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経理DXの事例9選|業務・業種別の取り組みと工数削減・決算早期化の効果

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クラウド財務管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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クラウド財務管理システム比較表(2026年版)

電子帳簿保存法への対応やインボイス制度、慢性的な人手不足を背景に、経理業務のデジタル化(経理DX)に取り組む企業が増えています。一方で、「自社で本当に工数やコストが減るのか」「どの業務から手をつければよいのか」が分からず、着手に踏み切れないケースも少なくありません。

判断の手がかりになるのが、すでに経理DXに取り組んだ企業の実例です。どの業種・規模の企業が、どの業務に、どのツールで取り組み、その結果どれだけ工数や決算日数が減ったのか。具体的な数値とあわせて知ることで、自社での実現イメージと費用対効果の当たりを付けられます。

本記事では、実在企業の経理DX事例を業務領域別に、導入前の課題・使ったツール・導入後の具体的な成果とともに紹介します。さらに、事例から読み取れる成功の要因とよくある失敗の回避策、自社がどの業務から始めるべきかの判断材料までを整理します。

自社に近い業種・規模の事例を見つけ、経理DXの第一歩を具体的に検討していきましょう。

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経理DXの事例一覧|業種・規模・着手業務で見る全体像

はじめに、本記事で取り上げる実在企業の経理DX事例を一覧で整理します。業種・規模・着手した業務・使ったツール・主な成果を並べているので、自社に近い企業の取り組みから詳細を確認してください。各事例の背景と数値の出典は、次章の業務領域別の解説でひとつずつ示します。

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企業名株式会社ヤオコーランサーズ株式会社滝沢ハム株式会社日本空港ビルデング株式会社クラシコ株式会社東双みらいテクノロジー株式会社株式会社ゴーゴーカレーグループ株式会社FOR YOU味の素株式会社 食品研究所
業種・規模スーパーマーケット運営/従業員約3万人クラウドソーシング等/51〜300名食肉・食肉加工品の製造販売/667名空港ターミナルビル運営/大手メディカルアパレル/51〜300名設計・研究開発/約100名規模飲食/301〜500名IT・メディア/11〜50名食品・調味料(研究所の予算管理部門)/研究員約400名
着手した業務経費精算経費・承認フロー請求書受領・経費精算・決算請求書受領請求書・債務支払記帳・管理会計月次決算・会計・経費決算・内部統制予実・経営管理
使ったツールTOKIUM経費精算マネーフォワード クラウド会計Plus ほかTOKIUMインボイス・TOKIUM経費精算TOKIUMインボイスマネーフォワード クラウド債務支払 ほかメリービズ経理DX・freee会計・Loglassマネーフォワード クラウド会計Plus・Manageboardマネーフォワード クラウド会計Plus ほかLoglass 経営管理
主な成果年間5万枚の紙をペーパーレス化、経費処理を年間約600時間削減承認業務を分散し業務時間を30%以上削減年間約5,000時間の工数削減、月次決算が半日以上早期化導入初月で約80%の請求書をペーパーレス化銀行振込作業の工数を83%以上削減(3時間→30分以内)担当者の業務負荷を50%削減、決算締めを2日→半日に短縮月次決算を15営業日から7営業日へ短縮月次決算にかかる時間を4分の1(60日程度→15日程度)に短縮月次報告の準備を約1週間から約2日に短縮

※各社の公開事例・プレスリリースに基づく(2026年10月時点)。数値は各出典の公表内容により、測定の前提・期間・対象範囲は企業ごとに異なります。自社に当てはめる際は目安としてご覧ください。

【業務領域別】実在企業の経理DX事例(課題→施策→使ったツール→成果)

ここからは、経理DXに取り組んだ実在企業の事例を業務領域別に見ていきます。各事例は「企業プロフィール」「導入前の課題」「施策と使ったツール」「導入後の成果」の順に整理しました。自社が課題を感じている業務から読み進めると、取り組みのイメージをつかみやすくなります。

経費精算のDX事例(第一歩に向きやすい領域)

