ランサムウェアや標的型攻撃が高度化するなか、いま社内のパソコンやサーバーに入れている対策で本当に足りているのか、不安を感じていませんか。製品ごとに守れる範囲も料金体系もばらばらで、横並びで比べにくいのが法人向けセキュリティソフト選びの難しさです。専任のセキュリティ担当がいない企業ほど、どこから手を付ければよいか判断に迷いがちです。
自社の規模や運用体制に合う1本を選ぶには、機能や料金だけでなく、「侵入を防ぐところまで」か「侵入後の検知・対応まで」かという対策の範囲をどこまで求めるかを軸に比べると、候補を絞り込みやすくなります。
この記事では、主要な法人向けセキュリティソフト22製品を、機能・料金・対策範囲・提供形態・サポートで横断的に比較します。個人向けや無料ソフトとの違い、費用相場、失敗しない選び方まで整理しました。自社に合う製品を見極める判断材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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法人向けセキュリティソフトとは
ここからは、法人向けセキュリティソフトの役割と、中小企業でも導入が求められる背景を整理します。
法人向けセキュリティソフトの役割と守る対象
法人向けセキュリティソフトは、社内のパソコン・サーバー・スマートフォンといった端末に導入し、ウイルス・ランサムウェア・標的型攻撃などのマルウェアから端末を守るソフトウェアです。守る対象は、従業員が日々使うパソコンや、業務データを置くサーバー、持ち出し端末まで幅広く及びます。
個人向けとの最大の違いは、管理者が全端末のセキュリティ状態を一か所から把握・制御できる点にあります。どの端末にどのバージョンが入っているか、脅威を検知した端末はどれか、といった状況を管理画面でまとめて確認し、設定を一斉に配布できます。端末ごとに個別対応する手間を減らし、社内のセキュリティ水準を均一に保つ仕組みが、法人向けソフトの核になります。
本記事は、パソコンやサーバーなど端末に入れるセキュリティソフトに絞って比較します。ネットワークやメールなど端末以外も含め、守る対象ごとに社内のセキュリティ対策全体を見渡して比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
中小企業が直面する脅威と導入のメリット・必要性
サイバー攻撃は大企業だけの問題ではありません。情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2025」では、組織に対する脅威の1位がランサム攻撃で、2016年から10年連続で選出されています。2位にはサプライチェーンや委託先を狙った攻撃が入り、取引関係を通じて中小企業が標的になる構図が示されています。
実際の被害統計を見ると、中小企業の深刻さが浮かび上がります。警察庁の「令和7年版警察白書」によると、令和6年中のランサムウェアによる被害報告は222件で、企業・団体等の規模別では大企業61件に対し、中小企業が140件と報告件数の過半を占めました。規模が小さいから狙われないという見方は、実態と合っていません。
被害が及んだ場合の金銭的な影響も小さくありません。IPAが全国の中小企業4,191社を対象に実施した「2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査」(速報版)では、被害額について次のように報告されています。
(サイバーインシデントが発生した企業における)被害額の平均は73万円(うち9.4%は100万円以上)
出典:2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査報告書(速報版)|情報処理推進機構(IPA)
同調査では、サイバーインシデントにより約7割の企業が取引先に影響があったと回答しており、被害が自社にとどまらず取引関係へ波及することも示されています。一方で、セキュリティの専門部署がある企業は9.3%にとどまります。専任の担当者を置きにくい中小企業ほど、管理の手間を抑えながら社内全体を守れる法人向けソフトの価値が高まります。
出典・参考資料(3件)
- 出典:令和7年版警察白書 第3章 サイバー空間の安全の確保|警察庁(https://www.npa.go.jp/hakusyo/r07/honbun/html/bb3313000.html)
- 出典:情報セキュリティ10大脅威 2025|情報処理推進機構(IPA)(https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html)
- 出典:2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査報告書(速報版)|情報処理推進機構(IPA)(https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2024/press20250214.html)
法人向けと個人向け・無料ソフトとの違い
「個人向けのソフトや、Windowsに標準搭載された無料の機能で足りるのでは」という疑問は、法人の担当者が最初に突き当たるところです。ここでは、法人向けソフトが個人向け・無料ソフトと何が違い、どこに限界があるのかを整理します。
個人向けセキュリティソフトとの違い
ウイルスを検出・駆除する基本的な機能は、個人向けと法人向けで大きく変わりません。違いが出るのは、組織として使うための仕組みの部分です。法人向けには、管理者が全端末を一括で設定・監視する一元管理機能、台数に応じて柔軟に契約できるライセンス体系、法人専用のサポート窓口が備わります。
個人向けソフトを従業員の台数分だけ契約して運用することもできますが、その場合は端末ごとに設定や更新を確認する必要があり、管理の手間が台数に比例して膨らみます。どの端末が危険な状態にあるかを管理者が俯瞰できない点も、組織としてのリスク管理では不利に働きます。
無料ソフト(Windows Defender など)との違いと限界
Windowsには「Microsoft Defender ウイルス対策」が標準で組み込まれており、基本的なマルウェア対策として一定の役割を果たします。ただし、標準機能のままでは、管理者が複数端末のセキュリティ状態を集中管理したり、脅威の検知状況をレポートで把握したりする運用は想定されていません。
法人利用では、全端末への一斉設定、検知ログの集約、サポートを受けながらの運用といった要素が必要になる場面が多く、無料の標準機能だけでは手が届かない領域が出てきます。
Microsoftも、法人の一元管理やEDR(後述)を必要とする企業向けには、有料の法人向けエディションを別途用意しています。無料で始めて、運用や管理の要件が見えてきた段階で有料の法人向け製品へ切り替える、という進め方も選択肢になります。
対策範囲で見る法人向けセキュリティソフトの種類(EPP/EDR/XDR/MDR)
法人向けセキュリティソフトは、どこまでの対策を担うかによって性格が分かれます。「侵入を防ぐ」段階から、「侵入された後に検知して対応する」段階、さらに「監視や対応そのものを外部に任せる」段階まで、自社がどこまで求めるかが製品選びの出発点になります。ここで自社に必要な範囲の見当をつけると、後の比較がぐっと進めやすくなります。

