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未入金が発生したらどうする?確認・催促から督促状・法的手段・時効まで対応の流れを解説

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督促・売掛金回収代行比較表(2026年版)のプレビュー

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督促・売掛金回収代行比較表(2026年版)

取引先からの入金予定日を過ぎても振込が確認できないと、まず何をすればよいのか手が止まってしまいます。強く催促して関係を壊したくない一方、放置すれば資金繰りが悪化し、時効で請求できなくなるおそれもあります。焦る前に、確認と催促の順番を押さえておくことが回収への近道です。

未入金に気づいた直後の社内確認から、やわらかい催促、督促状、内容証明郵便、そして支払督促や少額訴訟といった法的手段まで、対応は段階を踏んで進みます。それぞれの段階で「今どこにいて、次に何をするか」が分かれば、落ち着いて動けます。

本記事では、未入金に気づいてからの対応の全体フローを示したうえで、段階別にそのまま使える催促の文面例、法的手段の費用・期間・向くケースの比較、消滅時効(5年)と時効を止める方法を整理します。自力で進めるか、督促・回収の外部サービスに任せるかの判断材料としてご活用ください。

未入金に気づいたらまず何をする?対応の全体フロー

未入金に気づいてから回収に至るまでの流れは、大きく次のとおりです。まず全体像をつかんでおくと、今自分がどの段階にいて、次に何をすべきかが分かります。

未入金への対応は、いきなり法的手段に進むのではなく、確認から始めて相手の反応を見ながら段階的に強めていくのが基本です。自社側のミスで督促してしまう事故を避けつつ、放置による時効を防ぐために、次の流れで進めます。

未入金に気づいてから回収までの対応の全体フローを示したステップ図。STEP1 社内確認(請求書・入金口座・支払期日の誤りや相殺できる買掛金の確認)、STEP2 やわらかい催促(メール・電話で入金状況を確認)、STEP3 催促状・督促状(書面で支払いを求め記録を残す)、STEP4 催告書(内容証明郵便で支払要求と法的手段を予告)、STEP5 法的手段(支払督促・少額訴訟・通常訴訟など)の5段階を矢印で示している。
  1. 社内確認:請求書の送付・入金口座・支払期日に誤りがないか、相殺できる買掛金がないかを自社側で確認する
  2. やわらかい催促:メールや電話で、行き違いの可能性に配慮しながら入金状況を確認する
  3. 催促状・督促状の送付:反応がなければ書面で支払いを求め、記録を残す
  4. 催告書(内容証明郵便):最終通告として、支払要求と法的手段の予告を内容証明で送る
  5. 法的手段:それでも支払われなければ、支払督促・少額訴訟・通常訴訟などに進む

この流れのうち、催促状・督促状・催告書の違いと切り替え方、法的手段の費用や期間は、後の章でそれぞれ詳しく解説します。まずは「確認 → 催促 → 書面 → 法的手段」という大きな順番を押さえておきましょう。

未入金とは?未収金・売掛金との違いを整理

対応の手順に入る前に、言葉の整理を簡単にしておきます。「未入金」は、支払期日を過ぎても入金が確認できていない代金そのものを指す実務上の呼び方で、会計上の勘定科目ではありません。

会計上は、本業の営業取引(商品販売・サービス提供)で生じた未回収の代金を「売掛金」、本業以外の取引(固定資産の売却代金など)で生じた未回収金を「未収金(未収入金)」として区別します。取引先に商品やサービスを掛けで提供した代金が支払われていない状態は、会計上は売掛金の未回収にあたります。

本記事は、この売掛金の未回収=未入金に気づいたときの対応と回収を扱います。仕訳や勘定科目の処理ではなく、「どう動けば回収できるか」に絞って解説します。

未入金はなぜ起きる?4つの原因

未入金が起きる主な原因は、大きく4つに整理できます。原因によって最初に確認すべき場所が変わるため、初動の社内確認と結びつけて押さえておきます。

  • 自社の請求ミス:請求書の未送付・宛先誤り・金額や支払期日の記載ミスなど、請求側に原因があるケース
  • 取引先のうっかり:請求書の見落とし・処理漏れ・担当者不在など、悪意のない支払い忘れ
  • 取引先の支払能力の低下:資金繰りの悪化で、支払いたくても支払えない状態
  • 意図的な不払い:支払う意思が乏しく、連絡にも応じないケース

このうち自社の請求ミスは、気づかずに督促すると相手の信頼を損ねます。原因を切り分けるためにも、相手に連絡する前の社内確認が重要になります。

気づいた直後の社内確認(まず自社側を疑う)

対応フローの第一段階は、社内確認です。催促の前に自社側の事実を確かめることで、行き違いによるトラブルを防ぎ、交渉材料も整理できます。取引が続いていて未入金がさらに膨らむおそれがあるときは、追加の出荷やサービス提供を一時止め、被害の拡大を防ぐことも検討します。

