受注処理や在庫管理、商品ページの更新、ささげ業務(商品の撮影・採寸・原稿作成)、問い合わせ対応に追われ、「運用をまるごと、あるいは一部だけでも外注したい。でも、いくらかかるのか」と費用の見当がつかないまま止まっていませんか。ネットショップの運用代行は料金の決まり方が会社ごとに異なり、月額いくらになるのかが見えにくい領域です。
外注費用は、料金体系(月額固定型・成果報酬型・複合型・業務単位のスポット型)と、どこまで任せるか(依頼範囲)、そして自社の月商規模によって変わります。まずはこの3つの軸で相場を押さえれば、自社がどのくらいの予算を見込めばよいかの目安がつかめます。

本記事では、ネットショップ運用の外注費用を料金体系別・依頼範囲別・月商規模別・業務別の4つの切り口で整理し、各社が公開している料金をもとにした相場の目安をまとめました。あわせて、成果報酬型を選ぶときの見積もりの注意点や、内製(人を雇う)と外注の費用対効果の考え方、相談できる運用代行サービスまで解説します。費用の全体像を掴み、依頼先を選ぶ判断材料としてご活用ください。
目次
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ネットショップ運用の外注とは|任せられる業務の範囲
はじめに、費用の読み方の土台として「運用の外注で何を任せられるのか」を押さえておきます。ネットショップの運用代行(運営代行)とは、自社EC・楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10といったモール店舗の日々の運営業務を、事業者に代わって継続的に代行・支援するサービスです。
任せられる業務は幅広く、戦略設計から実務まで多岐にわたります。外注費用は「このうちどこまでを任せるか」で変わるため、まずは業務の全体像を掴んでおくことが費用を見積もる出発点になります。
- ささげ業務(撮影・採寸・原稿作成):商品写真の撮影やサイズ計測、商品説明文の作成
- 商品登録・ページ制作:商品情報の登録、商品ページ・バナーの作成や更新
- 受注処理・顧客対応(CS):注文処理、問い合わせ・クレーム対応、レビュー対応
- 物流・発送:在庫管理、ピッキング・梱包・発送(物流倉庫と連携する場合もあります)
- 集客・広告運用:モール内広告(楽天RPP・Amazonスポンサー広告など)やSNS・Web広告の運用
- コンサルティング・戦略設計:売上目標の設計、施策立案、月次の分析レポート
これらを「運営全体をまるごと任せる」のか、「ささげ業務や商品登録など手薄な業務だけを切り出して任せる」のかで、月額費用は数倍規模で変わります。次章から、具体的な金額の目安を見ていきましょう。
【料金体系別】ネットショップ運用外注の月額相場
ここからは、もっとも知りたい「月額でいくらか」を料金体系別に見ていきます。運用代行の料金は、大きく月額固定型・成果報酬型・複合型・業務単位のスポット型の4つに分かれます。まずは全体像を一覧で確認してください。
| 料金体系 | 月額の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 月5万〜50万円程度 (部分委託5〜10万円/運営全般30〜50万円)。物流まで含む包括はさらに高額 | 依頼範囲が固まっていて、毎月の費用を一定にしたい |
| 成果報酬型 | 売上の5〜15%程度 (モール運営の包括委託では10〜15%程度、さらに高い例も) | 初期の固定費を抑え、売上に連動させたい |
| 複合型(固定+成果報酬) | 月額固定20万〜+売上の5〜10%程度 | 最低限の運用を固定費で確保しつつ成果も狙いたい |
| 業務単位・スポット型 | 業務ごとの単価 (商品登録◯円/件、撮影◯円/点、ページ作成◯万円/商品 など) | 特定の業務だけ・一時的に任せたい |
各社が公式に公開している実額は、記事後半の運用代行サービスの比較表で横並びに確認できます。ここからは、料金体系ごとに実例を交えて相場を見ていきます。
月額固定型の相場
月額固定型は、支援内容に応じた一定額を毎月支払う料金体系です。制作や保守運用など工数が読める業務に向き、毎月の費用が一定で予算を組みやすいのが特徴といえます。