侵入を防ぐEPP・アンチウイルス(NGAV・振る舞い検知を含む)
EPP(Endpoint Protection Platform)は、端末へのマルウェア侵入を未然に防ぐことを主目的とした仕組みです。従来型のアンチウイルスは、既知のウイルスの特徴を記録したパターンファイルと照合して検出します。
これに加えて、未知の脅威にも対応できるよう、プログラムの不審な挙動を見て判断する振る舞い検知や、機械学習を用いて判定するNGAV(次世代アンチウイルス)を備えた製品が増えています。
まず社内の基本的な防御の土台を整えたい、という企業に適した範囲です。パターンファイルだけに頼る製品と、未知の脅威への対応力を持つ製品では、ランサムウェアのような新しい攻撃への備えに差が出ます。
侵入後に検知・対応するEDR/XDR
EDR(Endpoint Detection and Response)は、侵入を完全には防ぎきれないという前提に立ち、端末内の挙動を記録・監視して、不審な動きを検知した際に隔離・調査・復旧まで行う仕組みです。攻撃が侵入した後にどこまで被害を抑え込めるかを左右する範囲で、ランサムウェア被害の最小化を重視する企業に向きます。
XDR(Extended Detection and Response)は、EDRが見る端末だけでなく、メールやサーバー、クラウドなど複数の領域の情報を横断して相関分析し、攻撃の全体像を捉える考え方です。扱う範囲が広がるぶん、検知の精度や調査の効率が高まる一方、運用に求められる知識も増えます。EDR・XDRを内蔵した総合型の製品は、基本の防御から侵入後の対応までを1つにまとめて導入できます。
EDRとXDRの違いや、XDR製品を監視できる範囲・他社製品との連携といった軸で詳しく比較したい場合は、以下の記事で解説しています。
監視・運用を専門家に任せるMDR・運用支援
EDRやXDRを導入しても、検知された脅威を分析し、適切に対応するには専門的な知識と人手が要ります。MDR(Managed Detection and Response)は、この監視・分析・対応を外部の専門家が代行するサービスです。24時間体制での監視や、インシデント発生時の対応支援まで任せられる形態もあります。
先に触れたとおり、セキュリティの専門部署を持つ中小企業は1割に届きません。製品を導入しても運用の手が足りない、という企業にとって、監視や対応ごと任せられるMDR・運用支援は現実的な選択肢になります。EPPを土台に、必要に応じてEDR/XDR、さらにMDRへと対策範囲を段階的に広げていく流れで捉えると、自社に必要な範囲を判断しやすくなります。
法人向けセキュリティソフトの選び方(比較ポイント)
自社に必要な対策範囲の見当がついたら、同じ範囲の製品を次の観点で見比べます。どれを重く見るかは企業の規模や運用体制によって変わるため、自社の事情に当てはめて判断してください。
機能(検出率・未知の脅威への対応・多層防御)は十分か
まず見ておきたいのが、防御の中心となる検出の仕組みです。既知のウイルスを捉える検出率に加え、ランサムウェアのような未知の攻撃に対応できるか(振る舞い検知・機械学習の有無)が重要です。メールやWeb、USBなど複数の侵入経路に対して層を重ねて守る多層防御の考え方を備えているかも、被害を防ぐ力に直結します。
動作は軽いか(端末への負荷)
セキュリティソフトは常時動作するため、端末の処理能力を使います。ウイルススキャンや更新のたびにパソコンが重くなると、従業員の業務効率が落ち、現場で設定を無効化されてしまうこともあります。スキャン方式やクラウド側で処理する設計かどうかによって負荷は変わるため、導入前に無料トライアルで実際の動作を確かめておくと安心です。
一元管理はしやすいか(管理画面・ログ・レポート)
管理者が全端末の状態を把握し、設定を配布し、検知状況を確認する管理画面の使いやすさは、運用負荷を大きく左右します。専任担当がいない企業では、画面の分かりやすさや、脅威の発生を知らせる通知・レポートの充実度が、見落としを防ぐうえで効いてきます。クラウド管理なら、拠点が分散していても1つの画面でまとめて運用できます。
対応OS・インストール台数・ライセンス体系は自社に合うか
自社で使っているWindows・Mac・モバイル端末・サーバーに対応しているかは、必ず確認したい点です。あわせて、必要な台数を契約できるか、1ライセンス単位から始められるか、将来の増員に合わせて柔軟に追加できるかといったライセンス体系も、総額と運用のしやすさに関わります。少人数で始めたい企業は、最低契約台数の条件にも注意してください。
提供形態はクラウド管理か、オンプレミス・パッケージか
管理の仕組みをクラウド上に置くか、自社内のサーバーで持つかという違いです。クラウド管理型は、管理サーバーを自前で用意する必要がなく、導入や拠点をまたいだ運用がしやすい形態です。一方、セキュリティ要件やネットワーク構成の都合で社内に閉じて運用したい企業には、オンプレミス型・パッケージ型が選択肢になります。自社の運用方針に合う形態を選びましょう。
サポート体制・運用委託(MDR)は足りるか
導入後に困ったとき、どのような窓口で、どの時間帯に、どの手段(電話・メール・チャット)で支援を受けられるかも、確認しておきたい点です。社内に運用の手が足りない場合は、監視や対応を代行するMDR・運用支援の有無が決め手になります。製品そのものの機能だけでなく、運用まで含めて自社で回せるかという視点で見ると、導入後のつまずきを避けられます。
第三者機関の評価(AV-TEST/AV-Comparatives/SE Labs)はどう見るか
製品の防御性能を客観的に判断する手がかりとして、独立した第三者評価機関のテスト結果があります。代表的な機関の位置づけと評価の視点を知っておくと、公式サイトの訴求だけに頼らずに比較できます。
ドイツのAV-TESTは、IT セキュリティ分野の試験機関として、保護性能(Protection)・動作への影響(Performance)・誤検知などの使いやすさ(Usability)という3つの軸で製品を評価します。
オーストリアのAV-Comparativesは、独立したサイバーセキュリティのテスト機関として、エンドポイント保護や脅威検知、モバイルセキュリティを体系的に評価しています。イギリスのSE Labsは、標的型攻撃に対する検知・防御・対応の能力を評価する機関です。いずれも特定の製品を推奨する立場ではなく、同じ基準で各製品を試験した結果を公開しています。
評価結果は試験の時期によって変動するため、最新の結果を確認することと、自社が重視する軸(防御力を優先するのか、動作の軽さを優先するのか)に照らして読むことが大切です。本記事では製品ごとの個別スコアは扱わないため、選定の最終段階で各機関の公式サイトから対象製品の最新結果をご確認ください。
製品によっては、組織の方針や用途によって利用可否の判断が分かれる場合があるため、自社のセキュリティポリシーや調達基準に合うかもあわせて確認してください。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:Test procedures|AV-TEST(https://www.av-test.org/en/about-the-institute/test-procedures/)
- 参考資料:About us|AV-Comparatives(https://www.av-comparatives.org/about-us/)
- 参考資料:About|SE Labs(https://www.selabs.uk/about/)
法人向けセキュリティソフトの費用相場(台数あたりの目安)
ここでは、法人向けセキュリティソフトの費用の考え方を整理します。料金は製品・対策範囲・契約台数によって幅があり、「相場はいくら」と一律に言い切れるものではありません。以下は、この記事の比較表に集約した各製品の公式料金から読み取れる傾向として示します。実際の金額は各製品の最新の料金をご確認ください。
対策範囲(EPP/NGAV/EDR付き)による料金の傾向
料金は1台(1ライセンス)あたりの年額または月額で設定されることが多く、対策範囲が広がるほど価格帯も上がる構造になっています。侵入を防ぐEPP・アンチウイルス中心の製品が最も手頃で、未知の脅威に対応するNGAV、さらに侵入後の検知・対応を担うEDRを加えると段階的に高くなります。
公開価格のある製品で傾向を見ると、EPP・アンチウイルス中心の製品は、1台(1ライセンス)あたり年額でおおむね2,000〜5,000円程度から始まります。EDRを含む一体型でも、1ユーザーあたり月数百円台から選べる製品があります。
これに対し、EDR・XDRまで本格的に備える上位構成や大企業向けの製品では価格帯が上がり、年額で1万円前後から、あるいは個別見積もり(要問い合わせ)となる製品が多くなります。製品ごとの具体的な金額は、比較表の「料金目安」列で確認できます。
買い切り型で更新料をかけない製品もあれば、年額のサブスクリプションで提供される製品もあり、料金体系そのものが製品ごとに異なります。
総額を左右する要素(最低契約台数・サポート費・オプション)
1台あたりの単価だけで総額は決まりません。最低契約台数の条件、導入支援やサポートの費用、EDRやMDRなどのオプションの有無によって、実際に支払う金額は変わります。比較する際は、同じ台数・同じ対策範囲・同じサポート条件で各社の見積もりを揃えると、公平に比べられます。安さだけで選ぶと必要な機能が欠けることもあるため、自社に必要な範囲を満たしたうえでの費用対効果で判断することをおすすめします。
