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M&Aコンサル会社の選び方とおすすめ比較|仲介・FAの違いと報酬体系で選ぶ

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M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)のプレビュー

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M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)

後継者がいない、会社を次の世代へ引き継ぎたい、あるいは事業を買って成長を加速させたい。そう考えたとき、M&Aをどの会社に相談すればよいか迷っていませんか。M&Aの相談先はM&A専門の仲介会社やアドバイザリー会社だけでなく、金融機関や会計事務所、業種に特化した会社まで幅広く、それぞれ役割も報酬の仕組みも異なります。

相談先選びでつまずきやすいのが、「仲介」と「アドバイザリー(FA)」の違い、そして手数料がいくらかかるのかという点です。自社に合う一社を選ぶには、どのような軸で各社を比べればよいのでしょうか。

本記事では、M&Aの相談・依頼先となるコンサル会社を比較・解説します。仲介とFAの役割の違い、着手金・中間金・完全成功報酬といった報酬体系と相場の考え方、対応規模や得意業種で見る選び方まで整理しました。自社の状況に合った相談先を見つけるための検討材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合わせて相談先を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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M&Aコンサル会社とは|相談先の種類と役割

M&Aコンサル会社とは、企業の買収・売却・事業承継を検討する経営者に対し、相手探しから企業価値の評価、条件交渉、契約の締結、成約後の統合までを専門的に支援する会社の総称です。M&Aを専門とする会社のほか、金融機関や会計事務所、特定の業種に強い会社など、出自の異なる相談先が同じ土俵に並びます。

相談先は大きく、M&Aを専業とする独立系の会社、銀行・信用金庫などの金融機関系、証券会社系、税理士法人・会計事務所を母体とする会計事務所系に分かれます。それぞれ得意な案件規模やネットワーク、報酬の仕組みが異なるため、自社の状況に合う相手は変わります。各系統の特徴と見極め方は選び方の章で詳しく扱います。

相談先を選ぶうえでまず押さえたいのが、依頼する会社が「仲介」として動くのか「アドバイザリー(FA)」として動くのかという役割の違いです。ここが分かると、各社の立ち位置と報酬の向きが理解しやすくなります。

M&A仲介とアドバイザリー(FA)の違いと自社に合う選び方

ここからは、M&Aの相談先を選ぶうえで最初に理解しておきたい「仲介」と「アドバイザリー(FA)」の違いを整理します。どちらの形態かによって、誰の利益のために動くのか、報酬を誰が負担するのかが変わります。

M&A仲介とアドバイザリー(FA)の違いを対比した図解。仲介は売り手・買い手の双方と契約して間に立ち、双方から報酬を受け取るため利益相反への配慮が必要で、中小の事業承継に向く。FAは売り手か買い手の一方と契約し、依頼者の利益を最優先に、利益相反の心配なく交渉を支援する。

M&A仲介とは(売り手・買い手の双方と契約する)

仲介とは、売り手(譲り渡し側)と買い手(譲り受け側)の双方と契約を結び、両者の間に立ってマッチングや交渉を支援する形態です。中小企業庁の中小M&Aガイドラインは、仲介者を次のように定義しています。

仲介者とは、譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいい、一部のM&A専門業者がこれに該当する(業務範囲は個別の支援機関ごとに異なる。)。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

双方から依頼を受けるため、買い手候補を自社のネットワークから探して素早く引き合わせやすく、成約まで一貫して伴走しやすいのが特徴です。中小企業の事業承継のように、売り手が相手探しから手伝ってほしい案件で多く用いられています。一方で、売り手と買い手の双方から報酬を受け取る構造上、後述する利益相反への配慮が必要になります。

アドバイザリー(FA)とは(売り手・買い手の一方と契約する)

アドバイザリー(FA、ファイナンシャル・アドバイザー)とは、売り手か買い手のどちらか一方と契約し、その依頼者の利益のために助言・交渉支援を行う形態です。同ガイドラインはFAを次のように定義しています。

FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいい、一部のM&A専門業者がこれに該当する(業務範囲は個別の支援機関ごとに異なる。)。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

一方の立場に立つため、依頼者の利益を最優先に条件交渉を進められる点が強みです。売却額を少しでも高くしたい、あるいは買収の条件を有利にしたいという場面で、利益相反の心配なく交渉を任せられます。売り手専門のFAや、大型・クロスボーダー案件に強いFAなど、立場や領域を絞った会社が多く見られます。

自社にはどちらが向くか(規模・目的・利益相反の懸念で考える)

どちらが向くかは、案件の規模と、何を重視するかで変わります。相手探しから一貫して任せたい中小企業の事業承継では仲介が、交渉の主導権や条件の有利さを重視する場合や一定規模以上の案件ではFAが選ばれやすい傾向があります。仲介には双方から報酬を受け取る構造ゆえの利益相反リスクが指摘されますが、ガイドラインは次のように整理しています。

仲介者が一方当事者(特に、リピーターになり得る譲り受け側)の利益を優先して取引をまとめるように動く動機があるという構造的な利益相反のリスクが指摘されている(中略)なお、利益相反が直ちに違法となるものではない。(中略)中小M&Aの実務においては、FAよりも仲介者という形態の方が多く用いられているのが現状であり(中略)仲介者という業態を中小M&Aにおいて不適切であると断ずることは現実的ではない。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

仲介かFAかは、優劣ではなく役割の違いです。仲介を選ぶ場合は、双方と契約している旨の説明があるか、企業価値の評価や調査の結論を一方的に決めていないかを確認すると安心につながります。次の診断では、こうした希望や案件の性質から自社に合う相談先を絞り込めます。

仲介とFAのどちらが向くか、どの規模・業種の会社に相談すべきか迷う場合は、以下の診断で希望と案件の性質から候補を絞り込めます。

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【比較表】M&Aコンサル会社の報酬・対応規模・得意業種を比較

