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サイバーインシデント緊急対応企業の一覧|対応範囲別の選び方と費用の目安

サイバーインシデント 緊急対応企業の一覧と選び方のサムネイル画像

ランサムウェアによる業務停止や、不正アクセスによる個人情報の流出は、業種や企業規模を問わず起こり得ます。いざ被害に直面したとき、何が起きているのかの把握や原因の特定、安全な復旧までを社内のリソースだけで進めるのは容易ではありません。被害の拡大を防ぎながら正しい順序で対応するには、緊急対応を専門に引き受ける外部事業者の力が必要になる場面が少なくありません。

では、有事に初動の切り分けから原因調査、復旧までを頼める事業者には、どのような種類があり、自社はどこに何を依頼すればよいのでしょうか。費用や対応範囲が外からは見えにくく、依頼先の選定に迷う担当者は少なくありません。

本記事では、サイバーインシデントの緊急対応を頼める事業者を「何を依頼できるか」という対応範囲別に整理し、依頼先の選び方・費用の目安・被害に気づいたら社内でやってはいけないことまでをまとめて解説します。日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の公式一覧や、中小企業向けの公的な支援制度との違いも含め、自社に合う依頼先を判断するための材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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サイバーインシデントの緊急対応とは(対応範囲の全体像)

サイバーインシデントの緊急対応とは、ランサムウェア感染・不正アクセス・情報漏えいなどの被害が起きた(または起きた疑いがある)ときに、被害の拡大を止め、何が起きたのかを突き止め、業務を立て直すまでの一連の対応を指します。発生直後は時間との勝負になる一方、専門的な知見がないと状況の把握さえ難しく、外部の専門事業者に調査や復旧を依頼する企業が少なくありません。

ここからは、緊急対応として外部に頼める主な範囲を整理します。自社がいま必要としているのがどの範囲なのかを掴むと、依頼先を絞り込みやすくなります。

  • 初動対応・被害の切り分け:発生直後に被害の封じ込め・影響範囲の切り分け・緊急体制づくりを支援する範囲です。どこまで被害が及んでいるのか、業務を止めるべきかといった初動の判断を支えます。
  • デジタルフォレンジック調査:端末やサーバー、ログを保全・解析し、侵入経路・被害範囲・情報の持ち出しの有無を突き止める範囲です。報告書は社内説明や公的機関への報告の根拠にもなります。
  • マルウェア解析:検体の挙動や通信先、影響を詳しく解析する範囲です。未知の攻撃や高度な手口が疑われる場合に、調査の精度を高めます。
  • 業務復旧・事業継続の立て直し:止まった業務やシステムを安全な状態に戻し、再稼働を支援する範囲です。原因調査とは別の専門性が求められます。
  • クレジットカード情報漏えいのPFI調査:カード情報の漏えいが疑われる場合に必要となる、PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)にもとづく専門の調査です。
サイバーインシデント緊急対応の対応範囲の流れ。初動対応・被害の切り分け、フォレンジック調査、業務復旧の順に進み、状況に応じてマルウェア解析(高度な手口が疑われる場合)とPFI調査(カード情報の漏えいが疑われる場合)が加わることを示す図。

これらの対応範囲は、JNSAが公開する「サイバーインシデント緊急対応企業一覧」でも、依頼先を探す際の区分として示されています。同協会は、緊急時に調査・切り分け・復旧を引き受ける所属企業をまとめており、その趣旨を次のように説明しています。

そのような時に、緊急で被害調査や被害切り分け、復旧などの対応を請け負ってくれる、頼りになるJNSA所属企業を取りまとめました。初期相談が無料の企業もございますので、ご都合に合わせ直接お問い合わせください。

出典:サイバーインシデント緊急対応企業一覧|日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)

JNSAの一覧は、業界団体が中立の立場で公開する公式のディレクトリで、「PCサーバのフォレンジック」「ログ分析/ネットワークフォレンジック」「マルウェア分析」「PFI(PCI Forensic Investigator)調査」などの対応カテゴリで事業者を探せる作りになっています。