相場は依頼範囲によって幅があります。コンサルティング中心なら月5万〜15万円程度、ささげや商品登録などの一部業務の委託なら月5万〜10万円程度、運営全般の代行では月30万〜50万円前後が目安です。
たとえばサヴァリ株式会社は、アドバイス中心のコンサルティングプランが月額15万円〜、フロント業務をほぼ全て代行するフルサポートプランが月額50万円〜と公式サイトに料金を公開しています。トゥルーコンサルティング株式会社のEC運用代行は月額18万円〜(初期費用0円)で、中小メーカー・中小企業向けの価格帯を掲げています。
成果報酬型(売上◯%)の相場
成果報酬型は、売上や成果に応じて報酬が決まる料金体系です。売上の5〜15%程度が目安で、モール運営の包括的な委託では10〜15%程度になることが多く、さらに高くなる例もあります。
実額の例として、Amazon運用代行を手がける株式会社そばにのアカウント運用代行は、初期費用0円・売上の1〜6%(FBA利用時、最低運用手数料20万円/月・12ヶ月契約)と公式サイトに明記されています。成果報酬型は初期の固定費を抑えやすい一方で、売上が伸びるほど報酬額も増える点は理解しておく必要があります(詳しくは見積もりのチェック項目で解説します)。
複合型(固定+成果報酬)の相場
複合型は、月額固定費に成果報酬を組み合わせた料金体系です。最低限の運用を固定費で確保しつつ、売上の伸びに応じた報酬も支払う形で、月額固定20万円〜に売上の5〜10%程度を上乗せするケースが見られます。
Qoo10に特化したLimelight株式会社は、運用代行の成果報酬プランを月額15万円〜+売上の10%と公開しています。株式会社そばにの楽天市場運用代行は、初期費用0円・月額20万円〜(売上の4〜6%・上限50万円)+広告費の20%という形です。固定費と変動費のどちらにどれだけ寄せるかは、会社やプランによって差があります。
業務単位・スポット型の相場
業務単位・スポット型は、月額契約ではなく、特定の業務を単発で依頼する料金体系です。商品登録やささげ業務、ページ制作など、手が回らない業務だけを切り出して任せたい場合に向きます。
単価の例では、株式会社Roseau Pensantが商品登録500円〜/型、バナーデザイン15,000円〜/枚、LP(ランディングページ)コーディング100,000円〜/ページといったスポット料金を公開しています。
株式会社そばにのAmazon商品ページ作成代行は1商品5万円(税別)〜で、1商品から依頼できます。業務ごとの単価は次の業務別の単価一覧でまとめて確認できます。
依頼範囲別・月商規模別の月額目安
続いて、「自社の規模・任せたい範囲だといくらか」を、依頼範囲と月商規模の2つの角度から見ていきます。同じ運営代行でも、どこまで任せるか・どれくらいの売上規模かで月額は変わります。
依頼範囲別の月額
任せる業務の幅が広がるほど、月額費用は上がります。コンサルティングだけを依頼する場合と、物流まで含めてまるごと任せる場合では、月額に10倍以上の差が出ることもあります。
| 依頼範囲 | 含まれる業務の例 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| コンサルティングのみ | 戦略設計・施策提案・分析レポート(実務は自社) | 月5万円〜 |
| 一部業務の委託 | 商品登録・ささげ・広告運用など特定業務 | 月数万〜10万円 |
| 運営全般の代行 | 商品登録〜ページ制作〜受注・CS〜広告まで | 月30万〜50万円〜 |
| 物流まで含む包括委託 | 運営全般+在庫・物流・発送 | 月50万〜100万円超 |
月額が上がるのは、任せる業務が増えるほど代行会社側の作業工数が増えるためです。工数で費用が決まる月額固定型では、この「範囲」が金額を左右する最大の要因になります。
月商規模別の月額
自社の月商規模も、月額費用の目安になります。売上が大きくなるほど、扱う商品点数や受注件数、広告運用の規模が増え、運用にかかる工数も大きくなるためです。
依頼範囲と月商規模はおおむね連動します。下の目安は、売上規模に見合った運用を任せた場合の幅で、前の依頼範囲別の月額ともおおよそ対応します。
| 月商規模 | 月額の目安 |
|---|---|
| 月商100万〜300万円 | 月10万〜30万円 |
