毎月の請求書を紙やExcelで作っていると、作成と押印、封入、郵送に時間を取られ、担当者が休むと請求が止まってしまう不安がつきまといます。インボイス制度と電子帳簿保存法への対応も加わり、中小企業の経理現場では「そろそろ請求書作成ツールを入れたい」という声が増えています。
一方で、請求書作成ツールは無料で使えるものから月数万円規模のものまで幅が広く、発行できる帳票や業務範囲、会計ソフトとの連携もさまざまです。自社の発行枚数や予算、担当体制に対して過不足のない1本を選ぶには、どの観点で比べればよいのでしょうか。
本記事では、中小企業に向く請求書作成ツール19サービスを、発行枚数と料金体系・業務範囲・会計ソフト連携・インボイス制度/電子帳簿保存法への対応という軸で比較します。発行枚数別の料金目安もあわせて整理しました。自社に合う1本を資料請求で絞り込むための材料としてご活用ください。
また、自社の発行枚数や業務範囲から合うタイプを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。どれを比べればよいか迷ったら、こちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲(中小企業向け)
本記事は、毎月取引先へ請求書を発行する中小企業を想定しています。個人事業主や法人化して間もない小規模の会社から、従業員300名規模の中小企業まで幅広く、毎月の請求実務を担う立場の方に向けた内容です。
売り手として自社が発行する請求書を、クラウド上で作成・発行・送付するためのツールを比較します。無料で小さく始めたい規模から、発行枚数が多く定額で効率化したい規模まで、タイプ別に当てはめられる構成にしています。
取引先から受け取った請求書を処理する受領側のサービスや、月数千通規模を自動化する大企業向けの基幹連携は主眼ではありません。中堅・上場企業も含めた全体像や、規模を問わない選び方を知りたい場合は、カテゴリ全体を比較した記事も合わせてご覧ください。
中小企業向け請求書作成ツールとは(導入の背景とできること)
請求書作成ツールは、請求書の作成から発行、電子送付や郵送、控えの保存までをクラウド上で行うサービスです。PDFのメール送付や郵送代行、入金の消し込み(入金と請求データの照合)までカバーする製品もあり、経理の担当者が限られる中小企業でも、少ない工数で毎月の請求業務を回せるようにする点が特徴です。
導入が進む背景には、2023年10月に始まったインボイス制度と、2024年1月に電子データでの保存が原則義務化された電子帳簿保存法があります。適格請求書に必要な記載事項を満たし、電子で送付した請求書の控えを要件どおり保存するうえで、手作業のExcelよりツールのほうが運用しやすくなっています。
紙・Excelでの請求業務で中小企業が抱える課題
紙やExcelでの請求業務は、取引先が増えるほど負担が大きくなります。中小企業の現場でよく挙がる課題を整理すると、次のような点に集約されます。
- 作成・送付に時間がかかる:毎月の請求書をExcelで複製し、印刷・押印・封入・投函する一連の作業に、取引先の数だけ時間を取られます。
- 業務が属人化する:ファイルの保存場所や記入ルールが担当者の頭の中にあり、休むと請求が止まる、引き継ぎに時間がかかるといった状態になりがちです。
- 印刷・郵送のコストがかさむ:用紙・インク・封筒・切手の費用と、投函の手間が毎月積み上がります。
- 転記・計算ミスが起きやすい:手入力での金額や消費税の計算、宛名の転記はミスが起きやすく、再発行の対応にも追われます。
- 法対応に不安が残る:インボイス制度の記載事項や電子帳簿保存法の保存要件を、Excelと手作業の運用で満たし続けられるか判断しづらい状態です。
中小企業が請求書作成ツールを導入するメリット
ここからは、請求書作成ツールを導入することで中小企業が得られる効果を整理します。前項の課題と対応させて読むと、自社にとっての優先順位が見えてきます。
作成から送付までの時間を短縮できる
取引先と明細を登録しておけば、毎月の請求書をテンプレートから自動で作成できます。前月のデータの複製や定期請求の予約に対応する製品も多く、経理を1〜2名で回す中小企業ほど、作成・送付にかけていた時間の削減効果が大きくなります。
業務を標準化し属人化を防げる
請求データがクラウド上に一元化されるため、誰が見ても発行状況や過去の請求履歴を確認できます。担当者が不在でも請求が滞りにくくなり、引き継ぎの負担も軽くなります。
印刷・郵送コストと送付の手間を減らせる
PDFをメールやWebで送付すれば、用紙・封筒・切手の費用と投函の手間がなくなります。郵送が必要な取引先には郵送代行を使える製品もあり、紙と電子を取引先ごとに使い分けられます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しやすい
登録番号や税率ごとの消費税額を含む適格請求書を、フォーマットに沿って発行できます。電子で送付した請求書の控えを、日付・金額・取引先で検索できる形で保存する機能を備えた製品もあり、手作業より法対応の負担を抑えられます。
テレワークや拠点分散でも請求業務を回せる
クラウド型のため、出社しなくても請求書の作成・承認・送付ができます。押印や郵送のために出社する必要がなくなり、拠点が分かれている企業でも同じ仕組みで請求業務を運用できます。
中小企業が請求書作成ツールを選ぶときのポイント
