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OTセキュリティ対策コンサル・相談先おすすめ10選|支援範囲・費用・選び方を比較

OTセキュリティ対策コンサル 相談先の比較と選び方のサムネイル画像

工場やプラントの制御システム(OT)を狙ったサイバー攻撃が国内でも相次ぎ、ランサムウェア感染で生産ラインが長期間止まる被害が報じられています。しかし、OTのセキュリティ対策を何から始めればよいのか、社内だけでは判断しきれないと感じていませんか。

情報システム部門が持つ知見はIT中心で、設備を止められず古い機器も多い制御システムには、そのまま当てはめにくいのが実情です。現状評価から対策の計画・設計、製品の導入、監視やインシデント対応まで、どこまでを外部の相談先に任せ、どの会社に相談すればよいのでしょうか。

本記事では、OTセキュリティ対策を相談・支援する会社・サービス10社を比較・解説します。各社の支援範囲(現状評価/計画・設計/導入/運用・監視)、費用の目安、準拠するフレームワーク、強みを横断で整理し、自社の段階と課題に合う相談先を絞り込むための判断材料をまとめました。

また、自社が今どの段階にあり、どこまで任せたいかに合わせて相談先を最短で絞り込めるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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OTセキュリティ対策を外部のコンサル・相談先に依頼する意味

はじめに、なぜOTのセキュリティ対策を自社だけで進めにくく、外部の相談先が力になるのかを、制御システム特有の前提とともに整理します。

OTセキュリティ対策とは

OTはOperational Technology(運用・制御技術)の略で、工場の生産設備やプラント、電力・ガス・水道などのインフラを動かす制御システムを指します。制御装置であるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)や、監視制御システムであるSCADAなどが代表例です。

OTセキュリティ対策とは、こうした制御システムをサイバー攻撃や不正な操作から守り、生産や供給を止めないための一連の取り組みを意味します。

かつて制御システムは外部ネットワークから切り離して運用するのが一般的でした。近年は生産データの活用や遠隔保守のためにITネットワークやインターネットとつながる構成が増え、その結果、外部からの攻撃が届きやすくなっています。

ITとOTの違い(可用性・安全性の優先と、止められない現場)

ITとOTでは、守るべきものの優先順位が異なります。ITでは情報の機密性が重視されるのに対し、OTでは設備を止めないこと(可用性)と、人や環境に危害を及ぼさないこと(安全性)が最優先されます。

ITとOTの違いを示す図。ITは情報の機密性を最優先し、端末向けのEDR導入やこまめな更新・再起動が前提。OTは設備を止めないこと(可用性)と人や環境への安全性を最優先する。OT現場の制約として、24時間連続稼働で止められない、EDRを入れにくい、10年以上動くレガシー機器が多くパッチ適用やパスワード変更が難しいことを挙げている。

この違いは、対策の進め方に直結します。IT部門では当たり前の端末向けセキュリティソフト(EDR)の導入やこまめな更新・再起動が、24時間連続で稼働する制御現場では設備停止のリスクになり、そのまま持ち込めません。古い基本ソフト(OS)のまま10年以上動き続けるレガシー機器も多く、パッチ適用やパスワード変更が難しいケースも珍しくないのです。

そのためOTの対策では、IT部門の常識をそのまま適用するのではなく、止められない・入れ替えにくいという制約を前提に、ネットワークの分離や通信の監視など、設備への影響が小さい手段から優先順位をつけて進める考え方が求められます。

工場が止まるリスクと、IT部門だけでは判断しにくい理由

制御システムがサイバー攻撃を受けると、生産ラインの停止、出荷の遅延、復旧の長期化という形で事業に直接影響します。ランサムウェア感染では復旧に数日から数週間を要し、取引先を含むサプライチェーン全体に波及する例も見られます。

一方で、OTの対策は専門性が高く、IT部門だけで現状評価から計画立案までを完結させるのは簡単ではありません。制御機器の種類やネットワーク構成は現場ごとに異なり、資産の棚卸しやリスクの洗い出しには制御システム特有の知識が要ります。