| 月商300万〜1,000万円 | 月30万〜80万円 |
| 月商1,000万円以上 | 月80万〜150万円以上 |
たとえば月商300万〜1,000万円規模で運営全般を任せる場合、運用代行各社が公開する月額の水準(おおむね月18万〜30万円程度)とおおよそ重なります。各社の実額は後述の比較表で確認できます。売上が大きいほど扱う商品点数・受注件数・広告運用の規模が増えるため、同じ範囲でも上限に近づきやすくなります。
【業務別】何にいくら払う?外注の単価一覧
ここでは、「何にいくら払うのか」を業務別の単価で押さえます。一部の業務だけをスポットで依頼する場合や、見積もりの内訳を確認する際の目安として使ってください。
| 業務 | 単価の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ささげ業務(撮影・採寸・原稿) | 撮影 500〜2,000円/カット 採寸・原稿 1,000〜3,000円/商品 (まとめて1点300〜1,500円の業者も) | 切り抜き(白抜き)・レタッチは別料金のことが多い。点数で総額が変動 |
| 商品登録 | 1点 数百円〜1,500円程度 (情報提供ありなら20〜200円/件の例も) | イチから原稿を作成すると高くなる |
| 商品ページ作成(スポット) | 1商品 5万円程度〜 (依頼内容により変動) | テキスト・画像セットなど内容で総額が変わる |
| 物流・発送 | 保管料 4,000〜7,000円/坪・月 出荷作業 150〜500円/件 梱包資材 段ボール50〜200円+緩衝材10〜50円/件 配送料(宅配便の実費)は別 | 従量課金が中心。出荷件数が多いほど1件あたりは下がる傾向 |
| 顧客対応(CS) | 月5万〜15万円程度 | 問い合わせ件数で変動 |
| 広告運用代行 | 月5万〜20万円程度+広告費 (広告費の20%前後で設定する会社も) | 媒体へ支払う広告費は別 |
| コンサルティング | 月10万〜30万円程度 | 戦略設計・分析中心 |
| 運営管理(総合) | 月10万〜40万円程度 | 複数業務の取りまとめ |
実額の例では、株式会社Roseau Pensantが商品登録を1型500円〜、株式会社そばにがAmazonの商品ページ作成を1商品5万円(税別)〜と公式に公開しています。
ささげ業務は撮影(カット単位)・採寸・原稿で単価が分かれ、EC用の切り抜き(白抜き)やレタッチが別料金になることもあるため、見積もりでは工程ごとに何が含まれるかを確認しておくと安心です。
ささげ業務や商品登録は「1点・1件あたり」の単価のため、点数が多いほど総額は膨らみます。逆に、こうした定型業務だけを切り出してスポットで任せれば、運営全体を包括委託するより費用を抑えられる場合があります。
物流・発送は出荷件数や保管量に応じた従量課金が中心で、主に保管料(坪4,000〜7,000円/月が目安)・入出庫や梱包などの出荷作業料(1件150〜500円程度)・段ボールや緩衝材などの梱包資材費・配送料(宅配便の実費)で構成されます。
1件あたりの単価は出荷件数が多いほど下がる傾向があり、ほかの業務のように単価で一概に示しにくい領域です。在庫から梱包・発送までをまとめて外注したときの費用の決まり方や相場の目安は、以下の記事で規模・商材別に整理しています。
EC物流代行おすすめ比較|費用相場と選び方を規模・商材別に解説
EC事業が成長するほど、受注や出荷の量は増え、自社での在庫管理・梱包・発送が追いつかなくなります。繁忙期の波動に人手が足りず、誤出荷やお届けの遅れが増える、保管スペースが手狭になる、といった悩みは多くのEC・D2C事業者が抱える課題です。…
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外注費用を左右する要因と、想定外の追加費用・初期費用
ここからは、見積もりを取る前に押さえておきたい「なぜ費用が変わるのか」と「どこで想定外の費用が発生するのか」、そして「どう抑えるか」を整理します。相場だけを見て契約すると、後から追加費用で予算を超えるケースがあります。
