原価管理を担う業務システムの導入を検討するとき、機能や費用の一覧だけでは「自社の現場で本当に使えるのか」「導入後に定着するのか」までは読み取れません。だからこそ、実際に使っている企業の口コミ・評判を手がかりにしたい、という方は多いはずです。
ただ、口コミ・評判は製品ごとに情報源や投稿件数がばらつき、点数だけを見ても自社に合うかどうかの判断にはつながりにくいところがあります。さらに建設・工事、製造、受託開発のような案件型など、事業タイプによって必要な原価管理の形も変わります。
本記事では、原価管理を担う主要37製品を事業タイプ別に整理し、機能範囲・費用を比較できるように整理したうえで、口コミ・評判を「使い勝手・現場への定着・サポート・自社の事業タイプへの合い方」という軸でどう読めば製品選びに活かせるかをまとめました。製品を具体的に絞り込み、資料請求の判断材料にするためにご活用ください。
取り上げるのは、建設・工事業向け、製造業向け、プロジェクト案件型、全社の基幹業務と一体で原価を扱う汎用タイプまで、事業タイプを横断して原価管理に使える製品です。自社がどのタイプに当てはまるかを起点に読み進められる構成にしています。
また、自社の事業タイプや重視する機能に合わせて候補を最短で見つけられるよう、「原価管理システムの選定診断ツール」もご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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原価管理を担う業務システムとは(口コミで選ぶ前に押さえる機能範囲)
原価管理を担う業務システム(原価管理システム)とは、製品や工事、案件ごとにかかった原価を集計・記録し、あらかじめ定めた予算や目標と比べて差異を把握し、採算を見える化するためのITツールです。材料費・労務費・外注費・経費といった原価を手作業やExcelで積み上げる方法に代えて、この一連の流れを継続的に回せるようにします。
会計の基準では、原価管理は、原価の標準を定め、実際の発生額を計算・記録し、標準と比べて差異の原因を分析し、原価を下げる手を打つ、という一連の営みと位置づけられています(原価計算基準、企業会計審議会, 昭和37年)。原価計算が財務諸表の作成だけでなく、損益の見える化や赤字案件の早期発見といった経営判断に役立つものとされているのも同じ基準の考え方です。
原価管理システムは、この循環を日々の業務のなかで支える道具といえます。
Excelや手作業では、締め処理が終わるまで製品別・案件別の採算が分からず、赤字が確定してから気づくことが起こりがちです。現場からの入力と会計がつながれば、進行中の案件でも原価の積み上がりをリアルタイムに近い形で把握でき、手を打つ余地が広がります。
対応する機能範囲(原価計算・配賦・予実・発注仕入・会計連携)
原価管理システムと呼ばれる製品でも、カバーする機能の範囲は製品ごとに異なります。口コミや比較表を読むときは、次の機能範囲のうち自社に必要なものをどこまで備えているかという視点を持つと、評価のばらつきを読み解きやすくなります。
- 原価計算:製品・工事・案件ごとに材料費・労務費・外注費・経費を集計する機能です。実際にかかった実際原価と、あらかじめ定めた目標としての標準原価があり、両者の差異を分析するのが原価管理の中心になります。
- 配賦:特定の製品や案件に直接ひもづかない共通費(間接費)を、一定の基準に応じて各製品・案件へ割り振る機能です。配賦の基準や段数をどこまで細かく設定できるかは製品差が大きい部分です。
- 予実管理:予算(または実行予算)と実績の原価を突き合わせ、差異を把握する機能です。着地見込みを早く掴めるかどうかに関わります。
- 発注・仕入管理:外注や仕入の発注から支払いまでを原価に取り込む機能です。外注費が原価の大半を占める事業では重要になります。
- 会計・他システム連携:会計ソフトや基幹システム、工事管理・工数管理システムと原価データを連携する機能です。二重入力を避け、締め作業を軽くします。
これらをすべて1つの製品で備えるとは限りません。原価計算に特化した製品、基幹業務の一部として原価を扱うERP、工数管理を起点に案件別の人件費原価を扱う製品など、成り立ちによって得意な範囲が分かれます。
口コミだけでなく、対応する原価計算の方式(実際原価か標準原価か)や原価差異をどこまで分解できるか、配賦基準を自社の実態に合わせられるかといった機能面から候補を絞り込みたい場合は、以下の記事がこの3つの軸で製品を整理しています。
原価管理システム比較24選|原価計算の方式・差異分析・配賦で選ぶ
製品別・工事別・案件別の利益が、締めが終わるまで分からない。Excelの原価集計が担当者ひとりに集中していて、転記のたびに数字が合わなくなる。原価管理システムの検討は、たいていこうした行き詰まりから始まります。 ところが製品を並べてみると、…
口コミ・評判の見方と、複数製品を横断して読み解くポイント
ここからは、原価管理システムの口コミ・評判をどう読めば製品選びに活かせるかを整理します。口コミは便利な手がかりですが、点数や件数をそのまま受け取るだけでは、自社に合うかどうかの判断にはつながりにくいためです。
口コミで見るべき4つの観点(使い勝手・現場定着・サポート・事業タイプ適合)
原価管理システムの口コミは、評価そのものより「どの場面について語られているか」を読むと役立ちます。製品選びに効くのは、次の4つの観点です。

- 使い勝手:入力や設定の手間、画面の分かりやすさに関する声です。原価管理は入力項目が多くなりがちで、「操作に慣れるまで時間がかかった」といった指摘は導入計画に直結します。
- 現場への定着:経理部門だけでなく、日報や発注を入力する現場が使い続けられているかに関する声です。原価データの精度は現場入力の継続性に左右されるため、重要な観点です。
- サポート:導入時の初期設定支援や、運用開始後の問い合わせ対応に関する声です。原価計算のルール設定は専門性が高く、サポートの手厚さが定着を左右します。
- 事業タイプへの合い方:建設・工事、製造、案件型など、自社と近い事業の企業がどう評価しているかという声です。業種が違うと必要な原価の形も変わるため、自社に近い立場の口コミほど参考になります。
口コミを鵜呑みにしないための注意(出所・件数の偏り・投稿者の属性)
口コミを製品選びに使うときは、情報の出所と偏りに注意が必要です。製品を1つだけ取り上げた評判記事には、その製品の提供元や、同じ分野で競合する別製品の提供元が運営しているものがあり、評価の中立性に差があります。
レビューサイトの点数も、製品ごとに投稿件数が大きく偏っていることがあります。件数が少ない製品の平均点は、たまたま高く(または低く)出ているだけの場合があり、件数の多い製品と単純に比べられません。投稿者の業種・企業規模・役職が自社と近いかどうかも、あわせて確認したいところです。
口コミ・評判は、気になる製品を見つけるための出発点として使うのが現実的です。レビュー比較サイトや各社が公表する導入事例で評価を確かめたうえで、最終的には資料請求やデモで自社の業務に当てはめて判断すると、点数だけでは見えない定着のしやすさまで見極められます。
事業タイプ別の選び方と口コミで確かめたい選定ポイント
ここからは、自社に合う原価管理システムを選ぶための具体的な観点を解説します。まず自社の事業タイプを見極め、そのうえで機能範囲・費用・連携・サポートを比べ、口コミで実務上の落とし穴を確かめる、という順で進めると迷いにくくなります。
まず自社の事業タイプを見極める(建設・工事/製造/案件型/全社汎用)
原価管理システムは、事業タイプによって求められる原価の集計の仕方が異なります。自社がどのタイプに当てはまるかを先に決めると、候補を大きく絞り込めます。

