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飲食店向け給与計算ソフトおすすめ9選|時給・深夜手当・シフト連携で選ぶ

飲食店向け給与計算ソフト おすすめ9選のサムネイル画像
給与計算ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要14サービスの料金・機能を無料で一覧比較

給与計算ソフト比較表(2026年版)

飲食店の給与計算は、アルバイト・パート中心のシフト勤務に、時給や日給、深夜・残業の割増、店舗ごとの集計が重なり、手計算やExcelではミスや手間が生じやすい業務です。深夜手当の付け忘れや集計の転記ミスは、未払いやスタッフとのトラブルにもつながります。

こうした負担を減らす手段として給与計算ソフトがありますが、自店の規模やシフトの組み方に合う一本を選ぶには、どのような観点で比べればよいのでしょうか。

本記事では、飲食店の給与計算に向く給与計算ソフトを、時給・深夜手当の自動計算、勤怠・シフト連携、多店舗の店舗別集計、料金といった飲食店目線の観点で比較・解説します。個人店から多店舗チェーンまで、自店に合うソフトを判断する材料としてご活用ください。

また、自店の規模や勤怠連携のニーズに合わせて最適なソフトを探せるよう、30秒で終わる選定診断ツールも用意しています。あわせてご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、飲食店(個人店から多店舗チェーンまで、アルバイト・パート中心の職場)でシフト・時給・割増・多店舗の集計に対応できる給与計算ソフトを比較する記事です。店舗で働くスタッフの給与計算をソフトで効率化・正確化したい事業者に向けて、飲食業に固有の論点を踏まえて選び方とおすすめを整理しています。

自社で計算するのではなく、給与計算の業務そのものを外部に任せたい場合(アウトソーシングや社会保険労務士への委託)は、以下の記事で代行サービスを業務範囲・料金体系・規模別に比較できます。

また、業種を限定せず給与計算ソフト全般をフラットに比較したい場合は、以下の記事で主要なソフトの機能・料金・選び方を横断的に確認できます。

飲食店の給与計算が複雑になる理由

飲食店はアルバイト・パートが中心で、時給や日給、シフト制の変動する勤務時間、深夜・早朝帯の営業、繁忙期の残業、複数店舗の掛け持ちといった要素が重なります。これらは割増賃金の計算や店舗別の集計を難しくし、手計算やExcelでは付け忘れ・計算ミスが起きやすくなります。自店にどれが当てはまるかを確認しながら、業種に固有の3つの論点を見ていきましょう。

深夜割増と時給・日給の計算

飲食店の夜営業では、深夜帯の割増賃金が頻繁に発生します。労働基準法では、午後10時から午前5時までの労働に対して、通常の賃金の25%以上の深夜割増を支払うことが定められています。

使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

出典:労働基準法 第37条第4項(深夜の割増賃金)|e-Gov法令検索

たとえば時給1,100円のスタッフが午後10時以降に勤務した場合、1時間あたり1,100円×0.25=275円が深夜割増として上乗せされ、1時間あたり1,375円になります。いわゆる「早朝割増」という独立した割増は法律上ありません。午前5時より前の勤務は深夜割増として、法定労働時間を超える早朝勤務は後述の時間外割増として扱われます。

残業にあたる時間外労働(1日8時間・週40時間を超える労働)には、25%以上の割増が必要です。ランチから深夜まで続けて働き、1日8時間を超えてなお午後10時以降にかかる場合は、時間外25%と深夜25%が重なり、合計50%以上の割増になります。この時間帯別の重なりが、飲食店の給与計算をとくに煩雑にしています。

使用者が、……労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

出典:労働基準法 第37条第1項(時間外・休日の割増賃金)|e-Gov法令検索

このほか、法定休日(週1回以上の休日)に働かせた場合は35%以上、1か月の時間外労働が60時間を超えた分には50%以上の割増が必要です(月60時間超の50%は、2023年4月の制度改正で中小企業にも適用されています)。法定休日かどうかで割増率が変わる点は、週休の組み方によって扱いを誤りやすいところです。

