取引先に請求書を郵送する際、同封する送付状(送り状・添え状)をどう書けばよいか迷う場面は少なくありません。送付のたびに文面をゼロから考えていると、作成に時間がかかり、書き方のマナーに不安も残ります。
送付状は法律で義務づけられた書類ではありませんが、あいさつとともに送付した書類の内容・枚数を伝え、受け取る側のミスや確認漏れを防ぐ役割があります。そのまま使える文面とレイアウトが手元にあれば、作成の手間は大きく減ります。
本記事では、送付状の要否と記載項目、状況別にそのままコピーして使える完成文例、郵送・メール・FAXそれぞれの送り方のマナーまでを整理します。あわせて、送付状の作成・封入・郵送という手作業そのものをなくす方法についても解説します。
目次
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請求書の送付状とは?まず同封が必要かを確認
送付状とは、請求書などの書類を送る際に同封する、あいさつと送付内容を伝えるための書面です。「送り状」「添え状」と呼ばれることもありますが、いずれも指すものは同じです。
送付状の役割は大きく2つあります。1つは、日頃の取引への感謝を伝えるビジネス上のあいさつです。もう1つは、同封した書類の名称と枚数を明記し、受け取った側が中身の過不足をその場で確認できるようにすることです。これにより、書類の不足や取り違えといったトラブルを未然に防げます。
送付状の同封は、法律で義務づけられているわけではありません。ただし、取引先とのやり取りではあいさつとミス防止の観点から添えるのが一般的な実務慣行です。なお、請求書をPDFなどでメール送付する場合は、メール本文が送付状の役割を果たすため、別途の送付状は不要です(詳しくは送り方の章で解説します)。
送付状に書く項目と、自分のケースで差し替える箇所
送付状の構成はおおむね決まっています。次の6項目を押さえれば、体裁の整った1枚になります。各項目の意味と、書くときの注意点は次のとおりです(宛先や差出人など、自社のケースに合わせて書き換える箇所も含みます)。
- 送付日:書類を送付する日付(投函日・発送日に合わせる)
- 宛先:相手の会社名・部署名・担当者名(会社・部署宛は「御中」、担当者個人宛は「様」。併用はしない)
- 差出人情報:自社の会社名・部署名・担当者名と、住所・電話番号・メールアドレスなどの連絡先
- 件名(タイトル):「請求書送付のご案内」など、一読で用件が分かる見出し
- あいさつ文(前文・主文・末文):頭語と結語で囲み、送付の用件を簡潔に伝える本文
- 記書き(送付内容と枚数):「記」と書いて改行し、同封した書類名と枚数を箇条書きにして「以上」で締める
用紙のうえでは、日付と差出人情報を右上に、宛先を左上に、件名を中央に、あいさつ文と記書きをその下に配置するのが基本の型です。この配置で1枚にまとめると、受け取った側が差出人と送付内容をすぐに把握できます。

なお、請求金額や請求書番号は請求書本体に記載するため、送付状には書かなくて構いません。必要に応じて記書きに請求書番号を添える程度にとどめ、送付状と請求書で情報が重複しすぎないようにします。
そのまま使える請求書送付状の文例【状況別】
ここからは、状況別にそのままコピーして使える送付状の完成文例を紹介します。文例中の〇〇は取引先、△△は自社の情報を表しています。該当箇所を自社や取引先の情報に差し替えれば、1枚を仕上げられます。
通常の発行(法人宛・個人宛)
取引先の会社・部署に宛てて送る、最も標準的な文例です。
〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 御中 株式会社△△△△ 〇〇部 △△ △△ 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.co.jp 請求書送付のご案内 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、下記のとおり請求書をお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 ご不明な点がございましたら、お手数ですが上記担当までお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。 敬具 記 ・請求書 1通 以上
個人事業主やフリーランスなど、担当者個人に宛てて送る場合は、宛名を「〇〇 〇〇様」とし、あいさつをやや平易にします。
〇〇年〇月〇日 〇〇 〇〇 様 △△△△(屋号・氏名) 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.jp 請求書送付のご案内 拝啓 平素より大変お世話になっております。 このたび、下記のとおり請求書をお送りいたします。ご確認のうえ、お手続きくださいますようお願い申し上げます。 ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。 敬具 記 ・請求書 1通 以上
