案件ごとの予算・実績・工数・原価がExcelや個別のシステムに散らばり、プロジェクトの採算がリアルタイムに見えない。そんな状態に心当たりはないでしょうか。受託開発・広告制作・コンサルティング・建設など、案件単位で動く企業では、締めてから赤字に気づく、進行中の見込みが読めないといった悩みがつきまといます。
全社の予実管理システムはあっても案件粒度では使えない、プロジェクト管理ツールの予実機能で足りるのか判断できない、という声もよく聞かれます。機能・料金・対応範囲を見比べて、自社のプロジェクト予実に合う製品をどう見極めればよいのでしょうか。
本記事では、プロジェクト(案件)単位で予算・実績・工数・原価・採算を管理できる主要21サービスを、機能・料金・対応範囲の面から横断で比較し、各製品を見比べて選べるよう整理します。2つのタイプ(細かくは3つの系統)の違いや業種ごとの向き・不向き、料金の目安に加え、提供企業へのインタビューや公式の導入実績まで盛り込み、資料請求の判断材料にできる形でまとめました。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、プロジェクト(案件)ごとに予算と実績を突き合わせ、工数・原価・採算まで管理したい企業に向けて、それに対応できるサービスを比較します。案件を収益と費用の管理単位として扱える製品に絞り、機能・料金・対応範囲から見比べられるようにしています。
一方、全社や部門全体の予算編成・予実を幅広く比較したい場合は、案件単位に絞らない予算管理システム全般を扱った記事のほうが探しやすいでしょう。自社が見たい単位が「案件ごとの採算」なのか「全社・部門の予算」なのかを先に決めると、候補を絞り込みやすくなります。
全社・部門を軸にした予算管理システムの比較は、次の記事でタイプ別の選び方や料金・機能を整理しています。
プロジェクト(案件)単位の予実管理とは
ここからは、プロジェクト単位の予実管理が何を指すのか、なぜ全社の予実管理システムやプロジェクト管理ツール単体では不足しがちなのかを整理します。
プロジェクト(案件)単位の予実管理とは、案件ごとに予算と実績を突き合わせ、工数・原価・採算までを一つの単位で管理する取り組みです。見積時に立てた予算に対し、実際にかかった人件費・外注費・経費を積み上げ、進行中でも損益がどう着地しそうかを見通せる状態をつくります。
仕組みの中心にあるのは、工数と単価を掛け合わせて人件費を原価に変換する考え方です。メンバーが案件に費やした作業時間に、グレード別の単価を掛けて人件費を算出し、外注費や経費と合わせて案件ごとの原価を集計します。これを予算と比べることで、差異と採算が見えてきます。

予算と実績の差異を分析して手を打つ進め方は、公的機関もプロジェクトの進捗管理における標準的な手法として位置づけています。案件の予実管理は、こうした差異管理を費用・採算の面まで広げたものと捉えると理解しやすくなります。
予実管理そのものの基本的な進め方は、予算を立てて実績を集め、差異を分析して対策を打つという流れが土台になります。予算設定から差異分析までの手順やExcelでの予実管理表の作り方は、次の記事で5ステップに分けて解説しています。案件単位の予実に取り組む前に、予実管理の基本の型を押さえておきたい方は参考になります。
全社の予実管理システムは、部門や勘定科目を軸に予算と実績を集約するのが得意ですが、案件ごとの採算にまで粒度を落とせない製品もあります。反対にプロジェクト管理ツールは、タスクや進捗、工数の可視化が中心で、予算と実績の突合や原価計算をネイティブに備えないものが少なくありません。
案件単位で予実を握れるようになると、赤字になりそうな案件を締める前に把握でき、早い段階で人員配置や見積りの見直しに動けます。Excelでの集計を続けていた企業では、月次の集計や予実差異の確認にかけていた工数を減らせる効果も期待できます。
Excel・個別システムで管理する限界
多くの企業は、はじめは案件の予実をExcelや個別のシステムで管理します。件数が少ないうちは十分に回りますが、案件や関係者が増えるにつれて、いくつかの限界が見えてきます。
第一に、データの分散と二重入力です。見積・工数・経費・請求がそれぞれ別のファイルやシステムに散らばると、同じ数字を何度も入力することになり、転記ミスも起きやすくなります。
第二に、集計の手間とリアルタイム性の欠如です。月末にファイルを集めて突き合わせる運用では、採算が見えるのは締めた後になり、赤字の発覚が遅れます。進行中の案件の着地見込みを、知りたいときに確認できません。
第三に、属人化です。複雑な関数やマクロは作成者以外に中身が見えにくく、担当者の異動や退職で管理が止まるリスクを抱えます。これらの課題が重なったとき、案件単位の予実をシステムで管理する必要性が高まります。
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プロジェクト予実管理サービスの2つのタイプ
ここからは、プロジェクトの予実を扱えるサービスを、管理したい範囲の違いから大きく2つのタイプ(細かくは3つの系統)に整理します。「プロジェクト管理ツールの予実機能で足りるのか、予実管理・経営管理システムまで要るのか」という迷いに答える切り口です。
現場で案件の予実・原価を回したいタイプ
案件別の予算・実績・原価・収支を現場で回すタイプで、入り方が大きく2つの系統に分かれます。一つは、タスクや工数、ガントチャートといった案件の進め方の管理に予実・原価を紐づける工数一体型(PSA型)です。プロジェクト管理ツールを源流とし、工数の入力をそのまま人件費・原価につなげられます。
もう一つは、販売・会計データに案件という軸を足して案件収支を見る案件収支・販売会計型です。販売管理システムやERPを起点とし、見積・受注・請求のデータに原価を紐づけて案件ごとの損益を把握します。いずれも受託開発・制作・建設など、案件を回しながらリアルタイムで収支を握りたい現場に向いています。
全社・部門・プロジェクトの予実を経営管理として一元化したいタイプ
会計や販売管理と連携し、部門や案件ごとの予算・実績・見込みを集約して経営判断に使う経営管理一元化型です。予実管理・経営管理システムを源流とし、案件の採算を全社・部門の数字と同じ基盤で見通せる点に強みがあります。
複数の軸で予実を分析でき、案件を分析単位の一つとして扱える製品が該当します。管理部門や経営企画が主役となり、案件単位の採算と全社の着地見込みを一体で管理したい企業に適しています。
自社に合うタイプ・系統を、管理したい範囲と主役になる部署から見比べると判断しやすくなります。大きくは2つのタイプ、細かくは3つの系統に分かれ、それぞれに該当する主なサービスは以下のとおりです。

