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工事請負契約書の原本はどちらが保管する?建設業法第19条と印紙・保管期間を解説

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工事請負契約書を取り交わすとき、「収入印紙を貼った原本は、発注者と請負者のどちらが持つのが正しいのか」で手が止まることがあります。印紙代を少しでも抑えようと、原本を1通だけ作って相手にはコピーを渡す運用を考える現場も少なくありません。

結論から言えば、原本をどちらが保管するかを定めた法律はありません。ただし工事請負契約には建設業法という固有のルールがあり、原本1通+コピーの運用には注意が必要です。写しに収入印紙が要る場合の線引きや、契約書を何年保管すべきかもあわせて押さえておくと、契約処理で迷わなくなります。

この記事では、原本の保管者を実務の観点から整理したうえで、建設業法第19条の書面交付義務・写しの印紙税・保管期間を、条文や公式資料を示しながら解説します。さらに、紙の原本をめぐる悩みをまとめて解消する電子契約・契約管理という選択肢まで紹介します。

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工事請負契約書の原本はどちらが保管する?

まず結論です。工事請負契約書の原本を発注者と請負者のどちらが保管するかを定めた法律はありません。民法にも印紙税法にも、原本の保管者を一方に決める規定はなく、建設業法も保管者までは定めていません。どちらが持つかは、当事者同士の取り決めに委ねられています。

では実務ではどう決めるのが安全でしょうか。手がかりになるのは「証拠としての力」です。署名または記名押印のある原本は、後で契約内容が争いになったときに証拠としての力が強くなります。そのため、万一のトラブルで困る立場にある側が原本を手元に残しておくのが基本的な考え方です。

たとえば請負者(受注者)にとっては工事代金を請求する根拠として、発注者にとっては工事内容や瑕疵対応を求める根拠として、それぞれ原本が必要になり得ます。自社がどの場面で契約内容を証明する必要があるかを考えて、原本を持つ側を決めるとよいでしょう。

とはいえ、工事請負契約では発注者・請負者のどちらにとっても契約内容を証明できる原本が重要です。双方が原本を必要とする場合は、同じ内容の契約書を2通作成し、各自が1通ずつ原本を保管するのが最も確実です。契約書の末尾に「本契約書を2通作成し、各自1通を保有する」と定めておくと、保管者をめぐる認識のずれを防げます。

原本を1通だけ作成し、相手にはコピーを渡す運用も実務では見られますが、工事請負契約では後述する建設業法第19条の書面交付義務との関係で慎重な判断が要ります。印紙代の節約だけを理由に安易に選ぶと、思わぬリスクを抱えることになります。

印紙代節約で原本1通+相手にコピーにしてよい?建設業法第19条の注意

ここからは、原本1通+相手にコピーという運用が工事請負契約でなぜ問題になりうるのかを解説します。一般の契約書にはない、建設業ならではの注意点です。

工事請負契約には、建設業法(昭和24年法律第100号)第19条による書面の交付義務があります。同条第1項は、契約当事者が契約事項を書面に記載し、署名または記名押印をして「相互に交付」しなければならないと定めています。

建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

出典:建設業法第19条第1項|e-Gov法令検索

ここで問題になるのが「相互に交付」の解釈です。これを、双方が署名・押印した書面(原本)を交付し合うことと読むと、一方にコピーを渡すだけの運用は交付義務を果たしていないと判断されるおそれがあります。この文言が具体的に何を指すかについて明確な基準は示されておらず、原本1通+コピーの運用が第19条に違反すると判断されるリスクは否定できません。

違反と判断された場合にただちに罰則が科されるという性質のものではありませんが、建設業法が求める書面交付の形式を欠く状態は、後の紛争や取引先との信頼関係、行政対応の場面で不利に働きかねません。印紙代の節約と引き換えにこうしたリスクを抱えるのは、重要な契約ほど避けたいところです。

