ランサムウェアによる業務停止、巧妙化する標的型メール、取引先を経由した不正アクセス。こうした脅威が年々増えるなかで、自社の今の対策で本当に守れているのか不安を感じていませんか。製品の種類は多く、「サイバーセキュリティ対策」と一口に言っても、どこから手を付け、何を基準に選べばよいのか分かりにくいのが実情です。
自社の規模や守るべき範囲に合った対策を、過不足なく選ぶにはどのような観点で比較すればよいのでしょうか。特に専任のセキュリティ担当者を置きにくい企業では、導入後の運用まで見据えた判断が欠かせません。
本記事では、攻撃からの防御を担うサイバーセキュリティ対策製品を、エンドポイント・ネットワーク・メール・ログ監視といった対策領域別に19サービス比較・解説します。多層防御の全体像と自社に必要な領域の見極め方、製品の選び方、費用相場まで整理しました。自社に合う対策を判断するための材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
サイバーセキュリティ対策とは?今なぜ必要か
サイバーセキュリティ対策とは、マルウェア感染・不正アクセス・情報漏えいといったサイバー攻撃から、企業の端末・ネットワーク・データを守るための取り組みの総称です。ウイルス対策ソフトのような単一の製品を指すのではなく、攻撃の入口・内部・出口それぞれに防御層を設ける「多層防御」の考え方で組み立てるのが一般的です。
対策が欠かせないのは、企業を狙う攻撃が特定の業種や大企業だけの問題ではなくなっているためです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織が直面する脅威として、ランサムウェアによる被害が11年連続で1位、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃が8年連続で2位に挙げられています。
情報セキュリティ10大脅威 2026 [組織]
出典:情報セキュリティ10大脅威 2026 [組織]|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
1 ランサム攻撃による被害
2 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃
3 AIの利用をめぐるサイバーリスク
4 システムの脆弱性を悪用した攻撃
5 機密情報を狙った標的型攻撃
6 地政学的リスクに起因するサイバー攻撃(情報戦を含む)
7 内部不正による情報漏えい等
8 リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃
9 DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)
10 ビジネスメール詐欺
上位には、端末を狙うランサムウェア、取引先経由のサプライチェーン攻撃、標的型攻撃、内部不正による情報漏えいが並びます。これらは本記事で扱うエンドポイント対策・ネットワーク対策・メール対策・ログ監視といった対策領域に対応しており、どれか一つの製品だけでは守りきれないことを示しています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:情報セキュリティ10大脅威 2026 [組織]|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html)
サイバー攻撃の被害実態(なぜ対策が必要か)
ここからは、対策に取り組む必要性を、実際の被害統計から確認します。攻撃を受けた際の金銭的・時間的な負担を把握しておくことは、社内で対策の予算や体制を整える際の説得材料にもなります。
警察庁の「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、令和7年(2025年)のランサムウェアの被害報告件数は226件で、依然として高水準で推移しています。被害企業を組織の規模別に見ると中小企業が約6割を占め、業種別では製造業が約4割で最も多くなっています。大企業だけでなく、中小企業や製造業が広く標的になっている実態がうかがえます。
被害はさらに増加傾向にあります。同庁の「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、令和8年上半期(2026年1〜6月)のランサムウェア被害報告件数は123件で、半期の件数としては統計を取り始めた令和2年下半期以降で最多となりました。
復旧に総額1,000万円以上を要した組織の割合は全体の約6割にのぼり、1か月未満で復旧できた組織は5割弱にとどまっています。一度被害に遭うと、復旧に多額の費用と長い時間がかかることが分かります。
メールを起点とする攻撃も後を絶ちません。フィッシング対策協議会の「フィッシングレポート 2026」によると、2025年上半期のフィッシング報告件数は119万6,314件に達しています。直近でも、2026年9月の月次報告件数は94,661件が寄せられており、なりすましメールやフィッシングサイトへの警戒が引き続き必要です。
出典・参考資料(4件)
- 出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7/R07_cyber_jousei.pdf)
- 出典:令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R8kami/R08_kami_cyber_jousei.pdf)
- 出典:フィッシングレポート 2026|フィッシング対策協議会(https://www.antiphishing.jp/report/report/phishing_report2026.html)
- 出典:2026/09 フィッシング報告状況|フィッシング対策協議会(https://www.antiphishing.jp/report/monthly/202609.html)
多層防御で考える対策領域の全体像
ここからは、サイバーセキュリティ対策を「どの領域を守るか」という視点で整理します。攻撃は一つの経路だけから来るわけではないため、複数の防御層を組み合わせる多層防御の考え方が基本になります。自社のどの領域が手薄かを把握すると、優先して導入すべき製品が見えてきます。
入口・内部・出口で考える各対策領域の役割
多層防御は、攻撃の侵入を防ぐ「入口対策」、侵入後の拡散や内部不正を抑える「内部対策」、情報の外部流出を食い止める「出口対策」の3段階で考えると整理しやすくなります。本記事で扱う対策領域は、この3段階に次のように対応します。