| 現場で案件の予実・原価を回す(工数一体型/案件収支・販売会計型) | 予実を経営管理として一元化(経営管理一元化型) | |
|---|---|---|
| こんな企業に向く | 受託開発・制作・建設など、進捗・工数と一体で、または販売・会計データに案件軸を足して、案件の予算・実績・原価・収支をリアルタイムに握りたい現場 | 会計・販売管理と連携し、案件単位の採算と全社・部門の予実を同じ基盤で集約したい管理部門・経営企画 |
| 該当する主なサービス | プロカン、ZAC、Reforma PSA、楽楽販売、freee販売 など | X-KPI、Scale Cloud、Amoeba Pro など |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別のサービスの対応範囲や機能の詳細は各社情報をご確認ください。
プロジェクト予実管理サービスの選び方
ここからは、自社に合うプロジェクト予実管理サービスを絞り込むための観点を解説します。案件単位で工数・原価・採算まで握れるかを中心に、次の5つの軸で候補を比べると判断がぶれません。
1. 管理したい範囲が合っているか。タスク・進捗だけでよいのか、工数・原価・採算・収支まで必要なのかで、選ぶべきタイプが変わります。案件ごとに予算と実績を突き合わせて差異を見たいなら、予実の突合をネイティブに備えた製品が前提になります。必要な範囲を超えた高機能な製品は、使いこなせず費用倒れになりがちです。
2. 会計・既存システムと連携できるか。実績の原価や請求データを手入力で突き合わせる運用では、二重入力と転記ミスが避けられません。自社が使う会計ソフトや販売管理システムと、CSV取り込みか自動連携のどちらで繋がるかを確認します。連携方式によって、運用開始後の集計工数が大きく変わります。
3. 工数から原価への変換ができるか。案件の採算を正しく見るには、メンバーの作業時間を単価で人件費に換算し、原価に反映できる必要があります。グレード別の標準単価を設定できるか、工数入力が原価計算と連動するかは、受託型の企業にとって重要な分岐点です。
4. 複数案件を横断して管理できるか。案件が同時並行で走る企業では、1案件ずつの収支だけでなく、全案件を横断して採算や工数の負荷を見渡せるかが運用を左右します。部門別・顧客別などの切り口で集計できると、経営判断にも使いやすくなります。
5. 操作性・サポート・提供形態が自社に合うか。現場のメンバーが日々工数を入力し続けられる操作性か、初期設定やExcelからの移行を伴走してもらえるかは、定着を左右します。クラウドかオンプレミスか、料金が利用人数に見合うかも、提供形態として確認しておきます。
業種別の向き・不向きはどう見るか
案件型の業種は、工数・原価・採算の握り方がそれぞれ異なります。自社の業種特性に合う製品像を押さえておくと、絞り込みが進めやすくなります。
システム受託開発やSIでは、工程ごとの工数と外注費が原価の大半を占めるため、工数から人件費を換算し、工事進行基準にも対応できる製品が向きます。広告・Web制作やクリエイティブでは、案件の回転が速く、見積・発注・請求まで案件に紐づけて素早く収支を見られる製品が使いやすいでしょう。
コンサルティングでは、人の稼働がそのまま原価になるため、要員のアサインと工数の予実を細かく扱える製品が適します。建設・工事では、工事ごとの実行予算と原価の管理、進行基準での会計計上への対応が要点になります。業種ごとに重視する機能が違うため、タイプと機能の両面で候補を照らし合わせることが大切です。
導入前に確認したい注意点は何か
製品を選ぶ前に、導入後の後悔につながりやすい点をいくつか確かめておくと安心です。
まず、自社が見たい粒度で本当に予実を扱えるかです。「プロジェクト対応」とうたっていても、案件が分析軸の一つにとどまり、案件ごとの予算と実績の突合までは想定していない製品もあります。デモや資料で、案件単位で予算と実績を並べて見られるかを具体的に確認します。
次に、既存システムとの連携や、工数入力の運用負荷です。連携が手作業頼みだと集計が楽になりません。現場が工数を入力し続けられる設計か、移行時のデータ登録をどこまで支援してもらえるかも、事前に見積もっておきます。製品によっては、予実管理に別製品の追加契約が前提となる場合もあるため、必要な機能が一つの契約で揃うかを確かめましょう。
プロジェクト予実管理サービスの料金・費用の目安
ここでは、導入の桁感をつかむために、タイプ別の料金の目安を整理します。以下は2026年10月時点における一般的な傾向で、具体的な金額は各社の料金体系や後述の比較表でご確認ください。
進捗・工数と一体で予実・原価を管理するタイプは、クラウド型で初期費用が無料〜数十万円、月額が数万円からというレンジが中心です。工数管理を起点とする製品では、1ユーザーあたり月額数千円から利用できるものもあります。
経営管理として予実を一元化するタイプや、基幹システムと一体で案件原価を扱う製品では、料金を公開せず個別見積もりとするケースが多く、初期費用が数十万円から数百万円規模になることもあります。料金が非公開の製品は「要お問い合わせ」として扱い、推測で判断しないことをおすすめします。
料金は利用人数や管理したい範囲、連携する会計システムの範囲によって変わります。自社に必要な機能を満たす候補に絞ってから、資料で具体的な見積りを取り寄せると、費用対効果を判断しやすくなります。
30秒でわかるプロジェクト予実管理サービス選定診断
自社に合うタイプ・系統や、どの製品が業種・規模・管理したい範囲に合うか迷う場合は、以下の選定診断ツールもご活用ください。数問の設問に答えるだけで、自社に合う候補を絞り込めます。
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【比較表】プロジェクト予実管理サービスの横断比較
ここからは、2つのタイプ(3つの系統)を同じ土俵で見比べられるよう、主要21サービスを横断で比較します。案件別の予算・実績・工数・原価・採算への対応、会計・既存システムとの連携、提供形態、料金、対象規模・業種適性をまとめました。
