社内ネットワークを守る製品を調べ始めると、ファイアウォール、UTM、IDS/IPS、WAF、VPN、ゼロトラストと名前が次々に出てきて、「何を・どこで守る製品なのか」「自社には何が必要なのか」が見えにくくなりがちです。製品の種類が多いうえ、境界型防御からゼロトラストへという考え方の変化も重なり、全体像を掴みづらくなっています。
自社のネットワークを守る製品を一覧で見渡し、それぞれが守る範囲と役割を理解したうえで、自社の規模・課題・運用体制に合う候補を絞り込むには、どのような視点で整理すればよいのでしょうか。
本記事では、ネットワークセキュリティ製品を守る範囲・役割で4つのタイプに整理し、各タイプの代表的な製品と「どんな企業・用途に向くか」をまとめました。主要なネットワークセキュリティ製品を横断し、機能・守る対象・提供形態・運用体制で比較できるよう整理しています。
情報システム部門やセキュリティ担当の方が、自社に合う製品の当たりをつけ、資料請求や比較検討の次の一歩に進むための材料としてご活用ください。
また、「どのタイプの製品が自社に合うか」を数問で確かめられる製品タイプ診断もご用意しています。製品の全体像を掴んだうえで、候補の絞り込みにお役立てください。
目次
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ネットワークセキュリティとは(何を・どこで守るのか)
ネットワークセキュリティとは、社内の端末やサーバー、業務データが通信する経路を、外部からの攻撃や内部からの不正・情報漏えいから守る取り組みの総称です。守る場所は大きく、社内と外部の境界(出入口)、社内を流れる通信そのもの、公開Webやメールといった「狙われやすい入口」、そして社外から社内資源へつなぐ「接続」の4つに分けられます。
かつては、社内と外部の境界にファイアウォールなどを置き、内側を安全地帯とみなす「境界型防御」が主流でした。しかし、テレワークやクラウド利用が広がり、守るべき端末やデータが社外にも分散したことで、境界の内外を問わず利用者と端末を都度検証する「ゼロトラスト」という考え方へと重心が移りつつあります。
ゼロトラストは、境界型防御を捨てることを意味するわけではありません。情報処理推進機構(IPA)は、ゼロトラストを次のように説明しています。
ゼロトラストとは,「すべて信用しない」ではなく,「すべてにおいて確認し認証・認可を行う」ということである。また,ゼロトラストは境界型防御で守ることが困難な脅威に対して適用する対策ではあるものの,「境界型防御を排除する考え」ではない。既存に用いられている境界型防御も活かすことで,より強固なセキュリティを構築できると考える。
出典:ゼロトラスト導入指南書|情報処理推進機構(IPA)
既存の境界対策を活かしながら、足りない部分を検証の仕組みで補うという段階的な進め方が現実的です。この前提は、後述する製品選びでも重要になります。
守る場所ごとに製品が分かれている
ネットワークセキュリティ製品が多く見えるのは、守る場所や役割ごとに製品が分かれているためです。出入口をまとめて守る製品、すり抜けた不正通信を検知して止める製品、Webやメールといった入口を個別に守る製品、安全な接続を実現する製品があり、それぞれが補い合って全体の防御を形づくります。
そのため製品選びは、1つの万能製品を探すより、「自社はどこを・何から守りたいのか」を起点に、必要な役割の製品を組み合わせて考えるのが実態に合っています。次章では、この守る範囲・役割を4つのタイプに整理し、それぞれの代表製品と向いている企業を見ていきます。
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:ゼロトラスト導入指南書|情報処理推進機構(IPA)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2021/zero-trust.html)
- 参考資料:国民のためのサイバーセキュリティサイト 用語辞典|総務省(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/glossary/)
守る範囲・役割で見るネットワークセキュリティ製品の4タイプ
ここからは、ネットワークセキュリティ製品を「何を・どこで守るか」という役割で4つのタイプに整理します。自社がまず強化したい範囲がどこかを考えながら、各タイプの特徴と向いている企業を確認してください。
出入口・境界をまとめて守る(ファイアウォール/次世代ファイアウォール/UTM)
社内ネットワークと外部インターネットの境界に置き、出入りする通信を検査して不正なアクセスを遮断するタイプです。
従来のファイアウォールは、IPアドレスやポート単位で通信を制御します。これに対し、次世代ファイアウォール(NGFW:アプリケーション単位で通信を識別・制御できるファイアウォール)や、複数の防御機能を1台に統合したUTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)は、アプリケーションの識別や不正侵入防止、ウイルス対策までを一台でまかないます。
このタイプの主な製品には、次のようなものがあります。
- SmartConnect(クラウド型UTM)
- Sophos Firewall(次世代ファイアウォール)
- Eye“247” Safety Zone USAV Ⅵ(UTM統合パッケージ)
- Check Point Quantum(次世代ファイアウォール・ゲートウェイ)
- FortiGate・Palo Alto Networks(次世代ファイアウォール・UTM)
向いている企業・用途:まず出入口の防御を一通り固めたい企業や、専任のセキュリティ担当を置きにくく、ウイルス対策・不正侵入防止・URLフィルタリングなどを1台でまとめて運用したい中小〜中堅企業に向きます。拠点や従業員数の規模に応じて、クラウド型で手軽に始める選択肢と、処理性能の高いアプライアンス型を選ぶ選択肢があります。
侵入・不審な通信を検知して止める(IDS/IPS・NDR)
境界をすり抜けた不正通信や、社内で感染が広がる横移動(ラテラルムーブメント)を、ネットワークを流れる通信から検知して止めるタイプです。
IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)/IPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)が既知の攻撃パターンを検知・遮断するのに対し、NDR(Network Detection and Response:ネットワーク検知・対応)は通信の振る舞いを分析し、未知の脅威や内部の不審な動きを見つけ出します。
このタイプに含まれる主な製品は次のとおりです。
- Network Blackbox(NDR)
- L2Blocker(不正端末の接続制御)
- Darktrace・Vectra AI(NDR・AIによるネットワーク検知)
IDS/IPS単体の製品は、本記事では個別に扱いません。侵入防止の機能は次世代ファイアウォールやUTMに統合されており、より広く通信の振る舞いを見る役割はNDRが、未許可端末の接続制御はL2Blockerが担います。
向いている企業・用途:出入口の対策は済んでいるものの、万一侵入された場合に気づける仕組みを持ちたい企業に向きます。扱う情報の機密性が高く、内部に広がる攻撃や情報の持ち出しまで監視したい組織や、インシデント発生時に「いつ・どこで・何が起きたか」を追跡したい企業で効果を発揮します。
Web・メールなど入口別に守る(WAF/メールセキュリティ/Web分離)
攻撃の入口になりやすい公開Webアプリケーションやメール、Web閲覧を、その入口ごとに個別に守るタイプです。WAF(Web Application Firewall:Webアプリケーション用のファイアウォール)は公開サイトへの攻撃を防ぎ、メールセキュリティは受信メールに潜むウイルスや不審なリンクを検査し、Web分離(ブラウザ分離)は危険をはらむWeb閲覧を社内環境から切り離して無害化します。
このタイプで候補になる主な製品は次のとおりです。
- GUARDIANWALL(メールセキュリティ)
- Menlo Security(Web分離・無害化)
- Cloudflare WAF・攻撃遮断くん・Cloudbric WAF+(WAF)
向いている企業・用途:自社でWebサービスやECサイトを公開していて、顧客の個人情報や決済情報を扱う企業にはWAFが欠かせません。標的型メールやビジネスメール詐欺への備えを強めたい企業にはメールセキュリティが、取引先とのやり取りでWeb閲覧のリスクを抑えたい企業にはWeb分離が適しています。
安全な接続とゼロトラスト(VPN/ZTNA・SASE)
社外の拠点やテレワーク環境から社内資源やクラウドへつなぐ経路を、安全に保つタイプです。従来はVPN(Virtual Private Network:暗号化した仮想の専用線)で社内ネットワークへ接続するのが一般的でした。
近年は、利用者と端末を都度検証して必要な資源にだけアクセスを許すZTNA(Zero Trust Network Access)や、ネットワークとセキュリティをクラウドで統合して提供するSASE(Secure Access Service Edge)が広がっています。
このタイプの主な製品は次のとおりです。
- CloudGate UNO(ゼロトラスト型のID基盤)
- Zscaler(ZTNA・SASE)
従来のVPN単体製品は、本記事では個別に扱いません。社外接続の安全確保は、VPNを発展させたZTNA/SASEや、その入口となるID基盤(IDaaS)として紹介します。掲載製品のうち本タイプに該当するのは、ID検証を起点にゼロトラストを進めるCloudGate UNOです。
向いている企業・用途:テレワークや複数拠点、クラウドサービスの利用が増え、従来のVPNでは接続の集中や管理の負担が課題になっている企業に向きます。境界型防御からゼロトラストへ段階的に移行したい企業が、まず安全な接続の仕組みから着手する場合にも適しています。
30秒でわかる|自社に合う製品タイプ診断
守りたい対象や運用体制、企業規模から、自社に合う製品タイプと候補を確かめられます。気になるタイプが決まったら、続く比較表と各製品の紹介で詳細を見比べてください。
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【比較表】掲載製品を機能・守る対象・提供形態・運用体制で比較
ここからは、本記事で取り上げるネットワークセキュリティ製品を一覧で比較します。守る範囲・役割のタイプ、主な機能、提供形態、運用体制などの軸で横並びにしているので、気になる製品の位置づけを確かめてください。各製品名からは、記事内の個別紹介に移動できます。
| サービス名 | Eye247 Safety Zone USAV Ⅵ | SmartConnect クラウド型UTM | Sophos Firewall | Check Point Quantum | FortiGate | Palo Alto Networks | Network Blackbox | L2Blocker | Darktrace | Vectra AI | GUARDIANWALL Inbound Security | Menlo Security | Cloudflare WAF | 攻撃遮断くん | Cloudbric WAF+ | CloudGate UNO | Zscaler |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 守る対象・役割 | 出入口・境界をまとめて守る | 出入口・境界をまとめて守る | 出入口・境界をまとめて守る | 出入口・境界をまとめて守る | 出入口・境界をまとめて守る | 出入口・境界をまとめて守る | 侵入・不審な通信を検知 | 侵入・不審な通信を検知 | 侵入・不審な通信を検知 | 侵入・不審な通信を検知 | Web・メールなど入口別に守る | Web・メールなど入口別に守る | Web・メールなど入口別に守る | Web・メールなど入口別に守る | Web・メールなど入口別に守る | 安全な接続とゼロトラスト | 安全な接続とゼロトラスト |