外注費用は、主に次の要因で変わります。依頼範囲(任せる業務の幅)、対応チャネル数(自社EC・楽天・Amazonなど複数モールか)、商品点数や受注件数、そして求める成果のレベルです。これらが大きくなるほど、月額も上がる傾向にあります。
月額料金に目が行きがちですが、見積もりでは次のような費用が別に発生しないかを確認しておきましょう。
- 初期費用:現状調査・業務設計・アカウント設定・データ整理・引き継ぎなどに発生する場合があります
- 広告費:媒体(楽天・Amazon・Google等)へ支払う広告費は、代行会社へ支払う広告運用手数料とは別に発生します
- スポット業務の都度費用:撮影・LP制作・特集ページなど、月額に含まれない作業は別途見積もりになることがあります
- 物流・倉庫費用:保管費・配送費は従量でかかり、月額に含まれないケースが多くあります
月額の安さだけで比べると、こうした別建ての費用を含めた総額で割高になることがあります。見積もりは「月額に何が含まれ、何が別か」まで確認するのが安全です。
外注費用を抑える方法(相見積もり・依頼範囲を絞る・自走化)
費用を抑えるには、いくつかの現実的な方法があります。自社の状況に合わせて組み合わせると効果的です。
- 複数社で相見積もりを取る:同じ依頼範囲で2〜3社に見積もりを依頼し、料金と含まれる業務を並べて比べます
- 依頼範囲を絞る:手が回らない業務(ささげ・商品登録・CSなど)だけを切り出し、スポットや一部委託で任せます
- 自走化を見据える:定例会やマニュアル納品を通じて社内にノウハウを残し、将来的に内製へ戻せる形にしておきます
公的な補助金・助成金で費用を圧縮できる場合もあります。受発注・在庫管理といった業務システムの導入にはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)、小規模事業者が販路開拓の一環で行うサイト制作・広告などには小規模事業者持続化補助金が活用できることがあります。
ただし、ECサイトの新規制作費や運用代行の継続的な外注費そのものは対象外とされることが多く、対象経費・補助率・上限額は年度の公募要領で変わります。活用を検討する際は、最新の公募要領や地域の商工会・商工会議所で対象になるかを必ず確認してください。
「成果報酬=安い」ではない|見積もりで確認すべきチェック項目
成果報酬型は「売れなければ費用が発生しない」と受け取られがちですが、必ずしも安く済むとは限りません。売上が伸びれば報酬額も増えるため、月額固定型より総額が高くなることもあります。見積もりを取るときは、次の項目を確認しておきましょう。
- 成果の定義:何を「成果」とするか(売上・利益・受注件数など)。値引きやクーポン乱発で売上を作る運用になっていないか
- 対象売上の範囲:報酬の計算対象が全売上か、特定チャネル・新規分のみか
- 料率と上限:売上の何%か、報酬額に上限(キャップ)があるか
- 固定費の有無:複合型の場合、最低保証の固定費がいくら上乗せされるか
- 広告費・初期費用の扱い:広告費や初期費用が別建てか(前章で挙げた別建て費用)
成果報酬型に限らず、料金体系を問わず見積書全体では次の点も確認しておくと、契約後の「こんなはずでは」を避けられます。
- 月額に含まれる業務の範囲:どの業務が月額に含まれ、どれがスポットの別料金になるか
- 対応件数・工数の上限:月あたりの対応件数や作業時間に上限があるか、超過分は追加料金か
- レポート・報告の有無:月次の分析レポートや定例会が含まれるか、別料金か
- 最低契約期間・解約条件:最低契約期間(例:6〜12ヶ月)や、中途解約時の違約金・解約通知の期間
想定される売上レンジで固定型・成果報酬型・複合型の総額を試算し、横並びで比べると、自社にとってどの料金体系が得かが見えてきます。
費用でつまずくよくある失敗
費用面では、次のような失敗が起こりがちです。契約前に避けられるものばかりなので、チェックリストとして活用してください。
- 月額料金だけを見て、初期費用や広告費を含めた総額で比較していない
- 依頼範囲を決めずに契約し、「これは別料金」と後から追加費用が積み上がる
- 成果報酬の計算条件(対象売上・料率・上限)を確認しないまま契約する
- 外注前の売上・工数を記録しておらず、外注の効果を測れない
- 安さを優先して、運用品質やコミュニケーションが低下する