| サービス名 | OBPM Neo | プロカン | クラウドERP ZAC | MA-EYES | Reforma PSA | OBIC7 プロジェクト管理 | HUE Classic Project Management | SMILE V Project Director | プロジェクト収支管理Rebo | Biz∫(ビズインテグラル) | SmileWorks | 楽楽販売 | freee販売 | Lychee Redmine | クラウドログ | Flagxs | LEEAD | GRANDIT miraimil | X-KPI | Scale Cloud | Amoeba Pro |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 系統(タイプ) | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 案件収支・販売会計型 | 案件収支・販売会計型 | 案件収支・販売会計型 | 案件収支・販売会計型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 工数一体型 | 案件収支・販売会計型 | 経営管理一元化型 | 経営管理一元化型 | 経営管理一元化型 |
| 案件別の予実管理 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △(IT業向けで対応) | ● | ● | ● | ●(プレミアム以上) | ● | ●(2024年10月〜対応) | ● | △(ERPの原価管理) | ●(案件を一単位として) | ●(プロジェクト単位のPL) | ●(プロジェクト別分析) |
| 工数→原価の自動化 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △(外注費・経費が中心) | △(会計起点の原価管理) | △(人件費配賦はオプション) | △(工数管理あり・人件費自動計算は非公開) | △(工数管理は別契約) | ●(プレミアム以上) | ● | ● | △(人件費原価設定あり・工数反映は非公開) | △(ERPの原価管理) | △(会計実績を集約) | △(会計実績を集約) | △(会計実績を集約) |
| 会計・販売連携 | 会計・販売・勤怠と連携 | 会計連携(奉行・freee・弥生・MF) | 販売管理を内包/会計へ仕訳連携 | 販売管理を内包/勘定奉行とAPI連携 | 販売・購買を内包/会計へ仕訳出力 | 同一ERPの会計・人事給与と連携 | 見積〜原価計算〜会計仕訳まで一貫 | SMILE V会計・勤次郎と連携 | 勘定奉行・大蔵大臣とアドオン連携 | 会計・販売を内包(ERP) | 会計・販売を内包(ERP) | 販売管理を内包/会計連携(奉行・freee等) | freee会計と自動連携 | API連携(会計連携は非明示) | 勤怠連携中心(会計連携は非明示) | 外部会計連携は非明示 | CSV連携中心 | 会計・販売を内包(ERP) | 会計ソフトとAPI連携 | 奉行・freee会計・Salesforce連携 | 会計・販売とファイル連携(奉行はオプション) |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド(SaaS/一括/SaaS+) | クラウド | オンプレ/プライベートクラウド | オンプレ/クラウド | オンプレミス | オンプレミス | オンプレ/クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレ | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド |
| 料金目安 | 月額10.5万円〜(税別) | 初期16.5万円〜/月額3.3万円〜(税込) | 初期10万円/保守月6万円〜 | 要問い合わせ | 初期0円/月額3万円〜(税抜) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 初期0円/月額5,000円〜(税別) | 初期20万円/月額7万円〜(税抜) | 初期0円/月額約4万円〜(税抜) | 月額0〜2,100円/ユーザー(税別) | 初期費用別/月額600円〜/ユーザー | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額45万円〜 | 要問い合わせ | 月額15万円〜 | 要問い合わせ |
| 対象規模・業種 | システム開発・SI | IT・制作・建設 | IT・広告・コンサル等 | IT・SES・コンサル・広告 | 中小の案件型(50名以下目安) | IT・コンサル・工事・広告 | 大手・中堅のプロジェクト型 | 広告制作・SI・コンサル | 企画・制作業 | 大手企業 | 中小企業 | 業種問わず | 中小・案件型 | IT・SI等 | IT・制作等(工数起点) | 中〜大企業・SI | 広告・コンサル・IT | 中堅・中小企業 | 多業種(経営管理) | 多業種(経営管理) | 多業種(経営管理) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る |
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プロジェクト予実管理サービスの個別紹介
ここからは、各サービスのプロジェクト予実への対応範囲と、向き・不向きを個別に紹介します。先に整理した2つのタイプごとに分けて取り上げます。
プロジェクトの進捗・工数と一体で予実・原価を管理するサービス
案件の進捗や工数の管理に、予算・実績・原価・収支を紐づけて現場で回せるサービスです。工数の入力がそのまま採算の可視化につながる工数一体型と、販売・会計データに案件軸を足して収支を見る案件収支・販売会計型の両系統を、ここでまとめて紹介します。
1. OBPM Neo(株式会社システムインテグレータ)