ここからは、主要なM&Aコンサル会社を、仲介かFAか・報酬体系・対応規模・得意業種といった軸で横並びに比較します。各社の詳しい特徴は、表の下のサービス個別紹介で順に解説します。料金は各社公式情報にもとづく2026年10月時点のもので、個別見積もりを基本とする項目は「要お問い合わせ」としています。

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サービス名M&A LeadConsensus Base日本M&AセンターM&AキャピタルパートナーズストライクfundbookM&A総合研究所山田コンサルティンググループオンデックインテグループ名南M&AM&Aベストパートナーズクラリスキャピタル経営承継支援M&AコンサルティングウィルゲートM&AレバレジーズM&Aアドバイザリー医療M&A支援センター
仲介/FAFA(売主専門)FA(アドバイザリー)仲介仲介仲介仲介仲介仲介・FA両対応仲介・FA両対応仲介仲介仲介仲介・FA両対応仲介・FA両対応仲介仲介仲介仲介
着手金無料要お問い合わせ100万〜500万円無料無料無料無料(売り手)要お問い合わせ無料(正式依頼時に資料作成料30万円)無料60万〜200万円無料無料無料無料(売り手)無料(譲渡企業)無料無料
成功報酬レーマン方式(譲渡対価ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)要お問い合わせ(非公開)レーマン方式(時価総資産ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)株価レーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)レーマン方式(オーナー受取額ベース、5%〜1%)レーマン方式(5億円以下部分は定額2,500万円、超過分4%〜1%)レーマン方式(譲渡代金ベース、料率非公開)要お問い合わせ(非公開)レーマン方式(仲介=時価純資産/FA=移動総資産、5億円以下5%〜1%)株価レーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)レーマン方式(移動総資産ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)レーマン方式(株式価値ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)レーマン方式(5,000万円以下10%〜100億円超3%)レーマン方式(移動総資産ベース、料率非公開)レーマン方式(取引価格ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)要お問い合わせ(料率非公開)レーマン方式(譲渡価格ベース、5億円以下5%〜100億円超1%)レーマン方式(2,000万円以下10%〜100億円超1%、別途成約基本料100万円)
最低手数料2,000万円要お問い合わせ2,000万円(売り手)要お問い合わせ2,000万円2,500万円(5億円以下部分の定額)要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ1,500万円(税別)2,000万円要お問い合わせ200万円〜1,000万円要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ100万円
対応規模要お問い合わせ要お問い合わせ小規模〜上場企業売上1億円未満〜50億円以上中堅・中小中心中堅・中小中心売上約1億〜100億円規模を問わず対応中小中心小規模案件中心中堅・中小中心中堅・中小中心小規模案件も対応中堅・中小中心中小中心要お問い合わせ中小中心医療機関全般
得意業種全業種対応Web3・ブロックチェーン全業種対応(23業種)全業種対応全業種対応全業種対応全業種対応全業種対応(経営コンサル全般)全業種対応全業種対応(18業種)全業種対応(医療に専門チーム)製造・建設・不動産・医療ヘルスケア・物流・ITの6業種全業種対応全業種対応飲食・美容・調剤薬局・IT などWeb・IT業界全業種対応医療機関(病院・クリニック・訪問診療)
運営・上場M&A Lead株式会社(非上場)コンセンサス・ベイス株式会社(非上場)日本M&AセンターHD(東証プライム・2127)M&Aキャピタルパートナーズ(東証プライム・6080)ストライクグループ(東証プライム・6196)株式会社fundbook(チェンジHDグループ・東証プライム)M&A総合研究所(親会社クオンツ総研HD・東証プライム・9552)山田コンサルティンググループ(東証プライム・4792)株式会社オンデック(東証グロース・7360)インテグループ(東証グロース・192A)名南M&A株式会社(名証メイン・7076)株式会社M&Aベストパートナーズ(非上場)株式会社クラリスキャピタル(非上場)株式会社経営承継支援(非上場/三井住友信託銀行・ソニー生命が株主)株式会社M&Aコンサルティング(非上場・会計事務所系)株式会社ウィルゲート(非上場)レバレジーズM&Aアドバイザリー(非上場/レバレジーズ子会社)ブティックス株式会社(東証グロース・9272)
実績成約事例7件を公開要お問い合わせ累計成約11,000件超累計成約1,000組以上創業以来3,700件以上要お問い合わせ平均成約7.2ヶ月・最短43日要お問い合わせ要お問い合わせ成約300件以上要お問い合わせネットワーク15,000社超要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ累計成約90組(6年時点)最短39日・DB約30,000件譲受希望2,336社(DB)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

主要なM&Aコンサル会社の個別紹介

ここからは、比較表で取り上げた各社について、提供元・得意な案件規模・得意業種・報酬体系・実績を個別に紹介します。自社の状況に近い会社があれば、詳細資料や無料相談で具体的な進め方を確認してみてください。

1. M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadの公式サイト

売主(譲渡企業)の側だけに立つことを掲げる、セルサイド専門のM&Aアドバイザリーです。買主からは手数料を受け取らず売主からのみ受け取るため、譲渡価格や経営陣・従業員の雇用条件など、売主側の希望の実現に向けて交渉を進める立場をとります。

料金は着手金・中間金・月額報酬がいずれも0円で、報酬は譲渡完了時の成功報酬のみという完全成功報酬制です。成功報酬は譲渡対価を基準としたレーマン方式(5億円以下の部分5%〜100億円超の部分1%)で、最低手数料は2,000万円に設定されています。

買い手探しでは、他社のアドバイザーや買い手側FA、地方銀行を中心とする20行超の金融機関と連携し、複数の候補から条件提示を受ける簡易オークション型で進めることが多いとしています。全国対応で相談は無料、中小M&Aガイドライン(第3版)の遵守を宣言し、M&A支援機関登録制度にも登録しています。