- エンドポイント対策(EPP/EDR/XDR):PCやサーバといった端末上でマルウェアの侵入・実行を防ぎ、侵入後の不審な挙動を検知・対応します。入口と内部の両方を担う中核的な領域です。
- ネットワーク対策(UTM/ゲートウェイ):社内ネットワークとインターネットの出入り口で、ファイアウォールや不正侵入防御、URLフィルタリングを束ねて通信を監視・遮断します。主に入口対策を担います。
- メール・標的型攻撃対策:標的型攻撃メールやフィッシング、なりすましを検知・隔離し、添付ファイルの無害化を行います。攻撃の多くがメールを起点とするため、入口対策の要となります。
- ログ・内部不正/可視化対策(NDR):端末操作ログや通信ログを収集し、内部不正や侵入後の水平移動、情報の持ち出しといった痕跡を可視化します。内部対策・出口対策にまたがる領域です。
このほか、Webアプリケーションを守るWAF、ソフトウェアの弱点を管理する脆弱性管理、被害後の復旧に備えるバックアップなども多層防御を構成する要素です。これらは専門の製品領域となるため、本記事では攻撃からの防御を直接担う上記4領域を中心に製品を比較します。
ID管理・認証・データ保護・監視運用まで含めた社内セキュリティ全体を、守る対象別に見渡して検討したい場合は、カテゴリ全体を比較した以下の記事が参考になります。
中小企業は何から優先すべきか
すべての領域を一度に整えるのが理想ですが、予算や運用体制が限られる場合は優先順位を付ける必要があります。被害統計を踏まえると、まず着手すべきは被害件数の多いランサムウェアとメール起点の攻撃への備えです。
具体的には、端末を守るエンドポイント対策と、攻撃の入口になりやすいメール対策を優先的に検討する企業が多く見られます。
そのうえで、ネットワークの出入り口を守るUTMや、万一侵入された際に被害範囲を把握するログ監視を段階的に追加していくと、限られた予算でも抜け漏れの少ない構成に近づきます。警察庁の令和8年上半期の報告では侵入経路としてVPN機器が約5割を占めており、ネットワーク機器の管理も後回しにできない論点です。
限られた人員と予算の中で「何を・どの順で・いくらで」進めるかを、優先順位や費用感、無料で使える公的な支援制度まで含めてさらに具体的に知りたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
EDR・EPP・XDR・UTM・WAFなど用語の違い
製品を比較する前に、よく登場する略語の違いを押さえておくと選定がスムーズになります。それぞれが守る対象と役割を一覧で整理します。
| 用語 | 正式名称・意味 | 守る対象・役割 |
|---|---|---|
| EPP | Endpoint Protection Platform(エンドポイント保護基盤) | 端末へのマルウェア侵入・実行を防ぐ。従来のウイルス対策ソフトの発展形 |
| EDR | Endpoint Detection and Response | 端末に侵入された後の不審な挙動を検知し、調査・対応を支援する |
| XDR | Extended Detection and Response | 端末に加えメール・ネットワーク・クラウドなど複数の領域を横断して脅威を相関検知する |
| NGAV | Next Generation Anti-Virus(次世代アンチウイルス) | パターンファイルに頼らず、AIや振る舞いで未知のマルウェアを検知する |
| UTM | Unified Threat Management(統合脅威管理) | ファイアウォールや不正侵入防御などネットワーク防御機能を1台に集約する |
| WAF | Web Application Firewall | Webアプリケーションへの攻撃(SQLインジェクション等)を防ぐ |
| NDR | Network Detection and Response | ネットワーク通信を監視し、侵入後の水平移動や不正通信を検知する |
| MDR | Managed Detection and Response | 検知から初動対応までの運用を専門業者が代行するサービス |
| SOC | Security Operation Center | セキュリティ監視・分析を専門に行う組織・拠点 |
| ゼロトラスト | Zero Trust(ゼロトラスト) | 社内外を問わずすべての通信を信頼せず検証する考え方 |
大まかには、EPPが「侵入を防ぐ」、EDR・NDRが「侵入された後に気づいて対応する」、XDRがそれらを横断して束ねる役割だと捉えると理解しやすくなります。運用の手が足りない場合は、これらをMDRとして外部に任せる選択肢もあります。
サイバーセキュリティ対策製品の選び方(比較軸)
ここからは、製品を比較する際の具体的な観点を解説します。対策領域が決まったら、同じ領域の製品を次の軸で見比べると、自社に合うものを絞り込みやすくなります。
- 検知方式と検出性能:パターンファイル型か、AI・振る舞い検知型か。未知の脅威やゼロデイ攻撃への対応力に差が出ます。第三者評価機関(AV-TEST、AV-Comparatives、SE Labs のほか、Gartner Magic QuadrantやMITRE ATT&CK Evaluations など)の検証・評価が公開されている製品は、検出性能や対応力を客観的に確認できます。
- 対応環境・対応OS:Windows・macOS・Linux・モバイルなど、自社で使う端末やサーバをカバーしているかを確認します。クラウドサービスやリモートワーク環境への対応可否も重要です。
- 提供形態(クラウド型かオンプレミス型か):クラウド型はサーバ不要で導入・管理が容易な一方、オンプレミス型は自社で構成を制御したい場合に向きます。拠点数や運用工数を基準に選びます。
- ライセンス体系・費用:端末台数単位の課金が一般的ですが、最低契約台数やサポート費用、オプションで総額が変わります。同じ台数・期間の条件で見積もりを揃えて比較します。
運用を任せられる形か(MDR・SOC・サポート体制)
製品を導入しても、検知したアラートに対応する人手がなければ被害は防げません。専任のセキュリティ担当者がいない企業では、製品単体の性能だけでなく、運用をどこまで任せられるかが選定の分かれ目になります。
検知後の調査・初動対応を専門業者が代行するMDRや、24時間監視を提供するSOCサービスが付帯しているかを確認します。クラウド型で管理画面が分かりやすく、日本語サポートや導入支援が充実している製品は、運用体制が手薄な組織でも扱いやすい傾向があります。前述のとおり復旧には多額の費用と時間がかかるため、「検知して終わり」ではなく対応まで回せる体制を前提に選ぶことが重要です。
監視・対応を外部に委託するMDRは、各社で実際に代行してくれる範囲が大きく異なります。代行範囲・課金単位・24時間監視の中身で21サービスを比較した以下の記事は、運用を任せる前提で委託先を絞り込む際の判断材料になります。
対策領域別のおすすめ製品
ここからは、前述の4つの対策領域ごとに、おすすめの製品を紹介します。自社で手薄な領域から優先的に候補を確認してください。まず各領域と代表的な製品の対応を一覧で示し、続いて領域ごとに選び方の勘所を解説します。各製品の詳しい特徴は後掲の比較表とサービス個別紹介で確認できます。
| 対策領域 | 主な役割 | この記事で紹介する主な製品 |
|---|---|---|
| エンドポイント対策(EPP/EDR/XDR) | 端末でマルウェアの侵入・実行を防ぎ、侵入後の不審な挙動を検知・対応する | Trend Vision One/CrowdStrike Falcon/SentinelOne/Microsoft Defender XDR/Cortex XDR/Deep Instinct/FFRI yarai/ESET PROTECT/Cybereason |
| ネットワーク対策(UTM/ゲートウェイ) | 通信の出入り口で防御機能を束ねて監視・遮断する | SmartConnect クラウド型UTM/Check Point Quantum/Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ |
| メール・標的型攻撃対策 | 標的型メール・フィッシングの検知・隔離、添付ファイルの無害化を行う | ESET LiveGuard Advanced/m-FILTER MailFilter/IIJセキュアMXサービス/Proofpoint Email Protection |
| ログ・内部不正/可視化対策(NDR) | 通信・操作ログから内部不正や侵害の痕跡を可視化する | Network Blackbox/Darktrace/Vectra AI |
エンドポイント対策(EPP/EDR/XDR/振る舞い検知)
端末を守るエンドポイント対策は、多層防御の中核です。従来型のウイルス対策ソフトから発展し、AIや振る舞い検知で未知の脅威を防ぐEPP、侵入後の挙動を追うEDR、複数領域を横断するXDRまで、製品ごとに守備範囲が異なります。
この領域では、複数の領域を横断する統合XDR型、実行前に予測して阻止する予防特化型、純国産で振る舞い検知に強い型、中小向けにEPPとEDRをまとめた型、EDR専業で運用代行まで持つ型など、守備範囲や強みの異なる9製品を扱います。
