セキュリティ対策と一口に言っても、守るべき対象はネットワーク・端末・ID・メールと多岐にわたり、「自社は何から手を付ければよいのか」と迷っていませんか。企業規模を問わず、製品名やEDR・SASEといった略語は耳にするものの、それぞれが自社のどの課題に効くのかを整理しきれないまま検討が止まりがちです。とくに専任のセキュリティ担当を置きにくい企業では、この傾向が強くなります。
自社に必要な対策を見極める近道は、まず「セキュリティソリューションにはどんな種類があるのか」を守る対象ごとに一覧で把握することです。全体像をつかめれば、どの領域から着手・比較すべきか当たりを付けられます。では、数多くの製品・サービスをどのような軸で整理すると分かりやすいのでしょうか。
本記事では、セキュリティソリューションを「守る対象・領域別」に5つのタイプへ整理し、各領域が効く課題・代表的な対策技術・主なサービスを一覧で解説します。あわせて、自社に合う領域の選び方や、限られた予算・人手で何から守るかの優先順位、主要サービスの機能・料金の比較表もまとめました。社内の情報資産を守る仕組みを検討するための地図としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて着手すべき領域と適したサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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セキュリティソリューションとは(守る対象の全体像)
セキュリティソリューションとは、サイバー攻撃や内部不正から企業の情報資産を守るための製品・サービスの総称です。守る対象や防ぎたい脅威によって種類が分かれるため、「何を守りたいか」を軸にすると全体像を整理しやすくなります。
本記事では、守る対象を基準に次の5つの領域へ分類します。「ネットワークセキュリティ」「エンドポイント(端末)セキュリティ」「ID・アクセス管理/認証」「メール・Web/情報漏えい対策」「脆弱性診断・脅威の可視化」の5領域です。
それぞれ、社内ネットワークの通信、PCやサーバといった端末、利用者のIDとアクセス権限、メール・Web経由の脅威とデータの持ち出し、自社の弱点と攻撃の兆候を守る対象とします。多くの企業はこれらを組み合わせ、守りたい対象の優先順位に沿って段階的に導入していきます。
ただし、整理の切り口は守る対象だけではありません。クラウド環境を守るクラウドセキュリティ(CASB・CSPMなど)、Webアプリケーションを守るWAF、データのバックアップ、監視・運用を任せるSOC・MDRといった分け方もあります。
本記事ではこれらを守る対象別の各領域(クラウドはネットワークやID、WAFはネットワーク、バックアップはエンドポイントや情報漏えい対策、監視運用は脆弱性診断・可視化)に含めて扱います。
NIST CSF 2.0を補助線にした対策の全体像
守る対象で分ける見方に加えて、対策を「果たす役割」で捉える枠組みも、優先順位を考える土台になります。代表的なものが、米国国立標準技術研究所(NIST)が公開するサイバーセキュリティフレームワーク(CSF)です。国内のセキュリティ事業者も、対策の全体像を示す際にこの枠組みを基礎として採用しています。
現行のNIST CSF 2.0は、セキュリティ対策を6つのコア機能で整理しています。方針や体制を定める「統治(GOVERN)」、守るべき資産とリスクを把握する「識別(IDENTIFY)」、被害を未然に防ぐ「防御(PROTECT)」の3つが上流にあたります。
続いて、攻撃や異常をいち早く見つける「検知(DETECT)」、インシデント発生時に影響を抑える「対応(RESPOND)」、停止した業務やシステムを元に戻す「復旧(RECOVER)」が続きます。守る対象別の各ソリューションは、このいずれか(多くは防御・検知・対応)の役割を担います。本記事の後半では、この枠組みを着手順を考える際の補助線として使います。

