ファクタリングを申し込む前に、複数の会社から見積もりを取って比べたい。そう考えたとき、「同じ売掛金を何社にも見せてよいのか」「二重譲渡という違法行為になってしまわないか」「1社に絞らずに相談するのは失礼ではないか」と、手が止まる場面があります。
結論から言えば、ファクタリングで相見積もり(複数の会社から見積もりを取ること)をすること自体に問題はありません。違法になるのは、同じ売掛債権を複数の会社に売却してしまう「二重譲渡」であり、見積もりを取る段階と、実際に債権を売る段階はまったく別の行為です。この違いを押さえれば、安心して複数社を比較できます。
この記事では、相見積もりが合法である理由を先に示したうえで、何社に・いつから・どう取るのが損をしないか、比較すべき項目、手数料をどこまで下げられるか、そして選ばなかった会社への断り方までを整理します。実際に見積もりを依頼できる会社も紹介します。
目次
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ファクタリングの相見積もりは合法?【結論】
まず、多くの人が最初に不安に感じる「複数社に見積もりを出してよいのか」という点に、先に結論をお答えします。
複数のファクタリング会社に見積もりを依頼する相見積もりは、合法で問題ありません。見積もりは「この売掛債権をいくらで買い取れるか」を各社に尋ねる行為であり、この段階では債権はまだどこにも売っていません。違法になるのは、同じ売掛債権を2社以上に実際に売却してしまう「二重譲渡」です。見積もりを取る段階と、契約して債権を売る段階は切り離して考えます。
相見積もりと「二重譲渡」の違い
相見積もりと二重譲渡は、行為の中身がまったく異なります。相見積もりは複数社に見積もりを依頼して条件を比べることで、売却先は最終的に1社だけです。一方の二重譲渡は、すでに1社へ売却した売掛債権を、まだ売っていないかのように装って別の会社にも売る行為を指します。
この二重譲渡は、状況によっては犯罪に問われます。売却済みの債権を「未売却だ」と偽って代金を受け取れば、人を欺いて財物を交付させたことになり、詐欺罪に該当しうるためです。
(詐欺)
出典:刑法 第246条|e-Gov法令検索
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
二重譲渡は、事案の内容によっては横領罪(刑法第252条、業務上の場合は第253条)に問われることもあります。いずれにしても、複数社から見積もりを取るだけでは、こうした罪に問われる要素はありません。売却する相手を1社に絞れば、相見積もりは安全に行えます。
出典・参考資料(1件)
債権譲渡登記が二重譲渡を防ぐ仕組み
そもそも、同じ債権が二重に売られたとき、どちらの会社が優先されるのでしょうか。この優劣は、民法が定める「対抗要件」を先に備えたかどうかで決まります。
(債権の譲渡の対抗要件)
出典:民法 第467条|e-Gov法令検索
第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
取引先(売掛先)に知らせずに契約する2社間ファクタリングでは、この通知の代わりに「債権譲渡登記」を使うことがあります。法務省は、この制度を次のように説明しています。
債権譲渡登記制度は、法人がする金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えるための制度です。
出典:債権譲渡登記制度の概要|法務省
債権譲渡登記をすることにより、債務者以外の第三者との関係で、民法上の確定日付ある証書による通知があったものとみなされます。
登記をすれば、その債権が誰に譲渡されたかが公的な記録に残ります。後から同じ債権を別の会社に売ろうとしても、先に登記した会社が第三者に対して権利を主張できるため、ファクタリング会社は二重譲渡を検知・けん制できます。
ただし登記の対象は法人が行う金銭債権の譲渡に限られ、登記だけで債務者(売掛先)に権利を主張できるわけではない点には注意が必要です。相見積もりを取る側にとって大切なのは、正しく1社に売れば、この仕組みの中で問題は起きないという点です。
出典・参考資料(2件)
二重譲渡のように利用者側が罪に問われる行為や、悪質な業者が使う手口をもう少し詳しく知っておきたい場合は、次の記事が参考になります。