自社の端末台数・OS構成と、運用を任せたいか(MDRの有無)で候補を絞ると選びやすくなります。各製品の詳細は後掲の比較表と個別紹介で確認できます。
ネットワーク対策(UTM/ゲートウェイ)
ネットワークの出入り口を守るUTMやゲートウェイは、複数の防御機能を1台に集約できるため、専任担当者が少ない企業でも管理しやすい領域です。
機器を設置せず使えるクラウド型、防御機能をゲートウェイに集約するアプライアンス型、UTMに端末対策やメール訓練まで束ねた中小向けの統合パッケージの3製品を、導入形態の違いで紹介します。
メール・標的型攻撃対策
攻撃の多くはメールを起点とするため、標的型攻撃メールやフィッシングを入口で止めるメール対策は優先度が高い領域です。
未知の脅威を解析するクラウドサンドボックス型、国産のメール受信ゲートウェイ型、運用を任せられる国産マネージド型、グローバルで提供されるメールゲートウェイ型の4製品を比較します。
ログ・内部不正/可視化対策(NDR)
侵入を完全に防ぐことは難しいため、万一侵入された際に通信や操作の痕跡から被害を可視化するログ監視・NDRも重要です。内部不正の検知や、侵入後の水平移動・情報持ち出しの追跡に役立ちます。通信を丸ごと記録するフルパケットキャプチャ型と、AIでネットワークの挙動を分析する型の3製品を紹介します。
自社に合うサービスを診断ツールで探す
ここまでの対策領域と選び方をふまえても、自社にどの製品が合うか迷う場合は、課題・企業規模・運用体制を選ぶだけで候補を絞り込める診断ツールをご利用ください。貴社の状況に合った製品が数十秒で分かります。
一括ダウンロードする
【比較表】対策領域別のおすすめ製品を横並び比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、紹介する19製品を対策領域別に整理し、防御の方式・対応環境・提供形態・運用支援・料金を横並びで比較します。
| サービス名 | Trend Vision One | CrowdStrike Falcon | SentinelOne | Microsoft Defender XDR | Cortex XDR | Deep Instinct | ESET PROTECT | FFRI yarai | Cybereason | Eye"247" Safety Zone USAV Ⅵ | SmartConnect クラウド型UTM | Check Point Quantum | ESET LiveGuard Advanced | m-FILTER MailFilter | IIJセキュアMXサービス | Proofpoint Email Protection | Network Blackbox | Darktrace | Vectra AI |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対策領域 | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | エンドポイント | ネットワーク | ネットワーク | ネットワーク | メール・標的型 | メール・標的型 | メール・標的型 | メール・標的型 | ログ・内部不正/NDR | ログ・内部不正/NDR | ログ・内部不正/NDR |
| 防御の方式・主な機能 | XDR(統合) EPP・EDR・相関分析 | NGAV・EDR・脅威ハンティング (単一エージェント) | EPP・EDR・XDR AI自律検知・1クリックロールバック | XDR(Defender製品群を横断) 自動攻撃かく乱・自動デバイス隔離 | EPP+EDR統合XDR (単一エージェント・振る舞い検知) | ディープラーニングによる実行前予防 (NGAV・予防層) | EPP基盤・上位でXDR/MDR (5段階プラン) | 5エンジンの振る舞い検知(シグネチャ非依存) EDR機能を標準搭載 | EDR(MalOp集約)・NGAV XDRへ拡張可 | UTM+EPP/EDR+業務可視化 標的型メール訓練を付帯 | クラウド型UTM(FortiGate) FW・IPS・アンチウイルス・Webフィルタ | 次世代ファイアウォール(NGFW) IPS・仮想パッチ・サンドボックス | クラウドサンドボックス (未知ファイルの挙動分析) | 国産メール受信ゲートウェイ なりすまし判定・URL/添付検査・無害化 | クラウド型統合メールセキュリティ SPF/DKIM/DMARC・無害化/サンドボックス(オプション) | セキュアメールゲートウェイ/API連携 サンドボックス・URL保護・BEC対策 | NDR(フルパケットキャプチャ) 全通信を保存しフォレンジック | 自己学習型AIによる異常検知(NDR起点) 自動調査・自律対応 | AI挙動分析のNDR(Attack Signal Intelligence) アラートを緊急度で絞り込み |
| 対応環境 | エンドポイント・サーバー・クラウド・メール・ネットワークを横断 | Windows/macOS/Linux | エンドポイント〜クラウド・ID・ネットワーク・モバイル | Windows/macOS/Linux/Android/iOS | オンプレミス・クラウド環境を横断 | Windows/macOS/Linux/Android ほか | Windows/macOS/Linux/iOS/Android | Windows/Windows Server | Windows/macOS/Linux/サーバー | クライアント数10〜200台の構成 | サーバー・デバイス100台相当まで(標準プラン) | 規模別ラインナップ(大企業〜中小・仮想・クラウド) | ESET PROTECT(クラウド/オンプレ)のアドオン | Microsoft 365/Google Workspace連携可 | Microsoft 365/Google Workspace連携可 | Microsoft 365/Google Workspace組込 | ミラーリング方式(エージェント不要)/EDR・SIEM連携 | ネットワーク/メール・クラウド・OT・ID・エンドポイント横断 | オンプレ/マルチクラウド/ID/M365/IoT・OT |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド/オンプレミス | オンプレミス/クラウド/マネージド | クラウド/オンプレミス(On-Prem) | アプライアンス同梱の統合パッケージ | クラウド(大阪DC集約型) | アプライアンス/仮想/クラウド | クラウド(アドオンライセンス) | オンプレミス/クラウド/ゲートウェイ | クラウド(ゲートウェイ/フルアウトソース/外部クラウド連携) | クラウド/仮想・物理アプライアンス | 公表なし(ミラーリング方式で導入) | アプライアンス/ハイブリッド(オンプレ・クラウド) | オンプレ/クラウド(マクニカが国内窓口) |
| 運用支援 | MDR・24時間365日サポート | MDR(Falcon Complete) | MDR(Wayfinder) | MDR(Defender Experts、英語のみ) | MDR(SIer経由のマネージドXDR) | 代理店サポート (他社EDR併用前提) | MDR(MDRプランで24時間365日) | マネージドサービスあり | MDR(日本語・24時間365日) | テクニカルサポート(代理店経由) | セキュリティ監視分析(有償オプション) | 24時間365日SOC(代理店経由) | ESET PROTECTに統合管理 | 販売パートナー経由のサポート | フルアウトソース構成あり | 代理店のマネージドサービス(NRIセキュア等) | 代理店の導入・運用支援 | MDR(海外3拠点24時間365日) | MDR・監視(マクニカ提供) |
| 料金 | 要問い合わせ (30日間無料体験) | 要問い合わせ (公式グローバル価格 年額59.99ドル〜、日本円は非公開) | 要問い合わせ | Microsoft 365 E5に含む (月額8,995円/ユーザー・年払い) | 要問い合わせ | 年額4,200円/ライセンス〜 (税抜、5ライセンスから) | 要問い合わせ (2026年12月1日価格改訂予定) | 要問い合わせ (最小5ライセンスから) | 要問い合わせ | 要問い合わせ (販売代理店の個別見積) | 初期110,000円〜/月額38,500円〜 (税別、最低利用1年) | 要問い合わせ | 要問い合わせ (ESET PROTECTのアドオン) | 月額換算250円/ライセンス〜 (オンプレ版・参考価格) | 要問い合わせ (個別見積、1ヵ月無料トライアル) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ (監視デバイス数で個別見積) | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・仕様は各社の公式情報に基づく2026年10月時点のものです。導入時は最新情報をご確認ください。
サービス個別紹介
ここからは、紹介する各製品の特徴を対策領域ごとに個別に解説します。対応範囲や提供形態、運用支援の有無を踏まえ、自社の候補を絞り込む参考にしてください。
エンドポイント対策の製品
1. Trend Vision One(トレンドマイクロ株式会社)

