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年末調整の委託とは?任せられる業務範囲・費用相場・委託先の選び方を解説

年末調整の委託のサムネイル画像
給与計算アウトソーシング比較表(2026年版)のプレビュー

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給与計算アウトソーシング比較表(2026年版)

毎年10月から12月にかけての年末調整で、申告書の配布や回収、控除証明書のチェック、年税額の計算に追われていませんか。通常の給与計算と重なる時期に作業が集中し、差し戻しや問い合わせの対応で残業が増えがちな業務です。

この負担を軽くする選択肢が、年末調整の外部委託です。ただ「委託」と言っても、どこまでを任せられて何が自社に残るのか、費用はいくらかかるのか、そもそもどこに頼めばよいのかが分からないまま検討を止めてしまうケースは少なくありません。

本記事では、年末調整で委託できる業務と自社に残る責任の線引き、従業員規模別の費用相場、委託先の3つのタイプと選び方、申し込み時期の注意点までを整理します。あわせて、年末調整まで任せられる給与計算アウトソーシングも紹介するので、自社が委託すべきか・どこに頼むかの判断材料としてご活用ください。

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年末調整はどこまで委託できる?委託できる業務と自社に残る業務

年末調整の委託を検討するとき、最初に押さえたいのが「どこまでを外に出せて、何が自社に残るのか」です。結論から言えば、申告書の配布から計算までの事務作業の多くは委託できますが、税務署に提出する書類の作成や税務代理は税理士にしか行えず、源泉徴収義務という最終責任は委託後も自社に残ります。

まずは全体像を、委託できる業務と自社に残る業務の対比で整理します。

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年末調整の案内・申告書の配布と回収申告内容・控除証明書のチェック、不備や未提出者への督促申告書のデータ化・年税額(過不足)の計算源泉徴収票・給与支払報告書のデータ作成従業員からの問い合わせ対応法定調書合計表の作成・税務署への提出、税務代理源泉徴収・納付と年末調整の最終責任給与データ・前職の源泉徴収票など元データの準備
委託の可否委託できる委託できる委託できる委託できる委託できる税理士のみ自社に残る自社に残る
担当委託先(専門業者・社労士・税理士)委託先委託先委託先委託先(専用窓口)税理士(委託先が提携する税理士法人)自社(源泉徴収義務者)自社

※委託できる範囲は委託先・プランにより異なります。契約前に対応範囲をご確認ください。

委託できる業務(年末調整の事務作業)

年末調整の実務のうち、事務作業にあたる部分は幅広く委託できます。具体的には、従業員への案内と各種申告書の配布・回収、提出書類の照合・チェック、不備や未提出者への督促が含まれます。さらに、申告書のデータ化や年税額の計算、源泉徴収票・給与支払報告書のデータ作成、従業員からの問い合わせ対応まで任せられます。

委託先によっては、専用の問い合わせ窓口(電話・メール)を設けて従業員対応まで引き受けたり、Web申告システムを使ったペーパーレス運用を支援したりと、カバーする範囲はさらに広がります。どこまでを任せるかは、業務フローや予算に合わせて部分的に選ぶこともできます。

自社に残る業務・責任

一方で、委託しても自社に残るものがあります。給与の支払者(源泉徴収義務者)として所得税を徴収・納付し、年末調整で過不足を精算する義務は、所得税法上あくまで事業者に課されています。委託は事務作業の代行であり、申告内容の最終的な責任や納付の義務まで外部に移るわけではありません。

居住者に対し国内において(中略)給与等(中略)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

出典:所得税法 第183条第1項|e-Gov法令検索

また、給与データや前職の源泉徴収票といった元データの準備、従業員への申告書の周知も自社の役割として残ります。委託先に渡す情報がそろっていなければ業務は進まないため、「すべてお任せ」で手離れすると考えず、定期的に進捗の報告を受けて最終提出前に内容を確認する体制が欠かせません。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:所得税法 第183条・第190条|e-Gov法令検索(リンク)
  • 参考資料:年末調整がよくわかるページ(令和8年分)|国税庁(リンク)

税務代理・法定調書の作成は税理士の独占業務

「年末調整を外部に任せるのは違法にならないか」という不安をよく聞きます。結論として、前述の事務作業の代行は適法に委託できます。ただし、税務書類の作成や税務代理は税理士の独占業務にあたり、税理士(またはその委託先が提携する税理士法人)でなければ行えません。