| 主な機能 | UTM(FW・IPS・アンチウイルス・URLフィルタ等)+端末対策(EPP/EDR)+業務可視化+標的型メール訓練を1つに統合 | UTM機能(FW・IPS・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタ・アプリ制御)をデータセンター集約型で提供(FortiGate採用) | 次世代ファイアウォール。Web保護・IPS・TLS検査・サンドボックス等を単一DPIエンジンで処理 | 次世代ファイアウォールにIPS等を統合。シグネチャ+振る舞い検知+プロトコル検証、仮想パッチに対応 | 次世代ファイアウォール。IPS・アンチウイルス等をバンドルで構成し、SD-WAN・ZTNAを内蔵(専用ASICで高速化) | 次世代ファイアウォール。App-IDでアプリを識別・制御し、脅威防御・URLフィルタ・WildFire等をクラウド配信で統合 | NDR。全パケットを収集・保存し、シグネチャ+行為ベース検出+コンテンツ分析で検知。PSA/DCSで遡って調査 | ARPパケット監視で社内LANの不正端末接続を検知・遮断。収集/保留/ブロックの3モードで段階導入 | 自己学習型AIがネットワークの正常挙動を学習し逸脱から脅威を検知。自動調査・自律対処まで実行(NDR中心) | AI行動分析のNDR。150以上のAIモデルで攻撃の振る舞いを検知・優先度付け。ID・クラウドも横断 | 受信メールをゲートウェイで多層検査(7つの検査)。SPF/DKIM/DMARC・パスワード付きファイル検査・Time-of-Click保護 | Web分離・無害化。クラウド上の使い捨てコンテナでWebを実行し表示情報のみ転送、ファイルはCDRで無害化 | クラウド型WAF。OWASP/マネージドルール+カスタムルール、レート制限・ボット対策・DDoS対策を一体で提供 | 国産クラウド型WAF。SQLインジェクション等を検知・遮断し、専門家がシグネチャを運用代行。DDoS・Bot対策も | クラウド型WAF。ロジックベース+AIエンジンで検知し、WAF・DDoS・SSL・脅威IP遮断・ボット遮断を1つに(5in1) | ゼロトラストSSO/IDaaS。FIDO2パスキーのパスワードレス認証、端末・場所・時間のアクセス制限、ID管理 | ゼロトラスト・プラットフォーム。WebゲートウェイのZIAとVPN代替のZPAで、クラウドから通信を検査・制御 |
| 提供形態 | アプライアンス同梱の統合パッケージ(UTM機器+ソフト) | クラウド型(拠点に機器を置かずデータセンターに集約) | アプライアンス(XGS)/ソフト/仮想/クラウド(AWS・Azure) | アプライアンス(Quantum Force/中小向けQuantum Spark)/仮想/クラウド | アプライアンス(物理/仮想)/クラウド | アプライアンス(PA-Series)/仮想(VM-Series)/コンテナ(CN-Series) | ミラーリング方式で導入(提供形態は公表なし) | アプライアンス(センサー)+管理ソフト(クラウド版/オンプレ版) | アプライアンス/クラウドのハイブリッド(オンプレ・クラウド横断) | オンプレ/マルチクラウド横断のプラットフォーム | クラウド型(MXレコード変更で導入) | クラウド型(エージェント不要) | クラウド型(グローバルネットワーク上で稼働) | クラウド型WAF(エージェント型) | クラウド型(DNS切替で導入、エージェント不要) | クラウド型(IDaaS) | クラウド型(アプライアンス不要) |
| 運用体制 | 自社運用(導入・サポートは販売代理店) | マネージド(設定〜運用を専門部隊が代行) | 自社運用(Sophos Centralで一元管理)/MDRでマネージドも可 | 自社運用(Prevent/Detect切替)/国内代理店がSOC等を支援 | 自社運用(FortiManager管理・FortiAnalyzer分析) | 自社運用(Panorama/Strata Cloud Managerで集中管理) | 自社運用(EDR・SIEMと連携)/運用代行は代理店の付帯サービス | 自社運用(エージェント不要・既存LAN構成を変えず導入) | 自社運用(EDR・SIEMとAPI連携)/24時間365日のMDRも可 | マネージド可(国内はマクニカが販売・監視・MDRを担当) | マネージド(キヤノンMJのサービス・日本語サポート) | マネージド(国内パートナーが提供・サポート) | 自社運用(マネージドルールを活用) | マネージド(専門家がシグネチャ運用代行・24時間365日サポート) | 自社運用/マネージドサービスで運用代行も可 | 自社運用(国産・日本語サポート、有償のプレミアムサポートあり) | 自社運用/国内パートナーが導入・運用支援(NTT Com等) |
| 料金の目安 | 要お問い合わせ(代理店見積もり) | 初期110,000円(税込121,000円)〜/月額38,500円(税込42,350円)〜(帯域プランで変動・最低1年) | 要お問い合わせ(代理店見積もり) | 要お問い合わせ(代理店見積もり) | 要お問い合わせ(公式に価格記載なし) | 要お問い合わせ(公式に価格記載なし) | 要お問い合わせ | センサー14万円〜/セグメント(税区分の記載なし)、管理は要お問い合わせ | 要お問い合わせ(監視デバイス数に応じた個別見積もり) | 要お問い合わせ | 初期0円/月額200円/ユーザー(税抜、10ユーザー〜・最低1年) | 要お問い合わせ(国内パートナー経由の個別見積もり) | Pro 月額20ドル〜/Business 月額200ドル〜(年払い)、無料プランあり | 要お問い合わせ(サイト数・トラフィック量による個別見積もり) | 月額28,000円〜(税別、20FQDN・60GBまで)/初期68,000円〜、30日間無料トライアル | 月額440円〜660円/ユーザー(税込、3プラン)、初期費用別途、30日間無料トライアル | 要お問い合わせ(公式に価格記載なし) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | 公式サイト |
掲載製品の個別紹介
ここからは、各製品が何を・どこで守るのか、提供形態や運用体制とあわせて個別に紹介します。先ほどの4タイプの順に並べているので、自社が強化したい範囲のタイプから読み進めてください。
出入口・境界をまとめて守る製品
社内と外部の境界で通信を検査し、不正なアクセスをまとめて遮断する製品です。
1. Eye“247” Safety Zone USAV Ⅵ(株式会社フーバーブレイン)