ここからは、自社の規模・予算・体制に対して過不足なく選ぶための観点を整理します。すべてを満たす製品を探すのではなく、自社でどの軸を優先するかを決めるための視点として読んでください。
発行枚数と料金体系は自社に合っているか
料金体系は、発行した通数に応じて課金される従量制と、通数にかかわらず一定の定額制、利用人数で決まるユーザー課金に大きく分かれます。月の発行枚数が少ないうちは無料プランや従量制が割安ですが、枚数が増えると定額制のほうが安くなる分岐点があります。
自社の月あたりの発行枚数を把握し、その枚数で各プランがいくらになるかで比べるのが確実です。具体的な目安は発行枚数別に見る料金の目安で後述します。
発行だけで足りるか—業務範囲と将来の拡張性
請求書作成ツールは、カバーする業務範囲で性格が分かれます。発行と送付に絞ったシンプルなものから、入金の消し込みや督促、売掛金の管理まで担うもの、見積から受注・請求・販売管理まで一気通貫で扱うものまであります。
いま必要なのが発行だけでも、取引先が増えれば入金消し込みや請求漏れの防止が課題になりがちです。導入時点の業務範囲だけで選ばず、数年先に広げたい範囲まで同じ製品でカバーできるかという拡張性も合わせて見ておくと、乗り換えの手間を避けられます。
いま使っている会計ソフトと連携できるか
請求データを会計ソフトに手入力で転記していると、二重入力やミスの原因になります。freee・マネーフォワード・弥生などの会計ソフトを使っている場合、同じブランドの請求書ツールや連携に対応した製品を選ぶと、発行した請求のデータを会計へそのまま引き継げます。
すでに会計ソフトが決まっているなら、そのソフトと連携できるかを最初の絞り込み条件にすると候補を減らしやすくなります。
会計ソフト自体をこれから選ぶ、または見直す段階であれば、連携のしやすさも含めて会計ソフト側から比べておくと、請求書ツールとの組み合わせで迷いにくくなります。中小企業の経理体制に合う会計ソフトは、以下の記事で絞り込めます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか
「インボイス対応」とは、適格請求書に必要な記載事項を満たした請求書を発行できることを指します。国税庁は、適格請求書の記載事項を次のように示しています。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
出典:適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-|国税庁(令和5年10月)
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
特に、登録番号・適用税率・税率ごとの消費税額を自動で反映できるかが、ツールを選ぶうえでの実務的な確認点です。様式そのものは法令で定められておらず、必要な事項が記載されていれば適格請求書に該当します。
電子帳簿保存法では、電子で送受信した請求書などの電子取引データについて、保存の方法が定められています。国税庁は、電子取引データの保存について次の3点を求めています。
改ざん防止のための措置をとる必要があります。
出典:電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】|国税庁(令和5年7月)
「日付・金額・取引先」で検索できる必要があります。
ディスプレイやプリンタ等を備え付ける必要があります。
この保存義務は、請求書を受け取った場合だけでなく、電子で送った場合にも生じます。発行側である自社も、電子で送付した請求書の控えを要件どおり保存する必要があるため、タイムスタンプの付与や「日付・金額・取引先」での検索に対応したツールを選ぶと、保存要件を満たしやすくなります。
詳しい制度の内容は、国税庁の公式資料で確認できます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:消費税 インボイス制度 特設サイト|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm)
電子帳簿保存法については、制度そのもののメリットや対応を進めるうえでのポイントを分かりやすく整理した記事もあります。保存要件への対応に不安が残る場合は、こちらも合わせてご確認ください。
電子帳簿保存法はデメリットしかない?メリットと導入のポイントを徹底解説
電子帳簿保存法への対応、「正直メリットがなくデメリットしかないのでは?」と感じていませんか。 2024年からはメールやWeb上でやり取りした請求書など電子取引データの保存が完全に義務化され、対応を避けられない状況になりました。(参照:国税庁…
少人数でも無理なく運用できるか
経理の担当者が少ない中小企業では、設定や日々の操作が複雑だと定着しません。画面のわかりやすさ、初期設定の手間、取引先データの移行のしやすさ、そしてサポート体制を確認しておくと、導入後につまずきにくくなります。
無料プランや無料トライアルがある製品は、本格導入の前に実際の操作感を試せます。候補を2〜3本に絞ったら、同じ請求書を試しに作ってみて、自社で無理なく回せるかを確かめるのが確実です。
タイプ別に見る中小企業向け請求書作成ツール
中小企業向けの請求書作成ツールは、料金の始めやすさと業務範囲の広さで、大きく3つのタイプに分けられます。自社がどのタイプを求めているかを決めると、候補を一気に絞り込めます。

