取引先との受発注を、FAX・電話・メール・Excelでやり取りしている企業は少なくありません。注文内容の転記や二重入力、確認電話への対応、注文書の保管といった作業が積み重なり、担当者の負担やミスの温床になりやすいのが実情です。こうした業務をWebやデータでやり取りできるようにするのが受発注システムで、取引先からの注文をオンラインで受け取り、受注・在庫・請求などの処理につなげます。
システム化を検討するうえで、最初の関門になるのが費用です。受発注システムの料金は、クラウド型(SaaS)・ハーフスクラッチ(パッケージ)型・フルスクラッチ開発という導入形態によって、初期費用も月額も大きく変わります。さらに、料金を公開している製品と、取扱量に応じて個別見積もりとする製品が混在しているため、相場がつかみにくいのも特徴です。
本記事ではまず、導入形態別の初期費用・月額の相場を一覧で示します。そのうえで、費用の内訳と料金体系(定額制・ID課金・取引件数の従量課金)、自社の規模と取引先の発注方法から費用の当たりをつける考え方、費用を抑える方法と費用対効果の見方までを整理します。料金を公開している実在の製品の実額も併せて紹介し、自社がどのタイプ・どの価格帯に落ち着きそうかを判断できる状態を目指します。
目次
一括ダウンロードする
受発注システムの費用相場|導入形態別の初期費用・月額【早わかり一覧表】
受発注システムの費用は、どの導入形態を選ぶかでおおよその帯が決まります。まずは、クラウド型(SaaS)・ハーフスクラッチ(パッケージ)型・フルスクラッチ開発の3形態について、初期費用と月額費用の相場を一覧で確認できます。