請求書を正しく発行・送付できているか

まず、請求書が正しい内容で発行され、相手に届いているかを確認します。請求書の未発行・送付先の誤り・郵送やメールの不達は、未入金のよくある原因です。送付履歴やメールの送信記録をたどり、相手が請求書を受け取れる状態だったかを確かめます。

入金口座・支払期日に誤りがないか

次に、請求書に記載した振込先口座と支払期日に誤りがないかを確認します。口座情報の記載ミスや、相手が認識している支払期日とのずれがあると、相手は支払ったつもりでも入金が確認できない状態になります。入金サイト(締め日から支払いまでの期間)の取り決めも、あわせて見直します。

契約書の条項を確認する

取引の契約書や注文書・発注書を確認し、支払条件や遅延時の取り決めを把握します。契約に「期限の利益喪失条項」があれば、支払いが遅れた時点で分割払いの残額を一括請求できる場合があります。

所有権の移転時期を定めた条項があれば、未払いの商品の扱いを検討する手がかりにもなります。たとえば代金の完済時に所有権が移る定め(所有権留保)であれば、すでに引き渡した商品でも、未払いが続く間は返還や引き揚げを相手と交渉できる場合があります。これらは契約内容によって効果が変わるため、記載を正確に読み取ることが前提です。

相殺できる買掛金がないか確認する

自社がその取引先に対して支払うべき買掛金(仕入代金など)があれば、未回収の売掛金と相殺できる場合があります。民法第505条は、互いに同種の債務(ともに金銭債務)を負い、双方の債務が弁済期にあるときは、その対当額について相殺できると定めています。

相殺に用いる自社の売掛金(回収したい債権)は支払期日が到来している必要がありますが、自社が負う買掛金は、支払期日が未到来でも自らの期限の利益を放棄して相殺に充てられる場合があります。相殺できる範囲を確認します。

相殺は、相手方への一方的な意思表示(相殺の通知)によって効力が生じます(民法第506条)。通知には、相殺する自社の売掛金と相手への買掛金を、金額や請求書番号などで特定して記します。後から到達の有無や時期が争いにならないよう、配達証明付きの内容証明郵便で送れば、いつ到達したかを記録として残せます。

出典・参考資料(2件)

段階別・催促の文面例(コピーして使える本文)

催促の実際の文面を、段階別に紹介します。社内確認で自社側に問題がなければ、相手への連絡に進みます。最初はやわらかく、反応がなければ書面へと段階を上げていくのが基本です。以下の文例は、自社の状況に合わせて日付・金額・宛名を差し替えてご利用ください。

1回目:やわらかい催促メールの例文

最初の催促は、支払い忘れや行き違いの可能性を前提に、相手の面子を保つ書き方にします。入金が確認できていない事実を伝えつつ、すでに支払い済みの場合のお詫びを添えておくと、角が立ちません。

件名:【ご確認のお願い】〇月分お支払いについて

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社△△の□□でございます。
先般ご請求いたしました下記のお支払いにつきまして、本日時点で入金の確認が取れておりません。

・請求書番号:〇〇〇〇
・ご請求金額:〇〇〇,〇〇〇円
・お支払期日:〇〇年〇月〇日

お手数ですが、ご入金の状況をご確認いただけますでしょうか。なお、行き違いですでにお振込みいただいておりましたら、本メールはご容赦ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

2回目:督促状の例文と基本構成

やわらかい催促に反応がない場合は、書面の督促状で支払いを正式に求めます。督促状には、発行日・表題・宛先・差出人・支払いの要求(金額と期限)・支払われない場合の対応(法的手段の予告)を記載し、送付した事実と内容を記録として残します。

〇〇年〇月〇日

株式会社〇〇 御中

督促状

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、下記のお支払いにつきまして、お支払期日を過ぎた本日時点でもご入金を確認できておりません。

・ご請求金額:〇〇〇,〇〇〇円
・当初のお支払期日:〇〇年〇月〇日

つきましては、〇〇年〇月〇日までに下記口座へお振込みくださいますようお願い申し上げます。本状と行き違いにご入金済みの場合は、何卒ご容赦ください。
万一、期日までにお支払いおよびご連絡をいただけない場合は、やむを得ず法的手続きを検討せざるを得ませんので、念のため申し添えます。 敬具

最終通告:催告書(内容証明郵便)の例文

督促状でも支払われない場合は、催告書を内容証明郵便で送ります。内容証明郵便は、いつ・どのような内容の文書を・誰から誰あてに送ったかを日本郵便が証明する制度で、後の法的手続きに備えた記録になります。文面は督促状と近いですが、支払期限と、応じない場合に取る具体的な法的手段を明確に記載するのが最終通告の特徴です。

