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電子帳簿保存法の猶予期間はいつまで?宥恕措置の終了と猶予措置の条件を解説

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クラウド請求書発行システム比較表(2026年版)

2024年(令和6年)1月から、メールやクラウドでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データは、紙に印刷した保存ではなく、電子データのまま保存することが義務づけられました。準備が社内で間に合わず、「猶予期間はいつまでなのか」「自社はもう過ぎてしまっているのか」と気になっている経理・バックオフィスの担当者は少なくありません。

この「猶予期間」には、実は性格の異なる2つの措置が含まれています。1つは2023年(令和5年)12月31日で終了した「宥恕措置(ゆうじょそち)」、もう1つは2024年1月以降も続く「猶予措置」です。

後者には明確な終了日が定められていない一方で、誰でも無条件に使えるわけではなく、「相当の理由」などの条件が付きます。この2つを取り違えると、「まだ猶予がある」と思い込んで対応を止めてしまうおそれがあります。

この記事では、宥恕措置と猶予措置の違い・それぞれの期限と条件を、国税庁の公表資料にもとづいて整理します。そのうえで、猶予措置を受けるための2つの要件や、「相当の理由」として認められる具体例を解説します。さらに、猶予措置に頼れないケースと対応しない場合のリスク、電子取引データを要件どおり保存するための実務上の次の一歩までを扱います。

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【結論】宥恕措置は2023年末で終了・猶予措置は2024年以降も条件付きで継続

はじめに結論をまとめます。電子取引データ保存をめぐる「猶予期間」は、次の2つに分かれます。

  • 宥恕措置:2022年1月1日〜2023年12月31日にやり取りした電子取引データが対象の経過措置。2023年(令和5年)12月31日をもって廃止されました。
  • 猶予措置:2024年(令和6年)1月1日以降にやり取りする電子取引データが対象。終了日は定められておらず、現在も続いています。ただし「相当の理由」などの条件を満たす場合に限られます。
電子取引データ保存の「猶予期間」に含まれる2つの措置を時系列で示した図。左は宥恕措置で、対象は2022年1月1日から2023年12月31日にやり取りした電子取引データ、令和4年度改正の経過措置として2023年12月31日をもって廃止され終了している。右は猶予措置で、2024年1月1日以降にやり取りする電子取引データが対象、終了日の定めはなく継続中だが「相当の理由」などの条件を満たす場合に限られる。

2023年12月末までの取引を対象とした宥恕措置はすでに終わっており、2024年1月以降の取引については、条件を満たす場合に認められる猶予措置に切り替わっています。電子取引データ保存そのものは、2024年1月1日以後にやり取りするデータから義務化されています。

⑵ 令和4年度税制改正で措置された「宥恕措置」は、適用期限(令和5年12月31日)をもって廃止されます。
(参考)令和5年12月31日までにやり取りした電子取引データを「宥恕措置」を適用して保存している方は、令和6年1月1日以後も保存期間が満了するまで、そのプリントアウトした書面を保存し続け、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば問題ありません。

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要)|国税庁(令和5年4月)

ここからは、2つの措置の違い、猶予措置を受けるための条件、いつまで使えるのか、そして対応しない場合のリスクまでを順に見ていきます。

宥恕措置と猶予措置の違い

名前が似ているため混同されがちですが、宥恕措置と猶予措置は、対象期間だけでなく「紙に出力した書面だけの保存で足りるか」「税務調査でのデータの提出(ダウンロードの求め)に応じる必要があるか」という点で扱いが異なります。以下は、宥恕措置と猶予措置の違いをまとめた比較表です。

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措置宥恕措置(令和4年度改正の経過措置)猶予措置(令和5年度改正の新たな猶予措置)
対象期間2022年1月1日〜2023年12月31日にやり取りした電子取引データ(2023年12月31日で廃止)2024年1月1日以降にやり取りする電子取引データ(終了日の定めなし)
紙に出力した書面のみの保存認められた認められない(電子データの保存が必要)
ダウンロードの求めへの対応不要必要(書面の提示・提出に加えて)
事前申請不要不要
根拠令和4年度税制改正令和5年度税制改正

※国税庁「電子帳簿保存法の内容が改正されました」(令和5年4月)にもとづく。

特に見落とされやすいのが、「ダウンロードの求め」への対応です。宥恕措置では、紙に出力した書面を保存しておけば、電子データの提出に応じる必要はありませんでした。しかし新たな猶予措置では、出力書面の提示・提出に加えて、電子データそのものについても税務調査時の提出(ダウンロードの求め)に応じられるようにしておく必要があります。国税庁も次のように注意を促しています。

