取引先を踏み台にした攻撃やランサムウェアの被害が中小企業にも広がり、ファイアウォールだけでは社内ネットワークの出入口を守りきれなくなっています。とはいえ、ウイルス対策・不正侵入防御・Webフィルタリングを個別に導入・運用するのは、セキュリティ専任者がいない企業には現実的ではありません。そこで、複数の防御機能を1台にまとめたUTM(統合脅威管理)の導入を検討する企業が増えています。
ただ、いざ選ぼうとすると、国内外のメーカーから多くの製品が出ていて、どれが自社の規模・予算・運用体制に合うのか判断しづらいのが実情です。機器を自社に置くタイプもあれば、クラウドで使うタイプ、運用ごと任せられるタイプもあり、比べる軸から整理する必要があります。
本記事では、UTM製品11サービスを導入形態のタイプ別に比較・解説します。基本機能や費用相場に加え、対応規模やスループットの考え方、購入・リース・レンタルの違い、専任者がいなくても運用できるかといった、UTM選びに特有の判断材料を公的機関の統計を交えて整理しました。自社に合う製品を絞り込むための材料としてご活用ください。
比較する製品は、アプライアンス型・クラウド型・レンタル・運用代行型の3タイプに分けて整理しています。
また、自社の規模や運用体制に合うタイプ・製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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UTM(統合脅威管理)とは
UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)は、ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入防御(IPS/IDS)、Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器・サービスです。社内ネットワークとインターネットの境界(出入口)に置き、外部からの攻撃と内部からの情報漏えいをまとめて監視・制御します。
機能ごとに専用機器をそろえると、導入コストも運用の手間もかさみます。UTMは必要な防御を1台に集約することで、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中小企業でも、多層的な守りを現実的な負担で用意できる点に特徴があります。
UTMの主な機能
搭載される機能は製品によって差がありますが、一般的なUTMは次のような防御機能を備えています。
| 主な機能 | 役割 |
|---|---|
| ファイアウォール(FW) | あらかじめ定めたルールにもとづき、許可しない通信を遮断してネットワークの出入口を守ります。 |
| 不正侵入防御・検知(IPS/IDS) | 攻撃特有の通信パターンを検知し、脆弱性を突く侵入をブロックします。 |
| アンチウイルス | 通信に含まれるマルウェアを出入口で検査し、端末に届く前に止めます。 |
| Web(URL)フィルタリング | 危険なサイトや業務に関係のないサイトへのアクセスを制限します。 |
| アンチスパム | 迷惑メールやフィッシングメールを判別し、受信を抑えます。 |
| アプリケーション制御 | SNSやファイル共有など、アプリ単位で通信の可否を制御します。 |
| VPN | 拠点間やテレワーク端末との通信を暗号化し、安全な接続を確保します。 |
| SSL/TLSインスペクション | 暗号化された通信を復号して検査し、暗号化に紛れた脅威を見つけます。 |
これらを個別に導入すると管理画面も契約もばらばらになりますが、UTMなら1つの管理画面でまとめて設定・監視できます。どの機能をどこまで備えるかは製品ごとに異なるため、自社に必要な機能がそろっているかは後述の比較表で確認してください。
UTMとファイアウォール・NGFWの違い
ファイアウォールは、送信元・宛先・ポートなどのルールにもとづいて通信を通すか遮断するかを判断する仕組みです。通信の「入口のドア」を管理する役割に特化しており、マルウェアや不正侵入そのものを検査する機能は持ちません。
UTMは、このファイアウォールにアンチウイルスやIPS/IDS、Webフィルタリングなどを加えて1台にまとめたものです。入口の制御に加えて、通過する通信の中身まで検査できる点が大きな違いになります。
一方、NGFW(次世代ファイアウォール)は、ファイアウォールにアプリケーション識別やIPS、SSL/TLS検査などを統合した製品で、UTMと機能的に重なる部分が多くあります。
一般にUTMは中小企業の「必要な機能を1台で手早く」というニーズに、NGFWは大企業の高度な可視化・制御に向くとされますが、両者の境界は製品ごとに曖昧になっているのが実情です。本記事では、中小企業が1台で多層防御を実現する製品を広くUTMとして扱います。
中小企業にUTMは必要か
ここでは、「自社のような小さな会社がUTMまで必要なのか」という疑問に、公的機関の調査データをもとに答えます。
結論から言えば、専任のセキュリティ担当者を置きにくい中小企業ほど、1台で多層防御を用意できるUTMの効果は大きくなります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が実施した「サイバーセキュリティお助け隊事業」の実証では、参加した中小企業の状況について次のように報告されています。
ウイルス対策ソフトは9割程度の中小企業で導入されているが、UTMの導入は2割程度しか進んでいない。セキュリティポリシーやルールの策定、インシデント対応体制の構築等の組織的な対応は遅れている。
出典:令和2年度中小企業サイバーセキュリティ対策支援体制構築事業(サイバーセキュリティお助け隊事業)成果報告書(全体版)2021年5月|IPA・経済産業省
端末のウイルス対策は広く普及した一方で、ネットワークの出入口を守るUTMの導入は遅れている、という状況がうかがえます。これは、お助け隊事業の実証に参加した中小企業を母集団とした把握であり、全国の中小企業を無作為に抽出した数値ではありませんが、出入口対策が手薄になりがちな実態を示す参考値といえます。
