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事業承継は誰に相談すべき?相談先の種類と選び方・無料で相談できる窓口

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M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)のプレビュー

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M&Aアドバイザリー・FA比較表(2026年版)

事業承継を考え始めたとき、多くの経営者が最初につまずくのが「この話は、そもそも誰に相談すればいいのか」という点ではないでしょうか。顧問税理士に切り出していいものか、取引銀行に話すべきか、それとも専門の会社があるのか。相談できる相手の種類が多く、最初の一歩を踏み出せないまま時間だけが過ぎてしまうケースは少なくありません。

背景には、後継者不在の広がりがあります。中小企業庁の資料によると、経営者が60歳代の企業のうち約半数は後継者が決まっておらず、かつて9割を超えていた親族への承継も、いまでは4割以下に低下しています。親族以外へ引き継ぐ選択肢が一般的になり、相談先の幅も広がったぶん、「誰に」で迷う経営者が増えているのです。

出典・参考資料(1件)

事業承継の相談先は、税理士や弁護士などの士業、取引金融機関、無料で使える公的な窓口、M&A(合併・買収)の仲介会社やマッチングサービスなど多岐にわたり、それぞれ得意な分野や費用が異なります。この記事では、相談先の種類と「まず誰に声をかければいいか」から、各相談先の役割・費用、無料で相談できる公的窓口、自分の状況に合う相談先の見つけ方までを整理して解説します。

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事業承継は、まず誰に相談すればいい?

結論から言えば、事業承継を考え始めた段階では、普段から自社の経営を把握している身近な相手に声をかけるのが現実的な第一歩です。具体的には、顧問税理士、取引のある金融機関、または最寄りの事業承継・引継ぎ支援センターのいずれかが入口になります。

なかでも顧問税理士は、多くの経営者にとって最も身近な相談相手です。中小企業庁の「事業承継ガイドライン」でも、経営者向けアンケートで税理士が事業承継の相談先のトップに挙げられていることが示されています。日常的に決算や税務を通じて会社の内情を把握しているため、話が早く、相続税や自社株(自社の株式)の評価といった論点にもそのまま踏み込めます。

税理士は、顧問契約を通じて日常的に中小企業経営者との関わりが深く、決算支援等を通じ経営にも深く関与している。経営者向けアンケートにおいても、事業承継の相談先のトップに位置している。

出典:事業承継ガイドライン(第六章)|中小企業庁

顧問税理士がいない場合や、客観的な意見も聞きたい場合は、取引金融機関や公的窓口が入口になります。金融機関は日常的に経営状況を把握しており、専門家の紹介やM&Aのマッチングにもつなげられる立場です。費用をかけずにまず相談したいなら、全国47都道府県にある事業承継・引継ぎ支援センターが、親族内承継からM&Aまでを原則無料でワンストップに受け付けています。

いずれの相手も、事業承継のすべてを1か所で完結させる存在ではありません。相談先はそれぞれ得意分野が分かれているため、まず身近な入口から相談し、必要に応じて適切な専門家へつないでもらう、という進め方が基本になります。次章から、相談先にどんな種類があり、それぞれ何を頼めるのかを順に見ていきます。

出典・参考資料(2件)

この「まず身近な入口から相談し、必要に応じて専門家へつないでもらう」という進め方を整理すると、次のようになります。

事業承継の相談先の進め方を2段階で示した図。STEP1はまず身近で費用のかからない入口に相談する段階で、顧問税理士、取引金融機関、全国47都道府県の事業承継・引継ぎ支援センターの3つ。そこから必要に応じて専門家へつないでもらい、STEP2として課題ごとに連携する。税務は税理士、法務は弁護士、登記は司法書士、買い手探しはM&A仲介会社・FAが担う。

事業承継の相談先にはどんな種類がある?