上記⑵の宥恕措置では、電子取引データの「ダウンロードの求め」に応じる必要はありませんでしたが、上記⑶の新たな猶予措置では、プリントアウトした書面の提示・提出の求めに加え、電子取引データについても「ダウンロードの求め」にも応じる必要がありますので、ご注意ください。

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました|国税庁(令和5年4月)

「紙に印刷して保管しておけばよい」という宥恕措置の感覚のまま2024年以降も運用していると、電子データ自体を保存していないために猶予措置の条件を満たさない、という事態が起こり得ます。

2024年1月以降に電子取引をしている事業者は、この猶予措置の対象です。これまで受け取ったデータを紙に印刷するだけで電子データを残していなかった場合でも、今から受け取ったデータを電子のまま消さずに残す運用に切り替えることが、条件を満たすための第一歩になります。

猶予措置を受けるための2つの要件

2024年1月以降の新たな猶予措置は、次のイ・ロの2つの要件をいずれも満たしている場合に適用されます。両方を満たすと、改ざん防止や検索機能といった保存時の要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことが認められます。

⑶ 新たな猶予措置が整備されました。
次のイ・ロの要件をいずれも満たしている場合には、改ざん防止や検索機能など保存時に満たすべき要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことができることとされました。
イ 保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要です。)
ロ 税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました|国税庁(令和5年4月)
猶予措置を受けるための2つの要件を示した図。要件イは、保存時の要件に従って保存できなかったことについて所轄税務署長が相当の理由があると認める場合で、事前申請等は不要。要件ロは、税務調査等の際に電子データの「ダウンロードの求め」と書面の提示・提出にそれぞれ応じられるようにしていること。イ・ロの両方をいずれも満たすと猶予措置が適用され、改ざん防止や検索機能など保存時の要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことができる。

要件イ:所轄税務署長が「相当の理由」があると認めること

1つ目は、要件に従って電子取引データを保存できなかったことについて、所轄税務署長が「相当の理由」があると認めることです。ここで重要なのは、国税庁が「事前申請等は不要です」と明記している点です。あらかじめ税務署へ申請や届け出をしておく必要はなく、税務調査などの際に相当の理由があると認められれば適用されます。どのような事情が「相当の理由」にあたるかは、次の「相当の理由」の節で具体的に見ます。

要件ロ:ダウンロードの求め・書面の提示に応じられる状態にしておくこと

2つ目は、税務調査などの際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」(調査担当者へのデータの提供)と、そのデータをプリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じられる状態にしておくことです。

前述のとおり、宥恕措置と違って書面だけでは足りず、電子データそのものを保存しておく必要があります。普段メールやクラウドで受け取った請求書・領収書のデータを、検索しやすい形でなくてもよいので、消さずに保存しておくことが前提になります。

「相当の理由」とは?国税庁が示す具体例

要件イの「相当の理由」は、具体的にどのような事情を指すのでしょうか。国税庁は「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」で、保存のためのシステムや社内のワークフローの整備が間に合わない場合などを例として挙げています。

令和5年度の税制改正において創設された新たな猶予措置の「相当の理由」とは、例えば、その電磁的記録そのものの保存は可能であるものの、保存時に満たすべき要件に従って保存するためのシステム等や社内のワークフローの整備が間に合わない等といった、自己の責めに帰さないとは言い難いような事情も含め、要件に従って電磁的記録の保存を行うための環境が整っていない事情がある場合については、この猶予措置における「相当の理由」があると認められ(る)

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問83|国税庁

また、資金繰りや人手不足といった理由についても、事業実態の変化を背景に要件どおりの保存ができなかった場合には「相当の理由」に該当し得ると説明されています。

ただし、既に原則どおり対応している事業者であっても、事業規模の大幅な変更などの事業実態の変化があり、資金繰りや人手不足等の理由があって要件に従って保存することができなかった場合は「要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由がある」と認めた場合に該当すると考えられますので、この猶予措置の対象となります。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問85|国税庁