出典・参考資料(2件)
- 出典:The NIST Cybersecurity Framework (CSF) 2.0(NIST CSWP 29)|米国国立標準技術研究所(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/CSWP/NIST.CSWP.29.pdf)
- 参考資料:サイバーセキュリティフレームワーク(CSF)2.0(IPAによる参考訳)|独立行政法人情報処理推進機構(https://www.ipa.go.jp/security/reports/oversea/nist/about.html)
守る対象・領域別のセキュリティソリューションの種類と代表サービス
ここからは、守る対象・領域別に5つのタイプを順に見ていきます。まずは各領域が「何を守り」「どんな課題に効き」「どんな対策技術とサービスがあるか」を一覧で俯瞰し、そのうえで各領域を個別に解説します。
| ネットワークセキュリティ | エンドポイント(端末)セキュリティ | ID・アクセス管理/認証 | メール・Web/情報漏えい対策 | 脆弱性診断・脅威の可視化 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 主に守る対象・効く課題 | 社内ネットワークの通信全体。外部からの侵入、内部の不審通信、ランサムウェアの横移動 | PC・サーバなどの端末。マルウェア感染、端末を起点とした侵入・情報漏えい | 利用者のIDとアクセス権限。なりすまし、不正アクセス、パスワードの使い回し | メール・Web経由の脅威とデータの持ち出し。標的型攻撃メール、BEC、USBなどからの漏えい | 自社システムの弱点と攻撃の兆候。放置された脆弱性、侵入の見逃し |
| 代表的な対策技術 | UTM(統合脅威管理)、SASE、NDR(ネットワーク検知・対応) | EPP(端末の保護)、EDR(検知・対応)、XDR | IDaaS、MFA(多要素認証)、SSO(シングルサインオン) | メールセキュリティ、Web分離、DLP(情報漏えい防止) | 脆弱性診断、ASM(攻撃対象領域管理)、NDR(AIによる脅威検知・可視化) |
| 該当する主なサービス | Network Blackbox、SmartConnect クラウド型UTM、Check Point Quantum | Eye247 Safety Zone、CrowdStrike Falcon、SentinelOne | CloudGate UNO、YubiKey as a Service、IIJ IDサービス | FortiMail、Proofpoint、ZENMU Virtual Drive | KATABAMI、Darktrace、Vectra AI |
ネットワークセキュリティ
ネットワークセキュリティは、社内ネットワークを流れる通信を監視・制御し、外部からの侵入や内部の不審な通信を防ぐ領域です。入口を固めるだけでなく、侵入された後に攻撃者が別の端末へ移動する「横移動」を早期に見つける役割も担います。
代表的な技術としては、ファイアウォールやアンチウイルスなど複数の機能を1台にまとめたUTM(統合脅威管理)、拠点とクラウドをまたいだ通信を安全に中継するSASE、ネットワーク上の通信を解析して異常を検知するNDR(ネットワーク検知・対応)があります。拠点が複数あったり、在宅勤務で社外からの接続が増えたりしている企業では、この領域の優先度が高まります。
エンドポイント(端末)セキュリティ
エンドポイント(端末)セキュリティは、従業員が使うPCやサーバといった端末を守る領域です。端末はマルウェア感染の入口になりやすく、ひとたび侵入されると情報漏えいや社内ネットワークへの拡大につながるため、多くの企業が最初に検討します。
従来のウイルス対策ソフトにあたるEPP(端末の保護)が感染を未然に防ぐのに対し、近年はEDR(検知・対応)が主流になりつつあります。EDRは、防御をすり抜けた脅威の挙動を記録・分析し、感染後の対応を素早く行えるようにする仕組みです。さらに、端末・ネットワーク・メールなど複数の領域のログを横断的に突き合わせるXDR(拡張検知・対応)へと発展しています。
ID・アクセス管理/認証
ID・アクセス管理/認証は、「誰が」「どのシステムに」アクセスできるかを統制する領域です。クラウドサービスの利用が広がり、社内外の境界があいまいになった今、本人確認とアクセス権限の管理はセキュリティの要になっています。
複数のクラウドサービスへのログインを一元管理するIDaaSや、ID・パスワードに加えてスマートフォンやセキュリティキーで本人確認を強化するMFA(多要素認証)、一度の認証で複数のサービスを使えるようにするSSO(シングルサインオン)が代表的です。パスワードの使い回しやなりすましによる不正ログインを防ぎ、利用者の手間を増やさずに安全性を高めたい企業に向いています。
メール・Web/情報漏えい対策
メール・Web/情報漏えい対策は、メールやWeb閲覧を通じて入り込む脅威と、社内から外部へのデータの持ち出しの両面を守る領域です。サイバー攻撃の多くはメールを起点とするため、ここを固めることは被害の入口を減らすことに直結します。
なりすましや添付ファイルを使った標的型攻撃メール、取引先を装って送金をだまし取るBEC(ビジネスメール詐欺)を見分けるメールセキュリティ、危険なWebサイトの影響を端末に及ばせないWeb分離、機密データの外部送信や持ち出しを検知・制御するDLP(情報漏えい防止)が中心です。業務データを社外に残さない仕組みと組み合わせると、紛失・盗難時のリスクも抑えられます。
脆弱性診断・脅威の可視化
脆弱性診断・脅威の可視化は、自社のどこに弱点があり、どこが攻撃者から狙われうるかを把握して、攻撃の糸口をあらかじめ減らす領域です。守りを固める前に「現状を知る」ための対策であり、何から着手すべきか迷う企業の出発点になります。
この領域には、弱点を事前に見つける対策と、入り込んだ脅威の兆候を見つける対策の2系統があります。前者は、システムやWebサイトの弱点を洗い出す脆弱性診断、インターネットに公開された自社の資産を外部の攻撃者目線で見つけ出すASM(攻撃対象領域管理)です。
後者は、AIで通信や挙動の異常を分析して攻撃の兆候を可視化するNDR(ネットワーク検知・対応)で、ネットワーク領域の通信制御とは異なり、侵入後の脅威ハンティングに重きを置きます。診断で見つかった弱点への対処や、万一侵入された際の復旧までを一つのパッケージで提供するサービスもあります。
自社に合う領域の選び方(何から着手するか)
ここからは、種類を見渡したうえで自社に必要な領域を絞り込み、何から着手するかを判断するための着眼点を整理します。すべての領域を一度にそろえる必要はなく、自社の状況に沿って優先順位を付けることが現実的です。
自社の状況から対策する領域をどう絞るか
まず確認したいのは、守りたい対象が何かです。顧客情報や設計データなど守るべきデータが端末に集中しているならエンドポイント、クラウドサービスの利用が多いならID・アクセス管理、社外とのメールのやり取りが多いならメール対策、というように、業務の実態に即して優先する領域が変わります。
次に、既存の対策で足りていない部分を見極めます。ウイルス対策ソフトは入れているが感染後の対応手段がない、クラウドのログインがID・パスワードだけになっている、といった「穴」が、優先して埋めるべき領域を示してくれます。
自社の弱点が分からない場合は、脆弱性診断・脅威の可視化の領域から着手し、現状を把握したうえで次の投資先を決めるのも有効な進め方です。企業規模や業種によって狙われやすい脅威は異なるため、同業他社の被害事例も参考になります。
では、実際に社内ネットワークの内部を診断すると、どのような弱点が見つかるのでしょうか。企業の内部診断を手がける事業者は、現場で見つかりやすい問題を次のように挙げています。

