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中小企業向け年末調整システム比較19選|タイプ別に料金・給与ソフト連携で選ぶ

中小企業向け 年末調整システム比較のサムネイル画像
給与計算ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要14サービスの料金・機能を無料で一覧比較

給与計算ソフト比較表(2026年版)

年末が近づくたびに、申告書の配布と回収、記入漏れの差し戻しに追われていないでしょうか。従業員数が数十名から300名ほどの中小企業では、年末調整の実務が少人数の担当者に集中し、紙やExcelでの運用が大きな負担になりがちです。

年末調整システムを使えば、従業員からの申告をWeb上で集め、控除計算や源泉徴収票の作成までを自動化できます。ただし製品は、年末調整だけを担うものから、給与計算や労務管理と一体になったものまで幅があり、自社の規模や既存システムによって向き不向きが分かれます。

本記事では、中小企業向けの年末調整システムを3つのタイプに分けて19製品を比較します。公開されている料金は規模別の実額で、非公開の製品は確認のポイントを添えて横並びにし、既存の給与計算ソフトとの連携やスマホ入力への対応まで整理しました。自社に合う1本を選ぶための判断材料としてご活用ください。

また、自社の既存システムと規模に合うタイプを最短で見つけられるよう、「30秒でわかるタイプ診断」も用意しています。あわせてご利用ください。

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本記事が対象とする中小企業

本記事は、従業員数十名から300名程度を目安に、いまは紙やExcelで年末調整を進めている中小企業の給与・労務担当者に向けた内容です。少人数で年末調整を回しており、申告書の回収や計算の手間を減らしたい、という課題を想定しています。

従業員規模が大きい企業や、中小企業という条件を外して年末調整システム全体から比べたい場合は、以下の記事のほうが選択肢を広く見渡せます。

給与計算そのものも含めて、企業規模を問わず幅広く製品を比べたい場合は、年末調整に対応する給与計算ソフトを横断的に比較した以下の記事が参考になります。

中小企業の年末調整システムとは

年末調整システムは、従業員からの控除申告をWeb上で集め、記入内容のチェックや年税額の計算、源泉徴収票の作成までを支援するツールです。紙の申告書を配って回収し、電卓やExcelで計算していた作業を、画面上の入力と自動計算に置き換えます。

中小企業にとっての意味は、担当者1人あたりの負荷を下げられる点にあります。従業員が各自のスマホやPCから申告すれば、担当者は回収状況を一覧で確認し、不備のある人だけに差し戻せます。以降では、中小企業が抱えがちな課題と、システム導入で何が変わるのかを整理します。

中小企業の年末調整でよくある課題

中小企業の年末調整には、少人数ゆえの課題が集まりやすい特徴があります。代表的なものは次の4つです。

  • 紙・Excelでの配布と回収に手間がかかる:申告書を印刷して配り、回収して不備を確認し、書き直しを依頼する往復が、年末の数週間に集中します。
  • 年末に業務が集中する:通常の給与計算や決算準備と重なり、短期間に処理をさばく必要があります。
  • 少人数の担当者に負荷が偏る:年末調整を1人または数人で担うと、属人化しやすく、担当者が不在になると業務が止まります。
  • 法改正や控除制度の変更に追従しにくい:様式や計算方法の変更を毎年キャッチアップする手間がかかり、手計算では誤りも起きやすくなります。

とくに紙とExcelの運用は、転記ミスや計算ミスが起きても気づきにくく、差し戻しのたびに担当者の確認工数が増えます。この積み重なった手間が、システム導入を検討する最初のきっかけになりやすい部分です。

年末調整システムの導入で変わること

システムを導入すると、これまで手作業だった工程の多くが自動化・省力化されます。中小企業の実務で効果が大きいのは、次のような変化です。

  • 申告書の配布・回収をオンライン化できる:従業員は質問に答える形式で入力し、担当者は紙を配らずに依頼と回収を済ませられます。
  • 入力不備を自動でチェックし、差し戻しが減る:必須項目の記入漏れや計算の整合を画面上で検知するため、やり直しの往復が少なくなります。
  • 提出状況を可視化できる:誰が未提出かが一覧でわかり、個別の催促を標準化できます。
  • 控除計算や年税額の計算を自動化できる:申告内容をもとに控除額や年税額が計算され、手計算の誤りを防ぎます。
  • 給与計算ソフトや人事労務システムと連携できる:年末調整の結果を給与計算や源泉徴収票の作成に引き継ぎ、二重入力を減らせます。

どの効果をどこまで得られるかは、後述するタイプや製品によって差があります。自社がまず減らしたい手間はどれか、という視点で読み進めると、必要な機能を見極めやすくなります。

中小企業向け年末調整システムの選び方

ここからは、中小企業が自社に合う年末調整システムを選ぶための5つの判断軸を解説します。製品名は後半の比較表と診断で示すため、ここでは何を基準に見るかに絞ります。

従業員規模に合う料金体系か

年末調整システムの料金は、初期費用と月額・年額、そして従業員1人あたりの従量課金の組み合わせで決まります。中小企業では、少人数でも割高にならない最低料金かどうかが、まず確認したい点です。

月額制か年額制か、基本料金に何名まで含むか、何名目から従量課金になるかは製品ごとに異なります。従業員の増減が見込まれる場合は、人数が増えても費用が急に膨らまない料金設計かを、採用計画と照らして確認しておくと安心です。

従業員がスマホで迷わず入力できるか

年末調整の申告は全従業員が行うため、入力画面の分かりやすさが回収率と差し戻しの数を左右します。質問に順番に答えるアンケート形式や、スマホからの入力に対応していると、ITに不慣れな従業員でも迷いにくくなります。