各製品の具体的な料金は、このあとの比較表とサービス個別紹介で確認できます。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】主要な法人向けセキュリティソフトを機能・料金・対策範囲で比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な法人向けセキュリティソフト22製品を、提供形態・対策範囲(EPP/EDR/XDR/MDR)・主な防御の仕組み・対応OS・一元管理・料金・サポートで横並びに比較します。対策範囲のタイプ順に並べています。
| サービス名 | スーパーセキュリティ for Business | ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス | Avast エッセンシャル ビジネス セキュリティ | サテライトオフィス for EXO セキュリティ | PC Matic PRO | AppGuard | i-FILTER ブラウザー&クラウド | Trend Vision One | CrowdStrike Falcon | SentinelOne Singularity Platform | FFRI yarai | Microsoft Defender XDR | Palo Alto Cortex XDR | Deep Instinct | ESET PROTECT | Microsoft Defender for Business | Trend Micro Worry-Free XDR | Kaspersky Next | Symantec Endpoint Security | FortiClient / FortiEndpoint | Eye"247" Safety Zone | Acronis Cyber Protect Cloud |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド管理 | クラウド管理(SaaS) | クラウド管理(Business Hub) | クラウド管理 | クラウド管理 | インストール型(エディション別) | クラウド管理 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド/オンプレミス | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド管理 | クラウド/オンプレミス | クラウド(SaaS) | クラウド管理(SaaS) | クラウド管理 | クラウド/オンプレ/ハイブリッド | クラウド/オンプレ(EMS管理) | クラウド管理 | クラウド(SaaS) |
| 対策範囲 | EPP (EDRは上位版) | EPP | EPP | EPP | EPP (許可リスト型) | 補強 (封じ込め型) | 補強 (Webフィルタ) | EPP/EDR/XDR | EPP/EDR/XDR/MDR | EPP/EDR/XDR | EPP/EDR | EDR/XDR | EPP/EDR/XDR | EPP/NGAV+EDR (予防特化) | EPP/EDR/XDR/MDR | EPP/EDR | EPP/EDR/XDR/MDR | EPP/EDR/XDR/MDR | EPP/EDR | EPP/EDR | EPP/EDR | EPP/EDR/XDR/MDR |
| 主な防御の仕組み | 次世代AV+ふるまい監視(Bitdefenderエンジン) | 機械学習型検索+ふるまい検知 | 各種シールド+ふるまい検知(Behavior Shield) | ふるまい検知+Webフィルタ(Aviraエンジン) | アプリ許可リスト(ホワイトリスト) | プロセス封じ込め(定義ファイル不要) | Webフィルタリング+端末非保持 | XDR相関分析(多層テレメトリ) | 機械学習+IOA(振る舞い) | エージェントAI(Behavioral AI)+ロールバック | 5つの振る舞い検知エンジン(定義不要) | 複数Defender製品の相関(XDR) | NGAV+AIによる横断相関分析 | ディープラーニングによる実行前予防 | 多層防御+ふるまい検知 | 次世代AV+簡素化EDR | 機械学習+ふるまい検知+XDR相関 | 多層防御+EDR標準搭載 | 多層防御+EDR(SES Complete) | AI次世代AV+振る舞いEDR(ZTNA/VPN統合) | 振る舞い検知(ATC、Bitdefenderエンジン) | アンチマルウェア+バックアップ復旧 |
| 対応OS | Windows/Mac | Windows/Mac/モバイル/サーバー | Windows/Mac/サーバー | Windows/Mac | Windows | Windows (サーバー/産業用PCも) | Windows/iOS/Android | Windows/Mac/サーバー ほか | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/Linux | Windows/サーバー | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/Linux | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/モバイル (サーバーは別ライセンス) | Windows/Mac | Windows/Mac/モバイル/サーバー | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/Linux/モバイル | Windows/Mac/サーバー | Windows/Mac/Linux/サーバー |
| 一元管理 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 料金目安 | 年額1,980円〜/ライセンス (税別・EDR版9,800円〜) | 要問い合わせ | 初年度3,420円〜 (課金単位は要確認) | 5ユーザー1,500円〜(Basic) 3,000円〜(Premium) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ (クレジット型ライセンス) | Enterprise年額184.99ドル〜/台 (国内は要問い合わせ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | M365 E5に含む (月額8,995円/ユーザー) | 要問い合わせ | 年額4,200円〜/ライセンス (税抜・LANSCOPE経由) | 要問い合わせ | 単体449円〜/ユーザー/月 (税別・年額契約) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ (従量・モジュール単位) |
| サポート・運用委託(MDR) | Web・メール (運用委託なし) | 電話・Web (委託は上位製品) | ITサポート (運用委託なし) | 問い合わせ窓口 (運用委託なし) | 日本語窓口(メール・電話) | 代理店サポート | 代理店サポート | 24時間365日 MDR(Managed XDR)あり | サポートポータル MDR(Falcon Complete)あり | 24時間365日 MDR(Wayfinder)あり | 国内サポート マネージドサービスあり | Microsoftサポート | 代理店サポート | 代理店(LANSCOPE等)サポート | 代理店サポート MDRプランあり | Microsoftサポート | 電話・Web Managed XDR(MSP経由)あり | 代理店サポート MDR(Kaspersky MDR)あり | 代理店サポート | 代理店サポート | 国内サポート(フーバーブレイン) 運用委託は要確認 | MSP/代理店サポート MDRあり |
| 無料トライアル | ●30日間 | 要問い合わせ | ● | ● | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ●30日間 | ●15日間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ● | 要問い合わせ | ●30日間 | 要問い合わせ | ● | 要問い合わせ | ●30日間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ● |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
※ 上記は2026年10月時点の各社公式・公開情報にもとづく参考情報です。料金・仕様は変更される場合があるため、最新情報は各社の公式情報をご確認ください。
タイプ別におすすめの法人向けセキュリティソフト
ここからは、対策範囲のタイプごとに、主要な法人向けセキュリティソフトを個別に紹介します。各製品の機能・料金・提供形態・対策範囲・サポートを確認し、自社に合う候補を絞り込む材料としてください。
基本の侵入対策(アンチウイルス)を整えるタイプ
既知・未知のマルウェアの侵入を防ぐことを中心に据えた製品です。まず社内の防御の土台を固めたい、専任の担当者がいない、という企業に向きます。
1. スーパーセキュリティ for Business(ソースネクスト株式会社)