税理士は、他人の求めに応じ、租税(中略)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 税務代理(中略)
二 税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書(中略)を作成することをいう。)
三 税務相談(中略)

出典:税理士法 第2条第1項|e-Gov法令検索

税理士法第52条は「税理士又は税理士法人でない者は(中略)税理士業務を行つてはならない」と定めています。したがって、税務署へ提出する法定調書合計表の作成・提出や税務代理は、アウトソーシング専門業者や社会保険労務士が単独で行うことはできず、提携する税理士が担います。

源泉徴収票や給与支払報告書の「データ作成」までは委託先が代行できても、法定調書の提出まで含めて任せたい場合は、提携税理士の有無を確認しておくと安心です。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:税理士法 第2条・第52条|e-Gov法令検索(リンク)

年末調整の委託にかかる費用相場【従業員規模別・1人あたり単価】

委託の次に気になるのが「自社の規模だと結局いくらかかるのか」です。年末調整の委託費用は、基本料金と従業員1人あたりの単価を組み合わせた料金体系が一般的で、従業員数や委託する業務範囲によって総額が変わります。

費用の内訳(基本料金+1人あたり単価+オプション)

料金は、処理人数にかかわらず発生する基本料金(おおむね10万〜30万円程度)と、従業員1人あたりの処理単価(規模により1,000〜4,000円程度で、人数が少ないほど高い傾向)を合算する形が多く見られます。小規模な依頼では、基本料金に代えて最低受注料金(10万円〜など)が設定され、人数が少なくても一定額がかかるのが一般的です。

これに加えて、従業員向けヘルプデスクの設置、住宅ローン控除の初回チェック、外国籍従業員への対応、源泉徴収票の発送、給与支払報告書の提出代行などがオプション料金として加算される場合があります。委託範囲によって総額が大きく変わるため、何が基本料金に含まれるかを見積もり時に確認することが欠かせません。

従業員規模別の費用目安

従業員規模ごとの1人あたり単価の目安は、次のとおりです。人数が増えるほど単価は下がる傾向にあり、大規模になるほど個別見積もりが中心になります。

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〜50名(小規模)51〜300名(中規模)301名〜(大規模)
1人あたりの目安2,000〜4,000円程度1,500〜3,000円程度1,000〜2,500円程度
補足最低受注料金(10万円〜など)が設定されることが多い人数が増えるほど単価は下がる傾向個別見積もりが中心

※複数の委託先・比較情報で示される一般的な相場観です。実際の料金は委託範囲・人数により変動し、公式に料金を公開していない委託先も多いため、見積もりでの確認が前提となります。

総額のイメージをつかむために試算してみます。従業員50名で1人あたり2,500円の委託先に依頼する場合、最低受注料金(または基本料金)10万円に処理単価の合計12万5,000円(2,500円×50名)を加えて、年あたりおおよそ20万〜25万円程度が一つの目安です。委託範囲やオプションで金額は変わるため、規模感をつかむための試算として見積もりで確認してください。

公式サイトで料金を明示している委託先は限られ、「要問い合わせ」としているケースが多いのが実情です。相場観を踏まえたうえで、複数社から見積もりを取り、業務範囲と費用のバランスを比べるとよいでしょう。

年末調整を委託するメリット・デメリット

委託できる範囲と費用の目安を押さえたところで、「自社は委託すべきか」を判断するために、メリットとデメリットの両面を整理します。

委託するメリット

最大のメリットは、繁忙期に集中する担当者の業務負担を軽減できることです。申告書のチェックや計算、問い合わせ対応といった時間のかかる作業を任せることで、担当者は本来のコア業務に専念しやすくなります。

専門知識を持つ委託先に任せることで、控除の適用誤りや計算ミスを防ぎやすくなる点も見逃せません。毎年の税制改正への対応も委託先が追随するため、自社で制度変更を追い続ける負担が減ります。繁忙期だけ人員を増やす必要がなくなり、採用・教育のコストを抑えられる効果も期待できます。

委託するデメリット・留意点

一方で、年末調整の業務を外に出すことで、社内にノウハウが蓄積されにくくなります。将来の内製化を視野に入れるなら、業務内容や手順を記録として残しておく工夫が必要です。

外部委託には当然コストがかかるため、自社で対応する場合の人件費や残業代と比べて費用対効果を見極める必要があります。また、従業員の給与や家族構成、マイナンバーといった機密性の高い個人情報を外部に預けることになるため、情報漏えいのリスクと対策は慎重に確認しなければなりません。この点は後半の注意点でも詳しく触れます。

