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Amazon越境EC(グローバルセリング)とは?始め方・費用・つまずきどころを解説

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越境EC支援比較表(2026年版)

円安やインバウンド需要を背景に、自社の商品を海外にも売れないかと考える事業者が増えています。なかでも、世界最大級の販売網を持つAmazonでの海外販売は、最初の一歩として検討されることが多い選択肢です。

Amazonでの海外販売は「グローバルセリング」と呼ばれ、日本にいながら米国や欧州のAmazonへ出品できる仕組みです。ただし、Amazon.co.jpへの出品とは費用も実務も異なり、始める前に仕組み・手順・費用を具体的に押さえておく必要があります。

本記事では、グローバルセリングの仕組みと始め方、費用・手数料の実額、メリットとデメリット、そして物流・通関・関税・VATといったつまずきどころまでを整理します。自力で進めるか支援サービスに任せるかを判断する材料としてご活用ください。

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グローバルセリング(Amazon越境EC)とは

Amazonのグローバルセリングは、日本にいながら海外のAmazon(米国のAmazon.comや英国のAmazon.co.ukなど)へ出品し、現地の購入者に商品を販売する仕組みです。Amazon出品サービスの公式サイトでは、次のように説明されています。

グローバルセリングとは、商品やサービスの国境を越えて、海外の顧客に販売すること、海外向けに販売するネットショップを指します。

出典:Amazon海外販売(越境EC)|グローバルセリング|Amazon出品サービス

海外に法人や拠点を設けなくても、日本からひとつのアカウントで複数国のAmazonに出品できる点が、グローバルセリングの基本的な考え方です。現地の集客はAmazonの販売網に乗せられるため、海外向けの新しい販売チャネルを比較的少ない初期投資で持てます。

Amazon.co.jp出品・自社ECとの違い

同じAmazonでもAmazon.co.jpへの出品は国内の購入者が対象で、海外販売には対応しません。一方、自社で越境ECサイトを構築する方法は自由度が高い反面、集客・多言語対応・海外決済・物流までを自社で整える必要があります。グローバルセリングは、この中間に位置づく選択肢です。

販売先・集客・実務負担の観点で3つのアプローチを並べると、違いが分かりやすくなります。

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販売先の購入者集客多言語・海外決済海外への物流・通関始めやすさ
Amazon.co.jp出品日本国内の購入者Amazonの販売網を利用日本語・国内決済のみ国内配送のみ国内の手続きのみで始めやすい
自社越境ECサイト自社サイトに集めた海外の購入者広告・SNSなどで自社集客が必要自社で多言語化・海外決済を整備自社で手配(委託も可)構築・運用の負担が大きい
Amazonグローバルセリング海外Amazon(米国・欧州など)の購入者各国Amazonの販売網を利用Amazonの仕組みを利用できる直送、またはFBA倉庫経由を選べる拠点不要で始めやすいが海外実務は残る

Amazon以外の出店方法も含めて、越境ECの全体像やメリット・デメリットを先に押さえておきたい場合は、以下の記事で基本から整理しています。

出品できる国・対象マーケットプレイス

グローバルセリングで出品できる地域は、大きく4つの圏域に分かれます。Amazon出品サービス公式サイトでは、対象地域として次の国・地域が挙げられています。

  • アメリカ大陸:米国・カナダ・メキシコ・ブラジル
  • ヨーロッパ:英国・ドイツ・フランス など(1アカウントで28か国にリーチ)
  • アジア太平洋:オーストラリア・インド
  • 中東:アラブ首長国連邦・サウジアラビア・エジプト

最初から全地域に広げる必要はありません。自社商品の需要が見込める1か国・1マーケットプレイスから始め、成果を見ながら対象を広げていくのが一般的な進め方です。

出典・参考資料(1件)

仕組みを図で理解する:直送モデルとFBA倉庫経由モデル

海外の購入者に商品を届ける方法は、大きく2つのモデルに分かれます。どちらを選ぶかで、配送のタイミングも、後述する通関・関税の扱いも変わってきます。まずは、それぞれ誰が・どこで・何をするのかを図で整理します。