飲食店で発生する割増賃金を示した図解。深夜割増(午後10時〜午前5時)25%以上、時間外割増(1日8時間・週40時間超)25%以上、法定休日労働(週1回以上の休日)35%以上、月60時間超の時間外50%以上。残業が深夜に及ぶと時間外25%+深夜25%で合計50%以上になる。

これらの割増は、シフトの実労働時間を時間帯ごとに分けて集計しなければ正しく算出できません。給与計算ソフトは、勤怠データをもとにこうした割増を自動で計算し、付け忘れや計算ミスを防ぎます。

出典・参考資料(2件)

まかない等の現物給与の扱い

飲食店ならではの論点が、スタッフに提供する「まかない」などの食事です。食事の提供は現物給与とみなされることがあり、所得税と社会保険でそれぞれ別の基準で扱われます。両者を混同しないことが大切です。

所得税では、次の2つの要件をどちらも満たす場合、まかないは給与として課税されません。

役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。(2)次の金額が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)

出典:No.2594 食事を支給したとき|国税庁

具体的には、スタッフが食事の価額の半分以上を負担し、かつ会社負担分(価額から本人負担を引いた額)が月7,500円以下なら非課税です。また、残業や宿日直のときに出す食事は、無料で支給しても課税しなくてよいとされています。忙しい時間帯のまかないは、提供するタイミングによって扱いが変わります。

社会保険(健康保険・厚生年金)では、所得税とは別の基準になります。食事は都道府県ごとに定められた価額で金銭に換算し、報酬に合算します。本人負担がその価額の3分の2以上であれば食事の供与はないものとして扱い、3分の2未満なら価額から本人負担を引いた額を報酬に算入します。価額は都道府県別・年度ごとに改定され、たとえば東京都の令和8年度は1人1か月あたり25,500円(1日あたり850円)です。

まかないの扱いは、負担額の設定しだいで課税・社会保険の計算が変わります。給与計算ソフトのなかには現物給与の項目を設定できるものもあり、毎月の計算に一貫して反映できます。

出典・参考資料(2件)

複数店舗を掛け持ちするスタッフの労働時間通算と按分

多店舗を展開する飲食店では、1人のスタッフが複数の店舗で働くことがあります。このとき注意したいのが、労働時間の通算です。労働基準法では、事業場(店舗)が異なっても労働時間を通算して扱うと定められています。

労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

出典:労働基準法 第38条第1項(時間計算・事業場を異にする場合の通算)|e-Gov法令検索

そのため、A店で5時間・B店で4時間働けば、各店では8時間以内でも合算して9時間となり、超えた1時間は時間外割増の対象になります。店舗ごとにばらばらに集計していると、この通算を見落として割増の付け忘れが起きやすくなります。

一方、1人分の人件費を店舗ごとに割り振る「按分」は、労働時間の通算とは別の会計上の処理です。店舗別の損益を正しく把握するために必要で、どの店舗で何時間働いたかを集計できる仕組みがあると、按分も給与計算もスムーズになります。給与計算ソフトや勤怠システムの多店舗対応機能は、この集計を支えます。

出典・参考資料(1件)

飲食店が給与計算ソフトを導入するメリット・できること

飲食店が給与計算ソフトを導入すると、アルバイト中心の時給・日給・月給の計算、深夜・残業・休日の割増の自動計算、社会保険料や所得税の控除、給与明細の発行、年末調整までを自動化できます。前述の割増や現物給与のように計算が複雑な項目も、設定にもとづいて毎月一貫して処理されるため、担当者の負担とミスが大きく減ります。

とくに飲食店では、Web明細でスタッフのスマートフォンに給与明細を配信できる点や、口座振込用のデータを自動で作成できる点が、紙の明細や手作業の振込を置き換えます。従業員の入れ替わりが多い職場でも、入退社の手続きや社会保険の届出をあわせて管理できるソフトなら、バックオフィスの作業を一本化できます。

勤怠・シフト・POS連携でできること

飲食店の給与計算で効果が大きいのが、勤怠・シフトとの連携です。手作業では、タイムカードやシフト表の数字を給与計算に転記する二重入力が発生し、ここでミスが生じやすくなります。