たとえば、先ほど申し上げた複合機、コピー機です。工場出荷時の初期パスワードのまま使われているお客様がほとんどでして、大手メーカーの初期IDパスワードはインターネットで検索すればすぐ出てきてしまいます。そのままにしておくと、万が一ウイルスが内部に入り込んだ際に、簡単に遠隔操作で乗っ取られてしまうリスクがあります。それから、ネットワーク機器やサーバーの管理者権限の問題もあります。一般ユーザー権限と管理者権限を分けて使うことはご存じの通りですが、実際に管理者権限でログインを試してみると、簡単に入れてしまうケースもあります。
限られた予算・人手で「何から守るか」の優先順位をどう付けるか
予算や人手が限られる場合は、先に紹介したNIST CSF 2.0の6機能のうち、上流にあたる「統治・識別・防御」を起点に考えると整理しやすくなります。方針を決め(統治)、守るべき資産とリスクを把握し(識別)、被害を未然に防ぐ(防御)という順序です。
具体的には、まず自社が守るべき情報資産とリスクを棚卸しし(識別)、攻撃の入口になりやすい端末・ネットワーク・IDの防御から着手するのが現実的です。
そのうえで、防御をすり抜けた脅威に気づける検知の仕組み(EDRやNDRなど)、万一の際に被害を抑える対応・復旧の手段へと段階的に広げていきます。一度にすべてをそろえるのではなく、自社のリスクが高い入口から順に埋めていく考え方が、限られたリソースでも実効性を保つ鍵になります。
守る対象ごとの費用相場や運用体制まで踏まえて、各タイプを比べながら自社に合うものを絞り込みたい場合は、以下の記事で向いている企業や失敗しない選び方を掘り下げて解説しています。
社内セキュリティソリューション比較|守る対象別のタイプ・代表サービスと選び方
社内のセキュリティを強化したいものの、端末の保護から不正アクセス対策、情報漏えいの防止まで課題が広く、何から手をつければよいか判断がつかないという声は少なくありません。テレワークやクラウド利用が定着し、社外に持ち出される端末やIDが増えたこ…
しかし、自社がどの領域から着手すべきか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
30秒でわかる、自社に合うセキュリティソリューション診断
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【比較表】主要セキュリティソリューションの機能・料金比較
ここからは、守る対象・領域別に主要なセキュリティソリューションの機能や料金を比較します。領域ごとに比較の観点が異なるため、5つの領域に分けて表にまとめました。各サービスの詳細は、表の下の個別紹介もあわせてご確認ください。
ネットワーク・エンドポイント・脆弱性診断の各製品は、監視対象の規模や台数に応じた個別見積もりが中心で「要問い合わせ」の表記が多くなります。その場合も、初期費用や月額の目安は資料請求で把握できます。
ネットワークセキュリティの比較
| サービス名 | Network Blackbox | SmartConnect クラウド型UTM | Check Point Quantum | L2Blocker |
|---|---|---|---|---|
| 主な種別 | NDR(ネットワーク検知・対応) | クラウド型UTM | 次世代ファイアウォール(NGFW・IPS) | 不正接続の検知・遮断 |
| 提供形態 | アプライアンス(通信をミラーリング) | クラウド(拠点に機器を置かない) | アプライアンス/仮想・クラウド | アプライアンス(センサー設置) |
| 主な特徴 | 全パケットを保存し侵入後のフォレンジックに対応 MITRE ATT&CKベースの脅威ハンティング | FortiGateを採用し複数の機能を統合 監視・分析オプションでログ分析を代行 | 規模別にラインナップを用意 仮想パッチと防御/検知モードの切替に対応 | 許可外の端末を自動で検知・遮断 収集/保留/遮断の3段階で運用できる |
| 料金 | 要問い合わせ | 初期110,000円+月額38,500円〜(税抜) ※最低利用期間1年 | 要問い合わせ | センサー14万円〜(タグVLAN版34万円) ※管理ソフトは要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
エンドポイント(端末)セキュリティの比較
| サービス名 | Eye247 Safety Zone | Trend Vision One | CrowdStrike Falcon | SentinelOne |
|---|---|---|---|---|
| 対応範囲 | EPP+EDR | EPP+EDR+XDR | NGAV+EDR/XDR | EPP+EDR+XDR |
| 提供形態 | クラウド管理型 | SaaS | SaaS(軽量センサー) | SaaS(Singularity) |
| 無料トライアル | 要問い合わせ | 30日間 | 15日間 | 要問い合わせ |
| 主な特徴 | Bitdefenderと共同開発した検知エンジン ランサム対策の自動バックアップと国内サポート | 複数レイヤーをXDRで相関分析 MDR(マネージド検知・対応)に対応 | 単一センサーでモジュールを拡張 Windows・macOS・Linuxに対応 | 単一データ基盤で各レイヤーを相関分析 AIで調査・対応を自動化 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | Falcon Go 月額7.99米ドル〜/デバイス ※国内は代理店見積もり | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
ID・アクセス管理/認証の比較
| サービス名 | CloudGate UNO | YubiKey as a Service | DZ Pass | IIJ IDサービス | Gluegent Gate | OneLogin | Extic |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な種別 | IDaaS(SSO・ID管理) | 物理セキュリティキー(MFA) | PCサインインの継続認証 | IDaaS(SSO・ID管理) | IDaaS(SSO・ID管理) | IDaaS(SSO・ID管理) | IDaaS(国産・SSO・ID管理) |
| SSO | ● | △ID基盤と連携 | × | ● | ● | ● | ● |
| 多要素認証 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 無料トライアル | 30日間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 30日間 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 400円〜/ユーザー(税抜) ※別途初期費用 | 要問い合わせ ※最低200ユーザー・3〜5年契約 | 要問い合わせ(年間契約) | SSO 120円〜/ID(税抜・初期0円) ※料金改定の告知あり | 100円〜(税別・初期費用無料) | 要問い合わせ(代理店により異なる) | 300円〜/ID(税別・Standard) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
メール・Web/情報漏えい対策の比較
| サービス名 | Eye247 Work Smart Cloud | Shadow Desktop | FortiMail | Mimecast | Proofpoint | ZENMU Virtual Drive | Soliton SecureWorkspace |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対策領域 | 情報漏えい対策(操作ログ・USB制御・DLP) | 情報漏えい対策(PCのデータレス化) | メールセキュリティ(送信DLP対応) | メールセキュリティ | メールセキュリティ | 情報漏えい対策(秘密分散・データレス) | 情報漏えい対策(PCのデータレス化) |
| 提供形態 | クラウド型 | クラウド+外部ストレージ | アプライアンス/仮想/クラウド | クラウド(ゲートウェイ/API型) | クラウド(SEG/API連携) | ソフトウェア(PC+クラウドに分散) | ソフトウェア(既存Windows PC) |
| 主な特徴 | PC操作ログを1分間隔で記録 IT資産・労務管理も同一画面で扱える | PC本体にデータを残さず盗難・紛失に備える VDIより通常PCに近い操作感 | スパム・BEC・なりすましを検査 送信メールのDLPと暗号化も内蔵 | URL再検査・添付ファイルのサンドボックス検査 Microsoft 365・Google Workspaceに対応 | 「人」を標的にした攻撃を受信時に防御 TAPで添付・URLをサンドボックス解析 | データを断片化しPC単体では復元不可に 盗難・紛失時は断片へのアクセスを停止 | PC内の隔離領域で業務アプリを実行 ログオフ時に読み書きしたデータを自動消去 |
| 料金 | 月額400円〜/台(税別・従量) ※初期・サポート費用は無料 | 月額950円〜/ユーザー(税込1,045円〜) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額500円〜/台(税別・ZLE) ZEEは1,800円/台 | 月額1,000円〜/ユーザー(クラウド型) 年額13,200円/ユーザーのライセンス版も |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
脆弱性診断・脅威の可視化の比較
| サービス名 | KATABAMI | Darktrace | Vectra AI |
|---|---|---|---|
| 主な種別 | 脆弱性診断+復旧・補償パッケージ | NDR(脅威の可視化) | NDR(脅威の可視化) |
| 検知・診断の方式 | 内部ネットワークから月次(年12回)で診断 | 自己学習型AIが正常状態からの逸脱を検知 | 振る舞い分析(Attack Signal Intelligence) |
| 主な特徴 | 弱点の発見から復旧・補償までを一体提供 改善は利用企業が主体の伴走型 | 未知の脅威もリアルタイムに検知 Cyber AI Analystが調査・封じ込めを自動化 | 優先度の高い脅威を絞り込み 他社のEDR・SIEMとも連携 |
| 料金 | 月額1,250円〜/台 ※100ノード以下で年額90万〜150万円が目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は各サービスの一般的な機能・料金の傾向です。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)、最新の料金は各社情報をご確認ください。
主要セキュリティソリューションの個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた主要なセキュリティソリューションを、守る対象・領域別に個別で紹介します。情報量が多いため、まず気になる領域から読み、他は比較表で見比べる形でも構いません。各サービスが守る範囲・主な機能・想定される利用シーンを確認し、資料請求や比較検討の材料としてご活用ください。
ネットワークセキュリティのサービス
社内ネットワークの通信を監視・制御し、侵入や不審な通信を防ぐ領域の主なサービスです。
1. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