- 建設・工事業:工事ごとに実行予算を組み、材料費・労務費・外注費・経費を工事原価として積み上げる形です。建設業は会計上も、完成工事原価報告書という様式で工事原価を区分して報告する制度があり(建設業法施行規則)、工事台帳や出面(労務)管理に対応した製品が向きます。
- 製造業:製品や工程、ロット単位で製造原価を集計し、標準原価と実際原価の差異を分析する形です。配賦の細かさや、生産管理との連携が選定の軸になります。
- プロジェクト・案件型:受託開発やコンサルティングなど、案件ごとに工数・外注・仕入を原価として積み上げ、案件別の収支を見る形です。会計上は、指図書(案件)単位で原価を集計する個別原価計算の考え方にあたります。工数を人件費に換算できるかが鍵になります。
- 全社の基幹業務と一体で扱う汎用タイプ:会計・販売・購買・在庫と一気通貫で原価を扱いたい場合に向く形です。ERPや販売管理システムの一機能として原価を管理します。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:建設業法施行規則|e-Gov法令検索
複数の性格を併せ持つ事業もあります。その場合は、原価の大半を占める費目(外注費か、材料費か、人件費か)がどこにあるかを基準にすると、近いタイプを選びやすくなります。
機能範囲・費用・会計/工事管理連携・サポートで比較する
事業タイプで候補を絞ったら、次の観点で製品を見比べると選びやすくなります。いずれも口コミだけでは分かりにくく、公式資料やデモで確かめる価値がある項目です。
- 機能範囲が自社の原価計算に足りるか:配賦の段数や基準、標準原価との差異分析など、自社が必要とする計算に対応しているかを確認しておくことが大切です。案件別の収支は見られても、製造原価の配賦までは対応しない製品もあるためです。
- 費用が自社規模に合うか:クラウド型は月額制、オンプレミス型や大規模ERPは初期費用が大きくなる傾向があります。利用人数やオプションで月額が増える製品もあり、数年単位の総額で見ることが大切です。
- 会計・工事管理・工数管理と連携できるか:既存の会計ソフトや、建設業なら工事管理、案件型なら工数管理と連携できると、二重入力を避けられます。連携の範囲は製品差が大きいため、自社の既存システム名を挙げて確認するとよいでしょう。
- 導入・運用のサポートが受けられるか:原価計算のルール設定は初期の負担が大きいため、初期設定支援や運用後の問い合わせ対応があるかも確かめておくと安心です。口コミでもサポートの評価は分かれやすい項目です。
現場入力の精度・外注費や協力会社費の集計を口コミで確かめる
原価管理システムは、導入しても現場が入力を続けられなければ原価データが埋まらず、採算が見えません。カタログスペックには表れにくいこの定着の問題こそ、口コミで確かめる価値があります。
特に、日報やスマートフォンからの入力のしやすさや、外注費・協力会社費をどこまで手間なく原価に取り込めるかは、自社と近い事業・規模の企業の口コミを拾うと導入後の姿を具体的に描けます。運用面で起こりやすい落とし穴は、後述の「メリットと導入・運用の注意点」でまとめて整理します。
自社に合う原価管理システムを診断する
事業タイプ・企業規模・重視する機能を選ぶと、条件に近い原価管理システムを提案します。候補を絞り込む出発点としてご利用ください。
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【比較表】原価管理システムを事業タイプ別に比較(機能範囲・費用・提供形態・連携)
ここからは、原価管理を担う主要な製品を事業タイプ別に比較します。対応する原価の範囲・原価計算や配賦・予実・発注仕入・提供形態・費用目安・会計や基幹システムとの連携を横並びで示します。自社の事業タイプの表から、候補を絞り込んでください。
建設・工事業の工事原価を管理するタイプの比較
| サービス名 | ANDPAD(アンドパッド) | どっと原価シリーズ | KAKUSA(カクサ) | サクミル(Sakumiru) | アイピア(Aippear) | レッツ原価管理Go2クラウド | PROCES.S(プロセス) | e2-movE(イー・ツゥー・ムーヴ) | 要〜KANAME〜(かなめ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対応原価 | 工事別の原価・粗利 | 工事別の原価・利益 | 工事番号単位の原価・収支 | 工事別の原価・利益 | 工事別の原価・粗利 | 工事別の原価(出面労務費含む) | 工事番号・現場別の原価 | 工事別の原価・出来高 | 工事別(顧客別・工種別も集計) |
| 原価計算・配賦 | ● | ●見積6階層・工事別に集計 | ●日報の出面から労務費を自動計算 | ●日報から原価を自動集計 | ●契約〜最終の粗利推移をリアルタイム把握 | ●一度の入力で原価へ自動反映 | ◎完成・未成工事を自動判別、積算から実行予算 | ●共通原価配賦に対応 | ●日報から労務費(人工代)を自動計算 |
| 予実管理 | ●実行予算〜粗利を可視化 | ●実行予算に対応 | ●予算・原価を工事番号単位で管理 | ●実行予算/原価を管理 | ●予算時の粗利も確認 | ●実行予算に対応 | ●積算から実行予算を作成 | ●予算実績対比表を出力 | △工事進行中に予算・原価・利益を確認(『実行予算』の語は公式になし) |
| 発注・仕入管理 | ●引合粗利管理で受発注・請求支払まで一貫管理 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ●注文書作成に対応 |
| 提供形態 | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | オンプレミス(Windowsパッケージ) |
| 費用目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 初期50,000円〜/月額5,000円〜(税別) | 初期0円/月額9,800円〜(税別、20アカウント込) | 初期120,000円〜/月額10,000円〜(税抜、5ユーザー) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 会計・基幹連携 | △会計ソフト連携あり(連携先は公式未記載) | ●会計ソフトと双方向で仕訳連携 | △記載なし | △記載なし | △記載なし | ●勘定奉行・弥生・PCA等と仕訳連携 | ●財務会計モジュールを内蔵(統合ERP) | ●建設会計モジュールを内蔵(統合ERP) | △記載なし |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
◎=高度に対応/●=対応/△=一部・限定的に対応または公式に記載なし/×=非対応。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安で、非公開のものは「要お問い合わせ」と記載しています。最新の内容は各社公式サイト・資料でご確認ください。
製造業の製造原価を管理するタイプの比較
| サービス名 | MCFrame XA 原価管理 | スマートF(SmartF) | J-CCOREs | ProSee | ACROSS(アクロス) | A’s Style(エースタイル) | STRAMMIC(ストラミック) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対応原価 | 製品・製造指図書別(総合+個別) | 製品・ロット別 | 製品別(プロセス型、ころがし計算) | 製品別(個別+総合、工程別) | 製番・工程別 | 製番別(個別原価) | 製品別(複数原価種別を並行管理) |
| 原価計算・配賦 | ◎標準・予算・実際・速報の4方式/配賦3方式 | ●生産管理の一機能として集計 | ◎実際・標準・個別に対応、ころがし計算 | ◎個別+総合、工程別積上げ3方式 | ●材料費・外注費・労務費・経費の4要素 | ●製番別個別原価・見積コストシミュレーション | ◎複数原価種別の並行管理・ABC配賦 |
| 予実管理 | ●予算原価方式に対応 | △予実は記載なし | ●採算管理・中期計画向け原価に対応 | ●損益・CF計算書を自動生成 | △予実は記載なし | ●計画・実績に連動 | ●予算原価と実績原価を比較 |
| 発注・仕入管理 | △記載なし(原価管理モジュール単体) | △記載なし | △記載なし | △記載なし | ●発注・請求まで一元化 | ●購買を含むオールインワンERP | ●調達モジュールあり |
| 提供形態 | 要お問い合わせ | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド/オンプレミス(データセンター型も) |
| 費用目安 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ クラウド時はサーバー費別途 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 会計・基幹連携 | ●生産管理と一体、他社生産管理とも連携可 | △記載なし(モジュール構成) | ●会計・生産・販売システムと連携 | ●既存の生産管理にアドオン | △会計連携は公式に記載なし(CAD・設計/調達データとは連携) | ●販売・生産・購買・在庫と一体 | ●他モジュールと統合可 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