| クラウド型(SaaS) | ハーフスクラッチ(パッケージ)型 | フルスクラッチ開発 | |
|---|---|---|---|
| 初期費用の相場 | 0円〜8万円程度 | 数十万円〜数百万円 | 要見積もり(定価なし) |
| 月額費用の相場 | 0円(無料プラン)〜8万円程度 | 7万円前後〜十数万円(製品により下振れ) | 保守費用(開発費の一定割合) |
| 代表例(公開実額) | COREC 月1,480円〜/Bカート 初期8万円・月9,800円〜79,800円 | TS-BASE 受発注(クラウド型だが費用はパッケージ相当)初期29万〜50万円・月10万〜14万円/アラジンEC 初期400万円〜・月7万円〜 | 公開定価なし(初期は数千万円〜が目安) |
| 費用の特徴 | 既存の機能をそのまま使い、短期間・低コストで始められる。月額課金が中心で、取引量・利用人数・機能で変動する | 既存パッケージをベースに自社の商流へ合わせて開発する。中〜高価格帯で、カスタマイズの範囲が費用を左右する | 要件に完全一致する独自開発。費用は開発会社の見積もりで決まり、カスタマイズ型パッケージの最上位帯を上回ることが多い |
※上記は各導入形態の一般的な費用傾向です。実際の金額は機能・取引量・カスタマイズの範囲で変わるため、各社の料金ページ・見積もりをご確認ください。
クラウド型(SaaS)の費用相場(初期費用を抑えてスピード導入)
クラウド型は、ベンダーが用意したシステムをインターネット経由で利用する形態です。自社でサーバーを用意する必要がなく、初期費用を抑えて短期間で始められます。初期費用は0円の製品が多く、月額も無料プランから数万円程度に収まるケースが中心です。ただし、在庫・出荷管理まで含むクラウド型は月額10万円を超える例もあります。
料金を公開している製品には、無料枠から始められるものが複数あります。COREC(コレック)は初期費用0円で、機能を広げる有料のビジネスプランが発注側月額1,480円・受注側月額2,980円(いずれも税抜)です。
MARUGOAT(マルゴート)は初期費用0円で、明細200件/月までのフリープランがあり、有料のビジネスプランは月額5,980円からです。飲食店の食材発注に使われるPlaceOrders(プレイスオーダーズ)は初期費用0円で、有料プランが月額980円からです。
一方、取引先専用のWebサイト(BtoB EC)まで作り込めるBカートは初期費用80,000円(税抜・全プラン共通)で、月額はライトプランの9,800円からプラン300の79,800円まで取引規模に応じた段階料金です(いずれも税抜)。
生鮮品のように単価が日々変動する取引に対応するらくうけーるは、月額基本料金20,000円(税抜)に、担当者IDや得意先ID、FAX送信枚数に応じた従量課金が積み上がる構成です。CO-NECT(コネクト)のように発注側を無料にし、受注側を取引量に応じた個別見積もりとする製品もあり、クラウド型でも「実額公開」と「要お問い合わせ」が混在します。
出典・参考資料(6件)
ハーフスクラッチ(パッケージ)型の費用相場(既存機能をベースに柔軟開発)
ハーフスクラッチ型は、受発注に必要な機能をそろえたパッケージを土台に、自社の商流や取引条件へ合わせて作り込む形態です。クラウド型では対応しきれない複雑な価格体系・承認フロー・基幹連携に対応できる反面、初期費用は数十万円から数百万円規模に上がります。
費用の帯がパッケージ型と重なるクラウド型もあります。TS-BASE 受発注はクラウド型ですが、在庫・出荷管理まで含むため費用はパッケージ相当(中間)の帯に入ります。
TS-BASEの料金はプランにより初期費用290,000円〜500,000円、月額100,000円〜140,000円(いずれも税抜)で、導入事例ベースでは初期費用50万円〜150万円・月額14万円〜26万円という幅も公開されています。
より作り込みに寄るDX BtoB Web受発注システムは、Magento(Adobe Commerce)をベースにしたパッケージ型で、標準パッケージ300万円に導入サポート・基本パック150万円から(いずれも税抜)を加える構成です。
BtoB専用のWeb受発注システムであるアラジンECは、公式がモデルケースとして初期費用400万円〜(カスタマイズ規模により800万円、1,500万円〜)、月額7万円〜(同10万円、15万円〜)の月額固定型料金を提示しています。
出典・参考資料(4件)
フルスクラッチ開発の費用相場(要件に完全一致する独自開発)
フルスクラッチ開発は、自社の要件に合わせてシステムを一から作る形態です。公開された定価はなく、費用は要件・開発規模・開発会社の見積もりによって決まります。既存の製品では対応できない独自の商流や大量取引を扱う企業が選択肢に入れる形態です。費用はカスタマイズ型パッケージの最上位帯(初期1,500万円〜のモデルケースを公開する製品もあります)をさらに上回ることも珍しくありません。
公開された定価はないため厳密な相場は示せませんが、初期費用はおおよそ数千万円〜が一つの目安です。正確な金額は要件を固めたうえでの見積もりで確認することになります。
自由度が高い分、初期費用・開発期間・公開後の保守負担はいずれも大きくなります。まずはクラウド型やパッケージ型で要件を満たせないかを確認し、どうしても独自開発が必要な場合に、開発代行の見積もりを複数社から取って相場を把握する進め方が現実的です。開発費用の目安を具体的に知りたい場合は、受発注システムの開発代行の料金を扱った記事も参考になります。
中小企業向け受発注システムおすすめ17選|料金・選び方と自社に合うタイプ診断
受発注のやり取りを、いまも電話やFAX、メール、Excelで回していませんか。少人数で日々の注文をさばく中小企業では、聞き間違いや転記ミス、注文書の紛失が起きやすく、担当者が休むと業務が止まってしまう不安もつきまといます。 受発注システムを…
受発注システムの費用の内訳(初期費用・月額・カスタマイズ/オプション)
ここからは、導入形態で費用差が出る理由を、費用の内訳に分解して確認します。受発注システムの費用は大きく、導入時の初期費用・継続的にかかる月額費用・機能追加のカスタマイズ/オプション費用に分けられます。見積もりを読み解き、総額で判断できる状態を目指します。
初期費用に含まれるもの(システム構築・マスタ登録・データ移行・研修)
初期費用は、システムを使える状態にするまでの費用です。クラウド型では初期設定だけで済み0円の製品も多い一方、パッケージ型・開発型では、システムの構築・環境展開、商品や取引先のマスタ登録、既存のExcelや旧システムからのデータ移行、担当者向けの研修といった作業が加わります。
たとえばDX BtoB Web受発注システムでは、標準パッケージとは別に、環境展開や初期設定、最低限のデザイン適応を含む導入サポート・基本パックが150万円から(税抜)という形で、構築・設定にかかる費用が明示されています。商品・顧客・価格データの入れ込み作業は別途費用になるとされており、自社のマスタの量が多いほど初期費用は膨らみます。
月額費用(ランニングコスト)
月額費用は、システムを使い続けるためのランニングコストです。クラウド型では月額利用料として、パッケージ型・開発型ではシステム保守費用やサーバー費用として発生します。
パッケージ型の月額は、クラウド型より重くなる傾向があります。DX BtoB Web受発注システムでは、システム保守費用が標準価格の15%を12か月で割った月額、サーバー保守費用が月額4万円からとされ、24時間365日の対応を付けると月額6万円が加算されます。
クラウド型でも、らくうけーるのように月額基本料金に従量課金が積み上がる製品や、Bカートのように取引規模に応じて月額が段階的に上がる製品があり、取引量が増えるほど月額が増えていく点に注意が必要です。
カスタマイズ・オプションで費用が膨らみやすい項目(在庫・請求書発行・EDI(電子データ交換)/API連携・導入支援)
基本料金が安く見えても、必要な機能をオプションで足していくと総額が大きく変わります。見積もり段階で見落としやすいのが、在庫連携・請求書発行・EDIやAPIによる基幹システム連携・導入支援といった追加項目です。
具体的には、スマレジEC・B2B(旧:楽楽B2B)では追加ユーザーが1人あたり月額980円、商品を5,000件追加するごとに月額10,000円が加算されます。Bカートでは独自ドメインの利用が月額3,000円のオプションで、基幹システムとの連携には有償の連携アプリを介します。
らくうけーるではログイン画面のカスタマイズが月額10,000円、独自ドメインURLが月額20,000円(いずれも税抜)といったオプションがあります。利用人数・商品数・連携先が増えるほど費用が積み上がるため、必要な機能を洗い出してから見積もりを依頼すると、導入後の想定外の費用を避けられます。
出典・参考資料(3件)
見落としがちな取引先側の負担と社内工数
受発注システムは取引先を巻き込むため、自社が払う費用以外にも検討すべきコストがあります。取引先にアカウント登録やアプリ導入をお願いする場合、相手のITリテラシーによっては移行が進まず、結局FAX・電話が残ることもあります。
この点を費用面で和らげる設計の製品もあります。CO-NECTやMARUGOATは発注側(取引先)を無料や招待制にして導入のハードルを下げ、PlaceOrdersは発注内容を自動でFAX・メールの注文書に変換して送るため、受注側がシステム未導入でも既存のFAX運用で受け取れます。
また、導入初期にはマスタ登録・取引先への案内・運用ルールの整備といった社内工数もかかります。これらは金額として見積書に載りにくい分、導入計画のなかで時間のコストとして見込んでおくと、導入可否の判断材料になります。
受発注システムの料金体系(定額制・ID課金・従量課金)と自社に向くのはどれか
月額費用の決まり方には、主に3つの料金体系があります。定額制・アカウント(ID)課金・取引件数の従量課金で、どれを採用しているかによって、取引量が増えたときに費用が上がるかどうかが変わります。自社の取引量で高くなるのはどれかを見極めるため、それぞれの仕組みを確認します。
これらを組み合わせたハイブリッド型(基本料金+従量課金など)の製品もあり、その場合は基本料金と従量部分の両方で総額を見積もります。
定額制(月額固定)|取引量が増えても月額が変わらない
定額制は、取引件数や利用人数にかかわらず月額が一定の体系です。費用が読みやすく、予算を立てやすいのが利点で、取引量が多い企業ほど1件あたりの単価が下がります。アラジンECは、取引先の登録件数・注文数・取引金額にかかわらず月額利用料が一定の月額固定型を公式に打ち出しており、取引が増えても費用が跳ね上がらない料金体系の例です。
アカウント・ID課金|利用人数(ID数)に応じて増減する
アカウント課金は、システムを使う担当者や取引先のID数に応じて費用が増減する体系です。少人数で始めて必要に応じて広げられる一方、利用者が増えると月額が積み上がります。
らくうけーるでは、担当者IDが1件あたり月額2,000円、得意先IDが1〜99件で月額600円、100件以上で月額100円(いずれも税抜)と、ID数に応じて費用が決まります。スマレジEC・B2Bでも追加ユーザーが1人あたり月額980円で、利用人数が費用に直結します。
取引件数の従量課金|取引量が多いほど費用が上がる
従量課金は、受注件数や取引金額など、使った量に応じて費用が変わる体系です。取引が少ないうちは費用を抑えられますが、取引量が増えると月額も増えていきます。BtoBプラットフォーム受発注では、受注側(卸・メーカー)の費用が月次の受領金額に応じて変動する従量制です。
BtoBプラットフォーム受発注では受注側の月額が受領金額に応じて変わり、らくうけーるではFAX送信が1枚あたり10円の従量課金です。取引量が多い企業は、従量部分が積み上がって定額制より割高にならないか、想定件数で試算しておくと判断を誤りません。
自社はどのタイプ・いくら?規模と取引先の発注方法から費用の当たりをつける
ここまでの相場と費用の決まり方をふまえ、自社がどのタイプ・どの価格帯に落ち着きそうかを、企業規模と取引先の発注方法から当たりをつけます。受発注システムは取引先を巻き込むため、FAXや電話を残すのか、取引先にWeb発注へ移ってもらえるのか、受注後にどこまで在庫・請求・基幹システムへ連携するのかで、選ぶタイプと費用感が変わります。