無料・少枚数から小さく始めたい中小企業向け
月の発行枚数が少なく、まずコストをかけずに始めたい企業に向くタイプです。無料プランや永続無料、従量課金で、少ない枚数のうちは費用を抑えられます。個人事業主から従業員数名規模まで、スモールスタートしやすいのが特徴です。
請求書の発行・送付をシンプルに効率化したい中小企業向け
発行枚数が一定以上あり、作成から電子送付・郵送代行までを定額で効率化したい企業に向くタイプです。送付方法を取引先ごとに使い分けたり、郵送を代行に任せたりでき、毎月の発行作業そのものを軽くできます。
見積〜入金・販売管理まで一元化したい中小企業向け
請求書の発行だけでなく、見積から受注、入金の消し込み、売掛金の管理まで同じ仕組みで扱いたい企業に向くタイプです。請求漏れや入金の確認漏れを防ぎやすく、取引先や案件が増えても管理の手間が膨らみにくくなります。
自社がどのタイプに近いかは、次の診断ツールで発行枚数・業務範囲・会計ソフトなどから確かめられます。
30秒でわかる選定診断ツール
いくつかの質問に答えるだけで、自社に合うタイプと候補サービスを提案します。発行枚数や予算、必要な業務範囲から、過不足のない1本を探すための出発点としてご活用ください。
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【比較表】中小企業向け請求書作成ツールの機能・料金比較
ここからは、中小企業向けの請求書作成ツール19サービスを、料金体系・無料プラン・業務範囲・会計ソフト連携・郵送代行・インボイス制度/電子帳簿保存法への対応といった観点でタイプ別に比較します。気になるサービスは、サービス名から各社の詳しい紹介に移動できます。
無料・少枚数から小さく始めたい中小企業向けの比較
| サービス名 | freee請求書 | Misoca | 請求QUICK | Square 請求書 | Zoho Invoice | INVOY | インボイス王 | PASELLY | Knockdoc |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 6,730円〜(スタンダード) | 年8,800円(税抜)〜(プラン15) | 0円(発行51通目〜1通30円) | 3,000円(プラス) | 実質無料で利用可 (有料上位版の国内価格は非公開) | 980円〜(税込、Standard) | 月550円〜(税込、標準プラン) | 880円〜(ベーシック・月払い) | 0円(基本機能は無料) |
| 無料プラン | ●請求書作成が無料 | ●月10通まで無料 | ●月50通まで無料 | ●作成・送付が無制限無料 | ●年500通・2ユーザーまで | ●帳票作成・発行が永続無料 | ●月10枚まで無料(発行・受領) | ●基本機能が無料(PDFに表記) | ●基本機能がすべて無料 |
| 業務範囲 | 発行・送付/入金消込(アドバンス) | 発行・送付(帳票7種) | 発行・入金消込・仕訳 | 発行+オンライン決済・入金管理 | 発行・送付(作成特化) | 発行・送付/資金繰り管理(有料) | 発行・受領(帳票4種) | 発行・送付+簡易顧客管理 | 発行・送付(帳票7種) |
| 会計ソフト連携 | freee会計(他社はCSV・API) | 弥生会計・freee・MFクラウド | 弥生会計・勘定奉行・MFクラウド | freee・マネーフォワード | Zoho CRM(国内会計は要確認) | freee・MF・弥生会計(CSV) | 会計王シリーズ(自動仕訳) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 郵送代行 | ● | ●1通210円(税抜) | ●1通285円(税別) | ×(メール・SMS送付) | ×(メール・ポータル送付) | ●別途費用 | 要問い合わせ | ●有料プランは割引あり | ●1通160円(税込) |
| インボイス/電帳法対応 | ● | ● | ● | △電帳法は要確認 | △電帳法は電子取引のみ | ●JIIMA認証取得 | ● | △電帳法は要確認 | △公式に明記なし |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新は各公式サイトでご確認ください。
発行・送付をシンプルに効率化したい中小企業向けの比較
| サービス名 | 楽楽明細 | MakeLeaps | バクラク請求書発行 | 奉行Edge 発行請求書DXクラウド | @Tovas | マネーフォワード クラウド請求書 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 100,000円(税抜) | 0円 | 要問い合わせ | 0円 | 120,000円〜(要見積り) | 0円 |
| 月額費用 | 25,000円〜(税抜) | 1,000円〜/ユーザー(税抜、個人) | 要問い合わせ | 年126,000円〜(税抜、300件/年) | 12,000円〜+配信従量 | 2,480円〜(ひとり法人・年払い) |
| 無料プラン | ×(無料トライアルあり) | ●取引先3社・送付30通/月まで | ●件数・機能に制限(標準テンプレのみ) | ×(30日間無料トライアル) | ×(要見積り) | ×(1ヶ月無料トライアル) |
| 業務範囲 | 発行・送付(CSV取込型)/入金消込(オプション) | 発行・送付/入金消込 | 発行・送付(入金消込・督促は別製品) | 発行・送付(奉行シリーズ連携) | 帳票配信(送付特化、受取も対応) | 発行・送付/入金消込連動 |
| 会計ソフト連携 | 販売管理30社以上(勘定奉行は楽楽販売経由) | 勘定奉行・PCA(オプション)・弥生 | 売上仕訳を自動作成(CSV/API) | 勘定奉行クラウド等(奉行シリーズ) | 各種システム連携(kintone等) | MFクラウド会計・確定申告 |
| 郵送代行 | ●1通198円〜(税抜) | ●1郵送ポイント195円〜(税抜) | ●1通180円〜 | ●オプション対応 | ●印刷〜投函まで代行 | ●一括郵送(ビジネス) |
| インボイス/電帳法対応 | ●JIIMA認証 | ●電帳法は有料プラン | ●JIIMA認証(シリーズ) | ● | △電帳法はJIIMA認証/インボイスは要確認 | ● |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新は各公式サイトでご確認ください。
見積〜入金・販売管理まで一元化したい中小企業向けの比較
| サービス名 | 請求管理ロボ | board | invox発行請求書 | ジョブカン見積/請求書 |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 1,200円〜(税抜、Personal) | 1,980円〜(税抜、ミニマム) | 要問い合わせ |
| 無料プラン | ×(無料トライアルあり) | ×(30日間無料トライアル) | ●月15件までメール送付無料 | ×(30日間無料トライアル) |
| 業務範囲 | 発行・集金・入金消込・督促(見積書は非対応) | 見積〜請求・受発注・案件損益管理 | 発行・入金消込・督促(見積書も対応) | 見積〜発注・請求・案件管理 |
| 会計ソフト連携 | PCA・勘定奉行・弥生・MFクラウド会計 | freee・MF・弥生・勘定奉行 ほか8種 | 仕訳データ出力で会計連携 | ジョブカン会計(自動連携) |
| 郵送代行 | ● | ●1通195円(税込) | ●白黒172円〜(税別) | ●システム連携で対応 |
| インボイス/電帳法対応 | ● | ●インボイス対応(電帳法は要確認) | ● | ● |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新は各公式サイトでご確認ください。
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各サービスの特徴(個別紹介)
比較表で気になったサービスについて、提供元・特徴・料金・業務範囲・中小企業での使いやすさを1社ずつ紹介します。前述の3タイプごとにまとめているので、自社に近いタイプから読み進めてください。
無料・少枚数から小さく始めたい中小企業向け
まずは、無料プランや従量課金で小さく始められるサービスです。
1. freee請求書(フリー株式会社)