OBPM Neoは、株式会社システムインテグレータが2008年に「SI Object Browser PM」として提供を始め、2021年にクラウド版へ刷新したプロジェクト管理システムです。PMBOKの10の知識エリアを一つのシステムでカバーし、システム開発業を主な対象としています。
案件ごとの進捗と採算をEVM(出来高による進捗・コスト評価)で定量把握でき、工数の入力がそのまま原価・収支に反映されます。勤怠・販売管理・会計システムと連携し、月次の仕掛原価や完成原価を会計システムへ出力する運用にも対応します。
料金は月額105,000円(税別)からで、Basic・Limited・Enterpriseの3エディションに分かれます。案件別の原価管理機能が使えるのはEnterpriseエディションで、ライセンスは最低10から、社員・パートナー・顧客で係数を分ける課金です。導入は300社以上・約56,000ユーザーとされています。
工程別の工数・原価をEVMで厳密に追いたいシステム開発・SI企業に向く一方、小規模チームや開発業以外には機能や最低ライセンス数が過剰になりがちです。
2. プロカン(株式会社PROCAN)

案件単位で進行する受託型ビジネスに特化した、株式会社PROCANのクラウド型プロジェクト収支管理システムです。IT・制作・建設向けにプロカンIT・プロカン制作・プロカン建設工事の3ラインを用意しています。
案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化します。社内人員の工数は「工数×労務単価」で人件費に換算し、外注費と合わせて案件の粗利を把握できます。見積・請求・経費精算・稟議承認までを一つの入力データから処理できる点も特徴です。
料金は初期費用150,000円(税込165,000円)から、月額30,000円(税込33,000円)からで、利用するID数に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとして案内されています。
見積から請求までを一つの入力で回したい中小の受託型企業(IT・制作・建設)に向き、全社の会計・経営管理まで一元化したい大企業にはやや軽量な位置づけです。
3. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

東証プライム上場の株式会社オロが手がける、プロジェクト型ビジネス向けの統合型クラウドERPがクラウドERP ZACです。IT・広告・コンサル・士業など、案件単位で業務が進む業種を対象としています。
売上に外注費・仕入・労務費・経費を紐づけ、案件損益をリアルタイムに可視化します。工数を入力すると案件別の労務費として自動集計され、直接作業は指定案件に直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦する個別原価計算に対応します。
初期費用は10万円、保守費用は月6万円からで、月額は機能(モジュール)×ライセンス数の課金です。モジュール別の単価は製品資料での開示となります。導入は1,100社超・約35万ライセンス(公式、基準時点の記載なし)とされています。
個別原価計算で案件損益を厳密に集計したい中〜大規模のプロジェクト型企業に向いており、小規模で手軽に始めたいなら同社のReforma PSAが収まりやすい製品です。
4. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

株式会社ビーブレイクシステムズのMA-EYES(エムエーアイズ)は、プロジェクト型ビジネスに特化したクラウドERPです。システム開発・SES・コンサルティング向けの「V ver.」と、広告業向けの「A ver.」の2ラインを展開しています。
日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映し、月別に原価の予算と実績をグラフで比較できます。工数はマスタに設定した基準時間単価と作業時間を掛けて労務費に換算され、配賦基準には工数・人数・売上高のほか面積や机の数といった情報も設定できます。
導入形態はSaaS・一括・SaaS+の3種類から選べ、料金は利用人数と機能で変わる個別見積もりです。30日間の無料トライアルが用意されています。
工数から人件費・原価を細かく配賦して開発・SES・広告の案件原価を管理したい企業に適します。規模を問わず導入形態を選べる反面、料金は個別見積もりのため予算感は早めに確認しておきましょう。
5. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAは、クラウドERP「ZAC」と同じ株式会社オロが提供する、案件・プロジェクト型ビジネス向けの案件管理システムです。公式はZACの機能を標準機能に絞ってパッケージ化したものと説明し、従業員50名以下を目安としています。
実行予算を入力して案件別の原価を自動計算することで、仕掛中の案件でも損益を把握できます。工数登録を前提に労務費・共通費を配賦し、予定と実績の工数を対比して労務費の上振れをタイムリーに確認できます。
料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からで、販売管理・購買管理・勤怠管理などの機能別ライセンスを利用人数分だけ組み合わせる方式です。導入期間は1〜2か月程度とされ、導入実績は500社以上です(2024年12月時点)。
従業員50名以下を目安に、低コストで案件損益の管理を始めたい小規模の受託型企業に向きます。多機能なERPが必要になれば、上位のZACへの移行を見据えるのが現実的です。
6. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューションは、株式会社オービックの統合業務ソフトウェア「OBIC7」を構成するモジュールの一つです。IT関連業・コンサルティング業・設備工事業・広告関連業など、案件単位で収益を管理する業種を対象としています。
引合いから受注・売上・開発・発注購買・外注支払・経費までを案件ごとに一元管理します。実行予算と実績・着地見通しを突き合わせ、仕掛/完成振替や間接費・共通費の配賦、標準原価から実際原価への洗替えといった段階を踏んだ原価計算に対応します。
同じOBIC7の会計情報・人事給与情報ソリューションとシームレスに連携できる点が、同一ERP内での強みです。提供形態はオンプレミスとプライベートクラウドから選べ、料金は要問い合わせとなっています。
会計・人事給与まで同じOBIC7基盤でそろえ、案件原価を段階的な原価計算で押さえたい中〜大規模企業に向いています。単機能の案件管理だけを安く導入したい企業には、オーバースペックに感じられるでしょう。
7. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