「相当の理由」の中心となるのは、保存のためのシステムや社内のワークフローの整備が間に合わないことで、これは多くの事業者に当てはまり得ます。

一方、すでに要件どおり保存できていた事業者が資金繰りや人手不足を理由に猶予を受けるには、事業規模の大幅な変更など事業実態の変化があってはじめて該当し得ます。単に「資金や人手が足りない」というだけで無条件に認められるわけではない点に注意し、自社の状況がどちらに当てはまるかを国税庁の文言に照らして確かめておくことが重要です。

一方で、電子データ自体を保存せず、紙に出力した書面だけを保存する対応は認められていません。猶予措置の適用を受ける場合でも、電子データそのものを保存したうえで、電子データと出力書面のどちらも提示・提出できる必要がある点に注意してください。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)
  • 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問83・問85|国税庁(PDF)

猶予措置はいつまで使える?

検索して最も知りたいのは「猶予措置はいつまで使えるのか」という点でしょう。宥恕措置のように明確な終了日(2023年12月31日)が定められているわけではなく、新たな猶予措置には期限の定めがありません。ただしこれは「恒久的に要件対応が免除される」という意味ではなく、相当の理由となる事情が続いている間に限って認められる、条件付きの取り扱いです。

(事情が)継続している限り、「要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由がある」と認められ、保存時に満たすべき要件にかかわらず電子データの保存をすることが認められます。ただし、保存時に満たすべき要件に従って保存するためのシステム等や社内のワークフローの整備が間に合わない等といった事情が解消された後に行う電子取引データの保存については、「要件に従って保存することができなかったことについて相当の理由がある」とは認められません(。)

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問84|国税庁

さらに国税庁は、同じ一問一答(問84の参考)で、この猶予措置について「保存義務が免除されているものではありません」とも明記しています。システムや社内体制の整備が整えば、その後は要件に従った電子データの保存へ移る必要があるということです。

「期限がない=ずっと紙のままでよい」と受け止めると、事情が解消したあとの保存で要件違反になりかねません。猶予措置は、要件対応の準備が整うまでの猶予であって、対応をしなくてよくなる制度ではないと理解しておくのが安全です。

猶予措置に頼れないケースと対応しない場合のリスク

猶予措置があるとはいえ、すべての未対応が許されるわけではありません。相当の理由となる事情がないのに要件どおりの保存をしていない場合、猶予措置の適用は受けられません。たとえば、対応できる環境が整っているのに保存していないだけ、という場合は「相当の理由」には当たらないため、自社が該当するかを見極めることが大切です。

では、相当の理由がないまま要件に従った保存をしていない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。中心となるのは、青色申告の承認への影響です。国税庁は、青色申告の承認の取消対象となり「得る」としています。

災害その他やむを得ない事情又は税務署長が相当の理由があると認める事由がなく、その電磁的記録が保存時に満たすべき要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。なお、青色申告の承認の取消しについては、違反の程度等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか等を検討した上、その適用を判断しています。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問88|国税庁

ここで注意したいのは、要件違反があったからといって、青色申告の承認が直ちに必ず取り消されるわけではないという点です。

国税庁は、違反の程度などを総合的に勘案し、事務運営指針にもとづいて、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうかを検討したうえで判断するとしています。過度に不安をあおる必要はありませんが、「相当の理由もなく電子データを保存していない」状態が望ましくないことは変わりません。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問84・問88|国税庁(PDF)

猶予措置に頼る間に最低限しておくこと

猶予措置を使いながら準備を進める間も、最低限やっておきたいことがあります。いずれも特別なシステムがなくても始められます。

  • メールやクラウドで受け取った請求書・領収書などの電子取引データを、紙に出力した書面だけでなく、電子データのまま消さずに保存しておく
  • 税務調査でデータの提出(ダウンロードの求め)と書面の提示の両方に応じられるよう、保存先(フォルダや会計・請求システム)を社内で決めておく
  • 要件に従った保存へ移行するための準備(対応システムの検討・社内ワークフローの整備)を進める

これらは猶予措置の2要件(電子データの保存と、ダウンロードの求め・書面提示への対応)とそのまま重なります。猶予措置は準備が整うまでの猶予なので、この機会に要件対応の体制づくりに着手しておくと、事情が解消したあともあわてずに済みます。

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電子取引データを要件どおり保存するには

猶予措置はあくまで準備が整うまでの猶予です。請求書などの電子取引データを要件に沿って保存できる体制へ移していくことが、結局は安心につながります。ここでは、電子帳簿保存法の電子取引データ保存の要件に対応したクラウド請求書・請求管理サービスを紹介します。