株式会社フーバーブレインの「Eye“247” Safety Zone USAV Ⅵ」は、ネットワークを守るUTMと、端末を守るエンドポイント対策、業務の可視化、標的型攻撃メール訓練を1つにまとめたハードウェア同梱の統合パッケージです。ネットワーク・端末・人への対策を1契約で導入でき、専任のセキュリティ担当を置きにくい中小企業を主な対象としています。
製品は3つのガードで構成され、出入口はCheck Point製UTMがファイアウォール・IPS・アンチウイルス・URLフィルタリング・アプリケーションコントロールなどで守ります。
端末側はEPP/EDR(端末を守るウイルス対策=EPPと、侵入後の検知・対応=EDR)のSafety Zone、USBメモリへのファイルコピー記録などの業務可視化はWork Smart Agentが担い、年2回の標的型攻撃メール訓練「FB SATMail」が標準で付帯します。
対応構成はクライアント数10〜200台を想定し、脅威対策のスループットは構成に応じて750〜2,500Mbpsです。価格は公開されておらず、クライアント数などの条件に応じた販売代理店経由の個別見積もりとなります。
2. SmartConnect Network & Security クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

「SmartConnect Network & Security クラウド型UTM」は、NTT西日本グループのNTTスマートコネクト株式会社が提供するクラウド型のUTMサービスです。顧客拠点にUTM機器を置かず、同社の大阪データセンターに集約したUTM基盤へ各拠点のインターネット接続を集約する形で、複数拠点のセキュリティ対策と運用をまとめて任せられます。
UTMとして、ファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタリング・アプリケーション制御を1つの基盤に統合し、採用製品はFortinet社のFortiGate・FortiAnalyzerです。標準プランでサーバー・デバイス100台相当までに対応し、設定から運用までを専門部隊が担うため、情報セキュリティ担当者が不足する企業の運用負担を抑えられます。
料金は初期費用110,000円(税込121,000円)から、月額38,500円(税込42,350円)から(いずれも帯域別プランにより変動、最低利用期間1年)です。分析官がログを分析して緊急遮断まで代行する「セキュリティ監視分析」や、長期ログ保管などのオプションも用意されています。
3. Sophos Firewall(ソフォス株式会社)