ソースネクスト株式会社が2023年に発売した、小規模法人向けのエンドポイント保護製品です。検知エンジンには Bitdefender 社(ルーマニア)製を採用し、Webブラウザで開く管理コンソールから社内外の端末を一括管理できます。
防御は次世代アンチウイルスとふるまい監視が中心で、プロセスの異常な挙動を検知して不審なプログラムを自動でブロックします。ランサムウェア対策では、万一暗号化の被害を受けてもバックアップからファイルを復元する機能を備えます。
管理サーバーが不要で初期費用はかからず、基本版は1ライセンス年額1,980円(税別、税込2,178円)からです。1ライセンスから契約でき、30日間・50台までの無料トライアルも用意されています。侵入後の検知・対応まで求める場合は、EDR機能を加えた上位版(年額9,800円/税別)を選べます。
2. ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス(トレンドマイクロ株式会社)

管理サーバーを自前で構築せずに使える、クラウド型(SaaS)の中小企業向けエンドポイントセキュリティです。トレンドマイクロ株式会社が提供し、パソコンやモバイル端末、サーバーを同じ管理コンソールから運用できます。
防御は機械学習型検索とふるまい検知を軸に、Webレピュテーションやランサムウェア対策を組み合わせます。情報漏えい対策やデバイス・USB制御、ディスク暗号化管理といった、アンチウイルス以外の機能も同じ製品で扱えます。公式サイトでは、中小企業向けエンドポイントセキュリティ製品で国内シェア13年連続1位(IDC Japan 2021年下半期調査)と訴求しています。
価格は公式サイトでは公開されておらず、新規購入は販売パートナー経由での見積もりとなります。侵入後の検知・対応(EDR/XDR)は上位の「Worry-Free XDR」が担い、本製品はアンチウイルスを中心とした防御を範囲とします。
3. Avast エッセンシャル ビジネス セキュリティ(Gen Digital Inc.)

小規模企業向けに用意された3つのプランのうち、最も機能を絞った構成にあたる製品です。提供元は Gen Digital 社(Avast Business)で、ブラウザベースの管理コンソール「Avast Business Hub」から運用でき、Hub を使わず端末ごとに個別導入することもできます。
防御は、ファイルやWeb・メールを監視する各シールドに加え、プロセスの不審な挙動を検知する Behavior Shield、未知の疑わしいファイルを分析する CyberCapture などで構成されます。Windows Server(2025〜2012)や Exchange・SharePoint の保護にも対応します。
料金は日本語の製品ページで最初の1年間3,420円(20%割引適用、定価4,275円)と表示されますが、課金単位や税区分は公式ページに明示がないため、申込前の確認が必要です。VPN・USBプロテクション・Webコントロールは上位プラン(プレミアム/アルティメット)側の機能で、本プランには含まれません。
4. サテライトオフィス for EXO セキュリティ(株式会社サテライトオフィス)

検知エンジンに Avira 社製を採用した、法人向けのクラウド型ウイルス対策・情報漏えい対策ソフトです。販売元は株式会社サテライトオフィスで、サーバーを用意せずに Web 上の管理画面から社内のパソコンを一元管理できます。
基本プランでも、ふるまい検知やランサムウェア対策、不正サイトへのアクセスを遮断する Web フィルタリングを含みます。上位の Premium では、個人情報ファイルの検出・強制暗号化やデバイス制御、アプリケーション制御まで同じエージェントで扱えます。第三者検証では Virus Bulletin の VB100 認証を保有しています(公式掲載は2019年8月〜2020年12月分)。
料金は公式ページで Basic が5ユーザー単位1,500円、Premium が5ユーザー単位3,000円と案内されています。ただし月額・年額の別や税区分は公式ページ上で判読できないため、最低ライセンス数などの契約条件とあわせて見積もり時の確認が必要です。
5. PC Matic PRO(PC Matic, Inc.)