催告書

貴社に対する〇〇年〇月〇日付売買契約に基づく売掛金〇〇〇,〇〇〇円につき、お支払期日を経過した現在もお支払いいただいておりません。
つきましては、本書面到達後〇日以内に上記金額を下記口座へお支払いくださいますよう、改めて催告いたします。

上記期間内にお支払いいただけない場合は、支払督促・訴訟等の法的手続きに移行することを申し添えます。あわせて、遅延損害金についても請求いたします。

内容証明郵便は、文書の存在と差出の事実を証明する制度であり、文書の内容が正しいことや相手に届いたことまで証明するものではありません。相手に届いたことも証拠に残したい場合は、配達証明を併せて利用します。差し出せる郵便局は集配郵便局などに限られ、加算料金は480円(2枚目以降は290円増。2026年10月時点)に郵便料金・一般書留の料金が加わります。

催告書であわせて請求する遅延損害金は、契約に利率の定めがあればその率で、なければ民法の法定利率で計算します。法定利率は、2020年4月施行の改正民法で当初は年3%と定められました。以後3年ごとに見直されるため、適用される率は請求時点のものを確認します。起算日は、支払期日の翌日(支払いが遅れた日)が基本です。

催促状・督促状・催告書(内容証明)の使い分けと切り替えタイミング

催促状・督促状・催告書は、どれも支払いを促す書面ですが、位置づけと送るタイミングが異なります。3つは厳密な法律用語ではなく、実務では段階的に使い分けられています。

書面位置づけ送るタイミングの目安主な記載
催促状最初のやわらかい催促(行き違いを前提)支払期日の直後入金未確認の連絡、支払い済みの場合のお詫び
督促状支払いを正式に求める書面催促に反応がないとき金額・新たな支払期限・法的手段の予告
催告書(内容証明郵便)最終通告。送付の記録を残す督促状でも支払われないとき支払期限と、応じない場合の具体的な法的手段

切り替えの目安は、前の書面で設定した支払期限を過ぎても入金・連絡がないかどうかです。内容証明郵便による催告には、後述する消滅時効の完成を一定期間先延ばしにする効果もあるため、時効が近い場合は早めに催告へ進む判断もあります。

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払ってもらえないときの法的手段を比較(費用・期間・向くケース)

催促や内容証明でも支払われない場合は、法的手段に進みます。手段ごとに費用・期間・向くケースが異なるため、未回収額や相手の状況に合わせて選びます。以下で主な手段を横並びに比較します。

手段特徴費用の目安期間の目安向くケース
内容証明郵便(催告)支払いを正式に求め、送付の事実を記録。催告として時効の完成を6か月猶予する効果加算料金480円〜+郵便料金(2026年10月時点)即日〜数日裁判の前に最終通告したい/時効が近い
支払督促簡易裁判所の書記官が申立てにもとづき支払いを命じる略式手続(金銭請求向き)請求額60万円で書面申立て5,700円(電子5,500円)など。請求額で変動(2026年時点)数週間〜(異議があれば訴訟へ移行)金額が争われにくい/書類中心で進めたい
民事調停裁判所で調停委員を交えて話し合いにより解決を図る申立手数料は訴訟より低め1〜数か月関係を保ちつつ和解で解決したい
少額訴訟60万円以下の金銭請求について原則1回の審理で判決。控訴はできない訴え提起の手数料(60万円で書面8,500円・電子7,400円。2026年時点)原則1回の審理で短期60万円以下で争いが少ない
通常訴訟金額の制限なく、証拠にもとづき判断を求める訴額に応じた手数料(60万円で書面8,500円・電子7,400円。訴額が上がると増える)数か月〜1年程度金額が大きい/争いがある
仮差押え判決前に相手の財産を仮に押さえ、回収不能のリスクに備える保全手続申立手数料+担保金(予納)比較的短期相手が財産を処分するおそれがある
強制執行確定判決などの債務名義にもとづき、相手の財産から回収する申立手数料+予納金債務名義取得後判決等があるのに支払われない

費用は2026年10月時点。申立手数料は裁判所の手数料額早見表で最新額をご確認ください。

支払督促は民事訴訟法第382条にもとづき、裁判所書記官が債権者の申立てによって発する手続です。相手が督促異議を申し立てると通常訴訟へ移行します。少額訴訟は民事訴訟法第368条が定める60万円以下の金銭請求を対象とする手続で、裁判所の案内によると利用は同じ簡易裁判所で年10回までに制限されています。いずれも、相手方(債務者)の住所地などを管轄する簡易裁判所に申立書・訴状を提出して始めます。

仮差押えは民事保全法第20条、強制執行は民事執行法第22条が定める債務名義(確定判決・仮執行宣言付支払督促・執行証書など)を前提とします。

内容証明郵便や支払督促は自社でも進められますが、通常訴訟や仮差押え、金額や争いが大きい案件は、弁護士への依頼を検討したほうが確実です。申立手数料は2026年5月に施行された改正で額や計算方法が変わっているため、金額は裁判所の手数料額早見表で該当する訴額を直接確認してください。

