「ログ管理をしておくように」と言われたものの、何をどこまでやればよいのか、具体的なイメージがわかないまま調べ始めた方は少なくありません。サーバーやパソコンには日々大量の記録が残りますが、ただ残っているだけでは、いざ内部不正や情報漏えいが起きたときに「誰が・いつ・何をしたか」を追えません。
ログ管理は、セキュリティ事故の調査や監査対応の土台になる一方で、取得するログの種類や管理方法を自社の目的に合わせて決める必要があります。何から手を付け、どのような基準でツールを選べばよいのでしょうか。
本記事では、ログ管理の基本から、ログの種類・管理の目的・具体的な管理方法(パソコンの操作ログとネットワークの通信記録という2つの系統)、そして自社で始める手順までを整理します。ログ管理を任された方が、自社に合った進め方を判断するための材料としてご活用ください。
目次
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ログ管理とは|「取得・保存・監視・分析」を一貫して行うこと
ログ管理とは、サーバーやパソコン、ネットワーク機器などに残る「いつ・誰が・何をしたか」の記録(ログ)を、取得・保存・監視・分析まで一貫して扱う取り組みです。ログを集めるだけでなく、必要なときに検索・調査できる状態に保ち、異常があれば気づける仕組みにして初めて、ログ管理として機能します。
ログ管理は、大きく次の4つの作業で構成されます。どれか1つが欠けても、いざというときに役立ちません。
- 取得:対象の機器・システムから、必要なログを漏れなく集める
- 保存:改ざんされない形で、定めた期間だけ安全に保管する
- 監視:不審な操作やアクセスを検知し、必要に応じて通知する
- 分析:事故や不正の調査、原因の特定にログを活用する

ログ・ログ収集・ログ管理の違い
「ログ」はシステムなどに残る個々の記録そのもの、「ログ収集」はそれらを集める作業、「ログ管理」は収集から保存・監視・分析・活用までを継続的に運用する取り組みを指します。混同されがちですが、収集はあくまでログ管理の入り口にすぎません。
監査や監視の目的で方針を決めて集める記録は、証跡と呼び分けられることがあります。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のガイドラインでは、ログは「システム等で取られる作業ログ」、証跡は「監査や監視のためにポリシーを決めて収集されるもの」と整理されています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:組織における内部不正防止ガイドライン 第5版(ログと証跡の定義)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(リンク)
ログ管理はなぜ必要か|目的別に見る「できないと何が困るか」
ここからは、ログ管理が必要とされる理由を、目的ごとに「もし記録がなければ何が困るか」という視点で見ていきます。ログ管理は、主に次の4つの目的を支えます。
内部不正・情報漏えいの検知と事後調査
退職予定者による重要データの持ち出しや、権限を悪用した情報の不正コピーは、ログが残っていなければ「誰が・いつ・どこへ」持ち出したのかを追えません。IPAは、ログ・証跡が保存されていない場合のリスクを次のように指摘しています。
ログ・証跡が保存されていないと、内部不正が発生した場合に(30)に述べる事後対応において、内部不正の原因特定及び内部不正者の追跡、影響範囲等の調査が困難になります。さらに、(25)に述べる処罰等の根拠や、法的紛争や訴訟になった場合の証拠として認められない場合があります。
出典:組織における内部不正防止ガイドライン 第5版(18 情報システムにおけるログ・証跡の記録と保存)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(文中の(30)は事後対策、(25)は処罰を指す)
このように、ログは不正の抑止力であると同時に、問題が起きた後に原因を突き止め、処分や法的対応の根拠を示すための客観的な証拠になります。
サイバー攻撃の早期発見と被害の最小化
外部からの攻撃や不正侵入は、完全に防ぎきることが難しくなっています。だからこそ、侵入の兆候や不審な通信にいかに早く気づき、被害を広げないかが重要です。その鍵を握るのがログですが、JPCERTコーディネーションセンターは、実態として次のような課題があると指摘しています。
インシデント対応におけるログの重要性は多くの人が理解しており、ログの採取も多くの組織で行われている。しかし、運用の中で実際にログを分析調査している組織は稀であり、ログが広く活用されているとは言い難いのが実態であろう。また、インシデントが発生して専門家が調査に入っても、鍵を握るログが採取されていなかったために、十分な解明に到らなかった例も少なからずある。
出典:高度サイバー攻撃への対処におけるログの活用と分析方法 1.2版|JPCERTコーディネーションセンター