PC Matic PRO は、米国の PC Matic, Inc. が提供する法人向けのエンドポイントアンチウイルスです。安全と判断したアプリケーションだけに実行を許可する「アプリケーション・ホワイトリスト(許可リスト)」方式を中核に据えています。
許可リストにないプログラムは既知・未知を問わず実行を止めるため、パターンファイルで既知のウイルスを照合する従来型とは異なる防御の考え方をとります。管理者向けには、クラウド上でのスケジュール設定や Active Directory 連携、ITアラート、保守レポートを備えます。
開発とサポートは米国で行われ、日本語の問い合わせ窓口が用意されています。日本円での公開価格は公式・第三者情報とも確認できないため、国内での提供条件や料金は問い合わせでの確認が必要です。
既存の対策を補強するタイプ
すでに導入しているセキュリティソフトに足して、Web経由の感染や未知の侵入といった弱点を塞ぐ製品です。いまの対策に不安の残る部分をピンポイントで強化したい企業に向きます。
6. AppGuard(株式会社Blue Planet-works)

株式会社Blue Planet-worksが国内で展開する、米国発の封じ込め技術を基盤にしたエンドポイント向けセキュリティソフトです。ウイルスを検知して駆除するのではなく、アプリやプロセスの不正な振る舞いを実行の段階で遮断する「OSプロテクト型」の防御を担います。
パターンファイルの照合に頼らないため、定義ファイルを更新しなくても未知のマルウェアやファイルレス攻撃を実行段階で止められる設計で、検知をすり抜けるタイプの攻撃に対して既存のアンチウイルスを補う役割を果たします。スキャンや定義更新が不要で端末への負荷が小さく、更新を止めにくいサーバーや産業用PCにも導入できます。
中小企業向けのSBE、サーバー向けのServer、産業用PC向けのIndustrialなど、規模や用途別にエディションが分かれています。料金は公式では公開されておらず、販売代理店経由の見積もりとなるため、具体的な金額は問い合わせて確認してください。
7. i-FILTER ブラウザー&クラウド(デジタルアーツ株式会社)

国産Webフィルタリング「i-FILTER」の技術をベースに、専用のセキュアブラウザとクラウド管理を組み合わせた製品です。デジタルアーツ株式会社が提供し、Web経由の脅威や業務外のアクセスを入り口で抑える役割を担います。
閲覧の許可・禁止設定に基づくWebフィルタリングに加え、Webアクセスのデータを端末に残さず自動で削除することで、持ち出しPCやスマートフォンからの情報漏えいを防ぎます。Windows・iOS・Androidのマルチデバイスをクラウドから一元管理でき、オプションでファイルをリアルタイムにスキャンするアンチウイルス機能も追加できます。
ライセンスは販売代理店を通じて発行され、デジタルアーツの公式では定価が公開されていません。導入台数に応じた料金は、代理店に見積もりを依頼する形になります。
侵入後の検知・対応(EDR・XDR)まで備えるタイプ
侵入を前提に、端末の挙動を監視して検知・隔離・復旧まで行う製品です。ランサムウェアなどの被害を最小限に抑えたい企業や、侵入後の対応力まで求める企業に向きます。
8. Trend Vision One(トレンドマイクロ株式会社)

トレンドマイクロが提供する統合サイバーセキュリティプラットフォームで、中核にXDR(拡張検知・対応)を据えています(現行の公式表記はTrendAI Vision One)。エンドポイント・サーバー・メール・クラウド・ネットワークなど複数レイヤーのテレメトリ(各機器から集めた動作ログ)を相関分析し、攻撃の全体像を1つの画面で把握できます。
ライセンスはクレジットベースの「TrendAI Flex」に一本化され、1つのライセンスで複数のソリューションを有効化できる構成です。価格は公開されておらず要問い合わせですが、全機能を30日間試せる無料体験版が用意されています。
9. CrowdStrike Falcon(クラウドストライク合同会社)

単一の軽量エージェントで、次世代アンチウイルス(NGAV)・EDR・脅威ハンティングを提供するクラウド型のプラットフォームです。侵入後は、プロセスツリーによる攻撃経路の可視化や、遠隔でのプロセス終了・ファイル隔離・ネットワーク遮断といった対応を行えます。
契約はプラン単位で、フルEDRと24時間365日の脅威ハンティングは上位の「Falcon Enterprise」で利用できます。グローバル公式価格はFalcon Enterpriseで1デバイス年額184.99ドルですが、日本円建ての価格は国内代理店経由の見積もりになります。無料トライアルは15日間です。
10. SentinelOne Singularity Platform(SentinelOne Japan株式会社)

エージェント側のAIが脅威を自律的に検知し、不正なプロセス・ファイルをリアルタイムで隔離・停止する設計が中核です。攻撃の個々のイベントを特許技術「Storyline」が時系列・因果関係で自動的に相関づけ、攻撃の全体像を可視化します。
ランサムウェア被害時には、OSの再構築なしに暗号化されたファイルを攻撃前の状態へ戻す1クリックのロールバック機能(特許取得済み)を備えます。この機能はEDR/XDRを含む上位パッケージで提供されます。料金はエンドポイント単位の年額ライセンスで、公式では非開示のため要問い合わせです。
11. FFRI yarai(株式会社FFRIセキュリティ)