そのため、印紙代の節約を優先して原本1通+コピーにしたい場合でも、工事請負契約では安全側の対応をとるのが無難です。具体的には、同じ内容の原本を2通作成して各自が1通ずつ保有するか、相手に渡すコピー(複写式の2枚目など)にも署名・押印をして、書面を相互に交付した形を整える方法が考えられます。法令解釈にかかわる判断なので、重要な契約では弁護士や所管部署に確認することをおすすめします。

原本・写し(コピー)・謄本・正本・副本の違い

ここまで原本とコピーという言葉を使ってきましたが、関連する文書の呼び方を一度整理しておきます。原本・写し・謄本・正本・副本は似た場面で使われるものの、法的な位置づけが異なります(以下は一般的な法律上の用語の整理です)。

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文書の種類原本写し(コピー)謄本正本副本
意味作成者が最初に作成したオリジナルの文書。署名または記名押印がある原本をコピーした文書全般原本の記載内容をすべて写した文書謄本のうち、公証権限のある者が作成し原本と同じ効力を持たせた文書正本の控えや予備として作成される文書
証拠としての特徴契約内容を証明する力が最も強い原本より効力は弱く、改ざんの可能性から証拠としての信用性が下がることがある認証があれば原本に準じて扱われる原本と同等の効力正本に準じる

工事請負契約の実務で主に意識するのは「原本」と「写し(コピー)」の違いです。原本には署名・押印があり証拠力が強い一方、単なるコピーは証拠としての力が弱くなります。複写式の契約書であれば、署名のある1枚目が原本、2枚目以降が写し・控えという扱いになります。

原本の提出を求められる場面

原本を手元に残しておく意味は、原本の提出を求められる場面があるからです。代表的なのは、契約内容が争いになったときの訴訟や、税務調査の場面です。これらでは写しだけでは不十分とされ、原本の提示を求められることがあります。

原本を相手に渡して手元に残っていない場合など、原本を提出できない事情があるときは、写しに「原本と相違ない」旨を記載し、署名または記名押印を加えた「原本証明」で代える方法もあります。いずれにせよ、原本をどこに・誰が保管しているかを当事者が把握しておくことが前提になります。

写し(コピー)に収入印紙は必要?

原本1通+コピーの運用を考える最大の動機は、収入印紙の節約です。ここでは、写し(コピー)に収入印紙が必要になるのかを整理します。

そもそも工事請負契約書は、印紙税法上の第2号文書(請負に関する契約書)に当たり、記載された契約金額に応じて収入印紙が必要です。同じ内容の契約書を2通作成すれば、2通とも契約の成立を証明する文書として、それぞれに収入印紙を貼る必要があります。

一方、原本を1通だけ作成し、相手には単なるコピーを渡す場合、収入印紙が必要なのは原本だけです。契約の成立を証明する目的で作られていない単なる写しには、印紙税はかかりません。これが原本1通+コピーで印紙代を抑えられる理由です。

ただし、写しであっても次のいずれかに当てはまると課税文書となり、収入印紙が必要になります。国税庁は課税される写し・副本・謄本の条件を次のように示しています。

  • (1) 契約当事者の双方または文書の所持者以外の一方の署名または押印があるもの
  • (2) 正本などと相違ないこと、または写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの
出典:No.7120 契約書の写し、副本、謄本等|国税庁

前述の建設業法第19条対策としてコピーにも署名・押印をすると、その時点でコピーも課税文書になり、印紙代の節約にはなりません。印紙代を抑えたい意図と、建設業法上の書面交付義務を両立させようとすると、紙の契約書では難しい局面が出てきます。

ここまでの原本・コピー・印紙税・建設業法の関係を、運用パターンごとに整理すると次のとおりです。

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運用パターン紙・原本2通(各自1通保管)紙・原本1通+コピー(署名押印なし)紙・原本1通+コピー(署名押印あり)電子契約
収入印紙2通分かかる原本1通分のみコピーも課税文書となり2通分に近づく不要
建設業法第19条(書面の相互交付)書面を相互に交付でき問題が生じにくい「相互に交付」を満たさないと判断されるリスク書面交付の形は整えやすい相手方の承諾+技術的基準を満たせば適法に締結できる
証拠力・保管双方が原本を保持でき証拠力も高いコピー側は証拠力が弱いコピー側の証拠力も補える双方が同一データを原本として保持