ここからは、事業承継を相談できる先の全体像を押さえます。相談先は大きく分けて、士業(税理士・弁護士など)、取引金融機関、公的な無料窓口、そしてM&Aの仲介会社・マッチングサービスの4グループに整理できます。それぞれ「何が得意か」「費用がかかるか」「どんなケースに向くか」が異なるため、まずは下の一覧で自分に関係しそうな行を探してみてください。

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相談先顧問税理士・公認会計士弁護士・司法書士・行政書士取引金融機関(銀行・信用金庫)商工会議所・商工会・よろず支援拠点事業承継・引継ぎ支援センターM&A仲介会社・FA・事業承継コンサルM&Aマッチングサービス
主にできること相続税・贈与税、自社株評価、株価算定遺留分・株式の分散対策などの法務、登記、許認可専門家の紹介、M&Aマッチング、資金支援初期の相談、情報提供、専門家への橋渡し親族内承継からM&Aまでの相談、M&Aのマッチング支援買い手探し、価格交渉、クロージングまでの実行支援オンラインでの相手探し(売り手は無料のことが多い)
費用の目安顧問料の範囲、または個別見積もり相談料・業務ごとの報酬(初回無料枠あり)相談は無料のことが多い(実務は別途)原則無料(一部有料)相談無料(全国47都道府県)成功報酬が中心(着手金の有無は会社による)売り手は無料のサービスが多い
向いているケース親族内承継、税務・株式の評価から相談したい株主が複雑、争いを避けたい、名義変更が必要日常の取引先にまず相談したい、資金面も絡む何から始めるか分からない、費用をかけたくない中立・公的な窓口にまず相談したい第三者への譲渡(売却)を具体的に進めたい自分のペースでまず相手を探してみたい

費用は相談先・サービスにより異なります。上記は一般的な傾向で、公的窓口の費用は2026年10月時点の各機関の公表内容にもとづきます。

費用は会社やサービスによって変わるため、上の目安はあくまで一般的な傾向です。公的窓口を入口にしつつ、必要に応じて有料の専門家に依頼する、といった組み合わせも有効です。次章で、各相談先が具体的に何をしてくれて、どんな点に注意すればよいかを中立的に見ていきます。

相談先ごとの役割・メリット・注意点・費用

ここからは、相談先の種類ごとに「何をしてくれるか」「メリットと注意点」「費用」を解説します。どの相談先にも得意・不得意があるため、長所だけでなく注意点もあわせて確認してください。

顧問税理士・公認会計士

税理士は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を業とする税務の専門家です。事業承継では、相続税・贈与税の試算や申告、自社株の評価、生前贈与や種類株式に関する助言などを担えます。顧問税理士であれば自社の数字を把握しているぶん、話が早いのが最大のメリットです。

公認会計士は監査・会計の専門家で、非上場株式の評価やM&Aにおける売却価格の試算など、より複雑な場面での公正な評価を得意とします。注意点として、税理士・会計士は税務や評価に強い一方、買い手探しそのものや法的な紛争対応は専門外になるため、その段階では他の専門家との連携が必要です。費用は顧問契約の範囲で対応できる部分と、承継支援として別途見積もりになる部分があります。

出典・参考資料(2件)

弁護士・司法書士・行政書士

弁護士は、一般の法律事務を職務とする法務の専門家です。事業承継では、株主関係が複雑な場合や、相続人の遺留分(相続人に最低限保障される取り分)をめぐる調整、経営者保証に関する金融機関との交渉など、法律面の検討と課題の洗い出しを担います。将来のトラブルを避けたい場合に心強い相手です。

司法書士は、登記手続の代理を業とする専門家で、株式や事業用不動産の名義変更、種類株式・民事信託の活用などをサポートします。行政書士は、許認可の申請や各種届出といった手続面の支援が中心です。いずれも守備範囲が明確に分かれているため、自社の課題がどこにあるか(争いの火種か、名義の整理か、許認可か)で相談先を選ぶとスムーズです。

出典・参考資料(2件)

取引金融機関(銀行・信用金庫)

取引のある銀行や信用金庫は、日常的に自社の経営状況を把握しているため、事業承継の入口として相談しやすい相手です。中小企業庁のガイドラインでも、金融機関には情報提供や専門家の紹介、M&Aマッチング、承継に必要な資金需要への対応といった役割が期待されるとされています。資金面が絡む承継では特に頼りになります。

注意点として、金融機関は融資取引を伴う立場でもあるため、提案が自行の方針に沿う場合があります。提示された方向性をうのみにせず、公的窓口や専門家の意見とあわせて検討すると、より納得して判断できます。初期の相談は無料のことが多く、実際の実務は紹介先や連携先で進むのが一般的です。

出典・参考資料(1件)

