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月次決算の流れを8ステップで解説|締め日からのスケジュールとチェックポイント

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

月次決算を今月から自分で回すことになったものの、月初から締めまでに何を・どの順番で進めればよいのか、全体像がつかめずに手が止まっていませんか。月次決算は、残高の確認から業績報告まで、やるべき作業がある程度決まっています。順番と各作業の中身をいったん押さえてしまえば、毎月同じ手順で回せるようになります。

本記事では、月次決算の流れを8つのステップに分け、各ステップで実際に何を処理するのかを具体的に解説します。あわせて、締め日からのスケジュールの目安、ミスを減らすためのチェックポイント、締めを早めるコツまでを順にまとめました。

月次決算そのものに法的な義務はなく、定義やメリットから知りたい方は後半でも触れますが、まずは手順から確認していきましょう。経理を初めて担当する方も、前任者から引き継いで回す方も、自分の段取りに落とし込んで今月から回せるようになることを目指した内容です。

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月次決算の流れ(8ステップ)

ここからは、月次決算を月初から締めまで進める流れを、8つのステップに分けて解説します。会社によって呼び方や細かさは変わりますが、一般的な実務では次の順序で進めます。上から順に処理すれば、月次決算を一周できる構成です。

月次決算の流れを8ステップで示した図解。STEP1現金・預金の残高確認、STEP2棚卸資産の確認、STEP3仮勘定の整理、STEP4経過勘定の計上、STEP5引当金の計上、STEP6減価償却費の計上、STEP7年間費用の月割り計上、STEP8試算表・決算書の作成と業績報告の順に、左の列から右の列へ矢印でつながっている。
  1. 現金・預金の残高を確認する
    現金出納帳の残高と、実際に手元にある現金(現金実査)を照合します。あわせて預金出納帳の残高と、通帳やネットバンキングの残高を突き合わせ、差異があれば入出金の計上漏れ・二重計上・計上時期のズレを特定します。すべての基礎になる残高を、月末時点で確定させる工程です。
  2. 棚卸資産を確認する
    在庫を持つ場合は、月末時点の棚卸資産を数量と単価で評価し、帳簿上の在庫と実地棚卸の差を調整します。これにより当月の売上原価が確定します。在庫を持たない業種では省略できる工程です。
  3. 仮勘定を整理する
    仮払金・仮受金・仮払消費税といった、一時的に計上した仮勘定の中身を確認し、正しい勘定科目へ振り替えます。精算が済んだ仮払金が残っていないかを毎月洗い出し、月をまたいで積み上がらないようにします。
  4. 経過勘定を計上する
    前払費用・前受収益・未払費用・未収収益を整理します。当月分でない前払費用・前受収益は当月の損益から除き、当月分の未払費用・未収収益は計上して、費用と収益を発生した月に正しく割り当てます。月をまたぐ家賃・保険料・利息などが対象になりやすい項目です。
  5. 引当金を計上する
    賞与引当金・貸倒引当金などを見積もって計上します。将来の特定の費用・損失で、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、金額を合理的に見積れるものが対象です。月次では、年間の見込額を月割りで計上しておくのが一般的な運用です。
  6. 減価償却費を計上する
    建物や機械、ソフトウェアなどの固定資産について、取得原価を耐用年数にわたり規則的に費用配分します。月次決算では、年間の減価償却費を月割り(12分の1など)で概算計上し、毎月の損益に反映させるのが一般的です。
  7. 年間でかかる費用を月割りで計上する
    固定資産税や年払いの保守費用など、年単位でまとまって発生する費用のうち、ステップ4〜6で扱っていないものを見積もり、月割りで計上します。ステップ4の経過勘定が支払いや受け取りの時期と費用・収益の発生月のズレを直す処理なのに対し、ここでは年額が決まっている支出を前もって各月に割り振る処理です。扱う対象が違うため二重に計上する心配はなく、特定の月だけ費用が跳ね上がるのを避けて月ごとの損益を平準化できます。
  8. 月次試算表・決算書を作成し、業績を報告する
    ここまでの処理を反映して、合計残高試算表や月次の損益計算書・貸借対照表を作成します。予算や前年同月と比較して差異を確認し、経営層や関係部署へ月次の業績として報告します。この報告が、次の打ち手につながる月次決算の仕上げです。