収入印紙・建設業法の扱いは2026年3月時点の情報です。個別の判断は専門家にご確認ください。

紙のままでは、印紙代の節約と建設業法上の書面交付義務の両立が難しいことが分かります。この矛盾を根本から解消する手段が、後述の電子契約です。

また、原本そのものに貼る収入印紙の額は契約金額ごとに定められ、建設工事の請負契約には印紙税の軽減措置も設けられています。具体的な金額や、注文請書・変更契約書での収入印紙の扱いは、以下の記事で一覧にまとめています。

工事請負契約書の原本は何年保管する?

保管者が決まったら、次に気になるのが保管期間です。工事請負契約書の原本をいつまで保管すべきかは、税法と会社法の両面から考えます。

法人の場合、法人税法は帳簿書類の保存期間を定めています。契約書は「取引等に関して作成または受領した書類」に含まれ、原則として7年間の保存が必要です。

法人は、帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。

出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

この7年は原則で、青色申告をしている法人が欠損金が生じた事業年度などでは10年間の保存が必要になる場合があります。

また会社法は、株式会社に対して会計帳簿および事業に関する重要な資料を10年間保存するよう定めています。

株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。

出典:会社法第432条第2項|e-Gov法令検索

この条文は「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」が対象で、契約書そのものを名指ししているわけではありません。ただ、金額の大きい工事請負契約書は事業に関する重要な資料に当たると考えられるため、実務上は10年間の保存を見込んでおくのが無難です。個人事業主の場合は、取引に関して作成・受領した書類は原則5年、帳簿や決算に関する書類は7年が目安で、契約書も取引書類に含めて保存しておくと安心です。

いずれにせよ、工事請負契約書は数年単位での保管が前提になります。紙のまま保管すると、保管場所の確保・紛失や劣化のリスク・必要なときにすぐ取り出せるかといった課題がつきまといます。

紙の契約書を手元で管理し続ける場合は、ファイリングの分類方法や保管期間の数え方など、整理・保管の実務ルールを押さえておくと探す手間を減らせます。紙のままの管理方法を具体的に知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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紙の原本の悩みをまとめて解決する電子契約・契約管理

ここまで見てきた「原本をどちらが保管するか」「原本1通+コピーは建設業法上問題ないか」「写しに印紙が要るか」「何年保管するか」という悩みは、いずれも紙の契約書を前提にしたものです。工事請負契約を電子契約に切り替えると、これらをまとめて解消できます。

電子契約では、締結した契約データそのものが原本となり、発注者・請負者の双方が同じデータを原本として保持できます。原本を1通しか作らない前提が消えるため「どちらが保管するか」で迷う必要がなくなり、印紙税は電子契約には課されないため印紙代の問題も解消します。保管もクラウド上で一元管理でき、保管場所の確保や紛失のリスク、必要なときに探し出せないといった課題も軽減されます。

電子契約における「原本」とは

紙の契約書では、署名・押印のあるオリジナルの書面が原本でした。電子契約では、電子署名とタイムスタンプが付与された電子データが原本に当たります。電子署名が「誰が合意したか(本人性)」を、タイムスタンプが「いつ作成され、その後改ざんされていないか(原本性)」を示す役割を担います。

電子データはコピーしても劣化せず、当事者それぞれが同一の原本データを保持できる点が紙と大きく異なります。紙のように「原本は1通しかないから片方しか持てない」という制約が、そもそも生じません。

建設業の工事請負契約を電子で結ぶための建設業法上の要件

ただし、工事請負契約を電子で結ぶには、建設業法が定める手続きと技術的な基準を満たす必要があります。この点は一般の契約の電子化にはない、建設業固有の注意点です。

まず建設業法第19条第3項は、書面の交付に代えて、相手方の承諾を得たうえで電磁的措置(電子契約など、データでやり取りする方法)を講じることができると定めています。

この承諾は、建設業法施行令第5条の5により、あらかじめ相手方に電磁的措置の種類と内容(どのような電子的手段で、どんな記録方式でやり取りするか)を示し、書面または電磁的方法で得る必要があります。口頭の了解ではなく、事前の明確な承諾が要るということです。