相手の協力が得られる場合は、裁判を経ずに債務名義を用意しておく方法もあります。強制執行認諾文言を付けた公正証書(執行証書)を作っておけば、支払いが滞ったときに訴訟を経ずに強制執行へ進めます。訴訟前に和解がまとまりそうなときは、簡易裁判所の即決和解(起訴前の和解)を使うと、和解内容に債務名義を持たせられます。いずれも相手の合意が前提で、取引開始時や交渉がまとまった段階で備えとして用意するものです。

出典・参考資料(6件)

未入金を放置するリスクと消滅時効(5年)・時効を止める方法

未入金を放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。放置は資金繰りの悪化や金融機関からの信用低下を招きます。さらに、相手の経営状態が悪化して倒産・所在不明になれば回収は一段と難しくなり、時間の経過は後述の消滅時効の問題にも直結します。一定期間を過ぎると法律上請求できなくなるため、早い段階での対応が重要です。

売掛金などの債権は、民法第166条により、権利を行使できることを知った時(通常は支払期日)から5年間行使しないと時効によって消滅します。2020年4月1日に施行された現行民法では、職業別の短期消滅時効が廃止され、原則5年に統一されました。改正前の「売掛金は2年」といった古い情報に引きずられないよう注意が必要です。

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

出典:民法 第百六十六条(債権等の消滅時効)|e-Gov法令検索

時効の完成が迫っている場合は、時効を止める(先延ばしする)手段があります。内容証明郵便による催告には、民法第150条により、催告の時から6か月を経過するまで時効の完成を猶予する効果があります。ただし、猶予されている間に再度催告しても猶予は重ねられないため、6か月のうちに次の手に進む必要があります。

第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。

出典:民法 第百五十条(催告による時効の完成猶予)|e-Gov法令検索

より確実に時効を止めるには、裁判上の請求や支払督促などに進みます。民法第147条により、裁判上の請求・支払督促・民事調停などを行うとその手続が終わるまで時効は完成せず、確定判決などで権利が確定すると時効は更新され、そこから新たに進行し直します。また、相手が債務を承認した場合(一部弁済や支払猶予の申し入れ、残高確認書への署名など)は、民法第152条により時効が更新されます。

売掛金の消滅時効を止める方法を完成猶予と更新の2種類に分けて対比した図。売掛金は原則5年で時効消滅する(民法第166条)。完成猶予は内容証明による催告で催告から6か月まで時効の完成を先延ばしする方法で、再度の催告では猶予を重ねられない(民法第150条)。更新は裁判上の請求・支払督促・民事調停で権利が確定する、または相手が債務を承認するとゼロから数え直される方法(民法第147条・第152条)。
出典・参考資料(5件)

自力対応が難しいときの外部委託という選択肢

ここまでの対応を自力で続けるのが難しいときは、外部サービスに頼る選択肢があります。督促や回収には手間と時間がかかるため、一部を外部に任せたり、未回収そのものを保証で備えたりする方法があります。

依頼先の類型と、自力か委託かの判断

未入金に関わる外部の依頼先は、大きく3つの類型に分けられます。自社の状況がどれに当てはまるかで、相談先が変わります。

  • 督促の自動化・請求代行:SMS・電話・書面などで督促を自動化し、入金管理まで効率化するサービス。日々の督促の手間を減らしたい場合に向く
  • 売掛保証・ファクタリング:取引先の倒産や支払遅延による未回収を保証会社が補填する、または売掛債権を買い取って早期資金化する。未回収リスクそのものを移したい場合に向く
  • サービサー(債権回収会社)・弁護士:法律にもとづき回収実務や法的手続きを代行する。すでに回収が難しい債権や、法的手段が必要な場合に向く

自力で進めるか委託するかは、未回収額・相手の状況・自社でかけられる手間で判断します。少額で相手に支払う意思がありそうなら自力の催促で足りることが多く、金額が大きい・連絡が取れない・財産を処分されそうといった場合は、早めに専門家へ相談したほうが結果的に回収率を高められます。日常的な督促の負担が重いなら、督促の自動化サービスで仕組み化する選択肢もあります。

回収代行・サービサー・弁護士など「誰に頼むか」で迷う場合は、依頼先タイプ別の選び方や費用相場を整理した以下の記事が判断の助けになります。

督促・回収と売掛保証のサービスを比較

督促・回収を効率化するサービスと、未回収を保証するサービスを比較します。自社の課題が「今の督促を楽にしたい」のか「次の未回収に備えたい」のかで、適したタイプが分かれます。

ここで紹介するのは、日常的に多くの請求を督促する事業者向けの督促自動化・多チャネル配信サービスと、将来の未回収に備える売掛保証サービスです。すでに発生した特定の取引先の未入金を回収してもらいたい場合は、債権回収会社(サービサー)や弁護士への依頼が直接的な手段になるため、上記の「売掛金回収代行の選び方」で依頼先を比較してください。