一方で、各事業者をどう比べ、自社はどこに頼むべきかという判断材料までは示されていません。本記事では、この対応範囲の考え方を引き継ぎながら、タイプ別の依頼先と選び方を中立に整理します。

緊急対応を頼める事業者のタイプ別整理(何を頼みたいかで選ぶ)

ここからは、緊急対応を頼める事業者を対応範囲のタイプ別に紹介します。ここで取り上げるのは各タイプの代表的な事業者で、JNSAの一覧には他にも多くの事業者が掲載されているため、網羅的に確認したい場合は公式の一覧もあわせてご覧ください。自社がいま必要としている範囲から、候補を絞り込んでください。まずは全体像を次の表で整理します。

対応範囲タイプ何を頼めるか該当する主な事業者
初動対応・被害の切り分け/総合対応発生直後の封じ込め・影響範囲の切り分けから調査・復旧まで幅広く対応ラック/NTTアドバンステクノロジ/GMOサイバーセキュリティ byイエラエ/ブロードバンドセキュリティ/NEC
デジタルフォレンジック調査端末・サーバー・ログの保全と解析で原因・被害範囲を特定デジタルデータフォレンジック/CEC Cyber NEXT/サイバーディフェンス研究所/神戸デジタル・ラボ/IIJ/ソリトンシステムズ
マルウェア解析・高度解析検体の挙動・通信先・影響を専門的に解析NRIセキュア/FRONTEO
業務復旧・事業継続の立て直し止まった業務・システムの復旧を中心に支援兼松エレクトロニクス(KELインシデントレスキュー)
クレジットカード情報漏えいのPFI調査PCI DSSにもとづくカード情報漏えいの専門調査PFI認定事業者(比較表のPFI対応欄を参照)

※各事業者は複数の対応範囲をまたいで対応することがあります。対応の可否・範囲は後述の比較表および各社の最新情報をご確認ください。

初動対応・被害の切り分け/総合対応を頼める先

いずれも幅広いセキュリティ事業を手がける総合系の事業者で、何から手をつければよいか分からない段階でも、まず相談できる窓口になります。ただし、初動から業務復旧までを一社で担う事業者と、提供の中心が原因調査(フォレンジック)で復旧までは手がけない事業者があります。復旧まで一社に任せたいかどうかは、各社の紹介と比較表の「業務復旧支援」欄をあわせて確認してください。

1. サイバー救急センター/サイバー119(株式会社ラック)

サイバー救急センター/サイバー119の公式サイト

株式会社ラックが運営する「サイバー救急センター」の緊急対応サービスで、事故発生後に契約する「サイバー119」と、年間の事前契約型「LAC IRR」の2つの形態があります。緊急ホットラインでの受付から、リモートでの初動対応(封じ込め)、フォレンジック調査、報告・復旧支援と再発防止策の策定までを同一組織で担い、必要に応じて現地にも派遣します。

受付は24時間365日・予約不要で、電話窓口(0120-362-119)を設けています。費用はインシデントの規模・調査範囲によって異なるとされ、公式では実額を公開せず、まず無料で相談し、状況確認後に見積もる流れが案内されています。初回相談は無料です。

公式サイトでは、国内外5,300件以上のインシデント対応実績があると記載されています。あらかじめ備えたい場合は、従業員300名以上でCSIRTなどの対応体制を持つ組織を対象とした年間事前契約型の「LAC IRR」もあり、対応時間の目標(SLO)を事前に設定したうえでフォレンジック調査のリソースを優先確保する仕組みです。

2. デジタルフォレンジックサービス(NTTアドバンステクノロジ株式会社)

デジタルフォレンジックサービスの公式サイト

NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)が提供するデジタルフォレンジックサービスは、PCやサーバーの記憶媒体、ネットワーク機器のログを解析し、攻撃の痕跡・マルウェア・情報持ち出しの有無を調べる調査に軸足を置いたサービスです。調査は、ヒアリング、データの保全、専用ツールによる詳細解析、報告の4段階で進められます。

