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案件(プロジェクト)単位の予実管理とは?案件別予実表の作り方と対応システムの選び方

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予算管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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予算管理システム比較表(2026年版)

IT開発や制作、コンサルティング、建設など、案件(プロジェクト)単位で仕事を受けて進める企業では、同じ売上規模でも案件ごとに利益の出方が大きく変わります。全社や部門の予実管理は整えていても、「どの案件が予算どおりに利益を出し、どの案件が赤字に沈んでいるのか」が案件単位では見えていない、というケースは少なくありません。

案件ごとの予実を把握するには、全社・部門の予実とは別に、案件1件ごとの予算と実績(売上・原価・工数・粗利)を突き合わせる仕組みが必要です。本記事では、案件単位の予実管理で具体的に何を見るのかを案件別予実表の例で示したうえで、案件管理と予実管理を連動させる理由、進め方、Excelの限界、そして案件単位に対応する方法・システムの選び方までを整理します。

自社の案件がどこで予算からずれているのかを把握し、赤字案件を早めに見つけて手を打てる体制をつくるための検討材料として活用してください。

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案件(プロジェクト)単位の予実管理とは

予実管理とは、立てた予算(計画)と実際の実績を突き合わせ、その差異を分析して次の意思決定に生かす管理手法です。案件(プロジェクト)単位の予実管理は、これを全社や部門単位ではなく案件1件ごとに行うことを指します。本記事では特に、売上・原価・工数・粗利を案件別に把握して採算を管理する形を中心に、2つの系統の切り分けと案件別予実表で見る項目から具体的に見ていきます。

「案件の予実管理」には2系統ある——営業案件とプロジェクト案件

「案件の予実管理」と一口に言っても、見ているものは大きく2つに分かれます。自社がどちらを管理したいのかを先に切り分けておくと、必要な方法やシステムの見当がつきやすくなります。

案件の予実管理の2系統の切り分け。営業案件(商談)の予実は受注前の商談を対象に売上の見込みと実績を見て、営業部門が受注予測の精度を上げ目標との差を早期に把握する。プロジェクト案件(原価・工数採算)の予実は受注後のプロジェクトを対象に原価と粗利を見て、プロジェクト責任者や経理・経営企画が工数超過や外注費の膨張による赤字を早期に発見する。本記事はプロジェクト案件を主対象とする。

1つ目は、営業案件(商談)の予実です。受注前の商談を対象に、受注見込みの金額と確度を積み上げ、売上予算に対してどれだけ着地しそうかを管理します。見ている中心は「売上の見込みと実績」で、営業部門やその管理者が主な担い手です。受注予測の精度を上げ、目標との差を早期に把握することが目的になります。

2つ目は、プロジェクト案件(原価・工数採算)の予実です。受注後のプロジェクトを対象に、案件ごとの売上に対して外注費・人件費(工数)・経費といった原価を積み上げ、案件単位の粗利が予算どおりに出ているかを管理します。見ている中心は「原価と粗利(採算)」で、プロジェクト責任者や経理・経営企画が関わります。工数の超過や外注費の膨張で赤字になっていないかを早期に見つけることが目的です。

本記事は、後者のプロジェクト案件の予実(案件ごとの原価・工数・粗利の管理)を主に扱います。ただし、受注後の採算は受注時の見積もり(営業案件)と地続きのため、両方を同じ基盤でつなぐ考え方も後半で取り上げます。

案件別予実表で何を見るか(項目・列・数値例)

案件単位の予実管理の中心になるのが、案件1件ごとに予算と実績を並べた「案件別予実表」です。全社や部門の予実表が組織の集計値を見るのに対し、案件別予実表は1つの案件を縦に分解し、売上・原価・粗利のそれぞれで予算と実績の差異を見ます。

たとえば、受注額500万円のシステム開発案件を想定すると、案件別予実表は次のような形になります。

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案件別予実表の例(受注額500万円の開発案件)売上高外注費人件費(工数×単価)経費粗利粗利率
予算5,000,000円1,200,000円2,000,000円300,000円1,500,000円30%
実績5,000,000円1,500,000円2,400,000円350,000円750,000円15%
差異±0-300,000円-400,000円-50,000円-750,000円-15pt