ステップ4〜6の経過勘定・引当金・減価償却は、費用や収益を正しい期間に割り当てるための決算整理です。これらの会計処理の考え方は「中小企業の会計に関する指針」に整理されています。

これらの基準は本来、年次決算での期間帰属や償却方法を定めるものです。月次決算で毎月計上するのは、1か月ごとに損益を正確に把握するための実務的な運用であり、基準が月次での計上を義務づけているわけではありません。

出典・参考資料(1件)

締め日からのスケジュール目安

ここからは、月初から何営業日目に何を終わらせるかの目安を紹介します。月次決算は、早く締めるほど経営判断に活かせます。次の表は、翌月初から締めまでの進め方を営業日ベースで示したものです。

月初にまず回収しておきたい主な証憑・資料は次のとおりです。これらが早くそろうほど、後工程の計上や照合がスムーズに進みます。

  • 売上・仕入に関わる請求書・納品書
  • 経費の領収書・経費精算書・クレジットカードの利用明細
  • 通帳やネットバンキングの入出金明細
  • 勤怠データ・給与計算の結果(人件費の計上に使用)
  • 在庫を持つ場合は棚卸表
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タイミング(翌月)第1〜2営業日第2〜4営業日第4〜6営業日第5〜8営業日第7〜10営業日
主なやること各部門からの請求書・経費精算・勤怠などの提出を締め切り、証憑を回収する売上・仕入・経費を計上し、現金・預金の残高を照合する棚卸・仮勘定の整理・経過勘定・引当金・減価償却などの決算整理を行う月次試算表・決算書を作成し、数値に誤りがないかを確認する経営層・関係部署へ月次業績を報告する

ここで示した営業日はあくまで実務上の目安で、事業規模や取引量によって前後します。多くの企業は、翌月の第5〜10営業日ごろまでに締めることを一つの目安にしています。

表の営業日が一部重なっているのは、前の工程と並行して進められる作業があるためで、きっちり順番に片付けなければならないという意味ではありません。最初から理想どおりに進めるのは難しいため、まずは現状で何営業日かかっているかを把握し、少しずつ前倒しするとよいでしょう。

つまずきやすいチェックポイント

ここからは、月次決算で手が止まりやすい場面と、その確認観点を整理します。毎月同じところでつまずくと締めが遅れるため、チェックリストとして自分の段取りに取り込んでおくと役立ちます。

  • 現金・預金の残高が合わない:現金実査の記録、締め日直後の入出金をどの月に計上したか、口座の計上漏れや二重計上がないかを順に確認します。差額が出たら、金額の近い取引から当たると見つかりやすくなります。
  • 仮勘定が整理されずに残っている:仮払金・仮受金・仮払消費税の中身を毎月洗い出し、精算が済んだものは本来の勘定科目へ振り替えます。残高の内訳をメモに残しておくと、翌月以降の確認が速くなります。
  • 経過勘定の計上が漏れる:月をまたぐ家賃・保険料・利息などを一覧にし、当月分かどうかを判定します。毎月発生する項目はリスト化しておくと、計上漏れを防げます。
  • 引当金・減価償却・年払い費用の月割りを忘れる:年間の見込額を12で割って毎月同額を計上するなど、計上ルールをあらかじめ決めておきます。ルール化しておけば、毎月の判断に迷いません。
  • 各部門からの提出が遅れる:経費精算や請求書の提出が遅れると、締め全体が後ろ倒しになります。だれが何を未提出かを一覧で管理しておくと、遅れにすぐ気づいて催促でき、締めへの影響を抑えられます(締め日の周知や担当の設計そのものは次章で扱います)。

月次決算を早く締めるコツ

ここからは、月次決算を早く締めるための工夫を紹介します。手順を一周できるようになったら、次は締めのスピードが課題になります。段取りの改善と、時間のかかる工程の自動化の両面から見ていきましょう。