相見積もりをするメリット
ここからは、なぜ手間をかけてでも相見積もりを取ったほうがよいのか、その理由を整理します。ファクタリングは会社ごとに手数料や条件の差が大きく、1社だけの見積もりでは、その条件が自社にとって妥当かどうかを判断できません。
第一に、手数料の相場感がつかめます。ファクタリングの手数料は会社ごとに幅があり、同じ売掛債権でも提示される金額が変わります。複数社の見積もりを並べれば、自社の債権にとって妥当な水準が見えてきます。
第二に、条件交渉を有利に進めやすくなります。他社の見積もりがあれば、より良い条件を提示した会社を選べます。会社側も他社と比較されていることを踏まえて条件を検討するため、1社としか話していない場合より納得のいく契約に近づきます。
第三に、悪質な業者を避けやすくなります。相場からかけ離れて高い手数料を提示する会社や、契約内容の説明が不透明な会社は、複数社を比べる過程で違和感に気づけます。ファクタリングを装った実質的な貸付けを行う業者も存在するため、比較は身を守る手段にもなります。
損しない相見積もりの取り方(何社に・いつから・どう取るか)
ここでは、相見積もりで損をしないための取り方を、社数とスケジュール、依頼の仕方、契約までの流れに分けて説明します。
相見積もりは何社に・いつから取るのが目安?
相見積もりを取る会社数に法的な決まりはありませんが、実務上は3社から5社程度が一つの目安です。1社や2社では比較材料が少なく、多すぎるとやり取りの負担が増えて資金化までの時間もかかります。手数料や入金スピード、対応の丁寧さを比べるには、3社前後を軸にするとバランスが取りやすくなります。
スケジュールにも余裕を持たせます。資金が必要な期日の直前になってから動くと、条件を十分に比べる前に、間に合う1社で決めざるを得なくなります。少なくとも数週間から1〜2か月前を目安に見積もり依頼を始めると、複数社をじっくり比較できます。ただし、これらの社数や期間はあくまで実務上の目安であり、公的な基準として定められたものではありません。
同一条件で・利用目的を明確にして依頼する
見積もりを比べるときは、各社に同じ条件を伝えることが欠かせません。売掛債権の金額、支払期日、売掛先の属性、希望する入金時期などをそろえて依頼すれば、返ってきた見積もりを同じ土俵で比較できます。会社ごとに伝える情報が違うと、手数料の差が条件の違いによるものか会社の違いによるものか分からなくなります。
あわせて、自社が何を優先したいのかをはっきりさせておきます。手数料の安さを最優先するのか、入金スピードを重視するのか、取引先に知られたくないのかによって、選ぶべき会社は変わります。優先順位が定まっていれば、見積もりが出そろったときの判断が早くなります。
相見積もりから契約・入金までの流れ
相見積もりから資金化までは、おおむね次の順で進みます。まず候補となる会社に申し込み、売掛債権の情報を伝えて見積もりを受け取ります。次に、請求書や通帳の写しなどの必要書類を提出して審査を受けます。提示された条件を各社で比較し、契約する1社を決めたら、その会社とだけ契約を結び、入金を受けます。
この流れの中で複数社に依頼するのは、見積もりと審査の段階までです。契約は1社に絞り、選んだ会社以外とは契約に進みません。ここを徹底すれば、二重譲渡の心配なく相見積もりを活用できます。
複数社に申し込むと、同じ請求書や通帳の写しを何社にも提出することになります。あらかじめ必要書類をそろえておくとやり取りがスムーズです。法人・個人事業主それぞれで用意する書類と取得方法は、次の記事で確認できます。
相見積もりで比較すべき項目
見積もりが出そろったら、金額だけでなく次の項目を横並びで確認しましょう。手数料の安さだけで選ぶと、他の条件で不利になることがあるためです。
手数料率は、買い取り時に差し引かれる割合です。契約方式によって水準が変わり、後述のとおり会社ごとの差も大きいため、複数社で必ず比べます。
掛け目(買取率)は、売掛債権の額面に対して実際にいくら受け取れるかの割合で、額面どおり受け取れないケースもあります。たとえば掛け目90%なら、額面100万円の売掛債権で受け取れる目安は90万円という計算です(ここからさらに手数料が差し引かれる場合もあります)。同じ手数料率でも掛け目が低いと手取りは減るため、手数料率とあわせて確認するとよいでしょう。