受発注システムは、取引先の発注方法や業種に着目すると、おおまかに次の4タイプに分けて考えられます。自社の状況に近いタイプから、費用の目安を読み取ってみてください。
| BtoB EC型 | FAX・電話併存型 | 飲食・食品流通特化型 | 販売管理一体型 | |
|---|---|---|---|---|
| 向いている企業・取引先の発注方法 | 取引先に専用のWebサイトから発注してもらう。取引先別の価格・商品出し分けやクローズド運用が必要な卸・メーカー | 取引先のFAX・電話・手書き注文書を残しつつ、OCRなどでデータ化して段階的にWeb化したい企業 | 飲食店とのLINE発注が中心の食品卸・メーカー。発注側(飲食店)の利用を無料にして広めたい | 取引先からの注文を社内で登録し、受注から在庫・売上まで販売管理システムで一体運用したい企業 |
| 費用の目安 | クラウド型なら初期0円〜8万円・月額1万〜8万円程度。作り込むとパッケージ型で初期数百万円規模 | 見積制・要お問い合わせが多い。FAX送信などの従量課金が加わる製品もある | 発注側(飲食店)は無料が多い。受注側(卸)は受注件数・受領金額に応じた従量が中心で要お問い合わせ | 販売管理・基幹システム側の費用に含まれることが多く、個別見積もりが中心 |
※タイプは費用の当たりをつけるための整理です。1つの製品が複数タイプにまたがることもあります。
取引先が少数で発注方法もそろえやすい中小企業は、無料プランや低価格のクラウド型から始めて、必要になったら上位プランへ広げる進め方が費用を抑えやすい選択です。
取引先ごとに価格体系や承認フローが複雑に異なる場合や、既存の基幹システムと密に連携したい場合は、パッケージ型・開発型が候補になり、費用は数百万円規模を見込みます。自社の取引の複雑さと、取引先にどこまで変化をお願いできるかを起点に、費用帯の当たりをつけるとよいでしょう。
規模からの目安(いずれも概算)としては、取引先が数社〜十数社・月間受注が数十件程度なら、無料プラン〜月額数千円のクラウド型で足りることが多いです。取引先が数十社〜・月間数百件規模になると、月額1万〜8万円程度のクラウド型が候補に入ります。
取引先が多く、基幹連携や複雑な価格体系も必要なら、初期数百万円規模のパッケージ型・開発型を見込みます。あくまで費用の当たりをつけるための目安で、正確な金額は各社の料金ページや見積もりで確認してください。
モデル試算(目安)で考えると、取引先10社・月間受注100件・担当ID3人の小規模なら、初期費用0円・月額数千円のクラウド型で始められ、ID追加やFAX送信の従量を足しても月1万円前後に収まる、という当たりの付け方ができます。
取引先が100社・月間1,000件規模に増えると、ID課金や取引件数の従量が積み上がり、月数万円台を見込む計算になります。自社の取引先数・月間件数・利用ID数を当てはめて、どの費用帯に入りそうかを概算してみてください。
受発注システムの費用を抑える方法と費用対効果の見方
費用の全体像がつかめたら、次は費用を抑える実務と、投資に見合う効果があるかの判断です。ここでは、スモールスタート・段階導入・補助金の活用と、削減できる工数との釣り合いで費用対効果を見る視点を整理します。
費用を抑える方法(スモールスタート・段階導入・補助金の活用)
費用を抑える基本は、最初から全機能・全取引先を対象にせず、小さく始めて効果を確かめながら広げることです。無料プランや低価格のクラウド型で一部の取引からWeb化を試し、手応えが得られてから対象範囲や機能を増やしていけば、初期の持ち出しを抑えられます。CO-NECT・COREC・MARUGOATのように無料プランや初期費用0円で始められる製品は、このスモールスタートに向いています。
ただし無料プランで使える範囲は、発注側として使うか受注側として使うか、また製品によっても差があり、どこまで無料でまかなえるかは事前の確認が要ります。無料で使える製品の無料枠の違いと選び方をもう少し詳しく見ておきたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
公的な支援として、中小企業のデジタル化を後押しする補助金もあります。経済産業省・中小企業庁が案内する「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」は、対象ツールの導入費用の一部を補助する制度です。中小企業庁のポータル「ミラサポplus」では「令和7年度補正予算事業から、『デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)』と名称を変更しました」と案内されています。
補助率・補助上限額・公募スケジュールは年度や申請枠、回次によって変わり、締切も設けられています。活用を検討する場合は、申請前に必ず最新の公募要領で、自社が対象になるか・補助率や上限・締切を確認してください。
出典・参考資料(1件)
費用対効果の見方(削減できる工数・ミス削減との釣り合い)
受発注システムの費用対効果は、削減できる業務時間やミスと、支払う費用との釣り合いで判断します。FAX・電話・Excelでの転記や確認電話にかかっていた時間が減り、その分を本来の業務に回せるなら、月額費用に見合う効果が見込めます。
業務時間の削減効果については、中小企業庁の「次世代企業間データ連携調査事業」による実証の成果が参考になります。この事業の実証プロジェクトを踏まえて策定された「中小企業共通EDI標準」(初版は2018年に公開)に関する中小企業庁の解説では、EDIの導入による業務時間の削減効果が示されています。
EDIを導入した企業には、総じて業務効率化の効果が見られました。また、大企業と比較すると中小企業のほうが業務時間の削減率が高く、平均して51.4%もの削減効果が得られました。
出典:中小企業共通EDIによる業務効率化(次世代企業間データ連携調査事業の実証成果)|中小企業庁 ミラサポplus
この51.4%は、中小企業における業務時間削減率の平均値です。受発注システムはEDIと同じく企業間のデータ連携によって転記や確認の手間を減らすため、同様の効果が期待できます。現在の受発注業務に月あたり何時間かかっているかを見積もり、削減できる時間を人件費に換算して月額費用と並べると、導入可否の判断材料になります。
ここまでで費用の全体像と費用対効果の見方を押さえました。ここからは、料金や提供形態を各社で見比べ、自社の取引量での総額を具体的に確認していく段階です。
一括ダウンロードする
費用で選ぶ受発注システムの比較と紹介
ここからは、費用の観点で選べる受発注システムを紹介します。まずは、料金を公開している製品を中心に、初期費用・月額・提供形態・料金体系を横並びで比較します。料金を公開していない製品は「要お問い合わせ」として区別しています。
| サービス名 | DX BtoB Web受発注システム | アラジンEC | TS-BASE 受発注 | TANOMU(タノム) | MARUGOAT(マルゴート) | PlaceOrders(プレイスオーダーズ) | CO-NECT(コネクト) | COREC(コレック) | Bカート | スマレジEC・B2B(旧:楽楽B2B) | らくうけーる | クロスオーダー | コマロボ販売 | MOS(モス) | BtoBプラットフォーム受発注 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社マルウェブ | 株式会社アイル | 竹田印刷株式会社 | 株式会社インフォマート | leafworks, Inc. | 株式会社シンクロ・フード | CO-NECT株式会社 | 株式会社ラクーンコマース | 株式会社Dai | 株式会社スマレジ | 株式会社シスプロ | クロスマート株式会社 | 株式会社コマースロボティクス | 株式会社アクロスソリューションズ | 株式会社インフォマート |
| 提供形態 | パッケージ型 | パッケージ型(カスタマイズ) | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型・オンプレ型 | クラウド型 |
| 初期費用 | 450万円〜(税抜) 標準パッケージ300万円+導入サポート150万円〜 | 400万円〜(税抜) モデルケース・カスタマイズ規模で変動 | 29万円〜50万円(税抜) プランにより異なる | 要お問い合わせ | 0円 | 0円 | 0円(受注側) | 0円 | 80,000円(税抜) 全プラン共通・エンタープライズ除く | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 1万円〜 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ セットアップ費用あり(金額非公開) |
| 月額費用 | 保守費用が中心 サーバー保守4万円〜/月(税抜)ほか | 7万円〜(税抜) 月額固定型・規模で変動 | 10万円〜14万円(税抜) プランにより異なる | 要お問い合わせ 受注側のみ課金(発注側は無料) | 0円〜(フリープラン) ビジネスプラン5,980円〜/月 | 0円〜(無料プラン) 有料プラン980円〜/月 | 0円〜(受注側フリープラン) 有料プランは要お問い合わせ | 0円〜(無料プラン) ビジネスプラン 発注側1,480円・受注側2,980円/月(税抜) | 9,800円〜79,800円(税抜) プラン別・エンタープライズは個別見積 | 要お問い合わせ 追加ユーザー980円/月・人、商品5,000件追加ごと1万円/月 | 20,000円/月〜(税抜) 基本料金+ID・FAX従量 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ 受注側は受領金額に応じた従量制 |
| 料金体系 | 買い切り型+保守月額 | 定額制(月額固定型) | 定額制(プラン別月額) | 個別見積(受注側のみ課金・プランにより異なる) | フリーミアム+従量課金 | フリーミアム(定額) | フリーミアム+個別見積 | フリーミアム+定額 | 定額制(取引規模別の段階プラン) | 定額制+ID・商品数課金 | 定額制+従量課金(ID・FAX) | 要見積もり | 要見積もり | 要見積もり | 従量課金(受注側=受領金額連動) |
| 無料プラン・無料お試し | なし | なし(要お問い合わせ) | 無料トライアルあり(最大2ヶ月) | 発注側は無料/受注側は資料請求・相談で対応 | 無料プランあり(永続・明細200件/月まで) | 無料プランあり(FAX送信30回/月ほか) | 無料プランあり+2週間無料トライアル | 無料プランあり(恒久) | 無料トライアルあり(30日間) | 無料トライアルあり | 無料トライアルあり(期間は公式に明記なし) | 要お問い合わせ | 無料トライアルあり(30日間) | なし(資料請求・デモで対応) | なし(資料請求・デモで相談) |
| 対象規模の目安 | 中〜大規模 | 中〜大規模 | 中規模〜(在庫・出荷も一元化。クラウド型だが費用はパッケージ相当) | 食品卸(中小〜中規模) | 個人・中小(スモールスタート) | 個人・中小(飲食店) | 中小〜中規模(幅広い業種) | 個人・中小 | 中小〜中規模(BtoB EC立ち上げ) | 中小〜中規模(BtoB EC・受発注) | 生鮮卸・飲食(現場発注) | 食品卸・飲食/給食事業者 | 中小(メーカー・卸売業者) | 中小〜大規模(卸・製造) | 中〜大規模(飲食・宿泊・給食と食品卸) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
また、以下の記事では受発注システムについて、機能や取引先の使いやすさ、選び方を詳しく解説しています。費用の目安が付いたうえで製品を本格的に比較検討したい方は、ぜひこちらもご覧ください。
以下では、費用の観点で候補になる受発注システムを、提供形態と料金体系の特徴とあわせて個別に紹介します。
1. DX BtoB Web受発注システム(株式会社マルウェブ)