ログは「採って終わり」では意味がありません。必要なログを取得し、分析できる状態にしておくことで、攻撃の早期発見と被害範囲の特定につながります。
IT統制・監査やガイドラインへの対応
上場企業やその取引先では、内部統制やセキュリティ監査の一環として、アクセス履歴や操作履歴の記録・保存を求められる場面があります。IPAのガイドラインでも、内部不正対策の体制を整えることが「個人情報保護及び内部統制強化、企業に対する法的要請等にも対応できることになります」と位置づけられています。ログ管理は、こうした要請に応えるための基盤になります。
出典・参考資料(2件)
システム障害の原因究明とトラブルシューティング
エラーログやイベントログは、システム障害が起きたときに原因を切り分けるための手がかりになります。いつ・どの処理でエラーが発生したかを記録しておくことで、復旧の迅速化や再発防止につながります。アクセス解析によるマーケティングへの活用といった副次的な使い道もありますが、まずはセキュリティと安定運用が主な目的と考えておくとよいでしょう。
ログ管理で防げること・得られること
ここまでの目的は、ログ管理が果たす3つの働きに整理できます。目的ごとの説明と重ねて、自社にとっての価値を捉える視点として整理しておきましょう。
- 事前の抑止:操作やアクセスが記録・監視されていること自体が、内部不正や不審な行動への抑止力になります
- 事後の調査・証拠:問題が起きたとき、原因と影響範囲を追跡でき、処分や監査・法的対応の客観的な証拠として使えます
- 継続的な改善:攻撃や障害の傾向を分析し、再発防止やシステムの安定運用につなげられます
ログ管理のデメリットと注意点
ログ管理には多くの利点がある一方で、始める前に知っておきたい注意点もあります。メリットだけで判断せず、次の点も踏まえて検討するとよいでしょう。
- コストがかかる:ツールの導入・運用費用に加え、ログの保存容量に応じたコストや、確認・分析の運用工数も見込む必要があります
- ログ管理だけでは万全ではない:ログは異常の検知・調査に役立ちますが、攻撃そのものを防ぐわけではありません。侵入や感染を防ぐ対策と組み合わせることが前提です
- 従業員のプライバシーへの配慮:操作ログの取得は従業員の行動を記録するため、取得の目的や範囲を社内規程で明確にし、適切に周知しておくことが望まれます
ログ管理は、外部からの侵入やマルウェア感染を防ぐ対策、情報の持ち出しを防ぐ対策などと組み合わせて、はじめてセキュリティの備えとして機能します。守りたい対象ごとにどのような社内セキュリティ対策があるかは、以下の記事でタイプ別に整理しています。
ログの種類と、それぞれ何が分かるか
ここからは、代表的なログの種類と、それぞれ何が記録され、何が分かるのかを整理します。ひとくちにログといっても種類は多く、目的に応じて取得すべきログは変わります。
| ログの種類 | 記録される内容 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 操作ログ | ファイル操作・アプリ利用などの端末操作 | 誰がどのデータを閲覧・コピー・削除したか |
| 認証ログ | ログイン・ログアウト、認証の成否 | 不正なログイン試行やなりすましの兆候 |
| アクセスログ | サーバーやファイルへのアクセス履歴 | 重要データへ誰がいつアクセスしたか |
| 通信ログ | ネットワークの送受信・接続先 | 外部への不審な通信や情報の持ち出し |
| イベントログ | OSやシステムの動作・状態変化 | システムの起動・停止や異常の発生状況 |
| 設定変更ログ | アカウント・権限・システム設定の変更 | 不正な権限昇格や設定の改ざんの痕跡 |
| 印刷ログ | 印刷の日時・文書名・枚数 | 紙媒体による情報の持ち出し |
| USB・外部媒体ログ | 外部記憶装置の接続・書き込み | USBメモリ経由のデータ持ち出し |
| エラーログ | システムやアプリのエラー・警告 | 障害の発生箇所と原因の手がかり |
たとえば、退職を控えた従業員が通常業務ではありえない量のファイルをダウンロードしていれば、操作ログやアクセスログにその痕跡が残ります。深夜帯の不審なログインは認証ログで、外部への大量送信は通信ログで気づけます。どのリスクに備えたいかによって、重点的に取得すべきログが決まります。
ログの管理方法|手作業の限界と、PC操作ログ・ネットワーク通信記録の2系統
ここからは、実際にログをどう管理するかを見ていきます。ログ管理には「何を使って管理するか」と「どの範囲のログを対象にするか」という2つの観点があります。
手作業でのログ管理の限界
OSやアプリの標準機能でも、ログ自体は取得できます。しかし、機器ごとに分散したログファイルを人手で集め、必要な記録を探し出すのは現実的ではありません。ログは日々膨大に増えるうえ、保存場所がばらばらだと横断的な検索ができず、改ざんや消去のリスクも残ります。
前述のJPCERTの指摘のとおり、ログを採取していても分析まで手が回らず、いざという時に活用できないケースは少なくありません。手作業の運用では「取っただけ」で終わりやすく、専用ツールによる一元管理が現実的な選択肢になります。