商工会議所・商工会・よろず支援拠点

商工会議所・商工会は、経営指導員による日々の巡回指導などを通じて中小企業経営者と近い関係にある、身近な相談先です。事業承継セミナーの開催や施策の情報提供、専門家の紹介、事業承継・引継ぎ支援センターとの連携といった役割を担います。費用は原則無料ですが、一部の支援は有料になる場合があります。

よろず支援拠点は、国が全国47都道府県に設置した経営相談の窓口で、経営上のあらゆる相談に、中小企業診断士などの専門家が何度でも無料で対応します。何から手をつければよいか分からない段階で、方向性を整理する相手として適しています。これらの窓口は入口としての役割が中心で、具体的な実務は紹介される専門家や支援機関が担うのが一般的です。

出典・参考資料(2件)

事業承継・引継ぎ支援センター(公的窓口)

事業承継・引継ぎ支援センターは、全国47都道府県に設置された公的な支援機関です。親族内承継・従業員承継・第三者へのM&Aまで、承継の形を問わず相談に応じ、事業承継計画の策定やM&Aのマッチング支援までをワンストップで、原則無料で提供しています。所管は中小企業庁で、運営は独立行政法人中小企業基盤整備機構が担っています。

中立・公的な立場なので、特定の会社への誘導を心配せずに相談できるのがメリットです。まず全体像を整理したい、無料で選択肢を広げたいという段階に向きます。民間のM&A会社のように案件を自社で完結させるわけではなく、必要に応じて登録された専門機関へつなぐ役割が中心である点は押さえておきましょう。

出典・参考資料(2件)

M&A仲介会社・FA・事業承継コンサルティング会社

後継者がおらず第三者への譲渡(売却)を具体的に進める場合は、M&A仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)、事業承継コンサルティング会社が実務の担い手になります。買い手候補の探索から、企業価値の試算、条件交渉、最終契約(クロージング)までを一貫して支援できるのが強みです。

仲介は売り手と買い手の間に立つ中立の立場、FAは売り手または買い手の一方に専属して利益の最大化を図る立場という違いがあります。費用は成功報酬が中心で、譲渡額に応じて段階的に料率が下がる「レーマン方式」が一般的ですが、着手金・中間金の有無や最低手数料は会社によって大きく異なるため、見積もりで確認が必要です。

相談先を選ぶ際は、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録されているか(中小M&Aガイドラインの遵守宣言が登録要件)も、信頼性を見極める一つの目安になります。

出典・参考資料(1件)

M&Aマッチングサービス

M&Aマッチングサービスは、売り手と買い手がオンラインのプラットフォーム上で相手を探せる仕組みです。売り手は無料で利用できるサービスが多く、自分のペースで相手候補を見ながら検討を進められます。費用を抑えつつ、まず市場の反応を知りたい場合に向いています。

一方で、交渉や契約の実務を自分で進める必要がある場面もあり、専門的な手続きは別途アドバイザーや士業に依頼することになります。手軽さと引き換えに実行支援が薄くなりやすい点を理解したうえで、他の相談先と組み合わせて使うと安心です。

無料で相談できる公的窓口

「お金をかける前に、まず誰かに話を聞いてほしい」という段階では、無料で使える公的窓口から始めるのが安心です。各窓口の役割は前章のとおりなので、ここでは正式名称・無料の範囲・どこへどう連絡すればよいかに絞ってまとめます。

  • 事業承継・引継ぎ支援センター:全国47都道府県に1か所ずつ設置。相談は無料です。「(お住まいの都道府県名)+事業承継・引継ぎ支援センター」で検索するか、事業承継・引継ぎポータルから地域の窓口を探し、電話またはWebフォームで相談を申し込めます。
  • よろず支援拠点:国が全国47都道府県に設置した窓口で、相談は何度でも無料です。「(都道府県名)+よろず支援拠点」で検索すると地域の拠点が見つかり、予約して相談できます。
  • 商工会議所・商工会:地域の身近な窓口で、費用は原則無料(一部有料)です。会員なら担当の経営指導員へ、未加入でも最寄りの商工会議所・商工会へ問い合わせて相談できます。

まずは無料でこれらの窓口に話を持ち込み、全体像を整理してから、有料の専門家に依頼するかどうかを判断する流れが、費用を抑えつつ失敗を避ける進め方です。

出典・参考資料(3件)