自社に知見や人手が不足している場合は、現状評価や対策の計画づくりを外部の相談先に委ね、自社は意思決定と現場調整に集中するほうが、過不足のない対策を短期間で形にしやすくなります。

OTセキュリティ対策の相談先が担う支援範囲とタイプ

ここからは、OTセキュリティ対策の相談先がどこまでを担うのか、支援の範囲と相談先のタイプを整理します。OTの対策は、現状評価(リスクアセスメント)から対策の計画・設計、製品の導入、運用・監視・インシデント対応まで、段階を追って進みます。自社が今どの段階にいて、どこまでを任せたいかによって、向く相談先は変わります。

OTセキュリティ対策の4段階と相談先の3タイプを示す図。対策はSTEP1現状評価、STEP2計画・設計、STEP3導入、STEP4運用・監視の4段階を順に進む。相談先は3タイプに分かれ、現状を評価してもらうタイプ(リスクアセスメント・診断)はSTEP1、計画・設計まで頼むタイプ(コンサルティング一式)はSTEP2、導入から運用まで任せるタイプ(導入・SOC運用代行)はSTEP3〜4を担う。

まず現状を評価してもらうタイプ(リスクアセスメント・診断)

最初の段階としてよく選ばれるのが、現状評価を単発で依頼する形です。制御システムの資産を棚卸しし、どこにどんなリスクがあるかを洗い出して、対策の優先順位とロードマップを示してもらいます。

現状評価の手法には、資産ごとに重要度・脅威・脆弱性を評価する「資産ベース」の分析と、事業への被害から逆算して攻撃の経路を評価する「事業被害ベース」の分析があります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開する制御システム向けのリスク分析ガイドでも、この2つの手法が整理されています。相談先がこうした手法に沿って評価できるかは、見極めの目安になります。

出典・参考資料(1件)

監査法人系やセキュリティ専業のコンサルティング会社など、評価やガバナンスの設計に強い相談先が、この段階の候補になります。まず自社の現在地を知りたい場合に向いています。

対策の計画・設計と社内体制づくりまで頼むタイプ(コンサルティング一式)

評価の結果を踏まえ、セキュリティポリシーや規程の策定、ネットワークの設計、IT部門とOT部門の連携体制づくりまでを一気通貫で支援してもらうタイプです。

どの脅威にどの対策を割り当てるか、どの順序で導入するかといった計画づくりに加え、インシデント発生時に動く体制(制御システム向けの対応チームであるFSIRT)の整備まで含めて相談できます。自社に対策の全体像を描ける人材が足りず、計画段階から任せたい場合に向いています。

製品導入から運用・監視まで一式で任せるタイプ(導入・SOC運用代行)

立案した対策を実際に導入し、その後の監視・検知・対応まで任せるタイプです。制御ネットワークの通信を監視して異常を検知する仕組み(NDR)などを入れ、24時間365日の監視をセキュリティ監視拠点(SOC)で代行してもらいます。

EDRのような端末側の対策を入れにくい制御現場では、通信を外側から監視する方式が現実的な選択肢になります。運用の手が足りない企業が、監視とインシデント対応を外部に委ねたい場合に向いています。システム構築会社(SIer)や通信事業者、OTの検知製品を持つベンダーなどが、この段階の相談先です。

【無料診断】あなたに合うOTセキュリティ対策の相談先は?

自社がどの段階にいて、どのタイプの相談先が合うのかは、社内だけでは見極めづらいものです。いくつかの質問に答えるだけで、状況に合った相談先の候補を絞り込める診断ツールを以下に用意しました。所要は30秒ほどです。

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【比較表】OTセキュリティ対策コンサル・相談先の比較

ここからは、OTセキュリティ対策を相談できる10社を横断で比較します。各社がカバーする支援範囲(現状評価/計画・設計/導入/運用・監視)、提供元の背景、準拠・参照するフレームワーク、費用の目安、強みを並べました。まずは全体像を俯瞰し、気になる相談先の個別紹介へ進んでください。