「自社は狙われない」と考える企業は少なくありません。しかし同じ実証では、UTMを設置した参加企業の約80%で不正侵入(IPS)が検知され、約69%でスパムメールが検知されたと報告されています。
別の実証では、導入した企業の約3割にあたる19社で、合計490件もの不審な通信をブロックしたという結果も示されました。実際に出入口を監視すると、規模にかかわらず多くの攻撃通信が日常的に届いていることがわかります。
市場の面でも、UTMは選択肢が確立した成熟した分野です。日経クロステックが2024年に実施したネットワーク機器の利用実態調査(回答者1,031人)では、「UTMまたは次世代ファイアウォール」の導入率は46.0%で、境界防御製品の中で最も高い結果でした。
UTM/ファイアウォールのメーカー別シェアはフォーティネットジャパンが45.7%で首位、次いでパロアルトネットワークス、シスコシステムズが続いています。利用が上位メーカーに集中した成熟市場で、製品の情報も集めやすい状況です。
IPAは中小企業向けに「SECURITY ACTION」(情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度)などの支援も用意しています。専任者がいない企業でも、こうした公的な枠組みを足がかりに対策を進められます。
出典・参考資料(3件)
- 出典:令和2年度中小企業サイバーセキュリティ対策支援体制構築事業(サイバーセキュリティお助け隊事業)成果報告書(全体版)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)・経済産業省(https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/otasuketai_houkoku2021.html)
- 参考資料:ネットワーク機器利用実態調査(2024年)/今使われているルーターとUTMのベンダーランキング|日経クロステック・日経NETWORK(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03011/111800003/)
- 参考資料:SECURITY ACTION|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(https://www.ipa.go.jp/security/security-action/sa/index.html)
UTMを導入するメリット
ここでは、UTMを導入する主なメリットを整理します。
基本的な価値は「UTMとは」で触れたとおり複数の防御を1台に集約できる点ですが、選定の観点では次の3つが効いてきます。1つ目は、社内ネットワークの出入口で全端末の通信を一律に検査できることです。端末ごとに個別対策を入れる必要がなく、新しい端末が増えても守りの穴ができにくくなります。
2つ目は、拡張のしやすさです。対応規模に応じて機種やプランを上げれば、人員増や拠点追加にも対応できます。3つ目は、導入形態の幅です。機器設置からクラウド、運用代行まで選べるため、自社のIT体制や予算に合わせて守りを用意でき、専任者がいない企業は運用まで任せる選択もとれます。
UTM導入前に押さえる注意点(デメリット)
一方で、導入前に理解しておきたい注意点もあります。
すべての通信がUTMを経由するため、処理性能(スループット)が自社の通信量に対して不足すると、通信速度が低下します。多機能なUTMほどこの傾向があり、自社の規模に見合う性能の機種を選ぶ必要があります(性能の見極め方は後述の選び方で解説します)。
防御を1台に集約する分、その機器が停止するとネットワーク全体に影響が及びます。障害時に通信を止めないバイパス機能や機器の冗長化、故障時の代替機対応を確認しておくと安心です。
UTMは出入口の防御が中心で、端末内部に侵入した後の脅威やクラウド上の通信まではカバーしきれない点にも注意が必要です。この点と多層防御の考え方は、後述の「UTMはもう古い?」であわせて解説します。
導入形態で選ぶUTMの3タイプ
ここからは、UTMを選ぶ最初の分かれ道となる「導入形態」の3タイプを整理します。機器を自社に置くか、クラウドで使うか、運用ごと任せるかで、初期費用や運用の手間、向いている企業が変わります。まず自社がどのタイプに当てはまるかを押さえると、製品選びが一気に絞り込めます。
| 導入形態タイプ | 仕組み | 向いている企業 | 該当する主なサービス |
|---|---|---|---|
| アプライアンス型 | UTM専用機器を自社のネットワーク出入口に設置する | 拠点に合わせて性能・機能を細かく選びたい企業、社内に機器を置いて管理したい企業 | FortiGate/Check Point Quantum/Sophos Firewall/サクサ UTM など |
| クラウド型 | クラウド上のUTMに通信を経由させ、機器を置かずに使う | テレワークや複数拠点が多い企業、機器の設置・保守を避けたい企業 | SmartConnect クラウド型UTM など |
| レンタル・運用代行型 | 機器をレンタルし、設定・監視・保守の運用を代行してもらう | 初期費用を抑えたい企業、専任者がおらず運用まで任せたい企業 | ALSOK レンタルUTM/おまかせサイバーみまもり(NTT東日本) など |
機器を自社に設置して使うタイプ(アプライアンス型)
UTM専用の機器を購入(またはリース)し、社内ネットワークの出入口に設置する、最も一般的なタイプです。対応できる端末数やスループットに応じて機種が細かく分かれており、拠点の規模や必要な機能に合わせて選べる柔軟さが強みです。
機器が手元にあるため社内ネットワークの分離や監査対応に向く一方、設置・設定や故障時の交換、ライセンスの更新を自社で管理する必要があります。情報システム担当者がいる企業や、拠点ごとに要件が異なる企業に適しています。