経費精算は、従業員全員が関わるうえ紙の領収書や手入力が残りやすく、経理DXの入り口として選ばれることの多い業務です。

株式会社ヤオコー(従業員約3万人・スーパーマーケット運営)

食料品を中心としたスーパーマーケットを運営するヤオコーでは、従業員約3万人が紙で経費精算を行っており、領収書の回覧や手入力に膨大な時間がかかっていました。

同社は紙の経費精算をTOKIUM経費精算に切り替え、領収書の受領・データ化から申請・承認までを電子化しました。その結果、年間5万枚の紙をペーパーレス化し、経費処理にかかる作業時間を年間で約600時間削減しています。

出典・参考資料(1件)

ランサーズ株式会社(51〜300名・クラウドソーシング等)

クラウドソーシング事業などを手がけるランサーズでは、紙ベースの承認申請による修正作業やミスのリスクに加え、リモート勤務に対応できない申請・承認フロー、そして特定のマネージャーに月110時間もの承認業務が集中していることが課題でした。

同社は経費・債務支払・会計の承認フローをクラウド化し、特定のマネージャーに集中していた承認業務を分散しました。マネーフォワード クラウド会計Plusを中心に関連サービスを組み合わせた運用により、業務時間を30%以上削減しています。

出典・参考資料(1件)

請求書の発行・受領のDX事例

受け取る請求書の電子化は、紙の保管やテレワーク対応、インボイス制度への対応と直結する業務です。受領から保管・承認までを電子化した事例を見ていきます。

滝沢ハム株式会社(667名・食肉加工品の製造販売)

1918年創業で従業員667名(2024年3月末時点)の滝沢ハムでは、月間約800枚の請求書を担当者1名が月初のわずか3〜4日で処理していました。部門ごとの複雑な按分や紙の紛失・手戻り、経費精算での小口現金管理のリスクも抱えていました。

同社は請求書受領と経費精算をTOKIUMに集約し、受領・データ化・按分・承認を電子化しました。これにより年間約5,000時間程度の工数削減を実現し、月次決算が半日以上早期化しています。このうち外出先での経費精算の導入による削減が年間約2,000時間を占めます。

出典・参考資料(1件)

日本空港ビルデング株式会社(空港ターミナルビル運営)

羽田空港を中心に旅客ターミナルビルを運営する日本空港ビルデングでは、請求書の受け取りのために出社が必要で、紙の請求書の保管スペースの確保も難しく、テレワーク環境が整っていませんでした。

請求書の受領をクラウド化し、受領・保管・承認・押印を電子化してテレワークに対応しました。導入初月で約80%の請求書をペーパーレス化し、申請から承認・押印にかかっていた時間を1人あたり月30分〜1時間程度削減しています。

出典・参考資料(1件)

クラシコ株式会社(51〜300名・メディカルアパレル)

医療ウェアの企画・開発・販売を手がけるクラシコでは、仕入先から届く紙の請求書をもとに手作業で債務支払を行っていました。仕入先の拡大で請求書管理の負担が増し、インターネットバンキングでの振込入力に最低3時間かかるうえ、手入力による二重支払いなどのミスのリスクも抱えていました。

同社は受領した請求書の支払データ化と振込処理を自動化し、会計と連動させました。マネーフォワード クラウド債務支払を中心とした運用により、銀行振込作業の工数を83%以上削減し、振込処理にかかる時間を3時間から30分以内に短縮しています。あわせてペーパーレス化と電子帳簿保存法への対応も実現しました。

出典・参考資料(1件)

記帳・会計業務のDX事例

日々の記帳や管理会計は、担当者に業務が集中して属人化しやすい領域です。クラウド会計への移行で属人化を解消した事例を紹介します。

東双みらいテクノロジー株式会社(約100名規模・設計/研究開発)

燃料デブリ取り出しに関するシステム・設備の基本設計や研究開発を担う東双みらいテクノロジーでは、出向者の帰任に伴う業務継続への懸念や、会計・管理会計領域のブラックボックス化が課題でした。複雑な配賦計算をExcelで運用していたためファイルが肥大化し、経理とシステムの双方に強い人材の不足から、DXプロジェクトの進行そのものが危ぶまれていました。