送付が遅れた場合のお詫び
請求書の送付が予定より遅れたときは、主文にお詫びの一文を添えます。
〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 御中 株式会社△△△△ 〇〇部 △△ △△ 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.co.jp 請求書送付のご案内 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 このたびは、請求書の送付が遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます。下記のとおりお送りいたしますので、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 今後はこのようなことのないよう努めてまいります。何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。 敬具 記 ・請求書 1通 以上
再発行・差し替え(相手の要望・自社のミス)
紛失や記載内容の変更で請求書を差し替える場合は、差し替えである旨と、旧請求書の扱い(破棄のお願いなど)を明記します。相手の要望による差し替えと、自社のミスによる差し替えで、文面のニュアンスを変えます。まず、相手の要望に応じて差し替える場合の、そのまま使える完成文例です。
〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 御中 株式会社△△△△ 〇〇部 △△ △△ 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.co.jp 請求書再発行のご案内 拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 ご依頼いただきました請求書を、下記のとおり再発行いたしましたのでお送りいたします。先にお送りした請求書(〇年〇月〇日付)は、お手数ですが破棄していただけますと幸いです。 ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記 ・請求書(再発行分) 1通 以上
次に、自社のミスで差し替えをお願いする場合の完成文例です。お詫びを添えて、訂正した請求書を送ります。
〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 御中 株式会社△△△△ 〇〇部 △△ △△ 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.co.jp 請求書差し替えのお願い 拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 先般お送りした請求書に誤り(〇〇)がございました。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。訂正した請求書を下記のとおりお送りいたしますので、お手数ですが差し替えをお願い申し上げます。 先の請求書は破棄くださいますようお願い申し上げます。 敬具 記 ・請求書(訂正分) 1通 以上
至急・支払期日が迫っている場合
支払期日が近い、あるいは早めの処理をお願いしたい場合は、依頼であることを丁寧に伝えつつ、期日を明記します。督促の色合いが出すぎないよう、あくまで確認のお願いとして書くのが角の立たない書き方です。
〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇〇 〇〇部 御中 株式会社△△△△ 〇〇部 △△ △△ 〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 TEL:00-0000-0000 MAIL:△△@△△△△.co.jp 請求書送付のご案内(お支払期日のご確認) 拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 下記のとおり請求書をお送りいたします。お支払期日が〇年〇月〇日と迫っておりますため、ご確認のうえお手続きいただけますと幸いです。 行き違いで既にお手続きいただいておりましたら、何卒ご容赦くださいませ。 敬具 記 ・請求書 1通(お支払期日:〇年〇月〇日) 以上
請求書送付状のテンプレート(Word・Excel)の作り方・使い回し方
上記の文例は、そのままコピーして自社の請求書送付に使えます。毎月繰り返し使うなら、コピーした文例をWordやExcelに貼り付け、自社用のテンプレートとして保存しておくと、次回以降の作成がさらに速くなります。