初年度は従業員からの問い合わせが増えやすいため、ヘルプ表示や前年データの引き継ぎといった、入力を助ける機能の有無もあわせて見ておくと安心です。

入力不備のチェックや差し戻しなど運用機能が揃っているか

担当者側の工数を決めるのは、回収後の確認と差し戻しの機能です。入力内容の自動チェック、提出状況の一覧表示、未提出者への一括リマインド、不備のある申告だけを差し戻す仕組みがあると、少人数でも全体を管理しやすくなります。

これらは製品によって対応範囲が分かれる部分です。自社の年末調整でとくに時間を取られている工程はどこかを洗い出し、その工程を支える機能があるかで優先順位をつけると選びやすくなります。

いま使っている給与計算ソフト・人事労務システムと連携できるか

年末調整の結果は、最終的に給与計算と源泉徴収票の作成につながります。いま使っている給与計算ソフトとデータ連携できれば、年末調整の結果を転記する手間がなくなります。

連携の方式はAPIによる自動連携とCSVでの取り込みに分かれ、対応する給与ソフトも製品ごとに異なります。自社が使っている給与ソフトの名称を控えたうえで、その製品と連携できるか、できない場合もCSVで取り込めるかを確認しておくと、導入後の二度手間を避けられます。

セキュリティ・法改正対応・サポート体制は十分か

年末調整では、マイナンバーや家族構成といった機微な個人情報を扱います。通信の暗号化やアクセス権限の設定、認証取得の有無など、情報を安全に扱える仕組みが備わっているかを確認しておくことが重要です。

加えて、様式や控除制度の変更に自動で対応してくれるか、導入初年度にサポートを受けられるかも、少人数の体制では重要です。電話やチャットでの問い合わせ窓口と対応時間を、導入前に確かめておくとよいでしょう。

タイプ別に見る中小企業向け年末調整システム

年末調整システムは、年末調整の機能をどのシステムで賄うかによって、大きく3つのタイプに分けられます。いま自社がどのように給与・労務の業務を回しているかで、合うタイプが変わります。

年末調整システムを3つのタイプに整理した図。年末調整特化型は既存の給与ソフトを変えずに申告・回収・進捗管理だけを担い申告結果を給与ソフトへ引き渡す。給与計算ソフト一体型は給与計算と年末調整を1本で一元管理し給与データから年税額計算・源泉徴収票まで内蔵する。労務管理システム一体型は入退社やマイナンバー管理ごとWeb化し年税額計算は給与計算側で行う製品が多い。

年末調整だけを効率化したいタイプ(年末調整特化型)

いま使っている給与計算ソフトは変えずに、年末調整の機能だけを低コストで足したい企業に向くタイプです。従業員のWeb申告と担当者の進捗管理に特化しており、申告結果は給与ソフトへデータで引き渡します。

給与計算の仕組みを変えずに、年末調整の配布・回収・チェックだけを電子化したい中小企業に適しています。既存の給与ソフトと連携できるかが、導入可否の分かれ目になります。

給与計算とまとめて運用したいタイプ(給与計算ソフト一体型)

月々の給与計算・賞与計算と年末調整を、1つのソフトで一元管理するタイプです。給与データをそのまま年末調整の計算や源泉徴収票・法定調書の作成に使えるため、転記の手間がありません。

これから給与計算もクラウド化したい、あるいは給与ソフトの入れ替えを検討している中小企業に向きます。年末調整だけでなく給与計算全体を見直せるため、導入効果が業務全体に及びます。

労務手続きごと電子化したいタイプ(労務管理システム一体型)

入退社手続き、マイナンバー管理、年末調整といった労務全般をまとめてWeb化するタイプです。従業員情報を一度登録すれば各手続きで使い回せるため、二重入力が減ります。

年末調整に限らず、労務手続き全体をペーパーレスにしたい中小企業に向きます。年末調整の年税額計算は給与計算側で行う製品が多いため、給与計算をどこで担うかとあわせて検討すると選びやすくなります。

30秒でわかるタイプ診断

いまの給与・労務の進め方をもとに、自社に合うタイプと製品を提案します。いくつかの質問に答えるだけで、候補を絞り込めます。

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【比較表】中小企業向け年末調整システムの料金・機能比較

ここからは、中小企業向けの年末調整システム19製品を、タイプ・料金・最低利用人数・スマホ入力・給与ソフト連携などの観点で横並びに比較します。「自社の人数でいくらか」を確かめる材料としてご覧ください。