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サービス名DHKクラウドオートコールオーロラSMS by メディアSMSKDDI Message CastSMSマルチPay債権回収ロボLectoギャランティ for 弥生ユーザーURIHOMamotteeGuarantee
種別督促自動化チャネル
(オートコール・IVR)
督促自動化チャネル
(SMS配信)
督促自動化チャネル
(SMS・RCS配信)
督促自動化チャネル
(SMS通知+決済)
督促自動化SaaS
(多チャネル)
督促自動化SaaS
(多チャネル)
売掛保証売掛保証売掛保証売掛保証
主な機能・対応範囲自動音声での一斉架電で入金案内・初期/中長期の督促を自動化。SMS送信や債権管理システムとのAPI連携にも対応法人向けSMSの一斉・自動配信で支払い案内や督促連絡を送付。双方向SMS・API連携に対応。到達率99.9%(当社検証試験)携帯番号あてにSMS・RCS・+メッセージを一斉/自動配信。支払い督促や本人確認に対応。キャリア直収で到達率98%以上(自社調べ)SMSでの支払い通知から本人認証、25種類の決済手段での支払いまでをオンラインで一気通貫。督促連携・入金ステータス管理に対応メール・SMS・オートコール・郵送の4チャネルの督促シナリオを自動実行し、督促状況・履歴を一元管理。自社名義での自動督促(第三者による取り立て代行ではない)メール・SMS・IVR・書面の4チャネルで督促を自動送信し、入金管理・消込・ダッシュボード分析まで一元管理。後払い・サブスク型の債権に強い取引先の倒産・支払い遅延で売掛金が回収不能になった際に保証する月額定額のクラウド型売掛保証。弥生の販売管理ソフトと連携。審査・保証はアラームボックスが担当取引先の倒産・1か月以上の支払い遅延で売掛金が回収できない場合に保証するネット完結型の売掛保証。与信審査(保証推奨度5段階)も利用可。保証する取引先数に上限なし取引先の倒産・夜逃げ・支払遅延で売掛金が回収不能になった際に、保証限度額の範囲で実損失分を保証。約40万社分の与信データで取引先ごとに限度額を設定(回収代行・債権譲渡はなし)売掛債権などの信用リスクを引き受け、取引先の倒産・未払い時に限度額の範囲で保証金(代位弁済)を支払う。包括保証・個別保証を状況に応じてアレンジ可能
料金目安初期50,000円〜/月額50,000円〜
(月1,000件まで込み・以降は応答課金)
初期0円/月額基本料0円
(送信成功分の従量・単価は要問い合わせ)
初期0円/月額0円
(SMS 9.35円(税込)〜の到達課金)
初期20,000円〜/月額0円
(送信20円〜・決済手数料は要問い合わせ)
要問い合わせ要問い合わせ
(月額+督促数に応じた従量)
月額2,000円〜
(フリーランス/ビジネス/ビジネスPro・初月無料)
初期無料/月額4,980円〜
(保証料は月額に込み・非課税)
初期0円/パッケージ月額19,800円〜
(公式は要問い合わせ・オーダーメイドは年額個別見積)
要問い合わせ
(保証残高×保証料率。限度額課金/売上高課金)
向いているケースSMSやメールに反応しない相手にも音声で督促したい/大量の督促架電を自動化したいメールや電話で届かない相手に、到達率の高いSMSで督促の連絡を届けたいキャリア直収の高い到達率で、督促・リマインドや本人確認を幅広く行いたい通知から決済まで1つの導線で完結させ、未収金の回収率を高めたい属人化しがちな督促業務を、多チャネルで標準化・自動化したい督促から入金消込・分析まで、債権管理を1つの画面で一元化したい小規模な事業者が月額2,000円から手軽に未回収リスクへ備えたい(弥生ユーザー)取引先数を気にせず、月額定額で幅広い取引先の売掛金を保証したい上場企業の信用力で、高額債権まで保証限度額を個別に設計したい売掛債権の信用リスクを、包括・個別で柔軟に引き受けてほしい
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督促・回収を自動化するサービス

SMS・電話・書面といったチャネルで督促を自動化し、入金管理まで効率化するサービスです。手作業の催促や架電の負担を減らしたい場合に向きます。

DHKクラウドオートコール(株式会社電話放送局)

DHKクラウドオートコールのウェブサイト

電話放送局が提供するDHKクラウドオートコールは、自動音声応答(IVR)で電話をかける業務を自動化する自動架電サービスです。入金コールや督促案内を自動の音声で届けられるため、SMSやメールでは反応しない相手への督促にも使えます。