費用の目安を公表している点が特徴で、公式では初期解析費用を税別250万円~と案内しています。複数のPCやサーバーを調査する場合は台数分の費用がかかり、一度に調査できる台数にも限りがあるとされています。

解析は、生体認証で入退室を管理した専用ラボで、認定された担当者が専用の機器・ソフトウェアを用いて行います。経済産業省の情報セキュリティサービス基準にもとづく登録制度の「デジタルフォレンジックサービス」にも登録されています(登録番号018-0031-30)。

自社サイトには緊急時の受付時間や初動までの目安の記載がなく、JNSAの一覧では受付時間を平日9時30分〜17時30分としています。24時間対応の可否は問い合わせで確認するとよいでしょう。

3. デジタルフォレンジック・インシデントレスポンス支援(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

デジタルフォレンジック・インシデントレスポンス支援の公式サイト

GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社のデジタルフォレンジック・インシデントレスポンス支援は、インシデント発生後の証拠保全からデータ解析、関連情報の抽出、報告までを担う事後調査サービスです。初動対応のアドバイスを含むヒアリングから始まり、HDDの完全コピーと原本との同一性検証を経て証拠を保全し、削除データの復元やタイムライン化を行ったうえで調査報告書にまとめます。

調査対象として、Windows・macOS・LinuxからiOS・Android、スマートフォンやUSB機器・IoT機器、AWS・Azure・Google Cloudといったクラウド環境までを挙げている点が特徴です。緊急窓口は24時間365日受付(0120-362-360)で、費用は優先度と予算に合わせて提案するとされ、実額は公開していません。

経済産業省の情報セキュリティサービス基準に基づく台帳に登録されている(登録番号019-0004-30)ほか、2022年7月にPCI SSCからPFI(PCI Forensic Investigator)の認定を受けており、クレジットカード情報漏えいの調査にも対応できます。

4. デジタルフォレンジック(株式会社ブロードバンドセキュリティ)

デジタルフォレンジックの公式サイト

株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)は、デジタルフォレンジックを「訴訟に対する法的証拠を、情報システム内にあるデジタルデータから抽出すること」と定義し、内部不正の立証や、サイバー攻撃によるインシデントの調査、訴訟に備えた証拠の準備といった場面に対応しています。調査は、保全・収集・解析・抽出・報告の5工程で進められます。

緊急対応では、初動調査から封じ込め、原因究明、影響範囲調査、フォレンジック調査、復旧支援、再発防止までを一連で担うとしています。受付は24時間365日で、相談・見積りは無料です。対応OSはWindows、Linuxなどの各種サーバーOS、Mac、Android、iPhoneが挙げられています。

クレジットカード情報漏えいについては、PCI SSCに登録されたPFI(PCI Forensic Investigator)として調査を提供しているほか、PCI DSSの評価機関であるQSACにも認定されています。カード情報が関わるインシデントまで視野に入れて相談したい場合の候補になります。

5. インシデントレスポンス(フォレンジック調査)サービス(NECセキュリティ株式会社)

インシデントレスポンスサービスの公式サイト

NECセキュリティ株式会社は、NECグループのセキュリティ専門会社です。同社のインシデントレスポンス(フォレンジック調査)サービス(略称「DFIR」)は、サイバー攻撃などのインシデント発生時に、原因究明や状況把握のための調査とアドバイス・支援を行います。初動対応の支援から、データの保全、調査・解析、報告、復旧策・再発防止策・監督官庁への説明までを一連の範囲としています。

対応する事案は、マルウェア感染・ウェブアプリケーションの改竄・不正アクセスといったサイバー攻撃のほか、情報の持ち出しやデジタル文書の偽造などの内部不正に及びます。対象地域は日本全国とされ、経済産業省の情報セキュリティサービス基準に基づく登録制度の「デジタルフォレンジックサービス」に登録されています(登録番号018-0011-30)。

料金は公開されておらず、要お問い合わせです。自社サイトには緊急時の受付体制や対応時間の明示がなく、JNSAの一覧では受付時間を平日9時30分〜17時30分としています。24時間対応の可否は問い合わせで確認するとよいでしょう。