機器を置かずクラウドで使うタイプ(クラウド型)
自社に機器を置かず、クラウド上のUTMに通信を経由させて防御するタイプです。機器の購入・設置が不要なため初期費用を抑えやすく、拠点やテレワーク端末が増えても設定の変更で対応しやすい拡張性があります。
機器の保守から解放される分、通信をクラウド経由にする設計が前提となります。クラウドサービスの利用が中心の企業や、複数拠点・在宅勤務が多く、機器管理の手間を減らしたい企業に向いています。
機器を買わず月額で運用ごと任せるタイプ(レンタル・運用代行型)
機器を購入せずレンタルし、設定・稼働監視・パッチ適用・障害対応といった運用まで提供事業者に任せるタイプです。初期費用を抑えつつ、月額の定額で「機器+運用」をまとめて確保できます。
専任のセキュリティ担当者がいない企業でも、設定ミスや更新漏れを避けて安定した防御を維持しやすいのが利点です。アラート対応やログ分析まで任せられるプランもあり、運用の手離れを重視する企業に適しています。
自社に合うUTMの選び方
導入形態のタイプを絞ったら、次は製品を比べて決める段階です。ここでは、このあとの比較表や診断を読む物差しになる4つの観点を解説します。いずれも自社の状況に当てはめて判断できるように整理しました。
対応規模(PC台数・拠点数)とスループットは自社に合うか
UTMは機種ごとに「推奨するPC台数の目安」と「スループット(処理できる通信量)」が定められています。これが自社の規模に見合わないと、通信が遅くなったり、将来の増員に対応できなくなったりします。まず現在のPC台数と拠点数を基準に、余裕を持った機種を選ぶことが出発点です。
注意したいのは、スループットがアンチウイルスやIPSなどの機能を有効にすると下がる点です。カタログ値はファイアウォールのみの最大値であることが多いため、実際に使う機能をすべて有効にした状態(脅威対策スループットなど)の数値で比べると、導入後の速度低下を避けられます。接続台数も、スマートフォンやIoT機器を含めると社員数より多くなりがちなので、実数で見積もってください。
必要なセキュリティ機能とSSL/TLSインスペクションに対応しているか
UTMは多機能ですが、すべての機能が自社に必要とは限りません。拠点間やテレワークの接続が多ければVPNの性能を、業務でクラウドを多用するならアプリケーション制御やWebフィルタリングの精度を重視するなど、自社の使い方から必要な機能を見極める必要があります。
特に確認したいのが、SSL/TLSインスペクション(暗号化通信の復号検査)への対応です。現在のWeb通信の多くは暗号化されており、暗号化された通信の中身を検査できないと、マルウェアやフィッシングが素通りしてしまいます。暗号化通信の検査は処理負荷が高くスループットを押し下げるため、対応の有無とあわせて、有効時の性能も確認しておくと安心です。
費用は初期・月額・更新まで含めて自社の予算に合うか
UTMの費用は、機器本体やライセンスの初期費用だけでなく、毎年のライセンス更新費・保守費まで含めた総額で考える必要があります。導入形態によって費用のかかり方が異なるため、次の違いを押さえておきましょう。
アプライアンス型(購入)は、機器代とライセンス費を初期に支払い、以降は年単位のライセンス更新費が中心です。初期負担は大きいものの、長期で使うほど割安になりやすい形です。
リースは、同じ機器を月額の定額に平準化して支払う方式で、初期費用を抑えつつ予算を立てやすくなります。クラウド型・レンタル・運用代行型は、機器購入がなく月額課金が基本で、初期費用を小さくできる反面、長期の総額では購入より高くなる場合があります。
一般的な相場観としては、アプライアンス型は本体+ライセンスで10万円台から、上位機では100万円を超える規模まで幅があり、リース契約なら月額8,000円〜40,000円程度が中小企業の目安とされます。クラウド型やレンタル・運用代行型は月額1万円前後から数万円が中心です。購入の場合は、これに毎年のライセンス更新費・保守費が加わります。
金額は対応規模(PC台数・拠点数)や有効にする機能、運用代行の範囲で大きく変わります。たとえば本記事で紹介するサービスでは、小規模向けのアプライアンス買い切り機で初年度6万円台から利用できます。レンタル・運用代行型は初期6.6万円・月額7,700円から、クラウド型は初期12.1万円・月額4.2万円からが目安です。
海外メーカーの定番アプライアンスは代理店経由の個別見積もりが中心のため、具体的な金額は資料請求や見積もりで確認してください。
サポートや運用代行、トラブル時の対応体制は十分か
UTMは導入して終わりではなく、設定変更・ライセンス更新・障害対応といった運用が続きます。専任者がいない企業ほど、どこまでを提供事業者に任せられるかが安定運用の分かれ目になります。
確認したいのは、日本語での問い合わせ対応、故障時の代替機の先出し、設定代行や稼働監視、ログ分析レポートといった運用支援の範囲です。これらを自社で担えないなら、運用代行型や、販売店の手厚いサポートが付く製品を選ぶと、導入後の負担を抑えられます。
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【比較表】おすすめUTM製品の機能・対応規模・費用を比較
ここでは、主要なUTM製品11サービスを横並びで比較します。導入形態・対応規模の目安・主なセキュリティ機能・費用の目安・サポートや運用代行の有無を、公開情報をもとに整理しました。気になる製品は、表のサービス名から詳しい紹介にジャンプできます。