※上記は案件別予実表の構成を示す記入例です。金額は説明のための仮の数値です。

この例では、売上は予算どおり着地しているにもかかわらず、外注費と人件費(工数)の超過によって粗利が予算の半分まで落ち込んでいます。全社・部門の予実表では売上が計画どおりに見えるため、この案件の採算悪化は埋もれてしまいます。案件単位で予実を分解して初めて、「どの原価項目が、どれだけ、なぜ超過したのか」が見え、次の案件の見積もりや工数配分の改善につながります。

案件別予実表は、1つの案件を1枚として作ります。行に項目(売上と、外注費・人件費・経費などの原価、そして粗利)を並べ、列に予算・実績・差異を置くのが基本の形です。受託・プロジェクト型のビジネスでは、人件費を「工数(時間)×担当者単価」で原価に換算する行を持たせると、工数の超過が粗利に与える影響を追えるようになります。

案件管理と予実管理を連動させる理由

案件単位の予実管理でつまずきやすいのが、案件の進行状況を管理する仕組みと、予算・実績を管理する仕組みが分かれていることです。両者を連動させないと、次のような問題が起こります。

同じ数字を二重に入力することになります。案件管理の表に受注額や進捗を入れ、別の予実管理表にも売上見込みや実績を転記する、という運用では、入力の手間が二重になるうえ、どちらが最新か分からなくなります。

売上見込みの反映が遅れます。案件の受注確度や納期が変わっても、予実側へ手作業で反映していると、最新の着地見込み(現時点の実績に残りの見込みを足した最終予測)がすぐに更新されません。月次でまとめて転記する運用だと、経営判断に使う数字が常に1か月遅れになります。

赤字案件の発見が遅れます。案件の工数や外注費の実績が予実表に自動で集まらないと、採算の悪化に気づくのが案件終了後になりがちです。進行中に気づければ、要員の組み替えや追加発注の見直しで損失を抑えられます。

案件管理と予実管理を一元化すると、最新の案件状況がそのまま売上見込みや採算に反映され、二重入力がなくなり、予算との差を早い段階で把握できるようになります。受注後の採算だけでなく、受注前の見積もりと受注後の実績を同じ基盤でつなぐことで、「見積もりが甘かったのか、実行で超過したのか」まで振り返れる点も、連動させる価値のひとつです。

案件単位の予実管理の進め方

案件単位の予実管理は、全社の予実管理と同じ「予算設定→実績収集→差異確認→原因分析→対策」のサイクルを、案件という単位に置き換えて回します。各ステップで案件ごとに何を入力・集計するかを具体的に見ていきます。

案件単位の予実管理の進め方5ステップ。STEP1予算設定は見積もりをもとに案件ごとの売上・外注費・工数・経費の予算を立てる。STEP2実績収集は売上・外注費・経費と担当者の工数を案件に紐づけて集める。STEP3差異確認は案件別予実表で売上・原価・粗利の差異と着地見込みを確認する。STEP4原因分析は外注費か工数か見積もりか超過の原因を原価項目まで分解する。STEP5対策・反映は要員の組み替え等で立て直し次の見積もりに反映する。予算設定から対策までを案件単位で回すサイクル。

1. 案件ごとに予算を設定する

受注時の見積もりをもとに、案件ごとの売上予算と、それにかかる外注費・人件費(想定工数×単価)・経費の予算を立てます。見積もりの内訳をそのまま予算の初期値にすると、後の差異分析で「見積もりの甘さ」と「実行時の超過」を切り分けやすくなります。

2. 案件ごとに実績を集める

案件に紐づく売上・外注費・経費の実績に加え、担当者が入力した工数(作業時間)を集めます。受託・プロジェクト型では、工数を「時間×担当者単価」で労務費に換算し、案件の原価として積み上げるのが要になります。工数の記録が案件単位で取れていないと、原価の大半を占める人件費が見えず、採算が把握できません。

3. 予算と実績の差異・採算を確認する

案件別予実表で、売上・原価・粗利の予算と実績の差異を確認します。進行中の案件は、現時点の実績に残りの見込みを足した「着地見込み」で、最終的に予算を達成できそうかを見ます。粗利率が予算を下回っている案件を早めに洗い出すことが、このステップの目的です。