Amazon越境ECで海外の購入者に商品を届ける2つの物流モデルの図。直送モデル(自己発送・FBM)は、日本の出品者が在庫を手元に保管し、注文が入るたびに国際配送して海外の購入者に届ける。FBA倉庫経由モデルは、日本の出品者が事前に商品をまとめて現地のAmazon倉庫へ納品し、Amazonが保管・梱包・発送・カスタマーサービスを代行して、注文後に現地から出荷する。直送は少量から試しやすい反面、注文ごとに国際配送の手間と時間がかかり、FBA倉庫経由は現地からの配送が速く運用の手間も抑えられる。

1つ目は直送モデルです。注文が入るたびに、日本から購入者へ都度配送します。自己発送(FBM=出品者自身が発送する方法)がこれにあたり、在庫を手元に置けるため少量から試しやすい反面、注文ごとに国際配送の手間と時間がかかります。

2つ目はFBA倉庫経由モデルです。FBA(フルフィルメント by Amazon=Amazonによる配送代行)を使い、あらかじめ商品を現地のAmazon倉庫(フルフィルメントセンター)へまとめて納品しておきます。注文後はAmazonが保管・梱包・発送・カスタマーサービスまでを代行するため、現地からの配送が速く、運用の手間も抑えられます。

少量から海外の反応を確かめたい段階では直送モデル、販売が軌道に乗って配送スピードと運用負担を重視する段階ではFBA倉庫経由モデル、という使い分けが基本になります。

出典・参考資料(1件)

Amazonグローバルセリングの始め方(4ステップ)

ここからは、グローバルセリングを始めるまでの流れを見ていきます。Amazon出品サービス公式サイトは、海外販売の手順を次の4ステップで整理しています。

  1. 越境ECを始める国と地域を決める
  2. グローバルセリングのアカウントを開設する
  3. 商品を登録して出品を開始する
  4. 越境ECにおける販売促進をする

平均的に、海外販売を開始するまでの準備期間は2か月から3か月ほどです。各ステップで具体的に何をするかを、以下で順に見ていきます。

出典・参考資料(1件)

まず、自社商品の需要や競合、必要な認証・関税・物流コストを事前に調査し、どの国・地域で売るかを決めます。次に、セラーセントラル(出品者向けの管理画面)のアカウントを開設し、売上の入金先口座を登録して商品を登録します。ブランド登録を済ませておくと、商品ページの保護や販促機能を使いやすくなります。

アカウント開設では、事業者情報(会社名・住所・法人番号)、顔写真付きの本人確認書類(パスポートや運転免許証)、有効なクレジットカード、売上の入金先となる銀行口座情報などが必要になります。商材や国によっては、追加の書類を求められることもあります。

売上金は、Amazonの通貨両替サービス(Amazon Currency Converter for Sellers)を使えば、海外に銀行口座を開設しなくても日本の銀行口座で受け取れます。送金時の為替レートには為替手数料が含まれる点は、あらかじめ見込んでおきましょう。

出典・参考資料(1件)

出品を開始したら、広告運用やレビュー対応、受注・在庫管理といった販売・販促のフェーズに入ります。準備期間として2〜3ヶ月を見込みますが、食品や化粧品のように規制対応が必要な商材では、FDA登録やVAT登録などに追加の期間がかかる点に注意が必要です(規制対応の詳細は後述します)。

出典・参考資料(1件)

Amazon越境ECの費用・手数料

気になる費用を、項目ごとに実額で整理します。グローバルセリングでかかる主な費用は、月額登録料・販売手数料・FBAの発送/在庫保管料・広告費です。食品や化粧品などを扱う場合はFDA登録やVAT登録への対応も必要ですが、こちらは費用というより所要期間が課題になります(後述)。

日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた費用の目安(米国を例とする)と、Amazon.comの公式料金は次のとおりです。月額登録料は海外マーケットプレイス向けのもので、Amazon.co.jp(日本国内マーケット)の月額とは別に発生します。