| サービス名 | Eye"247" Safety Zone USAV Ⅵ | Check Point Quantum | Sophos Firewall | FortiGate | WatchGuard Firebox | SonicWall TZ シリーズ | サクサのUTM(SS7000) | バッファロー VR-UTM | SmartConnect クラウド型UTM | ALSOK レンタルUTM | おまかせサイバーみまもり |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | フーバーブレイン | チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ | ソフォス | フォーティネットジャパン | ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン | SonicWall(国内は正規代理店) | サクサ | バッファロー | NTTスマートコネクト | ALSOK(綜合警備保障) | NTT東日本 |
| 導入形態 | アプライアンス型 (ハードウェア同梱) | アプライアンス型 (仮想・クラウドも可) | アプライアンス型 (ソフト・仮想・クラウドも可) | アプライアンス型 (仮想・クラウドも可) | アプライアンス型 (仮想・クラウドも可) | アプライアンス型 (仮想も可) | アプライアンス型 | アプライアンス型 (VPNルーター+ライセンス) | クラウド型 (機器設置不要) | レンタル・運用代行型 | レンタル・運用代行型 |
| 対応規模の目安 | クライアント 10〜200台 | 小規模〜大企業 (Spark〜Force) | 小規模拠点〜大企業 (XGSシリーズ) | 小規模拠点〜大規模DC (40F/60F〜) | 中小・小規模拠点〜中大規模 (Tシリーズ〜M) | 中小・小規模拠点〜上位 (TZシリーズ〜NSa) | 推奨PC 15台(Std)/60台(Pro) 下位機で小規模にも対応 | 拠点人数 10〜50人程度 | サーバ・デバイス 100台相当(標準プラン) | 中小企業向け (PC約50台以下が目安) | 最大50台(Standard)/100台(Giga) |
| 主なセキュリティ機能 | FW・IPS・アンチウイルス・URLフィルタ・アプリ制御・アンチボット サンドボックスはオプション | FW・IPS・アンチウイルス・アンチボット・アプリ制御・URLフィルタ・サンドボックス(SandBlast) | FW・IPS・アンチウイルス・Web/アプリ制御・TLS検査・クラウドサンドボックス | FW・IPS・アンチウイルス・アプリ制御・SSL検査・SD-WAN UTP等のライセンス契約が前提 | FW・IPS・ゲートウェイAV・アプリ制御・URLフィルタ・スパム対策・VPN 上位スイートでサンドボックス | FW・IPS・ゲートウェイAV・アプリ制御・コンテンツフィルタ・DPI-SSL・VPN Capture ATP(サンドボックス) | FW・IPS/IDS・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタ・メール誤送信防止・USBメモリ検疫 | Webフィルタ・アプリ制御・アンチボット・アンチウイルス・アンチスパム・IDS/IPS サンドボックスは非搭載(PC側AV併用前提) | FW・IPS・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタ・アプリ制御(FortiGate採用) | Check Point製UTMによるFW・IPS・アンチウイルス・URLフィルタ等 | UTM(専用BOX)による不正通信の検知・遮断+端末セキュリティ(5ライセンス同梱) |
| スループットの目安 | 脅威対策 750〜2,500Mbps(機種別) | 公表あり(機種別) 中小向けSparkで脅威防御 最大3.25Gbps | 機種別に公表(XGS) 国内の目安は要確認 | 機種別(数百Mbps〜520Gbps級) | 機種別(公表値は要確認) | 機種別(公表値は要確認) | FW 3.0Gbps/IPS 1.36Gbps/AV 560Mbps(SS7000) | 公表値は要確認(VR-U500X/U300W) | 帯域別プラン(クラウド集約型) | レンタル機(Check Point製)。公表値なし | 想定 451Mbps(Standard)/1Gbps(Giga) |
| 費用の目安 | 要お問い合わせ(代理店見積) | 要お問い合わせ(代理店見積) | 要お問い合わせ(代理店見積) | 要お問い合わせ(オープン価格・代理店見積) | 要お問い合わせ(代理店見積) | 要お問い合わせ(代理店見積) 再販チャネルに国内価格の掲載あり | 要お問い合わせ(販売店見積) | 買い切り+期間ライセンス 初年度総額 約64,000円〜(税込) | 初期 121,000円〜/月額 42,350円〜(税込) | 初期 66,000円/月額 7,700円〜(税込) | 初期 20,350円(自己設置なら不要)/月額 20,350円〜(税込) |
| サポート・運用代行 | 販売代理店が導入・運用を支援 標的型メール訓練 年2回付帯 | 国内代理店・日本法人が窓口 | 国内パートナーが支援 MDR(監視代行)あり | 代理店が窓口 FortiCare(電話応答 最短15分) | 国内代理店が導入・保守の窓口 | 代理店が窓口(8×5/24×7) | 販売店が設置・保守 代替機発送・リモート保守あり | メーカー保証・保守は別途 | 設定〜運用を専門部隊が代行 監視分析はオプション | 設定変更・脆弱性対応を遠隔代行 | 24時間365日の監視・運用を代行 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※ 海外メーカーのアプライアンス製品は代理店経由の個別見積もりが中心で公開価格が少ないため、費用は「要お問い合わせ」としています。費用の相場観は選び方の費用、スループットの見方は対応規模とスループットを参照してください。料金・性能は2026年10月時点の公開情報にもとづきます。
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【導入形態タイプ別】おすすめUTM製品