クラウド会計ソフトで知られるフリー株式会社が提供する請求書サービスです。請求書の作成・発行から、紙・電子での送付、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応までをカバーします。
無料で請求書を作成できるプランがあり、まずコストをかけずに始められます。発行枚数が増えたら、基本料金と送信料金からなる月額6,730円〜のスタンダードプランへ移行できます。
上位のアドバンスプランでは、銀行口座と連携した入金消込や仕訳の自動作成にも対応します。freee会計と組み合わせると、請求書の発行から入金消込・会計処理までを同じ仕組みで扱えます。
2. Misoca(弥生株式会社)

月10通まで請求書を恒常的に無料で作成できるクラウド請求書ソフトです。弥生会計などを手がける弥生株式会社が提供し、見積書・納品書は無料プランでも通数の制限なく作成できます。
対応する帳票は見積書・納品書・請求書・領収書・検収書と注文書・注文請書で、見積書からワンクリックで同じ内容の請求書を作成できます。請求書の自動作成予約や自動メール送信にも対応します。
発行枚数が増えた場合は、年額8,800円(税抜)のプラン15(15通まで)や年額33,500円(税抜)のプラン100(100通まで)を選べます。弥生会計との自動仕訳連携に加え、freee・マネーフォワード クラウドとの連携も公式に案内されています。
3. 請求QUICK(SBIビジネス・ソリューションズ株式会社)

SBIグループのSBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供する、クラウド型の請求書発行・管理システムです。初期費用・月額基本料金とも0円で、利用人数の制限なく始められます。
請求書の発行は月50通まで無料で、51通目以降は1通あたり30円(税別)の従量課金です。銀行明細の取得による入金消込や、弥生会計・勘定奉行向けのテンプレートを使った仕訳データの出力にも対応します。
操作はPCからの利用が前提で、スマートフォンのブラウザやアプリには対応していません。請求書の発行だけでなく入金消込までを無料枠の範囲で試したい企業に向いています。
4. Square 請求書(Square株式会社)

キャッシュレス決済のSquareのアカウントから使える、決済プラットフォーム一体型の請求書サービスです。運営はBlock, Inc.の日本法人であるSquare株式会社です。
請求書・見積書の作成と送付は無制限・無料で、費用は決済が発生したときの手数料(請求書経由で3.25%)のみです。メールやSMSで送った請求書から、受け取った相手がそのままクレジットカードなどでオンライン決済できます。
定期請求書による請求の自動化や、未払いへの自動リマインダー、支払状況の追跡にも対応します。入金は最短で翌営業日のため、実店舗やオンラインの決済と合わせて使いたい事業者に向いています。
5. Zoho Invoice(ゾーホージャパン株式会社)

業務用クラウドサービスを世界展開するZohoの日本法人、ゾーホージャパン株式会社が提供する請求書作成ソフトです。個人事業主・フリーランスから中小企業までを対象とし、多言語・多通貨に対応します。
基本機能を無料(¥0)で利用でき、見積書・請求書の作成や支払期日の自動通知、オンライン入金処理などを備えます。無料で使える範囲には、年間の請求書送付500通・ユーザー2名などの上限があります。
インボイス制度には登録番号のカスタム項目や税区分の表示で対応します。電子帳簿保存法については電子取引データの保存要件に対応する一方、紙を取り込むスキャナ保存の要件には対応していません。
6. INVOY(FINUX株式会社)