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月額登録料(大口出品)販売手数料発送・在庫保管料(FBA利用時)広告
金額の目安米国:$39.99/英国:£25販売額の5〜45%(または最低額)利用料 約$3〜$200/約£1.5〜1日あたり最低$10程度から開始可能
補足海外マーケットプレイス向け。小口出品は販売ごとの手数料となる。手数料率はカテゴリごとに異なる。例:Tシャツ1枚$4.67、モニター1個$44.19。カテゴリ・重量等で異なる。売上の10%程度が目安とされる。

※2026年3月時点の目安です。金額・期間は為替変動や各種サービスの改定により変わるため、最新の料金は各社・各当局の公式情報でご確認ください。

月額登録料の米国$39.99はAmazon.comの公式料金ページで確認でき、英国£25や各手数料率はJETROが2026年3月時点でまとめた目安です。広告費は売上の10%程度を見込む考え方が紹介されていますが、商材や競合状況によって変わるため、固定費というより運用で調整する費用として捉えておきましょう。

出典・参考資料(2件)

月額や手数料の実額が見えてくると、自社の利益率でどこまで吸収できるか、どの業務を外部に任せるかの検討が具体的になります。支援サービスの料金や対応範囲をまとめて確かめたい場合は、資料で比較できます。

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Amazon越境ECのメリット・デメリット

グローバルセリングは始めやすい海外販売の手段ですが、良い面と負担になる面は表裏の関係にあります。釣り合いを一目で判断できるよう、メリットとデメリットを並べて整理します。

メリット

最大の利点は販路の拡大です。世界中の越境EC利用者に直接販売でき、日本の商品やブランドへの海外からの関心を活かして新たな顧客を開拓できます。現地法人の設立や実店舗の出店に比べて初期投資を抑えられるため、海外市場でのテストマーケティングがしやすい点も強みになります。

FBAを利用すれば、保管・梱包・発送・カスタマーサービスをAmazonに任せられます。アカウントの一元管理や多通貨での売上受け取りにも対応するため、物流や決済を一から整える負担を軽くできます。海外の購入者から直接レビューという生の声が得られることも、商品改善につながる価値です。

デメリット・注意点

一方で、海外配送のコストと複雑さは無視できません。配送回数が多いほど海外配送料が想定以上に膨らむ可能性があり、価格設定を誤ると利益を圧迫します。多言語でのサイト表記やカスタマーサポートも必要になり、言語・文化・商習慣の壁への対応が求められます。

加えて、各国の輸出入規制・関税ルール(関税の負担者や付加価値税など)・為替変動・模倣品リスクを、自社で管理しなければなりません。類似商品との価格競争に巻き込まれやすい点も含め、これらの負担をどこまで自力でまかなえるかが、自力か外注かを分ける判断材料になります。

出典・参考資料(1件)

つまずきどころ:物流・通関・関税・VAT

海外販売で後から効いてくるのが、物流・通関・関税・VATといった貿易実務です。越境ECではこの4つが実務上のつまずきどころになります。順に整理します。2026年に入って米国の関税制度が変わっている点も押さえておきましょう。

国際物流(IOR・DDP/DDU)

海外へ商品を送るときは、聞き慣れない貿易用語がいくつか登場します。なかでも押さえておきたいのが、輸入手続きの責任を負う主体を指すIOR(Importer of Record=輸入者)と、関税を誰が負担するかを決めるDDP/DDUです。

関税を誰が負担するかは、DDP(Delivered Duty Paid=関税込み持ち込み渡し)とDDU(Delivered Duty Unpaid=関税抜き持ち込み渡し)のどちらを選ぶかで決まります。近年は、購入者の受け取りをスムーズにするため、出品者が関税を負担するDDPへ移行する傾向があります。価格に関税分をどう織り込むかは、利益率に直結する設計ポイントです。

通関(直送モデルとFBA倉庫経由モデルの違い)

通関の扱いは、前半で触れた2つの物流モデルで変わります。直送モデルでは注文ごとに都度通関し、関税負担は基本的にDDPかDDUから選びます。郵便で送る場合、IORは便宜的に購入者(個人輸入扱い)となることが多い点が特徴です。

FBA倉庫経由モデルでは、現地倉庫へ一括で事前納品するため、納品時にまとめて通関します。関税負担は基本的にDDP(出品者負担)で、ここで注意したいのがAmazonはIOR(輸入者)にはなれないという点です。輸送業者や輸入代行業者などのサードパーティにIORを依頼する必要があり、IOR代行とFBA代行の両方を提供する事業者も存在します。