デジタルフォレンジック調査(原因・被害範囲の特定)を頼める先

端末やサーバー、ログを保全・解析し、侵入経路や情報の持ち出しの有無を突き止める調査を専門とする事業者です。社内説明や公的機関への報告に使える報告書の作成まで依頼できるかが選定のポイントになります。

フォレンジック調査を依頼できる会社を、対応範囲・費用・報告書の証拠能力といった観点でさらに詳しく比べたい場合は、以下の記事も参考になります。サイバー攻撃だけでなく、退職者による情報の持ち出しなど社内不正の調査先を探している場合にも役立ちます。

6. デジタルデータフォレンジック(デジタルデータソリューション株式会社)

デジタルデータフォレンジックの公式サイト

データ復旧事業も手がけるデジタルデータソリューション株式会社が運営する調査サービスで、サイバー攻撃による被害調査から社内不正・情報漏えいの調査までを扱います。電話の相談窓口は年中無休・24時間365日で、夜間や休日に被害が発覚した場合でも初動の相談ができます。

調査は問い合わせ・初動対応・保全作業・調査解析・報告の5段階で進み、法的手続きにも活用できる形式での報告書作成に対応します。相談と機器の状態確認、見積もりの提示まで無料で、見積もり後にキャンセルしても費用は発生しないと案内されています。

認証面では、ISO 27001(ISMS)とプライバシーマークを取得し、経済産業省の情報セキュリティサービス基準審査登録制度のデジタルフォレンジックサービスに登録されています。料金の実額は非公開で、デバイス数やデータ量、調査の深度によって変わります。

7. CEC Cyber NEXT デジタルフォレンジック(株式会社シーイーシー)

CEC Cyber NEXT デジタルフォレンジックの公式サイト

システム開発を手がける株式会社シーイーシーが、セキュリティサービスブランド「Cyber NEXT」の一つとして提供するフォレンジック調査です。インシデント発生時に、対象のコンピューターに保存されたデータやネットワーク機器のログを収集し、調査・解析します。

相談後は翌営業日にオンサイトまたはWeb会議で状況を確認する流れで、ネットワーク通信の調査には専用機器を用います。調査・解析はセキュリティ専用ルームで担当者が実施すると公式に記載されています。

参考価格は1台あたり100万円からと公式に示されており、調査対象や規模、支援内容によって変動します。経済産業省の情報セキュリティサービス基準審査登録制度のデジタルフォレンジックサービスにも登録されています。電話受付は平日9時〜17時45分です。

8. サイバーディフェンス研究所 フォレンジック調査・インシデント対応(株式会社サイバーディフェンス研究所)

サイバーディフェンス研究所 フォレンジック調査・インシデント対応の公式サイト

株式会社サイバーディフェンス研究所は、初動対応の支援から、フォレンジック分析・マルウェア解析・ログ分析による調査、復旧支援、再発防止の提案までを一連で担います。警察庁・検察庁・防衛省向けにフォレンジック専門家のトレーニングを提供した実績が公式に記載されています。

調査はヒアリング・範囲明確化・データ保全・調査解析・報告・対策支援の6段階で進み、フォレンジックエンジニアやマルウェア解析の担当者、ペネトレーションテスターが複合チームで対応します。被害端末のデータを安全に収集する独自ツールCDIRも用意しています。

経済産業省の情報セキュリティサービス基準のデジタルフォレンジックサービス登録と、ISMS(JIS Q 27001:2023)認証を保有し、調査結果は法的手続きや訴訟にも使用できるとしています。料金は公開されておらず、調査内容に応じて個別に見積もる流れです。

9. Proactive Defense(株式会社神戸デジタル・ラボ)

Proactive Defenseの公式サイト

「Proactive Defense」は、株式会社神戸デジタル・ラボが運営する情報セキュリティサービスブランドで、本サービスはそのフォレンジック&インシデントレスポンスにあたります。マルウェア感染や情報漏えい、セキュリティ事故全般について、PC・サーバー・各種ログの解析から原因特定や漏えいの有無の確認を行います。