株式会社ワークスアプリケーションズのHUE Classic Project Managementは、案件ごとの採算の可視化から原価計上までを統合するプロジェクト収支管理システムです。SI・工事・コンサルティング・研究開発などプロジェクト型の業種を対象としています。
案件管理・プロジェクト原価策定・プロジェクト予実管理の各機能で、案件単位の予算・実績・原価を管理します。見積・受注・売上・請求から発注・仕入・支払までを一括で扱い、月次決算では原価計算から仕訳・会計連携までを一連で処理します。
提供形態はオンプレミス型のパッケージに加え、AWSやOCI上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」を選べます。導入事例は大手・中堅企業が中心で、料金は要問い合わせです。TDK株式会社では毎月の集計・分析業務が1週間程度から1日に短縮したとされています。
見積から原価計上・会計連携までを一貫させたい大手・中堅のプロジェクト型企業に向いています。少人数・低予算で手早く始めたい企業には、規模が合いにくいでしょう。
8. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

SMILE V 2nd Edition Project Directorは、大塚商会グループの株式会社OSKが開発する「SMILE V」シリーズの業種特化製品です。広告制作業・SI業・コンサルティング業など、案件単位でビジネスを進める業種を対象とし、販売・サポートは株式会社大塚商会が担います。
見込みの発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを案件単位で一元管理し、収支をリアルタイムに見える化します。予定値・着地見込み・最終結果を比較するシミュレーションで異常値を早期に把握でき、Web画面での工数入力から案件ごとの労務費を算出します。
勤怠管理システム「Universal 勤次郎」と連携して勤怠と工数を紐づけ、案件ごとの労務費を原価へ反映できます。提供はオンプレミスが中心で、料金は要問い合わせ、体験版の申し込みが用意されています。
オンプレミス中心で案件の見込みから入金までを一元管理したい広告制作・SI・コンサル企業に向きます。クラウドで手早く始めたい企業には、オンプレ前提がネックになり得ます。
9. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboは、株式会社ディータイドが企画・制作業向けに提供するプロジェクト収支管理パッケージソフトウェアです。広告制作・TV番組制作・映画制作・アニメーション制作・イベント企画など、案件単位で売上と原価が発生する請負型のビジネスを対象としています。
案件ごとに売上・原価・経費精算を一元管理し、受注予算・原価予算と実績の差額を月単位の予算実績対比表で確認できます。仕入費・外注費・仮払・即時支払などをまとめる債権債務機能を備え、進行中の損益から先々の資金繰りまでを見通せます。
勘定奉行・大蔵大臣にはアドオン版を用意し、伝票登録と同時に仕訳データを自動作成します。提供形態はクラウドではなくオンプレミス型で、料金は要問い合わせ、デモの依頼に対応しています。
広告・映像・イベントなどの企画制作業で、外注費・経費を軸に案件の予実対比を見たい企業に向いています。社内メンバーの工数から人件費を細かく積む用途には、工数連携の強い製品が適します。
10. Biz∫(ビズインテグラル)(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

Biz∫(ビズインテグラル)は、株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供する国産のERPパッケージです。会計・販売・購買・在庫・人事給与を一つの基盤で扱い、大手企業を主な対象としています(公式は年商500億円以上を目安)。
会計モジュールにプロジェクト原価管理を備え、IT業向けの業種別テンプレートでは案件単位の予算管理に対応します。必要な業務モジュールとユーザー数の組み合わせで購入でき、一般会計のみといった最小単位から段階的に導入できます。
提供形態はオンプレミス、サブスクリプション型の「Biz∫Optima」、両者を組み合わせたハイブリッドから選べます。料金は要問い合わせで、採用社数は2,000社を突破しています(2025年12月時点、公式)。
案件単位の予実は全社ERPに付随する位置づけで、会計・販売を一つの基盤に統合したい大手企業(とくにIT業)向けです。案件採算の管理だけが目的なら、専用の案件管理システムのほうが導入しやすいはずです。
11. SmileWorks(スマイルワークス)(株式会社スマイルワークス)

販売・会計・給与などをひとつにまとめた中小企業向けの統合型クラウドERPが、株式会社スマイルワークスのSmileWorks(スマイルワークス)です。各業務の入力が会計仕訳まで自動で連動する設計で、プロジェクト別収支管理を主軸に据えています。
売上・仕入・稼働工数・経費を案件ごとに集約し、案件単位で予算を入力して実績と対比できます。工数の入力(稼働報告)自体は標準機能ですが、工数を人件費として案件別に自動配賦するには、給与ワークスの契約と月額5,000円(税別)の配賦機能オプションが必要です。
案件管理機能は販売ワークスを契約していれば追加費用なしで使え、販売ERPプランのみ月額3,000円(税別)のオプション扱いとなります。料金は初期0円・月額5,000円(税別)の販売ERPプランから、機能をモジュール単位で追加していく構成です。
販売・会計データを一つのクラウドERPでつなぎ、その延長で案件収支も見たい中小企業に向きます。人件費を案件別に自動配賦するには、給与ワークスと配賦オプションの追加が要る点は確認が必要です。
12. 楽楽販売(株式会社ラクス)