Sophos Firewallは、Web保護・IPS(侵入防御)・TLSインスペクション・クラウドサンドボックス・DNS保護といった機能を1つのプラットフォームに束ねた、ソフォス株式会社(Sophos)の次世代ファイアウォール(NGFW)です。これらを一元的に運用し、ネットワークの出入口の防御をまとめて担います。
アンチウイルス・IPS・Web/アプリケーション制御を単一のディープパケットインスペクションエンジン「Xstream DPI Engine」で処理する設計で、検査が必要な通信にリソースを集中させます。専用アプライアンスのXGSシリーズに加え、ソフトウェア・仮想・クラウド(AWS/Azure)の形態で導入でき、いずれの形態でもSophos Centralから一元管理できます。
ネットワーク経路上でのインライン遮断のほか、既存構成を変えないブリッジ設置、検知に限定するTAP(ミラー)運用まで選べます。24時間365日の監視・対応を担うマネージドサービス「Sophos MDR」も用意されています。料金は公式サイトで公開されておらず、提供形態やライセンスに応じて販売代理店経由の見積もりとなります。
4. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

Check Point Quantumは、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が提供する次世代ファイアウォール(NGFW)の製品群です。データセンター・大企業向けの「Quantum Force」、中小企業向けの「Quantum Spark」、仮想・クラウド向けまで、同一ブランド内で規模別のラインナップを揃えています。
侵入防止機能(IPS)は、これらのゲートウェイに共通して組み込まれる「IPSソフトウェアブレード」として提供され、ファイアウォールやアンチウイルス、サンドボックスなどと同一の機器上で多層防御を構成します。検知はシグネチャに加え、振る舞い分析やプロトコル検証を組み合わせる方式で、パッチ提供前の脆弱性を保護する仮想パッチ機能も備えます。
導入初期は通信を遮断せず検知だけを行う「Detect」モードで誤検知を調整し、本番では遮断する「Prevent」モードへ移行する段階的な導入が可能です。国内では日本法人が営業・サポートの窓口を担い、販売は代理店経由の見積もりベースで、公式サイトに価格の掲載はありません。
5. FortiGate(フォーティネットジャパン合同会社)

FortiGateは、物理アプライアンス・仮想アプライアンス・クラウド(FortiGate as a Service)と幅広い形態で提供される、Fortinet, Inc.(日本法人:フォーティネットジャパン合同会社)の次世代ファイアウォール(NGFW)です。自社の構成に合わせて導入形態を選び、ネットワークの出入口をまとめて守れます。
専用ASIC「FortiASIC」でセキュリティ処理とネットワーク処理を高速化し、FortiGuardのAIを活用したサービスで既知・未知の脅威に対応するとしています。機能はFortiGuardのバンドルで構成され、IPS・アンチウイルス・アプリケーション制御などのATPバンドルを基点に、URL/DNSフィルタリングを加えたUTP、DLPやIoT検出まで含むENTへと段階的に選べます。
SD-WANやZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)をNGFWに内蔵し、拠点間接続やテレワークのアクセスまで一体で設計できます。管理はFortiManager、ログ分析はFortiAnalyzerが担います。公式の次世代ファイアウォールページに価格の記載はなく、価格の確認はフォーティネットジャパンへの問い合わせが必要です。
6. Palo Alto Networks 次世代ファイアウォール(パロアルトネットワークス合同会社)