4. 差異の原因を分析する

差異が出た案件について、原因を原価項目まで分解します。外注費の超過なのか、工数(人件費)の超過なのか、そもそも見積もりが低すぎたのかで、打つべき手は変わります。原因を案件横断で集計すると、特定の案件タイプや担当で繰り返し超過が起きていないか、といった傾向も見えてきます。

5. 対策を実行し、次の見積もりに反映する

進行中の案件では、要員の組み替え・作業範囲の調整・追加費用の交渉などで採算を立て直します。終了した案件は、超過の原因を次回の見積もり基準や工数見積もりに反映し、同じ失敗を繰り返さないようにします。案件単位の予実管理は、1案件の管理で終わらせず、見積もり精度を継続的に高めるサイクルとして回すことで効果が大きくなります。

案件単位の予実に使う方法・システムと選び方

ここからは、案件単位の予実管理を実際にどの方法・システムで行うかを、Excelの限界、方法ごとの比較、自社タイプ別の選び方の順に整理します。

Excelでの案件別予実管理の限界とシステム化の分岐点

案件数が少ないうちは、Excelやスプレッドシートで案件別予実表を作るのが手軽で、まず試作して「何を見たいか」を社内で固めるには適した方法です。一方で、案件が増えるにつれて次のような限界が出てきます。

  • 案件ごとにシートが増え、全案件を横断して採算を見るための集計が手作業になります
  • 工数(勤怠)・会計・販売管理など別々の仕組みから数字を転記するため、入力漏れや転記ミスが起きやすくなります
  • 複数人で同時に更新すると、どれが最新か分からなくなり、関数やレイアウトが壊れやすくなります
  • 進行中の着地見込みをリアルタイムに更新できず、採算の悪化に気づくのが遅れます

目安として、案件数や関係者が増えて集計作業が月次の負担になってきた、工数と原価を自動で結びつけたい、複数人・複数部門でリアルタイムに同じ数字を見たい、といった必要が出てきたら、システム化を検討する分岐点です。

方法・システムの種類別比較

案件単位の予実に使える方法・システムには、それぞれ得意な領域があります。案件単位で「予算・実績・差異を管理できるか」「工数・原価を集計できるか」という観点で、方法の種類ごとに特徴を整理します。

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管理方法Excel・スプレッドシートSFA(営業支援)BIツールERP(基幹システム)予実管理・経営管理システム案件・プロジェクト収支管理システム
案件単位の予算・実績管理自由に作れるが手作業中心営業案件の売上見込み・実績が得意集めたデータの可視化・分析販売・原価・会計を統合管理予算策定・予実・着地見込みが得意案件単位の予算・実績・見込みが中核
工数・原価の集計手入力・手集計原価・工数は対象外が多いデータは別システムから供給が前提工数・原価を一元管理できる製品がある製品により対応範囲が異なる工数→労務費・外注費を案件原価に集約
向くケース・注意点案件数が少ない段階の試作向き。件数が増えると集計とメンテナンスが限界に受注前の商談・売上見込みの管理に向く。受注後の原価採算は別途必要予実データの分析・ダッシュボード化に向く。データを集める仕組みは別に用意業務全体を一気通貫で統合したい場合に向く。プロジェクト型に特化した製品を選ぶ必要がある全社・部門・一部プロジェクトの予実を効率化したい場合に向く。案件原価まで見るなら対応範囲を確認受託・プロジェクト型の案件採算に特化。IT・制作・建設などに向く

※上記は各方法の一般的な傾向です。実際の対応範囲は製品ごとに異なるため、個別にご確認ください。

案件ごとの原価・工数・粗利まで管理したい場合は、案件・プロジェクト収支管理に特化したシステムや、プロジェクト型に対応したERPが中心的な選択肢になります。営業案件(売上見込み)の管理が主目的ならSFA、全社の予実効率化が主目的なら予実管理・経営管理システムが近く、どこまでを一つの仕組みでまかなうかで選び方が変わります。

このうち、案件単位ではなく全社・部門の予実効率化を主目的とする場合は、予実管理・経営管理システムを含む予算管理システム全般が選択肢になります。タイプ別の選び方や料金・機能を横断して比較したい場合は、主要なサービスを整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