株式会社FFRIセキュリティが開発する純国産のエンドポイントセキュリティ製品です。ウイルス定義ファイルに依存せず、5つの振る舞い検知エンジンを組み合わせて、標的型攻撃・ゼロデイ攻撃・亜種マルウェアなどを検知します。
2018年11月のバージョン3.2以降は、脅威ハンティング・端末隔離・マルウェア駆除・レポーティングを行うEDR機能を追加費用なしの標準機能として搭載しています。提供形態はオンプレミス・クラウド(FFRI yarai Cloud)・マネージドサービスから選べ、オンプレミスとクラウド版は5ライセンスからの契約です。価格は要問い合わせです。
12. Microsoft Defender XDR(日本マイクロソフト株式会社)

ID・エンドポイント・メール・クラウドアプリを横断して脅威を検知・対応するXDRプラットフォームです。Defender for Endpointなど複数のDefender製品のシグナルを相関させ、1つのインシデントとして追跡します。単独では購入できず、複数のDefender製品を組み合わせて有効化する点が特徴です。
高い確度で攻撃を検知すると、侵害端末を自動的にネットワークから切り離す「自動攻撃かく乱」により、ランサムウェアの横展開を遮断します。暗号化済みのファイルを復元する機能ではない点には注意が必要です。XDRはMicrosoft 365 E5に含まれ、同プランは1ユーザー月額8,995円(年払い・Teams込み)です。
13. Palo Alto Cortex XDR(パロアルトネットワークス株式会社)

エンドポイント保護(EPP/EDR)を起点に、ネットワーク・クラウド・アイデンティティのテレメトリをネイティブに統合・相関分析するXDRプラットフォームです。機械学習でユーザーや端末の平常時の挙動を学習し、内部不正・横展開・データ持ち出しといった侵入後の活動を検出します。
関連する複数のアラートを1つのインシデントに集約して根本原因を示し、導入済み端末のワンクリックでのネットワーク隔離に対応します。エディションはエンドポイント保護中心の「Prevent」と、EDR・相関分析を加えた「Pro」に分かれます。国内価格は販売代理店が提示するため、エディションと構成に応じて見積もりを取ります。
14. Deep Instinct(ディープインスティンクト株式会社)

マルウェア検知に特化して設計した独自のディープラーニングにより、既知・未知の脅威を実行前の段階で予測して阻止する「予防ファースト」を掲げる製品です。公式は、実行前の判定を20ミリ秒未満で行うとしています。
実行をすり抜けた脅威には、マルウェアの自動分類やMITRE ATT&CKへの自動マッピング、生成AI「DIANNA」による脅威の説明など、分析・対応を支える機能を備えます。国内では販売代理店のエムオーテックス(LANSCOPE)が1ライセンス年額4,200円(税抜)の価格を公開しており、30日間の無料体験版も提供されています。
15. ESET PROTECT(イーセットジャパン株式会社)

欧州発の独立系セキュリティ企業ESETが提供する法人向けエンドポイント保護プラットフォームです。1つの管理ポータルで、予防(EPP)を基盤に、上位プランでEDR相当のXDRや監視・運用代行(MDR)まで段階的に選べる構成を取ります。
XDR機能(ESET Inspect)は上位の「Elite」「MDR」プランで利用でき、ランサムウェアの暗号化開始後のファイル修復やクラウドサンドボックスは「Entry」以外のプランに含まれます。価格は公式・販売代理店とも非公開で要問い合わせです(キヤノンマーケティングジャパンは2026年12月1日の価格改訂を予告しています)。
16. Microsoft Defender for Business(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Defender for Endpointをもとにした、最大300ユーザーまでの中小企業向けエンドポイントセキュリティです。次世代ウイルス対策に加え、中小企業向けに簡素化したEDRを含み、自動調査と修復・自動攻撃の中断・脆弱性管理を備えます。
1ユーザーで最大5台の端末を保護でき、単体では1ユーザー月額449円(税別・年額契約)から利用できます。Microsoft 365 Business Premiumに同梱されるため、同プランの契約企業は追加費用なく使えます。サーバーの保護には別ライセンスのアドオンが必要です。
17. Trend Micro Worry-Free XDR(トレンドマイクロ株式会社)

トレンドマイクロの中小企業向け「Worry-Free」ファミリーの上位ラインで、クラウド管理型のウイルス対策にEDR/XDRを加えた製品です。端末とメールの脅威データを相関分析し、メールを起点とした侵入経路の特定や感染端末の隔離を行えます。
運用まで任せたい場合は、24時間365日の脅威エキスパートによる監視・対応を含む「Worry-Free Managed XDR」をMSP経由で利用できます。価格は提供するパートナーによって異なり、要問い合わせです。XDR(エンドポイント)の対応OSはWindowsとMacです。
18. Kaspersky Next(株式会社カスペルスキー)

カスペルスキーが2024年に投入した法人向けエンドポイント保護製品群で、「EDR Foundations」「EDR Optimum」「XDR Expert」の全ラインにEDR機能を標準搭載しています。デバイス課金からユーザー課金に変わり、1ユーザーのライセンスでPC・サーバー1台とモバイル2台を保護できます。
社内に運用リソースが不足する場合は、マネージドサービス(Kaspersky MDR)と組み合わせられます。無料試用版は30日間です。ただし、ロシアに由来する企業の製品であり、官公庁や一部の業界では調達方針によって採用の可否が分かれる場合があるため、自社のセキュリティポリシーや調達基準に合うかをあわせて確認してください。価格はパートナー経由の見積もりで要問い合わせです。
19. Symantec Endpoint Security(Broadcom Inc.)