2. Consensus Base(コンセンサス・ベイス株式会社)

Consensus BaseのM&Aアドバイザリーサービスサイト

コンセンサス・ベイス株式会社が2023年に立ち上げた、Web3・ブロックチェーン業界に特化したM&Aアドバイザリーです。GameFiやNFTプラットフォーム、DeFi、ウォレット開発、Layer1/Layer2プロジェクトといった領域の買収・提携案件を対象とします。

自社のブロックチェーン受託開発で培った技術理解を、M&Aの技術デューデリジェンス(買収前の技術面の調査)や事業評価に活用する点が持ち味です。候補先の探索(ロングリスト作成)からLOI(基本合意前の意向表明)・基本合意、デューデリジェンスのマネジメント、取引スキーム設計、契約交渉・契約書策定、成約後の統合(PMI)までを支援範囲として掲げています。

料金体系は公開されておらず、着手金・成功報酬とも案件ごとの個別見積もりです。構想段階からの相談を無料で受け付けているため、Web3領域での売却・買収を具体化する前の段階でも相談できます。

3. 日本M&Aセンター(株式会社日本M&Aセンターホールディングス)

日本M&Aセンターの公式サイト

1991年の創業以来、中堅・中小企業の事業承継・M&Aを主戦場としてきた、東証プライム上場(証券コード2127)のM&A仲介会社です。売り手と買い手の双方と契約して間に立つ仲介モデルを採用しています。

強みは案件情報の集まりやすさで、全国の地方銀行の約9割・信用金庫の約8割と提携し、会計事務所・士業のネットワークも持ちます。公式サイトでは23業種・全国9地域に加え海外案件への対応を掲げる全業種型で、累計成約件数は11,000件を超えると記載しています。

料金は、提携仲介契約時の着手金が簿価総資産額に応じて100万〜500万円、成約時の成功報酬がレーマン方式(売り手は最低手数料2,000万円)です。着手金・成功報酬を売り手・買い手の双方から受け取る点が、完全成功報酬型の会社との違いになります。

4. M&Aキャピタルパートナーズ(M&Aキャピタルパートナーズ株式会社)

M&Aキャピタルパートナーズの公式サイト

着手金と月額報酬を無料とする料金設計を前面に打ち出す、2005年設立・東証プライム上場(証券コード6080)のM&A仲介会社です。中小企業オーナーの事業承継・会社売却を主戦場とし、売上1億円未満から50億円以上まで幅広い規模の案件を扱っています。

マッチングからデューデリジェンス、クロージング(最終契約後の決済・引き渡し)までを1人の専任アドバイザーが一貫して担当する体制を掲げています。売り手と買い手に同一の料金体系を適用する株価レーマン方式(株式譲渡対価のみを対象に5億円以下5%〜100億円超1%)を採用し、着手金・月額報酬は無料です。

中間報酬は譲渡先候補の決定時に手数料総額の約10%、成功報酬は最終契約時に残り約90%という2段階で発生します。累計成約実績は1,000組以上と公式サイトに記載しています。

5. ストライク(株式会社ストライクグループ)

ストライクの公式サイト

公認会計士である荒井邦彦氏が1997年に創業した、東証プライム上場(証券コード6196)のM&A仲介会社です。社内に公認会計士・税理士などの有資格者が在籍することを強みに掲げ、後継者不在の中堅・中小企業の事業承継M&Aを主軸としています。

1998年に開設した国内初のM&A仲介プラットフォーム「SMART」を自社運営し、匿名化した案件情報の掲載と買収ニーズの登録を通じたマッチングを行っています。創業以来の成約実績は3,700件以上と公式サイトに記載しています。

料金は着手金が無料で、基本合意契約時に資産総額に応じた基本合意報酬(100万〜300万円)、最終契約時に成功報酬が発生します。成功報酬はオーナーが実際に受け取る金額を基準とする「オーナー受取額レーマン方式」(最低手数料2,000万円)で、金額表示はいずれも消費税別です。

6. fundbook(株式会社fundbook)

fundbookの公式サイト

独自のM&A特化型システム「fundbook cloud」を仲介サービスに組み合わせる点を特徴とする、2017年設立のM&A仲介会社です。東証プライム上場の株式会社チェンジホールディングスのグループ企業で、中堅・中小企業のオーナーを主な対象としています。

fundbook cloudは、企業概要書の閲覧や契約手続きの申請、クラウド上での書類共有などをオンライン化し、マッチング後の交渉プロセスを可視化する仕組みです。買い手企業が自ら候補先を検索してオファーを出す使い方もできます。

料金は、相談料・企業価値算定費用・着手金・月額報酬が発生しない完全成功報酬制です(合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合もあります)。譲渡側の成功報酬はレーマン方式で、譲渡対象資産額5億円以下の部分は定額2,500万円、それを超える部分は4%から1%へ逓減します。

7. M&A総合研究所(株式会社M&A総合研究所)

M&A総合研究所の公式サイト

独自のAIマッチングシステムと企業データベースを活用した成約スピードを訴求する、2018年設立のM&A仲介会社です。親会社の株式会社クオンツ総研ホールディングス(東証プライム、証券コード9552)のもとでM&A仲介事業を担い、売上規模約1億円〜約100億円の中堅・中小企業を対象としています。

公式サイトでは、平均成約期間7.2ヶ月・最短43日、年間問い合わせ件数15,000件以上(2024年度)という数値を掲げています。中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録し、専任条項やテール期間の上限、セカンドオピニオンの許容などを公式ページで明示しています。