ここからは、導入形態のタイプごとに代表的なUTM製品を個別に紹介します。対応規模や機能、費用の考え方、サポート・運用代行の範囲を具体的に見ていきましょう。
機器を自社に設置して使うタイプ(アプライアンス型)の製品
拠点の規模や要件に合わせて機種を選べる、アプライアンス型の主な製品を紹介します。
1. Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ(株式会社フーバーブレイン)

株式会社フーバーブレインが提供する、Check Point製のUTMを軸にしたハードウェア同梱型の統合セキュリティ製品です。UTMに、端末を守るエンドポイント対策(EPP/EDR)、業務の可視化・情報漏えい対策、年2回の標的型攻撃メール訓練を加えて1つにまとめています。
ネットワーク・端末・人への対策を1契約でそろえられる構成で、専任のIT担当者を置きにくい中小企業を想定しています。
対応規模はクライアント数10〜200台で、機種はこの台数帯ごとに分かれています。複数の防御機能を有効にした状態の脅威対策スループットは、機種により750〜2,500Mbpsで、拠点の規模に合わせて選べます。
UTMの障害時にも通信を止めないバイパス機能を備え、標的型攻撃メール訓練が年2回標準で付く点も特徴です。価格は公式には公開されておらず、クライアント数とライセンス期間に応じた販売代理店の個別見積もりで、導入・運用も代理店経由が前提です。
2. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が展開する次世代ファイアウォール(NGFW)のブランドが「Quantum」です。ファイアウォール、IPS(不正侵入防御)、アンチウイルス、アプリケーション制御、URLフィルタリングなどを1台のゲートウェイに統合し、1機で多層防御を実現します。
大企業・データセンター向けの「Quantum Force」から中小企業向けの「Quantum Spark」まで、規模別に機種がそろい、仮想・クラウドの形態も選べます。IPSは、通信を遮断するPreventモードと検知のみのDetectモードを切り替えられ、導入初期の誤検知調整から本番運用へ段階的に移せます。
料金は公式サイトに公開されておらず、国内の販売代理店経由の見積もりとなります。日本法人が国内の営業・サポート窓口を担いますが、具体的な対応時間は公表されていないため、導入時に確認しておくと安心です。
3. Sophos Firewall(ソフォス株式会社)

ソフォス株式会社のSophos Firewallは、IPS(侵入防御)やWeb保護、暗号化通信の復号検査(TLSインスペクション)、クラウドサンドボックスといった防御機能を、1つの検査エンジン(Xstream DPI Engine)でまとめて処理する次世代ファイアウォールです。
専用アプライアンスのXGSシリーズは、小規模オフィス向けのデスクトップ型(XGS 87/107/116クラス)から大規模拠点向けまで機種がそろい、ソフトウェア・仮想・クラウド(AWS/Azure)でも利用できます。いずれの形態でも、管理コンソール「Sophos Central」から一元管理できます。
ライセンスは本体と年間サブスクリプション(Xstream Protectionなどのバンドル)の組み合わせで、国内価格は公開されておらず販売代理店の見積もりによります。24時間365日の監視・対応を代行する「Sophos MDR」も用意されていますが、MDRチームとの直接のやり取りは主に英語で、日常的な運用サポートは国内の販売パートナーが担います。
4. FortiGate(フォーティネットジャパン合同会社)

FortiGateは、ファイアウォールにIPS(FortiGuard IPS Service)、アプリケーション制御、アンチウイルス、SD-WANなどを統合した次世代ファイアウォール/UTMです。開発元は米Fortinet, Inc.で、国内はフォーティネットジャパン合同会社が販売を支援します。
小規模拠点向けのエントリーモデル「FortiGate 40F/60F」から、大規模データセンター向けの高性能機まで機種が幅広く、仮想版やクラウド型(FortiGate-as-a-Service)も選べます。ただしUTM機能は本体だけでは動かず、IPSを含む「UTPバンドル」などのセキュリティサブスクリプション契約が前提です。
価格はオープン価格制で公式の価格表はなく、正規販売代理店経由の個別見積もりとなります。フォーティネットジャパンは直接販売・直接サポートを行わず、見積もりから導入・障害対応まで代理店が窓口を担います。製品サポート「FortiCare」は契約グレードで対応が分かれ、Premiumは電話での一次応答が1時間以内、上位のEliteは15分以内と定められています。
5. WatchGuard Firebox(ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン株式会社)

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン株式会社が国内展開する「WatchGuard Firebox」は、ファイアウォール・IPS・アプリケーション制御・URLフィルタリング・ゲートウェイアンチウイルスなどを統合したUTM/NGFWです。中小・小規模拠点向けには、デスクトップ型の「Tシリーズ」(T25/T45/T85など)がそろいます。
特徴は、クラウド管理基盤「WatchGuard Cloud」から複数拠点の設定や稼働状況を集中管理できる点です。エンドポイント保護や多要素認証も同じプラットフォームで統合でき、拠点が分散した企業でも一元的に運用しやすい構成です。
ライセンスは、標準機能の「Basic Security Suite」と、AIによるマルウェア対策やクラウドサンドボックスを加えた上位の「Total Security Suite」の2段構成で、期間は1/3/5年から選べます。国内の定価は公開されておらず、正規ディストリビュータ・リセラー経由の見積もりとなり、導入・保守も代理店が一次窓口を担います。