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年末調整の委託先は3タイプ|税理士・社会保険労務士・専門業者の違い

年末調整の委託先は、大きく税理士、社会保険労務士、アウトソーシング専門業者の3タイプに分けられます。それぞれ頼める業務の範囲や強みが異なるため、自社が何を任せたいかによって向き不向きが変わります。

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税理士(税理士法人)社会保険労務士(社労士法人)アウトソーシング専門業者
法定調書の作成・提出/税務代理対応できる不可(提携税理士が担当)不可(提携税理士が担当)
給与計算とのセット顧問契約とあわせやすい給与計算・社会保険手続きとまとめやすい給与計算BPOとセットが中心
向いている企業税務相談も含めて相談でき、安心感を重視したい企業労務まわりをあわせて任せたい企業コストとスピード、柔軟なカスタマイズを重視する企業

税理士は、税務代理や法定調書の作成・提出といった税務の独占業務をそのまま任せられるのが強みです。税務相談にも応じられるため、税務面の判断まで含めて相談したい企業に向いています。

社会保険労務士の業務は、社会保険労務士法で労働・社会保険に関する事務と定められており、税務代理や税務書類の作成は含まれません。そのため法定調書の作成・提出は提携する税理士が担いますが、給与計算や社会保険手続きとあわせて年末調整の事務を任せられる点が強みです。

アウトソーシング専門業者は、給与計算BPOとセットでの受託が多く、コストやスピード、業務フローに合わせた柔軟なカスタマイズを重視する企業に向いています。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:税理士法 第2条・第52条|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:社会保険労務士法 第2条|e-Gov法令検索(リンク)

年末調整の委託先の選び方

委託先のタイプを絞り込んだら、個別のサービスを次の5つの判断軸で比べるとよいでしょう。自社が何を重視するかを明確にしておくと、見積もりの比較がしやすくなります。

対応できる業務範囲は十分か

申告書のチェックやデータ入力だけでなく、不備・未提出者への督促や従業員からの問い合わせ対応まで任せられるかを確認しておきましょう。問い合わせ対応を自社に残すと、繁忙期の負担軽減効果が薄れるためです。委託したい業務が契約プランに含まれているか、どこまでが追加オプションになるかを見極めることが重要です。

毎年の法改正に対応できるか

年末調整は税制改正の影響を毎年受けるため、最新の制度に正しく対応できる体制があるかは重要な判断軸です。税理士や社会保険労務士が在籍・連携しているか、過去の法改正への対応実績があるかを確認すると、制度変更の年でも安心して任せられます。

既存の給与システムと連携できるか

自社で使っている給与計算ソフトや人事システムとデータを連携できるかを確認しましょう。委託先が指定するデータ形式が自社のシステムと合わない場合、データの変換や手入力の手間が発生します。既存システムを稼働させたまま一部業務だけを切り出して委託できるかも、あわせて確認しておきたいポイントです。

セキュリティ体制は信頼できるか

年末調整では、給与や家族構成、マイナンバーなど機密性の高い個人情報を委託先に預けます。委託先を選ぶ段階では、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証(ISO/IEC 27001)の取得状況、データの暗号化やアクセス制限の方法を確認するとよいでしょう。契約後の監督義務や再委託の扱いは、後述の注意点で整理します。

同規模・同業種での導入実績はあるか

自社と近い従業員規模や業種での導入実績があるかを確認しましょう。実績が豊富な委託先は、イレギュラーな申告やトラブルへの対応ノウハウを蓄積している可能性が高く、導入後の運用もスムーズに進みやすくなります。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:個人情報の保護に関する法律 第23条・第25条|e-Gov法令検索(リンク)

年末調整を委託する流れと依頼時期(契約は夏までに)

年末調整の委託は、思い立ってすぐ始められるわけではありません。委託先の選定から運用開始までには準備期間が必要で、申し込みが遅れると希望する委託先を選べないこともあります。

委託の基本的な流れ

一般的な流れは、問い合わせと自社情報の提供から始まり、担当者によるヒアリング、提案内容と見積もりの比較検討、業務委託契約の締結、導入準備を経て運用開始へと進みます。契約時には、委託する業務の範囲、秘密保持、個人情報の取り扱い、不備修正時の責任分担を明確にしておくと、運用中のトラブルを避けられます。