Magento(Adobe Commerce)を基盤にしたパッケージ型のBtoB Web受発注システムで、株式会社マルウェブが提供します。SaaSではなく自社のサーバー環境へシステム一式を展開する形態で、取引先別価格や見積依頼、CSV発注など企業間取引に必要な機能を標準で備えます。
導入費用は、標準パッケージ300万円(税抜)に、環境展開や初期設定を含む導入サポート・基本パック150万円(税抜)〜を加えた合算構成です。月額は保守費用が中心で、サーバー保守が月額4万円〜、24時間365日対応は月額6万円の追加になります。
商品・顧客・価格データの入れ込みは別途費用で、カスタマイズの範囲に応じて総額が変わります。パッケージ型・開発型の高い価格帯にあたり、自社の商流に合わせて作り込みたい企業が対象です。
この価格帯になる背景について、同システムを提供する株式会社マルウェブの前山氏は、SaaS・フルスクラッチとの費用面の違いから次のように説明します。
SaaSは導入しやすい反面、こうした個別の要件に対応しづらい場合があります。一方のフルスクラッチは自由度こそ高いものの、初期費用や開発期間、将来の保守負担が大きくなります。その中間として、BtoBに必要な機能を標準化したパッケージをベースにし、必要な部分だけを個別対応する形を取っています。こうすることで、コスト・導入スピード・柔軟性のバランスを取りやすくしています。
2. アラジンEC(株式会社アイル)