6. SonicWall TZ シリーズ(SonicWall Inc.)

SonicWall TZ シリーズは、中小・小規模拠点向けのエントリー向け次世代ファイアウォールです。ファイアウォール・IPS・ゲートウェイアンチウイルス・コンテンツフィルタリングに加え、暗号化通信を復号して検査するDPI-SSLやVPNを備えます。開発元は米SonicWall Inc.で、国内は正規代理店経由で販売されます。
クラウド管理の「Capture Security Center」で設定や監視を集中管理でき、未知の脅威を検査するクラウドサンドボックス「Capture ATP」も利用できます。本体とセキュリティサービスを一括した「TotalSecure Advanced Edition」として契約でき、本体単体のサポート契約と選び分けられます。
エントリーモデルは国内の再販チャネルにも型番・価格が掲載されており、本体とライセンスを含めた総額を見積もりやすいのが選定上のポイントです。サポートは8×5/24×7のグレードがあり、国内では正規代理店が一次窓口となります。
7. サクサのUTM(SS7000シリーズ)(サクサ株式会社)

電話交換機やビジネスホンを祖業とする国内通信機器メーカー、サクサ株式会社が製造・販売するUTMが「SS7000」シリーズです。中堅・中小企業向けの上位機種にあたり、下位の「SS5000II」「SS6000」とあわせて、スループットや接続台数に応じたラインナップを展開しています。
SS7000はStd(推奨PC接続15台)とPro(同60台、Wi-Fi・拠点間VPN対応)の2グレード構成で、公式仕様のスループットはファイアウォール3.0Gbps、IPS1.36Gbpsです。ファイアウォールやIPS/IDSに加え、メール誤送信防止や添付ファイルの自動暗号化、USBメモリ検疫など、国内の業務で求められる機能を含みます。
直接販売は行わず取扱販売店を通じて提供する方式で、設置工事や日常の問い合わせは販売店が担います。コールセンターでのリモート保守や、故障時の代替機発送(有償)といった保守メニューも用意されています。現行モデルの価格は公式に公開されておらず、販売店経由の見積もりとなります。
8. バッファロー VR-UTM シリーズ(株式会社バッファロー)

ネットワーク機器大手の株式会社バッファローのVR-UTMシリーズは、専用のUTM機器を単体で導入するのではなく、同社の対応VPNルーター(VR-U500X/VR-U300W)にUTMライセンスパックを追加して機能を有効化する方式のUTMです。拠点人数10〜50人程度の中小企業を対象としています。
搭載するのは、Webフィルタリング、アプリケーション制御、アンチボット、アンチウイルス、アンチスパム、IDS/IPSの主要6機能です。ファイルの中身を検査するサンドボックスは搭載せず、PC側のウイルス対策ソフトとの併用を前提とすることで、導入コストを抑えた割り切った構成となっています。
費用は本体の買い切りと、UTMライセンスパック(1年/5年、複数パック併用で最長7年まで登録可能)の組み合わせで、月額課金ではありません。すでにバッファローの対応VPNルーターを使っている場合は、ライセンスパックの購入だけでUTM化できます。
機器を置かずクラウドで使うタイプ(クラウド型)の製品
機器を設置せず、クラウド経由で導入できるタイプの製品を紹介します。
9. SmartConnect Network & Security クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

NTTスマートコネクト株式会社(NTT西日本グループ)が運営する、クラウド型のUTMです。拠点にUTM機器を設置せず、各拠点のインターネット接続を同社の大阪データセンターに集約し、そこでファイアウォール・IPS(不正侵入防御)・アンチウイルス・アンチスパム・Webフィルタリング・アプリケーション制御をまとめて適用します。
セキュリティ製品にはFortinet社のFortiGate・FortiAnalyzerを採用し、標準プランはサーバー・デバイス100台相当までの規模を目安としています。設定作業から運用までを同社の専門部隊が担うため、情報セキュリティの専任者を置きにくい多拠点の企業でも、拠点ごとに機器を調達・保守する手間を抱えずに導入できます。
料金は初期費用が税込121,000円から、月額費用が税込42,350円からで、帯域別のプランによって変動し、最低利用期間は1年です。ログ分析とインシデント時の緊急遮断を代行する「セキュリティ監視分析」(月額181,500円)や長期ログ保管(月額7,260円)などはオプションで、構成により金額が変わるため、詳細は問い合わせが必要です。
機器を買わず月額で運用ごと任せるタイプ(レンタル・運用代行型)の製品
機器のレンタルに運用代行が付き、専任者がいなくても任せられるタイプの製品を紹介します。
10. ALSOK レンタルUTM 運用サービス(綜合警備保障株式会社)

綜合警備保障株式会社(ALSOK)が中小企業向けに提供する、機器のレンタルと運用代行を組み合わせたUTMサービスです。Check Point Software Technologies(イスラエル)製のUTMをレンタルで利用するため、ハードウェアの購入や調達は不要です。
設定変更や、脆弱性情報の収集・セキュリティパッチの適用といった運用は、ALSOKが遠隔で代行します。利用にあたって専門的な知識は求められないため、専任のIT担当者がいない企業でも運用の手間を抑えて導入できます。