自社タイプ別の選び方と必要機能

案件単位の予実管理で重視すべき点は、自社のビジネスの型によって変わります。代表的な3つのタイプごとに、重視する軸と必要になりやすい機能を整理します。

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自社タイプ受注・プロジェクト型(制作・建設・コンサルなど)工数型(IT・システム開発・準委任など)営業商談型(売上見込みを重視)
重視する軸案件ごとの原価積み上げと粗利工数(人件費)の採算への反映受注前の売上予算と見込みの精度
必要になりやすい機能見積〜受注〜請求と原価の連動、外注費・経費の案件別集計、案件損益の可視化工数入力と労務費換算、担当者単価の設定、進捗に連動した着地見込み商談・受注確度の管理、売上予測、予算との差の早期把握

※タイプは目安です。複数の型にまたがる場合は、優先度の高い軸から必要機能を確認してください。

選定時は、これらの軸に加えて、料金体系が自社の利用規模に合うか、既存の会計・勤怠・販売管理システムと連携できるか、導入・運用の支援を受けられるかも確認しておきましょう。料金が「要問い合わせ」となっている製品も多いため、利用人数や必要なモジュールを前提に見積もりを取り、実際の負担感を把握したうえで比較するのが確実です。

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案件単位の予実に対応するサービス

ここからは、案件単位の予実管理に使えるサービスを紹介します。全社・部門のKPIや予実の管理が主体の製品から、案件(プロジェクト)単位の原価・工数採算に特化した製品まで、対応範囲には幅があります。各サービスで案件単位への対応範囲に差があるため、まず比較表で全体像と違いを確認し、気になるサービスは個別の紹介と資料で詳しく見てください。

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サービス名X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)クラウドERP ZACプロカンFinovo(フィノボ)Amoeba Pro 管理会計クラウド
案件(プロジェクト)単位でできること部門・拠点・プロジェクトなど複数の切り口でKPIと予算・実績を集約し、予実のズレ・異常値を自動検知部門・得意先・プロジェクト単位でPLを管理し、KPIを積み上げた予算・予実・着地見込みを更新案件・プロジェクト単位で損益をリアルタイム可視化。見積〜受注〜請求〜債権管理まで連動案件(プロジェクト)ごとに予算・実績・原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイム可視化各種データを取り込み予実・原価管理をノーコードで自動化(申込フォームの選択肢にプロジェクト損益管理を含む)部門・商品・プロジェクトなど最大6セグメントで予実・採算を分析(プロジェクトは分析軸の一つ)
原価・工数の扱い案件別の原価積み上げ・工数管理は公式に確認できず配賦・原価計算の機能は公式に記載なし(PL・KPI管理が中心)工数を案件別の労務費に自動集計し、外注費・経費とあわせ個別原価を自動計算工数を労務単価で原価換算し、外注費とあわせ案件ごとの粗利を把握(労務単価の設定方法は公式に明記なし)原価管理・配賦・為替換算などの加工に対応(工数からの原価換算の仕組みは公式に確認できず)配賦・徴収など管理会計ルールに沿った処理に対応(工数からの原価換算は公式に確認できず)
向いている企業タイプ複数部門・拠点のKPIと予実を一元把握したい中堅〜大企業KPIと予実を結びつけて予算達成度を高めたい企業受託・プロジェクト型(IT・広告・コンサル・士業など)中小〜中堅の受託型(IT・映像制作・広告・Web・建設など)散在データの集計・加工を減らし管理会計を効率化したい管理部門部門とあわせプロジェクト別採算も多軸で分析したい企業
料金目安要問い合わせ月額15万円〜(利用規模により変動、詳細は要問い合わせ)初期費用10万円+モジュール×ライセンス数の月額+保守6万円〜/月(単価は要問い合わせ)初期費用150,000円〜・月額30,000円〜(税込165,000円/33,000円〜、利用人数で変動)要問い合わせ要問い合わせ(個別見積もり、最低利用期間12か月)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金は2026年10月時点の各社公式情報・掲載情報によります。最新の料金は各社にご確認ください。

案件ごとの原価・工数・粗利まで案件単位で管理したい受注・プロジェクト型や工数型のビジネスでは、クラウドERP ZACやプロカンのような案件収支管理に特化した製品が中心的な選択肢になります。一方、全社・部門のKPIや予実の延長で案件も分析軸の一つとして見たい場合は、X-KPIやScale Cloud、Finovo、Amoeba Proが候補になります。以下で各サービスの詳細を紹介します。