FAXや電話で行っていた企業間の受注・発注をWeb化し、注文データを基幹システムへ取り込むBtoB専用のWeb受発注システムです。得意先ごとの商品・単価・決済の出し分け、掛け払い、最低ロット設定など、企業間取引特有の商習慣に標準対応します。
料金はカスタマイズ規模に応じた3段階で、公式がモデルケースとして初期費用400万円〜(中規模800万円〜、大規模1,500万円〜)、月額7万円〜(同10万円〜、15万円〜)を提示しています。月額は注文数・取引金額によらない固定型で、従量課金はありません。
1社ごとの個別見積もりが前提で、要件定義から基幹連携、稼働支援までが費用に含まれます。取引先ごとの複雑な条件を作り込みたい、中〜大規模の受発注に向く価格帯です。
3. TS-BASE 受発注(竹田印刷株式会社)

竹田印刷株式会社が自社の物流・通販事業の運用ノウハウをもとに提供する、クラウド型の受発注・在庫管理システムです。発注者向けの注文サイト、物流拠点向けの倉庫システム(WMS)、管理者向けの管理システムを組み合わせて、受注から出荷までを一元管理します。
料金はプラン別で、初期費用29万円〜50万円、月額10万円〜14万円(いずれも税抜)です。導入事例ベースでは、商品マスタ件数やアカウント数に応じて初期50万円〜150万円・月額14万円〜26万円という幅も公開されています。
最低契約期間は1年で、注文する側(発注者)のアカウントは無料です。クラウド型ですが費用はパッケージ相当(中間)の帯で、在庫・出荷管理までまとめて持ちたい企業の選択肢になります。
4. TANOMU(タノム)(株式会社インフォマート)