請求書・見積書・納品書・発注書・領収書の5種類の帳票を、無料プランで作成・発行できるクラウド請求書プラットフォームです。OLTA株式会社の子会社であるFINUX株式会社が提供しています。
帳票の作成・発行そのものは永続無料で、有料のStandardプラン(月額980円・税込)では口座の自動連携や資金繰り表の作成が加わります。見積書から納品書・請求書へワンクリックで変換でき、明細の再入力を省けます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、スキャナ保存ソフトのJIIMA認証(電子帳簿保存法の要件適合を示す第三者認証)も取得しています。freee・マネーフォワード クラウド・弥生会計とのデータ連携にも対応します。
7. インボイス王(ソリマチ株式会社)

会計王シリーズで知られるソリマチ株式会社が提供する、クラウド型の請求書作成ツールです。適格請求書に対応した請求書を、無料プランでも作成できます。
無料プランは発行・受領が月10枚までで、年額5,500円(税込。月払いは月額550円・税込)の標準プランにすると枚数が無制限になり、最大30名まで利用できます。見積書・納品書・領収書の作成にも対応します。
紙の請求書をスキャンして電子保存でき、同社の会計ソフト「会計王」シリーズとは自動仕訳で連携します。PC・スマートフォンのどちらからも利用できます。
8. PASELLY(株式会社entershare)

もともと顧客管理・営業支援のサービスとして開発され、現在は見積書・請求書・発注書・納品書・領収書の作成機能を中心に提供するクラウドサービスです。株式会社entershareが運営しています。
基本機能はクレジットカード登録なしで無料から使え、見積書から請求書などへの変換や、取引先・案件の簡易的な管理にも対応します。無料プランで作成したPDFにはサービス名の表記が入り、有料プランで消せます。
送付はメール・公開URLの発行・郵送代行から選べ、Stripe連携によるオンライン決済リンクも作成できます。有料プランには、メンバー3名まで使えるベーシック(月額880円)と、上限を外したプレミアム(月額3,300円)があります。
9. Knockdoc(フェイバー・アプリケーションズ株式会社)

見積書・請求書・納品書・領収書・検収書・注文書・注文請書の7種類の取引文書を、無料で作成できるクラウドツールです。フェイバー・アプリケーションズ株式会社が提供しています。
基本機能はすべて無料で使え、PDF出力・印刷や、文書の複製、定期請求の自動作成予約、PDFを添付したメール送信まで対応します。郵送したいときだけ、1通160円(税込)の郵送代行を利用できます。
初期費用や月額の基本料金はかからないため、月の発行枚数が少ない個人事業主や小規模事業者が無料で始めやすい料金設計です。
請求書の発行・送付をシンプルに効率化したい中小企業向け
続いて、発行から電子送付・郵送代行までを定額で効率化できるサービスです。
10. 楽楽明細(株式会社ラクス)

請求書や納品書、領収書といった帳票を、Web発行・メール・郵送代行・FAXの4つの手段から取引先ごとに選んで自動配信できるのが、株式会社ラクスが提供する楽楽明細です。
販売管理システムなどが出力したCSV・PDFを取り込んで発行する仕組みで、帳票を新規に作成するツールではありません。「A社はWeb発行、B社は紙を郵送」といった送付方法の混在を取引先単位で設定でき、紙と電子を使い分けながら発行作業を減らせます。
料金は初期費用100,000円(税抜)、月額25,000円(税抜)からで、郵送代行は印刷・封入・投函・封筒代込みで1通198円(税抜)から利用できます。累計導入16,000社以上の実績があり、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応します(JIIMA認証取得)。
11. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

MakeLeapsは、株式会社リコーの100%子会社であるメイクリープス株式会社が運営するクラウド請求管理サービスです。見積書・納品書・請求書・支払通知書など10種類の書類を作成でき、見積書から請求書や納品書へワンクリックで変換できます。
作成した書類は、Web上の取引ポータルやメールのセキュア送信、郵送代行、Peppol送信(電子文書をやり取りする国際規格、法人プラン以上)で送付できます。郵送代行は5ページまで1郵送ポイント195円(税抜)で、印刷から投函まで任せられます。
取引先3社・送付30通/月までの無料プランがあり、個人プランは月1,000円/ユーザー、法人プランは月1,300円/ユーザー(いずれも税抜)からです。30日間の無料トライアルも用意され、銀行口座連携による入金消込まで同じサービスで扱えます。
12. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

基幹システムや現行の業務フローを変えずに帳票を電子化できる点を掲げるのが、株式会社LayerXが提供するバクラク請求書発行です。請求書・見積書・納品書・支払通知書などを、CSV・PDFの取り込みで一括作成できます。
送付方法はメール・Web(送付先ポータル)・郵送代行の3経路で、取引先ごとに送付方法を指定した一括送付に対応します。郵送代行は1通180円〜で、最短翌営業日発送、Web上から1件単位で依頼できます。
書類の定期作成や取引先によるWeb承認、請求書へのカード決済付与といった機能を備え、入金消込や督促は姉妹製品「バクラク債権管理」が担います。件数や利用機能に制限のある無料プランがあり、具体的な料金は資料請求で確認する形式です。
13. 奉行Edge 発行請求書DXクラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行をはじめとする奉行シリーズとの親和性が高いのが、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)の奉行Edge 発行請求書DXクラウドです。商蔵奉行・債権奉行クラウドなどとAPI連携し、請求書データの出力・取り込み以降を自動化できます。
対応帳票は請求書・納品書・支払明細書・支払通知書・注文書などで、見積書の作成には対応していません。送付はWeb配信・メール配信・郵送代行(オプション)・Peppol配信の4系統から選べます。
料金は初期費用0円の年額制で、年300件で126,000円(税抜)から、月25件から利用できます。30日間の無料トライアルがあり、インボイス制度に対応するほか、発行後の控えにタイムスタンプを自動付与して電子帳簿保存法に対応します。
14. @Tovas(コクヨ株式会社)