Broadcomが提供する大企業向けのエンドポイント保護・EDR製品です。1つのSymantecエージェントで、PC・サーバーからモバイルまで複数のOSを対象にできます。
EDRや、全プロセスの挙動を記録して調査に使うBehavioral Forensics、脅威ハンティングを支援するThreat Hunterは、上位の「SES Complete」で提供されます。管理はオンプレミス・クラウド・ハイブリッドから選べます。価格は公式に掲載がなく、国内では販売代理店経由で個別に見積もられます。
20. FortiClient / FortiEndpoint(フォーティネットジャパン合同会社)

次世代アンチウイルス・EDRに加え、ゼロトラストアクセス(ZTNA)・VPN・DLP(情報漏えい対策)までを1つのエージェントに束ねる、Fortinetの統合型エンドポイント製品です(統合版の呼称はFortiEndpoint)。管理はFortiClient EMSで集中的に行います。
振る舞いベースのEDRで端末の検知・対応を行い、クラウドサンドボックス(FortiSandbox)と連携して未知ファイルを動的に解析します。FortiGate(次世代ファイアウォール)などSecurity Fabricの製品と連携し、ネットワーク側の検知と端末側の対応を相関させられる点が特徴です。価格は要問い合わせで、エディションと導入台数に応じて決まります。
監視・運用まで専門家に任せるタイプ(MDR・運用支援)
検知後の監視・分析・対応を外部の専門家に委ねられる製品・サービスです。製品は導入したものの運用の手が足りない、という企業に向きます。
また、前の「侵入後の検知・対応(EDR・XDR)」タイプの製品にも、監視・対応を代行するMDRや運用支援のオプションを持つものが多くあります。運用を任せたい場合は、このタイプの製品に加えて、比較表の「サポート・運用委託(MDR)」列で「MDRあり」と記載した製品もあわせて検討してください。
監視・運用の代行(MDR)そのものを専門に比較したい場合は、代行してくれる範囲や課金単位、24時間監視の中身で選ぶ以下の記事が参考になります。
21. Eye”247″ Safety Zone(株式会社フーバーブレイン)

株式会社フーバーブレインが「次世代エンドポイントセキュリティ製品」として提供する、EPP(侵入を防ぐ保護)とEDR(侵入後の検知・対応)を1製品に統合した法人向けセキュリティソフトです。検知エンジンには、グローバルセキュリティベンダーのBitdefenderと共同開発したものを採用しています。
特徴は、端末の不審な挙動を常時監視する先進型振る舞い検知(ATC)と、ランサムウェアを検知した際にクライアント側で直近のバックアップからファイルを戻せる機能を標準で備える点です。EDR機能ではログの収集・調査・分析からマルウェアの駆除・復旧支援まで対応し、EDRを別オプションとして追加契約する必要がありません。
検知状況やスキャン状況は、ブラウザベースの管理コンソールで一元的に確認でき、PC資産管理としても利用できます。料金は初期費用・月額ともに公開されておらず、要問い合わせです。運用を外部へ委託できるかは公式に明記されていないため、問い合わせ時に確認するとよいでしょう。
22. Acronis Cyber Protect Cloud(Acronis International GmbH)