取引先の飲食店・小売店が使い慣れたLINEから発注できる、卸売業者向けの受発注SaaSです。電話・FAX・メールの注文も1画面に集約し、精肉・青果・鮮魚・酒類など食品卸売の業務に合わせたテンプレートを備えます。
料金は、発注側(飲食店・小売店)が無料、受注側(卸売業者)が月額課金という片側課金モデルです。受注側の月額・初期費用はプランによって異なり、公式では金額を公開していないため、導入時は資料請求や見積もりでの確認が必要です。
5. MARUGOAT(マルゴート)(leafworks, Inc.)

発注側・受注側の双方の視点で設計されたクラウド型受発注システムで、FAX・郵送・電話・メールに依存する受発注をオンライン化します。相手先が非会員でも招待リンクで取引できるゲストユーザー機能を持ちます。
初期費用0円・フリープラン0円(明細200件/月まで)から始められ、有料のビジネスプランは月額5,980円〜(明細1,000件/月まで、以降は取引量に応じた従量課金)です。インボイス制度対応や都度請求は有料プランで利用できます。
6. PlaceOrders(プレイスオーダーズ)(株式会社シンクロ・フード)

飲食店の食材発注に特化したアプリで、FAX・電話で行っていた発注をスマートフォン1台にまとめます。アプリから送った発注内容をシステムがFAX・メールの発注書に変換して送るため、発注先の卸業者がSaaS未導入でも既存のFAX運用のまま受け取れます。
費用は初期費用0円・無料プラン(FAX送信30回/月・データ発注無制限・発注会社3社/月まで)から使え、分析機能や店舗追加を含む有料プランが月額980円〜です。発注する飲食店側の視点で費用を抑えたい場合の選択肢になります。
7. CO-NECT(コネクト)(CO-NECT株式会社)

発注側が無料で使えるフリーミアムを軸にしたBtoBクラウド受発注システムです。iOS・Androidの専用アプリとブラウザに対応し、卸・小売・飲食・製造など幅広い業種で、取引先ごとに商品・単価を出し分けて受発注をデジタル化します。
受注側は初期費用0円で、フリープラン(月間受注10回・取引先1件・ID1)から始められます。有料プランは取引量・取引先数などに応じた個別見積もりで、具体額は公開されていません。発注側のFAX発注はビジネスプラン(月額3,000円・月50通まで)の有料オプションです。
8. COREC(コレック)(株式会社ラクーンコマース)

受注・発注フォームの作成や見積書・納品書・請求書のWeb作成を、初期費用・月額ともに0円の無料プランから使えるBtoBクラウド受発注システムです。発注する側は会員登録なしでも発注でき、スマホからのFAX・メール送信にも対応します。
機能を広げる有料のビジネスプランは、発注側が月額1,480円、受注側が月額2,980円(いずれも税抜)です。FAX送信は月200回までで、超過分は1回15円が加算されます。低価格帯でスモールスタートしたい中小企業に向く料金設定です。
9. Bカート(株式会社Dai)