入金までのスピードは、申し込みから資金を受け取るまでの日数です。即日対応の会社もあれば数日かかる会社もあり、急ぎの場合は重要な軸になります。償還請求権の有無も確認しておきたい軸です。償還請求権のない契約(ノンリコース)であれば、万一売掛先が倒産して回収できなくなっても、利用者が買い戻しや返済を求められることはありません。
契約方式は、売掛先に知らせない2社間か、売掛先の承諾を得る3社間かの違いです。2社間は取引先に知られませんが手数料は高めになりやすく、3社間は手数料が低めになりやすい傾向があります。最後に債権譲渡登記の要否です。登記を求める会社と、登記を留保できる会社があり、登記には費用がかかるため、必要かどうかを見積もり時に確認しておきましょう。
取引先に知られたくないという理由で2社間を選ぶ場合は、どのような経路で取引先に知られる可能性があるのか、2社間と3社間の違いとあわせて次の記事で確認できます。
相見積もりで手数料はどれだけ下がる?
相見積もりの効果が最も表れやすいのが手数料です。ファクタリングの手数料には、貸付けのような法律上の上限がありません。金融庁は、ファクタリングの位置づけを次のように説明しています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
出典:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁
ファクタリングは貸付けではなく債権の売買であるため、貸金業に課される利息制限法や出資法の上限金利の枠組みには乗りません。上限が法律で決まっていないぶん、手数料は会社ごとに大きく開きます。一般的な傾向として、取引先の承諾を得る3社間は手数料が低めに、承諾を得ない2社間は高めになりやすい点も、比較の際の目安になります。
手元に判断の物差しを持つために、この記事で紹介する各社が公式に開示している手数料を並べると、3社間はおおむね1〜2%程度から、2社間は上限で9.5〜10%前後までと幅があります。これは市場全体の相場ではなく各社が示す水準ですが、返ってきた見積もりがこの幅の中で高いのか低いのかを判断する手がかりになります。実際にどの数字が当てはまるかは、売掛先の信用力や債権額によって変わります。
手数料が契約方式や利用者の状況によってどう変わるのかは、ファクタリングを手がける事業者の説明からも見て取れます。
大きくは契約形態で変わります。取引先からの承諾が貰える契約であれば1.2%から、承諾がもらえない契約ですと目安として5%からとなっています。但し売掛金の内容によっては手数料や買取率が下回る事や上回る事もございます。さらに、お客様の状態として税金滞納の有無なども影響するので、結果として手数料に差が出ます。
複数社の見積もりを並べれば、自社の売掛債権にとって妥当な水準が見え、より低い手数料を提示した会社を選べます。相見積もりで手数料が何%下がるかを一律に示すことはできませんが、比較の基準を手元に持てること自体が、1社だけで決めるよりも有利な条件につながります。最終的には、出そろった見積もりを見比べて判断します。
出典・参考資料(1件)
相見積もりの注意点とマナー
相見積もりを気持ちよく進め、トラブルを避けるために、いくつか押さえておきたい点があります。前提として、売却する相手は最後まで1社に絞ります。
また、見積もりはあくまで検討のための依頼です。見積もりを取っただけで契約が自動的に進むわけではありませんが、会社によっては審査後にそのまま契約手続きへ案内される場合があります。契約の意思が固まっていない段階では、「まずは見積もりを確認したい」と伝え、手続きが勝手に進まないようにしておきましょう。
担当者に対して高圧的な態度を取らず、必要な情報を誠実にやり取りする姿勢も、結果的にスムーズな取引につながります。
選ばなかった会社の断り方・複数社であることの伝え方
相見積もりを取ることは、あらかじめ各社に伝えて構いません。「複数社で比較検討している」と最初に伝えておけば、会社側も条件を踏まえて見積もりを出しやすくなり、後で断る際も切り出しやすくなります。隠す必要はなく、正直に比較していると伝えるほうが円滑です。
契約先が決まったら、選ばなかった会社にはできるだけ早く連絡しましょう。「今回は他社と契約することになりました。ご対応ありがとうございました」と、簡潔にお礼を添えて伝えれば十分です。