テンプレート化のコツは、固定する部分と毎回差し替える部分を分けておくことです。自社の会社名・住所・連絡先や、あいさつ文・記書きの型は固定し、宛先・送付日・請求書の件数・支払期日だけを毎回書き換えるようにすると、記入漏れを防ぎやすくなります。
- Wordで作る場合:A4縦1枚で、日付と差出人を右上、宛先を左上、件名を中央に配置し、文面を上記の型で入力して保存します。差し替え箇所は色付きや〇〇のままにしておくと記入漏れを防げます
- Excelで作る場合:請求データと同じブックにシートを分けて送付状を作っておくと、宛名や金額をセル参照で連動させられ、転記ミスを減らせます
とはいえ、送付のたびにファイルを開いて差し替え、印刷して封入する作業が毎月続くのは負担です。この手間自体をなくす方法は記事後半で解説します。
請求書と送付状の送り方(郵送・メール・FAX)
送付状を用意したら、請求書とあわせて取引先へ送ります。送付手段は郵送・メール・FAXの3つが一般的で、それぞれ注意点が異なります。自社の送付方法に合わせて確認してください。
郵送で送る
郵送では、送付状を一番上にして請求書を重ね、封筒に入れます。封筒の表には「請求書在中」と記載すると、受け取った側が中身を判別しやすくなります。書類を三つ折りにするときは、開いてすぐ文面が読めるよう、文字面を内側にして折ります。封筒はA4を三つ折りで入れる長形3号、折らずに入れるなら角形2号が一般的です。
送付手段を選ぶうえで重要な注意点があります。請求書は「信書」に当たるため、宅配便などの荷物扱いのサービスでは送れません。総務省の指針でも、請求書は信書に該当すると明記されています。
(2)請求書の類
出典:信書に該当する文書に関する指針|総務省
請求書は、代金を請求するという意思を表示し、又は事実を通知する文書であるので、差出人から特定の受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、信書に該当する。
そのため、信書である請求書は郵便(第一種郵便物)または信書便で送るのが原則です。日本郵便も、次のサービスでは信書を送れないと案内しています。
下記のサービスでは信書を送付することはできません。
出典:信書の送付|日本郵便
・ゆうパック ・ゆうメール ・ゆうパケット ・クリックポスト
なお、荷物に添える無封のあいさつ状や送り状は貨物と同封できますが、これは荷物を主として送るときの例外です。請求書そのものを送る場合は信書の送付に当たるため、普通郵便やレターパック(信書を送れます)などを使います。
郵便料金は、定形郵便物(50gまで)が110円です(2026年10月時点・日本郵便公式料金による。2024年10月1日改定後の金額)。送達の記録や補償を付けたい場合は、基本料金にオプション料金を加算します。確実に届いたことを記録したいなら特定記録(+210円)、重要書類で補償も求めるなら簡易書留(+350円)が目安です。
出典・参考資料(3件)
毎月の封入や郵便局への持ち込み、かさむ郵便料金そのものを減らしたい場合は、印刷・封入・投函をまとめて委託する「郵送代行」という選択肢もあります。1通あたりの料金相場や依頼できる主要サービスは、以下の記事で整理しています。
メールで送る
請求書をPDFなどでメール送付する場合、送付状を別ファイルで添える必要はありません。メール本文が送付状の役割を果たすためです。本文には、送付状と同じ要素(あいさつ・送付書類の内容・支払期日など)を簡潔に書きます。
件名は「請求書送付の件(株式会社△△)」のように、用件と自社名が一目で分かる形にします。添付ファイル名も「請求書_2026年10月_株式会社△△.pdf」のように内容が分かる名前にすると、相手が整理しやすくなります。機密情報を含むため、送信前に宛先アドレスを確認し、必要に応じてパスワード保護や社内で認められた方法での共有を検討しましょう。
FAXで送る
FAXで送る場合は、1枚目に送付状(カバーシート)を置き、送信前に相手へ一報を入れると行き違いを防げます。送信番号の押し間違いによる誤送信を避けるため、番号は送信前に必ず確認しましょう。FAXは細かい文字や図表がつぶれやすいので、金額などは大きめに記載し、原本は別途郵送するなどの運用が安全です。
送付状を書くときのマナーと注意点
送付状は取引先の目に触れる書面です。次の点を押さえておくと、失礼のない1枚になります。
- 「御中」と「様」は併用しない:会社・部署宛は「御中」、担当者個人宛は「様」。「〇〇部御中 △△様」のような重ね使いはしません
- 時候のあいさつは原則不要:請求書の送付状は事務的な連絡が目的のため、季節のあいさつは省き、「時下ますますご清栄のこと〜」のような通年で使える表現にとどめます
- 押印は原則不要:送付状は請求書の控えや契約書と異なり、押印がなくても役割を果たします。社内ルールで求められる場合のみ押します
