりとするサービスも少なくありません。公開されていない料金は、本記事では「要お問い合わせ」として扱っています。

今回の12サービスには、公表料金を掲載しているサービスと、個別見積もりの要お問い合わせとするサービスがあります。価格を先に確かめて候補を絞りたい場合は、料金を公開しているサービスから検討でき、非公開のサービスは要見積もりで確認することになります。各社の具体的な料金は比較表でご確認ください。

本番導入前に送信品質を検証できる無料トライアルは、多くのサービスが用意しています。期間や送信上限はサービスによって異なり、無期限で試せるものから30〜60日程度のものまでさまざまです。恒久的に使える無料プランは縮小傾向にあるため、まずはトライアルで到達率や管理画面の使い勝手を確かめたうえで、有料プランの料金体系が自社の配信量に合うかを確認します。

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まとめ

メールリレーサービスは、自社のシステムから送る通知メールや大量配信の到達率を高め、メール運用の負担を外部基盤に移すための仕組みです。選定では、到達率を高める仕組みの充実度、送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)への対応、接続方式が自社システムに合うか、エラー管理や料金体系、サポート体制といった観点を、自社の送信要件に照らして比べることが大切です。

GmailやOutlookの送信者ガイドライン強化により、送信ドメイン認証と迷惑メール率の管理は、もはや大量送信者にとって必須の前提になりました。本記事の比較表と選定診断ツールを使い、到達率・接続方式・料金のうち自社が重視する軸から候補を絞り込み、資料請求で詳細を確かめながら、送信要件に合う一社を見つけてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. メールリレーサービスとは何ですか?

A. メールリレーサービスは、自社のシステムが送るメールを、送信専用に運用された事業者のサーバー(リレーサーバー)を経由して配信し、到達率を高める仕組みです。

送信元IPアドレスやドメインの評価を送信事業者側で管理するため、自前のメールサーバーから直接送るよりメールが届きやすくなります。

大量送信時のサーバー負荷やバウンス処理も送信基盤側に移せるため、メール運用の負担を軽くできる点も導入の動機になります。

Q. メールリレーサービスとメール配信システムは何が違いますか?

A. メールリレーサービスは通知メールや大量配信を確実・高速に「届ける」配信そのものに特化し、メール配信システムはHTMLメールの作成・セグメント配信・開封率やクリック率の効果測定までを備える点が異なります。

システムから自動送信する通知メール・システムメールや既存の仕組みからの大量配信の到達率を上げたいならメールリレーサービス、メルマガの作成から効果測定までを画面上で一体運用したいならメール配信システムが適します。

Q. メールリレーサービスはSMTPリレーとAPI連携のどちらを選べばよいですか?

A. メールリレーサービスの接続方式は、既存システムの到達率だけを底上げしたいならSMTPリレー、新規開発への組み込みや配信結果の自動連携を重視するならAPI連携が向きます。

SMTPリレーは送信先(SMTPサーバー)をリレーサーバーに向けて設定し直すだけで中継でき、プログラムをほとんど改修せずに移行できます。

API連携は送信内容を細かく制御でき、配信結果やエラー情報をプログラムで受け取りやすい反面、送信処理を実装する開発が必要です。両方に対応するサービスなら、用途に応じて使い分けられます。

Q. メールリレーサービスで到達率を上げるにはどうすればよいですか?

A. メールリレーサービスで到達率を上げるには、送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定、送信元IPアドレスの評価(IPレピュテーション)の管理、エラーメールの解析と無効アドレスの除外が重要です。

サービスを選ぶ際は、キャリアやプロバイダごとに配信量を自動調整する機能、ブロック時に送信経路を切り替える仕組み、共有IPと専用IPを選べるか、エラー原因を自動で分類してくれるかを確認すると、導入後の到達率を安定させやすくなります。

Q. メールリレーサービスの利用にSPF・DKIM・DMARCの設定は必須ですか?

A. メールリレーサービスを使う場合でも、大量にメールを送る送信者にとって送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定は実質的に必須です。

Googleは2024年2月1日から、Gmail宛に1日5,000通を超えて送る送信者にSPF・DKIM・DMARCの設定を求めています。

Microsoftも、Outlook.comの消費者向けアドレス宛に1日5,000通を超えて送るドメインに対し、SPF・DKIM・DMARCへの準拠を求めています。2025年5月5日以降は要件を満たさない大量送信ドメインからのメールを迷惑メール(Junk)フォルダへ振り分ける運用を始めています(受信拒否は未開始)。

認証設定に不備があるとかえって到達率が下がるため、サービスの案内に沿って3つの認証を正しく設定することが重要です。

出典・参考資料(2件)

Q. メールリレーサービスの専用IPと共有IPはどちらを選べばよいですか?

A. メールリレーサービスのIPは、設定の手間を抑えて手軽に使いたいなら共有IP、送信量が多くブランドの信頼を自社でコントロールしたいなら専用IPが適します。

共有IPは多くの利用者とIPを共有するため管理の手間が少ない一方、同じIPを使う他社の送信傾向の影響を受けます。専用IPは送信元の評価を自社の送信だけで管理できますが、新しいIPから少量ずつ送信量を増やして評価を育てる「IPウォームアップ」の運用が必要になります。

共有IPのレピュテーション管理を事業者側で担うサービスもあるため、運用体制に合わせて選ぶのが有効です。

Q. メールリレーサービスは無料で使えますか?

A. メールリレーサービスは多くが有料ですが、本番導入前に送信品質を検証できる無料トライアルを用意しているサービスが多いです。

トライアルの期間や送信上限はサービスによって異なり、無期限で試せるものから30〜60日程度のものまでさまざまです。

恒久的に使える無料プランは縮小傾向にあるため、まずはトライアルで到達率や管理画面の使い勝手を確かめ、そのうえで有料プランの料金体系が自社の配信量に合うかを判断することをおすすめします。

Q. メールリレーサービスの料金相場や初期費用はどれくらいですか?

A. メールリレーサービスの料金は、従量課金型なら1,000通あたり十数円程度から、定額型なら月間1万通規模で月額3,000〜5,000円前後、10万通規模で月額1万〜数万円程度が一つの目安です(2026年10月時点)。

大量配信向けに専用環境や専用IPを用意するプランでは月額数万円から十数万円規模になることもあります。初期費用は0円のサービスから5万〜20万円程度を要するサービスまで幅があり、料金を公開せず個別見積もりとするサービスも少なくありません。

具体的な金額は本記事の比較表と各サービスの紹介、各社公式サイトでご確認ください。

Q. メールリレーサービスの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. メールリレーサービスの導入期間は接続方式によって変わり、SMTPリレーなら送信先の設定変更だけで短期間に移行でき、API連携では送信処理を組み込む開発期間が加わります。

いずれの方式でも、SPF・DKIM・DMARCのDNSレコード設定や、必要に応じた専用IPのウォームアップには別途時間を見込む必要があります。

導入をスムーズに進めるには、設定支援や日本語サポートを受けられるか、公式SDKやドキュメントが整備されているかも事前に確認しておくとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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