Palo Alto Networks 次世代ファイアウォールは、アプリケーションを識別して通信を細かく制御する「App-ID」を中核機能に据えた、Palo Alto Networks, Inc.(日本法人:パロアルトネットワークス合同会社)のNGFWです。
物理ハードウェアの「PA-Series」を中心に、仮想版のVM-Series、コンテナ版のCN-Seriesまでをそろえ、本社・拠点・データセンターからリモート従業員まで一貫した保護を掲げています。
特徴は、ポート番号ではなく通信内のアプリケーションを識別して可視化・制御する「App-ID」を軸にしたポリシー制御です。脅威防御・URLフィルタリング・WildFireによるマルウェア分析・DNSセキュリティなどを、クラウド配信型のセキュリティサービスとしてNGFWに統合できます。
公式ページでは、Gartner Peer Insights カスタマーズチョイス(エンタープライズ ネットワーク ファイアウォール部門)の受賞と、65,000社を超える利用が示されています。管理はPanoramaやStrata Cloud Managerで行い、公式ページに価格の記載はないため、導入時は日本法人または販売代理店への問い合わせで確認します。
侵入・不審な通信を検知して止める製品
境界をすり抜けた不正通信や社内の不審な動きを、通信から検知して止める製品です。
7. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

ネットワークを流れる全パケットを収集・保存し、脅威の検知から事後のフォレンジック(通信記録を遡った調査)までを担うNDR(Network Detection and Response:ネットワーク検知・対応)製品です。開発元は韓国のQuad Miners Inc.で、日本では日本法人の株式会社クワッドマイナージャパンが提供し、国内総代理店のフーバーブレインが2024年に資本参加しています。
ネットワークのミラーリング接続で導入するため、監視対象の端末にエージェントを入れる必要がなく、既存の通信への影響を抑えられます。検知はシグネチャによる既知攻撃の照合に加え、利用者の行為の記録に基づく検出(BAD)やデータ内容を復元するコンテンツ分析を併用し、収集・検知・ハンティング・フォレンジック・対応の5つの機能を1製品に備えます。
保存した全パケットはPSA(高速なパケット検索)やDCS(メール・ファイル送受信などの活動の分類・復元)で遡って調べられ、インシデント発生後に通信の宛先や時系列、転送されたファイルを追跡する用途に向きます。検知・対応はSyslogやREST APIでEDR・SIEMと連携できます。料金や提供形態は公開されていないため、導入時は資料で確認してください。
8. L2Blocker(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

ソフトクリエイトグループのエクスジェン・ネットワークス株式会社が提供する、社内LANへの不正な端末接続を検知・遮断するアプライアンス製品です。許可した端末をホワイトリストの台帳で管理し、登録のない端末が接続された際に通信を遮断します。
監視するセグメントごとに専用センサーを設置し、ネットワーク上のARPパケットを読み取って台帳と照合する仕組みのため、クライアント端末へのエージェント導入や既存LAN構成の変更なしに導入できます。動作は棚卸しだけを行う収集モードから、保留モード、実際に遮断するブロックモードまで段階的に切り替えられます。
センサーは監視セグメントごとに1台14万円(対象端末数は問わず)、1台で最大32VLANを監視できるタグVLAN版は34万円が公式に示されています(税区分の記載なし)。管理機能のL2Bマネージャーはクラウド版とオンプレミス版から選べ、価格は要お問い合わせです。評価機の貸出にも対応しています。
9. Darktrace(Darktrace Limited)

組織ごとの正常な通信や操作のふるまいを自己学習型AI(Self-Learning AI)が学習し、その逸脱から既知・未知の脅威を検知する製品です。英国ケンブリッジのDarktrace Limitedが開発し、国内では日本法人のダークトレース・ジャパン株式会社と販売代理店を通じて提供されています。
中核のDarktrace/NETWORKがネットワークの挙動分析(NDR)を担い、メール・クラウド・OT・アイデンティティ・エンドポイントまでを単一のプラットフォームで横断して相関分析します。Darktrace/NETWORKは、2025年・2026年のGartner Magic Quadrant for NDRでLeaderに選出されたと公表されています。
検知したアラートはCyber AI AnalystがAIで自動調査して優先度を付け、デバイスの隔離やIPブロックといった封じ込め(Autonomous Response)までを自動で実行します。CrowdStrikeやMicrosoft Defenderなど他社のEDR・SIEMとAPIで連携でき、既存の体制に組み込めます。料金は監視するデバイス数に応じた個別見積もりで、公開されていません。
10. Vectra AI(Vectra AI, Inc.)