外注と内製(人を雇う)、結局どちらが得か
「外注費を払うくらいなら、人を雇ったほうが安いのでは」と迷う方も多いはずです。ここでは、外注と内製を費用対効果で比べる考え方を示します。
判断の軸は、外注で削減できる社内工数(時間)と、その時間の人件費です。たとえば、社内で月30時間かかっている運用業務を外注し、その時間を時給2,000円換算すると月6万円分の工数が浮きます。外注費が月10万円なら、浮いた工数(6万円)に加えて、外注によって伸びた売上の粗利を足し合わせ、外注費と比べて判断できます。
この例であれば、浮いた工数6万円に外注で伸びた粗利を加えた額が外注費10万円を上回れば外注が得、下回れば内製寄りが得、と判断できます。大まかな損益分岐は「外注で増える粗利+削減できる人件費が、外注費を上回るか」です。
これを費用対効果(ROI)の式にすると、次のように整理できます。
年間コストで並べると、両者の違いはより具体的に見えます。内製(正社員採用)は額面の給与だけでなく、会社負担の社会保険料(法定福利費=給与の約15%)に採用費・教育費も加わるため、実質の負担は額面給与のおよそ1.2〜1.4倍になります。
| 比較軸 | 内製(正社員1名を採用) | 外注(運用代行に委託) |
|---|---|---|
| 年間コストの目安 | 月給25万円なら給与300万円+法定福利費(約45万円)+採用・教育費で、年間おおよそ360万〜400万円以上 | 月額20万円なら年240万円、月額30万円なら年360万円など依頼範囲に応じた額 |
| 立ち上がり | 採用・育成に数ヶ月かかる | 契約後すぐに稼働できる |
| ノウハウ | 社内に蓄積する | 残りにくい(定例会・マニュアルで一部補える) |
| 繁閑への対応 | 業務量に関わらず固定費がかかる | 依頼範囲・プランの調整で可変 |
内製は、採用・教育のコストと時間がかかる一方、ノウハウが社内に蓄積します。外注は、すぐにプロの運用を得られる一方、費用が継続的に発生します。どちらが得かは、任せたい業務の専門性・自社の人員体制・将来の自走化の方針によって変わります。外注する場合も、定例会やマニュアル納品で社内にノウハウを残せば、内製のメリットを一部取り込めます。
依頼先の選び方と、相談できる運用代行サービス
最後に、費用を押さえたうえで依頼先をどう選ぶか、その軸と、相談できる運用代行サービスを紹介します。
費用で損しない依頼先の選び方
依頼先を選ぶときは、料金の安さだけでなく、次の観点で自社に合うかを確かめると失敗しにくくなります。
- 対応チャネルが合っているか:自社EC中心か、楽天・Amazon・Qoo10などモール中心か。モールごとに運用の勘所と費用のかけどころが変わり(楽天はRPPなどの運用型広告やスーパーSALE等のイベント運用、AmazonはSEO・スポンサー広告とカート獲得に向けたカタログ整備、Yahoo!ショッピングはPRオプションやLINE連携、Qoo10はメガ割対応)、会社ごとに得意なチャネルが異なります
- 依頼したい業務範囲とプランが一致しているか:運営全般を任せたいのか、特定業務だけか。範囲に対して料金が過不足ないか
- 完全委託かコンサル伴走か:実務までまるごと任せたいのか、戦略助言を受けつつ自社で動くのか
- 料金体系が自社の売上段階に合うか:固定型・成果報酬型・複合型のどれが、想定売上で総額が抑えられるか
以下に、料金体系や対応範囲の異なる運用代行サービスを5社まとめました。会社ごとに得意なモール・領域が異なるため、下の比較表の「対応チャネル」欄で、自社の主戦場(自社EC・楽天・Amazon・Qoo10など)に対応するサービスを確認できます。
依頼範囲や料金体系とあわせて、自社に合う依頼先の比較にご活用ください。
| サービス名 | Limelight(Qoo10運用代行) | Roseau Pensant | サヴァリ EC運営代行 | トゥルーコンサルティング EC運営代行 | そばに(Amazon運用代行) |
|---|---|---|---|---|---|
| 料金体系 | 月額固定型・成果報酬型 | 月額固定型・スポット型 | 月額固定型 | 月額固定型 | 成果報酬型・スポット型 |