自分のケースに合う相談先の見つけ方

相談先の種類がわかっても、「結局、自分の場合はどこへ行けばいいのか」で迷うものです。ここでは、自分の状況と具体的な悩みという2つの切り口から、合う相談先を絞り込めるように整理します。

状況別の相談先早見(親族内承継/第三者M&A/まだ決めていない)

誰に継がせるか(あるいは継ぐ人がいないか)によって、最初に声をかけるべき相手は変わります。下の表で自分の状況に近い行を見つけてみてください。

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いまの状況親族・社員に継がせたい(親族内・従業員承継)後継者がいない・売却も検討(第三者M&A)まだ方向が決まっていない
まず相談したい先顧問税理士、事業承継・引継ぎ支援センター事業承継・引継ぎ支援センター、M&A仲介会社・FAよろず支援拠点、商工会議所・商工会、顧問税理士
次につなぐ先自社株評価・税務は税理士、遺留分・株式整理は弁護士、登記は司法書士価格の妥当性は公認会計士、契約の法務は弁護士方向が固まった段階で上記の各専門家へ

親族内承継では自社株の評価や相続税・贈与税、遺留分への配慮が中心論点になり、税理士や弁護士が主役になります。第三者へのM&Aでは買い手探しと企業価値の算定が鍵となり、M&A仲介会社・FAや公認会計士が関わります。方向が定まっていないうちは、無料の公的窓口で全体像を整理するのが遠回りに見えて近道です。

そもそも事業承継にどんな方法があり、どんな手順や税金が関わるのか、全体像から整理しておきたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。親族内承継・従業員承継・第三者へのM&Aという3つの方法と、進め方の流れをまとめて解説しています。

事業承継ならではの悩み別に見る相談先(税務・自社株評価・遺留分・後継者育成)

M&Aに限らず、事業承継には固有の悩みがあります。悩みの種類ごとに、主に相談する相手を整理すると次のようになります。

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悩み・課題相続税・贈与税、自社株(株式)の評価遺留分、株式の分散・集約、紛争の予防株式・不動産の名義変更(登記)売却価格の妥当性・企業価値の算定後継者の育成・経営改善売却先・引継ぎ先探し
主に相談する先税理士弁護士司法書士公認会計士、M&A仲介会社・FA商工会議所・商工会、中小企業診断士、金融機関事業承継・引継ぎ支援センター、M&A仲介会社・マッチングサービス
補足事業承継税制(贈与税・相続税の負担を軽減する特例)の活用も相談できる経営承継円滑化法には遺留分に関する民法の特例もある許認可の手続きは行政書士第三者承継(M&A)で特に重要公的窓口のセミナーや専門家派遣も活用できる無料の公的窓口から始められる

自社株評価や事業承継税制は税理士、遺留分や株式の分散対策は弁護士、というように、悩みの性質で主たる相談先が変わります。多くの場合は複数の専門家が関わるため、顧問税理士や公的窓口を起点に、必要な専門家へ連携してもらうのが現実的です。税制や遺留分の特例は要件や期限が定められており、適用の可否は個別の状況で変わるため、早めに専門家へ確認することをおすすめします。

出典・参考資料(2件)

後悔しない相談先の選び方

相談先の候補が見えてきたら、最後は「その中でどの相手に任せるか」を見極めます。事業承継は数か月から1年以上かかることもあり、担当者との付き合いも長くなるため、次の観点で確認しておくと後悔が少なくなります。

  • 事業承継・M&Aの実績:自社と近い規模・業種の支援実績があるか。得意分野が自分の課題(親族内の税務か、第三者への売却か)と合っているか。
  • 費用の明朗さ:相談は無料か、着手金・中間金・成功報酬はどうか。料金体系が明確に示されているかは、信頼性を測る目安になります。
  • 他の専門家との連携:税務・法務・登記など、1社で足りない領域を他の専門家や機関とつないでくれるか。
  • 中立性・登録の有無:M&Aの相談先なら、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」への登録(中小M&Aガイドラインの遵守宣言が要件)が一つの目安になります。
  • 担当者との相性:説明が分かりやすいか、こちらの希望(雇用の維持・引退時期など)をくみ取ってくれるか。初回の相談で確かめられます。