申し込みは夏までに動くのが安心

年末調整の実務は10月頃から始まるため、その直前に委託先を探しても間に合わないことがあります。委託先の中には、申し込みの締め切りを7月末や8月末に設定しているところもあり、9月から10月に慌てて探すと希望のサービスを受けにくくなります。業者選定・契約・業務フローの共有・従業員への案内までを逆算し、夏までには動き始めるのが安心です。

年末調整の委託で後悔しないための注意点

委託を決める前に、申し込み後につまずきやすいポイントを整理します。前述のとおり、委託しても源泉徴収と納付の最終責任は自社に残ります。そのうえで、選び方で触れた認証の確認に加えて契約面で押さえたいのが、個人情報の扱いと委託範囲の線引きです。

マイナンバー・個人情報の安全管理

年末調整では、扶養親族のマイナンバーを含む特定個人情報を扱います。マイナンバーを規定する番号法は、取り扱う者に適切な安全管理を義務づけており、委託先が勝手に別の業者へ再委託することを、委託した側(自社)の許諾なしには認めていません。

個人番号利用事務(中略)の全部又は一部の委託を受けた者は、当該個人番号利用事務等の委託をした者の許諾を得た場合に限り、その全部又は一部の再委託をすることができる。

出典:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 第10条第1項|e-Gov法令検索

契約の際は、委託先の安全管理体制に加え、再委託の有無とその範囲を確認し、秘密保持契約(NDA)を結んでおくことが欠かせません。委託後も委託先を監督する責任は自社に残るため、年末調整が終わったら任せきりにはできない点を意識しておきます。

部分委託は範囲を明確にする

年末調整の一部だけを委託する場合は、どこまでを委託し、どこからを自社が担うかを明確にしておく必要があります。範囲の線引きが曖昧だと、作業の抜け漏れや二重対応が起きやすくなります。委託する目的(負担軽減かミス防止か)に優先順位をつけ、連絡窓口を一本化して不備修正の責任者を決めておくと、運用がスムーズになります。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 第10条・第12条|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:個人情報の保護に関する法律 第23条・第25条|e-Gov法令検索(リンク)

2026年分(令和8年分)の年末調整で新たに確認すべきこと

委託を検討する背景として、年末調整の確認事項が近年増えている点にも触れておきます。2026年分(令和8年分)で新しく関係するのは、子育て世帯向けの生命保険料控除の特例です。基礎控除・給与所得控除の見直しや特定親族特別控除の創設といった令和7年度税制改正の大きな改正は、すでに令和7年分(2025年)から適用されています。

令和7年度税制改正の大きな改正は、令和7年12月の年末調整で精算され、月次の源泉徴収税額表には令和8年分(2026年1月)以後に反映されています。

そのため2026年分(令和8年分)の年末調整でも、これらの改正は引き続き適用され、令和7年分で導入された「給与所得者の特定親族特別控除申告書」などの新しい様式での運用が続きます。扶養親族等の合計所得金額の要件も58万円以下(改正前48万円以下)に広がっているため、扶養の対象者を改めて確認する必要があります。

さらに2026年分で新たに関係するのが、子育て世帯向けの生命保険料控除の特例です。

新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、居住者が年齢23歳未満の扶養親族を有する場合には、令和8年分における当該一般生命保険料控除の控除額の計算を(中略)旧生命保険料及び上記①の適用がある新生命保険料を支払った場合には、一般生命保険料控除の適用限度額は6万円(現行:4万円)とする。(中略)(注)一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額は 12 万円とする(現行と同じ。)

出典:令和7年度税制改正の大綱(令和6年12月27日閣議決定)第二 一 3 子育て支援に関する政策税制|財務省

23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般生命保険料控除の限度額が4万円から6万円に引き上げられます。ただし3区分を合計した上限は12万円のまま据え置かれ、この上乗せは令和8年分・令和9年分に限る時限措置とされています。こうした毎年の確認事項の増加は、専門知識を持つ委託先に任せる動機のひとつになっています。

出典・参考資料(3件)
  • 出典:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁(リンク)
  • 出典:令和7年度税制改正の大綱(令和6年12月27日閣議決定)|財務省(リンク)
  • 参考資料:令和9年度税制改正要望事項(生命保険料控除制度の拡充の恒久化等)|金融庁(リンク)