| 費用の目安(実額) | 店舗立ち上げ5万円〜/月 運用代行25万円〜/月(固定) 15万円〜/月+売上10%(成果報酬) | 運用改善5万円〜/月 運用代行10万円〜/月 スポット商品登録500円〜/型 | コンサルティング15万円〜/月 プレミアム30万円〜/月 フルサポート50万円〜/月 | EC運用代行18万円〜/月 初期費用0円(広告費の0〜20%別途) | アカウント運用代行 売上の1〜6% (初期0円・最低20万円/月・12ヶ月) 商品ページ作成5万円〜/商品 |
| 主な対応業務 | 出店代行・運用代行 広告運用・SNS/インフルエンサー施策 | 戦略設計・ささげ・商品登録 受発注/物流・集客・CS | バックエンド運用起点 コンサル〜フロント業務ほぼ全代行 | 撮影・商品登録・広告運用 受発注・売上分析・コンサル | Amazon運用代行・広告運用 商品ページ制作・越境EC支援 |
| 対応チャネル | Qoo10特化 | 自社EC・楽天・Amazon ZOZOTOWN・Qoo10 ほか | 楽天・Amazon・Yahoo! Wowma!・自社EC・越境EC | 自社EC・楽天・Amazon Yahoo!・au PAY・越境EC | Amazon特化(越境対応) 楽天・TikTok Shopも対応 |
| 特徴 | Qoo10専業。メガ割など定期イベント対応に強み | 幅広いチャネルに一気通貫対応。アパレルの撮影・制作に強み | 支援レベルを3段階から選択可。契約前に無償の戦略会議 | 中小メーカー・中小企業向けの価格帯を訴求 | Amazon起点の一気通貫支援。成果報酬型が中心 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ここまでで料金体系ごとの費用相場はつかめたはずです。実際に依頼先を決める段階では、運営をまるごと任せるか・特定業務だけ切り出すか・システム型を使うかで、向き不向きや費用の考え方が変わります。以下の記事で、EC運用代行の種類ごとの違いと選定軸を詳しく解説しているので、依頼先選びに進む方はあわせてご覧ください。
1. Limelight(Limelight株式会社)

Limelightは、ECモール「Qoo10」に特化した出店・運用代行サービスです。アカウント開設・商品登録といった出店業務から、運用代行・広告運用、インフルエンサーやSNSを使った外部施策までを一つの窓口で任せられます。Qoo10のセール「メガ割」をはじめとする定期イベントへの対応を業務範囲に掲げている点が特徴です。
運用代行業としては珍しく、料金を公式サイトに公開しています。店舗立ち上げプランが月額5万円〜、運用代行は月額固定型が月額25万円〜、成果報酬型が月額15万円〜+売上の10%です(2026年10月時点、公式サービスページ)。Qoo10への出店・運用を集中的に任せたい事業者に向いています。
2. Roseau Pensant(株式会社Roseau Pensant)

写真・映像の撮影やデザインなど、ファッション・アパレル領域での経験を強みに掲げるのが株式会社Roseau Pensantです。デジタルマーケティングのコンサルティング会社として、EC・SNS運用の専門チームが運営代行を手がけています。
自社EC・楽天市場・Amazon・ZOZOTOWN・Qoo10など幅広いチャネルに対応し、戦略設計からささげ業務、商品登録、受発注・物流、集客、カスタマーサポートまでを一気通貫で任せられる体制です。
料金はプラン別に公開されており、運用改善プランが月額5万円〜、運用代行プランが月額10万円〜(月16時間稼働想定)、フルフィルメントプランが月額5万円〜(月8時間稼働想定)です。スポットでは商品登録500円〜/型、バナーデザイン15,000円〜/枚、LPコーディング100,000円〜/ページなど、業務単位の依頼にも対応しています(2026年10月時点、公式サービスページ)。
3. サヴァリ EC運営代行(サヴァリ株式会社)

商品登録・商品管理といったバックエンド業務を起点に、サイト制作・広告運用・コンサルティングまで広げられるのがサヴァリ株式会社の運営代行です。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの三大モールを中心に、EC・D2C(消費者直販)を支援します。契約前に無償の「戦略会議」でヒアリングや年間売上シミュレーションを行う点も特徴です。