Acronis Cyber Protect Cloudは、バックアップやディザスタリカバリといったデータ保護と、アンチマルウェア・EDR・XDR・MDRといったサイバーセキュリティを単一のコンソールで統合提供するプラットフォームです。開発元はスイスに本社を置くAcronis International GmbHで、国内ではMSP(ITサービス事業者)や販売代理店を経由して提供されています。
端末の検知・対応を担うEDR・XDRに加え、専門家が監視・分析・対応を代行するMDR(Managed Detection and Response)まで段階的に選べます。ランサムウェア対策を「防御」と「被害時の復旧」の両面から1製品でカバーでき、バックアップファイルの改ざん防止も同じ製品で実現します。
メールやコラボレーションのセキュリティ、DLP(データ漏えい防止)まで同じコンソールで束ねられるため、複数顧客のセキュリティ運用を集約したい事業者にも向きます。無料トライアル(クレジットカード不要)が用意されており、料金は保護対象や機能モジュール単位の従量が基本で、導入時は要問い合わせです。
法人向けセキュリティソフト導入・運用の注意点
導入後につまずかないために、運用面であらかじめ押さえておきたい点を整理します。
動作への影響・端末負荷を事前に確認する
導入してから端末が重くなると、業務に支障が出ます。多くの製品が無料トライアルを用意しているため、本番に近い環境で動作の軽さ・使い勝手を確かめてから全社に展開すると、導入後のトラブルを避けられます。
常に最新の状態を保ち、警告には適切に対処する
セキュリティソフトは、パターンファイルやプログラムを最新に保って初めて効果を発揮します。自動更新が行われているか、管理画面で各端末の更新状況を定期的に確認することが欠かせません。あわせて、本物の警告と、不安をあおって偽のソフトを買わせようとする偽警告を見分け、従業員が落ち着いて対処できるよう周知しておくことも大切です。
複数ソフトの併用を避け、乗り換え時は移行手順を確認する
複数のセキュリティソフトを同じ端末で同時に動かすと、互いに干渉して正常に機能しなくなることがあります。乗り換える際は、既存ソフトを確実にアンインストールしてから新しいソフトを入れる手順を踏みます。台数が多い場合は、管理者が計画的に移行を進められるよう、導入支援の有無も確認しておくとよいでしょう。
まとめ
法人向けセキュリティソフトは、まず「自社がどこまでの対策範囲を必要とするか」を決めることで、候補を絞り込みやすくなります。基本の侵入対策を整えたいのか、侵入後の検知・対応まで備えたいのか、さらに監視・運用まで任せたいのか。この段階を見定めたうえで、機能・動作の軽さ・一元管理のしやすさ・対応OSと台数・提供形態・サポートといった観点で、同じ範囲の製品を比較していきます。
専任のセキュリティ担当を置きにくい企業ほど、運用の手間を抑えられるか、いざというときに支援を受けられるかが、導入後の安心につながります。自社の規模・運用体制に合う1本を見極めるために、比較表と診断ツール、各製品の資料を活用してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 法人向けセキュリティソフトとは何ですか?
A. 法人向けセキュリティソフトとは、社内のパソコン・サーバー・スマートフォンなどの端末をウイルスやランサムウェアから守り、管理者が全端末のセキュリティ状態を一か所からまとめて管理できるソフトウェアです。個人向けと違い、設定の一斉配布や検知状況の集約、法人専用のサポートを備え、組織全体のセキュリティ水準を均一に保つ仕組みを持ちます。
Q. 法人向けセキュリティソフトと個人向けソフトは何が違いますか?
A. 法人向けセキュリティソフトと個人向けソフトの違いは、ウイルスの検出・駆除といった基本機能は共通する一方、法人向けには管理者による全端末の一元管理・台数に応じた柔軟なライセンス体系・法人専用サポートが備わる点にあります。個人向けを台数分だけ契約して運用することもできますが、端末ごとに設定や更新を確認する手間が台数に比例して増え、どの端末が危険な状態かを管理者が俯瞰しにくくなります。
Q. 法人向けでは無料のWindows Defenderだけでは足りませんか?
A. 法人利用では、無料のWindows Defender(Microsoft Defenderウイルス対策)だけでは、複数端末の集中管理・検知ログの集約・サポートを受けながらの運用といった、組織に必要な要素が標準機能では満たせない場合があります。基本的なマルウェア対策としては一定の役割を果たします。
一元管理やEDRを必要とする企業向けには、Microsoftも有料の法人向けエディションを別途用意しています。無料で始めて、運用・管理の要件が見えた段階で有料の法人向け製品へ切り替える進め方も選択肢です。
Q. EPP・EDR・XDR・MDRの違いは何ですか?
A. これらの違いは、EPPが端末へのマルウェア侵入を防ぐ「事前防御」、EDRが侵入された後に検知・隔離・復旧する「事後対応」、XDRが端末に加えメール・サーバー・クラウドなど複数領域を横断して相関分析する仕組み、MDRはその監視・分析・対応を外部の専門家が代行するサービスという点にあります。
EPPを土台に、必要に応じてEDR/XDR、さらに運用まで任せたい場合はMDRへと、対策範囲を段階的に広げて捉えると、自社に必要な範囲を判断しやすくなります。
Q. 中小企業や少人数の会社でも法人向けセキュリティソフトは必要ですか?
A. 中小企業や少人数の会社でも、法人向けセキュリティソフトの導入は必要です。警察庁の令和7年版警察白書によると、令和6年のランサムウェア被害報告222件のうち中小企業が140件と過半を占めており、規模が小さいから狙われないという実態ではありません。むしろ専任のセキュリティ担当を置きにくい中小企業ほど、管理の手間を抑えて社内全体を守れる法人向けソフトの価値が高まります。
Q. 1ライセンス(少人数)からでも法人向けセキュリティソフトを導入できますか?
A. 1ライセンス単位から契約できる製品を選べば、少人数の会社でも法人向けセキュリティソフトを導入でき、台数に応じてコストを抑えられます。ただし最低契約台数の条件は製品ごとに異なり、一定台数からの販売となる製品もあります。少人数で始めたい場合は、契約できる最小ライセンス数と、将来の増員に合わせて柔軟に追加できるかをあわせて確認してください。
Q. IT専任の担当者がいなくても法人向けセキュリティソフトを運用できますか?
A. IT専任の担当者がいない企業でも、クラウド管理型で管理画面の分かりやすい製品を選び、導入支援やMDR(運用代行)を組み合わせれば運用できます。初期設定そのものは難しくない製品が多い一方、端末台数が多いと設定や移行の手間がかかるため、有料の導入支援を利用する方法もあります。監視・対応まで手が回らない場合は、運用ごと外部に委託できるMDR・運用支援の有無を選定の判断材料にしてください。
Q. 法人向けセキュリティソフトの費用相場はどのくらいですか?
A. 法人向けセキュリティソフトの費用は、1台(1ライセンス)あたりの年額または月額で設定されることが多く、対策範囲が広がるほど価格帯が上がる構造です。侵入を防ぐEPP・アンチウイルス中心の製品が最も手頃で、未知の脅威に対応するNGAV、侵入後の検知・対応を担うEDRを加えると段階的に高くなります。
公開価格のある製品では、EPP中心は1台あたり年額でおおむね2,000〜5,000円程度から、EDR・XDRまで含む上位構成は年額1万円前後からが目安ですが、個別見積もり(要問い合わせ)の製品も多くあります。
1台あたりの単価だけでなく、最低契約台数・サポート費・EDRやMDRなどのオプションで総額が変わるため、同じ台数・対策範囲・サポート条件で各社の見積もりを揃えて比べると公平に判断できます。各製品の具体的な料金は、本記事の比較表とサービス個別紹介で確認してください。
Q. 法人向けセキュリティソフトを導入すればサイバー攻撃を完全に防げますか?
A. 法人向けセキュリティソフトを導入しても、それだけですべてのサイバー攻撃を完全に防げるわけではありません。重要な対策ではありますが、巧妙化する標的型メールやランサムウェアには、従業員へのセキュリティ教育や、侵入後の検知・対応を担うEDR/MDR、複数の経路を層で守る多層防御を組み合わせた対策が効果的です。ソフトの導入を土台に、運用と人の対策を重ねる前提で考えることをおすすめします。
Q. 法人向けセキュリティソフトは導入前に試せますか?導入はどのような流れで進めますか?
A. 多くの法人向けセキュリティソフトは無料トライアルが用意されており、本番に近い環境で動作の軽さや使い勝手を確かめてから導入できます。導入は一般に、トライアルでの検証 → 導入の決定 → 保護方針(ポリシー)の設定 → 既存ソフトのアンインストール → 新しいソフトの配布・展開 → 稼働状況の確認、という流れで進めます。
台数が多い場合は、計画的に移行を進められるよう、導入支援の有無もあわせて確認しておくとよいでしょう。
Q. 別のセキュリティソフトから乗り換えるときに注意することは何ですか?
A. 乗り換え時は、複数のセキュリティソフトを同じ端末で同時に動かすと互いに干渉するため、既存ソフトを確実にアンインストールしてから新しいソフトを導入することが重要です。台数が多い場合は、どの端末から切り替えるかを計画し、管理者が進捗を把握できるようにしておくと混乱を避けられます。移行作業を自社だけで進めるのが難しいときは、導入支援を受けられるかも確認しておくと安心です。
Q. 第三者機関の評価はどう見ればよいですか?
A. 第三者機関の評価は、AV-TEST(保護性能・動作への影響・使いやすさの3軸)やAV-Comparatives、SE Labs(標的型攻撃への検知・防御・対応)といった独立機関が同じ基準で試験した結果です。公式サイトの訴求だけに頼らず製品を客観的に比較する手がかりになります。
評価結果は試験の時期によって変動するため、最新の結果を、自社が重視する軸(防御力を優先するのか、動作の軽さを優先するのか)に照らして読むことが大切です。
製品によっては、組織の方針や調達基準によって利用可否の判断が分かれる場合がある点にも留意してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