年末調整まで任せられる給与計算アウトソーシング

年末調整の委託先として、給与計算とあわせて年末調整まで引き受ける給与計算アウトソーシングは有力な選択肢です。給与データを日常的に扱う委託先なら、年末調整に必要な情報の連携がスムーズで、繁忙期だけでなく通年で労務まわりの負担を軽くできます。

サービスを選ぶ際は、年末調整が基本業務に含まれるか(オプションか)、Web申告や従業員向けの問い合わせ窓口に対応しているか、法定調書の提出まで提携税理士がカバーするかを確認するとよいでしょう。ここで紹介するのは、給与計算とあわせて年末調整まで任せられる社会保険労務士法人・アウトソーシング専門業者系のサービスです。税務相談まで含めて税理士に依頼したい場合は、顧問税理士への相談も選択肢になります。

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サービス名エコミック 給与計算アウトソーシングCOMIT HRアクタスエスペイロール
年末調整の位置づけ給与計算の基本業務に含む組み合わせ委託の一業務として選択給与・社保とまとめて一元受託年末調整補助に特化(単独委託可)
Web・スマホ申告●スマホ完結「簡単年調」●Web申告に対応要問い合わせ△書類の発送・回収が中心(既存クラウドも利用可)
従業員の問い合わせ窓口●専用窓口で対応可△外部専用窓口(年末調整対応はオプション)要問い合わせ●専用電話・メールで対応
法定調書の提出(提携税理士)要問い合わせ●提携税理士法人が電子申告要問い合わせ●提携税理士法人が対応
提供主体・特徴給与計算専業の上場企業
550社・14万人の処理実績
給与計算特化のBPO(運営20年)
給与を軸に業務を組み合わせ
社会保険労務士法人が契約主体
社保手続きまで一元委託
社会保険労務士法人が母体
1人につき6回のチェック体制
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

上記は年末調整に対応する給与計算アウトソーシングの一例です。給与計算アウトソーシング全体を、任せられる業務範囲や料金体系、従業員規模別の選び方から比較・検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

1. エコミック 給与計算アウトソーシング(株式会社エコミック)

エコミック 給与計算アウトソーシングの公式サイト

給与計算アウトソーシングを専業とする株式会社エコミックのサービスで、給与・賞与計算、年末調整、住民税徴収額の更新を基本業務としています。毎月550社・14万人分の処理実績を公表しており、中小企業から大企業まで幅広い導入規模に対応します。

年末調整では、従業員がスマートフォンで控除証明書を撮影・送信するだけで申告が完了するクラウドサービス「簡単年調」を提供しています。在宅勤務や出向中の従業員でも手続きが完結し、専用窓口での問い合わせ対応も可能なため、人事部門の問い合わせ負担を抑えられます。委託範囲を企業ごとに組み立てる「オーダーメイド導入」と、テンプレートで短期間に始める「テンプレート導入」の2パターンを用意しています。

2. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)

COMIT HRの公式サイト

株式会社InfoDeliverが運営する給与計算特化型の人事労務BPOです。給与計算を基盤に、勤怠管理・社会保険手続き・年末調整・入退社手続き・従業員からの問い合わせ対応まで、委託したい業務を組み合わせて利用できます。BPO運営実績20年を掲げ、導入は約3ヶ月で開始できるとしています。

年末調整はWeb申告に対応し、源泉徴収票や給与支払報告書のデータ作成までを標準業務としています。市区町村への給与支払報告書の提出や法定調書については、提携する税理士法人が電子申告で対応する体制です。給与計算を軸に年末調整まで通年で任せたい企業に向いています。

3. アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

アクタスの給与計算アウトソーシングの公式サイト

アクタス社会保険労務士法人が契約主体となる給与計算アウトソーシング(BPO)です。社会保険労務士法人が運営するため、給与計算・賞与計算に加え、社会保険・労働保険の手続き代理、年末調整までを一元的に受託できる点が特徴です。

給与計算だけ、社会保険手続きだけといった業務単位での部分委託にも対応し、自社の体制に合わせて委託範囲を調整できます。導入時のシステム構築はグループのITコンサルティング会社が伴走するため、労務まわりをまとめて専門家に任せたい企業に適しています。

4. エスペイロール(年末調整補助アウトソーシング)

エスペイロールの年末調整補助アウトソーシングの公式サイト

給与計算BPOとあわせて、年末調整補助に特化したアウトソーシングを提供するサービスです。従業員ごとの書類を専用封筒で発送・回収し、1人につき6回のチェック体制で入力ミスを防ぐ運用が特徴です。