勤怠管理システムと給与計算ソフトを連携させると、実務は「スタッフが打刻する→労働時間とシフトが自動で集計される→時間帯別に割増を含めて給与計算される→給与明細が発行される」という流れでつながります。打刻データがそのまま給与計算に流れるため、転記の手間と集計ミスがなくなります。

勤怠連携でつながる給与計算の流れを示した図解。STEP1スタッフが打刻、STEP2労働時間とシフトを自動集計、STEP3時間帯別に割増を含めて給与計算、STEP4給与明細を発行・配信の4ステップ。打刻データがそのまま給与計算に流れ、転記の二重入力と集計ミスがなくなる。

多くのソフトは、勤怠システムとAPIやCSVで連携します。POSレジと勤怠が一体になったサービスでは、売上と人件費を同じ画面で把握でき、店舗ごとの人件費率の管理にも役立ちます。自店がすでに使っている勤怠・シフト・POSと連携できるかは、導入効果を左右する重要な観点です。

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飲食店向け給与計算ソフトの選び方

ここからは、自店に合う給与計算ソフトを絞り込むための5つの観点を解説します。すべてを満たす必要はなく、自店の状況に照らして優先順位をつけて判断してください。

店舗規模と予算に合うか

給与計算ソフトは、無料で使えるものから月数千円の小規模向け、従業員数に応じて課金される中規模向けまで幅があります。個人店や数名規模の店舗なら、無料プランや低価格の月額プランで十分なことが多く、多店舗でスタッフ数が多い場合は、人数課金の単価や上限を試算して無理のない料金帯かを見極めるとよいでしょう。具体的な相場は後述の料金・費用の目安で解説します。

時給・日給・深夜や残業の割増を自動計算できるか

飲食店はアルバイト・パートの時給計算が中心で、深夜・残業・休日の割増が頻繁に発生します。時給や日給に対応し、時間帯別の割増を自動で計算できるかは必須の観点です。雇用区分(正社員・アルバイトなど)ごとに異なる計算ルールを設定できるか、まかないなどの現物給与の項目を扱えるかも、自店の実態に合わせて確認しておきたい観点です。

売上に応じた歩合給やインセンティブを支給している店舗では、これらの手当も割増賃金の基礎となる賃金に含めて計算する必要があります。家族手当・通勤手当など法令で算定基礎から除外できる手当と異なり、歩合給は除外できません(労働基準法第37条第5項・同法施行規則第21条)。歩合・各種手当を割増の基礎に正しく反映できるかも確認しておきましょう。

繁忙期と閑散期で営業時間を変える店舗が1か月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)を採用している場合は、あらかじめ定めた変形期間内の所定労働時間にもとづいて時間外割増を計算します。変形労働時間制の設定に対応していれば、導入後に手計算で補う手間を防げます。

勤怠・シフト・POSと連携できるか

すでに勤怠管理やシフト管理、POSレジを使っている場合は、それらと連携できるソフトを選ぶと、打刻データから給与計算までが自動でつながり、二重入力をなくせます。自店の勤怠システムとAPIやCSVで連携できるか、連携できる勤怠サービスの種類を確認しておきましょう。これから勤怠も含めて導入するなら、給与と勤怠が一体のサービスを選ぶと設定がシンプルです。

多店舗の店舗別集計に対応できるか

複数店舗を運営する場合は、店舗ごとに人件費を集計でき、スタッフの掛け持ち勤務を通算して管理できるかは、確認しておきたい点です。店舗別の給与明細の一括発行や、本部でまとめて承認・集計できる機能があると、店舗数が増えても運用が回ります。1店舗のみで当面多店舗化の予定がなければ、この観点は優先度を下げて構いません。

サポート体制が小規模店でも使えるか

専任の労務担当がいない店舗では、導入時の初期設定や、法改正への対応を支えてくれるサポートの有無が運用のしやすさを左右します。チャットや電話のサポート範囲、初期設定の支援、操作のわかりやすさを確認するとよいでしょう。無料プランは機能が限られたりサポート対象外だったりすることがあるため、どこまで自店で対応できるかと合わせて検討します。