◎=高度に対応/●=対応/△=一部・限定的に対応または公式に記載なし/×=非対応。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安で、非公開のものは「要お問い合わせ」と記載しています。最新の内容は各社公式サイト・資料でご確認ください。
プロジェクト・案件型ビジネスの個別原価を管理するタイプの比較
| サービス名 | クラウドERP ZAC | マネーフォワード クラウド個別原価 | プロカン | Reforma PSA | MA-EYES | Lychee Redmine | TimeCrowd | TeamSpirit 工数 | HUE Classic Project Management | SMILE V 2nd Edition Project Director | プロジェクト収支管理Rebo | プロジェクトマネジメントDX Flagxs | LEEAD | Task Relay |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対応原価 | 案件別(外注費・仕入・労務費) | プロジェクト別(労務費・間接費) | 案件別(工数原価・外注費・経費) | 案件別(労務費・共通費) | プロジェクト・製品・ジョブ別 | 案件別(工数→人件費・経費) | 案件別(工数→人件費) | 案件・作業別の工数(原価計算は別製品) | プロジェクト別(予定原価・人件費) | 案件(JOB)別の原価・収支 | 案件別(仕入・外注費が中心) | プロジェクト別(人件費) | プロジェクト別(工数・費用) | 案件別(工数→フルコスト人件費) |
| 原価計算・配賦 | ◎労務費を直課/再配賦、共通費・販管費も配賦 | ◎間接費を多段階配賦(基準を複数設定) | ●工数×労務単価で人件費を原価換算 | ●労務費配賦・共通費配賦 | ●配賦基準を複数設定(工数・人数・売上等) | ●工数単価×時間で人件費を自動算出 | △工数×単価で人件費算出(配賦・会計連携なし) | △原価計算は別製品「プロジェクト原価管理」が担当 | ●予定原価の積上げ・配賦処理(方式は公式未記載) | ●社員別単価×工数で労務費を自動更新(標準原価・配賦は未記載) | △仕入・外注費が中心(工数→人件費・配賦は未記載) | ●要員グレード別単価×工数で人件費換算 | △工数→人件費の振替・配賦ロジックは公式未記載 | ●フルコスト単価で工数を原価換算 |
| 予実管理 | ● | △予実(予算対比)は公式機能ページに記載なし | ●予算・実績・収支をリアルタイム表示 | ●仕掛中でも原価と損益を把握 | ● | ●予算実績・収支予測に対応 | ×案件収支は外部連携が前提 | △予実は別製品が担当 | ●赤字見込みをアラート | ●収支を案件ポータルで確認 | ●売上・原価予算を月単位で予実対比 | ●プロジェクトP/Lで損益を予実比較 | ●計画値と実績値で予実管理 | ●計画工数と実績を比較 |
| 発注・仕入管理 | ●購買・外注費を管理 | △記載なし(工数・費用連携が中心) | ●発注書・外注費に対応 | ●販売・購買管理に対応 | ●人件費・外注費・経費を案件原価へ | △外注費は入力の範囲(発注管理なし) | × | × | ●調達管理(仕入先・取引管理)、発注〜仕入〜支払を一括管理 | ●受注・発注・仕入・支払を一元管理 | ●仕入・外注費を原価化 | △工数管理が中心(発注・仕入は記載なし) | △費用は入力が中心(発注管理は記載なし) | × |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド(SaaS/一括版) | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス | 要お問い合わせ | オンプレミス(パッケージ) | クラウド | クラウド | クラウド(Salesforce上) |
| 費用目安 | 初期100,000円〜/月額は要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 初期150,000円〜/月額30,000円〜(税抜) | 初期0円/月額30,000円〜(税抜) | 要お問い合わせ | 1ユーザー月額1,400円〜(原価機能はプレミアム以上、税別) | 要お問い合わせ | 月額18,000円〜(50ユーザー込、税抜) 初期費用別途 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ(買い切り型) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 基本1ユーザー月額2,000円〜+工数管理1,000円(税抜、別途Salesforce費用) |
| 会計・基幹連携 | ●会計・管理会計まで一元化 | ●MFクラウド会計Plusと連携 | △記載なし | ●会計へ仕訳をファイル連携 | ●勘定奉行クラウドとAPI連携 | △記載なし | △board等と連携(会計連携なし) | △工数実績を原価管理製品へ連携 | ●勤怠・経費・売上を集約 | ●SMILE V会計・勤次郎と連携 | ●勘定奉行・大蔵大臣へ仕訳連携(アドオン版) | △記載なし | △連携はCSVが基本 | △記載なし |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
◎=高度に対応/●=対応/△=一部・限定的に対応または公式に記載なし/×=非対応。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安で、非公開のものは「要お問い合わせ」と記載しています。最新の内容は各社公式サイト・資料でご確認ください。
全社の基幹業務と一体で原価を扱う汎用タイプの比較
| サービス名 | Oracle NetSuite | OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション | Biz∫(ビズインテグラル) | 楽楽販売 | アラジンオフィス | freee販売 | 勘定奉行クラウド[個別原価管理編] |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対応原価 | 在庫品目別+案件別(プロジェクト会計) | 案件別(収支・開発工数・外注支払) | プロジェクト別原価 | 案件別(発注原価・人件費) | 案件×原価商品別(仕掛原価) | 案件別(売上・原価・粗利) | プロジェクト(案件)別の個別原価 |
| 原価計算・配賦 | ●在庫原価(FIFO/LIFO/平均)+案件へ直接費・間接費を配賦(製造原価は公式未記載) | △案件別の収支集計が中心(原価計算細目は公式未確認) | ◎多段階の間接費配賦に対応 | △案件別の粗利・収支が主眼(専用の原価計算・配賦ではない) | ●仕掛原価・日報労務費(配賦基準の細かさは公式未記載) | △案件別の粗利が主眼(人件費は別製品連携、配賦は会計側) | ◎労務費計上・自動配賦・進捗度原価振替 |
| 予実管理 | ●案件予算に配賦 | ●案件ごとの収支をタイムリーに把握 | ●予実管理に対応 | ●収支をリアルタイム集計 | △予算対比は記載なし | ●月次の原価推移レポートで赤字予兆を把握 | ●原価報告書で予算を確認 |
| 発注・仕入管理 | ●購買発注を案件に紐づけ | ●発注購買・外注支払を管理 | ●販売購買モジュールあり | ●発注原価を案件に紐づけ | ●商品仕入・外注仕入を管理 | ●見積〜受注〜仕入を案件単位で | △会計基盤の個別原価管理(発注・仕入は会計側) |
| 提供形態 | クラウド | オンプレミス/プライベートクラウド | オンプレミス/クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス | クラウド | クラウド |
| 費用目安 | 要お問い合わせ(年間ライセンス+初期費用) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 初期200,000円/月額70,000円〜(税抜) | 要お問い合わせ | 初期0円/月額約5,000円〜(年払・税抜、規模で変動) | 月額27,500円〜(初期50,000円) |
| 会計・基幹連携 | ●会計・販売・購買・在庫を単一基盤に統合 | ●OBIC7会計・人事給与と連携 | ●会計・販売購買・人事給与を一基盤で | ●勘定奉行・freee会計・弥生・PCA・MF会計等と連携(CSV/API) | ●販売・在庫・購買と一体 | ●freee会計と自動連携 | ●勘定奉行クラウド(会計)と一体 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
◎=高度に対応/●=対応/△=一部・限定的に対応または公式に記載なし/×=非対応。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安で、非公開のものは「要お問い合わせ」と記載しています。最新の内容は各社公式サイト・資料でご確認ください。
原価管理システムのサービス個別紹介(事業タイプ別)
ここからは、各製品が原価管理のどこを担うのかを事業タイプ別に紹介します。公式情報で確認できる機能範囲・費用を中心に、各社が公表する導入事例や実績は出所とともに示します。自社の事業タイプのグループから読み進めてください。
建設・工事業の工事原価を管理するタイプ
工事ごとに実行予算を組み、材料費・労務費・外注費を工事原価として積み上げる製品です。工事台帳や日報からの入力、協力会社への支払い管理に強みを持つものが中心です。
1. ANDPAD(アンドパッド)(株式会社アンドパッド)