文具・オフィス用品で知られるコクヨ株式会社が運営する電子帳票配信システムが@Tovasです。請求書や納品書、支払通知書などのデータをCSVでアップロードすると帳票を自動生成し、取引先ごとに電子ファイル(Web・メール)・FAX・郵送から受け取り方法を選んで配信できます。
経理系の請求書・支払通知書だけでなく、注文書・検収書・出荷指示書など購買・物流系の帳票まで扱えます。FAX送信と郵送代行をクラウド上から行えるため、取引先の受け取り環境に合わせて送付方法を使い分けられます。
料金は@Tovas Master+ スタンダードプランで初期費用120,000円・月額12,000円に、配信通数に応じた従量課金が加わる構成で、帳票の種類や件数に応じた個別見積もりとなります。2025年5月からは帳票を「受け取る」機能も順次提供しています。
15. マネーフォワード クラウド請求書(株式会社マネーフォワード)

個人事業主から数名規模の中小企業までを対象にした請求書作成製品が、株式会社マネーフォワードのマネーフォワード クラウド請求書です。見積書・納品書・請求書・領収書を作成し、見積書から請求書へワンクリックで変換できます。
マネーフォワード クラウド会計・確定申告と連携し、売掛金仕訳の自動作成や入金消込との連動に対応します。ビジネスプランでは一括郵送・一括メール送信や回収消込表の作成も利用でき、請求書の毎月自動作成にも対応します。
料金は初期費用0円で、法人向けはひとり法人プラン月2,480円(年払い)から、個人向けはパーソナルミニプラン月900円(年払い)からです。恒常的な無料プランはなく、1ヶ月の無料トライアル(クレジットカード登録不要)で試せます。
見積〜入金・販売管理まで一元化したい中小企業向け
最後に、請求書の発行だけでなく入金消込・債権管理や見積・販売管理まで広く扱えるサービスです。このタイプは対応する業務範囲に幅があり、先頭の請求管理ロボは発行以降(送付・入金消込・督促)の自動化に特化していて見積書の作成には対応しません。見積から一気通貫で管理したい場合は、見積作成に対応するboardやジョブカン見積/請求書が向きます。
16. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の督促までを1つのシステムで自動化する、クラウド型の請求・債権管理システムです。株式会社ROBOT PAYMENTが運営し、単発・定期定額・定期従量の請求タイプを設定して、希望の周期で請求書を自動発行できます。
入金データは全銀データ・CSV・バンクチェック(取引ごとのバーチャル口座)から取得して請求と自動で照合し、バンクチェック利用時の消込精度は99%以上(同社データ)としています。未入金には自動催促メールで督促でき、請求から入金確認・回収までを同じ仕組みで回せます。
ただし見積書の作成・発行機能は搭載しておらず、請求書の発行以降(送付・入金消込・督促)に特化しています。会計ソフトはPCA会計・勘定奉行・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計と、SFAのSalesforce・kintoneに連携できます。
料金は「導入・運用支援費用(初期費用)+月額費用」の構成で、具体額は公式では非公開のため、資料請求で開示される個別見積もりです。無料トライアルも利用できます。
17. board(ヴェルク株式会社)

見積書・請求書・発注書・納品書など11種類以上の帳票作成に、受注・発注・支払管理や案件単位の損益管理、売上見込み・キャッシュフロー予測までを加えたクラウド型の業務・経営管理システムです。ヴェルク株式会社が開発・運営しています。
在庫管理機能をあえて持たない設計で、システム開発・コンサルティング・広告代理店など在庫を持たない受託・サービス業を主な対象にしています。freee会計やマネーフォワード クラウド会計などの会計ソフトと連携でき、見積から請求・入金までを案件単位でひも付けて管理できます。
料金は全プラン初期費用0円で、月額はPersonal 1,200円(税抜、1名まで)、Basic 2,400円(3名まで)、Standard 4,900円(15名まで)、Premium 7,900円(50名まで)の4段階です。郵送代行は1通195円(税込)、無料トライアルは30日間用意されています。
18. invox発行請求書(株式会社invox)

請求データを取り込んで送信方法を指定するだけで、紙・電子を問わずインボイス制度に対応した請求書を発行できるシステムです。株式会社invoxが提供し、請求書のほか見積書・納品書・支払通知書にも対応し、見積書から納品書・請求書へ情報を引き継いで作成できます。
発行だけでなく売上計上・入金消込・督促までを自動化でき、オンラインバンク連携やGMOあおぞらネット銀行のバーチャル口座を使った消込にも対応します。ただし入金消込・オンラインバンク連携はベーシックプラン(月額9,800円・税抜)以上で、フリー・ミニマムでは請求書の発行までが対象です。
料金は初期費用0円で、月額基本料はフリー0円、ミニマム1,980円、ベーシック9,800円、プロフェッショナル29,800円(いずれも税抜)の4段階に、発行1件55円(税込)などの従量料金が加わります。フリープランでは標準レイアウトの請求書を毎月15件までメール送付で試せます。
19. ジョブカン見積/請求書(株式会社DONUTS)