楽楽販売は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の販売管理システムです。見積・受注・売上・請求・入金の一元管理を中核としつつ、プログラミング不要で画面や帳票を自社の業務に合わせて組める点を特徴としています。
案件・プロジェクト単位に受注情報(売上)と発注情報(原価)、間接費などの原価データを紐づけることで、収支をリアルタイムに自動集計します。工数と原価・利益率を紐づける工数管理機能もあり、原価率の悪化を早期に察知できます。
料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円(税抜)からで、利用人数やデータベース数に応じて変動します。累計導入社数は6,000社を突破しています(2025年12月時点)。
見積から請求までの販売管理データに案件軸を足して収支を見たい企業に向き、画面を自社業務へ自由に組める点が強みです。工数から人件費を積み上げる原価管理が主目的なら、工数連携型のほうが近い選択になります。
13. freee販売(フリー株式会社)

freee販売は、フリー株式会社が2022年に提供を開始したクラウド型の販売管理システムです。見積から受注・売上・請求・入金、案件別の原価・粗利までを一元管理し、同社のクラウド会計ソフト「freee会計」と自動連携する設計を主軸としています。
案件ごとに売上と仕入を登録すると、案件別の売上・粗利が自動で算出されます。2024年12月に加わった原価推移レポートでは、進行中案件の月別原価実績を可視化し、利益率の低下や赤字の兆候を早めに検知できます。
人件費を含めた原価管理には、別製品「freee工数管理」との連携(別契約)が前提となります。料金は初期費用0円で、個人・小規模向けのスタータープランが月額約5,000円から、案件型ビジネス向けのスタンダードプランが月額約40,000円から(いずれも年払い・税抜の参考価格)です。
freee会計と連携して案件別の売上・粗利を手早く見たい小〜中規模の案件型企業に向いています。人件費まで含めた原価管理には別製品「freee工数管理」の追加契約が前提となる点に注意してください。
14. Lychee Redmine(株式会社アジャイルウェア)

Lychee Redmineは、株式会社アジャイルウェアが提供する、オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」をベースにガントチャートなどのUIを拡張した有償サービスです。クラウド版とオンプレミス版の両方があります。
プレミアムプラン以上ではコストマネジメント機能が使え、コストグループ別の工数単価と作業時間から人件費を自動算出します。経費も入力して予算・コスト予想・収支予測を可視化でき、EVM(出来高管理)でコスト効率や進捗の兆候を把握できます。
料金は1ユーザー月額でフリー0円・スタンダード900円・プレミアム1,400円・ビジネス2,100円(いずれも税別、10ユーザー単位)です。案件の工数・原価・EVMを扱うには、これらを含むプレミアムプラン以上が必要で、全有料プランで30日間の無料トライアルを利用できます。
Redmineベースで工数・進捗を管理しながらEVMで収支も見たいIT・SI企業に向きます。案件の工数・原価を扱うにはプレミアムプラン以上が必要な点を踏まえて検討するとよいでしょう。
15. クラウドログ(CrowdLog)(株式会社クラウドワークス)

工数管理を起点に原価管理まで広げたクラウドサービスが、株式会社クラウドワークスのクラウドログ(CrowdLog)です。カレンダー連携でメンバーの作業時間を記録する工数管理を土台に、その実績データから原価を組み立てる点が特徴です。
メンバーごとに設定した単価と工数実績を掛け合わせて工数原価を算出し、プロジェクト単位で売上予算・原価予算と実績を突き合わせて損益を可視化します。予算の消化状況をリアルタイムに監視し、超過が見込まれる場合はアラートで知らせます。
KING OF TIMEやジョブカンなどの勤怠管理ツールと連携して勤務時間を取り込めます。料金は初期費用が別途必要で、月額はベーシックが1ユーザー600円から、プレミアムが1,500円から。最低利用期間は12か月で、7日間の無料トライアルがあります。
工数管理を起点に単価から原価を積み上げ、予算の消化をアラートで見張りたいIT・制作企業に適します。会計連携や販売データからの収支把握を重視するなら、他タイプを軸に検討するとよいでしょう。
16. プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス株式会社)

プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス)は、フラッグス株式会社が提供するクラウド型のプロジェクトマネジメントプラットフォームです。成果物・工程・タスクの3階層でWBS(作業分解構成図)を標準化し、タスクと工数のデータを一元管理します。
2024年10月に加わったプロジェクト損益管理では、進行中のプロジェクト単体の損益を予実でリアルタイムに把握できます。人件費は要員グレード別に単価を設定でき、工数実績から自動で金額に換算されます。複数プロジェクトを横断するリソースアサイン管理で、メンバーの過剰な割り当ても特定できます。
情報セキュリティのISO/IEC 27001と、クラウドセキュリティのISO/IEC 27017を取得しています。中〜大企業やSI企業を主な想定とし、料金は要問い合わせとなっています。
WBSを標準化して複数案件のリソースと損益を予実で管理したい中〜大企業・SI企業に向いています。小規模で手早く収支だけ見たい用途には、作り込みがやや重めです。
17. LEEAD(株式会社ETVOX)