次の診断ツールは、店舗規模・勤怠連携・予算を中心に判定します。サポート体制を重視する場合は、診断結果にくわえて各社の提供体制もあわせて確認してください。

自店に合う給与計算ソフトを30秒で診断

ここまでの観点をふまえ、店舗規模・多店舗の有無・勤怠連携のニーズ・予算のいくつかの質問に答えるだけで、自店に合いそうな給与計算ソフトを絞り込めます。

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【比較表】飲食店向け給与計算ソフト比較

ここからは、飲食店に向く給与計算ソフトを、飲食店目線の観点で横断比較します。料金、対応する給与形態、割増の自動計算、勤怠・シフト連携、多店舗対応、無料プランの有無を一覧で見比べてください。

深夜手当や割増を打刻データから自動で計算したいなら、勤怠管理と一体で使えるタイプが向きます。給与計算に特化したタイプは、割増を計算式に倍率で設定する方式のことがあるため、自店の深夜営業の多さに合わせて見極めてください。どの製品がどちらにあたるかは、下の比較表の「残業・深夜割増の計算」欄で確認できます。

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サービス名弥生給与 Nextマネーフォワード クラウド給与給与奉行クラウドMAIDO SYSTEMfreee人事労務ジョブカン給与計算KING OF TIME 給与ジンジャー給与PayBook
月額費用(目安)月1,700円〜
(税抜・年契約)
月4,480円〜
(3名以下・税抜年払い)
月5,500円〜
(iE=20名まで)
月2,980円〜/店舗
(税別。本部機能9,800円)
月2,000円〜
(5名・ミニマム)
月400円/人
(最低2,000円・税抜)
月300円/人
(勤怠と共通課金)
要問い合わせ
(利用製品・人数で見積もり)
月1,100円
(スタンダード・税込)
対応給与形態時給・日給・月給時給・月給時給・月給時給・日給・月給時給・月給時給・月給時給・月給時給・月給
(雇用区分別)
時給・日給・月給
残業・深夜割増の計算計算式に倍率を設定
(法令自動判定ではない)
独自計算式・勤怠連携で対応残業手当を計算
(勤怠連携で取込)
勤怠連動で計算勤怠打刻から計算勤怠連携で計算
(連携は有料)
勤怠連携で自動計算計算式設定・勤怠連携手当は手入力
(深夜割増の自動判定は未確認)
勤怠・シフト連携●(KING OF TIME等とAPI連携)●(API・CSVで20種類以上)●(奉行APIコネクト。連携先ごとに別途利用料)◎(勤怠・POSと一体)◎(勤怠打刻を内蔵)●(ジョブカン勤怠と連携。API連携は有料)◎(勤怠と自動連携)●(ジンジャー勤怠と連携)△(連携の有無は公式未確認)
多店舗・店舗別集計—多店舗の導入事例あり—◎(店舗別明細の一括発行)————部署別集計のCSVあり
無料プラン・トライアルトライアルのみ
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(1か月)
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(10名まで。別途3か月お試し)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・機能は各社の公式情報をご確認ください(2026年10月時点)。

飲食店におすすめの給与計算ソフト(個別紹介)

ここからは、比較表で取り上げた各サービスについて、飲食店での使い勝手を中心に1社ずつ紹介します。自店の規模や勤怠環境に照らしながらご覧ください。

1. 弥生給与 Next(弥生株式会社)

弥生給与 Next の公式サイト

弥生給与 Nextは、弥生会計などを手がける弥生株式会社が提供するクラウド型の給与計算ソフトです。給与・賞与計算から年末調整、Web明細の配信までを扱い、初期費用0円・年契約で月1,700円(エントリープラン、税抜)から利用できます。アルバイト中心の飲食店でも、最大2か月の無料体験で操作感を試してから導入を判断できます。