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サービス名EY OTセキュリティサービスIdealRoute OTセキュリティ診断NRIセキュア OTセキュリティ横河デジタル OTセキュリティコンサルティングIIJグローバル サイバーストラテジーコンサルティングBa10ics(ビジネスアジリティ)DarktraceTIS OTセキュリティコンサルティングサービスNTT東日本 工場(OT)セキュリティFortinet OTセキュリティ
提供元監査法人系コンサルセキュリティコンサルセキュリティ専業(NRIグループ)制御機器ベンダー系(横河電機グループ)ICTソリューション系(IIJグループ)OT専門の独立系コンサル検知製品・MDRベンダー大手SIer(TISインテックグループ)通信キャリア系製品ベンダー(ファイアウォール大手)
現状評価●●●●●●×●●△無料Web診断
計画・設計△ガバナンス助言△優先順位を提示●●●●×●●△製品前提
導入××●●△態勢構築が中心●●●●●
運用・監視××●●△運用支援△FSIRT構築・緊急対応●●●△製品で対応
準拠・参照フレームISO27000シリーズ/IEC 62443/IPAガイダンス—NIST SP800-171NIST CSF 2.0/経済産業省 工場ガイドライン/ISO/IEC 27001IEC 62443/経済産業省 工場ガイドライン/NIST CSF 2.0IEC 62443——経済産業省 工場ガイドライン経済産業省 工場ガイドライン(診断)
費用の目安要問い合わせ診断は無料要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせアセス数十万〜数百万円
包括コンサル半年300万円程度
ペネトレ約3か月500万円〜
(同社公開)
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強み製品を売らない独立系。評価・ガバナンスに強い無料12問診断で自社の現在地を手軽に把握できる評価から運用まで同じ会社にワンストップで任せられる制御現場の経験を背景に評価から運用までを一貫支援戦略的なサイバーリスク管理の一環としてOT対策を整備OT専門の独立系。支援内容別の費用相場を公開自己学習型AIのNDRと24時間365日のMDRで監視・対応を代行大手SIerが評価からガバナンスまで一気通貫で支援評価から24時間365日のSOC運用代行まで自社提供相談先が使う製品の技術基盤。無料Web診断を提供
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイトサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※ 表の「準拠・参照フレーム」欄の「—」は、各社の公開情報で明示を確認できなかったもので、対応していないことを意味しません。費用の目安は多くの相談先が個別見積りを基本としており、公開している例のみ記載しています。

サービス個別紹介

比較表で取り上げた相談先を、支援範囲のタイプ別に紹介します。各社の得意な段階・強み・向く企業を確認し、自社の課題に合う相談先を見つける手がかりにしてください。

まず現状を評価してもらいたい相談先

1. EY OTセキュリティサービス(EY Japan)

EY OTセキュリティサービスのサイト画面

EYのOTセキュリティサービスは、制御システムのリスクを資産ベースと被害発生シナリオベースの両面から識別・評価するリスクアセスメントを中核としています。

OTセキュリティの製品やサービスを販売しない立場を公式に掲げており、特定の製品に寄らない視点で支援を受けられる点が特徴です。評価結果をもとにしたOTセキュリティのガバナンス・マネジメント強化の助言や、サプライチェーン全体のリスク評価、OT領域のセキュリティ監査にも対応します。

監査などで参照する標準にはISO27000シリーズとIEC 62443を挙げ、リスク分析にはIPAが示すリスクシナリオベースの考え方を用います。費用は公開されておらず、相談内容に応じた個別の問い合わせ対応です。

2. IdealRoute OTセキュリティ診断(アイディルートコンサルティング株式会社)

IdealRoute OTセキュリティ診断のサイト画面

アイディルートコンサルティング株式会社が運営する、無料のオンライン診断を入口としたOTセキュリティの相談先です。全12問に回答すると、「OTセキュリティ偏差値」と推奨される対策が提示されます。

回答はセキュリティの技術専門家が人力で行い、最短2営業日で返送されます。診断の利用は無料で、他社と比べた自社の対策レベルを把握したい企業や、複数ある対策の優先順位を決めたい企業の最初の一歩に向きます。