料金は、アドバイス中心のコンサルティングプランが月額15万円〜、集客・制作・CRMいずれかの実務代行を加えたプレミアムプランが月額30万円〜、受注・発送以外のフロント業務をほぼ全て代行するフルサポートプランが月額50万円〜です(2026年10月時点、公式サービスページ)。支援レベルを3段階から選べるため、任せたい範囲に応じて費用を調整しやすい構成です。
4. トゥルーコンサルティング EC運営代行(トゥルーコンサルティング株式会社)

トゥルーコンサルティング株式会社は、EC・通販領域に特化した経営コンサルティング会社です。自社EC・楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・au PAY マーケットなどの国内主要モールに加え、越境ECまで運営代行・コンサルティングの対象として掲げています。商品撮影から商品登録・広告運用・受注発注・売上分析まで、EC運営をまるごと支援できる体制です。
EC運用代行のスタンダードプランは初期費用0円・支援費用が月額18万円〜(広告運用費は広告費の0〜20%)で、中小メーカー・中小企業向けの価格帯を訴求しています。Amazonコンサルティング・運用代行は月額5万円〜など、チャネル別のプランも用意されています(2026年10月時点、公式サイト)。
5. そばに(株式会社そばに)

Amazonストア/ベンダーの運用代行から、広告運用、商品ページ・カタログ画像の制作、越境EC(海外Amazon)支援までをAmazon起点で一気通貫に手がけるのが株式会社そばにです。楽天市場運用代行やTikTok Shop支援の専用メニューもあり、料金を公式サイトに明示している点も特徴です。
Amazonのアカウント運用代行は初期費用0円・売上の1〜6%(FBA利用時、最低運用手数料20万円/月・12ヶ月契約)、コンサルティングは月額10万円〜です。商品ページ作成代行は1商品5万円(税別)〜と、スポットでの依頼にも対応します(2026年10月時点、公式サービスメニュー)。成果報酬型を中心に、Amazon売上の拡大を任せたい事業者に向いています。
出典・参考資料(5件)
- 出典:サービス・料金ページ|Limelight株式会社(lime-light.co.jp)
- 出典:EC運用代行サービスページ|株式会社Roseau Pensant(roseaupensant.jp)
- 出典:EC・D2C運営代行サービスページ|サヴァリ株式会社(savari.jp)
- 出典:コンサルティング料金ページ|トゥルーコンサルティング株式会社(top1-consulting.com)
- 出典:サービスメニュー|株式会社そばに(sobani.co.jp)
まとめ
ネットショップ運用の外注費用は、料金体系(月額固定・成果報酬・複合・スポット)と依頼範囲、月商規模の組み合わせで決まります。月額固定型なら部分委託で月5万〜10万円、運営全般で月30万〜50万円前後、成果報酬型なら売上の5〜15%程度が目安です。業務単位で切り出せば、ささげや商品登録を単価ベースで依頼することもできます。
見積もりを取るときは、月額に何が含まれ、初期費用・広告費・物流費が別建てかを確認し、想定売上での総額で比べることが大切です。自社の依頼範囲・チャネル・売上段階に合うサービスを、まずは資料請求や相談で比べてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ネットショップ運用の外注(運用代行)とは何ですか?
A. ネットショップ運用の外注(運用代行)とは、自社EC・楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10などの店舗運営業務を、事業者に代わって継続的に代行・支援してもらうサービスです。
任せられる範囲は、ささげ業務(撮影・採寸・原稿)、商品登録・ページ制作、受注処理・顧客対応(CS)、物流・発送、集客・広告運用、コンサルティングまで幅広くあります。このうちどこまでを任せるかで外注費用が決まるため、まず業務の全体像を押さえることが見積もりの出発点になります。