トレンドマイクロ株式会社が提供する、エンドポイント・サーバー・クラウド・メール・ネットワークを単一コンソールで扱う統合サイバーセキュリティプラットフォームです。各レイヤーの活動データを相関分析して攻撃の全体像を可視化するXDR(拡張検知・対応)を中核に据えています。
エンドポイント保護に加え、攻撃領域のリスクを継続的に把握するCREM(Cyber Risk Exposure Management)やクラウド設定の監視機能まで同じ基盤で有効化できる点が特徴です。既存のトレンドマイクロ製品も同じコンソールで一元管理できます。
Gartner Magic Quadrant(Endpoint Protection部門)では、2002年以来リーダーに位置づけられていると公式サイトに記載されています。
ライセンスは2026年にクレジットベースの「TrendAI Flex」へ一本化され、必要な機能にクレジットを割り当てて利用します。価格は公開されておらず要問い合わせで、30日間の無料体験が用意されています。
2. CrowdStrike Falcon(クラウドストライク合同会社)

単一の軽量エージェントで、次世代アンチウイルス(NGAV)・EDR・脅威ハンティング・ID保護などを束ねて提供するクラウド型のエンドポイント保護プラットフォームです。開発元は米国のCrowdStrike, Inc.で、国内はクラウドストライク合同会社と複数の販売代理店が導入を支援します。
マルウェアの実行をファイル・振る舞いの両面から機械学習で阻止するFalcon Preventを基盤に、侵入後の挙動を追うFalcon Insight、24時間体制の脅威ハンティングまでをプラン単位で段階的に拡張できます。SE Labsのランサムウェアテストでは検出率・防御率とも100%の評価を受けたと公式に発表しています。
料金はデバイス単位の年額で、グローバル公式価格は1デバイスあたり年額59.99ドル(Falcon Go)からです。日本円建ての正式価格は公開されておらず、国内代理店経由の見積もりが基本となります。15日間の無料トライアルが用意されています。
3. SentinelOne(SentinelOne Japan株式会社)

エージェント側で稼働するAIがファイルやプロセスの挙動を解析し、ランサムウェアの暗号化動作などを自律的に検知・停止する「Singularity Platform」です。米国のSentinelOne, Inc.が開発し、国内はSentinelOne Japan株式会社と代理店が提供します。
個々のイベントを時系列と因果関係で自動的に結びつけ、攻撃の全体像を再構成する特許技術「Storyline」を備えます。暗号化されたファイルをOSの再構築なしで攻撃前の状態へ戻す1クリックのロールバック機能は、EDR/XDRを含む上位パッケージSingularity Completeで提供されます。
保護範囲はエンドポイントからクラウド・アイデンティティ・モバイルへ広げられます。公式サイトは価格を開示しておらず、代理店経由の見積もりが基本です。Gartner Magic Quadrant(Endpoint Protection部門)で6年連続リーダーと公式サイトに記載されています。
4. Microsoft Defender XDR(日本マイクロソフト株式会社)