運営会社はISO/IEC 27001の認証を取得しています。診断のほかに、OT/IoTセキュリティやセキュリティアセスメント、サイバーレジリエンスといった支援メニューも掲げています。

計画・設計と体制づくりまで頼みたい相談先

3. NRIセキュア OTセキュリティ(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

NRIセキュア OTセキュリティの公式サイト

野村総合研究所グループのセキュリティ専業会社、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社が提供するOTセキュリティ支援です。工場・プラントの制御システムを対象に、現状評価から対策導入、監視・運用、インシデント対応・教育までを自社サービスとして提供しています。

計画・設計の段階では、工場向けのセキュリティ関連文書やガイドラインの整備、インシデント対応体制(工場CSIRT)の構築、NIST SP800-171への準拠を支援します。現状評価から監視・運用までを同一の会社に任せられるため、段階をまたいだ引き継ぎの手間を抑えたい企業に向きます。

製造業のほか、鉄鋼・電力・ガス・石油化学など、工場・プラントを持つ幅広い業界での支援実績を公式に示しています。費用はページに掲載されておらず、問い合わせによる個別見積りが基本です。

4. 横河デジタル OTセキュリティコンサルティング(横河デジタル株式会社)

横河デジタル OTセキュリティコンサルティングの公式サイト

横河デジタル株式会社が提供する、製造業の工場・プラント向けのOTセキュリティコンサルティングです。制御・計測機器大手の横河電機グループで培った制御システムの現場経験を背景に、アセスメントから設計・構築・運用支援までを担います。

計画・設計の段階では、現場に合わせたOT対策ガイドラインやポリシーの策定、リスクアセスメントから計画策定・認証取得までの法規制対応、ISO/IEC 27001などのグローバル認証取得を支援します。インシデント対応ではFSIRTの構築まで対応します。

アセスメントはNIST CSF 2.0をベースに実施し、経済産業省の工場向けガイドラインも参照します。化学・石油・重工業・電力・通信など、制御現場を持つ業界を対象としています。費用は非掲載で、見積りの相談を受け付けています。

5. IIJグローバル サイバーストラテジーコンサルティング(株式会社IIJグローバルソリューションズ)

IIJグローバル サイバーストラテジーコンサルティングの公式サイト

IIJ(インターネットイニシアティブ)グループの株式会社IIJグローバルソリューションズが提供するコンサルティングサービスです。「戦略的サイバーリスク管理と態勢整備」を掲げ、6つのコンサルモジュールの1つとしてOTセキュリティ関連コンサルティングを用意しています。

OTのモジュールでは、製造業の工場やプラントなど事業影響の大きい制御システムを対象に、IEC 62443と経済産業省のOTセキュリティガイドラインに沿ったアセスメント・コンサルティングを行い、リスクの可視化から管理策の実行・運用までを支援します。

AI・NIST CSF 2.0・CSIRT構築・運用改善・教育といった他のモジュールと組み合わせ、セキュリティ全体の態勢づくりの文脈でOT対策を進めたい企業に向きます。会社としてISMS・QMS・プライバシーマークを取得しています。費用は非掲載で、見積り依頼の導線が用意されています。

6. Ba10ics(株式会社ビジネスアジリティ)

Ba10ics(ビジネスアジリティ OTセキュリティ対策コンサルティング)の公式サイト

OTセキュリティを専門とする独立系の産業サイバーセキュリティコンサルティング会社、株式会社ビジネスアジリティが提供するサービスです。特定の製品を持たず、工場・プラントのOTを対象に、リスク分析からポリシー策定、ペネトレーションテスト、インシデント対応体制づくりまでを支援します。

IEC 62443シリーズに準拠したリスク分析を起点に、ポリシー策定から実装までの一貫支援、FSIRT構築やペネトレーションテストの実施まで、導入段階に応じて対応します。公式サイトでは現状把握・対策実行・運用強化の段階別の相談先の選び方と、支援内容別の費用相場を公開しています。