株式会社DONUTSが展開する「ジョブカン」シリーズの一つで、見積書・発注書・納品書・請求書・合計請求書・領収書などをクラウド上で作成・管理できるサービスです。見積から発注・請求・案件管理までを一つの業務フローとして扱えます。
承認ワークフローを標準搭載し、上長や関係者の承認をクラウド上で完結できます。プロフェッショナルプランでは案件単位の一元管理に加え、2026年2月に追加された原価・粗利管理(粗利率の入力による販売単価の自動算出など)も利用できます。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応しています。
料金はスタンダードとプロフェッショナルの2プランで、初期費用は0円です。恒常的な無料プランはなく、無料トライアルは30日間用意されています。月額は基本料金とユーザー数に応じた課金で構成されますが、最新の金額は公式サイトで確認してください。
発行枚数別に見る料金の目安(無料プランの上限〜従量・定額)
請求書作成ツールの費用は、月あたりの発行枚数によって割安な選択肢が変わります。ここでは、発行枚数の帯ごとに無料で収まる範囲と、超えた場合の料金の目安を整理します。料金は改定されることがあるため、契約前に各社の公式ページで最新の金額を確認してください。
| 月の発行枚数 | 〜10通程度 | 数十通〜50通前後 | 100通以上 |
|---|---|---|---|
| 無料で使える範囲 | freee請求書・INVOY・Zoho Invoiceは無料、Misocaは月10通まで、インボイス王は発行・受領で月10枚まで無料 | 請求QUICKは月50通まで、invox発行請求書は月15件まで無料 | 無料枠では収まらないことが多い |
| 有料に移った場合の目安(代表例) | Misocaの有料は年8,800円(税抜)〜(月100通プランは年33,500円(税抜)) | 請求QUICKは51通目から1通30円(税別)の従量。インボイス王は月550円(税込・年払いは年5,500円税込)で発行無制限 | 楽楽明細・バクラク請求書発行・奉行Edgeは定額(要問い合わせ)、@Tovasは初期120,000円・月額12,000円+配信従量、請求管理ロボは請求件数に応じた個別見積もり |
| 従量と定額の見極め | 無料プランで足りることが多く、従量・定額を悩む必要はほぼない | 枚数が月ごとに変動するなら従量、安定して数十通あるなら定額が得。例えば月550円(税込)の定額は、従量(1通あたり約30円)だと月17通を超えたあたりで割安になる | 1通30円の従量だと100通で月3,000円超になり、定額制のほうが割安になりやすい。郵送代行や入金消込の自動化まで含めた総コストで比べる |
料金は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新は各公式サイトでご確認ください。
各サービスの料金・機能をあらためて並べて確かめたいときは、タイプ別の機能・料金比較表に戻って見比べてください。
月の発行が数通〜10通程度:無料プランで足りることが多い
月の発行が10通程度までなら、無料プランで収まるサービスが選べます。無料プランや永続無料のツールなら、請求書の作成・発行をコストをかけずに始められます。製品ごとの無料枠(作成無制限か、月10通・月10枚までか)は上の目安表と比較表で確認できます。
この帯では、無料で始めて操作感を確かめ、枚数が増えてきたら有料プランへ移るのが無駄のない進め方です。
月の発行が数十通:無料枠の上限と超過コストを見極める
月数十通になると、無料枠の上限を超え始めます。従量制のツールは一定枚数を超えると1通あたりの課金が積み上がり、定額制のツールは枚数にかかわらず一定額で発行できます。具体的な無料枠と超過後の料金は上の目安表と比較表を参照してください。
この帯では、従量制で都度支払うか、定額制に切り替えるかの損益分岐を意識します。発行枚数が月ごとに大きく変わるなら従量制、安定して数十通あるなら定額制が目安になります。
月の発行が100通以上:定額制や業務自動化型が視野に入る
月100通を超えると、1通あたりの従量課金より定額制のほうが割安になりやすく、郵送代行や入金消し込みの自動化も効いてきます。発行と送付を効率化したいなら定額の帳票発行型、発行から入金消し込み・督促まで自動化したいなら請求・債権管理型が選択肢に入ります。いずれも定額または定額+従量が中心で、具体的な料金は上の目安表と各社の資料で確認してください。
この規模では、請求書の枚数だけでなく入金確認や督促にかかる工数も無視できません。料金の安さだけでなく、どこまでの業務を自動化できるかを含めて比較すると、総コストで見たときの判断を誤りにくくなります。
導入でよくある失敗と回避策(中小企業で押さえたい注意点)
最後に、中小企業が請求書作成ツールを導入するときに起きがちな失敗と、その回避策を整理します。契約前に押さえておくと、導入後の後悔を避けられます。
無料・低価格だけで選び、枚数が増えて割高になる
目先の無料プランや最安料金だけで選ぶと、発行枚数が増えたときに従量課金が積み上がり、かえって割高になることがあります。導入時だけでなく、1年後に想定される発行枚数での料金で比べておくと、乗り換えの手間を避けられます。
発行機能だけで選び、入金管理で手作業が残る
発行機能だけで選ぶと、入金の消し込みや督促がExcelや手作業のまま残り、請求漏れ・入金確認漏れが起きやすくなります。いまの課題が発行でも、近い将来に入金管理まで広げる見込みがあるなら、拡張できる製品を選んでおくと安心です。