ANDPADは、施工管理から見積・実行予算・原価・請求までを複数の製品群で扱う、建設・建築プロジェクト向けのクラウドサービスです。工事原価は「ANDPAD引合粗利管理」が担い、契約時から実行予算、精算完了までのステータスごとに原価を一元管理します。
着工後の粗利の変動をダッシュボードで可視化し、完工時の粗利率の低下を防ぐ狙いの機能を備えます。建設業マネジメントクラウドサービス市場では、導入企業数8年連続シェア1位(デロイト トーマツ ミック経済研究所「ミックITリポート2025年12月号」)を公表しています。
料金は非公開で、プランによって異なるため個別の見積もりとなります。施工管理と原価・請求を一つの基盤でつなぎたい、幅広い規模の建設事業者に向く選択肢です。
2. どっと原価シリーズ(株式会社建設ドットウェブ)

建設業の工事原価管理に特化したパッケージとして、どっと原価シリーズは25年以上提供されてきました。見積から実行予算、発注、原価集計、支払、会計連動までを工事(案件)単位で一連に扱います。
見積は6階層まで組め、工事別に売上・原価・利益を集計できます。特徴的なのは、財務会計ソフトと仕訳伝票データを双方向で連携できる点で、既存の会計環境を変えずに原価データを渡せます。クラウド版(どっと原価3)とオンプレミス版(NEOシリーズ)を企業規模に応じて選べます。
建設業向け原価管理パッケージ市場で2015〜2023年度の9年連続導入企業数1位(東京商工リサーチ、2025年2月)、導入6,500社という実績があります。料金は公式に非公開で、同時接続人数分のライセンス制のため要お問い合わせです。
3. KAKUSA(カクサ)(アクティブシステム株式会社)

KAKUSAは、従業員5〜30名規模の中小建設工事業者を主な対象としたクラウド型の工事原価管理・工事台帳システムです。見積・工事受注・発注仕入支払・請求入金・予算・原価を工事番号単位でつなぎ、案件ごとの収支を管理します。
日報はスマートフォンから入力でき、現場の出面(勤怠)を自動集計して労務費を計算します。リフォーム・内装・防水・土木・解体など、職種の幅にも対応します。
料金は初期費用50,000円〜・月額5,000円〜(いずれも税別)と小規模から始めやすく、10機能の中から必要な業務範囲を選ぶ仕組みです。デジタル化・AI導入補助金2026の対象ツールにも認定されています。
4. サクミル(Sakumiru)(株式会社プレックス)

追加費用のない単一プランを掲げるのが、建設業・設備工事業向けの現場管理・工事管理クラウド「サクミル」です。案件管理・見積・実行予算/原価・請求・工事台帳・出面・発注仕入を一つのサービスに統合しています。
日報・写真・図面をスマートフォンから入力でき、日報からの原価自動集計で工事ごとの売上・原価・利益を把握できます。想定するのは一人親方から数十名規模の建設・設備工事業者です。
料金は初期費用0円・月額9,800円〜(税別、20アカウント込み)で、2か月の無料トライアルも用意されています。正式利用企業数は2026年3月時点で3,000社を突破したと公表しています。公式の導入事例では、別システムからの移行でランニングコストが約6分の1になった設備工事会社も紹介されています。
5. アイピア(Aippear)(株式会社アイピア)

アイピアは、工務店やリフォーム会社など中小規模の建築事業者に向けたクラウド型の業務管理システムです。顧客管理・積算見積・原価発注・請求入金・工程・工事台帳・集計分析までを1つにまとめています。
見積データが原価管理や工事台帳にそのまま引き継がれ、契約時・予算時・発注時・最終の段階ごとに粗利の推移をリアルタイムに確認できる点が中心的な機能です。積算・見積はExcelに近い操作感で、相見積や写真台帳など建築業向けの機能も備えます。
料金はライトプランで初期費用120,000円・月額10,000円〜(5ユーザーまで、税抜)から始まり、ベーシック・プロフェッショナルと段階があります。導入実績は500社以上、継続率98%と公表しています。
6. レッツ原価管理Go2クラウド(株式会社レッツ)

証憑に近い入力画面と複式簿記を使わない入力方式が、レッツ原価管理Go2クラウドの特徴です。建設業向けに、見積から実行予算・発注・仕入・出面(労務)・支払査定・請求・入金までを工事別に集計します。
一度の入力で工事原価や未払金などの関連資料に自動反映され、二重入力を抑えます。勘定奉行・PCA会計・弥生会計・会計王・大蔵大臣といった他社製会計ソフトやTKC FX2クラウドと仕訳連携でき、既存の会計環境を変えずに原価データを渡せます。
クラウド版とオンプレミス版の両方を用意し、クラウド版は45日間の無料お試しを案内しています。料金は公式では非公開のため、要お問い合わせとなります。
7. PROCES.S(プロセス)(株式会社内田洋行ITソリューションズ)

内田洋行ITソリューションズが提供するPROCES.Sは、建設業向けの統合型ERPです。財務会計・原価・支払・請求回収・JV(共同企業体)管理・給与労務費管理など15のモジュールで構成され、必要なモジュールだけを組み合わせて導入できます。
工事番号・現場単位で原価を積み上げ、積算データを取り込んで実行予算を作成できます。完成振替日と伝票日付を比べて工事の完成・未成を自動判別し、完成工事原価または未成工事支出金の仕入仕訳を自動作成するなど、建設業会計に沿った処理を備えます。
導入は全国370社以上で、完成工事高10億円規模から100億円超の企業まで実績があります。公式の導入事例では、設備工事会社(従業員36名)が原価管理の仕組み化で残業時間を29.7%削減したと紹介されています。クラウド・オンプレミスの両対応で、料金は要お問い合わせです。
8. e2-movE(イー・ツゥー・ムーヴ)(三谷商事株式会社)

建設資材商社の三谷商事が自社の業界知見をもとに開発したのが、建設・工事・建材販売業向けERPパッケージ「e2-movE」です。工事原価管理・販売管理・建設会計を中心に、複数のモジュールで構成されています。
原価管理を担う「e2-movE 工事管理」は、工事登録(工事台帳)を起点に実行予算・原価・出来高・支払・予定利益を一元管理します。共通原価配賦入力や予算実績対比表を備え、工事原価一覧表・工事原価元帳といった原価帳票も出力できます。
建材販売・卸売業から総合工事業・設備工事業まで幅広い業種を対象に挙げ、導入実績は400社以上と公表しています。クラウド版(e2クラウド)とオンプレミス版を選べ、料金は要お問い合わせです。
9. 要〜KANAME〜(かなめ)(株式会社プラスバイプラス)

電気・水道・空調・設備・塗装といった工事会社に向けた「要〜KANAME〜」は、工事台帳をベースにした原価管理・利益管理ソフトです。見積書・注文書・請求書の作成から原価・入金・日報の管理までを工事単位で一元化します。
日報の入力内容から労務費(人工代)を自動計算し、工事ごとの収支をリアルタイムに把握できます。工事単位だけでなく、顧客別・工種別でも売上や粗利率・営業利益率を集計できる点が利益管理の軸です。現場からの入力には専用のスマートフォンアプリを利用できます。
Windows向けのパッケージ製品で、導入時は専任スタッフが訪問してインストールとサポート環境を整えます。訪問・電話・オンライン・LINEでのサポートを永年無償と案内しています。料金は業務内容に応じた個別見積りのため、要お問い合わせです。
製造業の製造原価を管理するタイプ
製品・工程・ロット単位で製造原価を集計し、標準原価と実際原価の差異分析や配賦に対応する製品です。生産管理と一体で原価を扱うものが多く見られます。
10. MCFrame XA 原価管理(ビジネスエンジニアリング株式会社)

ビジネスエンジニアリング株式会社のERP・SCMパッケージ「MCFrame XA」シリーズの原価管理モジュールで、比較サイトでは「mcframe 原価管理」として掲載されることもあります。MCFrame XA 生産管理との一体導入のほか、他社の生産管理システムと連携させて原価管理だけを単体で導入することもできます。
標準・予算・実際・速報の4つの原価計算方式に対応し、総合原価計算と製造指図書別の個別原価計算の双方を扱えます。間接費の配賦は直接配賦法・相互配賦法・階梯式配賦法の3方式に対応し、作業時間や出来高数などの配賦基準を部門・品群・品目ごとに設定できます。
複数会社・複数拠点を一元管理するグローバル対応やIFRS(国際財務報告基準)対応を備え、グループ規模での原価管理を想定した設計です。製造業250社超への導入実績があり(公式サイト、時点の記載なし)、料金は個別見積もりとなります。
11. スマートF(SmartF)(株式会社ネクスタ)

在庫・工程・原価・品質・設備といった機能をモジュール単位で選んで導入できる、クラウド型の製造業向け生産管理システムです(株式会社ネクスタ提供)。必要なものだけを選んで始められる構成をとっています。
原価管理は生産管理の一機能として組み込まれ、製品・ロット別に原価を集計します。在庫管理など1つの機能から始めて、後から原価や工程の管理へ段階的に広げられるスモールスタートに対応する点が特徴です。
対応業種として食品・化粧品・医薬品・金属加工・自動車部品などの製造業を公式サイトで挙げています。料金は要お問い合わせです。
12. J-CCOREs(JFEシステムズ株式会社)