同社は外部の経理DXコンサルティング(メリービズ経理DX)の支援のもとクラウド会計へ移行し、配賦基準を含めてシステムを刷新することで記帳・管理会計の属人化を解消しました。freee会計とクラウド経営管理システムのLoglassを組み合わせた運用により、担当者の業務負荷を50%削減し、月次決算の締め作業を2日から半日へ短縮しています。

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月次・決算の早期化を実現した事例

月次決算のスピードは、経営判断の速さに直結します。紙やオンプレミス型のシステムからクラウドへ移行し、決算を早期化した事例を見ていきます。

株式会社ゴーゴーカレーグループ(301〜500名・飲食)

飲食事業を展開するゴーゴーカレーグループでは、月次決算に15営業日以上を要し、迅速な経営判断が難しい状態でした。月200件ほどの紙の請求書を手作業で回覧し、オンプレミス型システムのため事務所内でしか作業できず、業務の属人化も進んでいました。

会計・経費・債務支払・予実管理をクラウドに統合し、紙とオンプレミスへの依存をなくしました。マネーフォワード クラウド会計Plusと予実管理のManageboardなどを組み合わせ、月次決算を15営業日から7営業日へ短縮しています。

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株式会社FOR YOU(11〜50名・IT/メディア)

広告と芸能のハイブリッドエージェンシーであるFOR YOUでは、表計算ソフトでの運用・管理による業務の属人化が限界に達していました。上場を見据えた内部統制の強化も必要で、月次決算の締めに60日程度かかっていました。

同社は会計・請求・経費・給与・年末調整をクラウドで統合し、決算と内部統制を整備しました。マネーフォワード クラウド会計Plusを中心とした運用により、月次決算にかかる時間を4分の1まで短縮しています(60日程度から15日程度へ)。

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予実・経営管理のDX事例

予算と実績の管理は、各所に散在するデータをExcelやメールで集計する手作業が残りやすい領域です。経営管理クラウドへの集約で報告業務を効率化した事例を紹介します。

味の素株式会社 食品研究所(研究員約400名・予算管理部門)

味の素の食品研究所では、研究員約400名に対して予算管理の担当は2名という体制でした。予算に必要な情報が各所に散在し、Excelやメールで届くデータを手作業で集計していたため、月次報告に約1週間、四半期の予算策定時には約1ヶ月を要していました。データの粒度や表現が統一されておらず、グループ長が予算実績の詳細を把握しづらい状態でもありました。

予実データを経営管理クラウドのLoglassに集約し、Wordでの報告書作成を廃止して月次報告を一気通貫にしました。結果として月次定例会議の報告準備を約1週間から約2日に短縮し、10名以上のグループ長へ予算実績を可視化しています。

出典・参考資料(1件)
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事例に学ぶ経理DX成功の要因と失敗の回避

ここまでの事例には、成果につながった共通の要因と、つまずきやすいポイントが表れています。自社の取り組みに活かせるよう、成功の要因と失敗の回避策を整理します。

成功企業に共通するポイント

成果を出した企業の取り組みには、次の3つの共通点が見られます。

1つ目は、負担の大きい業務から範囲を絞って始めていることです。ヤオコーは経費精算、日本空港ビルデングは請求書の受領というように、紙や手作業が集中する1つの業務を起点にしています。全社の仕組みを一度に入れ替えるのではなく、効果が見えやすい業務から着手することで、成果を実感しながら対象を広げられます。

2つ目は、紙とオンプレミスへの依存を見直し、データ連携を前提にした運用へ切り替えていることです。ゴーゴーカレーグループは紙の回覧とオンプレミス型システムを、クラシコは手作業の振込入力を、それぞれクラウドと自動連携に置き換えました。入力・転記の手間が減るだけでなく、場所を問わず作業できるためテレワークにも対応できます。