代表の福田敏博氏は、制御システム開発の実務経験を持ち、技術士や情報処理安全確保支援士など30種以上の資格と複数の著書を公式に挙げています。実名の専門家に計画段階から相談したい企業の候補になります。

導入から運用・監視まで任せたい相談先

この区分では、導入や代行を担う会社に加えて、相談先が実際の監視・防御に用いる製品基盤(Darktraceの検知・MDR、FortinetのOTセキュリティ製品など)も、導入・運用を任せる選択肢になります。

7. Darktrace(ダークトレース・ジャパン株式会社)

Darktraceの公式サイト

Darktrace は、組織ごとの通常の通信や挙動を自己学習型AIが学び、そこからの逸脱で既知・未知の脅威を検知する製品群「ActiveAI Security Platform」を提供しています。中核となるネットワーク監視(NDR)は複数の領域を横断し、制御システム向けの Darktrace/OT も備えます。

端末に手を入れにくい制御現場でも、ネットワークの通信を外側から監視して異常を捉える方式のため、運用まで任せたい企業の候補になります。2024年6月に開始したマネージド検知・対応(MDR)サービスでは、ネットワーク・クラウド・OT・エンドポイントを対象に、24時間365日体制のSOCで監視・調査を代行します。

料金は監視対象デバイス数に応じた個別見積もりで、定価は公開されていません。国内では販売代理店を通じた提供が中心のため、自社環境での導入可否や費用は問い合わせて確認する形になります。

8. TIS OTセキュリティコンサルティングサービス(TIS株式会社)

TIS OTセキュリティコンサルティングサービスの公式サイト

TIS OTセキュリティコンサルティングサービスは、独立系大手SIerのTIS株式会社が2024年11月に提供を開始した、工場やインフラを持つ企業向けの支援サービスです。

現状把握のセキュリティアセスメントから、通信制御の見直しや資産管理・異常検知といった対策の導入・運用支援、セキュリティ教育やインシデント対応によるレジリエンス強化、OT関連規定の整備とFSIRT(制御システム向けの対応チーム)の構築・運用まで、4段階のメニューをそろえています。

導入から運用・体制づくりまでを同じ窓口に任せたい企業に向く構成です。プレスリリースでは、取引先3,000社超、50年以上の業界知識、グループ従業員2万人を背景に挙げています。費用は非公開で、問い合わせによる個別見積もりです。

9. NTT東日本 工場(OT)セキュリティ(東日本電信電話株式会社)

NTT東日本 工場(OT)セキュリティの公式サイト

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)が運営する工場(OT)セキュリティは、ITとOTの違いの解説から導入手順の整理までを平易にまとめ、初めて取り組む企業の入口になるよう構成された支援ページです。

支援は、現状把握と評価、UTMやOT向けIDS・産業用EDRなどを使った防御体制の構築、トラフィック監視とSOC運用という3ステップで整理されています。リスクアセスメントでは経済産業省のガイドラインにもとづくチェックリストを用い、運用代行サービスでは24時間365日体制で運用・監視します。

初回相談は無料で、工場向けリスクアセスメントガイドなど5点の資料を無料でダウンロードできます。各サービスの費用は公開されておらず、相談のうえで見積もる形です。

10. Fortinet OTセキュリティ(Fortinet, Inc.)

Fortinet OTセキュリティの公式サイト

Fortinet OTセキュリティは、ファイアウォール製品で知られる Fortinet, Inc. が、工場・制御システム向けに自社のセキュリティ製品群をまとめたページです。相談や代行を請け負うコンサルティング会社ではなく、相談先が実際の対策で用いる製品の技術基盤として位置づけられます。

FortiGate(ファイアウォール)、ネットワークの検知と対応(NDR)、ログ分析の FortiAnalyzer、OT向けのネットワークアクセス制御(NAC)などの製品を提供しています。これらで境界防御から資産の可視化、セグメンテーション、対応の自動化までを担います。

組織的・運用的なルール整備を含むコンサルティングやパートナー企業の紹介もあわせて掲載しています。

現在地の把握には、経済産業省のガイドラインのチェックリストに沿った全32問・約15分の無料Web簡易診断(A〜Dの4段階判定)を用意しています。株式会社リコーの導入事例を動画とPDFで公開しており、費用は問い合わせによる確認となります。