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サービス名マネーフォワード クラウド年末調整オフィスステーション 年末調整奉行Edge 年末調整申告書クラウドPCA Hub 年末調整(年末調整 for PCA Arch)S-PAYCIAL with 電子年調申告XOLOGY年末調整年調ヘルパー弥生給与 Next給与奉行クラウドマネーフォワード クラウド給与フリーウェイ給与計算KING OF TIME 給与ジンジャー給与SmartHRfreee人事労務ジョブカン労務HRジンジャー人事労務HRBrain 労務管理カオナビ 労務管理
タイプ年末調整特化型年末調整特化型年末調整特化型年末調整特化型年末調整特化型年末調整特化型年末調整特化型給与計算ソフト一体型給与計算ソフト一体型給与計算ソフト一体型給与計算ソフト一体型給与計算ソフト一体型給与計算ソフト一体型労務管理システム一体型労務管理システム一体型労務管理システム一体型労務管理システム一体型労務管理システム一体型労務管理システム一体型
年末調整の対応範囲申告書の収集〜年税額計算・源泉徴収票まで(既存給与はデータ取込)申告書の収集・控除額計算に特化(年税額計算は給与側、CSV連携)申告書の収集・配付に特化(給与計算は含まず既存給与へ連携)申告書の収集・進捗管理が中心(年税額計算はPCA給与/PCA Arch側)申告書の収集・控除計算に特化(既存給与へ連携)申告書の収集・入力チェックに特化(既存給与へ連携)申告書の収集に特化(既存給与へAPI/CSV連携)申告書の収集〜年税額計算・法定調書まで(給与計算を内蔵、ベーシックライト以上)年税額計算・源泉徴収票まで(給与計算を内蔵、申告書Web回収は奉行Edge連携)年税額計算まで対応(給与計算を内蔵、年末調整はクラウド年末調整と連携)申告書の収集〜年税額計算・源泉徴収票まで(給与計算を内蔵)申告書の収集〜年税額計算・給与支払報告書まで(給与計算を内蔵)年税額計算・帳票まで(給与計算を内蔵、申告書収集は人事労務側)申告書の収集が中心(年税額計算は給与計算の契約時、ない場合は外部給与へ出力)申告書の収集〜年税額計算・源泉徴収票まで(給与計算を内蔵。法定調書合計表は作成まで)申告書の収集〜年税額計算まで(ジョブカン給与と連携)申告書の収集が中心(年税額計算はジンジャー給与が担当)申告書の収集が中心(年税額計算は公式に記載がなく給与側で行う前提、CSV連携)申告書の収集・進捗管理が中心(給与計算はCSV連携)
初期費用0円110,000円(税込・初回のみ)0円要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ55,000円(初回のみ)0円0〜70,000円(初年度のみ)0円0円0円要問い合わせ0円0円要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
月額・年額月2,480円〜(ひとり法人・年払い、税抜)
スモール4,480円/ビジネス6,480円
6名目以降100円/名
年額11,000円〜(20名以下、税込)
21名〜は1名年額550円
月1,200円〜(20名、1名月60円)
年額14,400円〜
Hub版 年額10名5,280円〜(税込)
for PCA Arch 月400円〜(税抜・10名)
要問い合わせ
(試算例: 1名350円+基本料金1万円)
要問い合わせ330円/名/年月1,700〜7,000円(税抜・年契約時)
年20,400〜84,000円
月5,500円〜(iE・20名まで)
iS 月30,000円〜(300名まで)
月2,480円〜(ひとり法人・年払い、税抜)
スモール4,480円/ビジネス6,480円
0円(5人まで)
6人以上 月1,980円(税抜・年23,760円)
月300円/人(従量課金)月300円〜/人(税別・要問い合わせ)要問い合わせ月2,000円〜(ミニマム・5名分・年払い)
6名目以降400円/名〜
5名まで0円
有料プランは要問い合わせ
月300円〜/人(税別)
年調収集オプションは要問い合わせ
要問い合わせ要問い合わせ(登録人数により変動)
最低利用人数1名〜記載なし20名〜10名〜(10名単位)記載なし記載なし制限なし記載なし記載なし1名〜制限なし制限なし記載なし記載なし5名〜記載なし記載なし記載なし記載なし
スマホ・Web申告●●●●●●●●△申告書Web回収は奉行Edge連携△申告書収集はクラウド年末調整と連携●●△申告書収集は人事労務と連携●△従業員のスマホ入力はスターター以上●●●●
既存給与ソフト連携●他社給与からデータ取込△CSV連携(API連携は一部)●奉行系は直接/他社はCSV×PCA給与・Arch前提(他社は不可)●各種給与システムへCSV連携●各種給与システムへCSV連携●PCA・奉行は一部API/他はCSV給与計算を内蔵給与計算を内蔵給与計算を内蔵給与計算を内蔵給与計算を内蔵給与計算を内蔵●外部給与とCSV/API連携給与計算を内蔵●ジョブカン給与とワンクリック連携●ジンジャー給与と連携●各種給与システムへCSV連携●各種給与システムへCSV連携
対応規模の目安ひとり法人〜中小企業小規模〜中堅企業中小〜中堅企業(20名〜)中小〜中堅(PCA給与利用企業)中小〜大企業(事例30〜1,000名)規模の明示なし(事例は大企業)規模の明示なし中小企業(20〜300名目安)中小〜中堅(20〜1,000名)ひとり法人〜中堅企業小規模〜中小企業小規模〜大企業中小〜中堅企業小規模〜大企業小規模〜中堅企業小規模〜中堅企業中堅〜大企業(数百名〜)規模の明示なし中小〜大企業
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。「要問い合わせ」は公式に金額の掲載がないものです。プランにより条件や税込・税抜の別が異なるため、最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。

料金の読み解き方(人数が増えても膨らまないか)

年末調整システムの料金は、基本料金に含まれる人数と、それを超えた分の従量課金の設計を押さえると比較しやすくなります。たとえば初期費用が無料でも、1人あたりの単価が高いと、従業員数が増えるにつれて総額が大きくなります。

自社の現在の従業員数に加えて、数年先の人数も見込んで試算しておくと、導入後に想定外の負担が出にくくなります。料金が「要問い合わせ」の製品は、人数条件を伝えて見積もりを取り、他社の実額と並べて判断すると比較の精度が上がります。

中小企業向け年末調整システムおすすめ19選

比較表で取り上げた19製品を、3つのタイプごとに紹介します。各製品の機能・料金・連携・向く企業規模を具体的に見ていきましょう。

年末調整だけを効率化したいタイプ(年末調整特化型)