締め日の社内周知とスケジュール共有

月次決算の遅れは、経理部門だけでなく各部門からの資料提出の遅れが原因になることが少なくありません。請求書・経費精算・勤怠などの締め日を全社で共有し、いつまでに何を出すのかを明確にしておくと、経理側の作業が後ろ倒しになりにくくなります。決算の確定日と各工程の担当者を決めておくことも、毎月の段取りを安定させます。

定型作業のマニュアル化・ルーティン化

月次決算は毎月ほぼ同じ作業の繰り返しです。経過勘定や減価償却の月割りなど、判断に迷いやすい処理は計上ルールをマニュアル化しておくと、担当者が替わっても同じ品質で回せます。チェックリストを作って各工程の完了を確認する運用にすれば、抜け漏れも減らせます。

概算計上で資料待ちを減らす

金額が確定していない費用は、概算で計上して先に進める割り切りも有効です。たとえば請求書の到着を待たずに過去実績から水道光熱費を見積もって計上し、確定後に差額を調整すれば、締めが特定の資料待ちで止まりません。確定を待てる年次決算と違い、月次ではスピードを優先して概算を使い、精度は翌月以降で補正するという考え方が実務では広く使われています。ソフトの導入前でも、今日から取り入れられる工夫です。

会計ソフトで時間のかかる工程を自動化する

残高照合や試算表の作成は、手作業だと毎月まとまった時間がかかる工程です。クラウド会計ソフトを使うと、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、AIが勘定科目を提案して仕訳を進め、試算表や決算書を自動で組み立てるところまでを任せられます。日々の記帳が締めの直前に残らなくなるぶん、月次決算を早く確定しやすくなります。

複数のクラウド会計ソフトの資料をまとめて取り寄せ、自社の月次決算に合うものを見比べることもできます。

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弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next のウェブサイト

弥生会計 Next は、弥生株式会社が提供する法人向けのクラウドサービスです。会計・請求・経費精算・証憑管理を1つにまとめ、これらのデータを自動で連携させる点が特徴です。

銀行口座やクレジットカードなど2,500以上の金融機関・サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を推定して仕訳を進めます。残高試算表や決算書も自動で作成されるため、月次決算で時間のかかる残高照合や試算表づくりの手作業を減らせます。

freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

簿記の知識が浅くても使えるガイド付きのUIを掲げるのが、フリー株式会社のfreee会計です。1,000を超える銀行口座・クレジットカード・決済サービスと連携して取引データを取り込み、AIが仕訳を提案します。月次決算で役立つのが、登録した取引と口座残高のズレを自動で判定し、修正候補を一覧で示す決算サポート機能です。月次決算で時間がかかりやすい残高照合そのものを効率化できます。

マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

株式会社マネーフォワードが提供するひとり法人〜中小企業向けのクラウド会計ソフトが、マネーフォワード クラウド会計です。2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案します。

複式簿記に対応し、決算書・残高試算表に加えて月次推移表も自動で作成できるため、前月や前年同月と見比べながら締めを進められます。勘定科目を自分で扱いたい、経理経験のある担当者に向いた自由度の高さがあります。

ここまで紹介した3つのクラウド会計ソフトについて、月次決算の締め早期化に関わる主な特徴を一覧で比較します。

← 横にスクロールできます →
サービス名弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計
対象規模法人向け個人事業主〜上場企業ひとり法人〜中小(〜50名)
金融機関・サービス連携数2,500以上1,000以上2,300以上
AI自動仕訳●●●
試算表・決算書の自動作成●試算表・決算書を自動作成●試算表・決算書・月次推移●試算表・決算書・月次推移
残高照合の自動化△明細の自動取得で照合を効率化●決算サポートでズレを自動判定△残高照合機能はビジネスプラン
無料トライアル最大2か月
決算書作成は対象外
30日間
一部機能制限あり
1か月
月額料金(税抜・2026年9月時点)2,900円〜
エントリー(年払い月額換算)
2,980円〜
ひとり法人(年払い月額換算)
2,480円〜
ひとり法人(年払い月額換算)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここで挙げた3本のほかにも、月次決算の自動化に使えるクラウド会計ソフトは数多くあります。規模やタイプ別の選び方・料金を横並びで見比べて、自社の月次決算に合う一本を探したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。