バックオフィス全体ではなくプロジェクト会計に機能を絞ったクラウドサービスが、株式会社ETVOXのLEEAD(リード)です。クリエイティブ・広告、士業・コンサルティング、IT・システムの各業種を対象としています。
プロジェクトごとに売上・工数・費用の計画値と実績値を登録し、予実を管理します。部署横断・顧客別・独自グループ別のセグメント分析に対応し、事業全体との関係を見ながら個別プロジェクトの収益性を判断できます。
2025年10月には日単位で実績工数を入力する「LEEAD工数管理」が加わり、入力データがLEEAD本体へ自動連携されます。料金は公開されておらず要問い合わせで、30日間の無料お試しが用意されています。
バックオフィス全体ではなく案件の予実・収益性の分析に絞りたい制作・士業・IT企業に向きます。会計・販売との自動連携を重視するなら、CSV連携中心である点を確認しておくと安心です。
18. GRANDIT miraimil(GRANDIT株式会社)

GRANDIT miraimilは、国産の統合型ERP「GRANDIT」の知見を継いだ、中堅・中小企業向けのクラウドERPです。経理・販売・プロジェクト原価など11の基幹業務を、単一の共通マスタで連携させて使います。
11業務のなかにプロジェクト原価管理を含み、販売と会計を連携させて請求・支払・仕訳の自動化に対応します。インボイス制度や電子帳簿保存法といった法制度改正にも対応すると公式が説明しています。
月額費用は45万円から(利用者10名・月1万伝票・財務管理と販売管理を使う想定条件)で、初期費用は個別見積もりです。恒久的な無料プランはなく、1か月間の無料トライアルで試してから本番契約へ進む形です。導入期間は3〜6か月程度、国内実績は約1,500社とされています。
案件原価は11の基幹業務の一つという位置づけで、複数業務をまとめてクラウドERP化したい中堅・中小企業向けです。案件の予実管理だけを始めたい企業には、月額45万円からのERP全体導入が前提となる点が重く映るかもしれません。
全社・部門・プロジェクトの予実を経営管理として一元化するサービス
会計や販売管理と連携し、案件単位の採算を全社・部門の予実と同じ基盤で集約できる経営管理一元化型のサービスです。経営判断に使える形で予実を一元化したい企業に向く製品を紹介します。
19. X-KPI(株式会社パブリックアイデンティティ)

部門・拠点・プロジェクトごとのKPIと予実データをクラウド上に集約し、リアルタイムに可視化するツールです。全社や部門の予算・実績に加えて、案件を一つの管理単位として同じ基盤で扱えます。
予実のズレや異常値を自動で検知し、原因とともにチャットツールへ通知する仕組みを備えます。KPI項目やダッシュボードはノーコードで設計でき、会計ソフトやグループウェアとはAPIで連携します。
利用料は公開されておらず、企業ごとの個別見積もりとなります。導入実績は業種のみの公表で、大手のメディア・金融・小売・IT・制作会社の5社です。全社・部門の予実と案件単位のKPIを一元的に把握したい企業に向きます。
全社・部門のKPIと予実を案件単位まで同じ基盤で可視化し、ズレを自動検知したい経営管理部門に向いています。現場で工数から案件原価を積み上げる用途には、進捗・工数一体型のほうが近い製品です。
20. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

公認会計士である代表が設計した経営管理クラウドで、財務数値(PL・BS・CF)と非財務指標のKPIを関連づけて一元管理します。部門や得意先に加えてプロジェクト単位でもPLを扱え、KPIを積み上げて予算を組み立てられます。
複数パターンでの予算作成と着地見込みの更新に対応し、経営用・管理部用・事業部用など複数のダッシュボードで多軸分析や異常値の自動検知を行えます。勘定奉行クラウドやfreee会計とのデータ連携、SalesforceとのAPI連携、GoogleスプレッドシートやCSVでの取り込みにも対応します。
料金は現行の公式案内では月額15万円からとされており、まずはこの金額を基準にするとよいでしょう(連携ページや過去のインタビューには月額10万円からとの記載も残ります)。公式の導入事例では、他社システムからの乗り換えで工数を約40%削減、Excel・スプレッドシートからの移行では予実管理の工数が6分の1になったと公表しています。
同社がPLとKPIを結びつけて管理する設計に至った背景について、代表取締役の広瀬氏はインタビューで、全社の財務数値を軸にした従来の管理会計の限界に触れています。
従来の管理会計では、財務データを部門別や得意先別など様々な切り口で分析するのですが、それだけでは「この結果にどうやって至ったのか」というプロセスがまったくわからないです。事業の状況を正しく理解するためには、結果だけでなくそこに至るプロセスも含めて把握しなければ、どこに問題があるのか見えてこない。これが管理会計の限界だと感じていました。
財務数値と非財務KPIを結びつけ、部門・得意先・案件のPLを多軸で管理したい企業に向きます。現場の工数入力から原価を細かく積む運用が主目的なら、PSA型のほうが合います。
21. Amoeba Pro 管理会計クラウド(京セラコミュニケーションシステム株式会社)