関税(米国デミニミス停止・相互関税・HSコード)

米国向けの販売では、2026年に入って関税の前提が変わっています。これまでは少額貨物を非課税とするデミニミス制度がありましたが、米国ではこれが停止されました。JETROは次のように説明しています。

少額貨物の関税:デミニミス制度 ※米国では停止。英国、EU、オーストラリアなど各国では存続、金額要確認

出典:越境EC基礎知識~海外Amazon販売~(少額貨物の関税)|日本貿易振興機構(JETRO)

この停止を定めたのは、国土安全保障省・税関国境警備局(CBP)が2026年6月24日に施行した規則です。国際郵便以外のすべての輸送手段について、800ドル以下の少額輸入に対するデミニミス免除を無期限で停止するもので、米国向けに限った措置です。これにより、米国向けは少額でも通常貨物と同じ通関・関税の手続きが必要になります。

米国以外の各国の免税限度額や、デミニミス撤廃が越境ECの価格設定・配送にどう影響するか、事業者が取るべき対応までまとめて確認したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

相互関税(米国が相手国の関税率などに応じて課す追加の関税)についても、JETROは「相互関税は通常貨物と同様に適用されます」と注意を促しています。税率は変動が速いため、最新の内容はJETROの米国関税措置特集で確認してください。

関税額は、商品を分類するHSコード(輸出入品目を国際的に分類する番号。米国ではHTSと呼ぶ)で決まります。原産性を判断するのは輸入国の税関当局なので、確実に把握するには事前教示制度(Binding Ruling=輸入前に税関へ品目分類や関税率を照会して回答を得る制度)の利用が有効です。

米国の品目分類と関税率は米国国際貿易委員会(USITC)の情報が確実です。JETROと提携するWorld Tariffなら、日本の居住者が無料で世界178か国・地域の関税率を検索できます。

出典・参考資料(2件)

VAT・各国の規制(英国VAT・FDA)

欧州で販売する場合は、VAT(付加価値税)への対応が必要になります。英国では国内に拠点を持つ事業者の登録閾値は£90,000ですが、英国外に拠点を置く海外事業者は、売上高にかかわらず登録義務があります。英国政府のガイドは、海外事業者の登録義務について次のように記しています。

You must also register (regardless of taxable turnover) if all of the following are true: you’re based outside the UK; your business is based outside the UK; you supply any goods or services to the UK (or expect to in the next 30 days)

出典:VAT registration: When to register|GOV.UK

英国でFBA在庫を国内に置いて販売する海外事業者は、原則としてVAT登録が必要です。JETROによると、VAT番号の取得には申請から「3〜6ヵ月以上」かかるとされており、販売開始のスケジュールに余裕を持って準備する必要があります。税率などの細部は改定があるため、英国歳入関税庁(HMRC)やJETROの英国VAT登録ガイドで最新情報を確認してください。

米国で食品や化粧品などを販売する場合は、FDA(保健福祉省・食品医薬品局)への施設登録や事前通知が必要です。申請から審査通過までに3ヶ月程度かかるため、対象商材を扱うなら早めの着手が欠かせません。扱う商材と販売先の国ごとに必要な規制対応が変わる点は、計画段階で押さえておきたいところです。

出典・参考資料(1件)

VATは英国だけの話ではありません。英国以外のEUで販売する場合も、各国でVAT登録・申告が必要になることがあります。EUには、1つの加盟国での登録で各国分を一元的に申告できるワンストップショップ(OSS)や、150ユーロ以下の輸入を簡素化するインポート・ワンストップショップ(IOSS)という仕組みがあります。

米国にはVATはありませんが、州ごとに販売税(sales tax)があります。多くの州ではマーケットプレイス・ファシリテーター制度により、Amazonが販売者に代わって販売税を徴収・納付します。

出典・参考資料(2件)

越境ECで売れる商品と成功のコツ

ここからは、実際に何が売れるのか、そしてどう需要を見極めるかを見ていきます。日本製品は海外の購入者から一定の需要がありますが、売れ筋はカテゴリや国によって異なります。思い込みで決めず、販売先のAmazonの検索やツールで自社商材の需要を事前に確認することが、成功の出発点になります。