3つ目は、属人化とブラックボックス化の解消を目的に据えていることです。東双みらいテクノロジーやFOR YOUは、担当者個人やExcelファイルに業務が集中していた状態を、クラウド会計への移行で解消しました。業務の標準化は、担当者の交代や上場準備といった将来の変化への備えにもなります。

よくある失敗と回避のポイント

一方で、経理DXがうまく進まない場合には、次のような落とし穴が見られます。それぞれの回避策とあわせて確認してください。

1つ目は、ツールの導入そのものが目的になってしまうことです。どの業務の、どの手間を減らしたいのかを定めないまま導入すると、既存の業務フローに機能が合わず定着しません。回避には、事例のように「紙の経費精算をなくす」「振込入力の時間を短縮する」といった具体的な課題を先に決め、それに合うツールを選ぶ順序が有効です。

2つ目は、現場の運用変更が追いつかないことです。経費精算や請求書処理は従業員全員や各部門が関わるため、ツールを入れても運用ルールが浸透しなければ紙の処理が残ります。導入範囲を絞り、対象業務の担当者を巻き込みながら段階的に広げることで、現場の負担を抑えられます。

3つ目は、自社の例外処理や専門知識が社内に不足していることです。配賦計算や決算・申告のように専門性の高い業務では、ツールだけで解決しきれない場合があります。東双みらいテクノロジーが経理DXコンサルティングの支援を受けたように、外部の専門家や経理代行サービスの活用も選択肢になります。

自社はどの業務から経理DXを始めるべきか

経理DXを始めるなら、経費精算や請求書処理といった、従業員全員や各部門が関わり、効果を実感しやすい業務が入り口に向きます。本記事の事例でも、ヤオコーやランサーズは経費精算、日本空港ビルデングやクラシコは請求書関連から着手し、早い段階で工数削減の成果を得ています。

経理DXを進める業務の順序を示すステップ図。STEP1の入り口は経費精算・請求書で、全員や各部門が関わり紙や手入力が多く効果を実感しやすい。STEP2は記帳・会計で属人化を解消、STEP3は月次決算で早期化、STEP4は予実・経営管理で予算と実績を可視化し報告を効率化する。手間の大きい業務から段階的に対象を広げる流れを表す。

経費精算から着手する場合は、領収書の読み取り精度や会計ソフトとの連携、1人あたりの料金などが製品選びのポイントになります。主な経費精算システムの機能と選び方は、以下の記事で比較しています。

受け取る請求書の電子化(請求書受領・インボイス管理)から始めるなら、受領からデータ化・支払・保管までの対応範囲や、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応状況で製品が分かれます。タイプ別の選び方は以下の記事が参考になります。

紙や手作業が多く、処理件数の多い業務ほど、電子化による削減効果が数値に表れやすくなります。まずは自社で最も手間がかかっている業務を1つ選び、そこから記帳・会計、月次決算、予実管理へと対象を広げていくと、成果を確認しながら無理なく進められます。

予実管理や経営管理まで対象を広げる段階では、予算と実績の集計をどこまで自動化できるか、会計データとどう連携して可視化するかで製品が分かれます。予実・経営管理システムのタイプ別の選び方は、以下の記事で解説しています。

導入コストが気になる場合は、補助金の活用も検討できます。中小企業・小規模事業者がソフトウェアを導入する際の支援制度として「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」があり、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトなどが補助の対象に含まれます。補助額や補助率、対象の要件は年度の公募要領で変わるため、最新の内容は公式サイトで確認してください。

出典・参考資料(1件)

経理DXとは?なぜ今取り組むべきか(事例理解の前提)

経理DXとは、紙や手作業、表計算ソフトに頼っていた経理業務を、クラウド会計や各種システムの活用によってデジタル化し、入力・確認・集計の手間を減らしながら、月次決算の早期化や経営判断への活用まで進める取り組みを指します。単なるツールの導入にとどまらず、業務のやり方そのものを見直す点が特徴です。