いまの給与計算ソフトを変えずに、年末調整の配布・回収・チェックだけを電子化したい中小企業に向く製品です。

1. マネーフォワード クラウド年末調整(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド年末調整の公式サイト

「マネーフォワード クラウド」シリーズの年末調整機能で、申告書の配布・回収から年税額の計算、e-Tax・eLTAXでの電子申告までをWeb上で完結できる製品です。給与計算ソフトは他社製のままでも、従業員・給与データをインポートして利用できます。

従業員は質問に答える「アンケートビュー」で申告でき、入力画面は英語表示にも切り替えられます。担当者側は進捗バーで回収状況を把握し、不備のある申告の差し戻しやリマインドを管理できます。

料金は税抜で、ひとり法人向けが年払い月額換算2,480円、小規模向けのスモールビジネスが4,480円、中小企業向けのビジネスが6,480円から利用できます。初期費用は0円で、6名目以降は1名あたり月100円の従量課金です。1か月の無料トライアルも用意されています。

2. オフィスステーション 年末調整(株式会社エフアンドエム)

オフィスステーション 年末調整の公式サイト

機能単位で契約できる人事労務クラウド「オフィスステーション」のうち、年末調整に特化した製品で、年末調整のみの単体契約に対応します。株式会社エフアンドエムが提供しています。

従業員は1問ずつ表示される質問に「はい」「いいえ」中心で答える形式で入力し、控除額は自動で算出されます。2年目以降は変更があった項目だけを更新すればよく、担当者は前年からの差分がハイライトされた画面で確認できます。

料金は税込で、従業員20名以下は年額11,000円の一律、21〜5,000名は1名あたり年額550円、初回のみ登録料110,000円がかかります。年末調整の情報はCSVで出力でき、一部の給与ソフトとはAPI連携にも対応します(連携の可否は利用中のソフトごとに確認が必要です)。

3. 奉行Edge 年末調整申告書クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

奉行Edge 年末調整申告書クラウドの公式サイト

従業員がWeb画面(スマートフォン可)で申告書を提出し、管理者が提出状況と控除額を確認する、年末調整の配付・回収に特化したクラウドサービスです。給与計算は含まず、既存の給与ソフトと連携して使います。

紙で提出した従業員分は管理者が代理入力でき、紙と電子を併用できます。前年からの変更点はハイライトで確認でき、控除額が上限に近づくとアラートが表示されます。給与奉行iクラウドなど自社シリーズ5製品と直接連携し、他社給与とはCSV出力で連携します。

料金は従業員20名で月額1,200円から(年額14,400円から)で、初期費用は0円、1ユーザーあたり月額60円・最小20名から利用できます。21名以上の価格と購入は、販売パートナー経由での問い合わせになります。

4. PCA Hub 年末調整(年末調整 for PCA Arch)(ピー・シー・エー株式会社)

PCA Hub 年末調整のウェブサイト

ピー・シー・エー株式会社が中小・中堅企業向けに提供する年末調整の電子化サービスで、「年末調整 for PCA Arch」としても案内されています(同一機能)。従業員はPC・スマートフォン・タブレットからアンケート形式で申告します。

担当者は全従業員のステータスを一覧で管理し、差し戻しや催促の通知メールをテンプレートから送れます。ただし利用にはPCA給与シリーズまたはPCA Arch 人事労務が前提で、他社の給与システムとは直接連携できず、汎用CSVでのマスター取り込みに限られます。

料金は、Hub版が年額のみで10名プラン5,280円(税込)から、PCA Arch のオプション版が10名で月額400円(税抜)から用意されています。申告データは給与システム側へ取り込まれ、過去の申請内容は8年分保存されます。無料体験も利用できます。

5. S-PAYCIAL with 電子年調申告(鈴与シンワート株式会社)

S-PAYCIAL with 電子年調申告の公式サイト

鈴与シンワート株式会社の人事・給与ソリューション群「S-PAYCIAL」の一つで、年末調整の申告をPC・スマートフォン・タブレットから行えるクラウドサービスです。電子給与明細とのセットのほか、年末調整単体での申込にも対応します。

従業員は登録情報の追加・変更など必要な入力を行い、扶養区分や基礎控除・配偶者控除などは自動で判定・計算されます。担当者は入力・提出状況をリアルタイムに確認でき、不備があれば差し戻しで修正を依頼できます。保険料控除のXMLデータ取り込みや、控除証明書画像のアップロードにも対応します。

正式な料金表は公開されておらず、契約料金は問い合わせが必要です。公式の試算例では、従業員1,000名で1名あたり350円+基本料金1万円(いずれも税抜)とされています。毎年の税制改正に合わせて版が更新され、2026年度版は令和8年度の税制改正に対応します。

6. XOLOGY年末調整(さくら情報システム株式会社)

XOLOGY年末調整の公式サイト

人事労務クラウド「XOLOGY」の一機能として、さくら情報システム株式会社が提供する年末調整申告のWeb収集サービスです。従業員はスマートフォン・PCから一問一答形式で申告書を入力します。前身は同社の「年末調整Web申告」です。

入力内容は自動でチェック・計算され、入力漏れや誤入力を防ぎます。管理画面では全従業員の申告状況をリアルタイムに把握し、未申告者への督促メールの一括送信や不備の差し戻しができます。控除証明書は、スマートフォンでの撮影・アップロードに対応します。

料金は公開されておらず、サブスクリプションと人数の組み合わせで決まるため、実額は問い合わせが必要です。前身サービスからの累計で730社・100万名の利用実績が公表されています。運営会社はISO/IEC 27001・ISO/IEC 27017の認証を取得しています。