取引先専用のBtoB ECサイト(Web受発注)を立ち上げられるSaaS型のプラットフォームです。取引先別の価格・掛率設定、クローズド運用、注文承認など企業間取引の機能を備え、最短即日〜数日でのスモールスタートを想定しています。
費用は初期費用80,000円(税抜・全プラン共通)に、月額9,800円〜79,800円(税抜)の段階プランを組み合わせる構成で、商品数・会員数の上限に応じてプランが分かれます。エンタープライズは個別見積もりで、30日間の無料トライアルがあります。
掛け払い・与信は本体ではなく決済サービス「Bカート掛け払い」で対応する構成で、利用時は別途の決済手数料がかかります。
10. スマレジEC・B2B(旧:楽楽B2B)(株式会社スマレジ)

取引先ごとの掛け率・販路・決済手段の設定に対応したBtoB受発注・BtoB ECカートのSaaSです。受発注機能のみのStandardと、ECカタログサイト構築まで含むProfessionalの2プランがあり、受発注から自社ECの立ち上げまで段階的に広げられます。
初期費用と基本月額は公式サイトで公開されておらず、要お問い合わせです。利用人数や商品数で費用が変わり、追加ユーザーは1人あたり月額980円、商品は5,000件追加ごとに月額10,000円が加算されます。
11. らくうけーる(株式会社シスプロ)

単価や規格が日々変動する生鮮品の受発注に対応したクラウド型EDIで、株式会社シスプロが提供します。青果・水産・食肉などの卸売や飲食店で、PCを開けない現場でもスマホ・タブレットから受発注できる運用を想定した設計です。
料金は、月額基本料金20,000円(税抜)に、担当者ID 2,000円/月・得意先ID 600円/月(1〜99件、100件以降は100円/月)・FAX送信10円/枚などの従量が積み上がる構成です。初期費用は要お問い合わせで、利用人数や取引先数で月額が変わります。
12. クロスオーダー(クロスマート株式会社)

飲食店と食品卸売業者をつなぐ受発注プラットフォームです。飲食店側はLINEやブラウザから発注でき、卸売業者側は飲食店から届くFAX注文をAI-OCRでデータ化できるため、取引先の発注手段を変えずに受注業務をデジタル化できます。
発注側(飲食店)・受注側(卸売業者)とも、料金は公式サイトで公開されておらず要お問い合わせです。クロスオーダーを契約すると、FAX-OCR機能は追加料金なく利用できるとされています。費用の詳細は見積もりでの確認が必要です。
13. コマロボ販売(株式会社コマースロボティクス)

見積書から受注・請求・会計までを一気通貫でつなぐ、見積連動型のWeb受発注システムです。EC一元管理(OMS)・倉庫管理(WMS)「コマースロボ」の基盤の上に、メーカー・卸売業者の受発注・販売管理を載せられる位置づけです。
初期費用は1万円からで、最低契約期間は3ヶ月、30日間の全機能トライアル(電話サポート付き)があります。月額費用は公式サイトに金額の記載がなく要お問い合わせで、初期費用を抑えて試したい中小企業に向く設計です。
14. MOS(モス)(株式会社アクロスソリューションズ)

FAXで届いた注文書もデータ化して取り込める、BtoBモバイルWeb受発注システムです。スマホ・タブレット・PCのブラウザから受発注を完結でき、販売管理・在庫・会計と自動連携して受注から出荷・請求までをつなぎます。
初期費用・月額ともに見積制(要お問い合わせ)で、利用店舗数や機能によって変わります。SaaS版の「MOS Lite」も用意されており、要お問い合わせで自社の規模に合う構成を確認する流れになります。
15. BtoBプラットフォーム受発注(株式会社インフォマート)