ID・エンドポイント・メール・クラウドアプリを横断して脅威を検知・対応する統合レイヤーです。単独で購入する製品ではなく、Defender for Endpointなど複数のDefender製品を組み合わせることで自動的に有効化されます。提供は日本マイクロソフト株式会社です。
各製品から集めたシグナルを相関させて1つのインシデントとして扱います。高確度で攻撃を検知した端末を自動的にネットワークから切り離し、ランサムウェアの横展開を抑える自動攻撃かく乱・自動デバイス隔離を備えます。ただし暗号化済みのファイルを復元する機能ではない点には注意が必要です。
多くはMicrosoft 365 E5(1ユーザーあたり月額8,995円・年払い、Teams込み)に含まれる形で導入されます。すでにE5を保有していればライセンス追加なしでXDRを有効化でき、Microsoft 365環境と同じ画面で運用できます。
5. Cortex XDR(パロアルトネットワークス株式会社)

予防を担うEPP(次世代アンチウイルス相当)と、検知後の調査・対応を担うEDRを1つのエージェントに統合したXDRプラットフォームです。開発元は米国のPalo Alto Networks, Inc.で、国内はパロアルトネットワークス株式会社と複数のSIer・販社が導入・運用を支援します。
ランサムウェア保護モジュールは、おとりファイル(デコイ)への書き込みや暗号化の試みを検知してプロセスを即座に遮断します。暗号化される前に振る舞いで止める予防を主眼とし、ファイル復元やロールバックの明示的な記載は公式サイトで確認できません。MITRE ATT&CK評価(第6ラウンド)では検出率100%・誤検知ゼロと公式サイトに記載されています。
プランは次世代アンチウイルス中心のPreventと、EDR機能を加えたProの2種類です。料金はいずれも要お問い合わせで、ソフトバンクやNRIセキュアなどのマネージドXDRサービス経由でも利用できます。
6. Deep Instinct(Deep Instinct Ltd.)

マルウェア検知に特化して設計した独自のディープラーニング(深層学習)により、既知・未知の脅威を実行前の段階で予測・阻止する「予防ファースト」のデータセキュリティ基盤です。開発元はイスラエル・米国のDeep Instinct Ltd.で、国内はエムオーテックス(LANSCOPEブランド)や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)などの代理店が販売します。
ファイルを20ミリ秒未満で判定して実行そのものを阻止するほか、Office文書やPDFに埋め込まれた不正なマクロ・スクリプトも検査対象とします。他社のEDR(Microsoft Defenderなど)との併用を前提とした予防層という位置づけで、第三者機関Unit 221Bの検証では未知攻撃の阻止率100%と報告されています(2022年、推奨構成での測定)。
エムオーテックス経由の公開価格は1ライセンスあたり年額4,200円(税抜、2025年8月改定)で、新規導入は5ライセンスからです。30日間の無料体験版が提供されています。
7. ESET PROTECT(イーセットジャパン株式会社)

欧州発の独立系セキュリティ企業ESETが提供する法人向けエンドポイント保護プラットフォームです。予防(EPP)を基盤に、上位プランでXDRやMDR(監視・運用代行)まで段階的に選べる構成で、国内はイーセットジャパン株式会社とキヤノンマーケティングジャパン株式会社が販売します。
プランはEntry・Advanced・Complete・Elite・MDRの5段階です。ランサムウェア暗号化からの修復やクラウドサンドボックスはAdvanced以上、XDRはElite以上、24時間365日の運用代行はMDRプランで利用できます。エンドポイント保護とランサムウェア対策自体は全プランで標準提供されます。
価格は公式・キヤノンMJとも非公開で、要お問い合わせです。キヤノンMJは2026年12月1日からの価格改訂を予告しています。日本語UIと国内の問い合わせ窓口(平日9:00〜17:00)が用意されています。
8. FFRI yarai(株式会社FFRIセキュリティ)

ウイルス定義ファイル(シグネチャ)に依存せず、プログラムの挙動を解析して脅威を検知する純国産の次世代エンドポイントセキュリティ製品です。開発・サポート拠点を国内に持つ株式会社FFRIセキュリティ(東証グロース上場)が提供します。
脆弱性攻撃を捉えるZDP、静的解析、サンドボックス、機械学習、挙動監視(HIPS)の5つのエンジンで、標的型攻撃やゼロデイ・ランサムウェアに対応します。2018年のVer.3.2以降はEDR機能(脅威ハンティング・端末隔離・レポーティング)を追加費用なしで標準搭載し、専任人材が限られる組織でもEDR運用を行える構成です。
Microsoft Defenderやトレンドマイクロ製品など、既存のウイルス対策ソフトと同居して運用できます。提供形態はオンプレミス・クラウド・マネージドサービスから選べ、最小5ライセンスから導入できます。料金は要お問い合わせです。
9. Cybereason(サイバーリーズン合同会社)

攻撃の開始から暗号化・身代金要求までの一連の活動を「MalOp(悪意ある操作)」として1つのインシデントに集約し、対応者が全体像を把握しやすくするEDRを核としたプラットフォームです。日本市場ではサイバーリーズン合同会社が提供します。
次世代アンチウイルスと振る舞いの痕跡(IOB)分析による多層防御で暗号化前の遮断を狙い、侵入後は複数端末のワンクリック隔離で被害拡大を抑えます。日本・ボストン・テルアビブの3拠点SOCによる日本語での24時間365日MDR(運用代行)も選べます。
エンドポイントを起点に、ネットワーク・ID・クラウドのログを横断分析するXDRや、エアギャップ環境にも対応するオンプレミス版Cybereason On-Premも用意します。料金は製品ラインナップごとに異なり、いずれも要お問い合わせです。
ネットワーク対策の製品
10. Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ(株式会社フーバーブレイン)

Check Point製のUTMを中核に、エンドポイントの防御と業務の可視化までを1台のパッケージにまとめた、株式会社フーバーブレインの統合セキュリティ製品です。ネットワーク防御(ファーストガード)、端末のEPP/EDR(セカンドガード)、業務可視化・情報漏えい対策(サードガード)の3層で構成され、年2回の標的型攻撃メール訓練も標準で付帯します。
UTM部分はファイアウォール・IPS・アンチウイルス・URLフィルタリング・アプリケーションコントロールなどを備え、クライアント数10〜200台の構成に対応します。UTMの電源断やソフトウェアエラー時にも通信を止めないバイパス機能「FONIC」を搭載し、障害時にネットワークが停止するリスクを抑える設計です。
ネットワーク・端末・人への対策を1契約でまとめて導入できるため、専任のIT担当者を置きにくい中小企業が多層防御を一度に整えたい場合に向きます。価格は公表されておらず、クライアント数とライセンス期間に応じた販売代理店経由の個別見積となります。
11. SmartConnect Network & Security クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