なぜ今、経理DXが求められるのか

経理DXへの関心が高まっている背景には、制度対応と人材の両面の事情があります。

制度面では、電子帳簿保存法により、注文書・契約書・請求書・領収書などに相当する電子取引データを受領・交付した場合、その電子取引データの電子保存が義務付けられています。令和4年度税制改正で設けられた宥恕措置は令和5年12月31日をもって廃止され、令和6年(2024年)1月以降は新たな猶予措置に切り替わりました。

あわせて、令和5年(2023年)10月1日からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まり、仕入税額控除の要件として適格請求書の保存が求められています。紙のままの運用では対応の負担が大きく、電子化の必要性が増しています。

出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法への具体的な対応方法や、電子化によるメリット・導入時のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

加えて、既存システムの老朽化や人材面の課題も指摘されています。経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」は、企業がこの課題を克服できない場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があると指摘しました(いわゆる「2025年の崖」)。

人手不足も続いており、帝国データバンクの調査では、正社員の人手不足を感じている企業の割合は2025年4月時点で51.4%と、4月としては過去最高を記録しています。少人数の経理部門ほど、業務の効率化と属人化の解消が急務になっています。

出典・参考資料(2件)

経理DXを実現する手段となるクラウド会計・財務管理システムについて、機能や料金、タイプ別の選び方をまとめて比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

経理DXに役立つサービス

事例で見てきた経理DXの手段として、記帳から決算までを効率化するクラウド会計システムと、経理業務そのものを外部に任せる経理代行サービスがあります。ここでは、自社での運用か外部委託かを検討する際の候補となる主なサービスを紹介します。

まずは、紹介するサービスの特徴を比較表で整理します。

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サービス名弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド会計Plusfreee会計Tenbook(テンブック)
提供形態クラウド会計ソフト(自社運用。会計・請求・経費を一元化)クラウド会計ソフト(内部統制対応。IPO準備〜上場企業向け)クラウド会計ソフト(自社運用。記帳自動化・管理会計機能を内蔵)クラウド活用型の経理代行(記帳〜決算・申告を代行+会計ソフト10bookを無料提供)
対象規模法人専用(1人〜300人未満の導入事例)IPO準備・中堅〜上場企業個人事業主〜新設法人・中小〜上場準備企業創業期〜売上5億円以下の中小・スタートアップ
初期費用0円要お問い合わせ0円0円
月額・料金体系年額34,800円〜84,000円(税抜)
3プラン
要見積もり(利用ID数に応じる)月額2,980円〜(法人ひとり法人・年払い)
5プラン
月額定額(決算料不要)
免税事業者29,500円/課税事業者43,500円
記帳・仕訳の自動化AI取引入力(月300回)+2,500以上の金融機関連携明細の自動取得+AIによる科目提案(2,300以上の金融サービス連携)「自動で経理」+AI-OCR+自動登録ルール(1,000以上の金融機関連携)記帳・仕訳を専門家が代行(10bookで銀行・カードの自動連携も可能)
内部統制対応×(内部統制機能の記載なし)◎(仕訳承認フロー・権限管理・操作ログ・監査法人連携)△(エンタープライズプランで対応)×(大企業向けの内部統制機能の記載なし)
無料トライアルあり(最大2か月。1事業者1回、決算書機能は対象外)なし(無料見積もり・オンライン相談あり)あり(30日間)要お問い合わせ
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見る公式資料を見る

自社でクラウド会計を運用する場合の主なサービス

記帳や仕訳の自動化、決算書作成までを自社で進めるなら、クラウド会計ソフトが中心になります。企業規模や内部統制の要件に応じて選択肢が分かれます。

本記事で紹介するもの以外のクラウド会計ソフトも含めて、機能や料金、規模・タイプ別の選び方を横並びで比較したい場合は、以下の記事が参考になります。

弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Nextは、弥生株式会社が2025年4月に正式リリースした法人専用のクラウド会計サービスです。会計・決算書作成に加え、請求業務や経費精算、証憑保存を同一システム内で完結できる点を訴求しています。