料金は、譲渡企業(売り手)が着手金・中間金・月額報酬すべて無料の完全成功報酬制です(成功報酬は譲渡代金を基準としたレーマン方式)。譲受企業(買い手)は着手金が無料で中間金が発生します。具体的な料率や最低手数料は公開されておらず、無料相談を通じた個別提示となります。

8. 山田コンサルティンググループ(山田コンサルティンググループ株式会社)

山田コンサルティンググループの公式サイト

事業承継・M&A・事業再生・会計税務・海外事業支援までを扱う、1989年設立・東証プライム上場(証券コード4792)の経営コンサルティングファームです。M&A仲介専業ではなく、経営コンサルティング全般とM&A・事業再生を組み合わせて提供する総合系である点が、仲介専業会社との違いです。

公認会計士31名・税理士40名をはじめ、司法書士・社会保険労務士・中小企業診断士など多様な有資格者を擁します(2026年4月1日現在)。M&AではFA(ファイナンシャル・アドバイザー)業務と仲介業務の両方に対応し、案件や依頼内容に応じて使い分ける体制を公式に掲げています。

料金体系は公式サイトで公開されておらず、依頼内容・企業規模・案件の難易度を踏まえた案件ごとのオーダーメイド契約としています。費用感は資料請求・問い合わせでの確認が必要です。

9. オンデック(株式会社オンデック)

オンデックの公式サイト

大阪に本社を構える、2005年創業・東証グロース上場(証券コード7360)の独立系M&A仲介会社です。事業承継型・イグジット型・MBO支援・買収提案型の4カテゴリで支援対象を整理し、案件の組成からクロージングまでを一貫して担うと公式に掲げています。

仲介形式とFA形式のどちらにも対応し、料金の算定基準を切り分けている点が特徴です。仲介形式では時価純資産額、FA形式では移動総資産額を基準にレーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)で成功報酬を算定します。

正式に依頼するまでは費用がかからず、譲渡企業は正式依頼時の資料作成料30万円、基本合意報酬(成功報酬の10%、最低100万円)、成功報酬という構成です。建設業・調剤薬局業・福祉介護業など8業種の業種別M&A動向コンテンツを公式サイトで公開しています。

10. インテグループ(インテグループ株式会社)

インテグループの公式サイト

着手金・中間金ともに0円、M&A不成立時も0円という完全成功報酬制を掲げる、2007年設立・東証グロース上場(証券コード192A)の独立系M&A仲介会社です。売上規模の小さい企業を含む小規模案件に、提携先からの紹介に頼らない直接提案型の営業で取り組むとしています。

成功報酬は、負債を含む移動総資産ではなく株式価値のみを基準とする株価レーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)で、売り手・買い手に同一の料金体系を適用します。最低成功報酬は1,500万円(税別)で、公式ページでは2,000万円・2,500万円を設定する他社事例と並べて紹介しています。

成約件数は300件以上、業歴は20年目と公式サイトに記載しています。業種特化は行わず、18業種の業界別支援ページを並列で展開しています。

11. 名南M&A(名南M&A株式会社)

名南M&Aの公式サイト

会計・税務・労務のコンサルティンググループ「名南グループ」を母体とする、2014年に法人として独立したM&A仲介会社です。名古屋証券取引所メイン市場(証券コード7076)に上場し、M&A支援・IPO支援・ベンチャーファンド運営の3事業を展開しています。

譲渡企業の料金は、アドバイザリー契約時の着手金(簿価総資産額に応じ60万〜200万円)と、クロージング時の成功報酬(移動総資産額を基準に5億円以下5%〜100億円超1%、最低報酬2,000万円)で、消費税は別途です(2026年10月1日現在)。着手金・成功報酬の料率テーブルを公式サイトで公開している点が、料率非公開の会社との違いになります。

医療機関の事業承継に特化した専門チームを設け、医院・病院の承継を支援する体制を公式に掲げています。拠点は名古屋・東京・大阪・静岡・高松の5拠点です。

12. M&Aベストパートナーズ(株式会社M&Aベストパートナーズ)

M&Aベストパートナーズの公式サイト

製造・建設・不動産・医療ヘルスケア・物流・ITの6業種に絞った業種特化型のM&A仲介会社です。2018年設立で、各業種内をさらに細分化したカテゴリーで対応し、独自ネットワーク企業数15,000社超、本社と8支店の計9拠点を公式サイトに掲げています。

料金は着手金・月額報酬が無料で、基本合意契約時に中間報酬(250万円または成功報酬の10%)、譲渡契約・資金決済時に成功報酬が発生します。成功報酬は負債を含む移動総資産ではなく株式価値を基準とするレーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)で、8億円の譲渡なら3,700万円という計算例を公式に示しています。

中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録し、専任条項・テール条項・セカンドオピニオンの許容などの遵守事項を公式ページで具体的に開示しています。

13. クラリスキャピタル(株式会社クラリスキャピタル)

クラリスキャピタルの公式サイト

取引価格1億円未満の小規模案件まで受け付けることを公式に掲げる、2014年設立の独立系M&A仲介会社です。仲介契約・FA契約の両方に対応し、クロスボーダーM&Aやアプローチ代行、M&A実行前の企業価値向上支援(ビフォーM&A)まで幅広いメニューを持ちます。

国内M&Aは着手金・中間金・月額報酬を廃止した完全成功報酬制で、レーマン方式の料率を公式サイトで公開しています。5,000万円以下10%・5,000万円超〜10億円以下8%と小規模帯の料率が高めに設定され、最低報酬は200万円からです。取引価格3,000万円で報酬250万円という計算例も示しています。

M&A仲介のほかに宅地建物取引業の免許を持ち不動産業を兼業する点も、同業他社とは異なる特徴です。中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録しています。

14. 経営承継支援(株式会社経営承継支援)