米国のVectra AI, Inc.が開発するAI駆動型のNDR製品で、国内ではマクニカ株式会社が代理店として販売・サポート・監視サービスを担っています。ネットワークの通信の挙動をAIで分析し、社内に侵入したランサムウェアやラテラルムーブメント(感染の横移動)、認証情報の悪用といった脅威を検知します。
検知エンジンのAttack Signal Intelligenceは、150以上のAIモデルで攻撃者の振る舞いを分析し、膨大なアラートを緊急度の高い脅威へ絞り込みます。監視対象はオンプレミスのネットワークに加え、AWSやAzureなどのマルチクラウド、Active Directoryなどのアイデンティティ基盤、Microsoft 365まで広がります。
CrowdStrikeやMicrosoft DefenderなどのEDR、Splunk・Microsoft Sentinel・IBM QRadarといったSIEMと連携でき、既存のセキュリティ基盤に組み込めます。国内では三菱電機や遠鉄グループ、近鉄百貨店などが導入しています。料金は公開されておらず、トライアルの相談はマクニカが窓口となります。
Web・メールなど入口別に守る製品
公開Webアプリやメール、Web閲覧といった狙われやすい入口を、個別に守る製品です。
11. GUARDIANWALL Inbound Security for Mail Gateway(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

キヤノンマーケティングジャパンが提供する、受信メールをゲートウェイで検査するクラウド型のメールセキュリティです。企業ドメインのMXレコードを変更するだけで導入でき、サーバーやセキュリティ機器を保有せずに運用できます。
スパムフィルタやウイルス検査、サンドボックス、Webレピュテーションなど7つの検査を多層で適用し、SPF・DKIM・DMARCによるなりすまし対策やパスワード付きファイルの中身の検査にも対応します。リンクのクリック時にURLを最新の脅威情報で再確認するTime-of-Click保護も備えます。
初期費用0円、1ユーザーあたり月額200円(税抜)で、10ユーザーから10ユーザー単位で契約します(最低利用期間1年)。Microsoft 365やGoogle Workspace、オンプレミスのメールサーバーと組み合わせて使え、30日間の無料評価も申し込めます。
12. Menlo Security(Menlo Security, Inc.)

Webサイトの閲覧を端末から切り離して守る、クラウド型のWeb分離・無害化ソリューションです。開発元は米国のMenlo Security, Inc.で、国内では日立ソリューションズやNRIセキュアテクノロジーズなどのパートナーが提供しています。
Webコンテンツをクラウド上の使い捨て仮想コンテナ内で実行し、特許技術のAdaptive Clientless Rendering(ACR)によって安全な表示情報だけを端末へ送るため、端末へのエージェントのインストールが不要です。ファイルは端末にダウンロードされる前に自動で無害化(CDR)されます。
危険の有無を判定するブラックリスト方式に頼らず、アクセス先を一律に隔離して無害化する設計をとります。料金は国内パートナー経由の個別見積もりで、要問い合わせです。
13. Cloudflare WAF(Cloudflare, Inc.)

Cloudflareのグローバルネットワーク上で稼働し、WebアプリケーションやAPIの前面に配置して使うクラウド型のWAFです。提供元は米国のCloudflare, Inc.で、OWASPルールと同社のマネージドルール、組織固有のカスタムルールで攻撃を遮断します。
高度なレート制限や良性・悪性ボットの管理、流出したログイン情報の悪用を検知するクレデンシャルスタッフィング対策、機械学習による新たな脅威の検出、定額制のDDoS攻撃対策を一体で備えます。
料金階層が公開されており、Proが年払いで月額20ドル、Businessが月額200ドル、ミッションクリティカルな用途向けのEnterpriseは個別見積もりです。無料のFreeプランでもマネージドルールの一部を利用できます。
14. 攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)

WebサイトやWebアプリケーションへのSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングといった攻撃を検知・遮断する、国産のクラウド型WAFです。提供元は株式会社サイバーセキュリティクラウドで、Webサイトの改ざんや個人情報の漏えいを防ぎます。
攻撃データを専門家が分析してシグネチャ(検知ルール)を作成・更新する運用型で、利用企業はWAFのルール運用を自前で抱えずに済みます。Webアプリの防御に加え、DDoS攻撃対策やBot対策、IP制限・GeoIP制限、SSL証明書の自動更新にも対応します。
サポートは24時間365日の日本語対応です。料金はサイト数やトラフィック量に応じた個別見積もりで、2026年6月に新版(Neo)への改定が行われているため、最新の金額は公式サイトで確認してください。
15. Cloudbric WAF+(Penta Security Inc.)

韓国のPenta Security Inc.が提供する、ブランド名Cloudbricのクラウド型WAFです。WebアプリケーションとAPIをまとめて守り、WAF・DDoS対策・SSL・脅威IP遮断・ボット遮断を1つにまとめた「5in1」を掲げます。
シグネチャに依存しないロジックベースの検知エンジンと、通信パターンを学習するAIエンジンで攻撃を見分けます。L3/L4/L7のDDoS対策やAPI保護、脅威インテリジェンスによる危険なIPの遮断、Let’s Encryptの無償SSL証明書の自動更新を備えます。
料金は月額28,000円(税別)からで、20FQDN・データ転送60GBまでが対象、初期費用は68,000円からです。DNSの切り替えだけで導入でき、30日間の無料トライアルや、サービスプロバイダとしてのPCI DSS v4.0.1のAOC取得も特徴です。
安全な接続とゼロトラストを担う製品
社外やクラウドから社内資源へつなぐ経路を、利用者と端末を検証しながら安全に保つ製品です。
16. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

株式会社インターナショナルシステムリサーチが100%自社開発する、ゼロトラストの考え方に基づくシングルサインオン(SSO)を軸にしたクラウド型のID基盤(IDaaS)です。一度の認証で複数のクラウドサービスへアクセスでき、利用者と端末、アクセス状況を検証しながら社内資源への接続を保護します。
アクセス制限は、IPアドレスやデバイス証明書による端末、国・地域、曜日・時間帯といった複数の軸で設定でき、私用端末や時間外のアクセスを制御できます。FIDO2準拠のパスキーによるパスワードレス認証は、全プラン・全ユーザーで無制限に利用できます。
この端末・場所・時間による制御について、提供元の株式会社インターナショナルシステムリサーチはインタビューで次のように述べています。

1点目は、柔軟なアクセス制限機能です。「端末、場所、時間」の3つの軸で細かく制限できます。私用端末からのアクセス禁止、現場や訪問先といった特定の拠点限定はもちろん、残業時間帯にはアクセスできないように設定も可能です。この時間による制御は、労務管理や情報漏洩対策としても経営層から高く評価されています。
月額料金はStandard Plusが1ユーザー440円(税込)、Active Directory連携を含むEnterprise Plusが550円(税込)、デバイス証明書を標準付帯するSmart Packが660円(税込)の3プランで、いずれも初期費用が別途かかります。
30日間の無料トライアルがあり、ISMS・プライバシーマーク・FIDO2認定を取得した国産サービスとして日本語でのサポート体制を備えます。
17. Zscaler(Zscaler, Inc.)