費用は初期設定費用66,000円(税込)、月額7,700円(税込)からで、月額にはUTMのレンタル代と運用代行費用が含まれます。対応するPC台数の区分や最低利用期間は公開情報で確認できないため、導入前に問い合わせて確認してください。
11. おまかせサイバーみまもり セキュリティパッケージ(東日本電信電話株式会社)

顧客の事務所にUTM(専用BOX)を設置し、ネットワークの不正通信の検知・遮断に、端末のウイルス対策・エンドポイント保護を組み合わせた、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)の運用代行型サービスです。工事・設置から通信状況の監視・運用サポートまで、まとめて任せられます。
プランはGigaとStandardの2種類で、想定スループットと推奨同時接続台数が異なります。Standardは月額20,350円で最大50台、Gigaは月額28,600円で最大100台に対応し、いずれもUTM1台と端末セキュリティ5ライセンスが含まれます(税込)。PCが6台以上になる場合は、1ライセンスあたり月額1,100円で追加します。
初期費用は標準工事の場合で20,350円(税込)ですが、自己設置を選べば不要です。利用開始から4か月目以降・24か月以内に解約すると、機器再生費用として16,500円(税込)がかかります。
UTMはもう古い?EDR・ゼロトラスト/SASEとの関係と多層防御
クラウド利用やテレワークの広がりとともに、「UTMはもう古いのでは」「EDRやゼロトラストがあればUTMは不要では」といった声も聞かれます。ここでは、UTMと新しい考え方の関係を中立に整理します。
結論として、UTMは「古い」のではなく、多層防御の土台を担う存在です。UTMはネットワークの出入口を守る仕組みで、端末内部に侵入した後のマルウェアの検知・対処まではカバーしきれません。
そのため、端末側で侵入後の挙動を検知するEDR(Endpoint Detection and Response)などと組み合わせる「多層防御」が基本となります。IPAと経済産業省の実証報告書でも、次のように述べられています。
セキュリティ対策のベースとなる GW型セキュリティ、エンドポイント型セキュリティ対策といった基本となる多層防御だけでは防ぎきれず、実際に取引先がマルウェア感染したという事例も散見(略)EDR、MDR 等の技術やサービスを活用した未知脅威検知や早期発見、対処を実現するセキュリティ対策の強化が必要。
出典:令和2年度中小企業サイバーセキュリティ対策支援体制構築事業(サイバーセキュリティお助け隊事業)成果報告書(全体版)2021年5月|IPA・経済産業省
ここでいう「GW型セキュリティ」は、UTMやファイアウォールのような出入口(ゲートウェイ)対策を指します。このように、UTMは多層防御の基本(ベース)であり、その上にEDRなどを重ねていくのが推奨される方向性です。UTMを入れた上で、守りをさらに強めたい段階でEDRやゼロトラスト/SASEを検討する、という順序で考えると無理がありません。
では、UTMに重ねるEDRは何を基準に選べばよいのでしょうか。専任のセキュリティ担当者やSOCがなくても運用できる中小企業向けのEDR(不正アクセス検知)製品を、タイプ別に比較した記事があります。出入口の次に端末側の守りを固めたい方は、あわせてご覧ください。
ゼロトラストやSASE(Secure Access Service Edge:ネットワークとセキュリティをクラウドで統合する考え方)は、社内外を問わずすべての通信を検証する新しい設計思想で、クラウド中心の働き方に適しています。ただし移行には相応の設計・コストがかかるため、まずはUTMで出入口の多層防御を固め、クラウド利用の拡大に合わせて段階的に検討するのが、中小企業にとって現実的な進め方です。
ここまで見てきたように、UTMは社内ネットワークの出入口を守る一要素で、端末・ID・データなど守るべき対象はほかにもあります。自社に足りない対策を守る対象ごとに見渡し、何から手を付けるかを整理したい場合は、社内セキュリティ全体を横断比較した次の記事が出発点になります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:令和2年度中小企業サイバーセキュリティ対策支援体制構築事業(サイバーセキュリティお助け隊事業)成果報告書(全体版)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)・経済産業省(https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/otasuketai_houkoku2021.html)
まとめ
UTMは、複数のセキュリティ機能を1台に集約し、専任者がいない中小企業でも現実的な負担で多層防御の土台を築ける仕組みです。製品選びは、まず「機器を自社に置くアプライアンス型/クラウドで使うクラウド型/運用ごと任せるレンタル・運用代行型」のどのタイプが自社に合うかを決めるところから始まります。
タイプを絞ったら、対応規模とスループット、必要な機能とSSL/TLSインスペクション、初期・月額・更新まで含めた費用、サポートや運用代行の範囲という4つの観点で製品を比べると、自社に合う候補が見えてきます。気になる製品は、資料を取り寄せて機能や料金の詳細を確認し、導入後の運用体制まで含めて検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. UTM(統合脅威管理)とは何ですか?