時給計算では「計算単価」機能で1時間あたりの単価を自動計算し、給与カレンダーから所定労働日数・時間も算出されます。ただし深夜や休日の割増は法令による自動判定ではなく、明細項目の計算式に倍率を設定する方式です(例: 月60時間超の残業は倍率1.500)。深夜営業の多い店舗では、25%・35%の割増を自店のルールで計算式に組んでおく必要があります。

勤怠管理の「弥生勤怠 Next」(エントリープラン以上)やKING OF TIME、ジョブカン勤怠管理などとAPIで連携でき、シフトの打刻データを給与計算に取り込めます。計算した給与・賞与明細はWebでスタッフのスマートフォンに配信できるため、入れ替わりの多いアルバイトへの明細交付も紙を使わずに運用できます。

深夜勤務が限定的な店舗や、弥生会計など弥生製品をすでに使っている店舗に向きます。深夜割増を打刻データから自動で反映したい店舗は、勤怠一体型のソフトもあわせて検討してください。

2. マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド給与の公式サイト

マネーフォワード クラウド給与は、給与・賞与計算から給与明細のWeb発行、年末調整(別製品のクラウド年末調整と連携)までをカバーするクラウド型の給与計算ソフトです。提供元は株式会社マネーフォワードで、会計・勤怠・人事管理などのクラウドシリーズとデータ連携できる設計になっています。

飲食店での使い勝手に関わるのが勤怠連携で、API連携とCSVインポートに対応します。CSVインポートの対応先にはスマレジ TIME CARDなどがあり、打刻データを取り込んで給与計算につなげられます。支給・控除項目は独自の計算式も設定でき、時給や手当の扱いを自店の運用に合わせられます。

料金は初期費用0円で、利用者3名以下のスモールビジネスプランが月額4,480円、4名以上のビジネスプランが月額6,480円(いずれも年払い・税抜)です。ビジネスプランは6名以上で1名あたり月額300円が加算されるため、スタッフ数が多い多店舗では総額を試算して比べることが大切です。飲食店では、32店舗・従業員500名超のグルマンズ株式会社が給与計算を1人で回す体制にした事例が公式に紹介されています。

3. 給与奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

給与奉行クラウドの公式サイト

給与奉行クラウドは、業務ソフト「奉行」シリーズを手がける株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウド型給与計算システムです。給与・賞与計算や年末調整の計算、源泉徴収票の作成に対応し、残業手当の計算や、保険料率の改定を含む社会保険料の自動計算も行えます。

料金は従業員規模に応じた5段階のプランで、20名までのiEシステムが月額5,500円、50名までのiAシステムが月額11,750円です(初期費用は初年度のみ、iEは0円)。アルバイトを多く抱える店舗では従業員数に応じてプランが上がるため、スタッフ数に見合うプランを試算して比べることが大切です。

勤怠連携は奉行APIコネクトサービスを介して行い、KING OF TIMEやジョブカン勤怠管理、CLOUZAなど複数の勤怠管理サービスと直接連携できます。ただしAPI連携には連携先ごとに別途利用料がかかるため、自店が使う勤怠サービスと費用をあわせて確認してください。

飲食店の視点では、残業手当の計算に対応する一方、深夜割増の自動計算や店舗別集計は公式に明示されていません。深夜営業が多い店舗や、多店舗の店舗別集計を重視する場合は、導入前に対応範囲を確認してください。

4. MAIDO SYSTEM(まいどソリューションズ株式会社)

MAIDO SYSTEM(まいどシステム)公式サイトのスクリーンショット

まいどソリューションズ株式会社が飲食店向けに提供する、POS・売上管理・勤怠管理・給料管理を1つの基盤に統合したクラウド型の店舗管理システムです。給料計算は勤怠の打刻データと連動する「給料管理」機能として動き、時給・日給・月給や日割り計算に対応します。

多店舗チェーンの運用を想定し、店舗ごとの給料明細を一括で作成・発行でき、電子明細の配信や銀行ネットバンキングと連動した一括振込にも対応します。アルバイト中心でシフトが変動する飲食店の給与を、売上や勤怠と同じ基盤で扱える構成です。