OTセキュリティ対策コンサルの費用相場(支援内容別)

OTセキュリティ対策の費用は、支援の内容と対象の範囲によって大きく変わり、公的に定まった相場はありません。多くの相談先が料金を公開せず、個別見積りを基本としています。費用感は、どの段階をどこまで任せるかで整理すると見通しが立ちます。

現状評価(リスクアセスメント)は、対象とする拠点数や資産数、分析手法の深さで費用が決まります。対策の計画・設計を含む包括的なコンサルティングは、策定する範囲(ポリシー・規程・体制)が広いほど費用が上がります。攻撃者の視点で侵入を試すペネトレーションテストは、対象システムの範囲と検証の深さで変動します。

たとえば、OTセキュリティを専門とするあるコンサル会社は、支援内容別の費用の目安を公開しています。その公開例では、現状評価にあたるリスクアセスメントは数十万円〜数百万円程度が目安とされています。

同じ専門コンサルの公開例では、計画・設計を含む包括的なコンサルティングは半年で300万円程度、攻撃者の視点で侵入を試すペネトレーションテストは約3か月で500万円〜が目安とされています。

ただし、これは1社が公開している例にすぎず、実際の費用は支援範囲・拠点数・制御機器数・求める運用の深さによって変わります。

費用を左右する主な要因は、対象の広さ・現状の整備度・運用の深さ・準拠範囲の4点です。拠点や制御機器の数が多いほど評価や対策の工数が増え、すでに資産の可視化が進んでいれば最初の現状把握にかかる手間は軽くなります。

求める運用の深さ(単発の評価で終わるのか、24時間の監視まで含めるのか)によって、継続的に発生する費用の有無が分かれます。準拠を求めるフレームの範囲が広いほど、対応に必要な作業も増えます。

多くの相談先は費用を公開せず個別見積りが基本で、公開している例は上記および比較表の「費用の目安」列を参照してください。実際の費用は対象範囲によって前後するため、同じ条件で複数社に見積りを依頼して比べるのが確実です。

経済産業省の工場ガイドライン・IEC 62443への対応と相談先選び

OTセキュリティ対策では、経済産業省の工場向けガイドラインや国際規格への準拠が、社内説明・取引先対応・監査の根拠として求められる場面が増えています。ただし、準拠そのものが目的ではなく、自社のリスクに見合った対策を進めるための拠り所として使うのが本来の位置づけです。代表的な枠組みを整理します。

国内で中心となるのが、経済産業省が示す「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」(Ver1.0、2022年11月公表)です。対策の企画・導入を、次の3つのステップで進める構成になっています。

  • ステップ 1 内外要件(経営層の取組や法令等)や業務、保護対象等の整理
  • ステップ 2 セキュリティ対策の立案
  • ステップ 3 セキュリティ対策の実行、及び計画・対策・運用体制の不断の見直し(PDCA サイクルの実施)
出典:工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン Ver1.0|経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会 ワーキンググループ1 工場サブワーキンググループ

ガイドラインは、環境や技術の変化に応じて各ステップを見直しながら、ステップ1からステップ3のサイクルを繰り返すことを求めています。相談先を選ぶ際は、この最初のステップ(要件・資産・業務の整理とリスクの洗い出し)をどこまで支援できるかが、見極めの目安になります。

国際的な枠組みとしては、米国国立標準技術研究所(NIST)が示すサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)が広く参照されます。最新版のCSF 2.0(2024年2月公表)は、対策を「統治(ガバナンス)・識別・防御・検知・対応・復旧」の6つの機能で整理します。

このうち統治(ガバナンス)はCSF 2.0で新たに加わった機能で、経営としてリスク管理の方針を定め、組織全体に行き渡らせることを扱います。

出典・参考資料(1件)

産業用の制御システムに特化した国際規格群が、IEC 62443です。制御システム(IACS)のセキュリティを、共通概念、方針・手順、システムの技術要件、製品コンポーネントの4つの領域にわたって規定しています。