7. 年調ヘルパー(株式会社クリックス)

年調ヘルパーの公式サイト

年末調整の申告書作成・提出をWeb化する、年末調整特化の申告支援サービスです。株式会社クリックスが提供し、給与計算機能は持ちません。従業員はブラウザから入力・提出するため、書類の配布と回収が不要になります。

保険料控除額の自動計算や前年データの複写に対応し、提出状況は自動で記録されます。給与奉行・PCA給与とは一部API連携、その他の給与システムもCSVの入出力があればCSV連携で対応します。管理者ページのIPアドレス制限や二段階認証の切り替えなど、アクセス制御の設定も備えます。

料金は初期費用55,000円(初回のみ・税込)に、利用料は1名あたり年額330円という構成です。源泉徴収票の電子配布は同社の別製品「Pay-Look」を併用すると対応でき、申込前にはデモを利用できます。

給与計算とまとめて運用したいタイプ(給与計算ソフト一体型)

月々の給与計算と年末調整を1つのソフトでまとめて運用したい中小企業に適した製品群です。

8. 弥生給与 Next(弥生株式会社)

弥生給与 Next

弥生給与 Nextは、弥生株式会社が提供するクラウド型の給与サービスです。給与・賞与計算から年末調整、法定調書の作成までを1つの契約でまかない、必要に応じて勤怠管理や労務管理の機能も組み合わせて使えます。

年末調整は、控除申告書のWeb回収までを担うエントリープランから、年税額の自動計算・源泉徴収票や法定調書の作成まで対応するベーシックライト以上まで、プランによって範囲が分かれます。料金は初期費用0円で、年契約時の月あたりはエントリー1,700円からベーシックプラス7,000円まで(いずれも税抜)。年末調整の計算まで自社で完結させたい場合は、ベーシックライト(月3,000円)以上が目安です。

給与・賞与の計算結果は弥生会計 Next へ仕訳データとして連携でき、両製品のセット購入では初年度が25%オフになります。公式サイトは20名以上と20名未満で案内を分けており、初回申込時は最大2か月、上位プラン相当の機能を無料で試せます。

9. 給与奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

給与奉行クラウド

給与奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供するクラウド型の給与計算システムです。給与・賞与計算や社会保険料の自動計算に加え、賞与支払届・算定基礎届・月額変更届などの社会保険関連書類を電子申請できます。

年末調整の年税額・還付金の計算は全プランの主な機能に含まれ、マイナンバーを記載した源泉徴収票や、法定調書合計表資料・給与支払報告書(総括表)の帳票も出力できます。ただし年末調整の申告書をWebで回収するには別製品「奉行Edge 年末調整申告書クラウド」が、法定調書の作成・電子申告には「法定調書奉行iクラウド」が必要です。

料金は従業員規模に応じた5段階で、20名までのiEシステムが月額5,500円(初期費用0円)、300名までのiSシステムが月額30,000円です。30日間の無料トライアルがあり、少人数から数百名規模まで同じ製品でカバーできます。

10. マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド給与

「マネーフォワード クラウド」シリーズの給与計算ソフトで、従業員情報の管理から給与・賞与計算、給与明細のWeb発行までをカバーします。会計・勤怠・人事管理といった同社のクラウドシリーズとデータ連携する前提で設計されています。

勤怠データはAPI連携とCSVインポートに対応し、KING OF TIMEやジョブカン勤怠管理など外部の勤怠システムとも連携できます。既存の勤怠システムを変えずに給与計算だけを切り替えやすい点が、一体型のなかでの特徴です。

年末調整は別製品「マネーフォワード クラウド年末調整」と連携し、過不足税額や還付額の計算結果を給与へ反映できます。料金は初期費用0円で、年払いの月あたりはひとり法人プラン2,480円、利用者3名以下のスモールビジネスプラン4,480円、4名以上のビジネスプラン6,480円(いずれも税抜)。1ヶ月の無料お試しがあります。

11. フリーウェイ給与計算(株式会社フリーウェイジャパン)

フリーウェイ給与計算

フリーウェイ給与計算は、株式会社フリーウェイジャパンが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。従業員5人までであれば、期間の制限なく無料で給与・賞与計算から年末調整、源泉徴収票の作成まで利用できます(クレジットカード登録は不要)。

無料プランと有料プランの違いは従業員数の上限・登録会社数・サポート体制で、計算や帳票の機能自体は共通です。従業員が6人以上になると有料プラン(月額1,980円・年額23,760円、税抜)へ切り替え、従業員数と登録会社数が無制限になります。

所得税や社会保険料・雇用保険料の自動計算、Web給与明細のメール配信、全銀データの出力に対応する一方、社会保険関連の電子申請には対応していません。数名規模のうちは費用を抑えて導入し、人数が増えてから有料に移る運用が向きます。

12. KING OF TIME 給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

KING OF TIME 給与

KING OF TIME 給与は、勤怠管理システム「KING OF TIME」を提供する株式会社ヒューマンテクノロジーズの給与計算モジュールです。KING OF TIMEに登録した勤怠・人事労務のデータが自動連携されるため、勤怠から給与計算までを二重入力なしで処理できます。

年末調整は、申告書のWeb収集・税額計算・給与支払報告書の出力まで対応します。申告書の収集ではAI-OCRや電子的控除証明書(XML)の読み取り、未提出者への自動リマインドに対応しており、従業員が証明書を撮影して取り込める仕組みを備えています。