1. X-KPI(クロスケーピーアイ)(株式会社パブリックアイデンティティ)

X-KPIのウェブサイト

X-KPIは、日経グループの株式会社パブリックアイデンティティが提供するクラウド型のKPI・予実管理ツールです。部門・拠点・プロジェクト単位のKPIと予実データをクラウド上で集約し、リアルタイムに可視化することを中核としています。

案件単位の予実という観点では、プロジェクトを含む複数の切り口で予算と実績を集約し、予実のズレや異常値を自動で検知して、原因とともにチャットツールへ通知する点が特徴です。KPIやダッシュボードはノーコードで設計でき、会計ソフトやグループウェアとのAPI連携にも対応します。料金は要問い合わせで、個別見積もりとなります。プロジェクトを含む複数部門のKPIと予実を一元的に把握したい企業に向いています。

2. Scale Cloud(スケールクラウド)(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloud(スケールクラウド)のウェブサイト

公認会計士が代表を務める株式会社Scale Cloudが開発した、財務数値(PL・BS・CF)と非財務数値(KPI)を関連づけて一元管理する経営管理クラウドです。予算策定・予実管理・着地見込みの更新を一つの基盤で行えます。

部門や得意先、プロジェクトなどの単位でPLを管理でき、KPIを積み上げて予算を作る方式に対応している点が強みです。商談数と成約率から契約数を、そこに単価を掛けて売上予算を作る、といった組み立て方ができます。

会計ソフトに加えてSalesforceなどともAPI連携が可能です。料金は公式サイトで月額15万円からと案内されています(利用規模により変動、詳細は要問い合わせ)。KPIと予実を結びつけて予算の達成度を高めたい企業に適した選択肢です。

3. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACのウェブサイト

クラウドERP ZACは、東証プライム上場の株式会社オロが提供する、案件・プロジェクト単位で業務が進む業種に特化した統合型クラウドERPです。IT・システム開発、広告・クリエイティブ、コンサルティング・士業などのプロジェクト型ビジネスを主な対象としています。

案件単位の予実という観点での中核は、個別原価計算の自動化です。工数管理で担当者が案件と作業項目を指定して工数を入力すると、自動的に案件別の労務費として集計され、外注費・仕入・経費とあわせて案件損益をリアルタイムに可視化できます。

プロジェクト単位で予定・実績の労務費や作業時間、進捗率を同じ画面で確認できる点も、採算管理に役立ちます。見積から受注・請求・債権管理までの販売管理も同じ基盤で連動します。

料金はZAC初期設定費用10万円に、機能(モジュール)×ライセンス数の月額と保守費(6万円〜/月)を加えた体系で、単価は要問い合わせです。受託・プロジェクト型の原価・採算を基幹業務ごと統合したい企業に向いています。

4. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンのウェブサイト

プロカンは、案件単位で進むプロジェクト型ビジネス向けのクラウド型プロジェクト収支管理システムです。株式会社PROCANが提供し、IT・システム開発、イベント・映像制作、広告・PR、デザイン・Web、建設・設計・工事などの業種に対応しています。

案件(プロジェクト)ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化する設計です。社内人員の工数を労務単価で原価に換算し、外注費などの社外コストとあわせて案件ごとの粗利を把握できます。

見積・請求・発注・経費精算・稟議承認までを一つの入力データから続けて処理でき、弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードなどの会計ソフトとも連携します(対応ソフトは業種別ページの記載に基づく)。

料金は初期費用150,000円から、月額30,000円から(いずれも税込165,000円/33,000円から)で、利用人数に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとしても案内されています。中小〜中堅規模の受託型ビジネスで案件収支を一元管理したい場合の有力な候補です。

5. Finovo(フィノボ)(株式会社Finovo)

Finovoのウェブサイト

Finovoは、公認会計士が代表を務める株式会社Finovoが提供する管理会計プラットフォームです。システムや表計算ファイルから出力したデータを前処理なしで取り込み、加工から分析までをノーコードで自動化することを中核にしています。

対応する業務領域として、予実管理・原価管理・連結業績管理・KPI管理・監査対応を公式に挙げており、申込フォームの選択肢にはプロジェクト損益管理も含まれます。データの統合・変換・計算に加え、配賦や為替換算といった管理会計の処理に対応する点が特徴です。