ネットワークを流れる全パケットを収集・保存し、脅威の検知から調査・対応までを担うNDR(ネットワーク検知・対応)製品です。開発元は韓国のQuad Miners社で、日本では株式会社クワッドマイナージャパンが提供しています。
シグネチャによる既知攻撃の検知に加え、ユーザー行為の記録に基づく検出と、データ内容を復元するコンテンツ分析を併用し、MITRE ATT&CKに基づく脅威ハンティングにも対応します。通信をミラーリング方式で取り込むためエージェントの導入が不要で、既存ネットワークへの影響を抑えて導入できます。
イベントログではなく通信そのもの(全パケット)を保存するため、侵入後に通信の宛先・時系列・転送されたファイルを遡って調べるフォレンジック用途に向いています。EDRやSIEM(ログ統合分析基盤)とはSyslog・REST APIで連携する補完型の設計で、料金は要問い合わせです。
2. SmartConnect クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

複数拠点のインターネット接続を大阪のデータセンターに集約し、拠点側にUTM機器を置かずにセキュリティ対策をまとめて提供するクラウド型UTMです。NTT西日本グループのNTTスマートコネクト株式会社が運営しています。
ファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・Webフィルタリングなど複数の機能を1つの基盤に統合し、採用製品はFortinet社のFortiGate/FortiAnalyzerです。オプションの「セキュリティ監視分析」を契約すると、同社の分析官がログを分析し、インシデント時の早期通知や緊急遮断を代行します。
初期費用110,000円(税込121,000円)、月額38,500円(税込42,350円)からで、最低利用期間は1年です。いずれも帯域などのプランにより変動します。拠点ごとにセキュリティ担当者を置きにくい多拠点企業に向いた構成といえます。
3. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

次世代ファイアウォール(NGFW)製品群のブランドで、侵入防止機能(IPS)は単体製品ではなく、ゲートウェイに統合された「IPSソフトウェアブレード」という一機能として提供されます。1993年にイスラエルで創業したチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが開発しています。
検知にはシグネチャに加えて振る舞い検知やプロトコル検証を組み合わせるエンジンを採用し、パッチ未提供の脆弱性を保護する仮想パッチにも対応します。通信を遮断するPrevent(防御)と検知のみのDetect(検知)のモードを切り替えられ、導入初期に誤検知をチューニングしてから遮断運用へ移行しやすい設計です。
大企業・データセンター向けのQuantum Force、中小企業向けのQuantum Spark、仮想・クラウド版まで規模別にラインナップがそろいます。料金は公開されておらず、国内販売代理店経由の見積りが必要です。
4. L2Blocker(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

社内LANに接続された許可していない機器を検知し、ネットワークへの接続を自動で遮断するアプライアンス型のシステムです。ソフトクリエイトグループのエクスジェン・ネットワークス株式会社が開発・提供しています。
監視セグメントごとに専用センサーを設置し、ネットワーク内のARPパケットを読み取って不正な端末を検知します。端末へのエージェント導入は不要で、既存のLAN構成を変えずにセンサーを接続するだけで導入でき、許可端末はホワイトリストの台帳で管理します。
棚卸しのみの収集モード、保留モード、遮断するブロックモードの3段階で動作し、いきなり遮断せず段階的に運用を切り替えられる点が導入時の負担を抑えます。センサーはパッケージ版が監視セグメントごとに14万円、最大32VLANを監視できるタグVLAN版が34万円で、管理用のL2Bマネージャー(クラウド版・オンプレ版)は要問い合わせです。
エンドポイント(端末)セキュリティのサービス
PC・サーバなどの端末をマルウェア感染や情報漏えいから守る領域の主なサービスです。
5. Eye“247” Safety Zone(株式会社フーバーブレイン)

旧製品「Eye“247” AntiMalware」の後継にあたる現行世代のエンドポイントセキュリティソフトで、従来のウイルス対策ソフトにあたるEPP(端末の保護)と、感染後の検知・対応を担うEDRを単一の製品に搭載しています。開発・提供は株式会社フーバーブレインで、検知エンジンにはBitdefenderと共同開発した機械学習ベースのエンジンを採用しています。
ランサムウェア対策として、監視下のファイルを自動でバックアップし、クライアント側から直近のバックアップをリストアできる機能を標準で備えます。アプリケーションの動作を常時監視する振る舞い検知(ATC)やフィッシングサイトの自動ブロックに加え、ブラウザベースの管理コンソールで検知状況の一元管理やPC資産管理も行えます。
公式情報では、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中堅・中小企業を想定し、導入時の設定からウイルス駆除まで電話・メール・リモートで支援するとしています。料金は公開されておらず、導入台数や契約期間に応じた個別見積もりとなるため、詳細は資料で確認できます。
6. Trend Vision One(トレンドマイクロ株式会社)

エンドポイント単体の対策にとどまらず、サーバー・メール・ネットワークなど複数のレイヤーを1つの基盤で守る統合サイバーセキュリティプラットフォームです。提供元はトレンドマイクロ株式会社です。
各レイヤーで集めたテレメトリ(監視データ)をXDR(拡張検知・対応)で相関分析し、攻撃の全体像を可視化します。SaaS型で提供され、公式サイトの現行表記は「TrendAI Vision One™」へと移行しています。
エンドポイント向けの製品は2023年9月に提供が始まり、Gartner社のMagic Quadrant for Endpoint Protection Platforms(2026年)ではリーダーに選出されたと公式サイトに記載しています。防御をすり抜けた脅威への対応として、24時間365日体制のサポートやマネージド検知・対応(MDR)も用意されています。
料金は、30以上のソリューションを1ライセンスで扱うクレジットベースの「TrendAI Flex」に一本化されており、具体的な価格は公開されていないため個別の問い合わせが必要です。全機能を30日間試せる無料体験も用意されています。
7. CrowdStrike Falcon(クラウドストライク合同会社)