2,500以上の金融機関と連携して明細を自動で取り込み、会話するように入力した取引からAIが仕訳を生成する「AI取引入力」も備えます。料金は初期費用0円、年額34,800円(税抜)からで、サポート範囲に応じて3つのプランが用意されています。簿記や会計の知識がなくても使えるよう設計されており、初めてクラウド会計を導入する法人にも向きます。

マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusのウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計Plusは、IPO準備企業や中堅〜上場企業に向けて、内部統制機能を強化したクラウド会計システムです。本記事の事例でも、ランサーズ・ゴーゴーカレーグループ・FOR YOUなど複数の企業が決算早期化や承認業務の効率化に活用しています。

明細の自動取得やAIによる科目提案といった自動化機能を備えつつ、仕訳承認フロー・権限管理・操作ログ・月次締めといった内部統制機能を実装している点が特徴です。経費・給与・債権・請求など同社のクラウドシリーズと連携し、決算の早期化を支援します。料金は利用ID数に応じた見積もり方式で、無料のオンライン相談も用意されています。

どのような企業がこのサービスを検討しているのか。提供元であるマネーフォワードの栗本氏は、MCB FinTechカタログの独自取材で導入相談の傾向を次のように語っています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。

freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

freee会計は、個人事業主から新設法人・中小企業、上場準備企業までを幅広くカバーするクラウド型の会計ソフトです。本記事の東双みらいテクノロジーの事例でも、クラウド会計への移行先として採用されています。

銀行口座やクレジットカード、POSレジ、人事労務システムなどと連携して明細を自動取得し、AIによる自動仕訳やAI-OCRでの証憑読み取りにより記帳の工数を減らします。改正電子帳簿保存法に全プランで対応し、JIIMA認証も取得しています。料金は初期費用0円で、法人向けは「ひとり法人」から「エンタープライズ」まで5つのプランがあり、企業規模や管理会計・内部統制の要件に応じて選べます。

経理業務そのものを外部に任せる場合のサービス

経理の専任者を確保しづらい場合や、記帳から決算・申告までをまとめて任せたい場合は、クラウドを活用した経理代行サービスも選択肢になります。

委託できる業務の範囲や料金の相場はサービスによって幅があります。経理代行・アウトソーシングを複数社で比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

Tenbookは、公認会計士・税理士が運営する会計事務所が、記帳代行から決算書・法人税申告までを月次・年次でワンストップ対応する、クラウド活用型の経理代行サービスです。契約者には、会計・経理・給与計算を1つに統合したクラウド会計ソフト「10book」が無料で提供されます。

資料共有や相談もオンラインで完結するため全国に対応し、月次レポートやキャッシュフロー、債権債務の状況をリアルタイムに把握できます。料金は初期費用0円・決算料不要の月額定額で、免税事業者は月29,500円、課税事業者は月43,500円という2段階の体系です。経理リソースの不足や属人化に悩む創業期〜中小企業に向いています。

経理代行がどのような場面で価値を発揮するのか。提供元であるシンアカウンティングサービスの上田氏は、MCB FinTechカタログの独自取材で現場の実態を次のように述べています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。

まとめ

本記事では、経費精算・請求書・記帳・決算早期化・予実管理といった業務領域ごとに、実在企業の経理DX事例を導入前の課題・使ったツール・導入後の具体的な成果とともに紹介しました。業種や規模が異なっても、負担の大きい業務から範囲を絞って着手し、紙やオンプレミスへの依存を見直すことで、工数削減や決算早期化といった成果につながっている点は共通しています。

自社に近い事例は、着手する業務を決める材料になるだけでなく、社内で経理DXの必要性を説明し、合意を得るための根拠にもなります。まずは最も手間がかかっている業務を1つ選び、自社での運用か外部委託かを含めて、具体的なサービスの比較・検討を進めてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 経理DXとは何ですか?