料金は登録人数に応じた従量課金で、初期費用0円・1人あたり月額300円です。この月額はシリーズ共通の課金で、勤怠管理などを利用していれば給与機能は追加料金なしで使えます。30日間の無料体験があり、すでにKING OF TIMEで勤怠を管理している中小企業と相性のよい選択肢です。

13. ジンジャー給与(jinjer株式会社)

ジンジャー給与

jinjer株式会社の統合人事システム「ジンジャー」を構成する給与計算製品です。雇用区分ごとに複数の給与計算式を設定でき、企業独自の手当や計算方法にも対応します。勤怠や人事労務など同ブランドの製品と、共通ID・共通データベースで連携する点を訴求しています。

給与・賞与計算に加え、年末調整の自動計算、社会保険の月額変更・算定、Web給与明細の配信までをカバーします。ただし社会保険の届出書作成や電子申請は、別製品「ジンジャー人事労務」の社保手続きオプションが担う範囲で、ジンジャー給与単体の標準機能ではありません。

料金は「利用製品×利用人数」で決まる仕組みで、公式には月額300円〜(税別)と示されています。初期費用や1名あたりの単価、最低利用料金は公開ページに掲載がなく、資料請求や問い合わせで確認する設計です。導入前に1ヶ月の無料トライアルで操作感を試せます。

労務手続きごと電子化したいタイプ(労務管理システム一体型)

入退社やマイナンバー管理を含む労務全般を、年末調整とあわせて電子化したい中小企業向けの製品です。

14. SmartHR(株式会社SmartHR)

SmartHRの年末調整機能の紹介ページ

入退社手続きや雇用契約、マイナンバー管理などの労務業務をクラウドで扱うソフトで、年末調整もその一機能として使えます。労務管理クラウドの分野では、デロイト トーマツ ミック経済研究所『HRTechクラウド市場の実態と展望 2025年度版』で7年連続シェア1位とされています。

従業員はスマートフォンアプリやPCからアンケート形式で回答でき、保険料控除証明書はスマホで撮影するとAIが内容を読み取って入力します。管理者は提出状況をステータスで確認し、不備のある申告だけを差し戻せます。

年末調整の結果から給与明細や源泉徴収票を作成する給与計算機能もありますが、利用できるかは契約内容によって異なり、給与機能がない場合はCSVや国税庁の年調ソフト形式で出力して外部の給与計算システムに引き継ぎます。

料金は従業員数や課題に応じた見積もり制で、初期費用は無料、15日間の無料トライアルがあります。従業員30名までの無料プランも用意されていますが、年末調整機能まで使えるかは契約内容の確認が必要です。

15. freee人事労務(フリー株式会社)

freee人事労務の紹介ページ

会計ソフト「freee会計」を手がけるフリー株式会社が提供する、給与計算と労務管理を1つにまとめたクラウドソフトです。勤怠管理から給与計算、年末調整、社会保険の手続きまでを同じシステムで扱い、freee会計への給与仕訳連携にも対応します。

給与計算を自社に備えているため、年末調整の年税額計算から源泉徴収票の作成までを本体で行えます。従業員がスマホなどで各自入力する年末調整はスタータープラン以上が対象で、最下位のミニマムプランは管理者による入力に限られます。

料金は5名分の基本料金に6名目以降の従量課金を足す仕組みで、ミニマムプランは年払いで月額2,000円(5名分)から、6名目以降は1名あたり月額400円(税抜)が加算されます。初期費用はかからず、はじめの1ヶ月間は無料で試せます。

16. ジョブカン労務HR(株式会社DONUTS)

ジョブカン労務HRの紹介ページ

株式会社DONUTSが展開する「ジョブカン」シリーズの労務管理クラウドです。従業員情報の一元管理と、社会保険・労働保険の書類作成から申請までをカバーします。

年末調整機能はこの労務HRと「ジョブカン給与計算」のどちらからも使え、従業員のWeb申告、年税額を含む自動計算、提出状況の進捗管理に対応します。ジョブカン給与計算を併用すると給与・賞与データをワンクリックで連携でき、源泉徴収票の作成まで進められます。

料金は公式サイトに実額の記載がなく、中・小規模向けと大規模向けの区分が示されるのみで、具体的な費用は問い合わせが必要です。導入前に30日間の無料トライアルで操作を試せます。

17. ジンジャー人事労務(jinjer株式会社)

ジンジャー人事労務の紹介ページ

統合型人事システム「ジンジャー」を構成する製品の1つで、jinjer株式会社が提供します。従業員情報の一元管理や組織管理、各種帳票の電子申請など、労務業務全般をペーパーレスで扱えます。

年末調整は人事労務単体では完結しません。「年調収集オプション」が従業員からの申告書情報をWebで集め、年税額の計算や源泉徴収票の作成は別製品の「ジンジャー給与」が担う構成です。収集した情報は同じ人事データベースを通じて給与側へ自動連携されます。

料金は利用する製品と人数で決まり、1人あたり月額300円(税別)からと案内されますが、年調収集オプションの単価や初期費用は公開されていません。公式には数百名規模以上の企業を対象とした訴求が中心で、中小企業のなかでも200〜300名規模の上位帯に向く製品です。1ヶ月の無料トライアルが用意されています。

18. HRBrain 労務管理(株式会社HRBrain)

HRBrain 労務管理の紹介ページ

入退社手続きからマイナンバー管理、Web給与明細、年末調整までをクラウドで扱う労務プロダクトです。人事評価やタレントマネジメントを提供する「HRBrain」シリーズの一部として株式会社HRBrainが開発し、シリーズの人材データベースを共有できます。