応答があった分を基準に課金する「応答課金」を採用しており、Web管理画面で音声やコールフローを設定し、架電結果をデータで確認できます。料金は月額50,000円から(月間1,000件までの応答を含む)で、1,001件目以降は応答ごとに固定電話21円・携帯電話32円の従量課金です。

督促を自動音声で自動化するうえでの留意点について、提供元の電話放送局は次のように述べています。

前田氏
株式会社電話放送局 営業部 営業推進課 課長
前田氏
独自インタビューより

入金案内や督促は、伝える内容が定型化しやすい一方で、案内の仕方によってはトラブルや苦情につながりやすい業務です。だからこそ、まずは“自動化しても顧客体験を損ねにくい設計”をすることが大切だと考えています。オートコールは使い方を間違えると社会問題になりかねません。だから当社としては、用途の相性を見極めて、やめた方がいいケースは止める。その線引きも含めて一緒に考えています。

オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

オーロラSMS by メディアSMSのウェブサイト

オーロラSMSは、2011年のキャリア間相互通信開始当初からSMS配信を提供してきた、法人向けのSMS配信サービスです。業務連絡・督促・販促に強みを持ち、到達率の高いSMSで未入金者へ支払いの案内を一斉に送れます。

金融機関や行政機関など、高いセキュリティ基準を求める業界への導入実績を持ち、ISMS(ISO27001)を取得しています。単にSMSを送るだけでなく、文面設計や運用改善まで伴走する支援体制が特徴で、2026年1月末時点で7,000社以上に利用されています。

メールや電話、郵送では連絡が届きにくい相手にSMSが使われる理由について、提供元のメディア4uはこう説明します。

原澤慶人氏
株式会社メディア4u 事業戦略本部 ビジネス推進グループ 部長
原澤慶人氏
独自インタビューより

連絡手段としては、メールが読まれない、電話に出てもらえない、郵送はコストも時間もかかるといった課題を抱える企業が非常に多いです。その中で、SMSはプッシュ通知で気づいてもらいやすく、最終連絡手段としての確実性が高い点を評価いただいています。

KDDI Message Cast(KDDI株式会社)

KDDI Message Castのウェブサイト

KDDIとSupership株式会社が共同運営するKDDI Message Castは、携帯電話番号あてにSMS・RCS(リッチコミュニケーションサービス)・+メッセージを一斉/自動で配信できる法人向けメッセージ配信サービスです。公式に「支払い督促」を利用シーンとして挙げています。

KDDIの国内キャリア網への直接接続による到達率の高さが強みで、RCS未対応の端末にはSMSへ自動で切り替えて配信します。支払い督促やリマインドのほか、本人確認・二段階認証、緊急連絡など幅広い用途に使えます。

SMSマルチPay(株式会社ネクスウェイ)

SMSマルチPayのウェブサイト

請求と未収金回収に特化したSMSマルチPayは、SMSでの支払い通知から本人認証、決済までをオンラインで一気通貫できます。未入金者へSMSで支払い案内を送り、専用ページから複数の決済手段で支払ってもらうことで、回収率の向上を狙います。

未入金者への効果的なリマインドを実現する「督促連携」機能を備え、管理画面でSMSの送達状況や入金状況を可視化できます。SMS通知から決済までの導線を1つにまとめられる点が、手作業のメール催促との違いです。

債権回収ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

債権回収ロボのウェブサイト

未入金の督促業務を自動化するSaaSが、ROBOT PAYMENTの債権回収ロボです。「いつ・誰に・どの手段で」督促するかをシナリオで設定すると、メール・SMS・オートコール(自動音声)・郵送の4チャネルを組み合わせた督促を自動で実行します。

督促のやりとりをデータとして蓄積し、債務者の状況に応じて催促のスケジュールを調整できる点が特徴です。手作業に頼りがちな督促を標準化・自動化したい企業に向いています。2026年3月に提供が始まった比較的新しいサービスです。

Lecto(Lecto株式会社)

Lectoのウェブサイト

Lectoは、債権管理・督促・回収に特化したプラットフォームです。メール・SMS・IVR(自動音声)・書面の4チャネルで督促を自動送信し、債務者グループごとに手段や頻度、文言を変えられます。

督促だけでなく、入金管理・消込(請求データと入金データの照合)、督促履歴の記録、ダッシュボードでの進捗の可視化まで1つの画面で一元管理できます。督促対象をAIが分析してランク付けし、通知の頻度や手段の最適化を支援する機能も備えています。

売掛金の未回収を保証するサービス

取引先の倒産や支払遅延で売掛金が回収できなくなったときに、保証会社が代金を支払うサービスです。未回収のリスクそのものを移し、同じ事態を繰り返さないための備えとして使えます。

ここで取り上げるのは主な売掛保証サービスです。保証範囲や料金、ファクタリングとの違いまで含めて幅広く比べたい場合は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。

ギャランティ for 弥生ユーザー(弥生株式会社)