専用の電話回線とメールで従業員からの質問に対応し、翌年1月以降の源泉徴収票や還付計算に関する問い合わせもカバーします。法定調書の作成・提出は提携する税理士法人が担い、年末調整を行わなかった従業員向けの確定申告サポートも用意しています。利用中のクラウドサービスをそのまま使いながら委託できる点も実務的です。

まとめ

年末調整の委託では、申告書の配布から計算、源泉徴収票のデータ作成までの事務作業を幅広く任せられます。一方で、法定調書の作成・提出や税務代理は税理士の領域であり、源泉徴収義務という最終責任は委託後も自社に残ります。この線引きを押さえたうえで、費用相場や委託先のタイプ、セキュリティ体制を比べることが、後悔しない委託につながります。

委託先の申し込みは夏までに動くのが安心です。年末調整まで任せられる給与計算アウトソーシングなら、通年で労務の負担を軽くしながら繁忙期を乗り切れます。自社の規模や委託したい範囲に合わせて、複数のサービスの資料を比べて検討を進めてください。

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年末調整の委託に関するよくある質問(FAQ)

Q. 従業員が数名の会社でも年末調整を委託できますか?

A. 年末調整の委託は、従業員が数名の小規模な会社でも利用できます。ただし、処理人数が少なくても最低受注料金(10万円〜などが目安)が設定されていることが多く、1人あたり単価だけで総額が決まるわけではありません。少人数で費用対効果を確かめたい場合は、給与計算とあわせて依頼できるか、最低料金がいくらかを見積もり時に確認するとよいでしょう。

Q. 年末調整の委託はいつまでに契約すべきですか?

A. 年末調整の委託は、実務が始まる10月より前、遅くとも夏(7〜8月)までに契約を進めるのが安心です。委託先の中には申し込みの締め切りを7月末や8月末に設定しているところもあり、9〜10月に慌てて探すと希望のサービスを受けにくくなります。業者選定・契約・業務フローの共有・従業員への案内までを逆算して、早めに動き始めてください。

Q. 年末調整の委託費用を抑える方法はありますか?

A. 年末調整の委託費用は、給与計算とセットで依頼する・一部業務だけを部分委託する・複数社から相見積もりを取る、という3つの工夫で抑えやすくなります。給与データを日常的に扱う給与計算アウトソーシングなら年末調整の情報連携の手間が減り、問い合わせ対応など負担の大きい業務だけを切り出せば費用を必要な範囲に絞れます。何が基本料金に含まれ、どこからがオプションになるかを見積もりで比べることが前提です。

Q. 既存のクラウド給与ソフトを使っていても年末調整を委託できますか?

A. 年末調整の委託は、マネーフォワード クラウドやfreeeなどのクラウド給与ソフトを導入済みでも、多くの委託先が対応できます。ただし、委託先が指定するデータ形式が自社のソフトと合わない場合は、データ変換や手入力の手間が生じることがあります。利用中のシステムをそのまま使いながら委託できるか、データ連携の方法を契約前に確認しておくと安心です。

Q. 年末調整で委託先に渡すマイナンバーはどのように扱われますか?

A. 年末調整の委託では扶養親族のマイナンバーを含む特定個人情報を預けるため、委託先には番号法に基づく適切な安全管理が義務づけられ、別の業者への再委託には委託した側(自社)の許諾が必要です。契約の際は、委託先の安全管理体制とプライバシーマーク(Pマーク)・ISMS認証の取得状況、再委託の有無と範囲を確認し、秘密保持契約(NDA)を結んでおきます。

委託後も委託先を監督する責任は自社に残る点に注意してください。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 第10条|e-Gov法令検索(リンク)

Q. 社会保険労務士に法定調書の作成・提出まで頼めますか?

A. 社会保険労務士には、法定調書合計表の作成・提出や税務代理は頼めません。これらは税理士の独占業務だからです。社会保険労務士やアウトソーシング専門業者は、申告書のチェック・データ化や源泉徴収票・給与支払報告書のデータ作成までは代行できますが、税務署へ提出する法定調書の作成・提出は提携する税理士法人が担います。法定調書の提出まで含めて任せたい場合は、委託先に提携税理士がいるかを確認してください。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:税理士法 第2条・第52条|e-Gov法令検索(リンク)
  • 出典:社会保険労務士法 第2条|e-Gov法令検索(リンク)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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