年末調整は、従業員が設問に回答するだけで申告書を作成でき、スマートフォンやタブレットから提出できます。提出が遅れている従業員への一括催促にも対応します。ただし年税額の計算方法は公式ページに記載がなく、収集した情報はCSVで給与システムへ連携する前提です。

料金は利用人数に応じて変動する月額制で、実額は公開されておらず見積もりが必要です。問い合わせへの初回対応を5分以内とするサポート体制を掲げています。

19. カオナビ 労務管理(株式会社カオナビ)

カオナビの労務管理システムの紹介ページ

タレントマネジメントシステム「カオナビ」の労務領域を担う機能で、株式会社カオナビが提供します(旧ロウムメイト)。独立した製品ではなく、人材データベースに労務管理を組み合わせて使う選択制のオプションという位置づけです。

年末調整はWeb上で申告書の作成から回収まで行え、電子的控除証明書のアップロードや前年データのCSV一括登録に対応します。収集した労務データはカオナビの人材データベースに反映されるため、人事情報と年末調整の情報を別々に管理せずに済みます。

年税額の計算まで自製品で行うかは公式に明記がなく、給与システムとはCSVの受け渡しで連携します。料金は登録人数に応じて変わる非公開制で、必要な機能を組み合わせて見積もりを取る形です。

導入時の注意点とデメリット

年末調整システムは手間を減らせる一方で、導入時に押さえておきたい注意点もあります。期待と実際のギャップを避けるため、次の3点を確認しておきましょう。

  • 紙の確認が完全にはなくならない場合がある:控除証明書の種類や社内ルールによっては、紙での確認が残ることがあります。どの書類を電子化し、どれを紙で扱うかを事前に決めておきましょう。
  • 電子申告が難しい従業員への対応が必要:スマホやPCの操作に不慣れな従業員がいる場合は、紙との併用や個別のサポートを用意しておくと、初年度の混乱を抑えられます。
  • 給与計算への反映が別作業として残ることがある:年末調整特化型では、集めた申告データを給与計算ソフトへ取り込む工程が残ります。連携方式を確認し、取り込みの手間を見込んでおきましょう。

これらは製品選びとあわせて運用設計で吸収できる範囲です。導入前に自社の年末調整の流れを一度棚卸しし、どこを電子化してどこを従来どおり残すかを決めておくと、導入後のつまずきを減らせます。

システムの自社運用と比較したい選択肢として、年末調整を含む給与業務そのものを外部に委託する方法もあります。少人数での対応や属人化の負担を根本から減らしたい場合は、委託できる業務範囲や料金体系を整理した以下の記事もあわせてご検討ください。

年末調整の電子化の前提(義務範囲とやり方)

システムを選ぶ前に、年末調整の電子化がどこまで義務で、どこからが任意なのかを整理しておきます。「電子化しなければならないのか」という不安は、義務の範囲を正しく押さえれば解消できます。

国税庁によると、年末調整手続の電子化とは、従業員が控除証明書等のデータを使って申告書をデータで作成し、勤務先がそのデータを受け取って年税額を計算することを指します。これは、従業員から勤務先への申告をデータでやり取りする取り組みです。

この従業員から勤務先への申告の電子化は、企業に義務づけられているものではありません。国税庁のFAQでは、次のように説明されています。

平成30年度の税制改正により、年末調整関係書類をデータで提供できるよう手当てされましたが、必ずしもデータにより提供しなければならないわけではありません(年末調整関係書類を従前どおり書面で提出しても差し支えありません。)。

出典:年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)(令和8年10月改訂版)問1-8|国税庁

一方で、企業から税務署・市区町村への提出をめぐっては、電子提出が求められる範囲が広がっています。法定調書の電子提出義務の基準が引き下げられ、国税庁のタックスアンサーでは次のように示されています。

法定調書の種類ごとに、前々年の提出すべきであったその法定調書の提出枚数が「30枚以上」(令和8年12月31日以前に提出する法定調書については「100枚以上」)であるものについては、インターネットを利用したe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して送付する方法、光ディスク等(CD、DVDなどをいいます。以下同じ)を使用して提出する方法または国税庁長官の認定を受けたクラウドサービス等(以下「e-Tax等」といいます。)による提出が必要です。

出典:タックスアンサー No.7455 法定調書の提出枚数が30枚以上の場合のe-Tax、光ディスク等又は認定クラウド等による提出義務|国税庁

枚数の判定は法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきであった枚数で行います。令和9年1月に提出する分からは基準が30枚以上に下がるため、源泉徴収票や支払調書の枚数がこの水準に近い企業は、電子提出への対応を見込んでおく必要があります。

加えて、令和5年度税制改正で「源泉徴収票のみなし提出の特例」が設けられました。令和9年1月1日以後に提出すべき(令和8年分以後の)源泉徴収票については、一定の事項を記載した給与支払報告書を市区町村に提出すれば、税務署へ源泉徴収票を提出したものとみなされます。ただし、従業員本人への源泉徴収票の交付は従来どおり必要です。

電子化の手段としては、国税庁が「年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)」を無償で提供しています。ただし、これは従業員が申告書を作成するためのソフトで、勤務先側の処理には対応していません。

年調ソフトは従業員のためのソフトウェアです。勤務先が行う年税額の計算等の機能はありません。

出典:年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するよくある質問(FAQ)(令和8年10月改訂版)問5-13|国税庁

このため、勤務先が行う年税額の計算や、給与計算・法定調書の作成までを担うには、民間の年末調整システムや給与計算ソフトが必要になります。

出典・参考資料(3件)