さらに、どのような電子契約でもよいわけではなく、建設業法施行規則第13条の4第2項が次の技術的基準を求めています。

  • 一 当該契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること。
  • 二 ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
  • 三 当該契約の相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること。
出典:電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン(令和7年9月30日)|国土交通省

国土交通省のガイドラインは、これらをそれぞれ「見読性」(第1号)、「原本性」(第2号)、「本人性」(第3号)と呼んでいます。出力して書面にできること、改ざんの有無を確認できること、相手方が本人であることを確認できること、という3つの条件を満たした電子契約であれば、工事請負契約でも利用できます。

電子契約サービスを選ぶ際は、相手方の事前承諾を取得する機能があるか、認定タイムスタンプで原本性を担保できるか、本人性を確認する署名方式に対応しているかを確認するとよいでしょう。ここからは、工事請負契約の電子化に対応できる代表的なサービスを紹介します。

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サービス名電子印鑑GMOサインクラウドサイン
署名方式立会人型・当事者型
(ハイブリッド署名も可)
立会人型(標準)・当事者型
(マイナンバーカード署名)
建設業の工事請負契約への対応◎国土交通省のグレーゾーン解消制度で適法性を確認(2024年2月)●立会人型+認定タイムスタンプで技術的基準に対応
認定タイムスタンプ(原本性)●全プランで付与●全プランで付与
月額料金(税抜)0円(お試しフリー)
8,800円〜(ライト・年間契約)
0円(フリー)
11,000円〜(Light)
送信料(税抜)立会人型100円/件
当事者型300円/件
220円/件
無料プラン●月5件・1ユーザー・立会人型のみ●月2件・1ユーザー
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

※料金・機能は2026年3月時点の各社公式情報によります。最新の内容は各社の公式サイト・資料でご確認ください。

電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインのウェブサイト

電子印鑑GMOサインは、350万社以上に導入されているクラウド型の電子契約サービスです。工事請負契約の電子化を検討する企業にとって見逃せないのが、建設業法への対応です。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社は2024年2月14日、建設工事の工事請負契約を対面・非対面の電子契約で行うことについて、建設業法の定める技術基準に対応し適法であるとの回答を、グレーゾーン解消制度(事業者が規制の適用の有無を事前に国へ照会できる制度)により国土交通省から受理したと公表しています。

署名方式は、メール認証で手軽に締結できる立会人型(契約印タイプ)と、電子認証局が発行した電子証明書で署名する当事者型(実印タイプ)の2つに対応します。自社は当事者型、相手方は立会人型で署名する「ハイブリッド署名」も可能で、相手方にアカウントや電子証明書を求めずに締結できる柔軟さがあります。

全プランで認定タイムスタンプを付与でき、前述の原本性の要件に対応します。料金は月額制の有料プラン(ライトプランなど)が用意され、ユーザー数・送信数は無制限です。立会人型の送信料は1件100円(税抜)です。

クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインのウェブサイト

弁護士ドットコム株式会社が運営するクラウドサインは、書類のアップロード・送信から電子署名・認定タイムスタンプの付与、締結後の保管・検索までをオンラインで完結できます。印刷・押印・郵送をなくし、契約業務をデジタル化できる点が特徴です。

標準の署名方式は、認証局での本人確認が不要で導入しやすい事業者署名型(立会人型)です。あわせて、マイナンバーカードの電子証明書で契約当事者自身が署名する当事者署名型にも対応しており、確実な本人確認が必要な契約でも使い分けられます。

標準の事業者署名型が相手方の本人性を担保し、全プランで標準付与される総務大臣認定の認定タイムスタンプが改ざん防止(原本性)を担います。これにより、建設業法が求める技術的基準(見読性・原本性・本人性)に対応できる方式といえます。

料金はLightプランが月額11,000円、Corporateプランが月額28,000円、送信料が1件220円(いずれも税抜)で、ユーザー1名・月2件までの無料プランも用意されています。