初期費用は0円で、売上・勤怠・POSを含む基本機能は月額2,980円(税別)/店舗、多店舗の本部向け機能は店舗数に関係なく9,800円(税別)/本部です。年末調整は弥生給与などの申告ソフトへCSV連携して処理する分業型で、給料計算機能の中に年末調整そのものは持ちません。

5. freee人事労務(フリー株式会社)

freee人事労務 公式サイトのスクリーンショット

勤怠打刻から給与計算、年末調整、入退社手続き、マイナンバー管理までを1つのIDで一元管理する、フリー株式会社のクラウド労務管理システムです。給与計算と労務手続きをまとめて運用でき、給与明細の電子化もその一機能として提供されます。

従業員はスマートフォンアプリやLINEから勤怠打刻・給与明細の確認・各種申請まで行えるため、アルバイト・パートの入れ替わりが多い店舗でも手続きを集約しやすい構成です。会計freeeと連携すれば、バックオフィス全体を同じ基盤でそろえられます。

初期費用はかからず、月額はミニマムプランが5名利用時で2,000円から、スタンダードプランが3,000円から(いずれも従業員数や用途で変動)です。無料でのお試しも用意されています。

6. ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)

ジョブカン給与計算 公式サイトのスクリーンショット

株式会社DONUTSが展開する「ジョブカン」シリーズの給与計算ソフトで、月例給与・賞与の自動計算、Web給与明細や源泉徴収票の配布、年末調整に対応します。同シリーズの「ジョブカン勤怠管理」と連携すれば、打刻データを取り込んで給与計算までつなげられます(API連携は有料プラン)。

料金は1ユーザーあたり月額400円(税抜、最低利用料金2,000円)で、従業員5名以下であれば期間の制限なく使える無料プランも用意されています。少人数で運営する個人店から、勤怠と合わせて仕組みを整えたい店舗まで検討しやすい料金体系です。

7. KING OF TIME 給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

KING OF TIME 給与 公式サイトのスクリーンショット

株式会社ヒューマンテクノロジーズの勤怠管理システム「KING OF TIME」に、給与計算を加えたモジュールです。勤怠・人事労務データが自動連携されるため、打刻情報を二重に入力せず、ワンクリックで給与計算まで進められます。

勤怠管理が本体のため、シフト制でアルバイトの打刻が多い飲食店でも、深夜・残業の割増を打刻データから給与計算に反映しやすいのが強みです。すでにKING OF TIMEで打刻を運用している店舗なら、同じデータのまま給与計算まで広げられます。

料金は1人あたり月額300円で、KING OF TIMEシリーズ共通の従量課金に給与機能が追加料金なしで含まれます。すでにシリーズの勤怠管理で打刻を運用している飲食店なら、同じ登録人数のまま給与計算まで広げられる設計です。初期費用は0円で、30日間の無料体験も用意されています。

年末調整は、申告書のWeb収集から税額計算、給与支払報告書の出力まで対応します。保険料控除証明書はAI-OCRでの読み取りや電子的控除証明書(XMLファイル)の取り込みに対応し、未提出者への自動リマインド機能も備えます。

8. ジンジャー給与(jinjer株式会社)

ジンジャー給与 公式サイトのスクリーンショット

ジンジャー給与は、人事労務シリーズ「ジンジャー」を展開するjinjer株式会社のクラウド型給与計算ソフトです。雇用区分ごとに複数の給与計算式パターンを設定でき、正社員の月給とアルバイト・パートの時給など、異なる計算ルールを分けて扱えます。

給与・賞与の計算からWeb給与明細の配信、年末調整までをカバーし、同ブランドの「ジンジャー勤怠」と連携すれば勤怠データを給与計算に反映できます。税制改正や保険料率の改定に伴うシステムの更新は契約の範囲で行われ、そのための追加費用はかからないとされています。

料金は公開ページでは「ご利用製品×ご利用人数」で決まると案内されており、初期費用や従業員1名あたりの具体的な金額は資料請求・問い合わせで確認する方式です。導入前に1ヶ月の無料トライアルで操作を試せます。