たとえば、リスクアセスメントの要件はIEC 62443-3-2、システムの技術要件とセキュリティレベルはIEC 62443-3-3が扱います。資産を保有・運用する側のセキュリティプログラムはIEC 62443-2-1、運用を請け負うサービス提供者の能力要件はIEC 62443-2-4が規定します。規格本体の入手は有償です。

出典・参考資料(1件)

これらの枠組みは、経済産業省のガイドラインを軸に、IEC 62443やNIST CSFを補完的に参照する形で整理すると、対応の全体像がつかみやすくなります。相談先を選ぶときは、単に「準拠しています」と掲げているかではなく、自社が求めるフレームに沿って、現状評価から対策の実行までを具体的に支援できるかを確認することが大切です。

OTセキュリティ対策コンサルの選び方と依頼時の注意点

ここからは、自社の段階と課題から相談先を絞り込むための見極め方と、依頼する際に押さえておきたい注意点を解説します。

段階別で見るべき強みは何か

相談先に求める強みは、自社が今どの段階にいるかで変わります。

まず現状を評価してもらいたい段階では、制御システムの資産やリスクを正確に洗い出せる分析力が要になります。対象とする拠点や設備の種類に対応した評価の実績があるか、資産ベース・事業被害ベースといった手法に沿って進められるかを確認することが重要です。

対策の計画・設計から任せたい段階では、評価から導入までを切れ目なく支援できる一貫性が重要です。ポリシーや規程の策定、ネットワーク設計、IT・OT連携体制の整備まで、どこまでを自社で担い、どこから相談先に委ねるのかを明確にしておきましょう。

導入後の運用・監視まで任せたい段階になると、24時間の監視体制やインシデント発生時の対応実績、制御現場に合った監視方式を持っているかが見極めの軸になります。

依頼時に確認したい注意点は何か

相談先を決める前に、次の点を確認しておくと、依頼後のミスマッチを避けやすくなります。

  • ITとOTの違いを理解しているか:可用性・安全性を優先し、簡単には止められず、レガシー機器も多いという制御現場の前提を踏まえた提案ができるか。IT向けの対策をそのまま持ち込もうとする相手には注意が必要です。
  • 契約内容と成果物が明確か:どこまでの作業を、どのような成果物(評価報告書・設計書・運用手順など)で納めるのかを事前にすり合わせておくことが重要です。
  • 社内のIT部門とOT部門が連携できる体制か:対策は相談先に任せきりにはできず、現場の情報提供や意思決定で自社の関与が欠かせません。
  • 段階的に進められるか:一度にすべてを対策しようとせず、リスクの高いところから優先順位をつけて進める計画を描けるか。
  • 制御現場の制約下で実際に運用できるか:EDRを入れにくい、止められないといった現場で、設備への影響が小さい監視・防御の手段を提案できるか。
  • 自社の規模・拠点数に合うか:相談先は単一工場・中小規模から大規模・多拠点まで得意分野や費用が変わります。自社の規模・拠点数・対象の制御機器を伝えて、対応可否と見積りを確認しましょう。

まとめ

OTセキュリティ対策の相談先は、自社が今どの段階にいて、どこまでを任せたいかを起点に選ぶと絞り込みやすくなります。まず現在地を知りたいなら現状評価を依頼できる相談先を、計画から任せたいなら評価から体制づくりまで一貫して支援できる相談先を、運用まで委ねたいなら監視・対応を代行できる相談先を候補にします。

費用は支援範囲によって大きく変わり、個別見積りが基本です。経済産業省のガイドラインやIEC 62443、NIST CSFといった枠組みに沿って、現状評価から対策の実行までを具体的に支援できるかを確認し、複数社の資料を取り寄せて比べることをおすすめします。

自社の段階と課題に合う相談先を見つけるために、各社の支援範囲や費用を資料で見比べてみてください。

OTセキュリティ対策は、社内で守るべき対象の一つに位置づけられます。制御システム(OT)に加えて、端末・ネットワーク・ID・データなど社内セキュリティ全般について、守る対象別のタイプと代表的なサービスの選び方を俯瞰したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. OTセキュリティ対策とは何ですか?