Zscaler, Inc.(米国)が提供する、クラウドで通信を検査するゼロトラスト・プラットフォームです。利用者とインターネットや社内アプリの間にクラウドのセキュリティ基盤を挟み、場所を問わずアクセスを検査・制御します。
主力は、WebゲートウェイのZIA(Zscaler Internet Access)と、VPNの代替となるZPA(Zscaler Private Access)の2系統です。ZIAはURLフィルタリングやTLS/SSL検査、クラウドサンドボックスなどを提供し、ZPAは最小権限の原則で社内アプリへ接続することで、アプリをインターネットに公開せず横移動(ラテラルムーブメント)を抑えます。
アプライアンスを設置せずクラウド側で検査するため、拠点やテレワークの拡大に合わせて広げやすい設計です。国内はパートナー経由での導入・運用支援が中心で、NTTコミュニケーションズは2024年6月にZscalerのMSSPに認定されています。料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。
自社に合うネットワークセキュリティ製品の選び方
タイプと製品の全体像を掴んだら、最後に自社の条件で候補を絞り込みます。ここからは、製品を選ぶときに確認したい観点を順に見ていきます。
まず「どこを・何から守りたいか」を決められているか
製品選びは、守りたい範囲を決めることから始まります。出入口・検知・入口別・安全な接続の4タイプのうち、自社でまず強化したいのはどこかを見定めると、候補が一気に絞られます。すでに境界対策はあるが内部の監視が手薄、といった具合に現状の抜けを洗い出すと、組み合わせの優先順位が付けやすくなります。
1つの製品で全てを守ろうとせず、必要な役割の製品を過不足なく組み合わせる発想が、オーバースペックな投資や対策の抜け漏れを避ける近道です。
この「どこを守りたいか」を、ネットワークだけでなく端末・ID・メールなど社内のセキュリティ全体にまで広げて見渡したいときは、守る対象ごとにソリューションのタイプと代表サービスを整理した次の記事が参考になります。
社内セキュリティソリューション比較|守る対象別のタイプ・代表サービスと選び方
社内のセキュリティを強化したいものの、端末の保護から不正アクセス対策、情報漏えいの防止まで課題が広く、何から手をつければよいか判断がつかないという声は少なくありません。テレワークやクラウド利用が定着し、社外に持ち出される端末やIDが増えたこ…
企業規模・拠点・テレワーク環境に合っているか
同じ役割の製品でも、想定する企業規模や拠点構成によって適した製品は変わります。本社1拠点なのか、複数拠点や在宅勤務が多いのかによって、アプライアンスを設置する形が向くか、場所を問わず使えるクラウド型が向くかが分かれます。
テレワークやクラウド利用が中心であれば、安全な接続のタイプやクラウド型のUTMのように、拠点に機器を増やさず守れる製品が運用しやすくなります。
IT担当のリソースと運用体制に見合っているか
ネットワークセキュリティ製品は、導入して終わりではなく、日々のアラート確認やルール更新といった運用が続きます。専任のセキュリティ担当がいない場合は、設定や監視を提供元や販売代理店に任せられる運用代行つきのサービスや、マネージド型を選ぶと、運用負担を抑えられます。
自社でどこまで運用できるかを見極め、足りない部分を外部に委ねられる製品かどうかを確認すると、導入後に無理のない体制を組めます。
費用対効果と提供形態が自社に合っているか
費用は、アプライアンスを購入する形か、月額で使うクラウド型か、レンタルかといった提供形態によって大きく変わります。多くの法人向け製品は料金を個別見積もりとしているため、守りたい範囲と対象規模を整理したうえで、複数の製品の資料を取り寄せて比較するのが確実です。
初期費用だけでなく、運用にかかる手間や人件費も含めた総コストで見ると、多少月額が高くても運用代行つきのほうが結果的に負担が軽い、という判断になることもあります。
ゼロトラスト/SASEへの移行を見据えられているか
クラウドとテレワークが前提になるなかで、境界の内外を問わず検証するゼロトラストへ、多くの企業が段階的に移行しつつあります。いま導入する製品が、将来ゼロトラストやSASEの構成に組み込めるか、クラウド前提の運用に対応できるかを確認しておくと、作り直しの手戻りを減らせます。
すべてを一度に置き換える必要はなく、安全な接続の仕組みから着手し、段階的に広げていく進め方が現実的です。自社の現状と相性のよい入口から検討を始めてください。
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まとめ|守る範囲を起点に自社に合う製品を選ぶ
ネットワークセキュリティ製品は数が多く見えますが、守る範囲・役割で整理すると、出入口・検知・入口別・安全な接続の4タイプに分けられます。自社がまず強化したい範囲を起点に、必要な役割の製品を過不足なく組み合わせることが、無駄のない対策につながります。
気になる製品が見つかったら、資料を取り寄せて機能や料金、運用体制を具体的に確かめ、自社の規模・課題に合うかを比較してみてください。複数の製品の資料をまとめて請求すれば、守る範囲ごとの違いを効率よく見比べられます。
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よくある質問(FAQ)
Q. ネットワークセキュリティ製品とは何ですか?
A. ネットワークセキュリティ製品とは、社内の端末やサーバー、業務データが通信する経路を、外部からの攻撃や内部の不正・情報漏えいから守るための製品の総称です。守る場所や役割ごとに、出入口・境界をまとめて守る製品、侵入・不審な通信を検知して止める製品、Web・メールなど入口別に守る製品、安全な接続を担う製品の大きく4タイプに分かれます。
1つの万能製品があるわけではなく、自社がどこを・何から守りたいかを起点に、必要な役割の製品を組み合わせて使うのが基本です。
Q. ファイアウォール・UTM・次世代ファイアウォール(NGFW)の違いは何ですか?
A. ネットワークセキュリティ製品の出入口対策では、従来のファイアウォールがIPアドレスやポート単位で通信を制御するのに対し、次世代ファイアウォール(NGFW)はアプリケーション単位で通信を識別・制御し、UTMはファイアウォールにウイルス対策・不正侵入防止・URLフィルタリングなどを1台へ統合している点が異なります。
従来型は通信の「どこから・どのポートへ」を見て許可・遮断しますが、ポート単位の制御だけでは巧妙化する攻撃を防ぎきれなくなっています。
NGFWはアプリケーションを識別してより細かく制御でき、UTM(統合脅威管理)は複数の防御機能をまとめて運用できるため、専任担当を置きにくい中小〜中堅企業が出入口の対策を一通り固めるのに向きます。
Q. WAFとファイアウォールは何が違いますか?
A. ネットワークセキュリティ製品として、ファイアウォールが社内と外部の境界で通信全体を制御するのに対し、WAF(Web Application Firewall)は公開しているWebアプリケーションに特化して、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった攻撃を防ぐ点が異なります。
ファイアウォールやUTMだけでは、正規の通信を装ってWebアプリの脆弱性を突く攻撃は防ぎきれません。自社でWebサービスやECサイトを公開し、顧客の個人情報や決済情報を扱う企業では、境界の防御に加えてWAFが欠かせません。
Q. IDSとIPSの違いは何ですか?
A. ネットワークセキュリティ製品のうち、IDS(侵入検知システム)が不正な通信を検知して管理者に知らせるのに対し、IPS(侵入防止システム)は検知に加えてその通信を自動で遮断するところが異なります。IDSは「気づく」ことに重点があり、IPSは「気づいて止める」ところまで担います。
いずれも境界をすり抜けた不正通信を見つける役割で、近年は通信の振る舞いを分析して未知の脅威や内部の横移動(ラテラルムーブメント)まで検知するNDR(ネットワーク検知・対応)も広がっています。
Q. VPNとゼロトラスト(ZTNA・SASE)はどう違いますか?
A. 社外から社内へ安全につなぐネットワークセキュリティ製品として、VPNが暗号化した仮想の専用線で社内ネットワークへ接続させるのに対し、ゼロトラスト型のZTNAは利用者と端末を都度検証して必要な資源にだけアクセスを許す点が異なります。VPNは一度つなぐと社内ネットワーク全体にアクセスできるため、認証情報が盗まれると被害が広がりやすい弱点があります。
ZTNA(Zero Trust Network Access)はアクセスのたびに検証し、SASE(Secure Access Service Edge)はネットワークとセキュリティをクラウドで統合して提供します。テレワークや複数拠点、クラウド利用が増えた企業では、VPNからこうしたゼロトラスト型へ段階的に移行する動きが進んでいます。
Q. 中小企業がまず導入すべきネットワークセキュリティ製品はどれですか?
A. 専任のセキュリティ担当を置きにくい中小企業では、ファイアウォール・不正侵入防止・ウイルス対策・URLフィルタリングなどを1台にまとめたUTM(統合脅威管理)から始めるのが現実的です。出入口の防御を一通り固められ、複数の機能を個別に運用する手間を抑えられるためです。拠点に機器を置きたくない場合は、クラウド型UTMを選ぶ方法もあります。
そのうえで、自社でWebサイトを公開していればWAF、テレワークが多ければ安全な接続の仕組みと、守りたい範囲に応じて順に補っていくとよいでしょう。
Q. ネットワークセキュリティ製品の運用を自社で行えない場合はどうすればよいですか?
A. 専任担当がいない場合は、設定・監視・アラート対応を提供元や販売代理店に任せられる運用代行つきのサービスや、マネージド型の製品を選ぶと運用負担を抑えられます。ネットワークセキュリティ製品は導入後も日々のアラート確認やルール更新といった運用が続くため、自社でどこまで対応できるかを見極め、足りない部分を外部に委ねられる製品かを確認することが大切です。
本記事で紹介した製品にも、ログ分析や緊急遮断まで代行する監視サービスを備えるものがあります。
Q. ネットワークセキュリティ製品の費用はどのくらいかかりますか?
A. ネットワークセキュリティ製品の費用は、提供形態によって幅があり、多くの法人向け製品は守りたい範囲や対象規模に応じた個別見積もりとなっています。月額数百円のクラウド型メールセキュリティや、月額数万円から利用できるクラウド型UTM・WAFのように料金を公開している製品もあれば、アプライアンスの購入や大規模な構成では要問い合わせとなる製品もあります。
初期費用だけでなく、運用にかかる手間や人件費も含めた総コストで比べ、複数製品の資料を取り寄せて見積もりを確認するのが確実です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