ここで紹介するのは、おもに自社が発行する請求書を要件どおり電子保存できるサービスです。この記事の主題である「受け取った請求書・領収書」など受領データの保存には、各サービスに付属する証憑管理機能や、受領書類に特化した証憑管理サービスを使うのが一般的です。

発行する請求書の保存を請求業務とまとめて整えたい場合は、これらのサービスが現実的な選択肢になります。受領データまで含めて整えたい場合は、証憑管理サービスとの組み合わせを検討するとよいでしょう。

以下はご紹介したサービスの比較表です。

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サービス名請求管理ロボMakeLeaps
運営会社株式会社ROBOT PAYMENTメイクリープス株式会社
(リコーグループ)
対応する書類請求書(発行・送付・入金消込・催促)
※見積書の作成は非対応
見積書・請求書・納品書など10種類
電子帳簿保存法対応●電子取引データ保存等の要件に対応△個人プラン以上が対応(無料プランは非対応)
インボイス制度対応●●
初期費用要問い合わせ
(導入・運用支援費用)
0円
月額費用要問い合わせ
(月額+請求件数の従量課金)
無料プランあり
個人1,000円〜/法人1,300円〜(月額・税抜)
無料トライアル●期間・条件は要問い合わせ●30日間・全機能
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見る

※2026年10月時点の各社公式情報にもとづく。最新の料金・対応状況は各社の公式情報をご確認ください。

1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボのウェブサイト

請求管理ロボは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供するクラウド型の請求管理サービスです。請求書の発行・送付から、集金、入金消込、未入金の催促までを自動化し、毎月の請求業務を効率化できます。

電子帳簿保存法への対応としては、公式に「電子帳簿保存法(電子取引データ保存等)の要件に沿った請求書の管理が可能」と明記されています。2023年10月開始のインボイス制度(適格請求書等保存方式)にも対応しており、適格請求書の発行・保存に標準で対応します。発行した請求書を要件どおり保存する体制を、請求業務とあわせて整えたい企業に向いています。

運営元のROBOT PAYMENTは東京証券取引所グロース市場に上場しており、ISMS(ISO/IEC 27001)認証やプライバシーマークを取得しています。無料トライアルも用意されています。料金は月額費用と請求件数に応じた従量課金が基本で、具体額は資料請求や問い合わせで確認する形です。

2. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

MakeLeapsのウェブサイト

株式会社リコーのグループ会社であるメイクリープス株式会社が提供するクラウド請求管理サービスが、MakeLeaps(メイクリープス)です。見積書・請求書・納品書・領収書など10種類の書類を作成・発行でき、書類どうしをワンクリックで変換できる点が特徴です。

電子帳簿保存法については、2022年6月にJIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得した対応システムとして公表されています(無料プランは電子帳簿保存法に非対応で、個人プラン以上が対応)。インボイス制度にも対応しており、作成した書類を要件に沿って保存できます。

料金は、取引先3社まで使える無料プランのほか、個人プランが月額1,000円/ユーザー(税抜)から用意されています(2025年4月1日改定後)。30日間すべての機能を試せる無料トライアルがあり、終了後は自動的に無料プランへ移行するため、意図しない課金が発生しない点も、まず試してみたい個人事業主・小規模事業者に向いています。

取引先が増えても法人プランで対応できるため、小規模のうちから始めて、事業の成長にあわせて使い続けやすい点も、これから体制を整える中小企業にとって心強い選択肢です。

ここで紹介したのは、電子取引データ保存に対応したサービスの一例です。発行から保存までを担う請求書発行システムを、タイプ別の選び方や機能、電帳法・インボイス制度への対応まで比較して検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

電子取引データ保存の「猶予期間」は、2023年12月末で終了した宥恕措置と、2024年1月以降も続く猶予措置の2つに分かれます。猶予措置には明確な終了日こそありませんが、「相当の理由」があり、ダウンロードの求め・書面提示に応じられることが条件で、電子データ自体の保存も必要です。恒久的に対応が免除される制度ではなく、事情が解消すれば要件に従った保存へ移る必要があります。

猶予措置に頼る間も、受け取った電子取引データを消さずに保存し、要件対応の準備を進めておくことが大切です。発行する請求書の保存まで含めて体制を整えたい場合は、電子帳簿保存法の電子取引データ保存の要件に対応したクラウド請求書・請求管理サービスの活用が、現実的な次の一歩になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子帳簿保存法の猶予措置とは何ですか?