顧客の拠点にUTM機器を設置せず、NTTスマートコネクト株式会社(NTT西日本グループ)の大阪データセンターに通信を集約してUTM機能を適用する、クラウド型のネットワークセキュリティサービスです。採用製品はFortinet社の「FortiGate」「FortiAnalyzer」で、標準プランはサーバー・デバイス100台相当までの規模に対応します。
ファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタリング・アプリケーション制御を1つの基盤に統合し、不正な通信を自動で検知・遮断します。有償オプションの「セキュリティ監視分析」を契約すると、同社の分析官がログを分析し、インシデント発生時の早期通知や緊急遮断を代行します。
拠点ごとにUTM機器を調達・保守する手間がなく、設定から運用までを専門部隊に任せられるため、複数拠点を持ちセキュリティ担当者を置きにくい企業に向きます。料金は初期費用110,000円(税込121,000円)〜、月額38,500円(税込42,350円)〜で、最低利用期間は1年です。
12. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

Check Point Quantum は、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が国内窓口を担う次世代ファイアウォール(NGFW)の製品群です。侵入防止機能(IPS)は単体製品ではなく、ファイアウォールやアンチウイルスなどと同じゲートウェイ上で動く「IPSソフトウェアブレード」として統合提供されます。
IPSの検知はシグネチャに加えて振る舞い検知・プロトコル検証を組み合わせる方式で、パッチ提供前の脆弱性を保護する仮想パッチ機能も備えます。通信を遮断するPreventモードと検知のみのDetectモードを切り替えられるため、導入初期に誤検知を調整してから本番の遮断運用へ移行する段階導入がしやすい構成です。
大企業・データセンター向けの「Quantum Force」、中小企業向けの「Quantum Spark」、仮想アプライアンス、クラウド向けの「CloudGuard Network Security」まで、規模別のラインナップがそろいます。価格は公式に公開されておらず、導入は国内の販売代理店を通じた見積りが必要です。
メール・標的型攻撃対策の製品
13. ESET LiveGuard Advanced(キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

ESET LiveGuard Advanced(略称ELGA)は、ゼロデイ攻撃に使われるような未知のマルウェアをクラウド上の解析環境で検査するクラウドサンドボックスサービスで、日本国内ではキヤノンマーケティングジャパン株式会社が総販売代理店として提供しています。
エンドポイント(端末)が見つけた不審なファイルを自動でクラウドへ送り、機械学習・サンドボックスでの挙動分析・スキャンエンジンによる異常分析を組み合わせて判定します。
悪質と判定されたファイルは社内の全端末で自動的にブロックされ、大半のサンプルは数分内に解析から防御まで完了すると公式資料に記載されています。メールやブラウザ経由でダウンロードしたファイルについては、分析結果が出るまで実行を5〜60分保留させる設定も可能です。
ただし単体では利用できず、セキュリティ管理ツール「ESET PROTECT」(クラウド版またはオンプレミス版)のアドオンライセンスとして契約する前提です。既存のESET PROTECT環境があれば、ハードウェアを追加せずライセンスの追加だけでサンドボックス機能を有効化できます。料金は要問い合わせです。
14. m-FILTER MailFilter(デジタルアーツ株式会社)

デジタルアーツ株式会社が開発する国産のメールセキュリティ製品「m-FILTER」シリーズのうち、社外からの攻撃メール対策と誤送信対策を担う中核機能がMailFilterです。標的型攻撃メールやなりすまし、添付ファイルを使った攻撃を、メールサーバーの手前の受信ゲートウェイで検査します。
送信元のIPアドレスとドメインの組み合わせを照合してなりすましを判定し、本文中のURL検査や、危険な拡張子・マクロ・パスワード付きZIPを含む添付ファイルの検査を行います。2026年2月には、外部ツールと連携せずm-FILTER単体で添付ファイルを無害化できるオプションの提供も始まりました。
導入形態はオンプレミス型・クラウド型(m-FILTER@Cloud)・ゲートウェイ型(m-FILTER EdgeMTA)から選べ、Microsoft 365やGoogle Workspaceとも連携できます。
参考価格として、オンプレミス版は500ライセンス・5年契約を想定した月額換算250円/ライセンス、クラウド版は月額換算500円/ライセンスが公式に示されていますが、利用規模やオプションで金額は変わります。
15. IIJセキュアMXサービス(株式会社インターネットイニシアティブ)

受信時の脅威メール対策と、送信時の情報漏えい・内部不正対策を単一のクラウドゲートウェイにまとめたサービスです。提供元は株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)で、ゲートウェイ構成・フルアウトソース構成・Microsoft 365/Google Workspaceとの外部クラウド連携という3つの導入形態に対応します。
複数エンジンによる迷惑メール・ウイルス検知やマクロ除去に加え、SPF・DKIM・DMARCの3方式すべてに標準対応し、差出人を詐称したなりすましメールを検知します。添付ファイルの無害化やサンドボックスはオプションで追加でき、送信時の上長承認・送信取り消しによる誤送信対策も利用できます。
料金はメールアドレス数とオプションに応じた個別見積もり制で、最低利用期間は1ヵ月、1ヵ月の無料トライアルが用意されています。
選定時の留意点として、同サービスの設備が2024年8月以降に不正アクセスを受け、最大6,493契約・約407万件のメールアカウント情報が漏えいした可能性があることを同社が公表しています(2025年4月15日付発表)。同社は事案を公表したうえで現在は安全に利用できる状態としており、インシデント発生時の開示姿勢も含めて判断材料にするとよいでしょう。
16. Proofpoint Email Protection(日本プルーフポイント株式会社)