月次決算と年次決算の違い

ここでは、月次決算と年次決算の違いを整理します。手順は似ていますが、目的や法的な位置づけは異なります。両者の違いを押さえておくと、月次決算が何のための作業なのかが分かりやすくなります。

← 横にスクロールできます →
項目実施頻度主な目的法的義務主な提出先・公開作成単位
月次決算毎月(会社の任意)タイムリーな経営判断・年次決算の準備なし社内(経営層・関係部署)1か月
年次決算年1回計算書類の確定・株主総会での承認・税務申告あり株主総会・税務署など(大会社等は公告)1事業年度(最長1年)

会社法は、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表・損益計算書など)の作成を会社に義務づけています(会社法第435条第2項)。

株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

出典:会社法 第435条第2項|e-Gov法令検索

作成した計算書類は、定時株主総会の承認を受けたうえで公告することが求められます(会社法第438条第2項・第440条第1項)。法人税の確定申告も、確定した決算にもとづいて事業年度ごとに行うものと定められています。

内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。

出典:法人税法 第74条第1項|e-Gov法令検索

このように、法律が義務づけているのは年次の決算と申告であり、月次決算はこれらを滑らかに進めるために会社が任意で行うものです。

出典・参考資料(2件)

月次決算を行う目的・メリット

ここでは、手順の先にある「なぜ月次決算を行うのか」を確認します。目的を押さえておくと、どの数値を重点的に見るべきかの判断にもつながります。

月次決算とは

月次決算とは、1か月を単位として会計を締め、年次決算に近い処理を毎月行うことです。前述のとおり、月次決算そのものに法的な義務はありません。会計期間(事業年度)は法人税法でも定義されており(法人税法第13条)、決算はこの期間を区切って行いますが、月次決算はその期間内をさらに1か月ごとに区切り、経営数値を早く把握するための仕組みといえます。

月次決算の主なメリットは、大きく3つに整理できます。1つ目は、毎月の損益や資産の状況をタイムリーに把握でき、経営判断を早く下せること。2つ目は、毎月決算整理を済ませておくことで、年次決算の作業が分散され、期末の負担を軽減できること。3つ目は、月次の業績推移を示せることで、金融機関からの融資審査の際に経営状況を説明しやすくなることです。

まとめ

月次決算は、残高の確認から棚卸・各種決算整理・試算表の作成・業績報告まで、8つのステップで回せます。順番と各ステップの中身を押さえ、締め日からのスケジュールとチェックポイントを自分の段取りに落とし込めば、毎月同じ手順で安定して締められるようになります。

一通り回してみて、残高照合や試算表の作成に毎月時間がかかると感じたら、その工程を自動化できるクラウド会計ソフトの検討が次の一歩です。各社の資料を見比べて、自社の月次決算に合う一本を選んでみてください。

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月次決算に関するよくある質問(FAQ)

Q. 月次決算とは何ですか?

A. 月次決算とは、1か月を単位として会計を締め、年次決算に近い処理を毎月行う決算業務です。1年を区切って行う年次決算に対し、月ごとに損益や資産の状況を把握できるため、タイムリーな経営判断や年次決算の負担軽減につながります。月次決算そのものに法的な義務はなく、会社が任意で行うものです。

Q. 月次決算の流れは、どのような順番で進めますか?

A. 月次決算は、①現金・預金の残高確認 ②棚卸資産の確認 ③仮勘定の整理 ④経過勘定の計上 ⑤引当金の計上 ⑥減価償却費の計上 ⑦年間費用の月割り計上 ⑧月次試算表・決算書の作成と業績報告、の8ステップで進めます。上から順に処理すれば、月末残高の確定から経営層への報告まで一周できます。会社によってステップの呼び方や細かさは異なりますが、処理する中身はおおむね共通です。