経営承継支援の公式サイト

三井住友信託銀行とソニー生命保険を株主に持つ、2015年設立のM&A仲介・アドバイザリー会社です。仲介業務とアドバイザリー(FA)業務の両方に対応し、中堅・中小企業の事業承継を主な対象としています。

料金は着手金・月額報酬が無料で、成功報酬は移動総資産を基準に算定します。成功報酬の最低額を1,000万円とし、大手M&A仲介会社の最低報酬(概ね2,000万円)の半分程度であると公式に訴求しています。報酬は基本合意時に100万円、最終契約締結時に残額という2段階で発生します。

小規模な事業者やスモールM&Aにも柔軟に対応する体制を掲げています。仲介する案件には東京海上日動の表明保証保険を原則として自動付帯させる点(適用条件あり)も特徴です。

15. M&Aコンサルティング(株式会社M&Aコンサルティング)

株式会社M&Aコンサルティング(mmac.cc)の公式サイト

会計事務所のM&A事業部門から2019年に分社化して設立されたM&A仲介会社です(公式サイトは mmac.cc)。飲食業・製造業・美容業・保育園・動物病院・調剤薬局・ITなど、幅広い業種を業種別のコンサルタントが担当する体制をとっています。

料金は、売り手企業向けに着手金・中間金・企業評価料が無料の完全成功報酬制です。成功報酬は取引価格を基準としたレーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)で、詳細な企業評価や遠方出張が必要な場合は別途実費が発生する場合があるとしています。

公認会計士資格を持つコンサルタントが在籍し、東京本社のほか静岡・名古屋・大阪・京都・福岡に拠点を展開しています。対面・オンラインでの相談に平日9:00〜18:00で対応しています。

16. ウィルゲートM&A(株式会社ウィルゲート)

ウィルゲートM&Aの公式サイト

SEOやコンテンツマーケティングで知られる株式会社ウィルゲートが2019年10月に開始した、Web・IT業界に特化したM&A仲介サービスです。SaaS事業やWeb制作・開発会社、Web広告代理店、一括見積サイトなどを主な対象としています。

公式サイトでは、買い手企業ネットワーク17,400社以上と、サービス開始からの累計成約実績90組(6年時点)を掲げています。ベンチャー経営者との独自ネットワークを背景に、IT・Web事業の売買に特化したマッチングを訴求しています。

料金は、譲渡企業について着手金・相談料・中間手数料がかからない完全成功報酬制です。買い手側は成約時に手数料が発生しますが、具体的な金額・料率は公開されていません。

17. レバレジーズM&Aアドバイザリー(レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社)

レバレジーズM&Aアドバイザリーの公式サイト

「人の力をM&Aする」というコンセプトを掲げる、人材サービス大手のレバレジーズ株式会社が2020年4月に設立したM&A仲介専門子会社です。財務指標だけでなく、人材・スキル・社風・働き方といった定性的な資産も評価軸に加える点を特徴としています。

親会社の人材事業を活かし、売却前の人材採用支援によって評価額の向上を図るアプローチも用意しています。約30,000件の独自顧客データベースを保有し、最短39日での成約実績を公式サイトに記載しています。

料金は着手金・中間金が無料の完全成功報酬制です。譲渡企業の成功報酬は、負債を含めず譲渡価格を基準とするレーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%)で算定します。

18. 医療M&A支援センター(ブティックス株式会社)

医療M&A支援センターの公式サイト

病院・クリニック・訪問診療など医療機関に対象を絞ったM&A仲介サービスです。運営はブティックス株式会社(東証グロース、証券コード9272)で、同社は業種別に専門サイトを分けて「M&A支援センター」ブランドを展開しており、本サービスはそのうち医療機関に特化したものです。

譲受を希望する企業2,336社の登録データベースを持ち、地域・業態の希望条件に応じたマッチングを行います。Webフォームからの簡易査定や、対面の個別相談会も用意しています。

譲渡企業の料金は着手金・中間報酬ともに0円の完全成功報酬制です。成功報酬はレーマン方式で、成約基本料100万円に取引対価に応じた段階料率(2,000万円以下10%〜100億円超1%)を加えます。最低手数料は100万円で、取引対価5,000万円なら成功報酬560万円(税抜)という計算例を公式に示しています。

失敗しないM&Aコンサル会社の選び方

ここからは、診断や比較表を踏まえて、自社で相談先を絞り込むための観点を整理します。仲介かFAかに加えて、対応規模・得意業種・出自・業務範囲・信頼性という軸で見ると、各社の違いが判断しやすくなります。

自社の案件規模に合うか

M&Aコンサル会社には、年商1億円未満の小規模案件を主戦場とする会社から、数十億円以上の中堅・大型案件を得意とする会社まで幅があります。規模が合わないと、小規模案件では最低手数料の負担が重くなり、大型案件では交渉やデューデリジェンス(買収前の詳細調査)の体制が追いつかないことがあります。

自社の譲渡額や事業規模に近い案件を多く手がけているかを、各社の実績や対応規模の記載で確認するとよいでしょう。会社が小さく相手にされないのではと不安な場合も、小規模・スモールM&Aを専門に掲げる会社を選べば、同程度の規模の成約実績をもとに現実的な進め方を相談できます。

数十億円規模の中堅・大型案件や、Big4系の大手ファームも視野に入れて、案件の規模を軸に相談先を見比べたい場合は、以下の記事が参考になります。仲介型・FA・Big4系を案件規模別に整理しています。

自社の業種に強いか

M&Aでは、買い手候補のネットワークと業種特有の事情への理解が成約を左右します。製造・建設・医療介護・調剤薬局・飲食・IT/Webなど、特定の業種に特化した会社は、その業界の買い手を多く抱え、業種ならではの許認可や人材の引き継ぎといった論点に通じています。