A. 電子帳簿保存法の猶予措置とは、要件に従って電子取引データを保存できない「相当の理由」がある場合に、改ざん防止や検索機能などの保存時の要件に沿った対応をしなくても、電子データを単に保存しておくことが認められる取り扱いです。

令和5年度税制改正で新設され、2024年(令和6年)1月1日以降にやり取りする電子取引データが対象です。所轄税務署長が相当の理由を認め、税務調査時にデータのダウンロードの求めと書面の提示に応じられることが適用の条件となります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の宥恕措置と猶予措置は何が違いますか?

A. 両者は対象期間と条件が異なり、宥恕措置は2023年(令和5年)12月31日で終了した経過措置、猶予措置は2024年1月以降も続く条件付きの取り扱いです。

宥恕措置は紙に出力した書面の保存だけで足り、電子データのダウンロードの求めに応じる必要はありませんでした。一方、猶予措置では電子データそのものを保存したうえで、税務調査時にダウンロードの求めと出力書面の提示の両方に応じる必要があります。名前が似ていますが、「紙だけの保存でよいか」「電子データの提出が必要か」という点で扱いが大きく違います。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の猶予措置はいつまで使えますか?

A. 電子帳簿保存法の猶予措置には、宥恕措置のような明確な終了日は定められていません。ただし恒久的に要件対応が免除されるわけではなく、相当の理由となる事情が続いている間に限って認められる条件付きの取り扱いです。

保存のためのシステムや社内ワークフローの整備が間に合わないといった事情が解消した後の保存については、相当の理由があるとは認められません。期限がないからといって紙のまま放置してよいわけではなく、準備が整うまでの猶予と理解しておくのが安全です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問84|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の猶予措置を受けるために事前申請は必要ですか?

A. 電子帳簿保存法の猶予措置の適用に、事前の申請や届け出は必要ありません。国税庁も「事前申請等は不要です」と明記しており、あらかじめ税務署へ手続きをしていなくても、税務調査などの際に相当の理由があると認められれば適用されます。ただし、どのような事情で要件どおりに保存できなかったのかを、調査時に説明できるようにしておくことが大切です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の猶予措置における「相当の理由」とは具体的にどのような事情ですか?

A. 「相当の理由」とは、要件に従って電子取引データを保存するためのシステムや社内のワークフローの整備が間に合わないなど、要件どおりの保存を行う環境が整っていない事情を指します。国税庁は、事業実態の変化を背景にした資金繰りや人手不足といった理由で要件どおりに保存できなかった場合も、相当の理由に該当し得ると説明しています。逆に、環境が整っているのに対応していないだけ、といった事情は含まれません。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問83・問85|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の猶予措置では、電子データを紙に印刷して保存するだけでよいですか?

A. いいえ、猶予措置の適用を受ける場合でも、電子データそのものの保存が必要で、紙に出力した書面だけの保存は認められていません。これは2023年末で終了した宥恕措置との大きな違いです。猶予措置では、税務調査時に電子データのダウンロードの求めと出力書面の提示の両方に応じられるよう、メールやクラウドで受け取った請求書・領収書などのデータを、消さずに保存しておく必要があります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)

Q. 電子帳簿保存法の要件に対応せず、相当の理由もない場合はどうなりますか?

A. 相当の理由がないのに要件どおりの保存をしていない場合、青色申告の承認の取消対象となり得ます。ただし、要件違反があれば直ちに必ず取り消されるわけではありません。

国税庁は、違反の程度などを総合的に勘案し、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうかを検討したうえで判断するとしています。過度に不安をあおる必要はありませんが、相当の理由もなく電子データを保存していない状態は望ましくなく、早めに要件対応の準備を進めることが大切です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問88|国税庁(PDF)

Q. 宥恕措置を適用して紙に出力し保存していた分は、2024年以降も有効ですか?

A. はい、2023年12月31日までにやり取りした電子取引データを宥恕措置により書面で保存している分は、2024年1月以降もそのまま保存し続けて問題ありません。

国税庁は、保存期間が満了するまでプリントアウトした書面を保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば問題ないとしています。一方、2024年1月以降にやり取りするデータは猶予措置のルールに従うため、電子データ自体の保存が必要になる点に注意してください。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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