鉄鋼業向けに培った原価計算のノウハウを基盤とする原価管理・採算管理パッケージです(JFEシステムズ株式会社)。連続生産や多品種少量生産といったプロセス型製造業への適合を強みに掲げています。
実際原価・標準原価・個別原価など複数の原価計算制度に対応し、プロセス型・組立型の両方で使える「ころがし計算」で原価を積み上げます。生産管理・会計・販売システムの種類を問わず連携できる構成のため、既存システムを大きく変えずに原価計算の基盤を導入できます。
提供形態はオンプレミスとクラウド(Microsoft Azure)から選べ、基本機能に絞った「J-CCOREs Basic」や中期経営計画向けの原価計算モジュールも用意されています。約200社の導入実績があり(公式サイト、時点の記載なし)、料金は公開されていません。
13. ProSee(ソートウェア株式会社)

標準機能をマスタ設定で自社の業務に合わせて組み立てる「フレームワーク製品」として位置づけられた、製造業向けの原価計算・管理会計システムです(ソートウェア株式会社)。固定されたパッケージではない点を特徴としています。
個別原価計算と総合原価計算の両方に対応し、実際原価・標準原価の計算と、累加法・原価費目別累加法・非累加法の3方式による工程別の原価積み上げを扱えます。損益やキャッシュフローの計算書を自動生成する管理会計機能も備えます。
対象は年商10億円から1,000億円超まで幅広く、中堅・中小の製造業でも導入しやすいことを開発コンセプトに掲げています。既存の生産管理システムにアドオンする構成で、オンプレミスのほかクラウドでの運用にも対応します。料金は要お問い合わせです。
14. ACROSS(アクロス)(株式会社インプローブ)

機械・電機・電子装置などで個別受注生産や類似品の繰り返し生産を行う工場を主な対象とする、個別受注型の製造業向け原価管理システムです(株式会社インプローブ)。
製番(案件)・工程ごとに原価を把握し、材料費・外注費・労務費・経費の4要素から製品原価を算出・分析します。見積作成から受注後の原価管理、発注・請求までを一元化し、CAD部品データの取り込みや部品発注残の確認で設計・調達データと連携します。
提供形態はオンプレミスとクラウドから選べ、クラウド利用時はサーバー費用が別途かかります。料金は規模に応じた個別見積もりです。
15. A’s Style(エースタイル)(株式会社ケーエムケーワールド)

販売・生産・購買・在庫・原価管理を1つの製品で扱うクラウド型のオールインワンERPパッケージです(株式会社ケーエムケーワールド)。中小・中堅の製造業のバックオフィス業務を一元管理します。
原価管理では、見積時のコストシミュレーションと、計画・実績に連動した製番別の個別原価管理に対応します。量産から受注設計生産、個別受注生産、見込・受注の混在型まで幅広い生産形態に対応する点を公式に掲げています。
業務機能やパーツを組み合わせて各社向けに構成するセミオーダー型の開発を特徴とし、タブレット・バーコードやAI-OCRなど現場のデジタル化機能も備えます。料金は構成により変わるため、個別見積もりとなります。
16. STRAMMIC(ストラミック)(株式会社アミック)

販売物流・生産・調達・原価管理の4モジュールで構成される製造業向けERPパッケージで、原価管理モジュール「STRA CA」は単体でも他モジュールと統合しても導入できます(株式会社アミック)。
原価管理では、複数の原価種別を定義して並行管理・比較でき、ABC(活動基準原価計算)にもとづき各種の配賦基準をコストドライバーとして設定できます。予算原価と実績原価のシミュレーション・比較にも対応します。
食品・医薬品・化学品などのバッチ・プロセス型製造と、加工組立型(ディスクリート)製造の両方を対象に掲げています。提供形態はクラウド・オンプレミス・データセンター型から選べ、料金は要お問い合わせです。
プロジェクト・案件型ビジネスの個別原価を管理するタイプ
受託開発やコンサルティングなど、案件単位で工数・外注・仕入を原価として積み上げ、案件別の収支を可視化する製品です。工数を人件費原価に換算する仕組みを備えるものが中心です。
案件ごとの収支や、工数から人件費原価を作る仕組み、販売管理・会計との連携範囲までを掘り下げて比べたい場合は、プロジェクト収支に軸を置いた以下の比較記事もあわせてご覧ください。
17. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

東証プライム市場に上場する株式会社オロが開発する、IT・広告・コンサルティング・士業など、プロジェクト単位で業務が進む業種向けの統合型クラウドERPです。販売管理から購買・勤怠/工数・経費・管理会計までを一元化します。
個別原価計算では、案件ごとに外注費・仕入・労務費を紐付けて集計します。担当者が入力した工数は案件別の労務費として自動集計され、直接作業は指定案件へ直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。共通費や販売費・一般管理費の配賦にも対応します。
料金はZAC初期設定費用が10万円、月額は機能(モジュール)×ライセンス数の課金で、各モジュール単価は製品資料での開示のため要お問い合わせです。保守費用はデータセンター利用料として月額6万円からかかります。導入実績は1,100社超(公式サイト記載、基準時点の記載なし)です。
18. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

IPO準備中の企業や中堅〜上場企業のプロジェクト型ビジネスを対象に、株式会社マネーフォワードが提供する個別原価管理システムです。工数入力から費用データ連携、間接費の配賦、原価の可視化までを一連で扱います。
労務費は勘定科目ごとに従業員別の単価を設定して算出し、間接費は部門・プロジェクトへ多段階で配賦します。配賦基準はプロジェクト工数比率・部門の従業員数比率・売上予算比率・面積比率のほか、任意のカスタム基準を作成できます。
勤怠・工数管理システム4種と連携して実労働時間を工数入力に反映できるほか、マネーフォワード クラウド会計Plusと費用データ・資産振替仕訳で連携します。初期費用・月額費用はいずれも公式で非公開で、利用人数や契約内容により変わるため要お問い合わせです。
19. プロカン(株式会社PROCAN)

案件単位で進行する受託型ビジネス向けに、株式会社PROCANが提供するクラウド型のプロジェクト収支管理システムです。IT・システム開発向けの「プロカンIT」、制作・広告向けの「プロカン制作」、建設・工事向けの「プロカン建設工事」の3ラインナップを展開しています。
案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化します。社内人員の工数を「工数×労務単価」で原価に換算し、外注費などの社外コストと合わせて案件ごとの粗利を見える化する設計です(労務単価の設定方法は公式に明記なし)。
見積書・請求書・発注書などの帳票作成からデジタル稟議・承認までを1つの入力データで処理できます。料金は初期費用150,000円(税込165,000円)から、月額30,000円(税込33,000円)からで、利用人数(ID数)に応じて変動します。
20. Reforma PSA(株式会社オロ)

同じ株式会社オロが、ZACの機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化したクラウドERPです。IT・広告・イベント・コンサルティングなど、案件単位で業務が進む業種を対象としています。
従業員が作業内容ごとに入力した工数をもとに労務費配賦・共通費配賦を行い、案件別の原価と損益を仕掛中でも把握できます。公式のZAC比較では対象の目安を50名以下、導入期間を1〜2か月程度としており、ZACより短期間での導入を見込む位置づけです。
料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からで、販売管理・購買管理・勤怠管理・経費管理などの機能別ライセンスを人数分組み合わせて決まります。会計システムへは固定フォーマットのファイル連携で仕訳データを出力できます。
21. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

株式会社ビーブレイクシステムズのクラウド型ERPで、工数登録を起点に人件費・外注費・経費を案件原価へ反映します。システム開発・SES・受託開発・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネス向けの「V ver.」と、広告業界特化の「A ver.」の2ラインナップがあります。
労務費は、メンバーのマスタに設定した基準時間の単価と実際の作業時間を掛けて算出します。原価の把握単位は標準のプロジェクトのほか、製品・ジョブなど部門より細かい単位にも対応します。配賦基準は工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数といった情報も設定できます。
提供形態はSaaS版・SaaS+版・一括版の3種類で、一括版は100名以上が目安です。料金はいずれも公式で非公開のため要お問い合わせですが、公式トップに30日間の無料トライアルがあります。勘定奉行クラウドとのAPI連携で、仕訳データの手入力を削減できます。
22. Lychee Redmine(株式会社アジャイルウェア)

オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」をベースに、ガントチャートやカンバンなどのUIを拡張した、株式会社アジャイルウェアの有償ツールです。クラウド版とオンプレミス版の両方を用意しています。
案件の工数・原価管理は、プレミアムプラン以上のコストマネジメント機能で担います。コストグループ別の工数単価を設定して単価×作業時間で人件費を自動算出し、交通費や外注費などの経費も入力して収支予測まで可視化します。立替経費の申請・承認ワークフローは公式に記載がなく、経費は入力の範囲です。
料金は1ユーザー月額制で、工数・原価・EVMなどの機能はプレミアムプラン(1,400円、税別)以上で使えます(フリー0円・スタンダード900円は基本機能のみ)。購入は10ユーザー単位で、別途クラウド利用料が月額5,000円からかかります。全有料プランで30日間の無料トライアルを利用できます。
23. TimeCrowd(タイムクラウド株式会社)

タイムクラウド株式会社の時間管理ツールで、作業時間を打刻で記録し、誰が何にどれだけ時間を使ったかを可視化します。案件・カテゴリ単位でメンバーの時間単価を設定し、稼働時間×単価で人件費を自動計算します。
単価はワークスペース単価とチーム単価の2階層で設定でき、将来の昇給を見越した未来日付での改定予約にも対応します。ただし売上と原価を突き合わせた案件収支・粗利の表示は、boardなど外部の請求・案件管理システムと連携して実現する構成で、工数から人件費の採算把握が中心です。会計連携や間接費配賦のような原価計算機能は持ちません。
料金は公式サイトで非公開のため要お問い合わせです。導入実績は5,500社・61,000ID(公式サイト表示)で、ISMS認証(ISO/IEC 27001)をタイムクラウド株式会社が取得しています。無料トライアルも用意されています。
24. TeamSpirit 工数(株式会社チームスピリット)

株式会社チームスピリットが提供する、Salesforce Platform上のバックオフィスSaaSの単機能プランです。案件・作業単位の工数入力・記録・集計を担います。
案件別の原価計算や予実管理は、別製品の「TeamSpirit プロジェクト原価管理」が担います。チムスピ工数で集計した工数実績を同製品へ連携し、メンバーごとに設定した標準単価を掛けて原価を計算するため、収支を見るには両製品の組み合わせ導入が前提になります。
料金は工数単体で月額18,000円(税抜)からで、50ユーザー分のライセンスを含み、50名以下でも同額です。初期費用は別途発生し、要お問い合わせです。勤怠とセットの「チムスピMix」など、必要な機能から段階的に導入できる料金体系です。
25. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

株式会社ワークスアプリケーションズが提供する、案件ごとの採算を可視化し原価計上まで統合するプロジェクト収支管理システムです。SI・工事・コンサルティング・研究開発など、プロジェクト型の業種・業態を対象としています。
必要工程と配属人員を積み上げて予定原価を作成し、月次決算時には勤怠・経費・売上の情報を集約して人件費算出や配賦処理を行います。予算と実績を月次・勘定科目別に対比し、設定した基準値で赤字見込みの案件をアラートで知らせます。配賦の基準や方式、工数から原価への換算方式は公式に明示されていません。
提供形態はパッケージ製品で、AWSやOCIなどのクラウド基盤上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」も用意されています。料金は初期費用・月額とも公式で非公開のため要お問い合わせで、本製品単体の導入社数も公開されていません。導入事例にはTDK株式会社や株式会社NSDが挙がっています。
26. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

大塚商会の完全子会社である株式会社OSKが開発し、株式会社大塚商会が販売する、サービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。案件単位で、見込み発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを一元管理します。
案件ポータルで業務フロー・進捗・収支を一画面で確認でき、収支管理帳票はプロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で出力できます。工数はWeb画面で入力し、社員別に設定した単価を掛けてJOBごとの労務費を自動更新します。標準原価計算や間接費の配賦への対応は公式に記載がありません。
勤怠管理「Universal 勤次郎」や会計「SMILE V 2nd Edition 会計」、ワークフローとの連携先が公式に示されています。料金は公式に料金表がなく要お問い合わせで、問い合わせ窓口は大塚商会のコンタクトセンター(受付9:00〜17:30、土日祝を除く)です。
27. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

株式会社ディータイドが提供する、広告制作・TV番組制作・ソフトウェア開発など企画・制作業向けのプロジェクト収支管理パッケージソフトです。案件ごとに売上と原価(仕入・外注費など)を紐付け、予算と実績を対比します。
受注金額に対する原価金額・利益額・利益率を「案件収支管理表」で把握し、売上予算・原価予算を月単位で登録して予実対比を行います。工数実績から人件費(労務費)を自動で原価化する機能や、間接費の配賦・標準原価計算は公式に記載がありません。原価は仕入・外注費が中心です。
提供形態はクライアントサーバ型のパッケージで、クラウドSaaSではありません。料金は買い切り型で本体価格は非公開のため要お問い合わせで、別途パッケージ価格の10%にあたる年間サポート(加入必須)がかかります。勘定奉行・大蔵大臣向けには、仕訳を自動作成するアドオン版があります。
28. プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス株式会社)

WBS(作業分解構成図)を成果物・工程・タスクの3階層で標準化し、タスクと工数データを一元管理する、フラッグス株式会社のクラウド型プロジェクトマネジメントDXプラットフォームです。計画立案から進捗管理、レポート作成までを一つの流れで扱います。
2024年10月に追加されたプロジェクト損益管理(プロジェクトP/L)で、進行中の案件単体の損益を予実比較できます。人件費は要員グレード別に単価を設定し、工数実績から自動で金額換算されます。複数プロジェクトを横断したリソースアサイン管理で、掛け持ちメンバーの過剰な割り当ても特定できます。
料金は公式での確定情報が得られないため要お問い合わせですが、無料トライアルが用意されています。ISO/IEC 27001(ISMS)とISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ認証)を、フラッグス株式会社が取得しています。
29. LEEAD(株式会社ETVOX)

株式会社ETVOXが提供する、プロジェクト会計に機能を絞ったクラウドサービスです。プロジェクトごとに売上・工数・費用の計画値と実績値を登録し、予実(予算対実績)を管理します。クリエイティブ・広告/企画業、士業・コンサルティング業、IT・システム業を対象としています。
部署横断・顧客別・独自グループ別のセグメント分析で、事業全体を見ながら個別案件の収益性を判断できます。2025年10月には日単位で実績工数を入力する「LEEAD工数管理」を追加し、入力データをLEEAD本体へ自動連携する構成に広げました。工数から人件費への原価振替・配賦の具体的なロジックや会計システムとの直接連携は公式に明記されておらず、データ連携はCSVが基本です。
料金は公式で非公開のため要お問い合わせで、企業の状況に応じたプラン制としています。利用開始後30日間の無料トライアルがあり、最短即日での導入に対応します。累計登録ユーザー数は1,200件、累計登録プロジェクト数は3,500件(いずれも2025年11月時点・自社調べ)です。
30. Task Relay(株式会社クリエイターズマッチ)

Salesforce上で完結する、株式会社クリエイターズマッチのプロジェクト・工数管理アプリです。利用にはSalesforceのライセンスが別途必要です。タスク(WBS)・工数・リソースを一体で管理します。
記録した工数を社員ごとのフルコスト単価(給与・社会保険料・賞与引当・間接費を含む)で原価に換算し、進行中に案件の採算を把握する運用を掲げています。フェーズ別に計画工数と実績工数を比較し、差異や消化率を表示します。原価機能の詳細は提供元のブログ記事の説明が主で、製品機能ページでの裏取りは限定的です。
料金は基本ライセンスが1ユーザー月額2,000円(税抜、最低20ユーザー)、工数管理オプションが1ユーザー月額1,000円で、初期費用・サポート費用は別途かかります。Salesforceのネイティブアプリのため、別途Salesforceのライセンス費用も必要です。会計システムとの連携は、製品トップページには記載がありません。
全社の基幹業務と一体で原価を扱う汎用タイプ
会計・販売・購買・在庫と一気通貫で原価を扱う製品です。ERPや販売管理システムの一機能として原価管理を担い、業種を問わず導入できるものが中心です。
このタイプを検討するときは、原価管理のためにERPまで必要なのか、会計ソフトや管理会計に特化したシステムと何がどう違うのかが判断の分かれ目になります。3者の違いと費用・期間の目安は以下の記事で整理しています。
31. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