9. PayBook(合同会社Pay-book.jp)

PayBook(ペイブック)公式サイトのスクリーンショット

PayBookは、合同会社Pay-book.jpが運営する中小企業・スタートアップ向けのクラウド給与計算ソフトです。社会保険料・所得税・住民税の自動計算に対応し、時給・日給での計算もできるため、アルバイト・パート中心の店舗でも使えます。

飲食店向けの案内では、基本給の欄に「時給×勤務時間」の計算式をそのまま入力でき、翌月もその式が引き継がれる使い方が示されています。残業・休日出勤・深夜の手当は入力欄で扱えますが、深夜割増を時間帯から自動で判定する仕組みや勤怠システムとの連携の有無は、公式情報では確認できていません。

料金は、10名まで使えるフリープランが永年無料で、スタンダードプランが月額1,100円(税込)、税理士・社労士向けのプロプランが月額3,300円(税込)です。登録から3か月間はクレジットカード登録なしでスタンダードプランの全機能を試せます。年末調整は計算機能を持たず、有料プランで年末調整ソフト向けのデータ出力に対応します。

飲食店向け給与計算ソフトの料金・費用の目安

給与計算ソフトの料金の目安を、自店の規模に見合うかを判断する材料として整理します。クラウド型は初期費用が無料のものが多く、月額は小規模向けで2,000〜5,000円程度から始められるサービスが中心です。従業員数に応じて1人あたり数百円が加算される従量課金のプランもあり、スタッフ数が多い多店舗では総額が変わるため、自店の人数で試算して比較することが大切です。

無料プランを備えるソフトもありますが、利用できる従業員数や機能に上限があることが一般的です。年末調整やWeb明細、勤怠連携などの必要な機能が無料の範囲で使えるかを確認し、足りなければ有料プランの料金を含めて検討します。料金は変更されることがあるため、導入前に各社の公式情報で最新の金額を確認してください(本記事の料金は2026年10月時点の各社公表情報にもとづきます)。

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よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店向け給与計算ソフトとは何ですか?

A. 飲食店向け給与計算ソフトとは、アルバイト・パートの時給や日給、シフト制の変動する勤務、深夜・残業の割増、多店舗の店舗別集計といった飲食業に特有の給与計算を自動化できる給与計算ソフトです。勤怠データをもとに割増を含む給与を計算し、給与明細の発行や年末調整まで扱えます。

給与計算ソフト全般のうち、時給計算・勤怠連携・多店舗対応などが飲食店の運用に向くものを指す呼び方で、専用の別ジャンルがあるわけではありません。本記事では、飲食店での使い勝手を基準に各ソフトを比較しています。

Q. 飲食店向け給与計算ソフトは深夜手当や時給の割増を自動で計算できますか?

A. 飲食店向け給与計算ソフトの多くは、勤怠データをもとに時給や深夜・残業・休日の割増を計算できますが、割増を時間帯から法令どおり自動判定できるか、計算式に倍率を設定して計算する方式かは製品によって異なります。深夜割増(午後10時〜午前5時は25%以上)が頻発する夜営業の店舗では、どこまで自動で処理されるかを導入前に確認することが大切です。

たとえば勤怠システムと一体のソフトは打刻データから時間帯別に割増を自動計算しやすく、給与計算に特化したソフトでは割増の倍率を計算式として設定する方式のものもあります。自店のシフトの組み方に合わせて、必要な割増が漏れなく計算できるかを見極めてください。

Q. 飲食店向け給与計算ソフトは勤怠管理やシフト・POSと連携できますか?

A. 多くの飲食店向け給与計算ソフトは、勤怠管理システムやシフト管理、POSレジとAPIやCSVで連携でき、打刻データを取り込んで給与計算まで自動でつなげられます。これにより、タイムカードやシフト表の数字を給与計算に手入力する二重入力と、その際の転記ミスをなくせます。