Q. ネットショップ運用の外注費用は月額いくらが相場ですか?
A. ネットショップ運用の外注費用は、月額固定型なら部分委託で月5万〜10万円、運営全般で月30万〜50万円前後、成果報酬型なら売上の5〜15%程度が目安です。
月額は料金体系(固定・成果報酬・複合・スポット)、依頼範囲、月商規模の組み合わせで変わります。物流まで含めてまるごと任せる包括委託では月50万〜100万円超になることもあり、逆にコンサルティングや一部業務だけなら月5万円〜から依頼できます。詳しい内訳は料金体系別の月額相場をご覧ください。
Q. ネットショップ運用の外注に初期費用はかかりますか?
A. ネットショップ運用の外注で初期費用がかかるかは依頼先によって異なり、現状調査・業務設計・アカウント設定・データ整理・引き継ぎなどに発生する場合もあれば、初期費用0円の会社もあります。
実際に、初期費用0円を掲げる会社もあれば、現状調査や引き継ぎに初期費用がかかる会社もあります。月額料金だけでなく、初期費用が別建てでかかるかを見積もり時に必ず確認しておきましょう。
Q. 成果報酬型のほうがネットショップ運用の外注費用は安くなりますか?
A. 成果報酬型が必ず安くなるとは限らず、売上が伸びるほど報酬額も増えるため、月額固定型より総額が高くなることもあります。
「売れなければ費用が発生しない」と受け取られがちですが、見積もりでは成果の定義・報酬の対象売上・料率と上限(キャップ)・広告費や初期費用が別建てかを確認し、想定される売上レンジで固定型・成果報酬型・複合型の総額を試算して比べるのが安全です。
Q. ネットショップ運用を外注すると広告費は月額料金に含まれますか?
A. 通常、媒体(楽天・Amazon・Googleなど)へ支払う広告費は、代行会社へ支払う広告運用手数料とは別に発生し、月額料金には含まれません。
広告運用代行の手数料は月5万〜20万円程度、または広告費の20%前後で設定されることが多く、これに媒体へ支払う広告費が上乗せされます。月額の安さだけで比べると、広告費を含めた総額で割高になることがあるため注意しましょう。
Q. 小規模ECや個人事業主でもネットショップ運用を外注できますか?
A. 小規模ECや個人事業主でも、ささげ業務や商品登録などの一部業務・スポット支援に対応する会社を選べば外注できます。
運営全体をまるごと任せると月30万円以上かかることが多いため、小規模のうちは手が回らない業務だけを切り出すのが現実的です。たとえば商品登録は1件数百円〜、商品ページ作成は1商品5万円〜など、業務単位のスポット料金で1件・1商品から依頼できる会社もあります。
Q. ネットショップ運用の外注費用を抑えるにはどうすればよいですか?
A. ネットショップ運用の外注費用は、複数社で相見積もりを取る・依頼範囲を手薄な業務だけに絞る・自走化を見据えて社内にノウハウを残す、の3つで抑えやすくなります。
同じ依頼範囲で2〜3社に見積もりを取れば料金と含まれる業務を並べて比べられ、ささげや商品登録など手薄な業務だけをスポットで任せれば運営全体の包括委託より安く済みます。あわせて定例会やマニュアル納品で社内にノウハウを残せば、将来的に内製へ戻して外注費を圧縮することも可能です。
Q. ネットショップ運用の外注に最低契約期間や期間の縛りはありますか?
A. ネットショップ運用の外注では、会社やプランによって最低契約期間が設けられている場合があります(成果報酬型で12ヶ月契約を条件とするプランなどがあります)。
運用代行は成果が出るまで一定の期間を要するため、短期解約ができない契約や最低運用手数料が定められている場合があります。契約前に最低契約期間・解約条件・最低手数料の有無を確認しておくと、想定外の費用負担を避けられます。
Q. 楽天・Amazonなど複数モールの運用をまとめて外注すると費用は上がりますか?
A. 対応するモールやチャネルが増えるほど運用工数も増えるため、複数モールをまとめて外注すると、単一チャネルだけの場合より月額費用は上がる傾向があります。
外注費用を左右する主な要因は、依頼範囲・対応チャネル数・商品点数や受注件数・求める成果のレベルです。複数モールを運用する場合は、まず売上の大きいチャネルから任せ、効果を見ながら範囲を広げると費用をコントロールしやすくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