日本オラクル株式会社が提供するクラウドERPです。原開発元の米NetSuite Inc.を2016年に米Oracleが買収し、現在は同社のクラウド基盤上で提供されています。会計・販売・購買・在庫・CRMを単一のプラットフォームに統合し、公式サイトでは200か国以上で利用され、27以上の言語と190以上の通貨に対応すると説明されています(2026年10月時点)。
原価は、在庫品目にFIFO・LIFO・平均原価法などの原価計算方法を設定でき、購買発注を案件に紐づけて直接費・間接費を案件予算に配賦するプロジェクト会計を備えます。一方、製造原価計算や部品表(BOM)に基づく製造原価の仕組みは公式サイトに明記がなく、対応範囲は個別の確認が必要です。
料金は年間ライセンス(基本プラットフォーム・オプションモジュール・ユーザー数で構成)と初期費用が基本で、金額は公開されておらず個別見積もりとなります。海外拠点を含むグループ経営や基幹システムとの一体運用を想定した構成で、中堅〜大企業や海外展開企業に向きます。
会計・販売・在庫といった業務データを一つの基盤にまとめ、数字をリアルタイムに把握できるようにする設計の背景について、開発元はインタビューで次のように述べています。
会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。
32. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

株式会社オービックの統合業務ソフトウェア「OBIC7」を構成するソリューションの一つで、IT関連業・コンサルティング業・設備工事業・広告関連業など、案件単位で収益を管理する業種に向けたモジュールです。会計・人事給与・販売・生産などのソリューションから必要な部門を組み合わせるコンポーネント型ERPの一部として提供されます。
引合いの段階から受注・売上・開発工数・発注購買・外注支払・旅費経費まで、プロジェクトの全プロセスを案件ごとに一元管理し、案件ごとの進捗状況や収支をタイムリーに把握できます。OBIC7の会計情報ソリューション・人事給与情報ソリューションとシームレスに連携する点も、同一基盤でそろえる場合の利点です。
提供元のオービックは、ITRの調査(2024年度)でERP市場のベンダー別売上金額シェア1位(16.2%)と公表しています(本ソリューション単体ではなく、同社ベンダー単位の数値です)。導入形態はオンプレミスとプライベートクラウドから選べ、料金は公開されておらず個別見積もりとなります。
33. Biz∫(ビズインテグラル)(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

ワークフロー基盤「intra-mart」を共通基盤に持つ国産のERPパッケージで、株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが会計・販売購買・人事給与を一つの基盤でカバーします。採用社数は2,000社を突破しています(2025年12月時点、公式)。
会計モジュール「Biz∫会計」にプロジェクト原価管理機能を備え、予実管理や多段階の間接費配賦といった管理会計にも対応します。複数支払サイト、手形・電子記録債権、最大7台帳の資産管理など、日本の経理実務に沿った会計機能を持つ点も特徴です。
必要な業務モジュールと利用ユーザー数の組み合わせで購入し、一般会計のみといった最小単位から段階的に導入できます。NTTデータの公式ラインアップでは年商500億円以上の大手企業を主対象とし、サブスクリプション型の「Biz∫Optima」で中堅企業にも間口を広げています。料金は個別見積もりです。
34. 楽楽販売(株式会社ラクス)

見積・受注・売上・請求・入金の一元管理を中核に、売上と原価を案件単位で紐づけた収支管理までを同一システムで扱えるクラウド型の販売管理システムです。株式会社ラクスが提供し、ノンプログラミングでのカスタマイズ性を訴求しています。
原価は案件(プロジェクト)単位が基本で、発注原価や人件費などの複数の原価データを案件に紐づけ、収支をリアルタイムに集計します。品目別に材料費・労務費・経費を積み上げる製造業向けの個別原価計算や、部門別の間接費配賦を専用機能として持つわけではなく、案件単位の粗利・収支管理が主眼です。
初期費用は200,000円(税抜)、月額は70,000円〜(税抜)で、利用人数やデータベース数に応じて変動します。ノンプログラミングで入力フォームやワークフローを構築でき、自社の原価集計軸に合わせた運用を組める点が訴求されています。
35. アラジンオフィス(株式会社アイル)

販売・在庫・購買管理を中核に、業種ごとの商習慣へ合わせた業種特化パッケージを多数そろえた統合型パッケージシステムです。開発・提供元は株式会社アイルで、生産管理・貿易管理・プロジェクト管理などをオプションで追加できる構成を取ります。
原価管理はオプションの「プロジェクト管理」機能が担い、受注に紐づく商品仕入・外注仕入・在庫出庫などを案件×原価商品単位で仕掛原価として管理します。作業日報で社員の案件別作業時間を記録し、時間単価を掛けた金額を労務費として原価に反映できます。一方、配賦基準をどこまで細かく設定できるかは公式に明記がありません。
オンプレミスとクラウド(アラジンクラウド)のどちらでも導入でき、導入実績は6,000社以上とされます(時点の明示なし、公式特徴ページ)。料金は公開されておらず、オプションの追加費用を含めて個別見積もりとなります。
36. freee販売(フリー株式会社)