ただし連携できる勤怠サービスの種類はソフトごとに異なり、連携に別途利用料がかかる製品もあります。すでに使っている勤怠・シフト・POSと連携できるか、これから一式で導入するなら給与と勤怠が一体のサービスを選ぶかを、自店の環境に合わせて確認してください。

Q. 飲食店向け給与計算ソフトは多店舗の店舗別集計に対応できますか?

A. 多店舗対応の飲食店向け給与計算ソフトなら、店舗ごとに人件費を集計し、店舗別の給与明細を一括で発行でき、本部でまとめて承認・集計できます。1人のスタッフが複数店舗を掛け持ちする場合も、勤務時間を店舗横断で管理できる仕組みがあると集計がスムーズです。

掛け持ち勤務では、労働基準法で事業場(店舗)が異なっても労働時間を通算して扱うと定められているため(第38条第1項)、店舗ごとにばらばらに集計していると割増の付け忘れが起きやすくなります。多店舗展開や掛け持ちスタッフが多い店舗では、この通算と店舗別集計に対応できるかを重視して選んでください。

Q. 飲食店のまかない(食事提供)は給与計算でどう扱いますか?

A. まかないなどの食事提供は現物給与とみなされることがあり、所得税と社会保険で別の基準で扱います。所得税は「本人が価額の半分以上を負担し、かつ会社負担分が月7,500円(税抜)以下」なら非課税で、社会保険はさらに別の基準です。現物給与の項目を設定できる給与計算ソフトなら、毎月の計算に一貫して反映できます。基準の詳細はまかない等の現物給与の扱いで解説しています。

Q. 飲食店向け給与計算ソフトは無料で使えますか?

A. 飲食店向け給与計算ソフトには無料プランを備えた製品もあり、少人数で運営する個人店なら無料の範囲で給与計算をまかなえる場合があります。一方で、無料プランは利用できる従業員数や機能に上限があることが一般的です。

年末調整やWeb給与明細、勤怠連携など自店に必要な機能が無料の範囲で使えるかを確認し、足りなければ有料プランの料金を含めて検討してください。有料プランでも初期費用が無料で、月額数千円から始められるクラウド型が中心です。

Q. 飲食店向け給与計算ソフトは年末調整や社会保険にも対応していますか?

A. 多くの飲食店向け給与計算ソフトは、社会保険料・所得税の控除計算や年末調整まで対応しています。従業員の入退社手続きやマイナンバー管理まで一元管理できる労務型のソフトもあり、専任の労務担当がいない店舗でも手続きを集約できます。

ただし、年末調整の計算機能を持たず、外部の申告ソフトへデータを連携して処理する分業型の製品もあります。年末調整や社会保険の届出をソフト内で完結させたいか、外部ソフトとの連携で足りるかを、自店の運用に合わせて確認してください。

Q. エクセルや手計算から給与計算ソフトに移行するにはどうすればよいですか?

A. エクセルや手計算からの移行は、従業員情報(氏名・時給や日給・雇用区分など)と給与の支給・控除の設定を初期登録すれば始められます。初期設定を終えれば、以降は勤怠データをもとに毎月の給与が自動で計算されます。

多くのクラウド型ソフトは無料体験や初期設定のサポートを用意しているため、まず少人数やテスト運用で操作感を確かめてから本格導入するとスムーズです。専任の労務担当がいない店舗では、初期設定の支援やサポート範囲も選定の際に確認しておくと安心です。

まとめ:飲食店の給与計算は自店の勤務実態に合うソフトで効率化する

飲食店の給与計算は、時給・シフト制、深夜や残業の割増、まかないの現物給与、多店舗の掛け持ちといった業種特有の要素が重なり、手作業ではミスや手間が生じやすい業務です。給与計算ソフトを使えば、これらの計算を自動化し、勤怠との連携で二重入力もなくせます。

選ぶときは、店舗規模と予算、時給・割増の自動計算、勤怠・シフト・POSとの連携、多店舗の店舗別集計、サポート体制の5つの観点で自店に合うかを見極めるのが近道です。気になるサービスは、資料を取り寄せて機能と料金を具体的に比較してみてください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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