需要の見極めには、販売先のAmazon(例:Amazon.com)で自社商品に近いキーワードを検索し、どんな商品が売れ筋に並んでいるかを確認する方法があります。Amazon内の検索需要を調べるKeyword Toolなどのツールを併用すると、現地の検索傾向をつかみやすくなります。

販売を伸ばす段階では、Amazon内の広告に加えて、SNSや外部サイトからの流入で商品ページへ送客する施策も選択肢に入ります。ただし初動では、まず売れる商材の選定と需要調査に注力し、集客施策はそのあとで広げていくのが現実的です。実際に動かしてみると、多言語での問い合わせ対応や、関税・配送の調整といった実務の負担が見えてきます。

こうした負担をどこまで自社で担い、どこから外部に頼るか。次の章で、自力で進める場合と支援サービスに任せる場合を整理します。

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自力で進めるか、支援サービスに任せるか

グローバルセリングは始めやすい一方で、ここまで見てきた実務の負担が残ります。これらを自社の人員でまかなえるなら自力で進められますが、重いと感じるなら、海外Amazonを含む運用を代行・支援するサービスに任せる選択肢があります。自社に当てはめると判断しやすくなるので、以下を目安にどちらへ寄せるかを考えてみてください。

  • 自力で進める現実味が高い:英語など現地語で顧客対応できる担当がいて、取扱商材が食品・化粧品のような規制(FDA登録など)の対象外で、当面の出荷も小ロットにとどまる場合。
  • 支援委託を検討したい:多言語カスタマーサポート、FBA・国際物流、関税・VAT対応のうち、複数が社内で重荷になりそうな場合。

越境EC支援サービスは、サイト構築・運営代行・コンサルティング・モール出店代行・既存ECへの越境機能付与など、支援の形が幅広いのが特徴です。自社に足りない機能(多言語CS・物流・決済・関税対応など)を補える相手を選ぶと、つまずきどころを外部の知見で越えやすくなります。

公的支援という選択肢(JAPAN STORE)

民間の支援サービスのほかに、公的な支援を活用する道もあります。AmazonとJETROによる「JAPAN STOREプログラム」は、日本企業の海外進出を支援する取り組みで、米国のAmazon.comと英国のAmazon.co.ukに日本企業の商品を掲載・特集するストアを設けています。

参加企業はグローバルセリングを利用するため、海外に拠点を持たずに日本から販売できます。参加にはJETROへの申し込みと審査があり、募集定員は米国で800社程度、英国で200社程度が予定されています。2024年には約1,100社の日本企業が参加し、合計売上高は前年比15%以上増の9,200万ドル超と発表されています。

出典・参考資料(1件)

自力・民間支援・公的支援のどれを選ぶにしても、まずは支援サービスの対応範囲と料金を見比べることが判断の近道です。海外Amazonを含む運用を任せられる代表的なサービスを、以下に紹介します。

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サービスLingble Linkアグザルファ
タイプ複数チャネル統合インフラ
(伴走運用)
Amazon専門の
コンサル・運用代行
対応チャネル海外Amazon・Shopify・
楽天 など
Amazon
(国内・海外販売サポート)
主な支援範囲受注・在庫・物流・決済・
価格設定の統合運用
商品ページ改善・SEO・
広告運用・戦略立案
Amazon SPN認定—●コンサルティング部門 国内第1号
料金の目安要お問い合わせ
(売上連動のリスク共有型)
月額78,000円〜
(運用代行プラン)
契約形態要お問い合わせ原則12ヶ月契約
運営会社Lingble Pte. Ltd.
(シンガポール)
アグザルファ株式会社
(東京)
こんな事業者向け海外Amazonを含む複数
チャネルを一元運用したい
Amazon運用を
専門家に任せたい
詳細情報オンライン相談を予約公式サイト