自社と同じ業種での成約事例が豊富な会社ほど、相手探しと条件調整を現実的に進めやすくなります。一方、業種を問わず幅広く手がける総合型は、候補の母集団が大きいため、業種特化型と総合型を併せて検討する価値があります。

出自(独立系・金融機関系・会計事務所系・証券系)で見る

相談先はその出自によって強みが分かれます。M&Aを専業とする独立系は、仲介・FAの両方に対応する会社が多く、中小の事業承継を中心に幅広い案件を扱います。銀行・信用金庫などの金融機関系は、取引先ネットワークを活かした買い手探しに強みがあります。

税理士法人・会計事務所系は、財務・税務の精査や企業価値評価を自前で深く行える点が特徴です。証券会社系は、比較的大型の案件や資本政策を伴う取引に対応します。銀行や証券会社はM&A以外の本業も持つため、M&Aを専門に扱う会社とは体制や専任度が異なる点を踏まえて選ぶことが大切です。

M&Aコンサル会社を出自で4タイプに分類した図解。独立系はM&A専業で仲介・FA両対応、中小の事業承継に幅広い。金融機関系は銀行・信用金庫などで取引先ネットワークを活かした買い手探しに強い。会計事務所系は税理士法人・会計事務所が母体で財務・税務の精査に強い。証券系は証券会社が母体で大型案件や資本政策を伴う取引に対応する。銀行・証券会社はM&A以外の本業も持つため専任度が専門会社と異なる点に留意。

銀行・証券会社系を含む、より大型の案件に対応する相談先まで広げて比較したい場合は、案件規模を軸にした比較もあわせてご覧ください。

業務範囲と実績で見る

M&Aの工程は、企業価値の評価(バリュエーション)、買い手とのマッチング、条件交渉、デューデリジェンス、最終契約、成約後の統合(PMI)と多岐にわたります。会社によって、どこまでを自社で担い、どこから外部の公認会計士・弁護士と連携するかが異なります。

自社が任せたい範囲をカバーしているか、成約件数や対応エリアといった実績が自社の希望と合うかを確認することが望まれます。仲介かFAかという立場の違いは、この業務範囲のなかで「誰の利益のために動くか」に表れるため、前述の仲介とFAの違いと併せて見ると判断しやすくなります。

中小M&Aガイドライン遵守・M&A支援機関登録で見る

相談先の信頼性を見極める公的な手がかりが、中小M&Aガイドラインの遵守とM&A支援機関登録制度への登録です。中小M&Aガイドラインは中小企業庁が定める指針で、2020年3月の初版策定後、2023年9月の第2版、2024年8月の第3版と改訂されてきました。第3版では、手数料や利益相反についての説明の充実が図られています。

M&A支援機関登録制度は、このガイドラインの遵守宣言を要件とする国の登録制度です。制度の意味について、ガイドラインは次のように説明しています。

M&A支援機関登録制度(本説明箇所において「登録制度」という。)とは、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するために令和3年8月に創設された国の制度であり、本ガイドラインの遵守を宣言する等した仲介業務又はFA業務を行う者が登録を受けることができる。

登録制度に登録していなくとも、仲介業務やFA業務を行うことは可能であるが、(中略)事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の活用に係る費用(仲介又はFAの手数料)の補助については、予め登録制度に登録を受けた支援機関の提供する支援に係るもののみを補助対象としている。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

登録支援機関の一覧は国のデータベースで公開されており、支援機関の種類や手数料の算定基準などを検索して確認できます。ガイドライン遵守を掲げ、登録制度に登録している会社であれば、手数料や利益相反についての説明を受けやすく、補助金の活用も視野に入れられます。

出典・参考資料(1件)

M&Aコンサル会社の報酬体系と手数料相場

ここからは、相談先を選ぶうえで気になる費用について、報酬の仕組みと相場の考え方を整理します。M&Aの手数料には法律上の決まった基準がなく、料金体系は会社ごとに異なります。

着手金・中間金・成功報酬・月額報酬の違い

M&Aコンサル会社の手数料は、発生するタイミングによって主に4種類に分かれます。着手金は契約締結時に、月額報酬(リテイナーフィー)は毎月定額で、中間金は基本合意の締結など案件の途中の節目で、成功報酬は成約時に発生します。中小M&Aガイドラインは、これらの手数料に法規制がないことを次のように整理しています。

仲介者・FAの手数料には一般的な法規制がなく、どのような料金体系を採用するかは、あくまで各仲介者・FAによる。(中略)これらを全て請求する仲介者・FAもいる一方、着手金・月額報酬・中間金を請求せずに成功報酬のみ請求する(いわゆる完全成功報酬型の)仲介者・FAもいる。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

手数料に公的な平均額は示されていませんが、本記事の掲載各社の公表値を見ると、着手金は無料〜数百万円程度、成約時の最低手数料はおおむね100万円〜2,000万円程度の幅があります(2026年10月時点・各社公式。詳細は比較表)。小規模な案件ほど、料率よりこの最低手数料で総額が決まりやすくなります。

買い手として依頼する場合も、仲介なら売り手・買い手の双方が、FAなら契約した側が手数料を負担します。自社が売り手・買い手のどちらで、どの形態に依頼するかによって費用の出方が変わる点を押さえておくとよいでしょう。

費用を比べる際は、着手金や中間金が成功報酬に充当される(二重には取られない)のか、別途かかるのかも確認すると、総額を見積もりやすくなります。実際の金額は各社の料金体系によるため、比較表と個別紹介で各社の着手金・最低手数料・成功報酬の料率を併記しています。

レーマン方式とは(成功報酬の計算の仕組み)

成功報酬の計算に広く用いられているのが「レーマン方式」です。これは、取引金額を段階に区切り、金額が大きい部分ほど低い料率を掛けて、各段階の金額を合算する計算方法です。ガイドラインは次のように定義しています。