- A4縦1枚に収め、送付状を一番上に:情報を1枚にまとめ、封入時は送付状が最初に目に入るよう重ねます
頭語と結語の組み合わせ
あいさつ文は、頭語で始めて結語で結びます。頭語と結語は対応する組み合わせが決まっているため、次の表を目安にそろえます。
| 場面 | 頭語 | 結語 |
|---|---|---|
| 一般的な文書 | 拝啓 | 敬具 |
| よりあらたまった文書 | 謹啓 | 謹白(謹言) |
| 前文を省略する場合 | 前略 | 草々 |
請求書の送付状では「拝啓―敬具」が標準的です。前文を省いて用件だけを手短に伝えたい場合は「前略―草々」を使いますが、取引先への最初の送付など丁寧さを重視する場面では避けます。
手書きの一言を添えてよい場合
印刷した送付状に、担当者からの手書きの一言を添えると、丁寧な印象につながります。日頃の感謝や、次回の打ち合わせへの言及など、短いメッセージが適しています。ただし、金額や支払期日といった事務的で正確さが求められる情報は、手書きではなく本文に記載します。
送付状・送り状・添え状・鏡(かがみ)・頭紙の違い
送付状は、呼び方がいくつもあります。混同しやすいので、ここで整理します。
「添え状」「送り状」は、送付状とほぼ同じ意味で使われます。書類に添えるあいさつ状という役割は共通で、呼び方が違うだけと考えて差し支えありません。「鏡(かがみ)」「頭紙(かしらがみ)」も、書類の先頭に付ける表紙的な1枚を指す呼称で、送付状と同じものを指す言い方です。
ひとつ注意したいのは、宅配便の荷物に貼る伝票も「送り状」と呼ばれる点です。こちらは配送伝票を指し、本記事で解説している書面の送付状とは別物です。文脈で読み分けてください。
ここまでの文例とマナーを押さえれば、送付状は問題なく作成できます。毎月の作成・封入・郵送の手間そのものを減らしたい場合は、請求書発行システムの活用も検討できます。
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送付状の作成・封入・郵送をなくす方法(請求書発行システムの活用)
ここまで送付状の書き方と送り方を解説してきましたが、そもそも毎月の作成・印刷・封入・投函という手作業自体を減らしたい、という課題もあります。請求書発行システムを使うと、この一連の作業を自動化できます。
仕組みは大きく2通りです。1つは、請求書をWeb上で発行し、取引先へメールやWebで電子送付する方法です。この場合、取引先へは電子データで届くため、送付状の作成も封入・郵送も発生しません。
もう1つは、紙での郵送が必要な取引先向けに、印刷・封入・投函を代行してもらう郵送代行です。送付状を自動で付けて発送まで任せられるため、自社で封入する手間がなくなります。
以下は、請求書の発行から送付(電子送付・郵送代行)までを担えるサービスの比較です。送付手段や郵送代行の料金を確認し、自社の取引先構成に合うものを検討してください。
| サービス名 | マネーフォワード クラウドインボイス | 楽楽明細 | バクラク請求書発行 | MakeLeaps | invox発行請求書 | @Tovas |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 送付手段 | Web メール 郵送代行 | Web メール 郵送代行 FAX | メール Web 郵送代行 | Web メール 郵送代行 Peppol | メール 郵送代行 FAX SMS | Web メール FAX 郵送代行 |
| 郵送代行(1通あたり) | 料金は要問い合わせ | 198円〜(税抜) | 180円〜(封入枚数に応じ変動) | 195円〜(税抜・5ページまで) | 白黒172円〜(税込189.2円〜) | 料金は要問い合わせ |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 100,000円(税抜) | 要問い合わせ | 0円 | 0円 | 120,000円〜 |
| 月額費用 | 件数連動(要問い合わせ) | 25,000円〜(税抜) | 要問い合わせ | 0円〜(無料プランあり) | 0円〜(無料プランあり) | 12,000円〜 |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金は各社公式サイトの2026年10月時点の情報です。最新の料金・プランは各社公式ページでご確認ください。
上記は送付の自動化に絞ったスポット比較です。発行から送付までを担うサービスを、選び方・機能・料金まで含めて広く比べたい場合は、以下の記事で22製品をタイプ別に比較・解説しています。導入を本格的に検討される方は、あわせてご覧ください。
ここからは、送付状の作成・封入・郵送の手間をなくせる代表的なサービスを紹介します。
1. マネーフォワード クラウドインボイス(株式会社マネーフォワード)