専用ツールでできること(取得・保存・監視・分析の一元化)
ログ管理ツールを導入すると、複数の機器のログを自動で収集し、改ざんされにくい形で一元的に保存できます。あらかじめ条件を決めておけば、不審な操作やアクセスを検知して通知し、必要なときにキーワードや期間で横断検索して調査できます。こうした一連の作業を、人手に頼らず継続して回せるのが専用ツールの価値です。
PC操作ログとネットワーク通信記録、どちらを・なぜ選ぶか
ログ管理の対象は、大きく「パソコン端末の操作ログ」と「サーバー・ネットワークの通信/アクセスログ」の2つの系統に分けられます。何を守りたいかによって、重点を置くべき系統が変わります。
| 系統 | 主に記録する対象 | 向いている課題 |
|---|---|---|
| PC操作ログ型 | 社員が使う端末の操作・ファイル・USB・印刷などの履歴 | 従業員による内部不正・情報持ち出しの抑止と調査、労務の可視化 |
| サーバー・ネットワーク通信記録型 | サーバーへのアクセス履歴や、社内ネットワークを流れる通信の記録(通信の全量記録=フルパケットキャプチャもその一形態) | 重要データへのアクセス追跡、外部からの侵入・不審な通信の検知と事後のフォレンジック調査 |
従業員による内部不正や情報の持ち出しへの備えを重視するならPC操作ログ型、サーバー上の重要データへのアクセス追跡や、外部からの攻撃・侵入後の通信を追跡したいならサーバー・ネットワーク通信記録型が軸になります。先に挙げたサーバーへのアクセスログ(誰がいつ重要データにアクセスしたか)は、後者の系統で扱います。どちらか一方だけでなく、自社のリスクに応じて組み合わせる考え方もあります。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のガイドラインでも、端末のアクセス・操作履歴に加えて、組織内部から外部への通信履歴の取得を検討することが望ましいとされています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:組織における内部不正防止ガイドライン 第5版(18 情報システムにおけるログ・証跡の記録と保存)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(リンク)
ログ管理には、サーバーやアプリケーションのログを集約してシステムの運用監視・障害対応に役立てる使い方(統合ログ管理)もあります。本記事では、社内のセキュリティを守るという観点から代表的な2系統を中心に解説しています。
ログ管理の始め方とツール選びのポイント
ここからは、自社でログ管理を始めるための進め方と、ツールを選ぶ際に確認したい点を整理します。専任の担当者がいない場合でも、順を追って進めれば無理なく始められます。
自社でログ管理を始める手順
- 目的を明確にする:内部不正対策か、外部攻撃対策か、監査対応かによって必要なログが変わります
- 取得対象を決める:守りたい情報や端末・ネットワークを洗い出し、どのログを取得するか決めます
- 保存期間とルールを定める:目的と容量・コストを踏まえ、保存期間や閲覧権限を決めます
- 運用体制を整える:誰が・どの頻度でログを確認し、異常時にどう動くかを決めておきます

何から手を付けるか迷ったら、まず「守りたい情報」と「それが保存されている端末・サーバー」を書き出すところから始めると、取得すべきログが具体的に見えてきます。
ツール選定で見るべき点
ログ管理ツールは製品によって得意分野が異なります。次の観点を自社の目的に当てはめて比較すると、判断しやすくなります。
- 取得できるログの範囲:自社が必要とするログ(操作・通信など)に対応しているか
- 検索・分析のしやすさ:膨大なログから必要な記録を素早く探し出せるか
- 監視・アラート機能:不審な操作や通信を自動で検知・通知できるか
- 保存容量とコスト:必要な保存期間を満たせるか、運用コストは見合うか
- コンプライアンス対応:監査や社内規程に必要な証跡を残せるか
保存期間については、一律の正解はありません。IPAも「ログ・証跡の保存期間は、リスクとコストのバランスによって決定します」としており、自社の目的と扱うログ量に応じて決めるのが基本です。実務上の目安は後述のよくある質問でも触れます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:組織における内部不正防止ガイドライン 第5版(18 対策のポイント)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(リンク)
ログ管理を担うソリューション
ここからは、先に整理した2つの系統それぞれについて、代表的なソリューションを1つずつ紹介します。ログ管理に使える製品は数多くありますが、ここでは系統ごとの違いをつかめるよう代表例を取り上げます。