CrowdStrike, Inc.が開発し、日本法人のクラウドストライク合同会社が国内で提供するエンドポイント保護プラットフォームです。端末に導入する単一の軽量センサーを起点に、次世代アンチウイルス(NGAV)から、侵入後の検知・対応を担うEDR/XDR、ID保護やクラウドセキュリティまでをモジュール追加で拡張できる設計を採ります。
防御の中核となるFalcon Preventは、機械学習とIOA(攻撃の兆候となる一連の振る舞い)をもとに、既知・未知のマルウェアやランサムウェア、ファイルレス攻撃を実行前に阻止します。侵入後はFalcon Insight XDRがプロセスツリーで攻撃経路を可視化し、遠隔からの端末操作による封じ込めまで行えます。対応OSはWindows・macOS・Linuxです。
第三者評価では、2026年のGartner社Magic Quadrant for Endpoint Protection Platformsでリーダー、2025年のMITRE ATT&CK評価で検知・保護とも100%・誤検知ゼロと公式サイトに記載しています。
料金はグローバル価格でFalcon Goが月額7.99米ドル/デバイスからで、日本円建ての価格は公開されておらず国内は代理店経由の個別見積もりとなります。15日間の無料トライアルも利用できます。
8. SentinelOne(SentinelOne Japan株式会社)

エンドポイントからクラウド、アイデンティティまでを1つのデータ基盤で守る統合セキュリティ基盤「Singularity」プラットフォームです。開発元は米国のSentinelOne, Inc.で、国内はSentinelOne Japan株式会社が窓口を担います。EPP(端末の保護)・EDR・XDRを含み、各レイヤーのテレメトリ(監視データ)を単一のデータ基盤で相関分析する設計を特徴としています。
脅威の検知・対応では、AIアシスタントのPurple AIや定型処理を自動化するHyperautomationを用いて調査や対応を自動化すると説明されています。実行中の脅威を自律的に検知・阻止し、侵入後の横移動(ラテラルムーブメント)を防ぐことを重視した構成です。料金は公開されておらず、デモの依頼や営業への問い合わせを通じた個別対応となります。
端末への侵入・不正アクセスの検知にしぼって、専任担当を置きにくい中小企業でも運用しやすいEDR型の製品を比べたい場合は、以下の記事で検知の仕組みや料金を詳しく解説しています。
ID・アクセス管理/認証のサービス
利用者のIDとアクセス権限を統制し、なりすましや不正アクセスを防ぐ領域の主なサービスです。
9. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

株式会社インターナショナルシステムリサーチが100%自社開発するクラウド型のID基盤(IDaaS)です。一度の認証で複数のクラウドサービスへアクセスできるシングルサインオン(SSO)を軸に、多要素認証やパスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証、アクセス制限、ID管理までを備えます。
アクセス制限はIPアドレス・デバイス証明書・国/地域・曜日や時間帯・ブラウザといった複数の軸で設定でき、パスキーによるパスワードレス認証は全プラン・全ユーザーで無制限に利用できます。SMS認証やワンタイムパスワードを狙う攻撃が増えるなか、認証そのものを強化したい場面に向きます。
月額料金はユーザーあたり400円〜600円(税抜)の3プラン構成で、いずれも別途初期費用がかかります。30日間の無料体験も用意されており、SaaS利用が広がるなかでID管理と認証を一元化したい企業の選択肢になります。
パスワードレス認証への切り替えは、情報システム部門の運用負荷の面でも効果が出ているといいます。提供元は導入後の変化を次のように説明しています。

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。
10. YubiKey as a Service(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

物理セキュリティキー「YubiKey」をサブスクリプション型で法人向けに提供するサービスです。開発元のYubico社とパートナー契約を結ぶ株式会社インターナショナルシステムリサーチが、日本国内で提供しています。
秘密鍵とPINコードがデバイス内に留まるハードウェアトークン型の多要素認証で、フィッシングへの耐性が高い点が特徴です。スマートフォンを支給・業務利用できない現場でも、鍵本体をかざすだけで強固な本人認証を導入できます。
契約期間中の製品保証や毎年25%分の予備キー提供、導入支援までを含む点が買い切り型との違いです。最低200ユーザー・3年または5年契約で、料金は個別見積もりとなります。同社のID基盤CloudGate UNOのSSO・パスワードレス認証と組み合わせた利用も想定されています。
では、こうした物理セキュリティキーはどのような現場で選ばれているのでしょうか。提供元は、相談の多いケースを次のように説明しています。

最も多いのは、全社員へのスマートフォン支給が困難なケースです。派遣社員や協力会社のスタッフがシステムにアクセスする際の認証手段として活用されています。また、店舗やコールセンターなどのシフト制の現場において、IDとパスワードの管理負担を軽減しつつ、確実な本人認証を実現する手段としても選ばれています。
11. DZ Pass(株式会社AnchorZ)

スマートフォンを鍵代わりに使い、パスワードやPINコードを入力せずにWindows PCへサインインできる認証ソフトウェアです。株式会社AnchorZが開発した「バックグラウンド認証」技術を基盤に、サインイン後もPC利用中ずっと本人確認を続ける継続認証を特徴とします。
認証方式は、顔認証とスマートフォン認証を組み合わせるスタンダードモード、顔認証のみのライトモード、既存のWindowsログインに監視機能を加えるWindows標準モードの3つから選べます。離席を検知した際の自動ロックや、第三者・覗き見・なりすましの検知も備えます。
ライセンスは年間契約制で、料金は要問い合わせです。リモートデスクトップ経由では利用できず物理PCでの利用が前提となるため、在宅勤務時のPC操作を本人に限定し、画面情報の不正な持ち出しを抑えたい企業に向いています。
在宅勤務では、業務画面をスマートフォンで撮影して情報を持ち出すといった、オフィスでは起こりにくい漏えいも想定されます。開発元は、継続認証がこうした場面でどう働くかを次のように説明しています。
当社の常時認証では、ご本人がパソコンに向かってスマートフォンのカメラを構えた瞬間にロックすることができます。すぐに画面ロックがかかるので画面を撮影されることはありませんし、同時に「在宅勤務中のAさんがスマートフォンでパソコンの画面を撮ろうとしたので、画面をロックしました」という通知が、システム管理者へ即座に届くようにすることができます。
12. IIJ IDサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