請求書や納品書、支払通知書といった帳票の送付業務だけを切り出して電子化できるのが、株式会社マネーフォワードの提供する「マネーフォワード クラウドインボイス」です。既存の販売管理システムはそのまま使い続け、最後の送付だけを効率化したい企業に向いています。取り込んだ帳票は、取引先ごとにWeb送付・メール送付・郵送代行へ自動で振り分けて一括送付できます。
電子で送る取引先には、送付状を用意して封筒に詰める作業そのものがなくなります。紙での受け取りを希望する取引先には郵送代行が使えます。公式ページは「請求書・納品書・支払通知書などあらゆる帳票の印刷・封入・発送作業がゼロに!」と説明しており、印刷から三つ折り・同封・封詰めまでを肩代わりします。
郵送代行の配達方法・納期・1通あたりの費用は公開されておらず、問い合わせが必要です。なお、取引先がマネーフォワードのサービスを利用している場合は、電子請求書をそのまま届けられます。
送付状の作成・封入・郵送を電子送付や郵送代行に切り替えると、実務の負担はどの程度軽くなるのか。同サービスを提供する株式会社マネーフォワードの栗本賢人氏は、独自取材に対し導入企業での成果を次のように説明しています。

船井総研デジタル様では請求書発行コストの30%削減、メイコー様では債権関連業務の約3割の工数削減、奈良機械製作所様では月間33時間以上の郵送業務削減といった成果が出ています。
一番わかりやすい効果は、郵送や紙で行っていた送付業務をデジタルに置き換えることによる業務コストと郵送コストの削減です。送付していた帳票の件数が多いほど、導入効果は大きくなります。
2. 楽楽明細(株式会社ラクス)

株式会社ラクスの「楽楽明細」は、確定済みの帳票データを取り込んで発行・送付することに特化した電子帳票発行システムです。既存の販売管理システムが出力するCSVやPDFをアップロードするか、API連携でデータを取り込み、請求書・納品書・領収書・支払明細などを配信します。累計導入は16,000社以上(2026年3月末時点)に達しています。
送付手段はWeb発行・メール送付・郵送代行・FAXの4つで、「A社にはWeb発行、B社には紙を郵送」というように取引先ごとに個別設定できます。Webやメールで届ける取引先では送付状や封入の手間がなくなり、紙が必要な取引先では郵送代行が印刷・封入・投函を代行します。郵送代行は1通198円〜(税抜)で、封筒代・紙代・印刷費・作業手数料まで含み、1通からの発行にも対応します。
3. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

株式会社LayerXが「バクラク」シリーズの一つとして展開する帳票発行クラウドが、バクラク請求書発行です。基幹システムや現行業務を変えずに、請求書・見積書・納品書・支払通知書などの作成から送付、管理までを電子化できます。CSVやPDFの取り込みによる一括作成、既存フォーマットを再現したレイアウト設定に対応します。
送付はメール、Web(送付先ポータル)、郵送代行の3経路から選べ、取引先ごとに郵送とメールを指定したうえでの一括送付もできます。メールやWebで送れば送付状や封入の作業は発生せず、郵送が必要な宛先だけ郵送代行に回せます。郵送代行は2023年11月に追加された機能で、1通180円〜(封入枚数に応じて変動)、当日18時30分締切で最短翌営業日に発送され、Web上から1件単位で依頼できます。
4. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

見積書から請求書、支払通知書、領収書まで10種類の書類を1つの画面で扱える請求管理クラウドが、メイクリープス株式会社(株式会社リコーの100%子会社)が提供するMakeLeapsです。作成した書類は、Web上の「取引ポータル」での共有、メールのセキュア送信、郵送代行、Peppol送信(電子インボイスの国際規格に沿った送信、法人プラン以上)で届けられます。
Webやメールで送付する取引先には、送付状をそえて封入する一連の作業が要りません。紙で届ける必要がある取引先には郵送代行を使え、印刷・封入・切手貼付・投函までをMakeLeaps側がまとめて行います。郵送代行の費用は1郵送ポイント195円(税抜、5ページまで。6ページ以降は5ページごとに1ポイント追加)で、異なる書類の同封や送付先住所の呼び出しにも対応します。
5. invox発行請求書(株式会社invox)

紙と電子のどちらで送る場合でも、インボイス制度に対応した請求書を発行できるのが、株式会社invoxの「invox発行請求書」です。請求データを取り込んで送信方法を指定するだけで発行でき、請求書のほか見積書・納品書・支払通知書にも対応します。月額0円のフリープランがあり、標準レイアウトの請求書を毎月15件までメールで送付できます。