より多くの製品を横断的に比べたい場合は、記事末尾で紹介する比較記事もあわせてご覧ください。自社が優先したい課題に合わせて、各サービスの資料は以下からまとめて請求できます。
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| サービス名 | Eye"247" Work Smart Cloud | Network Blackbox |
|---|---|---|
| 記録する対象(系統) | PC操作ログ型 (パソコン端末の操作) | サーバー・ネットワーク通信記録型 (NDR/全パケット) |
| 主な記録・活用内容 | 作業ログ(1分間隔)・Web閲覧・ファイル操作・印刷・USB使用履歴などを記録。ダッシュボードで可視化し、情報漏えい対策と労務の可視化に活用 | 社内ネットワークを流れる全パケットを収集・保存。検知・ハンティング・フォレンジックに活用し、通信を遡って調査できる |
| 提供形態 | クラウド型(SaaS) サーバー不要 | ミラーリング方式で導入 (既存ネットワークへの影響を抑制) |
| 向いている課題 | 従業員による内部不正・情報持ち出しの抑止と調査、労務の可視化 | 外部からの侵入・不審な通信の検知と、事後のフォレンジック調査 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
1. Eye”247″ Work Smart Cloud(株式会社フーバーブレイン)

Eye”247″ Work Smart Cloudは、パソコンの操作ログから「誰が・いつ・どこで・何を操作したか」を記録・可視化するクラウド型のサービスです。株式会社フーバーブレインが提供し、導入実績は3,000社以上(2026年10月15日現在)とされています。PC操作ログ型のログ管理を軸に、情報漏えい対策から労務の可視化までを1つのツールでカバーできる点が特徴です。
記録できるログは、作業内容を1分間隔で取得する操作ログのほか、Web閲覧履歴・ファイル操作・印刷・USBの使用履歴・クリップボード操作など多岐にわたります。収集したログはダッシュボードで可視化でき、PCの稼働時間と勤怠打刻の乖離をチェックする機能も備えます。クライアント端末の情報を自動収集するIT資産管理機能も含まれ、内部不正対策と労務管理を両立しやすい設計です。
料金は初期費用が無料で、月額は契約台数に応じた1台あたりの従量制です。5〜9台は1台あたり月額1,100円から、100台以上は400円まで下がります(いずれも税別、最低契約は5台)。14日間の無料トライアルも用意されています。
2. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

株式会社クワッドマイナージャパンが提供するNetwork Blackboxは、社内ネットワークを流れる全パケットを収集・保存し、脅威を可視化・分析するNDR(Network Detection and Response:ネットワーク検知・対応)製品です。フルパケットキャプチャ(通信データの全量取得)を基盤とする点が、PC操作ログ型とは異なる大きな特徴です。
イベントの記録だけでなく通信そのものを保存するため、後からパケットやファイルを再構築し、いつ・どのような通信が行われたかを詳細にたどれます。
収集(キャプチャ)・検知・ハンティング(脅威の能動的な探索)・フォレンジック(事後の証跡調査)・対応という5つの機能を1製品に備え、攻撃の手口を体系化したMITRE ATT&CKに基づく脅威ハンティングにも対応します。ミラーリング方式で導入するため、既存ネットワークへの影響を抑えやすい設計です。
外部からの侵入や不審な通信を検知し、インシデント発生後に通信を遡って調査したい企業に向いています。料金は公開されておらず要問い合わせですが、公式サイトからデモの申し込みが可能です。EDRやSIEMなど他のセキュリティ製品との連携も想定されています。
まとめ
ログ管理とは、機器やシステムに残る記録を取得・保存・監視・分析まで一貫して扱い、必要なときに調査・活用できる状態に保つ取り組みです。内部不正や情報漏えいの検知と事後調査、サイバー攻撃の早期発見、監査・IT統制への対応といった目的を支える、セキュリティの土台になります。
自社で始める際は、目的を明確にして取得対象と保存期間を決め、運用体制まで整えることが大切です。管理方法はPC操作ログと、サーバー・ネットワークの通信記録の2系統があり、守りたい対象に応じて選ぶ、あるいは組み合わせて考えます。まずは自社の課題に近い系統のソリューションから、資料で具体的な機能や費用を比べてみてください。
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選定の観点をもとに、実際のログ管理システムを製品ごとに比べたい場合は、主な製品の種類や選び方をまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。
ログ管理のよくある質問(FAQ)