ここで取り上げた2サービスのほかにも、電子契約・契約管理サービスは数多くあります。以下の記事では、契約書管理システムをタイプ別の選び方・料金・電子帳簿保存法への対応まで整理して比較しています。自社に合う一社をじっくり選びたい方は、あわせてご覧ください。

まとめ

工事請負契約書の原本をどちらが保管するかに、法律上の決まりはありません。証拠力の強い原本を、トラブルで困る側が持つのが基本で、双方が必要なら2通作成して各自1通ずつ保管するのが最も確実です。原本1通+相手にコピーの運用は印紙代を抑えられますが、工事請負契約では建設業法第19条の書面交付義務との関係で違反リスクがあり、コピーにも署名・押印をすると今度はそのコピーも課税文書になってしまいます。

こうした紙の契約書ならではの悩みは、電子契約に切り替えることでまとめて解消できます。電子契約なら双方が同一データを原本として保持でき、印紙税もかからず、保管もクラウドで一元管理できます。

工事請負契約を電子化する場合は、相手方の事前承諾の取得と、見読性・原本性・本人性という建設業法上の技術的基準を満たすサービスを選ぶことが大切です。まずは各サービスの資料で、自社の契約業務に合うかを確かめてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 契約書の「原本」とは何ですか?

A. 契約書の原本とは、作成者が最初に作成し、署名または記名押印をしたオリジナルの文書です。コピー(写し)と違って契約内容を証明する力が最も強く、契約内容が争いになったときの訴訟や税務調査では、この原本の提出を求められることがあります。

Q. 工事請負契約書の原本が1通しかない場合、発注者と請負者のどちらが保管すべきですか?

A. 工事請負契約書の原本をどちらが保管するかに法律上の決まりはなく、原本が1通しかない場合は、契約内容が争いになったときに困る側(証拠力の強い原本を必要とする側)が保管するのが基本です。ただし発注者・請負者の双方が原本を必要とするケースも多いため、同じ内容の契約書を2通作成し、各自が1通ずつ原本を保管するのが最も確実です。

Q. 工事請負契約書を原本1通+相手にコピーの運用にすると建設業法違反になりますか?

A. 工事請負契約は建設業法第19条で契約書を「相互に交付」することが義務づけられているため、原本1通+相手にコピーの運用は、同条に違反すると判断されるリスクが否定できません。「相互に交付」が具体的に何を指すかの明確な基準は示されていません。

安全側の対応としては、原本を2通作成するか、相手に渡すコピーにも署名・押印をして相互に交付した形を整えるのが無難です。重要な契約では弁護士や所管部署に確認することをおすすめします。

Q. 工事請負契約書の写し(コピー)にも収入印紙は必要ですか?

A. 契約の成立を証明する目的で作られていない単なる写し(コピー)に収入印紙は不要ですが、写しに契約当事者の署名・押印がある場合や、「正本などと相違ない」旨の当事者の証明がある場合は課税文書となり、収入印紙が必要です。そのため、建設業法第19条対策としてコピーにも署名・押印をすると、そのコピーも課税文書となり、印紙代の節約にはなりません。

Q. 工事請負契約を電子契約で結ぶと収入印紙は不要になりますか?

A. 工事請負契約を電子契約で締結すると、契約金額にかかわらず収入印紙は不要になります。 印紙税は紙で作成・交付した課税文書に課されるもので、電子データでやり取りする電子契約はこれに当たらないためです。ただし建設業の工事請負契約を電子で結ぶには、相手方の事前承諾を得たうえで、見読性・原本性・本人性という建設業法上の技術的基準を満たす必要があります。

Q. 工事請負契約書の原本は何年保管すればよいですか?

A. 法人は法人税法で原則7年間、会社法上の重要な資料としては10年間の保管を見込んでおくのが無難です。青色申告をしている法人が欠損金の生じた事業年度などでは、法人税法でも10年間の保存が必要になる場合があります。個人事業主は取引に関して作成・受領した書類が原則5年(帳簿・決算関係の書類は7年)で、契約書もこれに含めて保存しておくと安心です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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