米国で創業したProofpoint, Inc.が開発するメールセキュリティ製品で、日本国内では日本プルーフポイント株式会社が提供します。受信メールをゲートウェイまたはAPI連携で検査し、フィッシングやマルウェア、ビジネスメール詐欺(BEC)、なりすましといった人をねらう攻撃を検知・ブロックします。現在は「Core Email Protection(CEP)」の名称でも案内されています。
添付ファイルを仮想環境で実際に動かして挙動を解析するサンドボックス(TAP Attachment Defense)と、本文中のURLを書き換えてクリック時にその都度再検査するURL保護(URL Defense)を備え、既知のパターンに依存しない検知を行います。なりすまし対策では、DMARCの導入・運用を支援するEmail Fraud Defenseも提供します。
Microsoft 365やGoogle Workspaceに組み込む形で導入でき、国内ではNRIセキュア・日立ソリューションズ・テクマトリックスなど複数の代理店経由で導入や運用支援を受けられます。料金は公式サイトで公開されておらず、無料デモの申し込み窓口を用意したうえで要問い合わせとなっています。
ここで挙げた4製品以外も含めてメール対策を広く比較したい場合は、受信ゲートウェイでのフィルタリングから無害化・サンドボックス、侵入後の検知まで、攻撃が進む段階に沿って26サービスを整理した以下の記事が参考になります。
ログ・内部不正/可視化対策(NDR)の製品
17. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

株式会社クワッドマイナージャパンが提供するNetwork Blackboxは、ネットワークを流れる通信をパケット単位で収集・保存し、脅威の可視化・検知・調査・対応までを担うNDR(Network Detection and Response)製品です。通信をミラーリングで取り込む方式のため端末へのエージェント導入が不要で、ネットワークへの影響を抑えて導入できます。
検知は、既知の攻撃を捉えるシグネチャ方式に加え、ユーザーの行為を記録して異常を見つける方式と、送受信データの内容を復元して分析する方式を併用します。イベントログではなく通信そのもの(全パケット)を保存するため、インシデント発生後に保存パケットを検索し、通信の宛先や時系列、やり取りされたファイルをさかのぼって確認できます。
EDRを導入しにくい制御機器を含めてネットワーク側から通信を監視できるほか、Syslog・REST APIを通じてEDRやSIEMと連携し、既存の対策を置き換えずに補完する設計です。料金は要問い合わせで、デモの申請窓口が用意されています。
18. Darktrace(Darktrace Limited)

Darktraceは、英国ケンブリッジに本社を置くDarktrace Limitedが2013年から展開するサイバーセキュリティ製品です(日本法人はダークトレース・ジャパン株式会社)。組織ごとの正常な通信や操作を自己学習型AI(Self-Learning AI)が学習し、そこからの逸脱をもとに脅威を検知します。
既知の攻撃パターン(シグネチャ)に頼らず、普段と異なる挙動から未知の脅威や内部不正を捉える点が特徴です。検知を担うDarktrace/NETWORK(NDR)を起点に、メール・クラウド・エンドポイント・アイデンティティなど複数の領域を横断して相関分析します。
検知したアラートはCyber AI Analystが自動で調査・優先度付けし、Autonomous Responseがデバイスの隔離などの封じ込めをリアルタイムで実行します。Darktrace/NETWORKはガートナー社のMagic Quadrant(NDR部門)で2025年・2026年と2年連続でLeaderに位置づけられ、導入実績は全世界で約10,000社、国内でも240社超とされています。
19. Vectra AI(Vectra AI, Inc.)