レーマン方式は、「基準となる価額」に応じて変動する各階層の「乗じる割合」を、各階層の「基準となる価額」に該当する各部分にそれぞれ乗じた金額を合算して、報酬を算定する手法であり、特にM&A専門業者において広く用いられている。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁

ガイドラインが一例として示す料率は次のとおりです。ただしこれはあくまで一例であり、各階層の金額の区切りや料率、そして計算の基礎となる「基準となる価額」の考え方は各社で異なります。

基準となる価額(円)乗じる割合(%)
5億円以下の部分5
5億円超10億円以下の部分4
10億円超50億円以下の部分3
50億円超100億円以下の部分2
100億円超の部分1
レーマン方式の一例(各階層の価額・割合は各社により異なる)
出典・参考資料(1件)

例えば譲渡対価が1億円の場合、5億円以下の部分に5%を乗じて成功報酬は約500万円(別途消費税)となります。ただし最低手数料が設定されている会社では、算定額がそれを下回ると最低手数料が適用されるため、小規模な案件では最低手数料が実質の下限になります。

注意したいのは、計算の基礎となる「基準となる価額」に、譲渡額・移動総資産額・純資産額など複数の考え方がある点です。同じ料率でも、どの価額を基礎にするかで報酬額は大きく変わります。見積もりを受ける際は、料率だけでなく「何を基準にした価額か」と最低手数料を併せて確認することが重要です。

完全成功報酬とは何か(着手金なしの意味と見るべき点)

完全成功報酬型とは、着手金・月額報酬・中間金を請求せず、成約したときの成功報酬だけを受け取る料金体系です。成約しなければ費用が発生しないため、相談を始める時点での金銭的な負担が小さく、初めてM&Aを検討する中小企業にとって踏み出しやすい仕組みといえます。

ただし、費用が成功報酬に集約されるぶん、成功報酬の料率や最低手数料の水準は会社ごとに差があります。完全成功報酬だから総額が安いとは限らないため、成約時にいくらかかるのかを、基準となる価額の考え方まで含めて確認することが大切です。

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M&Aの相談から成約までの流れと依頼前の準備

最後に、相談先に依頼したあとの進み方と、相談前に整理しておくとよいことをまとめます。全体像が分かると、相談のハードルが下がり、次の一歩を踏み出しやすくなります。

相談から成約までのステップと期間の目安

中小M&Aは一般に、意思決定から始まり、企業価値の評価(バリュエーション)、買い手とのマッチング、交渉を経て基本合意を締結します。その後、デューデリジェンス(買収前の詳細調査)、最終契約、クロージング(決済・引き渡し)、成約後の統合(PMI)という順で進みます。

M&Aの相談から成約までの流れを示した9ステップの図解。意思決定、バリュエーション(企業価値の評価)、マッチング(買い手探し)、交渉、基本合意、デューデリジェンス(買収前の詳細調査)、最終契約、クロージング(決済・引き渡し)、PMI(成約後の統合)の順に進む。所要期間の目安は数か月から1年以上。

所要期間は案件により幅があり、数か月で成約に至る場合もあれば、相手探しや調整に1年以上を要する場合もあります。相談自体は無料で受け付ける会社が多く、意思が固まっていない段階でも、現状の整理や進め方の相談から始められます。

出典・参考資料(1件)

依頼前に整理しておくこと

相談をスムーズに進めるには、M&Aで実現したい目的(事業承継・成長・選択と集中など)、直近の決算や事業の状況、譲渡か譲受か、希望する時期や条件を事前に整理しておくと役立ちます。すべてを完璧に揃える必要はなく、分かる範囲で手元に用意しておけば、初回の相談で現実的な見通しや概算の企業価値を話し合いやすくなります。

秘密保持・従業員や取引先の引き継ぎ・個人保証はどうなるか

M&Aを検討する際に気になりやすいのが、情報の秘密保持、従業員や取引先の扱い、経営者個人保証の行方です。相談先とはまず秘密保持契約を結んだうえで話を進めるのが一般的で、検討している事実が外部に漏れないよう配慮されます。

従業員の雇用や取引先との関係を引き継ぐ形のM&Aも多く、どのような条件で引き継ぐかは交渉のなかで決めていきます。金融機関からの借入に付いた経営者個人保証をどう扱うかも重要な論点で、こうした不安を含めて初回相談で確認しておくと、進めるかどうかの判断がしやすくなります。

まとめ

M&Aコンサル会社を選ぶときは、まず仲介かアドバイザリー(FA)かという役割の違いを押さえ、そのうえで自社の案件規模・業種・任せたい業務範囲に合う会社を絞り込むのが近道です。報酬は会社ごとに仕組みと水準が異なるため、料率だけでなく基準となる価額の考え方や最低手数料まで確認し、複数社を比べて検討することをおすすめします。

相談先の候補が固まったら、各社の資料を取り寄せて、得意な規模や業種・報酬体系を具体的に見比べてみてください。無料相談から始められる会社も多く、意思が固まっていない段階でも現状の整理から相談できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. M&Aコンサル会社とは何ですか?