ギャランティ for 弥生ユーザーのウェブサイト

弥生が提供するクラウド型の売掛保証サービスが、ギャランティ for 弥生ユーザーです。取引先の倒産や支払い遅延によって売掛金が回収不能になった場合に保証されるため、未回収リスクに備えられます。審査と保証は、弥生のグループ会社であるアラームボックスが行います。

料金は月額定額のプラン制で、フリーランス向け2,000円、ビジネス6,000円、ビジネスPro12,000円の各プランが用意され、プランごとに保証上限額と保証先数が設定されています。小規模な事業者でも始めやすい料金体系が特徴です。

URIHO(株式会社ラクーンフィナンシャル)

URIHOのウェブサイト

URIHOは、東証プライム上場のラクーンホールディングス傘下、ラクーンフィナンシャルが運営するネット完結型の売掛保証サービスです。取引先の倒産や1か月以上の支払い遅延で売掛金が回収できなくなった場合に、保証会社が代金を支払います。

月額定額で保証する取引先数に上限を設けないサブスク型を掲げており、申込から取引先登録、保証金請求までをオンラインで完結できます。料金はミニプラン4,980円からAプラン9,800円、Bプラン29,800円などで、保証料(月額料金)は非課税です。初回1か月は無料で試せます。

Mamotte(リコーリース株式会社)

Mamotteのウェブサイト

東証プライム上場のリコーリースが手がけるMamotteは、BtoB向けの債権保証サービスです。取引先の倒産・夜逃げ・支払遅延などで売掛金が回収不能になった場合に、保証限度額の範囲内で実損失に相当する保証金が支払われます。

リース・販売金融で蓄積した与信審査のノウハウと、約40万社分の取引データを用いて、取引先ごとの保証限度額を設定します。取引を継続したまま、貸倒れリスクだけを保証会社に移せる点が特徴です。

eGuarantee(イー・ギャランティ株式会社)

eGuaranteeのウェブサイト

伊藤忠商事系の東証プライム上場企業が提供するeGuaranteeは、企業間取引で生じる売掛債権の信用リスクを引き受ける売掛債権保証サービスです。取引先の倒産や未払いが起きた場合に、契約で定めた限度額の範囲で保証金を支払います。

料金は「保証残高×保証料率」で算定され、保証料率は与信審査によって取引先ごとに設定されます。あらかじめ限度額を決めて課金する方式と、毎月の売上高に対して課金する方式の2通りから選べます。

同じ未入金を繰り返さないための再発防止策

ここからは、未入金を繰り返さないための予防策を解説します。回収対応には手間がかかるため、そもそも未入金を起こしにくい取引の仕組みを整えておくことが、長い目で見た負担軽減につながります。

取引開始前に与信管理を行う

新規取引を始める前に、相手の支払能力や信用状況を確認するのが与信管理です。登記情報や決算情報、取引実績、信用調査会社の情報などをもとに、取引限度額(与信枠)を設定しておくと、回収できないリスクを事前に抑えられます。取引額が大きい相手ほど、与信の確認を丁寧に行います。

与信管理の具体的な進め方や、与信限度額の決め方を手順に沿って知りたい場合は、以下の記事で中小企業向けに詳しく解説しています。

支払条件を明確にした契約書を交わす

支払期日・支払方法・遅延時の遅延損害金などを契約書に明記しておくと、未入金が起きたときの対応の根拠になります。分割払いの取引では、支払いが遅れた場合に残額を一括請求できる「期限の利益喪失条項」を入れておくと、回収の選択肢が広がります。条項の効果は契約内容によって変わるため、必要に応じて専門家に確認します。

売掛金の管理を徹底する

取引先ごとに入金予定日と入金状況を管理し、支払期日を過ぎた未入金を早く検知できる体制を整えます。入金消込や督促のタイミングを仕組み化しておくと、気づくのが遅れて時効が近づくような事態を防げます。未回収リスクそのものに備えるなら、前章で紹介した売掛保証の活用も選択肢になります。

まとめ

未入金に気づいたら、まず自社側の請求ミスや相殺できる買掛金がないかを確認し、やわらかい催促から督促状、内容証明郵便へと段階的に対応を強めていきます。それでも支払われない場合は、支払督促や少額訴訟などの法的手段を、費用・期間・向くケースに応じて選びます。

売掛金は原則5年で時効消滅するため、放置は禁物です。内容証明による催告や裁判上の請求で時効を止めつつ、自力での対応が難しければ、督促の自動化・回収代行・売掛保証といった外部サービスの活用も検討しましょう。自社の状況に合った方法で、確実な回収と再発防止を進めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 未入金とは何ですか?未収金・売掛金とはどう違いますか?