相談先は必ずしも1社に絞る必要はありません。初期段階では無料の公的窓口で情報を集めつつ、複数の専門家の話を聞き比べて、料金や提案内容、担当者との相性を見たうえで決めると納得感が高まります。

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相談前に準備しておくこと

相談をスムーズに進めるために、事前に用意しておきたい資料と、相談のタイミングについて確認しておきましょう。完璧にそろえる必要はなく、「まず相談してみる」ことが何より大切です。

相談前にそろえておきたい資料・情報

  • 直近3期分程度の決算書(貸借対照表・損益計算書)
  • 株主の構成(誰が何株持っているか)と役員の一覧
  • 事業の概要(主力事業・取引先・従業員数など)
  • 承継で実現したいこと(後継者候補の有無、従業員の雇用維持、引退時期、希望する譲渡条件など)

特に「何を優先したいか」を自分の言葉で整理しておくと、相談先も適切な提案をしやすくなります。資料が手元になくても相談は可能なので、まずは話を聞いてもらうことから始めて構いません。

相談は早いほど選択肢が広がる

事業承継は、準備に着手するのが早いほど選べる手段が増えます。中小企業庁のガイドラインは、おおむね60歳頃には準備に着手することが望ましく、すでに60歳を超えている場合は速やかに身近な支援機関へ相談すべきとしています。後継者の育成や買い手探しには時間がかかるため、「まだ早い」と思う段階からの相談が、結果的に多くの選択肢を残します。

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売却も視野に入ったら、相談料無料のM&Aアドバイザリーも選択肢

親族や社員に継がせる道がなく、第三者への譲渡(売却)も視野に入ってきたら、相談料無料で話を聞いてくれるM&Aアドバイザリーも、公的窓口と並ぶ「まず無料で相談できる先」の一つです。ここでは、そうしたサービスの一例として、M&A Leadを紹介します。まだ親族内か売却かを決めていない段階なら、無理に進めず前章までの公的窓口から始めて構いません。

M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Lead 公式サイト

M&A Leadは、売主(譲渡企業)に専属して支援するセルサイドのM&Aアドバイザリーです。買い手からは手数料を受け取らず、売主側からのみ報酬を受け取る立場で、譲渡価格や従業員の雇用条件など売主の希望の実現に向けて交渉します。相談者の悩みとして「親族にも社員にも後継者がいない」ケースを公式に挙げており、後継者不在による第三者承継を考えるオーナーの相談先に適しています。

相談料は無料で、着手金・中間金・月額報酬もかからず、報酬は譲渡が成約したときの成功報酬のみという完全成功報酬制をとっています。自社のネットワークに加え、他社のアドバイザーや地方銀行などの金融機関と連携して買い手候補を探す点が特徴です。全国対応で、譲渡の意思が固まっていない検討段階からの相談も受け付けています。まずは費用をかけずに、売却という選択肢について話を聞いてみたい場合の入口になります。

M&A Lead以外にも、M&Aアドバイザリーには仲介型・FA・Big4系などさまざまなタイプがあり、得意な案件規模も異なります。複数の会社を比べたうえで相談先を選びたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

事業承継を誰に相談すればよいか迷ったら、まずは顧問税理士や取引金融機関、または全国47都道府県にある事業承継・引継ぎ支援センターなど、身近で費用のかからない入口から始めるのが現実的です。相談先にはそれぞれ得意分野があり、税務は税理士、法務は弁護士、登記は司法書士、買い手探しはM&A会社というように役割が分かれています。

大切なのは、1か所で完結させようとせず、入口から相談して必要な専門家へつないでもらうことと、早めに動き出すことです。まずは身近な無料の窓口に、気負わず声をかけるところから始めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 事業承継・引継ぎ支援センターとは何ですか?