1つのIDで複数のクラウドサービスへログインできるSSOを中核に、多要素認証・Active Directory連携・アクセス制御を備えたクラウド型のID管理・認証サービス(IDaaS)です。国内通信事業者の株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が自社で開発・運用しています。
多要素認証はFIDO2によるパスワードレス認証、デバイス証明書認証、メールワンタイムパスワード、スマートフォンアプリ「IIJ SmartKey」などから選べます。Active Directoryのユーザー情報やグループ所属を自動で取り込み、グループ単位での認可制御も行えます。
料金は初期費用0円で、公式サイトでは1IDあたり月額SSOのみ120円、SSO+多要素認証240円(いずれも税抜)と案内されています。ただしIIJは2026年10月1日に対象サービスの15%値上げを告知しており(新規契約は2026年11月2日から適用)、最新の適用価格は問い合わせでの確認が確実です。
13. Gluegent Gate(サイオステクノロジー株式会社)

サイオステクノロジー株式会社が2011年から提供する、シングルサインオン・多要素認証・統合ID管理を備えたIDaaSです。1回のログインで連携済みの複数サービスを利用でき、累計25万ユーザーの導入実績があります。
多要素認証はOTP・ICカード・FIDO/FIDO2・生体認証などをサービスごとに組み合わせられます。人事システムと連携した自動プロビジョニングで退職者・異動者のアカウント削除漏れ(幽霊ID)を防ぎ、クライアント証明書による端末認証にも対応します。
料金は、接続単位で課金するConnects(月額100円)から、ユーザー単位でSSO連携数が無制限になるProfessional(月額250円)、上位のEnterprise・Unlimitedまで用途別に分かれます(いずれも税別、初期費用無料)。1ライセンス・1年単位から導入でき、部門単位の試験導入から全社の統合認証基盤まで段階的に広げられます。
14. OneLogin(One Identity LLC)

米国発のクラウド型ID管理サービス(IDaaS)で、2021年にID管理大手のOne Identityが買収しました。日本市場では複数の国内代理店を通じて販売・日本語サポートが提供されています。社員・顧客・パートナーのID管理を一元化し、SSO・多要素認証・アカウント管理の自動化を統合します。
Active Directory上のユーザーの追加・変更・削除を検出し、連携先クラウドのアカウントへリアルタイム〜15分以内に反映する自動プロビジョニングを備えます。機械学習でログインのリスクを評価するアダプティブ認証「SmartFactor Authentication」や、6,000以上の事前統合アプリ連携にも対応します。
料金は代理店によって体系が異なり、円建ての月額は要問い合わせです(30日間の無料評価版あり)。委任管理やAPIアクセス管理など大規模組織向けの機能も上位プランに用意されており、クラウドとオンプレミスが混在する環境のID基盤を探す企業に向いています。
15. Extic(エクスジェン・ネットワークス株式会社)

オンプレミス型の統合ID管理ツール「LDAP Manager」で培ったノウハウをクラウドサービス化した国産IDaaSです。ID管理専業ベンダーのエクスジェン・ネットワークス株式会社が提供し、統合ID管理とSSO・多要素認証を1つにまとめています。
人事情報を起点にしたID自動生成とライフサイクル管理を中核に、SAML 2.0によるSSO、TOTP・メールOTP・FIDO2(パスキー)による多要素認証を備えます。Active Directory・LDAP・データベースなど、オンプレミス資産とのID連携にも対応します。
料金は用途別にコースが分かれ、SSOとプロビジョニングを備えるStandardが1IDあたり月額300円から(税別、ID数で逓減)、公共・教育・GIGAスクール向けの低単価プランも用意されています。日本国内リージョンでの運用とISO/IEC 27001・27017認証を掲げ、横浜市教育委員会の28万人規模をはじめ100万以上のIDを管理しています。
ID・アクセス管理の対策を、ここで紹介したIDaaSだけでなく特権ID管理やゼロトラストの考え方まで広げて検討したい場合は、以下の記事で領域ごとの選び方を整理しています。
メール・Web/情報漏えい対策のサービス
メール・Web経由の脅威とデータの持ち出しを防ぐ領域の主なサービスです。
16. Eye“247” Work Smart Cloud(株式会社フーバーブレイン)

PCの操作ログを1分間隔で記録し、USBメモリへの書き込み制御や個人情報を含むファイルの検知によって、社内からの情報の持ち出しを防ぐクラウド型サービスです。印刷枚数の制限や利用禁止ソフトの制御、Webアクセス・クリップボード操作の監視など、端末を起点とした複数の漏えい経路に対応します。
導入実績は3,000社以上(2026年10月15日時点)です。初期費用とサポート費用は無料で、月額は契約台数に応じた1台あたりの従量制となっています(税別。5〜9台は1,100円、100台以上は400円)。14日間の無料トライアルも用意されています。
PC操作時間と勤怠打刻の乖離をチェックする機能やIT資産管理も同じ画面で扱えるため、情報漏えい対策とあわせて労務管理も進めたい企業に向きます。エンドポイントのマルウェア検知を加えたい場合は、別製品を組み合わせた「セキュリティワイドパック」も選べます。
17. Shadow Desktop(アップデータ株式会社)

アップデータ株式会社が提供する、PCをデータレス化して情報漏えいを防ぐ「データレスクライアント」製品です。デスクトップやドキュメントなどのユーザーデータをAmazon S3やMicrosoft 365といった外部ストレージへ自動的に退避し、PC本体にデータを残さない仕組みで、盗難・紛失時の漏えいリスクを下げます。
VDI(仮想デスクトップ基盤)と違ってOSやアプリは仮想化しないため、通常のPCと同じ操作感を保てる点が特徴です。ローカルに一時保存されるキャッシュはAES256bitで暗号化され、管理コンソールから紛失した端末のセッション遮断やデータ消去も行えます。
料金は1ユーザーあたり月額950円(税込1,045円)からで、基本機能のStandardと全オプションを含むPremiumの2プランがあります(公式価格表、2024年10月時点)。最大30日間の無料トライアルを経て、そのまま有償版へ移行できます。
18. FortiMail(Fortinet, Inc.)