料金は要問い合わせで、公式サイトでは無料デモの申し込み導線が用意されています。散在するデータの集計・加工の負担を減らし、原価やプロジェクト損益を含む管理会計を効率化したい企業に向いています。

6. Amoeba Pro 管理会計クラウド(京セラコミュニケーションシステム株式会社)

Amoeba Pro 管理会計クラウドのウェブサイト

Amoeba Pro 管理会計クラウドは、京セラグループの京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)が提供するクラウド型の管理会計システムです。予算の作成から集計、実績の連携までを自動化し、複数の切り口でリアルタイムに分析できます。

部門別・商品別・プロジェクト別など最大6つの分析セグメントを設定でき、セグメントを組み合わせたマトリックス分析に対応します。案件単位の採算を見たい場合は、プロジェクトを分析軸の一つとして予実・採算を把握できます。

配賦や徴収など現状の管理会計の運用ルールに合わせた処理や、「一人当たり売上高」などの非財務指標の設定にも対応します。料金はユーザー数に応じた個別見積もりで、最低利用期間は12か月です。

アメーバ経営を導入していない企業でも、一般的な予実管理・経営管理ツールとして利用できます。部門とあわせてプロジェクト別の採算も多軸で分析したい企業に適しています。

出典・参考資料(6件)

案件単位の予実管理でよくある失敗

案件単位の予実管理を始めても、運用の仕方によっては効果が出ないことがあります。導入前に、つまずきやすいポイントを押さえておきましょう。

入力項目を増やしすぎて現場が入力しなくなります。最初から細かく管理しようとして入力項目を増やすと、現場の負担が重くなり、工数や経費の入力が形骸化します。入力されたデータが欠ければ、案件別予実表の精度も下がります。まずは採算判断に必要な項目に絞り、運用が定着してから広げるのが現実的です。

Excelとシステムの二重管理が続いてしまいます。システムを導入しても、使い慣れたExcelでの管理を並行して続けると、どちらが正か分からなくなり、二重入力の手間だけが残ります。移行時に、どの数字をどこで管理するかを決め、一本化することが重要です。

数字だけを見て、活動内容を確認しない運用になりがちです。差異の数値を眺めるだけでは改善につながりません。超過した案件について、なぜ工数や外注費が増えたのかという活動の中身まで振り返り、次の見積もりや進め方に反映して初めて、予実管理が成果に結びつきます。

実績を月末にまとめて集計する運用にしてしまいがちです。月次でまとめて集計する運用では、進行中の案件の採算悪化に気づくのが遅れます。工数や外注費を発生のつど案件に記録し、着地見込みを随時更新できる運用にしておくと、損失が確定する前に手を打てます。

まとめ

案件単位の予実管理は、全社・部門の予実とは別に、案件1件ごとの売上・原価・工数・粗利の予算と実績を突き合わせることで、埋もれがちな赤字案件を早期に見つけ、見積もり精度を高めていく取り組みです。まず自社が営業案件とプロジェクト案件のどちらを管理したいのかを切り分け、案件別予実表で何を見るかを固めたうえで、案件管理と予実管理を連動させる方法を検討するとスムーズです。

案件数が増えてExcelでの集計が負担になってきたら、自社のビジネスの型に合ったシステムの導入が選択肢になります。案件ごとの原価・工数・粗利まで管理したい場合は、案件・プロジェクト収支管理に特化したシステムやプロジェクト型に対応したERPが中心的な候補です。複数のサービスの資料を取り寄せ、案件単位でできることと料金を見比べたうえで、自社に合うものを選びましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 案件(プロジェクト)単位の予実管理とは何ですか?

A. 案件(プロジェクト)単位の予実管理とは、全社や部門ではなく、案件1件ごとに予算と実績(売上・原価・工数・粗利)を突き合わせ、その差異を管理する取り組みです。

全社・部門の予実表では売上が計画どおりに見えても、特定の案件で外注費や工数が膨らんで赤字になっている状況は集計に埋もれます。案件単位まで分解することで、どの案件が予算どおりに利益を出し、どの案件が赤字なのかが見え、赤字案件を早期に見つけて手を打てるようになります。