Vectra AIは、ネットワークトラフィックの挙動をAIで分析し、ランサムウェアやラテラルムーブメント(侵入後の内部移動)、認証情報の悪用など、社内に侵入した脅威を検知・対応するNDR製品です。開発元は米国のVectra AI, Inc.で、国内ではマクニカ株式会社が販売・サポート・監視サービスの窓口を担います。
検知エンジン「Attack Signal Intelligence」は、150以上のAIモデルで正常な活動と悪意ある活動を自動で分類し、多数のアラートを緊急度の高い脅威へ絞り込みます。監視対象はオンプレミスのネットワークに加え、AWSやAzureなどのマルチクラウド、Active DirectoryなどのID基盤、Microsoft 365、IoT/OTにおよびます。
CrowdStrike・Microsoft Defender・SentinelOneといったEDRや、Splunk・Microsoft SentinelなどのSIEMと連携し、既存のセキュリティ構成に組み込めます。グローバルで2,000社超が導入し、2026年のガートナー社Magic Quadrant(NDR部門)ではLeaderに位置づけられています。
サイバーセキュリティ対策の費用相場
ここからは、対策製品の費用相場を対策領域別に整理します。料金は端末台数やライセンス期間、オプションによって変わるため、あくまで目安として捉え、実際の導入時は同じ条件で各社の見積もりを揃えて比較してください。
- エンドポイント対策(EPP/EDR/XDR):クラウド型の場合、1端末あたり月額数百円〜数千円程度が目安です。EDR・XDRやMDRが付くほど単価は上がります。
- ネットワーク対策(UTM):アプライアンス型は機器代+保守・ライセンスで数十万円〜、クラウド型UTMは月額制で導入初期費用を抑えられる傾向があります。接続端末数や拠点数で変動します。
- メール・標的型攻撃対策:1ユーザーあたり月額数百円程度からが一般的で、サンドボックスや無害化などの高度な機能を加えると単価が上がります。
- ログ・内部不正/可視化対策(NDR):監視対象の通信量・端末数や、運用を外部に委託するかで大きく変わるため、個別見積もりが基本です。
公式に料金を公表している製品もあります。問い合わせ前の目安として、2026年10月時点で確認できる公表価格の例を挙げます。
- エンドポイント対策:クラウド型のEDRで1ライセンスあたり年額4,200円程度から、XDRを含む統合スイートで1ユーザーあたり月額8,995円(年払い)に含まれる形、グローバル製品で1デバイスあたり年額59.99ドルからといった公表例があります(日本円の正式価格は代理店見積もりの製品もあります)。
- ネットワーク対策(クラウド型UTM):初期110,000円(税込121,000円)前後に加え、月額38,500円(税込42,350円)前後、最低利用期間1年といった公表例があります。
- メール・標的型攻撃対策:受信ゲートウェイ型で1ライセンスあたり月額換算250円〜500円程度の参考価格が公表されています。
一方、多くの製品は公式サイトで価格を公表しておらず、「要お問い合わせ」としています。正確な費用は、自社の端末台数・守りたい範囲・希望する運用形態を伝えたうえで見積もりを取り、総額で比較するのが確実です。無料トライアルの有無や最低契約台数は各製品の個別紹介でも触れているため、問い合わせ前に候補を絞る材料になります。
導入・運用時の注意点
最後に、製品を導入・運用する際に押さえておきたい注意点を整理します。導入後のつまずきを事前に知っておくと、選定時の判断を誤りにくくなります。
- すべての脅威を防げるわけではない:どの製品も万能ではありません。入口・内部・出口それぞれに対策を組み合わせる多層防御を前提とし、一つの製品に過度に依存しないことが重要です。
- 運用体制がないと検知後の対応が回らない:高性能なEDRやNDRを入れても、アラートを分析し対応する人手がなければ被害は拡大します。復旧に総額1,000万円以上を要した組織が約6割にのぼる統計も踏まえ、MDRやサポートの活用を検討します。
- 端末の動作負荷と運用負荷:常時監視を行う製品は端末の動作に影響することがあります。無料トライアルで自社環境での動作や管理のしやすさを確認してから本格導入するのが安全です。
まとめ
サイバーセキュリティ対策は、単一の製品で完結するものではなく、入口・内部・出口それぞれに防御層を設ける多層防御の考え方で組み立てることが重要です。まずは自社でどの対策領域が手薄かを把握し、被害の多いランサムウェアやメール起点の攻撃への備えから優先的に検討するとよいでしょう。
製品を選ぶ際は、検知方式・対応環境・提供形態・費用に加え、専任担当者がいない場合は運用を任せられる形かどうかを重視します。本記事の比較表と診断ツールを活用し、自社の課題と体制に合う製品を見つけてください。気になる製品があれば、資料を請求して詳細を確認することをおすすめします。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. サイバーセキュリティ対策とは何ですか?
A. サイバーセキュリティ対策とは、マルウェア感染・不正アクセス・情報漏えいといったサイバー攻撃から、企業の端末・ネットワーク・データを守るための取り組みの総称です。単一の製品を指すのではなく、攻撃の入口・内部・出口それぞれに防御層を設ける「多層防御」の考え方で、エンドポイント・ネットワーク・メールなど複数の領域の対策を組み合わせて構成するのが一般的です。
Q. サイバーセキュリティ対策は何から始めればよいですか?
A. サイバーセキュリティ対策は、被害件数の多いランサムウェアとメール起点の攻撃への備え、具体的には端末を守るエンドポイント対策とメール対策から着手する企業が多いです。そのうえで、ネットワークの出入り口を守るUTMや、侵入時に被害範囲を把握するログ監視を段階的に追加すると、限られた予算でも抜け漏れの少ない構成に近づきます。まずは自社でどの対策領域が手薄かを把握することが出発点です。
Q. サイバーセキュリティ対策は一つの製品だけで守れますか?
A. サイバーセキュリティ対策は、一つの製品だけで守りきることは難しく、入口・内部・出口それぞれに防御を組み合わせる多層防御が前提です。
どの製品も万能ではなく、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」でもランサムウェア・サプライチェーン攻撃・標的型攻撃・内部不正など複数の脅威が並びます。エンドポイント・ネットワーク・メール・ログ監視といった対策領域を互いに補い合う形で構成することが重要です。
Q. EDR・EPP・XDR・UTMなどの用語は何が違うのですか?
A. サイバーセキュリティ対策の主な略語は、EPPが端末への「侵入を防ぐ」、EDR・NDRが「侵入後に気づいて対応する」、XDRがそれらを複数領域で横断して束ねる、UTMがネットワークの出入り口を守る役割という違いがあります。
EPPは従来のウイルス対策ソフトの発展形、XDRは端末・メール・ネットワークを相関検知する仕組み、UTMはファイアウォールなどのネットワーク防御機能を1台に集約した製品を指します。検知から対応までの運用を外部に任せる形はMDRと呼ばれます。
Q. サイバーセキュリティ対策はクラウド型とオンプレミス型のどちらが向いていますか?
A. クラウド型はサーバ不要で導入・管理がしやすく専任担当者が少ない企業や複数拠点に向き、オンプレミス型は自社で構成を細かく制御したい場合に向きます。拠点数や運用工数、更新作業の進め方を基準に比較すると判断しやすくなります。近年はクラウド型で管理画面から一元管理できる製品が増えており、運用体制が手薄な組織でも扱いやすい傾向があります。
Q. Windows Defenderや無料のウイルス対策ソフトだけで十分ですか?
A. 基本的な対策としては利用できますが、法人では端末の一括管理・運用支援・サポート体制や、未知の脅威への検知力が不足する場合があります。端末台数が多い、取引先から一定のセキュリティ要件を求められる、監査対応が必要といった場合は、管理機能や運用面も含めて有償の法人向け製品と比較することが重要です。守りたい範囲(PC・サーバ)と運用体制を前提に、必要な機能を整理してください。
Q. サイバーセキュリティ対策の費用相場はどのくらいですか?
A. サイバーセキュリティ対策の費用は、エンドポイント対策がクラウド型で1端末あたり月額数百円〜数千円程度、メール対策が1ユーザーあたり月額数百円程度から、ネットワーク対策(UTM)が機器代+保守で数十万円〜が目安です。
EDR・XDRやMDRが付くほど単価は上がります。端末1台あたりの単価に見えても、最低契約台数・サポート費用・オプションで総額が変わるため、同じ台数・期間の条件で見積もりを揃えて総額で比較してください。多くの製品は価格を公開しておらず要問い合わせです。
Q. 専任のセキュリティ担当者がいなくても運用できますか?
A. 検知から初動対応までを専門業者が代行するMDRや、24時間監視を行うSOCサービスが付いた製品を選べば、専任担当者がいなくても運用できます。製品を導入してもアラートに対応する人手がなければ被害は防げないため、運用をどこまで任せられるかが選定の分かれ目になります。クラウド型で管理画面が分かりやすく、日本語サポートや導入支援が充実した製品も、運用体制が手薄な組織に向いています。
サイバーセキュリティ対策サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、エンドポイント・ネットワーク・メール対策などのサイバーセキュリティ対策サービスの最新資料を無料で一括請求できます。機能・対応範囲・提供形態を見比べて、自社に合う製品を効率的に検討できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