A. 事業承継・引継ぎ支援センターは、全国47都道府県に設置され、事業承継の相談を原則無料で受け付ける公的な窓口です。所管は中小企業庁で、運営は独立行政法人中小企業基盤整備機構が担っています。親族内承継・従業員承継・第三者へのM&Aまで承継の形を問わず相談でき、事業承継計画の策定やM&Aのマッチング支援までをワンストップで提供します。費用をかけずにまず全体像を整理したい段階の入口に向いています。

出典・参考資料(2件)

Q. 事業承継を顧問税理士に相談してもよいですか?税理士だけで足りますか?

A. 事業承継の相談は顧問税理士から始めて問題なく、税理士は経営者向けアンケートで事業承継の相談先のトップに挙げられる、最も身近な相手です。日常的に自社の数字を把握しているため話が早く、相続税・自社株評価といった論点にもそのまま踏み込めます。

ただし税理士の専門は税務や評価であり、買い手探しそのものや法的な紛争対応は専門外のため、税理士だけですべてが完結するわけではありません。必要に応じて弁護士やM&A会社などへつないでもらう前提で、まず税理士に相談するのが現実的です。

出典・参考資料(1件)

Q. 事業承継の相談だけして、契約や依頼をしないことはできますか?

A. 事業承継は、相談だけで契約や依頼をしなくても問題ありません。公的窓口や多くの専門家・M&A会社は初回の相談を無料で受け付けており、その場で契約を求められるのが通常ではありません。むしろ初期段階では、複数の相談先で話を聞き、費用や提案内容、担当者との相性を比べたうえで、依頼するかどうかを判断するのがおすすめです。「まず話を聞いてみる」だけでも構いません。

Q. 事業承継の相談先は1社に絞るべきですか?

A. 事業承継の相談先は、初期段階では1社に絞らず、複数に相談して比べるのがおすすめです。相談先ごとに得意分野・費用・提案内容が異なるため、無料の公的窓口で全体像を整理しつつ、複数の専門家の話を聞き比べると、自社に合う相手が見えてきます。方向性が固まり、実際に実務を任せる段階になってから、実績・費用・連携体制・相性を見て依頼先を絞り込めば十分です。

Q. M&A仲介会社とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)は何が違いますか?

A. M&A仲介会社とFAの違いは、立場にあります。仲介会社は売り手と買い手の間に立つ中立の立場、FAは売り手か買い手の一方に専属して依頼主の利益の最大化を図る立場です。中立に話をまとめて成約を目指したい場合は仲介、譲渡価格など自社の希望を最大限に通したい場合はFA、というように重視する点で選び分けられます。

いずれの場合も、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」への登録(中小M&Aガイドラインの遵守宣言が登録要件)が、信頼性を見極める一つの目安になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 事業承継の相談にはどのくらい費用がかかりますか?

A. 事業承継の相談費用は、相談先によって無料から有料まで幅があります。事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点などの公的窓口は相談無料(商工会・商工会議所は原則無料、一部有料)、税理士・弁護士などの士業は相談料や業務ごとの報酬がかかり(初回無料枠を設ける例もあります)、M&A仲介会社・FAは成功報酬が中心です。

まず無料の窓口で全体像をつかみ、必要な部分だけ有料の専門家に依頼する、という組み合わせにすると費用を抑えやすくなります。

出典・参考資料(2件)

Q. 後継者がいない場合は、誰に相談すればよいですか?

A. 後継者がいない場合は、事業承継・引継ぎ支援センター(公的・無料)や、事業承継に強いM&A仲介会社・FA、M&Aマッチングサービスが相談先になります。親族にも社員にも継ぐ人がいないときは、第三者への譲渡(M&A)が現実的な選択肢になるためです。まず無料の公的窓口で選択肢を整理し、売却の方向が見えてきたら、相談料無料のM&Aアドバイザリーに具体的な進め方を相談していくとよいでしょう。

Q. 事業承継の相談から完了まで、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 事業承継は、準備の開始から完了まで、数か月から1年以上かかることも珍しくありません。特に後継者の育成や買い手探しには時間がかかります。中小企業庁のガイドラインでも、おおむね60歳頃には準備に着手することが望ましく、すでに60歳を超えている場合は速やかに身近な支援機関へ相談すべきとされています。「まだ早い」と思う段階から相談を始めるほど、選べる手段を多く残せます。

出典・参考資料(1件)

Q. 事業承継を相談すると、会社の情報が外部に漏れる心配はありませんか?

A. 事業承継の相談では、公的窓口も専門家も守秘義務や情報管理のもとで対応するのが基本で、相談した事実や内容がむやみに外部へ漏れることはありません。特にM&Aでは情報の取り扱いが成否を左右するため、相談先を選ぶ際は、秘密保持契約(NDA)の締結や情報管理の体制を確認しておくと安心です。従業員や取引先に知られたくない段階でも、まず相談してみて問題ありません。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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