理由を細かく説明する義務はありませんが、丁寧に断っておけば、将来また別の債権で相談したいときにも関係を保てます。連絡せずに放置すると、審査を進めていた会社に手間をかけさせることになるため、結果は早めに伝えるのが望ましいでしょう。
偽装ファクタリング・給与ファクタリングに注意
相見積もりで複数社を比べる過程は、悪質な業者を見抜く機会にもなります。ファクタリングを装いながら、実態は高金利の貸付けを行う「偽装ファクタリング」が確認されているためです。金融庁は次のように注意を促しています。
しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。
出典:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁
契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」と書かれていても、売主が債権を買い戻すことが条件になっていたり、売主自身の資金で支払わなければならない形になっていたりすると、実質は貸付けとみなされる場合があります。相見積もりで複数社の契約条件を見比べれば、こうした不自然な条件に気づきやすくなります。
また、事業用の売掛債権ではなく、個人の給与を対象にした「給与ファクタリング」は、そもそも利用してはいけません。金融庁は、給与ファクタリングを貸金業に該当すると明示しています。
いわゆる「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。
出典:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!|金融庁
無登録で貸金業を営む行為は刑事罰の対象です。事業者が相見積もりで比較すべきは、売掛債権を買い取る正規の買取型ファクタリングであり、給与を対象とする業者や、買い戻しを求める業者は候補から外すのが安全です。
出典・参考資料(2件)
偽装ファクタリングや闇金業者をより確実に見分けたい場合は、違法性を判断する基準や具体的な手口、困ったときの相談先を次の記事でまとめています。
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見積もりを取る候補となるファクタリング会社
ここからは、実際に相見積もりを依頼する候補として、条件の異なるファクタリング会社を紹介します。手数料の水準、対応できる金額、審査の柔軟さ、法人向けか個人事業主向けかといった軸が異なる会社を並べると、比較の効果が高まります。まずは各社の特徴を一覧で確認してください。
| サービス名 | ビートレーディング | PAYTODAY | Mentor Capital | 入金前払いシステム(JTC) |
|---|---|---|---|---|
| 手数料 | 2社間 4%〜 3社間 2%〜 | 1%〜9.5% (2社間) | 2%〜 (2社間・3社間別は非公開) | 3社間(承諾あり)1.2%〜 2社間(非通知)5%〜 (上限10%程度) |
| 掛け目・買取率 | 最大98% | 要お問い合わせ | 最大98% | 要お問い合わせ |
| 入金スピード | 最短即日 (審査最短10分) | 最短即日 (最短30分着金) | 最短即日 (審査結果最短30分) | 最短即日 |
| 買取可能額 | 1万円〜7億円 (買取実績。上限の制限なし) | 10万円〜上限なし | 上限1億円 (下限は要お問い合わせ) | 100万円〜 (上限は売掛金額内) |
| 契約方式 | 2社間・3社間 | 2社間 | 2社間・3社間 | 2社間・3社間 |
| 対応(法人・個人事業主) | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人中心 (個人事業主は3社間のみ) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※上記は2026年9月時点で各社の公式サイト・独自インタビューをもとに整理したものです。手数料や買取条件は売掛債権の内容や契約方式によって変わり、「要お問い合わせ」は公式サイトで数値が開示されていない項目です。最新の条件と適用可否は各社の資料・公式情報でご確認ください。
1. ビートレーディング(株式会社ビートレーディング)