スパムやマルウェア、フィッシング、BEC(ビジネスメール詐欺)、なりすましを対象に受信メールを検査するメールセキュリティ製品です。米Fortinet, Inc.が開発し、国内はフォーティネットジャパン合同会社と販売代理店が提供します。
受信側の防御だけでなく、送信メールのDLP(情報漏えい防止。500以上のデータパターン)と暗号化を同じ製品に備え、侵害された端末からの不正なメール送信も遮断します。アプライアンス・仮想アプライアンス・クラウド(Cloud HostedとMicrosoft 365・Google Workspace向けのCloud SaaS)という4つの提供形態から選べます。
第三者検証ではVirus BulletinのVBSpam比較レビュー(2024年6月)でスパム検知率99.96%と公式ページに記載があり、2025年のGartner Magic Quadrant for Email SecurityではChallengerに位置づけられています。料金は公開されておらず、課金単位(メールボックス/ユーザー/CPU・ドメイン単位)に応じた見積もりとなります。
19. Mimecast Advanced Email Security(Mimecast Limited)

URLの書き換えと再検査、添付ファイルのサンドボックス検査、表示名や送信元を分析するなりすまし検知を機能ごとに分けて備える、クラウド型のメールセキュリティです。提供元のMimecast Limitedは英国ロンドン発祥で、Microsoft 365やGoogle Workspace、オンプレミスのメール環境に対応します。
ゲートウェイ型とAPI型の両方の導入方式に対応し、利用者が報告したメールへ24時間365日体制でアナリストが対応するManaged Threat Responseも用意されています。全世界42,000組織以上が利用していると公表しています。
公式サイトは英語を中心に提供されており、日本語の公式サイトや国内の問い合わせ窓口は公式には確認できません。料金はCritical・Advanced・Premiumの3プランがあり、いずれも価格は非公開で問い合わせが必要です。
20. Proofpoint Core Email Protection(Proofpoint, Inc.)

BEC(ビジネスメール詐欺)や認証情報を狙うフィッシング、ランサムウェア、アカウント乗っ取りなど「人」を標的にした攻撃を、受信メールの段階で防ぐクラウド型のメールセキュリティです。米Proofpoint, Inc.が提供し、主名称は「Core Email Protection(CEP)」に変わりました(旧称 Proofpoint Email Protection)。
セキュアメールゲートウェイ(SEG)とAPI連携のいずれかを選んでMicrosoft 365やGoogle Workspaceに組み込めます。オプションのTAP(Targeted Attack Protection)では、添付ファイルやURLをサンドボックスで解析し、クリックのたびにリンク先を再検査します。攻撃を受けやすいユーザーを4要素・0〜1000のスコアで可視化するVAPも特徴です。
国内は日本プルーフポイント株式会社が製品・サポートを統括し、NRIセキュア・日立ソリューションズ・テクマトリックスなどの代理店経由での提供が中心です。料金は公式非公開で、代理店からの見積もりとなります。
21. ZENMU Virtual Drive(株式会社ZenmuTech)

暗号鍵でデータを守るのではなく、データを複数の断片に分割してPC内とクラウドに分散保管する「秘密分散」方式の情報漏えい対策ソリューションです。開発元の株式会社ZenmuTechは、独自技術「ZENMU-AONT」によって、PC単体では元データを復元できない「無意味化」した状態をつくります。
VDIに代わる「セキュアFATクライアント」として、PCのローカルリソースを使いながら端末にデータの全体像を残さない運用を実現します。盗難・紛失時はクラウド側の断片へのアクセスを停止して仮想ドライブを無効化でき、USBメモリやスマートフォンへ断片を同期しておけばオフラインでも利用できます。
フル機能のEnterprise Edition(ZEE)とVDI併用向けのLimited Edition(ZLE)の2エディションがあり、月額はZEEが1台あたり1,800円(税別・5ライセンスから)、ZLEが500円(税別)です。現行はWindows PC向けで、松井証券では協力会社向けの端末200台への導入によりVDIサーバの物理台数を30%削減したと公表しています。
22. Soliton SecureWorkspace(株式会社ソリトンシステムズ)

株式会社ソリトンシステムズが提供する、既存のWindows PCをそのままデータレス化するソフトウェアです。PC内に隔離領域を生成し、その中で業務アプリを動かすことで、作成・編集したファイルを端末本体に残さず、ログオフ時に読み書きしたデータを自動で消去します。
隔離領域で動くアプリの出入り口をカーネルレベルで監視し、クリップボードや印刷、ネットワーク接続を制御します。アプリ間のデータ受け渡しを監視する仕組みは特許(特許第6104447号)を取得しており、保護領域からローカルへのデータ流出経路を抑えます。画面転送型のVDIと異なりローカルでアプリが動くため、常時通信を必要とせずオフラインでも業務を続けられます。
対応OSはWindows 11(on ARMを除く)で、料金はユーザーライセンスが年額13,200円/ユーザー、クラウド型のサービスが月額1,000円/ユーザーからです。新しい端末を調達せず、今あるPCにインストールして始められるため、導入時の負担を抑えられます。
脆弱性診断・脅威の可視化のサービス
自社の弱点や攻撃の兆候を把握し、攻撃の糸口を減らす領域の主なサービスです。
23. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージは、株式会社SYNCHROが国産のセキュリティ技術をベースに提供する、予防・復旧・補償を一体化したサービスです。脆弱性診断の専業ツールではなく、弱点の発見から被害後の復旧・補償までを束ねている点が特徴で、本領域では予防にあたる脆弱性診断のコンポーネントが弱点の把握を担います。
脆弱性診断にあたる機能は、ネットワークの内部から月次(年12回)で社内の機器を検査し、検出した弱点とその対策案をレポートします。サーバーやネットワーク機器、複合機なども対象に含め、外部スキャンでは見つけにくい内部起点の問題を洗い出します。ただし対策の実装そのものは標準サービスの範囲外で、改善は利用企業が主体で進める伴走型です。
料金は1台あたり月額1,250円からで、100ノード以下であれば年額90万〜150万円が目安です(初期費用は要問い合わせ)。導入済みのUTM・EDR・NDRが正しく機能しているかを客観的に診断したい場合や、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中小企業の定期的なチェック手段として検討できます。
24. Darktrace(Darktrace Limited)

英国発のDarktraceは、あらかじめ定義した攻撃パターンではなく、自己学習型AIが導き出す組織ごとの正常な状態を基準に脅威を検知するソリューションです。英国のDarktrace Limitedが開発し、通常の通信や挙動からの逸脱を手がかりに、既知の攻撃だけでなく未知の脅威もリアルタイムでとらえます。
本領域で中心となるのは、ネットワーク上の通信を解析して異常を検知するNDR(ネットワーク検知・対応)です。検知したアラートはCyber AI Analystが自動で調査・優先度付けし、必要に応じてデバイスの隔離などの封じ込めを自律的に実行します。ネットワークを起点に、メール・クラウド・ID・端末まで横断して脅威を可視化する設計です。
中核のネットワーク製品は、Gartner Magic Quadrant(NDR部門)で2025・2026年の2年連続Leaderに選出されています(公式記載)。導入実績は全世界で約10,000社、国内でも240社超(2026年2月発表)とされ、料金は監視対象のデバイス数に応じた個別見積もりのため要問い合わせです。
25. Vectra AI(Vectra AI, Inc.)