飲食・宿泊業界を中心に使われている受発注SaaSです。発注側(飲食店・ホテル・給食施設など)と受注側(食品卸・メーカー)を共通のプラットフォーム上でつなぎ、電話・FAX中心だった受発注・伝票処理をWeb上のデータに置き換えます。
費用は、発注側が本部・店舗単位の月額、受注側が月次の受領金額に応じた従量制で、いずれも具体額は公開されておらず要お問い合わせです。初期のセットアップ費用も金額は非公開のため、導入時は資料請求や見積もりでの確認が必要です。
まとめ
受発注システムの費用は、導入形態で大きく変わります。クラウド型(SaaS)は初期費用0円〜8万円程度・月額は無料プランから数万円程度で始められ、ハーフスクラッチ(パッケージ)型は初期数十万円〜数百万円・月額7万円前後〜十数万円が目安です(製品により下振れします)。フルスクラッチ開発は定価がなく、要件次第でパッケージ型の最上位帯を上回り、初期は数千万円〜が目安になります。
金額に差が出る理由は、初期費用・月額・カスタマイズやオプションという内訳と、定額制・ID課金・従量課金という料金体系にあります。取引量や利用人数が増えたときに費用が上がるかは体系によって異なるため、自社の想定件数で試算することが欠かせません。
取引先が少なく発注方法もそろえやすい企業は、無料プランや低価格のクラウド型からスモールスタートし、効果を確かめて広げる進め方が費用を抑えやすいでしょう。取引が複雑で基幹連携も求める企業は、パッケージ型・開発型で数百万円規模を見込むことになります。
費用を抑えたい場合はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の活用も選択肢ですが、補助率・上限・締切は変動するため、申請前に最新の公募要領で確認してください。費用対効果は、削減できる業務時間を人件費に換算して月額費用と並べると判断しやすくなります。候補を2〜3社に絞ったら、料金を公開している製品の資料を取り寄せ、見積もりを依頼して、自社の取引量での総額を確かめてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 受発注システムの費用はどのくらいが相場ですか?
A. 受発注システムの費用は、導入形態によって大きく変わり、クラウド型なら初期費用0円〜8万円程度・月額0円〜数万円程度、ハーフスクラッチ(パッケージ)型なら初期費用数十万円〜数百万円・月額7万円前後〜十数万円が目安です(製品により下振れします)。
フルスクラッチ開発には定価がなく要見積もりで、カスタマイズ型パッケージの最上位帯を上回ることもあります。取引量・利用人数・カスタマイズの範囲で金額が動くため、相場は当たりをつける目安として使い、実額は各社の料金ページや見積もりで確認してください。
Q. 無料で使える受発注システムはありますか?
A. 受発注システムには、初期費用0円・無料プランから始められる製品が複数あります。COREC・MARUGOAT・PlaceOrdersは初期費用0円で、無料プランや低価格の有料プランから利用でき、CO-NECTも発注側を無料にしています。
ただし無料プランは取引明細数やFAX送信回数などに上限があり、インボイス対応や都度請求、FAX発注といった機能は有料プランやオプションになることが多いため、必要な機能が無料枠で足りるかを確認してから使い始めると安心です。
Q. 受発注システムはクラウド型とパッケージ型で費用がどれくらい違いますか?
A. 受発注システムの費用は、クラウド型が初期費用0円〜8万円・月額数万円程度で始められるのに対し、ハーフスクラッチ(パッケージ)型は初期費用数十万円〜数百万円・月額7万円前後〜と、とくに初期費用で大きく上回ります。
差が出る理由は、クラウド型が既存機能をそのまま使うのに対し、パッケージ型は自社の商流・価格体系・承認フロー・基幹連携に合わせて作り込むためです。複雑な要件がなければ、まずクラウド型で要件を満たせないかを確認すると、費用を抑えやすくなります。
Q. 受発注システムの見積もりで見落としやすい費用項目はありますか?
A. 受発注システムでは、在庫連携・請求書発行・EDIやAPIによる基幹システム連携・導入支援といった追加機能が、基本料金とは別のオプション費用になりやすい点に注意が必要です。利用人数(ID)や商品数の追加、独自ドメインの利用などで月額が積み上がる製品もあります。
基本料金が安く見えても必要な機能を足すと総額は変わるため、必要な機能を洗い出してから見積もりを依頼すると、導入後に想定外の費用で膨らむ事態を避けられます。
Q. 月額費用が「要お問い合わせ」の受発注システムは、どう費用を見積もればよいですか?
A. 要お問い合わせの受発注システムは、取引量・取引先数・利用人数などの自社の条件を伝えて個別見積もりを取るのが基本です。受発注システムには料金を公開している製品と、取扱量に応じて個別見積もりとする製品が混在し、CO-NECTの有料プランやTANOMU(受注側)のように金額を公開していないものがあります。
想定する取引件数や必要な機能を整理したうえで複数社から見積もりを取ると、相場観がつかめて比較しやすくなります。
Q. 受発注システムの導入に使える補助金はありますか?
A. 受発注システムの導入には、中小企業のデジタル化を支援する「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」の活用を検討できます。対象ツールの導入費用の一部を補助する制度ですが、補助率・補助上限額・公募スケジュール・締切は年度や申請枠、回次によって変わります。自社が対象になるか、補助率や上限、締切がどうなっているかは、申請前に必ず最新の公募要領で確認してください。
Q. 受発注システムを他社へ乗り換えるとき、初期費用は再びかかりますか?
A. 受発注システムの乗り換えで初期費用が再発生するかは、移行先の導入形態によって変わります。初期費用0円のクラウド型へ移れば初期の持ち出しは抑えられますが、パッケージ型・開発型へ移る場合は、システム構築やマスタ登録、既存データの移行、研修などの初期費用が改めて発生します。乗り換えを検討する際は、移行作業にかかる費用と手間も含めて総額で比較すると判断を誤りません。
Q. 個人事業主や小規模な事業者でも受発注システムを導入できますか?
A. 個人事業主や小規模な事業者でも、初期費用0円・無料プランや低価格のクラウド型から受発注システムを導入できます。COREC・MARUGOAT・PlaceOrdersのように個人・中小向けに無料枠や月額数百円〜数千円のプランを用意する製品があり、まず一部の取引からWeb化を試してから広げるスモールスタートに向いています。
取引量が増えてきたら上位プランへ移行する進め方なら、初期の費用を抑えられます。
Q. 受発注システムの費用対効果はどう判断すればよいですか?
A. 受発注システムの費用対効果は、削減できる業務時間やミスを人件費に換算し、支払う費用と並べて判断します。中小企業庁の実証では、EDIを導入した中小企業で平均51.4%の業務時間削減効果が示されており、受発注システムも企業間のデータ連携で転記や確認の手間を減らすため、同様の効果が期待できます。
現在の受発注業務に月あたり何時間かかっているかを見積もり、削減できる時間を金額に換算して月額費用と並べると、導入可否の判断材料になります。
受発注システムの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、受発注システムの最新資料を無料で一括請求できます。初期費用・月額・料金体系・提供形態など、比較に必要な情報をまとめて確認できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