フリー株式会社が2022年11月に提供を開始したクラウド型の販売管理システムで、見積から受注・売上・請求・入金・原価管理までを案件単位で扱い、同社のクラウド会計ソフト「freee会計」と自動連携する設計を主軸に据えます。
原価は案件(プロジェクト)単位で売上・原価・粗利を可視化し、月次の原価推移レポートで赤字の予兆を早期に把握できます。人件費を原価に含めるには別製品「freee工数管理」との連携が前提で、共通経費の配賦はfreee会計側の費用配賦機能を使う構成です。IT・コンサル・クリエイティブ業など人件費比率の高い案件型ビジネスに向きます。
料金は初期費用0円で、プランは2段階です。個人・小規模法人向けのスタータープラン(3名利用で月額約5,000円、年払・税抜)と、規模拡大期の企業向けのスタンダードプラン(10名利用で月額約40,000円、年払・税抜)が用意されています。freee会計を導入していなくても、抽出データを既存の会計システムに取り込む形で利用できます。
37. 勘定奉行クラウド[個別原価管理編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)
![勘定奉行クラウド[個別原価管理編]の公式サイト](https://i0.wp.com/wpcatalog.cryptobk.jp/wp-content/uploads/2026/09/kanjo-bugyo-cloud-kobetsu-genka-sitecapture.png?resize=1200%2C517&ssl=1)
クラウド会計「勘定奉行クラウド」に、プロジェクト(案件)別の個別原価管理機能を加えたエディションです。提供元は株式会社オービックビジネスコンサルタントで、請負金額・進捗・予定期間をプロジェクトごとに一元管理し、プロジェクト別原価報告書を自動で出力します。
プロジェクトごとの労務費計上、設定した基準に基づく自動配賦、進捗度を基準にした原価振替を会計処理と一体で扱える点が特徴で、個別原価計算が必要な受注生産・工事・案件型の事業を主な対象としています。原価報告書では発生額・入金情報・粗利・予算を同一画面で確認できます。
料金は基本機能のiAシステムが月額27,500円〜(初期費用50,000円)、分析機能付きのiBシステムが31,250円〜、管理会計機能付きのiSシステムが37,750円〜で、30日間の無料体験が用意されています。
原価管理を業務システムで行うメリットと導入・運用の注意点
原価管理システムの導入効果は大きい一方で、口コミでは運用上の注意点も繰り返し語られています。過度な期待と見落としを防ぐため、両面を整理します。
業務システムで原価管理を行うメリット
最大のメリットは、製品別・案件別の採算を締め処理を待たずに把握できることです。進行中の案件でも原価の積み上がりが見えれば、赤字の兆候を早く掴み、追加の発注や工程の見直しといった手を打てます。
Excelや手作業で起こりがちな集計ミス・転記ミスを減らせる点も効果の一つです。現場の入力と会計がつながることで、見積もり時の想定原価と実績の差を次の見積もりに反映しやすくなり、見積もり精度の向上にもつながります。原価が見える化されると、現場にも採算を意識する動きが生まれます。
導入・運用で注意したいデメリット・落とし穴
注意点の多くは、導入そのものより運用の定着にあります。原価データの精度は現場からの入力に依存するため、入力が滞ると採算も正しく見えません。日報やスマートフォン入力のしやすさ、入力ルールの周知が、定着を左右します。
外注費や協力会社への支払いの集計が複雑になりやすい点も、口コミで指摘されやすい論点です。発注から支払いまでをどこまで製品内で扱えるかは製品差が大きく、既存の運用と合うかを事前に確かめる必要があります。Excel管理からの切り替えには、過去データの移行や入力ルールの再設計といった準備も伴います。
導入コストと運用負荷も見落とせません。他システムとの連携範囲が想定より狭いと、結局は手作業や二重入力が残ることもあります。自社の既存システムとの連携可否は、導入前に具体的に確認しておくと安心です。
原価管理システムの費用相場(クラウド型・オンプレ型と導入後の運用費)
原価管理システムの費用は、提供形態と対象企業規模によって幅があります。比較表の費用列を読む前提として、料金構造の桁感を整理します。
クラウド型(SaaS)は月額制が中心で、小規模向けで月額数千円〜1万円程度、中堅向けで月額数万円程度、利用人数や機能が増えるとさらに上がる、という幅が一般的です。初期費用は無料〜数万円程度に抑えられる製品が多く見られます。
一方、オンプレミス型や大規模ERPの一機能として提供される製品では、初期費用が数十万円〜数百万円規模になることもあり、料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが少なくありません。自社の規模や必要な機能によって総額が大きく変わるため、正確な金額は候補を絞ったうえで各社へ問い合わせて確認する形になります(2026年10月時点)。
費用を見るときは、月額や初期費用だけでなく、導入時の初期設定支援やデータ移行、運用開始後の保守・サポートにかかる費用も含めて、数年単位の総額で比べることをおすすめします。
まとめ
原価管理システムを口コミ・評判で選ぶときは、点数や件数をそのまま受け取るのではなく、「使い勝手・現場への定着・サポート・自社の事業タイプへの合い方」という観点で、出所を確かめながら読み解くことが大切です。
まず自社が建設・工事、製造、案件型、全社汎用のどのタイプに当てはまるかを見極め、必要な機能範囲・費用・連携・サポートで候補を絞り込み、現場での定着や外注費集計といった実務上の論点を口コミで確かめる——この順で進めると、自社に合う製品を見つけやすくなります。気になる製品は資料を取り寄せ、自社の業務に当てはめて比較してみてください。
なお、原価管理に限らず、予実管理や部門別・事業別の損益把握など管理会計の全体像からシステムを比較したい場合は、以下の記事で目的・規模別の選び方を解説しています。
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よくある質問(FAQ)
Q. 原価管理システムとは何ですか?
A. 原価管理システムとは、製品・工事・案件ごとにかかった原価を集計・記録し、予算や目標と比べて差異を把握して採算を見える化する業務システムです。
材料費・労務費・外注費・経費をExcelや手作業で積み上げる方法に代えて、この一連の流れを継続的に回せるようにします。会計の原価計算基準でいう「標準を定め、実際額を計算し、差異を分析して原価を下げる」という循環を、日々の業務のなかで支える道具といえます。
Q. 工事原価・製造原価・個別原価はどう違うのですか?
A. いずれも原価管理システムが扱う原価ですが、建設・工事業は工事ごとに積み上げる工事原価、製造業は製品・工程・ロット別の製造原価、受託開発などの案件型は案件(指図書)単位で積み上げる個別原価、と事業タイプによって集計の単位が異なります。
自社の原価の大半を占める費目(外注費・材料費・人件費のどれか)がどこにあるかを基準にすると、近い事業タイプと、それに向く製品を選びやすくなります。複数の性格を併せ持つ事業でも、この基準で近いタイプに寄せて考えると迷いにくくなります。
Q. 原価管理でいう「配賦」とは何ですか?
A. 配賦とは、特定の製品や案件に直接ひもづかない共通費(間接費)を、一定の基準に応じて各製品・案件へ割り振ることです。
配賦の基準(工数比率・人数比率・売上比率など)や段数をどこまで細かく設定できるかは製品差が大きく、製造原価を扱う製品ほど多段階の配賦に対応する傾向があります。自社が必要とする配賦の細かさを基準に候補を絞ると、選定の迷いを減らせます。
Q. 原価管理システムの口コミ・評判は、どこを見れば製品選びに活かせますか?
A. 原価管理システムの口コミは点数や件数そのものより、「使い勝手・現場への定着・サポート・自社の事業タイプへの合い方」の4つの観点で、どの場面について語られているかを読むと製品選びに活かせます。
そのうえで、単一製品の評判記事には提供元や競合製品の提供元が運営するものがあり中立性に差があること、レビューサイトの平均点は製品ごとの投稿件数の偏りで高低が出やすいこと、投稿者の業種・企業規模・役職が自社に近いかを合わせて確認することが大切です。
Q. 原価管理システムの費用相場はどのくらいですか?
A. 原価管理システムの費用は提供形態で幅があり、クラウド型は初期費用無料〜数万円程度+月額数千円〜数万円程度、オンプレミス型や大規模ERPの一機能では初期費用が数十万円〜数百万円規模になるのが目安です(2026年10月時点)。
料金を公開せず個別見積もりとするベンダーも多いため、月額や初期費用だけでなく、初期設定支援・データ移行・運用開始後の保守サポートまで含めた数年単位の総額で比べることをおすすめします。利用人数やオプションで月額が増える製品もある点にも注意が必要です。
Q. 原価管理システムは会計システムや工事管理・工数管理システムと連携できますか?
A. 原価管理システムの多くは会計システムや工事管理・工数管理システムとの連携機能を備えますが、連携できる範囲や方式は製品ごとに差が大きいため、自社の既存システム名を挙げて事前に確認することが欠かせません。
連携が自社の運用に合えば二重入力や転記を減らして締め作業を軽くできますが、連携範囲が想定より狭いと手作業が残ることもあります。建設業なら工事管理、案件型なら工数管理など、原価データの入口になるシステムとつながるかを重点的に確かめるとよいでしょう。
Q. 外注費や協力会社への支払いも原価として管理できますか?
A. 多くの原価管理システムで外注費や協力会社への支払いを原価に取り込めますが、発注から支払いまでをどこまで製品内で扱えるかは製品差が大きく、請求タイミングの違いで一部に手作業が残る場合があります。
外注費が原価の大半を占める建設・工事業や案件型ビジネスでは、特に重要な確認点です。自社に近い事業・規模の企業が集計の手間をどう評価しているかを口コミで拾っておくと、導入後の姿を具体的に描けます。
Q. 原価管理システムは現場やスマートフォンから入力できますか?
A. 建設・工事業向けを中心に、日報やスマートフォンから現場で入力できる原価管理システムが増えていますが、原価データの精度は現場が入力を続けられるか(定着)に大きく左右されます。
カタログスペックには表れにくい定着のしやすさこそ、口コミで確かめる価値があります。入力画面の分かりやすさや、操作に慣れるまでの手間を、自社に近い事業・規模の企業の声から拾っておくと、導入後に現場で使い続けられるかを見極めやすくなります。
Q. Excelや手作業の原価管理から移行できますか?
A. 原価管理システムへはExcelや手作業からの移行が可能ですが、過去データの移行や入力ルールの再設計といった準備が必要で、切り替えがスムーズだったかは口コミで繰り返し語られる論点です。
移行時の負担を抑えるには、初期設定支援やサポートの手厚さをあらかじめ確認しておくと安心です。Excel管理からの切り替えを経験した、自社に近い企業の口コミは、移行の進め方を描くうえで参考になります。
Q. 原価管理システムは無料トライアルで試してから導入できますか?
A. 原価管理システムには、30日〜2か月程度の無料トライアルを用意している製品と、デモや見積もりベースでの検討が基本の製品があります。
口コミはあくまで自社で確かめるための出発点です。気になる製品は資料請求やトライアル・デモで自社の業務に当てはめ、現場での入力のしやすさや、自社に必要な原価計算(配賦の細かさや標準原価との差異分析など)に対応できるかを確かめてから判断するのが確実です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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