Q. 予実管理と予算管理の違いは何ですか?

A. 予実管理と予算管理の違いは、予算管理が「予算(計画)を立てること」を指すのに対し、予実管理は立てた予算と実績を比較し、差異を分析して改善につなげるところまでを含む点です。

案件単位に当てはめると、受注時の見積もりをもとに案件ごとの売上・原価の予算を立てる部分が予算管理、その予算と実際の売上・外注費・工数を突き合わせて赤字案件を見つけ、次の見積もりに反映していく部分が予実管理にあたります。

Q. 案件単位の予実管理と原価管理はどう違いますか?

A. 原価管理が案件にかかるコスト(外注費・人件費・経費)の把握と低減に主眼を置くのに対し、予実管理は売上も含めた予算と実績の差異を見て採算を管理する点が異なります。

案件単位では、原価管理は予実管理の一部として機能します。工数や外注費を案件ごとに積み上げる原価管理があって初めて、売上と突き合わせた案件ごとの粗利(採算)が見え、予算との差異を管理できるようになります。

Q. 案件単位の予実管理と案件管理(進捗管理)はどう違い、なぜ連動させるのですか?

A. 案件管理(進捗管理)が案件の進行状況の把握に重点を置くのに対し、予実管理は予算と実績の差異分析や採算の改善までを含む点が異なります。両者を連動させると、最新の案件状況がそのまま売上見込みや採算に反映され、二重入力や赤字案件の発見遅れを防げます。

連動させないと、同じ数字を案件管理の表と予実管理の表に二重入力することになり、受注確度や工数の変化が予実側へ反映されるのが遅れ、採算の悪化に気づくのが案件終了後になりがちです。進行中に気づければ、要員の組み替えや追加発注の見直しで損失を抑えられます。

Q. 案件単位の予実管理は誰が行うのですか?

A. 案件単位の予実管理は、扱う系統によって担い手が変わり、営業案件(売上見込み)の予実は営業部門やその管理者、プロジェクト案件(原価・工数採算)の予実はプロジェクト責任者や経理・経営企画が中心となります。

ただし、実績の入力は現場の担当者の協力が欠かせません。とくに工数は、担当者が案件ごとに作業時間を入力しないと、原価の大半を占める人件費が見えず採算を把握できません。入力項目を増やしすぎると現場の入力が形骸化するため、採算判断に必要な項目に絞って運用を定着させることが重要です。

Q. 案件単位の予実管理はExcelでもできますか?

A. 案件単位の予実管理は、案件数が少ないうちはExcelやスプレッドシートでも可能で、まず「何を見たいか」を社内で固める試作には適していますが、案件が増えると集計やメンテナンスが限界になります。

案件数が増えると、横断集計の手作業化、別々の仕組みからの転記ミス、同時更新での最新版の混乱、進行中の着地見込みを更新しづらいといった限界が出てきます。月次の集計が負担になった、工数と原価を自動で結びつけたい、複数部門でリアルタイムに同じ数字を見たい、といった必要が出てきたら、システム化を検討する分岐点です。

Q. 案件単位の予実に対応するシステムはどう選べばよいですか?

A. 案件単位の予実に対応するシステムは、自社が営業案件(売上見込み)とプロジェクト案件(原価・工数採算)のどちらを重視するかをまず切り分けます。そのうえで、案件単位で予算・実績・差異を管理でき、工数・原価を案件に紐づけて集計できるかを確認して選びます。

案件ごとの原価・工数・粗利まで管理したいなら、案件・プロジェクト収支管理に特化したシステムやプロジェクト型に対応したERPが近い選択肢です。営業案件の売上見込みの管理が主目的ならSFA、全社の予実効率化が主目的なら予実管理・経営管理システムが候補になります。

加えて、料金が自社の利用規模に合うか、既存の会計・勤怠・販売管理システムと連携できるか、導入・運用の支援を受けられるかも確認するとよいでしょう。

Q. 案件単位の予実管理システムの料金はどのくらいですか?

A. 案件単位の予実管理システムの料金は、初期費用に、利用人数や機能モジュール数に応じて変動する月額を加える体系が多く、月額数万円規模から十数万円規模まで製品によって幅があります。

料金を「要問い合わせ」として個別見積もりで案内する製品も多いため、利用人数や必要なモジュールを前提に見積もりを取り、実際の負担感を把握したうえで比較するのが確実です。また、IT導入補助金の対象として案内されている製品もあります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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