A. M&Aコンサル会社とは、企業の買収・売却・事業承継を検討する経営者に対し、相手探しから企業価値の評価・条件交渉・契約・成約後の統合までを専門的に支援する会社の総称です。M&Aを専業とする独立系のほか、金融機関系・会計事務所系・証券系など出自の異なる相談先があり、売り手と買い手の双方に立つ「仲介」として動く会社と、一方の依頼者に立つ「アドバイザリー(FA)」として動く会社に分かれます。

Q. M&A仲介とアドバイザリー(FA)はどちらを選べばよいですか?

A. M&A仲介とFAのどちらが向くかは、案件の規模と何を重視するかで決まり、相手探しから一貫して任せたい中小企業の事業承継では仲介、交渉の主導権や条件の有利さを重視する場合や一定規模以上の案件ではFAが選ばれやすい傾向があります。仲介は売り手・買い手の双方と契約して間に立ち、FAは一方の依頼者の利益のために動きます。

どちらが優れているという優劣ではなく役割の違いなので、自社の目的に合う形態を選ぶことが大切です。

Q. M&Aコンサル会社の手数料の相場はどれくらいですか?

A. M&Aコンサル会社の手数料は、着手金・中間金・成功報酬・月額報酬の4種類があり、法律上の決まった基準がないため料金体系は会社ごとに異なります。成功報酬は取引金額に応じたレーマン方式で算定されることが多く、公的に集計された平均額は示されていません。

費用を比べる際は、料率だけでなく「何を基準にした価額か」や最低手数料、着手金・中間金が成功報酬に充当されるかまで確認すると、総額を見積もりやすくなります。

Q. 完全成功報酬型のM&Aコンサル会社なら費用は安く済みますか?

A. 完全成功報酬型でも、総額が必ず安くなるとは限りません。着手金・中間金・月額報酬がかからないため相談を始める時点の負担は小さく、成約しなければ費用も発生しませんが、そのぶん費用は成功報酬に集約されます。成功報酬の料率や最低手数料の水準は会社ごとに差があるため、成約時にいくらかかるのかを、基準となる価額の考え方まで含めて確認することが大切です。

Q. 銀行・証券会社とM&A専門会社では、相談先としてどう違いますか?

A. 銀行・証券会社とM&A専門会社の違いは、M&Aを本業としているかどうかにあります。銀行や証券会社は融資や金融商品の提供といった本業を持ち、その取引先ネットワークを活かした買い手探しに強みがある一方、M&Aに専念する体制や専任度は専門会社と異なります。M&A専門会社は相手探しから交渉・成約までを専門に担うため、M&Aの知識と経験を持つ担当者に一貫して任せやすい傾向があります。

Q. 独立系のM&Aコンサル会社を選ぶメリットはありますか?

A. 独立系のM&Aコンサル会社を選ぶメリットは、特定の金融機関や親会社との利害関係が少なく、中立的な立場で助言を受けやすい点にあります。独立系はM&Aを専業とし、仲介・FAの両方に対応する会社が多く、中小企業の事業承継を中心に幅広い案件を扱います。金融機関系や証券系が持つネットワークの強みと比べながら、どの出自が自社に合うかという観点で検討するとよいでしょう。

Q. 会社の規模が小さくてもM&Aコンサル会社に相談できますか?

A. 会社の規模が小さくても、M&Aコンサル会社に相談できます。年商1億円未満の小規模案件やスモールM&Aを専門に掲げる会社もあり、同程度の規模の成約実績をもとに現実的な進め方を相談できます。ただし会社ごとに得意な案件規模は異なり、規模が合わないと最低手数料の負担が重くなることがあるため、自社の事業規模に近い案件を多く手がけているかを確認して選ぶと安心です。

Q. 業績が赤字でもM&Aコンサル会社に相談して会社を売却できますか?

A. 業績が赤字でも、会社を売却できる可能性は十分にあります。赤字であっても、技術力・人材・顧客基盤・許認可・立地といった資産に魅力を感じる買い手が見つかることは珍しくありません。実際に売却できるかは個別の事情によるため、まずは無料相談で自社の強みや現実的な見通しを相談してみることをおすすめします。

Q. M&Aの意思が固まっていなくてもM&Aコンサル会社に相談できますか?

A. M&Aの意思が固まっていなくても、相談できます。多くのM&Aコンサル会社は相談を無料で受け付けており、「M&Aをすべきか迷っている」「まず話を聞いてみたい」という段階からでも、現状の整理や進め方の相談に応じています。相談したからといって必ずM&Aを進めなければならないわけではないため、情報収集の一環として活用できます。

Q. M&Aコンサル会社に相談すると、情報が外部に漏れませんか?

A. M&Aコンサル会社への相談では、まず秘密保持契約(NDA)を結んだうえで話を進めるのが一般的で、検討している事実が取引先や従業員など外部に漏れないよう配慮されます。M&Aは情報管理が特に重要とされる取引のため、早い段階で秘密保持契約を交わします。どのように情報が管理されるか不安な場合は、初回相談の際に情報管理の体制を確認しておくとよいでしょう。

Q. M&Aで従業員の雇用や経営者の個人保証はどうなりますか?

A. M&Aでは、従業員の雇用や取引先との関係を引き継ぐ形が多く、経営者個人保証も買い手への引き継ぎや解除に向けて交渉できます。雇用や取引をどのような条件で引き継ぐかは交渉のなかで決めていきます。金融機関からの借入に付いた経営者個人保証の扱いは重要な論点なので、こうした点を初回相談で確認しておくと、進めるかどうかの判断がしやすくなります。

Q. 事業承継のためのM&Aで補助金は使えますか?

A. 事業承継のためのM&Aでは、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)により、仲介・FAの手数料の一部について補助を受けられる場合があります。ただしこの補助の対象は、あらかじめ国のM&A支援機関登録制度に登録を受けた支援機関の支援に限られます。補助金の活用を視野に入れる場合は、相談先が登録支援機関かどうかを確認するとよいでしょう。

Q. M&Aコンサル会社への相談から成約まで、どのくらいの期間がかかりますか?

A. M&Aコンサル会社への相談から成約までの期間は、案件により幅があり、数か月で成約する場合もあれば、相手探しや調整に1年以上を要する場合もあります。意思決定・企業価値の評価・マッチング・交渉・基本合意・デューデリジェンス・最終契約・クロージングという工程を経て進みます。相手が見つかるまでの時間は読みにくいため、余裕を持ったスケジュールで進めるのが現実的です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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