京セラグループのKCCSが提供するクラウド型の管理会計システムです。予算の作成から集計、実績の連携までを自動化し、部門別・商品別・プロジェクト別などの切り口でリアルタイムに分析します。
部門・事業・商品・プロジェクトなど最大6つのセグメントを設定し、その組み合わせによるマトリックス分析や、配賦・徴収といった管理会計の運用ルールに沿った処理に対応します。「売上高÷人員」のような独自の計算式で、非財務のKPIも設定できます。
料金はユーザー数に応じた個別見積もりで、最低利用期間は12か月です。提供開始時(2020年8月)には月額65,000円/5ユーザーから(税抜)と公表されていました。公式の導入事例では、月次決算後のExcel集計に要した10数日を2〜3日へ短縮し、部門別だった分析をプロジェクト別・顧客別・担当別へ広げたケースが紹介されています。
最大6つのセグメントで配賦を含む管理会計を運用し、部門・案件別に予実をリアルタイム分析したい企業に適します。案件の工数・原価を現場で入力して回す用途には、別タイプのほうが向きます。
まとめ
プロジェクト(案件)単位の予実管理サービスは、進捗・工数と一体で原価・採算まで現場で握るタイプと、全社・部門の予実と同じ基盤で経営管理として一元化するタイプに大きく分かれます。自社が見たい単位と主役になる部署を起点に、どちらに近いかを見極めることが選定の第一歩です。
その上で、管理したい範囲・会計や既存システムとの連携・工数から原価への変換・複数案件の横断管理・操作性といった軸で候補を比べると、評判や機能に流されずに絞り込めます。業種ごとに重視すべき機能も変わるため、タイプと機能の両面で照らし合わせてください。
気になる製品が見つかったら、資料を取り寄せて案件単位の予実にどこまで対応できるかを具体的に確かめましょう。以下から、ご紹介した各社の資料をまとめて請求できます(Lychee Redmineなど一部の製品は各公式サイトでご確認ください)。
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よくある質問(FAQ)
Q. プロジェクト(案件)単位の予実管理とは何ですか?
A. プロジェクト(案件)単位の予実管理とは、案件ごとに予算と実績を突き合わせ、工数・原価・採算までを一つの単位で管理する取り組みです。見積時に立てた予算に対して、実際にかかった人件費・外注費・経費を積み上げ、進行中でも損益の着地見込みを把握できる状態をつくります。全社や部門を軸にした一般的な予実管理を、案件という単位まで落とし込んだものと捉えると理解しやすくなります。
Q. プロジェクト管理ツールと予実管理システムは、プロジェクトの予実管理ではどう違うのですか?
A. プロジェクト管理ツールはタスク・進捗・工数の可視化が中心で予算と実績の突合や原価計算を標準では備えない製品が多く、予実管理・経営管理システムは部門・勘定科目単位の集約が得意な反面、案件ごとの採算まで粒度を落とせない製品もあるのが違いです。本記事はこの観点で2つのタイプに整理しました。現場で案件採算を回したいか、経営判断に使える形で一元化したいかで選ぶタイプが変わります。
Q. プロジェクト予実管理サービスは、Excelでの管理と何が違うのですか?
A. Excel管理で起きがちなデータの分散・二重入力、集計の手間、関数やマクロの属人化を解消し、案件ごとの採算を締める前に把握できる点が違います。Excelは案件や関係者が少なければ回りますが、増えると転記ミスや集計の遅れ、担当者の異動で管理が止まるリスクが高まります。進行中の案件の着地見込みを知りたいときに確認できる状態をつくれるのが専用サービスの利点です。
Q. プロジェクト予実管理サービスでは、工数や原価を案件ごとに紐づけられますか?
A. 進捗・工数一体型の多くは、作業時間に単価を掛けて人件費を出し、外注費や経費と合わせて案件ごとの原価として自動集計できます。標準単価をグレード別に設定できるか、工数入力が原価計算と連動するかは製品差があり、受託型企業には重要な分岐点です。工数の案件別配賦に別オプションや別製品との連携(別契約)が前提の製品もあるため、資料やデモで対応範囲を確かめると安心です。
Q. プロジェクト予実管理サービスは、会計ソフトや既存システムと連携できますか?
A. 多くの製品が、自社の会計ソフトや販売管理システムとCSV取り込みか自動連携(API)のいずれかで繋がります。実績原価や請求データを手入力で突き合わせる運用は二重入力と転記ミスが避けられないため、どの会計システムとどの方式で繋がるかは重要な選定ポイントです。連携方式で運用開始後の集計工数が変わるので、既存システムとの相性を事前に確かめましょう。
Q. プロジェクト予実管理サービスの料金はどのくらいかかりますか?
A. 料金は進捗・工数一体型のクラウド型が初期費用無料〜数十万円・月額数万円から、経営管理一元化型や基幹一体型は個別見積もりで初期数十万〜数百万円規模になることもある2つのレンジに分かれます(2026年10月時点の傾向)。利用人数・管理範囲・連携する会計システムの範囲で変わり、料金非公開の製品も少なくありません。候補を絞って資料で見積りを取ると費用対効果を判断しやすくなります。
Q. 小規模な企業や少人数のチームでも、プロジェクト予実管理サービスを導入する価値はありますか?
A. 小規模な企業や少人数のチームでも、案件ごとの予算と実績を突き合わせて赤字の兆候を早く察知したいなら、プロジェクト予実管理サービスを導入する価値はあります。近年は月額数千円〜数万円から使えるクラウド型や、従業員50名以下を目安とした製品もあり、小規模から段階的に始められます。早い段階で案件単位の採算を見る習慣をつくっておくと、案件数が増えても集計に追われずに済みます。
Q. プロジェクト予実管理サービスは、導入にどのくらいの期間がかかりますか?
A. プロジェクト予実管理サービスの導入期間は、製品や管理したい範囲によって幅があり、標準的なクラウド型で数週間〜数か月、基幹システムと一体の製品では数か月規模になることもあります。既存システムとの連携範囲や、工数・原価の配賦ルールの作り込みの複雑さによって変わります。まずは必要な範囲に絞ってスモールスタートし、効果を確かめながら対象を広げると、現場に定着させやすくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