Q. 月次決算は何営業日で締めるのが目安ですか?

A. 月次決算は、翌月の第5〜10営業日ごろまでに締めるのが一つの目安です。月初に各部門から証憑を回収し、残高照合・決算整理・試算表作成・業績報告の順に進めます。ただし営業日数は事業規模や取引量で前後するため、まずは現状で何営業日かかっているかを把握し、少しずつ前倒しするとよいでしょう。

Q. 月次決算に法的な義務はありますか?

A. 月次決算に法的な義務はなく、会社が任意で行うものです。法律が作成を義務づけているのは年次の決算で、会社法は各事業年度の計算書類の作成・定時株主総会での承認・公告を定め(会社法第435条・第438条・第440条)、法人税法は事業年度終了の日の翌日から2か月以内の確定申告を定めています(法人税法第74条)。月次決算は、これら年次の手続きを滑らかに進めるために、毎月自主的に行う位置づけです。

出典・参考資料(2件)

Q. 月次決算と年次決算は何が違いますか?

A. 月次決算と年次決算は、実施頻度・法的義務・目的・提出先が異なります。月次決算は毎月・任意で行い、社内でのタイムリーな経営判断や年次決算の準備が目的です。一方の年次決算は年1回・法的義務があり、計算書類の確定や株主総会での承認、税務申告のために行い、株主総会や税務署が主な提出先になります。処理する作業の中身は似ていますが、位置づけが異なります。

Q. 経過勘定や引当金、減価償却費は月次でも毎月計上する必要がありますか?

A. 経過勘定・引当金・減価償却費を月次で毎月計上することは、義務ではありませんが、1か月ごとの損益を正確に把握するために行う実務的な運用です。これらの会計処理の考え方は「中小企業の会計に関する指針」などに整理されていますが、本来は年次決算での期間帰属や償却方法を定めるものです。月次決算では、年間の見込額を月割り(12分の1など)で概算計上しておくと、月ごとの損益を平準化して比較しやすくなります。

Q. 在庫を持たない会社でも月次決算で棚卸は必要ですか?

A. 在庫を持たない業種では、月次決算で棚卸を省略できます。棚卸は、月末時点の棚卸資産を数量と単価で評価して当月の売上原価を確定させる工程のため、そもそも在庫を持たないサービス業などでは行う必要がありません。在庫を持つ場合は、帳簿上の在庫と実地棚卸の差を調整して、当月の売上原価を確定させます。

Q. 月次決算を早く締めるにはどうすればよいですか?

A. 月次決算を早く締めるには、締め日の社内周知、定型作業のマニュアル化、会計ソフトによる自動化の3つが有効です。各部門からの資料提出の遅れが締め全体を後ろ倒しにするため、締め日と提出物を事前に全社で共有します。経過勘定や減価償却の月割りなどは計上ルールを決めておき、見積りで足りる項目は概算計上を取り入れると、毎月の判断に迷わず締めのスピードが上がります。

Q. 月次決算を行うメリットは何ですか?

A. 月次決算の主なメリットは、タイムリーな経営判断ができること、年次決算の負担を分散できること、金融機関への業績説明がしやすくなることの3つです。毎月の損益や資産の状況を早く把握できるため打ち手を早く講じられ、毎月決算整理を済ませておくことで期末の作業が軽くなり、月次の業績推移を示せることで融資審査の際の説明にも役立ちます。

Q. 簿記や経理の経験が浅くても月次決算はできますか?

A. 簿記や経理の経験が浅くても、手順と各ステップで処理する内容を押さえれば月次決算は回せます。月次決算は毎月ほぼ同じ作業の繰り返しのため、チェックリストやマニュアルで定型化すると、担当者が替わっても同じ品質で続けられます。勘定科目の判断や仕訳に不安があれば、AIが仕訳を提案するクラウド会計ソフトで作業を補う方法もあります。

Q. 月次決算の効率化に会計ソフトは必要ですか?

A. 月次決算に会計ソフトは必須ではありませんが、残高照合や試算表の作成といった時間のかかる工程を自動化でき、締めを早めやすくなります。クラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、AIが勘定科目を提案し、試算表や決算書の作成まで任せられます。日々の記帳が締めの直前に残らなくなるぶん、月次決算を早く確定しやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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