デジタルフォレンジック調査の参考価格は1週間の調査・調査員2名で220万円(税抜)からで、調査対象のデータによって増減します。あわせて、年額55万円(税抜)からの事前調査サービスを用意しており、契約期間中にインシデントが発生した場合は調査費用から55万円が減額されます。

調査はヒアリング・見積・調査支援・報告会・事後対応の流れで進み、担当エンジニアはSANSの専門トレーニングを受講しています。作業時間は平日9時〜18時で、夜間・休日はオプションで対応するとFAQに記載されています。

10. IIJデジタルフォレンジック調査(株式会社インターネットイニシアティブ)

IIJデジタルフォレンジック調査の公式サイト

インターネット接続サービスなどを手がける株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が、セキュリティインシデント発生時のフォレンジック調査を提供するサービスです。専門アナリストが、証拠保全から解析、原因特定、影響範囲の可視化までを一貫して担当します。

調査はヒアリング・見積・保全・調査解析・報告の5段階で進みます。保全ではHDDやSSDに加え、攻撃者の活動の痕跡が残りうる揮発性メモリ(RAM)も専用機材で取得することが公式に明記され、マルウェア感染の兆候があるときは端末の電源を切らず、まず連絡するよう案内しています。

ファストフォレンジックを含め、状況に応じて調査を設計すると記載されています。情報セキュリティサービス基準適合サービスリストのデジタルフォレンジックサービスに登録されており、料金は要件に応じた個別見積もりのため、金額は問い合わせで確認します。

11. フォレンジックサービス(株式会社ソリトンシステムズ)

フォレンジックサービスの公式サイト

株式会社ソリトンシステムズが提供するフォレンジックサービスで、電子データ調査の専門家が証拠能力を保全しながらデータを収集し、事案に応じた解析で事実解明を支援します。端末やログの預かりから証拠保全、調査、報告書の納品までを範囲とします。

料金と納期が公式に示されている点が特徴で、PC調査は1台200万円(税別)から、サーバー調査は1台300万円(税別)から、報告会オプションは1回10万円(税別)からです。報告書は依頼から概ね1か月後に納品されます。

サーバー調査は主に標的型攻撃による不正侵入を対象とし、システムログ解析やマルウェアの詳細解析を含みます。緊急時に備えて基本契約のみを事前に締結しておく運用も可能です。ただし、マルウェアで暗号化されたファイルの復号作業はサービスに含まれません。

マルウェア解析・高度解析を頼める先

検体の挙動や通信先、影響を詳しく解析する高度な解析力を持つ事業者です。マルウェア解析を単独で請け負うだけでなく、大規模環境のインシデント対応の中でフォレンジックやログ解析と組み合わせて提供する事業者もあります。未知の攻撃や高度な手口が疑われる場合に、調査の精度を高めたいときの依頼先となります。

12. セキュリティ事故対応支援サービス(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

セキュリティ事故対応支援サービスの公式サイト

NRIセキュアテクノロジーズは、野村総合研究所グループでセキュリティ事業を手がける企業で、2006年から「セキュリティ事故対応支援サービス」を提供しています。マルウェア感染やサーバーへの不正アクセス、情報漏えいといった事案を対象に、原因調査から被害範囲の特定、再発防止までを支援します。

調査は、250台以上の大規模環境に特化したインシデントレスポンスと、平時に侵害を探す侵害調査(Compromise Assessment)に分かれます。被害状況やシステム構成に合わせて、コンピューターフォレンジック・マルウェア解析・ログ解析を組み合わせて提案します。調査には専用のフォレンジックラボを用い、SANS GIACなどの資格を持つ社員が中心となって担当します。

報告書は、調査概要をまとめた速報を経て、エグゼクティブサマリや事象の時系列、短期・中長期に分けた対策を示す最終報告を提出します。費用は対応期間・内容・調査対象数によって変動し、公式サイトに金額の記載はないため、個別の見積もりが必要です。