A. 未入金とは、取引先に商品やサービスを提供した後、支払期日を過ぎても入金が確認できていない代金そのものを指す実務上の呼び方です。会計上の勘定科目ではなく、本業の営業取引で生じた未回収代金は「売掛金」、本業以外の取引(固定資産の売却代金など)で生じた未回収金は「未収金(未収入金)」に区分されます。

取引先に掛けで提供した代金の未入金は売掛金の未回収にあたり、本記事はこの売掛金の未回収=未入金に気づいたときの対応と回収を扱っています。放置すると資金繰りの悪化や時効による請求権の消滅を招くため、気づいた時点での対応が重要です。

Q. 未入金に気づいたら、まず何を確認すればいいですか?

A. 未入金に気づいたら、取引先へ連絡する前にまず自社側に原因がないか(請求書を正しく発行・送付できているか、入金口座や支払期日の記載に誤りがないか)を確認します。あわせて、その取引先への買掛金があれば未回収の売掛金と相殺できる場合があるため、社内で確認しておきます。自社の請求ミスに気づかず督促すると相手の信頼を損なうため、相手に連絡する前の社内確認が欠かせません。

Q. 未入金の催促に使う催促状・督促状・催告書はどう違いますか?

A. いずれも支払いを促す書面ですが、催促状は行き違いを前提とした最初のやわらかい連絡、督促状は支払いを正式に求める書面、催告書(内容証明郵便)は法的手段を予告する最終通告という段階の違いがあります。これらは厳密な法律用語ではなく、前の書面で設定した支払期限を過ぎても入金・連絡がなければ次の段階へ切り替えるのが実務の目安です。

Q. 未入金の催促で送る内容証明郵便は、自分で送れますか?

A. 内容証明郵便は弁護士に依頼しなくても、差出人本人が作成して送れます。ただし差し出せる郵便局は集配郵便局などに限られ、加算料金480円(2枚目以降は290円増。2026年10月時点)に、郵便料金と一般書留の料金が加わります。

内容証明が証明するのは文書の存在と差出の事実であり、内容が真実であることや相手に届いたことまでは証明しないため、到達も記録に残したい場合は配達証明を併せて利用します。内容証明による催告には、時効の完成を6か月猶予する効果(民法第150条)もあります。

出典・参考資料(1件)

Q. 未入金の回収では、支払督促と少額訴訟のどちらを選べばいいですか?

A. 金額が争われにくく書類中心で進めたいなら支払督促、相手と争いがあって請求額が60万円以下なら少額訴訟が向きます。支払督促は簡易裁判所の書記官が申立てにもとづき支払いを命じる略式手続ですが、相手が督促異議を申し立てると通常訴訟へ移行します(民事訴訟法第382条)。

少額訴訟は、民事訴訟法第368条が定める60万円以下の金銭請求を原則1回の審理で判決する手続です。裁判所の案内によると、同じ簡易裁判所での利用は年10回までに制限され、判決への控訴はできません。いずれも申立手数料は、裁判所の手数料額早見表で該当する訴額の最新額を確認してください。

出典・参考資料(3件)

Q. 民事調停や仮差押えは、どんなときに使えばよいですか?

A. 民事調停は相手との関係を保って話し合いで解決したいとき、仮差押えは判決を待つ間に相手が財産を処分して回収できなくなるのを防ぎたいときに使います。民事調停は裁判所で調停委員を交えて和解を目指す手続で、申立手数料は訴訟より低めです。合意できなければ不成立となり、別途訴訟などを検討します。

仮差押えは、判決の前に相手の財産を仮に押さえておく保全手続です(民事保全法第20条)。相手が財産を処分・隠すおそれがある場合に備えとして使い、申立手数料のほかに担保金の予納が必要になります。

Q. 未入金の売掛金は何年で時効になりますか?時効を止めるにはどうすればいいですか?

A. 売掛金は、権利を行使できることを知った時(通常は支払期日)から5年で時効によって消滅します(民法第166条)。2020年4月1日に施行された現行民法で職業別の短期消滅時効は廃止され、原則5年に統一されたため、「売掛金は2年」といった改正前の古い情報には注意が必要です。

時効を止めるには、内容証明郵便による催告で完成を6か月猶予する(民法第150条)、裁判上の請求や支払督促を行う(民法第147条)、相手に債務を承認させる(一部弁済や残高確認書への署名など。民法第152条)といった方法があります。

出典・参考資料(4件)

Q. 未入金の回収を外部に依頼した方がいいのはどんなときですか?

A. 金額が大きい・相手と連絡が取れない・財産を処分されるおそれがあるといった場合は、早めに弁護士や債権回収の専門家へ依頼した方が、結果的に回収率を高められます。一方、日々の督促の手間を減らしたいならSMSやオートコールで督促を自動化するサービス、将来の未回収リスクそのものに備えたいなら売掛保証サービスという選択肢があります。

少額で相手に支払う意思がありそうなら、自力の催促で足りることが多く、未回収額・相手の状況・自社でかけられる手間で判断します。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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