送付経路はメール・郵送代行・FAX・SMSと幅があります。メールで送れば送付状や封入の作業は不要になり、紙を求める取引先には郵送代行で印刷・発送を任せられます。郵送代行は白黒172円〜(税込189.2円〜)、カラー190円〜(税込209円〜)で、ミニマムプラン以上で利用できます。送付先をまとめて紙と電子に振り分けられるため、郵送分だけを切り分けて手元の封入作業を減らせます。
6. @Tovas(コクヨ株式会社)

文具・オフィス用品メーカーのコクヨ株式会社が2004年から提供しているのが、電子帳票配信システムの「@Tovas」です。請求書・納品書・支払通知書・注文書などのデータ(CSV等)をアップロードすると帳票を自動生成し、取引先ごとに受け取り方法を選んで配信します。ご利用件数は60,000件以上にのぼります(2023年1月時点)。
受け取り方法は、電子ファイル(Web・メール)・FAX・郵送の3つを宛先ごとに使い分けられます。電子ファイルで配信する取引先では、送付状の用意も封入もなくなります。紙での受け取りを希望する取引先には郵送代行があり、印刷・仕分け・封入封かんから投函までを一括して引き受けます。
1つの帳票配信のなかで電子と紙を混在させられるため、郵便料金の値上げを受けて一部だけ電子へ切り替えるといった移行もしやすい設計です。
まとめ
請求書の送付状は、法律上の義務ではないものの、あいさつと送付内容の確認という役割から、取引先への郵送時には添えるのが一般的です。送付日・宛先・差出人情報・件名・あいさつ文・記書きの6項目を押さえ、状況に合った文例を使えば、迷わず1枚を仕上げられます。
郵送する際は、請求書が信書に当たり宅配便では送れない点に注意し、普通郵便やレターパックなどを使います。メール送付なら送付状は不要で、本文にあいさつと送付内容を書けば足ります。毎月の作成・封入・郵送の手間が負担であれば、請求書発行システムによる電子送付や郵送代行を検討することで、送付状にまつわる作業そのものを減らせます。
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請求書の送付状に関するよくある質問(FAQ)
Q. 請求書の送付状とは何ですか?
A. 請求書の送付状とは、請求書を送る際に同封する、あいさつと送付内容(書類名・枚数)を伝えるための書面です。
「送り状」「添え状」とも呼ばれ、いずれも指すものは同じです。法律で義務づけられた書類ではありませんが、取引先へのあいさつと、受け取った側が書類の過不足をその場で確認できるようにするミス防止の役割があるため、郵送時には添えるのが一般的な実務慣行です。
Q. 請求書の送付状に印鑑(社判)は必要ですか?
A. 請求書の送付状への押印は、原則として不要です。
送付状は請求書の控えや契約書と違い、押印がなくても役割を果たします。会社名・部署名・担当者名を記載すれば差出人は明確に伝わるため、社判や担当者印は必須ではありません。ただし、社内ルールで送付文書への押印が定められている場合は、そのルールに従って押します。
Q. 請求書の送付状は手書きとパソコン作成のどちらがよいですか?
A. 請求書の送付状は、パソコンで作成するのが一般的です。
WordやExcelで作成すれば毎回使い回せて文字も読みやすく、金額や支払期日など正確さが求められる情報も誤読されにくくなります。一方で、印刷した送付状に担当者が手書きで短い一言(日頃の感謝など)を添えると、丁寧な印象につながります。手書きは添え書きにとどめ、事務的な情報は本文に記載するのがよいでしょう。
Q. 請求書を送らず、送付状だけを先に送ってもよいですか?
A. 送付状は、請求書と同封して一緒に送るのが基本です。
送付状は同封した書類の名称と枚数を伝え、中身の過不足を確認してもらうための書面なので、請求書なしで送付状だけを先に送っても本来の役割を果たせません。請求書の発行が遅れることを事前に伝えたい場合などは、送付状ではなく、メールや電話で「請求書送付のご案内」として別途連絡するのが自然です。
Q. 請求書をメールで送る場合も送付状は必要ですか?
A. 請求書をPDFなどでメール送付する場合、別ファイルの送付状は不要です。メール本文が送付状の役割を果たすためです。
本文に、あいさつ・送付書類の内容・支払期日など、送付状と同じ要素を簡潔に書けば足ります。なお、取引先の社内手続き上どうしても送付状を求められた場合は、送付状の内容をPDFにして請求書と一緒に添付すれば対応できます。
Q. 請求書の送付状は英語でも作成できますか?
A. 請求書の送付状は、英語でも作成できます(英語では「cover letter」と呼ばれます)。
日付・宛先・差出人情報・送付書類の内容と枚数といった基本要素は、日本語の送付状と変わりません。海外の取引先に送る場合は、頭語・結語や時候のあいさつといった日本独自の形式にこだわる必要はなく、用件が簡潔に伝わる文面にします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