※本表は2026年10月時点の各社公式サイト等の公開情報をもとに作成しています。料金・提供内容は変更される場合があるため、最新情報は各社にご確認ください。

Lingble Linkのウェブサイト

Lingble Pte. Ltd.が提供するLingble Linkは、複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つのプラットフォームに統合するグローバルEC統合インフラです。海外Amazonに加えてShopifyや楽天など複数チャネルの運用を1つの管理画面にまとめ、価格・在庫・販売状況を一元的に管理できる設計になっています。

受注管理・出荷・返品対応・在庫管理・価格/税設定を統合し、注文ごとに最適な配送元を自動で割り当てます。多通貨・多言語・国別価格設定に対応し、Adyen・Stripe・PayPalなどの決済や、FedEx・DHL・UPSなどの国際配送とも連携できます。料金は売上に応じて報酬が決まるリスク共有型で、初回相談や簡易診断は無料とされています。複数チャネルを横断して海外販売を一元運用したい事業者向けです。

アグザルファ(アグザルファ株式会社)

アグザルファのAmazon専門コンサルティング公式サイト

Amazon販売に特化して支援を受けたい事業者の候補が、アグザルファ株式会社のAmazon専門コンサルティング/運用代行です。2010年設立のAmazon出品者向けコンサルティング・運用代行会社で、商品ページの改善・検索対策・広告運用・戦略立案まで一貫して支援します。Amazon海外販売サポートのメニューでは、アカウント開設から新規商品登録、海外配送サポートまでを扱っています。

同社は、Amazonグローバルセリング(越境EC)の「コンサルティング」カテゴリーで、Amazon SPN(Service Provider Network)の国内第1号認定を取得したと発表しています(2025年11月発表)。越境EC分野の公式パートナーとしての位置づけがある点が特徴です。

運用代行は原則12ヶ月契約で、プランによっては成果報酬を設ける場合があるとされています。海外Amazonの運用ノウハウを専門家に委ねたい場合に検討しやすいサービスです。

出典・参考資料(1件)

ここで紹介したのは、海外Amazonの運用を任せられるサービスの一例です。越境EC支援にはサイト構築・運営代行・モール出店代行・特化型まで幅広い選択肢があり、料金体系や対応範囲もさまざまです。主要な越境EC代行・支援サービスを費用相場や対応範囲で比較した次の記事もあわせて見ると、自社に合う委託先を幅広く見比べられます。

まとめ

Amazonのグローバルセリングは、日本にいながら海外のAmazonへ出品し、現地の販売網に乗せて海外販売を始められる仕組みです。Amazon.co.jp出品や自社越境ECサイトとは、販売先・集客・実務負担のバランスが異なります。始め方は「国・地域を決める→アカウント開設→商品登録→販売促進」の4ステップで、準備期間は2〜3ヶ月が目安でした。

費用は月額登録料・販売手数料・FBA・広告が中心で、米国$39.99/英国£25といった実額を押さえると計画を立てやすくなります。一方で、国際物流・通関・関税(米国のデミニミス停止を含む)・VATといった貿易実務が後から効きます。自社でどこまで担えるかを見極め、重いなら支援サービスや公的支援の活用を検討しましょう。各サービスの資料を取り寄せ、自社の体制に合う進め方を比較してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. Amazonグローバルセリングとは何ですか?

A. Amazonグローバルセリングとは、日本にいながら米国や欧州などの海外Amazonに出品し、現地の購入者へ商品を販売できる海外販売の仕組みです。

Amazon出品サービス公式は「商品やサービスの国境を越えて、海外の顧客に販売すること、海外向けに販売するネットショップ」と定義しています。海外に法人や拠点を設けなくても、日本からひとつのアカウントで複数国のAmazonに出品し、各国Amazonの販売網に集客を乗せられる点が基本的な考え方です。

出典・参考資料(1件)

Q. Amazonグローバルセリングは海外に拠点がなくても始められますか?

A. Amazonグローバルセリングは、海外に法人や拠点を持たなくても、日本にいながら海外販売を始められます。

AmazonとJETROによるJAPAN STOREプログラムの案内でも、グローバルセリングを利用すれば海外拠点なしで海外販売が可能と説明されています。ただし、売上金を受け取る海外口座の開設や、英国で販売する際のVAT登録など、販売先の国ごとに必要な手続きは別途発生します。