A. UTMとは、ファイアウォール・アンチウイルス・不正侵入防御(IPS/IDS)・Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器・サービスです。社内ネットワークとインターネットの境界(出入口)に置き、外部からの攻撃と内部からの情報漏えいをまとめて監視・制御します。
機能ごとに専用機器をそろえるより運用の手間を抑えられるため、セキュリティ専任者を置きにくい中小企業でも、多層防御を現実的な負担で用意しやすい点が特徴です。
Q. UTMとファイアウォールの違いは何ですか?
A. ファイアウォールが通信の可否をルールで判断する「入口の制御」に特化するのに対し、UTMはそのファイアウォールにアンチウイルスやIPS/IDS、Webフィルタリングを加え、通過する通信の中身まで検査できる点が違いです。ファイアウォール単体では、マルウェアや不正侵入そのものは検査できません。
また、同じく複数機能を統合した製品にNGFW(次世代ファイアウォール)があり、UTMと機能的に重なる部分が多く、両者の境界は製品ごとに曖昧になっています。
Q. UTMの設置に法的な義務はありますか?
A. UTMの設置を直接義務づける法律はなく、導入するかどうかは各企業の判断に委ねられています。ただし、個人情報保護法は事業者に「安全管理措置」(同法23条・個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)を求めています。
Pマーク(プライバシーマーク)やISMS(ISO/IEC 27001)の認証取得、取引先からのセキュリティ要件への対応などを通じて、UTMを含むネットワーク対策が実質的に必要になる場面は少なくありません。
法的義務の有無にかかわらず、出入口対策としてUTMを導入する企業が増えています。
Q. 中小企業にUTMは本当に必要ですか?
A. セキュリティ専任者を置きにくい中小企業ほど、1台で多層防御を用意できるUTMの効果は大きく、導入する価値があります。「自社は規模が小さいから狙われない」とは言い切れません。IPAと経済産業省の実証では、UTMを設置した中小企業の約80%で不正侵入が検知された一方、中小企業のUTM導入は2割程度にとどまり、出入口対策が手薄になりがちです。
取引先を踏み台にした攻撃など、規模に関係なく届くリスクに備える意味でも有効です。
Q. UTMの費用(相場)はどのくらいかかりますか?
A. UTMの費用は導入形態と対応規模で大きく変わり、レンタル・運用代行型は月額1万円前後から、アプライアンス型の購入は機器代とライセンス費で数十万円規模からが一つの目安です。購入の場合は、これに加えて毎年のライセンス更新費・保守費がかかります。
たとえば本記事で紹介しているサービスでは、レンタル・運用代行型で初期6.6万円・月額7,700円から、クラウド型で初期12.1万円・月額4.2万円からといった水準です。機種や対応規模、運用代行の範囲で金額は変わるため、具体的な金額は資料請求や見積もりで確認してください。
Q. UTMは購入とリースのどちらがよいですか?
A. 初期費用を抑えて支払いを平準化したいならリースや月額型、長期利用で総額を抑えたいなら購入が向きます。購入は機器代とライセンス費を初期にまとめて支払う分、長く使うほど割安になりやすく、リースや月額のレンタル・運用代行型は初期負担が小さく予算を立てやすい反面、長期の総額では購入より高くなる場合があります。自社の予算計画に加え、運用を自社で担えるか・任せたいかもあわせて選ぶとよいでしょう。
Q. UTMの主要なメーカーにはどこがありますか?
A. UTMの主要メーカーは、国内シェア首位のフォーティネット(FortiGate)やチェック・ポイント、シスコ、パロアルトネットワークスなどの海外勢と、サクサ・バッファローなどの国産勢に大きく分かれます。日経クロステックの2024年調査では、UTM/ファイアウォールのメーカー別シェアはフォーティネットジャパンが首位でした。
国産メーカーはメール誤送信防止など国内業務向けの機能や日本語サポートに強みがあり、海外大手は性能・機能の選択肢の広さが特徴です。
Q. UTMはもう古いのですか?EDRがあれば不要ですか?
A. UTMは古い技術ではなく、ネットワークの出入口を守る多層防御の土台であり、端末内部を守るEDRとは役割が異なるため、どちらか一方で代替するものではありません。UTMは出入口で攻撃を防ぎ、EDRは侵入された後の端末の不審な挙動を検知・対処します。
IPAと経済産業省も、出入口(GW型)と端末(エンドポイント型)を組み合わせる多層防御を基本としています。まずUTMで出入口を固め、守りをさらに強めたい段階でEDRやゼロトラスト/SASEを重ねる順序が、中小企業には現実的です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