Q. ログ管理とは何ですか?
A. ログ管理とは、機器やシステムに残る「いつ・誰が・何をしたか」の記録を、取得・保存・監視・分析まで一貫して扱う取り組みです。ログを集めるだけでなく、必要なときに検索・調査でき、異常があれば気づける状態に保つことで、内部不正や情報漏えいの検知、監査対応などの土台になります。
Q. ログはどれくらいの期間保存すればよいですか?
A. ログの保存期間に一律の正解はなく、自社のリスクとコスト、目的に応じて決めるのが基本です。IPAも「ログ・証跡の保存期間は、リスクとコストのバランスによって決定します」としています。
実務上の目安としては、JPCERT/CCがインシデント対応の経験から参考値として1年分の保存を推奨しています。同センターの資料では、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)による1年以上の推奨や、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)が監査証跡に求める保持期間(即時参照できる形で3か月・合計1年)も紹介されています。
これらを踏まえ、守りたい情報の重要度や監査要件に合わせて決めるとよいでしょう。
出典・参考資料(2件)
Q. OSの標準機能で取得できるログだけでログ管理はできますか?
A. OSやアプリの標準機能でもログ自体は取得できますが、それだけで実用的なログ管理を続けるのは困難です。ログは機器ごとに分散して日々膨大に増えるため、人手では必要な記録を横断的に探し出せず、改ざんや消去のリスクも残ります。複数機器のログを自動で集約し、検索・監視・分析まで継続して行うには、専用ツールによる一元管理が現実的な選択肢になります。
Q. PC操作ログとネットワーク通信記録は、両方とも取得すべきですか?
A. 必ずしも両方を同時に始める必要はなく、自社が優先したいリスクに近い系統から取得するのが現実的です。従業員による内部不正や情報の持ち出しに備えたいならPC操作ログ型、サーバー上の重要データへのアクセス追跡や外部からの侵入・不審な通信の調査を重視するならサーバー・ネットワーク通信記録型が軸になります。
守るべき対象が両方にまたがる場合は、優先度の高い系統から始めて段階的に組み合わせていく考え方もあります。
Q. 従業員にログを取得していることを伝える必要はありますか?
A. ログの取得そのものを一律に禁じる法律はありませんが、取得の目的や範囲を社内規程で定めて従業員に周知しておくことが望まれます。操作ログは従業員の行動を記録するため、プライバシーへの配慮と、取得目的の明確化・事前の周知によって、運用上のトラブルを避けやすくなります。就業規則やセキュリティポリシーに位置づけておくと、監査対応の面でも説明しやすくなります。
Q. ログ管理ツールは導入すればすぐに効果が出ますか?
A. ツールの導入だけで効果が出るわけではなく、取得したログを定期的に確認・分析し、異常時に動ける運用を整えて初めて効果につながります。JPCERT/CCも、ログを採取していても分析まで行う組織は少なく、いざという時に活用できていない実態を指摘しています。誰が・どの頻度でログを確認し、アラートにどう対応するかまで決めておくことが、形だけの導入を避ける鍵になります。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