失敗しない導入の進め方(初年度の周知と少人数運用)

年末調整システムは、導入初年度の進め方で定着のしやすさが変わります。少人数の体制でも無理なく回すために、次のステップで準備を進めると安心です。

  1. 対象業務を絞って始める:初年度から全工程を一気に電子化せず、まずは申告書の回収と進捗管理から始めると、現場の負担を抑えられます。
  2. 従業員への周知を早めに行う:入力方法の案内やよくある質問を夏から秋のうちに用意し、申告が始まる前に共有しておきます。初年度は問い合わせが増えやすいため、窓口を決めておくと混乱を防げます。
  3. 既存データとの連携方法を確認する:従業員情報や前年の申告データを移行できるか、給与計算ソフトと連携できるかを、申告開始前に設定しておきましょう。
  4. 終了後に課題を振り返る:初年度に出た問い合わせや差し戻しの傾向を記録し、翌年の案内やマニュアルに反映すると、2年目以降がさらに楽になります。

比較や設定には時間がかかるため、年末調整の開始直前ではなく、余裕をもって準備を始めることが、少人数運用で失敗しないコツです。

まとめ

中小企業向けの年末調整システムは、年末調整だけを効率化したいなら年末調整特化型、給与計算とまとめて見直すなら給与計算ソフト一体型、労務手続き全体を電子化したいなら労務管理システム一体型、というタイプの選び方が基本になります。

そのうえで、従業員規模に合う料金か、スマホで入力しやすいか、既存の給与ソフトと連携できるかを確かめると、自社に合う1本が見えてきます。気になる製品が絞れたら、資料を取り寄せて料金や機能を具体的に比べてみましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 年末調整システムとは何ですか?

A. 年末調整システムとは、従業員からの控除申告をWeb上で集め、記入内容のチェックや年税額の計算、源泉徴収票の作成までを支援するツールです。紙やExcelで行っていた申告書の配布・回収・計算を、画面上の入力と自動計算に置き換えることで、少人数の担当者でも年末調整を回しやすくなります。製品によって、年末調整だけを担うものから給与計算・労務管理と一体になったものまで幅があります。

Q. 中小企業に特におすすめの年末調整システムはどれですか?

A. いま自社がどのように給与・労務を回しているかで最適な製品が変わり、一律の正解はありません。既存の給与ソフトを変えず年末調整だけを効率化するなら特化型、給与計算ごと見直すなら給与計算ソフト一体型、労務手続きも含めて電子化するなら労務管理システム一体型が候補です。本記事の診断と比較表で、自社の規模と既存システムに合う製品を絞り込めます。

Q. 年末調整システムは給与計算ソフトとの連携が必須ですか?

A. 年末調整システムと給与計算ソフトの連携は、必須ではありませんが、連携できると年末調整の結果を給与計算へ転記する手間を省けます。API連携に対応していない場合でも、CSVの出力・取り込みで対応できる製品が多くあります。いま使っている給与ソフトの名称を控えたうえで、その製品と連携できるか、できない場合もCSVで取り込めるかを確認しておくと、導入後の二度手間を避けられます。

Q. 年末調整システムは従業員がスマホで迷わず入力できますか?

A. 多くの年末調整システムは、質問に順番に答えるアンケート形式やスマホからの入力に対応しており、ITに不慣れな従業員でも迷いにくい設計になっています。前年データの引き継ぎやヘルプ表示、控除証明書をスマホで撮影して取り込む機能を備えた製品もあります。初年度は従業員からの問い合わせが増えやすいため、入力方法の案内やよくある質問を早めに用意しておくと運用がスムーズです。

Q. 中小企業で年末調整システムの導入はいつ頃始めるべきですか?

A. 年末調整システムの導入準備は、年末調整の開始直前ではなく、夏から秋にかけて比較・設定を進めるのが安心です。製品の比較や初期設定に加え、従業員への案内やマニュアルの作成、既存データの整備にも時間がかかります。特に初年度は問い合わせが増えやすいため、余裕を持ってスケジュールを組み、まずは申告書の回収と進捗管理から段階的に始めると現場の負担を抑えられます。

Q. 年末調整システムを導入すると紙の控除証明書は不要になりますか?

A. 年末調整システムを導入しても、控除証明書の種類や社内ルールによっては、紙での確認が残る場合があります。電子的控除証明書(XMLデータ)の取り込みや、スマホ撮影による読み取りに対応する製品は増えていますが、どこまで電子化できるかは製品と運用によって異なります。どの書類を電子データで扱い、どれを紙で確認するかを導入前に決めておくと、紙と電子が混在する場面でもつまずきにくくなります。

Q. 無料で使える年末調整システムはありますか?

A. 国税庁が無償提供する「年調ソフト」と、一部の給与計算ソフトの無料プランがあります。ただし年調ソフトは従業員が申告書を作成するためのもので、勤務先の年税額計算機能はありません。勤務先の計算まで無料で行うなら、給与計算ソフトの無料プランの中に、従業員5名程度まで期間の制限なく年末調整や源泉徴収票の作成まで使えるものがあり、選択肢になります。

Q. 中小企業は年末調整の電子化が義務ですか?

A. 従業員から勤務先への年末調整の申告の電子化は、企業に義務づけられておらず、従来どおり書面で提出しても差し支えありません。一方で、企業から税務署・市区町村への法定調書の提出については、令和9年1月に提出する分から電子提出が必要となる基準が「100枚以上」から「30枚以上」に引き下げられます。源泉徴収票などの枚数がこの水準に近い企業は、e-Tax等による電子提出への対応を見込んでおきましょう。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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