ビートレーディングは、東京本社に加えて仙台・名古屋・大阪・福岡に拠点を持つ、全国対応の買取型ファクタリング専業会社です。手数料は2社間で4%から、3社間で2%からと公式に開示しており、相見積もりで水準を比べる際の基準にしやすい会社です。
買取金額は1万円から7億円までの実績があり、少額から高額まで幅広く対応します。売掛先が倒産しても返還義務が生じないノンリコース契約で、法人・個人事業主のどちらも利用できます。2026年4月には中小企業等経営強化法にもとづく経営革新等支援機関の認定を受けています。
2. PAYTODAY(Dual Life Partners株式会社)

PAYTODAYは、申し込みから資金化までをオンラインで完結できる、AI審査型のファクタリングサービスです。面談や来店が不要で、手数料は1%から9.5%と上限まで公式に明示されている点が、条件を見比べたい利用者にとって分かりやすい特徴です。
初期費用と月額費用はかからず、費用は手数料のみです。買取金額の下限が10万円と低いため、少額の売掛債権を早く現金化したい場面にも向きます。個人事業主やフリーランスの利用にも対応しています。
3. Mentor Capital(株式会社Mentor Capital)

赤字や債務超過といった状況でも相談を受け付ける方針を公式に示しているのが、買取型ファクタリング会社のMentor Capitalです。他社で断られた事業者が相見積もりの候補に加えやすく、審査の柔軟さを強みに掲げています。手数料は2%からで、償還請求権のないノンリコース契約に対応します。
買取金額は最大1億円まで対応します。手数料の安さだけでなく、審査に通るかどうかを重視したい場合に、条件の異なる比較先として並べると判断材料が増えます。
同社は、審査で何を見ているのかについて次のように説明しています。

当社では、単に数字の情報だけを見るのではなく、売掛先様との取引の継続性や、お客様ご自身や事業、資産の将来性まで、複数の観点からみて総合的に判断しています。具体的に重視しているのは、「売掛債権の実在性をしっかり見ること」と、「お客様との信頼関係を構築すること」です。
4. 入金前払いシステム(株式会社JTC)

株式会社JTCが提供する「入金前払いシステム」は、名古屋に本社を置き、東京・大阪にも営業所を構えるファクタリングサービスです。手数料は契約方式で変わり、取引先の承諾を得る3社間なら1.2%から、承諾を得ない2社間(非通知)は目安5%から(上限は10%程度)としており、2社間・3社間の両方に対応します。
買取金額の下限は100万円で、比較的まとまった額の売掛債権を持つ法人に向いた設計です。情報セキュリティの国際規格であるISO/IEC 27001の認証を取得しており、必要書類も請求書と通帳を中心に絞られています。高額・法人中心という軸で、他社と対照的な比較先になります。
ここで挙げた4社のほかにも、ファクタリング会社は数多くあります。手数料や入金スピード、買取可能額といった条件で候補を広げて見比べたい場合は、次の記事で主要各社をまとめて比較しています。相見積もりに加える会社を探すときの一覧としてご活用ください。
ファクタリングおすすめ26選を比較|手数料・入金スピード・買取可能額で選ぶ
「取引先への請求は済んでいるのに、入金は翌々月末。仕入れや外注費、人件費の支払いだけが先に来て、手元資金が薄くなる」——売掛取引が中心の事業では、珍しくない場面です。銀行融資は審査に時間がかかり、急な資金需要には間に合わないこともあります。…
まとめ
ファクタリングの相見積もりは合法であり、複数社から見積もりを取って比べること自体に問題はありません。違法になるのは同じ売掛債権を複数社に売却する二重譲渡だけで、売却先を1社に絞れば安心して比較できます。
取る会社数は3社から5社を目安に、資金が必要な期日より前から動き、各社に同じ条件を伝えて依頼します。手数料率・掛け目・償還請求権・入金スピード・契約方式・債権譲渡登記の要否を横並びで確認し、選ばなかった会社には早めに結果を伝えます。手数料に上限規制のないファクタリングだからこそ、複数社の比較が費用の差に直結します。まずは条件の異なる会社に見積もりを依頼して、自社に合う1社を見つけてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ファクタリングの相見積もりとは何ですか?