会計ソフトとの連携を確認せず、二重入力が残る
会計ソフトとの連携を確認せずに導入すると、請求データを会計へ手入力で転記する作業が残ります。使っている会計ソフトと連携できるか、どのデータが自動で引き継がれるかを、契約前に確認しておきましょう。
取引先データの移行や定着を見込まず、運用が止まる
取引先や明細の初期登録を見込まずに導入すると、移行作業が負担になり運用が定着しないことがあります。無料プランやトライアルで取引先データの移行のしやすさを試し、担当者が無理なく使えるかを確かめてから本格導入すると、つまずきにくくなります。
まとめ
中小企業向けの請求書作成ツールは、発行枚数と料金体系、業務範囲、会計ソフト連携、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応で選ぶのが基本です。まずは自社の月あたりの発行枚数と、発行だけで足りるか入金管理まで必要かを整理すると、3つのタイプのどれに近いかが見えてきます。
候補を2〜3本に絞ったら、無料プランやトライアルで実際の操作感を確かめ、資料で料金や機能の詳細を比べて決めるのが確実です。各サービスの資料は、以下からまとめて請求できます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 中小企業向け請求書作成ツールとは何ですか?
A. 中小企業向け請求書作成ツールとは、請求書の作成から発行・電子送付・郵送、控えの保存までをクラウド上で行えるサービスです。取引先や明細を登録しておけば、毎月の請求書をテンプレートから数クリックで作成でき、製品によっては入金の消し込みや販売管理まで対応します。大企業向けの多機能な基幹システムより導入しやすく、数名規模の経理でも無理なく運用できる料金・機能に絞ったものを指します。
Q. 中小企業向け請求書作成ツールは無料で使えますか?
A. 中小企業向け請求書作成ツールは、無料プランや永続無料で使える製品が多くあります。ただし、無料で使える発行枚数やユーザー数・取引先数に上限が設けられているのが一般的で、上限は製品によって異なります。製品ごとの無料枠は比較表の「無料プラン」列で確認できます。
枚数が上限を超えたら有料プランへ移る前提で、まずは無料で操作感を試すのが無駄のない進め方です。
Q. 中小企業向け請求書作成ツールは会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)と連携できますか?
A. 中小企業向け請求書作成ツールの多くは、freee・マネーフォワード・弥生などの会計ソフトと連携できます。会計ソフトと同一ブランドの請求書ツールや、データ連携に対応した製品を選ぶと、請求データを会計へそのまま引き継げます。どの製品がどの会計ソフトと連携できるかは、比較表の「会計ソフト連携」列で確認できます。
すでに使っている会計ソフトが決まっているなら、同じブランドの請求書ツールか、そのソフトと連携できる製品を選ぶと、請求データを会計へそのまま引き継げて二重入力を防げます。
Q. 中小企業向け請求書作成ツールはインボイス制度・電子帳簿保存法に対応していますか?
A. 多くがインボイス制度に対応していますが、電子帳簿保存法のスキャナ保存など一部の要件は製品によって対応範囲が異なります。電子取引データの保存には対応していても紙のスキャナ保存には対応しない製品や、公式に明記がなく要確認の製品もあります(詳細は比較表の「インボイス/電帳法対応」列を参照)。
自社の運用で必要な保存方法(電子取引データの保存か、紙のスキャナ保存か)を見極めたうえで、各社の公式情報で対応範囲を確認すると、導入後に要件を満たせない事態を避けられます。
Q. 中小企業に最適な請求書作成ツールの選び方を教えてください。
A. 中小企業に最適な請求書作成ツールは企業によって異なり、自社の月あたりの発行枚数・必要な業務範囲・使っている会計ソフトの3点から絞り込むのが近道です。発行枚数が少なく小さく始めたいなら無料・従量制のツール、発行作業を定額で効率化したいなら発行特化型、入金の消し込みや販売管理まで一元化したいなら一気通貫型が向きます。
万能な1本を探すよりも、自社が優先する軸を決めてから候補を2〜3本に絞り、無料プランや資料で比べるのが確実です。
Q. 中小企業向け請求書作成ツールはスマートフォンからも使えますか?
A. 中小企業向け請求書作成ツールがスマートフォンに対応しているかは、製品によって異なります。モバイルアプリを備え外出先から発行できる製品がある一方、PCからの利用を前提とし、スマートフォンのブラウザやアプリに対応していない製品もあります。
外出先での発行や確認が多いなら、モバイル対応の有無を事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
Q. 請求書作成ツールの導入から利用開始までどのくらいかかりますか?
A. クラウド型の請求書作成ツールは、初期費用0円で申し込み後すぐに使い始められる製品が多く、無料プランやトライアルならその日のうちに試せます。一方で、実際の運用に乗せるには取引先や明細データの初期登録、会計ソフトとの連携設定が必要になるため、その作業時間も見込んでおくとスムーズです。本格導入の前に無料プランでデータ移行のしやすさを試しておくと、導入後に定着でつまずきにくくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