A. 経理DXとは、紙や手作業・表計算ソフトに頼っていた経理業務をクラウド会計などのデジタル技術で効率化し、月次決算の早期化や経営判断への活用まで進める取り組みです。単にツールを導入するだけでなく、業務のやり方そのものを見直す点が特徴で、経費精算・請求書処理・記帳・会計・月次決算・予実管理など幅広い業務が対象になります。

Q. 経理DXは中小企業でも効果が出ますか?

A. 経理DXは、中小企業でも十分に効果が出ます。本記事では、約100名規模の東双みらいテクノロジーが担当者の業務負荷を50%削減し、51〜300名規模のクラシコが銀行振込作業の工数を83%以上削減するなど、中堅・中小企業の成果事例を紹介しています。効果は企業規模よりも「どの業務にどれだけ手間がかかっているか」で決まり、紙や手入力の多い業務ほど削減効果が数値に表れやすくなります。

Q. 経理DXはどの業務から始めるべきですか?

A. 経理DXは、経費精算や請求書処理といった、従業員全員や各部門が関わり効果を実感しやすい業務から始めるのが向いています。紙や手入力が多く処理件数の多い業務ほど、電子化による削減効果が数値に表れやすいためです。

まず自社で最も手間がかかっている業務を1つ選び、そこから記帳・会計、月次決算、予実管理へと対象を広げると、成果を確認しながら無理なく進められます。

Q. 経理DXにかかる費用やROIの目安はどのくらいですか?

A. 経理DXの費用は手段によって幅がありますが、自社運用のクラウド会計ソフトは初期費用0円・月額数千円程度から、経理代行は月額数万円程度が目安です(本記事で紹介したfreee会計は月額2,980円から、経理代行のTenbookは月額29,500円から)。

ROI(費用対効果)は削減できる工数で測ると分かりやすく、事例では年間約600時間から約5,000時間の削減や月次決算日数の短縮が報告されています。自社の処理件数と現状の作業時間をもとに、削減見込みと費用を比べて判断してください。

Q. 経理DXにデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は使えますか?

A. 経理DXでは、中小企業・小規模事業者がソフトウェアを導入する際に「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」を活用できる場合があります。インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトなどが補助の対象に含まれます。ただし、補助額や補助率、対象となる要件は年度の公募要領によって変わるため、申請を検討する際は公式サイトで最新の内容を確認してください。

出典・参考資料(1件)

Q. 経理DXで失敗を避けるにはどうすればよいですか?

A. 経理DXの失敗を避けるには、「ツール導入を目的にせず減らしたい手間を先に決める」「導入範囲を絞り現場を巻き込んで段階的に広げる」「自社に不足する専門知識は外部の力を借りる」の3点が有効です。

導入そのものが目的になると既存の業務フローに機能が合わず定着せず、現場の運用変更が追いつかないと紙の処理が残ってしまいます。配賦計算や決算・申告のように専門性の高い業務は、経理DXコンサルティングや経理代行サービスの活用も選択肢になります。

Q. 経理DXは自社でのクラウド会計運用と経理代行のどちらを選べばよいですか?

A. 経理DXの進め方は、社内に経理担当者を確保でき自社で運用を回せるならクラウド会計ソフト、経理の専任者を置きにくく記帳から決算・申告までまとめて任せたいなら経理代行が向いています。自社運用のクラウド会計ソフトは、内部統制やIPO準備の要件の有無によって選択肢が分かれます。

経理代行には、クラウド会計ソフトの提供とセットになったものもあり、まず代行で立ち上げてから自社運用へ移行するなど、両者を組み合わせる方法もあります。それぞれの具体的なサービスは、本記事の比較表とサービス紹介で確認できます。

Q. 経理DXはどのくらいの期間で効果が出ますか?

A. 経理DXの効果が出るまでの期間は取り組む業務や範囲によりますが、着手する業務を絞れば、導入後まもなく成果が表れるケースもあります。本記事では、日本空港ビルデングが請求書受領のクラウド化によって導入初月で約80%の請求書をペーパーレス化した事例を紹介しています。

一方、記帳・会計や予実管理など全社に関わる領域の刷新は業務プロセスの再設計を伴うため、定着までに時間がかかります。まずは効果が見えやすい業務から始め、成果を確認しながら対象を広げるのが現実的です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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