A. ファクタリングの相見積もりとは、同じ売掛債権について複数のファクタリング会社から見積もり(買取条件)を取り寄せ、手数料や入金スピードを比べることです。見積もりを依頼する段階では債権をまだどこにも売っていないため、複数社に同時に相談しても問題はありません。最終的に売却する相手を1社に絞れば、条件を有利にしながら安全に会社を選べます。
Q. ファクタリングの相見積もりは違法ではありませんか?
A. ファクタリングの相見積もりは合法で、違法にはなりません。違法になるのは、同じ売掛債権を2社以上に実際に売却してしまう「二重譲渡」で、売却済みの債権を未売却と偽って代金を受け取れば詐欺罪(刑法第246条)に問われる可能性があります。見積もりを取る段階と債権を売る段階はまったく別の行為であり、売却先を1社に絞れば相見積もり自体に問題はありません。
出典・参考資料(1件)
Q. ファクタリングの相見積もりは何社に取るのが目安ですか?
A. ファクタリングの相見積もりは、実務上3社から5社程度が一つの目安です。1社や2社では比較材料が少なく、多すぎるとやり取りの負担が増えて資金化までの時間もかかります。資金が必要な期日の直前だと十分に比べられないため、数週間から1〜2か月前を目安に依頼を始めると、複数社をじっくり比較できます。ただし社数や時期は公的な基準として定められたものではなく、あくまで実務上の目安です。
Q. ファクタリングで相見積もりを取ると審査に落ちやすくなりますか?
A. 相見積もりを取ること自体が、各社の審査結果を不利にすることはありません。ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売買のため、銀行融資のように申込履歴が信用情報機関に登録されることはなく、審査で主に見られるのは売掛先の信用力と売掛金の実在性です。
そのため、複数社に見積もりや審査を依頼しても、それが理由で通りにくくなるわけではありません。大切なのは契約を1社に絞ることで、これを徹底すれば二重譲渡の心配なく比較できます。
Q. 相見積もりを取っていることは、ファクタリング会社に伝えてよいですか?
A. 相見積もりを取っていることは、各社にあらかじめ伝えて構いません。「複数社で比較検討している」と最初に伝えておけば、会社側も条件を踏まえて見積もりを出しやすくなり、後で断る際も切り出しやすくなります。隠す必要はなく、正直に比較していると伝えるほうが円滑に進みます。
Q. 選ばなかったファクタリング会社には、どう断ればよいですか?
A. 「今回は他社と契約することになりました。ご対応ありがとうございました」と、簡潔にお礼を添えて伝えれば十分です。理由を細かく説明する義務はありませんが、契約先が決まったらできるだけ早く連絡しましょう。丁寧に断っておけば、将来また別の債権で相談したいときにも関係を保てます。連絡せずに放置すると、審査を進めていた会社に手間をかけることになるため、結果は早めに伝えるのが望ましいでしょう。
Q. 二重譲渡とは何ですか?
A. 二重譲渡とは、すでに1社へ売却した売掛債権を、まだ売っていないかのように装って別の会社にも売る行為です。売却済みの債権を未売却と偽って代金を受け取れば詐欺罪(刑法第246条)に、事案によっては横領罪(刑法第252条・第253条)に問われることがあります。
同じ債権が二重に売られた場合の優劣は、民法第467条の対抗要件(債権譲渡登記など)を先に備えたかで決まります。相見積もりで複数社から見積もりを取るだけでは、こうした問題は起きません。
出典・参考資料(2件)
Q. 給与ファクタリングは事業用のファクタリングと何が違いますか?
A. 給与ファクタリングは個人の給与(賃金債権)を対象とする取引で、金融庁は貸金業に該当すると明示しており、利用してはいけません。事業者が相見積もりで比較すべきは、事業用の売掛債権を買い取る正規の買取型ファクタリングです。無登録で貸金業を営む行為は刑事罰の対象のため、給与を対象とする業者や、買い戻しを求める業者は候補から外します。
出典・参考資料(1件)
ファクタリングの料金・資料を一括チェック
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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