出典・参考資料(1件)

Q. Amazonグローバルセリングを始めるには、どれくらいの期間がかかりますか?

A. Amazonグローバルセリングで海外販売を始めるまでの準備期間は、平均で2〜3ヶ月程度が目安です。

Amazon出品サービス公式は、国・地域の決定→アカウント開設→商品登録→販売促進の4ステップで、平均準備期間を2〜3ヶ月としています。ただし食品や化粧品のように規制対応が必要な商材では、米国のFDA登録(審査に3ヶ月程度)や英国のVAT登録(番号取得に3〜6ヶ月以上)など、追加の期間を見込む必要があります。

出典・参考資料(2件)

Q. Amazonグローバルセリングでの海外販売には、どれくらいの費用がかかりますか?

A. Amazonグローバルセリングの主な費用は、月額登録料(米国$39.99/英国£25)、販売額の5〜45%の販売手数料、FBAの発送・在庫保管料、広告費です。

月額登録料の米国$39.99はAmazon.com公式、英国£25と各手数料率はJETROが2026年3月時点でまとめた目安です。広告費は1日$10程度から運用でき、売上の10%程度が目安とされます。これらは海外マーケットプレイス向けの費用で、Amazon.co.jp(日本国内マーケット)の料金とは別に発生します。為替変動や改定で変わるため、最新額は各社・各当局の公式情報でご確認ください。

出典・参考資料(2件)

Q. Amazonグローバルセリングは英語ができなくても運用できますか?

A. Amazonグローバルセリングは、Amazonの言語サポート機能を使えば英語が堪能でなくても出品を始められますが、購入者対応や商品ページの作り込みでは現地語への対応が必要になります。

Amazon出品サービス公式は、出品者向けのメリットとして言語サポートを挙げており、管理画面の操作や出品作業の負担を抑えられます。一方で、カスタマーサービスやレビュー対応、現地に刺さる商品説明までを自力で行うには多言語対応の体制が要ります。負担が重い場合は、多言語カスタマーサポートに対応した越境EC支援サービスの活用も選択肢になります。

出典・参考資料(1件)

Q. AmazonのFBAとFBM(自己発送)は、どちらを選べばよいですか?

A. Amazonグローバルセリングでは、少量から海外の反応を試す段階は自己発送(FBM)の直送モデル、販売が軌道に乗り配送スピードと運用負担の軽減を重視する段階はFBA倉庫経由モデル、という使い分けが基本です。

FBM(自己発送)は在庫を手元に置け、少量から試しやすい反面、注文ごとに国際配送の手間と時間がかかります。FBA(フルフィルメント by Amazon)は現地倉庫へ事前納品し、保管・梱包・発送・カスタマーサービスまでAmazonが代行するため、現地発送が速く手間を抑えられます。ただしFBA利用時はAmazonが輸入者(IOR)になれず、通関で輸入代行などのサードパーティへのIOR依頼が必要です。

出典・参考資料(1件)

Q. Amazonグローバルセリングは解約(解除)できますか?

A. Amazonグローバルセリングは、セラーセントラルから海外マーケットプレイスの出品を停止・解除できますが、出品中の商品や未発送の注文が残っていると手続きを進められない場合があります。

解除を予定している場合は、各アカウントで商品の取り下げと注文の処理状況を先に整理したうえで手続きを進めます。手順や条件は変更されることがあるため、最新の方法はAmazonのセラーセントラルのヘルプで確認してください。

Q. Amazon越境ECは自力で進めるのと、支援サービスに任せるのはどちらがよいですか?

A. Amazon越境ECは、多言語カスタマーサポート・国際物流・関税やVATへの対応を自社の人員でまかなえるなら自力で、負担が重いなら越境EC支援サービスに任せるのが判断の目安です。

自力は費用を抑えられる一方で、言語対応や貿易実務の学習・運用のコストがかかります。越境EC支援サービスは、サイト構築・運営代行・コンサルティング・モール出店代行・既存ECへの越境機能付与など支援の形が幅広く、自社に足りない機能を補える相手を選ぶとつまずきどころを越えやすくなります。まずは各社の対応範囲と料金を資料で見比べるのが、判断の近道です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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