A. OTセキュリティ対策とは、工場やプラントの制御システム(OT)をサイバー攻撃や不正な操作から守り、生産や供給を止めないための一連の取り組みです。PLC(制御装置)やSCADA(監視制御システム)などが対象で、情報の機密性を最優先するITセキュリティとは異なり、設備を止めないこと(可用性)と、人や環境への安全性を優先して進める点が特徴です。

Q. OTセキュリティ対策は何から始めればよいですか?

A. OTセキュリティ対策は、まず現状評価(リスクアセスメント)から始めるのが基本です。制御システムの資産を棚卸しし、どこにどんなリスクがあるかを洗い出したうえで、対策の優先順位とロードマップを決めます。自社に知見や人手が不足する場合は、この現状評価から外部の相談先に依頼し、結果をもとに計画・導入・運用へ段階的に進めると、過不足のない対策を短期間で形にしやすくなります。

Q. OTセキュリティ対策のコンサル・相談先はどう選べばよいですか?

A. OTセキュリティ対策の相談先は、自社が今どの段階にいるか(現状評価/計画・設計/運用・監視)に応じて、その段階に強い相手を選ぶのが基本です。現状評価ならリスクを正確に洗い出す分析力、計画・設計なら評価から導入までの一貫性、運用・監視なら24時間体制や制御現場に合った監視方式が見極めの軸になります。

いずれの段階でも、ITとOTの違い(可用性・安全性を優先し、簡単には止められない)を理解した提案ができるかを必ず確認しましょう。

Q. OTセキュリティ対策のコンサルの費用相場はどのくらいですか?

A. OTセキュリティ対策のコンサル費用は、支援範囲と対象の広さによって大きく幅があり、多くの相談先が料金を公開せず個別見積りを基本としています。

現状評価(リスクアセスメント)か、計画・設計を含む包括的なコンサルティングか、攻撃者の視点で侵入を試すペネトレーションテストかといった支援内容や、対象の拠点数・制御機器数、求める運用の深さ(単発の評価か24時間監視まで含むか)によって費用は変わります。正確な費用は、同じ条件で複数社に見積りを依頼して比べるのが確実です。

Q. OTセキュリティ対策は製品ベンダーとコンサル会社のどちらに相談すべきですか?

A. OTセキュリティ対策は、何をすべきか整理したい段階なら中立的なコンサル会社、監視・防御の仕組みを導入したい段階なら製品ベンダーが向くなど、自社の段階によって相談先が変わります。製品を持たないコンサル会社や監査法人は、特定の製品に寄らない現状評価や計画づくりに強みがあります。

一方、検知・監視製品を持つベンダーは、導入から運用・監視までを一式で任せたい場合の選択肢になります。現状評価から運用までを一社に任せたい場合は、両方をカバーするシステム構築会社(SIer)や総合系の相談先も候補になります。

Q. OTの現状評価(リスクアセスメント)だけを単発で依頼できますか?

A. 多くの相談先で、現状評価(リスクアセスメント)だけを単発で依頼できます。まず自社の現在地やリスクの優先順位を把握したい段階では、評価だけを切り出して依頼し、その結果を見てから計画・導入・運用を同じ相談先に続けて頼むか、別の相談先を選ぶかを判断する進め方が現実的です。無料のオンライン診断や簡易診断を入口に用意している相談先もあり、最初の一歩として活用できます。

Q. 社内にOTの専門人材がいなくてもOTセキュリティ対策をコンサルに依頼できますか?

A. 社内にOTの専門人材がいなくても依頼できますが、対策を相談先に任せきりにはできません。現状評価や計画づくりは外部に委ね、自社は意思決定と現場の情報提供・調整に集中する形が現実的です。制御機器の構成やネットワーク、運用の実態は現場にしか分からないため、IT部門とOT(生産技術・設備管理)部門が連携して相談先とやり取りできる体制を整えておくと、対策がスムーズに進みます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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