膨大なセキュリティアラートの中から、いま対処すべき脅威を絞り込むことに重点を置いたNDR(ネットワーク検知・対応)製品がVectra AIです。米Vectra AI, Inc.が開発し、国内ではマクニカ株式会社が販売・サポートを担っています。
検知の中核を担う「Attack Signal Intelligence」は、150以上のAIモデルで攻撃者の振る舞いを分析します。正常な活動の自動分類、ネットワーク・ID・クラウドをまたいだ相関、緊急度のスコアリングを通じて、優先度の高い脅威を浮かび上がらせる仕組みです。シグネチャに頼らないため、端末間を移動するラテラルムーブメントのような動きも振る舞いから検知します。
対象範囲はオンプレミスからマルチクラウド、ID基盤、Microsoft 365、IoT/OTまで広がり、CrowdStrikeやMicrosoft Defenderなど他社のEDR・SIEMとも連携できます。導入実績はグローバルで2,000社超、国内では三菱電機や遠鉄グループなどが公表されています。料金は非公開で、トライアルを含め国内代理店のマクニカが窓口です。
自社の弱点を洗い出す脆弱性診断そのものを、診断方法や費用相場から比較・検討したい場合は、以下の記事で発注先の選び方まで解説しています。
まとめ
本記事では、セキュリティソリューションを守る対象・領域別に5つのタイプへ整理し、各領域が効く課題・代表的な対策技術・主なサービスと、選び方や機能・料金の比較を解説しました。
自社に必要な対策を見極めるうえで大切なのは、守りたい対象と既存対策の穴を起点に、着手する領域の優先順位を付けることです。攻撃の入口になりやすい端末・ネットワーク・IDの防御から固め、検知・対応・復旧の手段へ段階的に広げていく進め方が、限られた予算・人手でも実効性を保ちやすくなります。まずは自社のリスクが高い領域を一つ選び、各サービスの資料で具体的な機能や料金を比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. セキュリティソリューションとは何ですか?
A. セキュリティソリューションとは、サイバー攻撃や内部不正から企業の情報資産を守るための製品・サービスの総称です。守る対象(ネットワーク・端末・ID・メール・データなど)や防ぎたい脅威によって種類が分かれ、多くの企業は複数を組み合わせて使います。本記事では、守る対象を基準に5つの領域へ整理して解説しています。
Q. セキュリティソリューションにはどんな種類がありますか?
A. セキュリティソリューションは、守る対象で分けると「ネットワーク」「エンドポイント(端末)」「ID・アクセス管理/認証」「メール・Web/情報漏えい対策」「脆弱性診断・脅威の可視化」の5つの領域に大きく整理できます。各領域にUTMやEDR、IDaaSといった代表的な対策技術があり、自社が守りたい対象に当てはめて考えると、検討すべきソリューションを絞り込みやすくなります。
Q. EDR・UTM・SASE・IAM・DLPといった用語は何が違うのですか?
A. これらはいずれもセキュリティ技術の略称で、UTMとSASEはネットワーク、EDRは端末、IAM(ID・アクセス管理)はID、DLPは情報漏えい対策と、守る対象ごとに役割が分かれています。
UTM(統合脅威管理)はファイアウォールなど複数機能を1台に束ねる仕組み、EDR(検知・対応)は端末の不審な挙動を記録して対処する仕組み、DLP(情報漏えい防止)はデータの持ち出しを検知・制御する仕組みです。略語そのものより「どの対象を守る技術か」で整理すると、自社に必要なものを見分けやすくなります。
Q. 中小企業はセキュリティ対策を何から始めるべきですか?
A. 専任担当を置きにくい中小企業は、まず守るべき情報資産とリスクを棚卸しし、攻撃の入口になりやすい端末・ネットワーク・IDの防御から着手するのが現実的です。
すべての領域を一度にそろえる必要はなく、自社のリスクが高い入口から順に埋めていく進め方が、限られた予算・人手でも実効性を保ちやすくなります。自社の弱点が分からない場合は、脆弱性診断・脅威の可視化で現状を把握してから次の投資先を決める方法もあります。
Q. セキュリティソリューションは1製品ですべての脅威を防げますか?
A. セキュリティソリューションは、1製品だけで全領域の脅威を防ぐことは難しく、守る対象の異なる複数の対策を組み合わせるのが一般的です。近年はXDRやSASEのように複数領域を1つの基盤で扱う統合型の製品も増えていますが、それでも自社の弱点に合わせて領域を補い合う考え方が基本になります。まず優先度の高い領域から導入し、段階的に守備範囲を広げていくとよいでしょう。
Q. セキュリティソリューションは無料で始められますか?
A. 法人向けのセキュリティソリューションは有料のものが中心ですが、30日前後の無料トライアルや無料評価版を用意する製品が多く、契約前に機能を試せます。本記事で紹介したサービスにも、無料体験や無料トライアルを提供するものがあります。料金は月額のサブスクリプション型が主流で、ユーザー数・端末数や契約期間に応じて決まるため、具体的な費用は各社の資料や見積もりで確認するのが確実です。
Q. NIST CSF(サイバーセキュリティフレームワーク)とは何ですか?
A. NIST CSFとは、米国国立標準技術研究所(NIST)が公開する、セキュリティ対策の全体像を整理するための枠組みです。現行のNIST CSF 2.0は、対策を「統治(GOVERN)」「識別(IDENTIFY)」「防御(PROTECT)」「検知(DETECT)」「対応(RESPOND)」「復旧(RECOVER)」の6つの機能で整理しています。
国内のセキュリティ事業者も、全体像を示す基礎としてこの枠組みを採用しています。どのソリューションもこの6機能のいずれかの役割を担うため、何から着手するか優先順位を考える補助線として役立ちます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:The NIST Cybersecurity Framework (CSF) 2.0(NIST CSWP 29)|米国国立標準技術研究所(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/CSWP/NIST.CSWP.29.pdf)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