13. FRONTEO デジタルフォレンジック調査(株式会社FRONTEO)

FRONTEO デジタルフォレンジック調査の公式サイト

FRONTEOのフォレンジック調査は、自社開発のAI「KIBIT」を活用して保全データを調査・分析する点に特徴があります。提供するのは東証グロース上場の株式会社FRONTEOで、リーガルテックAI事業として、情報漏えいやデータ改ざんに加え、ランサムウェア・マルウェアの調査にも対応します。

調査は、ヒアリング・データ保全・調査・レビュー・報告の5段階で進みます。保全ではハッシュ値の検証などの手順で証拠保全性を維持し、KIBITが抽出したデータを有資格の専門家が人手で確認します。対象はPC・スマートフォン・サーバー・NASのほか、クラウド環境のフォレンジックにも対応します。

企業不正調査では、国際訴訟・不正調査あわせて10,900件以上を手がけた実績を公式に掲げ、2025年4月にはクレジットカード情報漏えいを調査するPFI(Payment Card Industry Forensic Investigator)の認定を取得しています。費用は公式ページで「500,000円~」と示されていますが、税区分や対象範囲は明記されていないため、調査内容に応じた確認が必要です。

業務復旧・事業継続の立て直しを頼める先

止まった業務やシステムを安全な状態に戻し、再稼働を支援することを中心に据えた事業者です。原因調査とは異なる専門性が求められるため、復旧を主眼に相談したい場合の選択肢になります。

14. KELインシデントレスキューサービス(兼松エレクトロニクス株式会社)

KELインシデントレスキューサービスの公式サイト

ランサムウェア被害からの業務復旧を支援することに主眼を置いたサービスです。兼松エレクトロニクス株式会社が提供しており、公式ではランサムウェア対応を「原因調査」と「業務復旧」に分けたうえで、本サービスは業務復旧の支援を担うと位置づけています。

過去の対応で蓄積したノウハウをもとに、事故復旧の作業をメニュー化しているのが特徴です。業務復旧に必要な対応項目をあらかじめパッケージ化して提供し、被害状況に応じて必要なサービスを組み合わせて対応するとしています。詳細なスコープ決めに時間をかけずに済むため、被害状況を整理すれば次の対応を特定しやすいと説明されています。

事業継続の面では、顧客が業務を続けるために必要な人的リソースの一部を提供するとしています。自社サービスと提携するセキュリティ会社のサービスを組み合わせた体制で対応します。日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「サイバーインシデント緊急対応企業一覧」(2026年4月更新時点で38社)にも掲載されています。

クレジットカード情報漏えいのPFI調査を頼める先

クレジットカード情報の漏えいが疑われる場合は、PCI DSSを所管するPCI SSC(PCI Security Standards Council)が認定するPFI(PCI Forensic Investigator)による調査が求められます。PFIはカード会員データの侵害を調査する専門の調査者で、カード情報漏えいに固有の対応です。

一般的な情報漏えいすべてにPFI認定が必要になるわけではなく、カード情報が関わる場合に限って必要になる点を押さえておきましょう。

PFI調査は、総合系やフォレンジック専業の事業者が兼ねて提供していることが多い領域です。本記事で取り上げた事業者のうち、公式にPFIの認定・登録を示しているのは、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ、ブロードバンドセキュリティ(BBSec)、FRONTEOの3社です。各社の対応は後述の比較表の「PFI調査対応」欄でも確認できます。

PFIのように複数のタイプにまたがって対応する事業者もあり、自社がどこに頼むべきか迷うこともあります。そうしたときは、以下の選定診断ツールを使うと、状況に合った依頼先のタイプや製品を数問で絞り込めます。

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緊急対応の依頼先の選び方(6つの軸)

ここからは、緊急対応の依頼先を選ぶ際に確認したい6つの軸を解説します。被害の状況や自社に求められる対応によって、重視すべき点は変わります。

24時間・緊急での受付に対応しているか

被害は営業時間内に起きるとは限りません。夜間や休日に発覚した場合、すぐに相談できるかどうかで初動の速さが変わります。24時間365日の受付や緊急の相談窓口を設けているか、受付時間が平日日中に限られるのかは、依頼前に確認しておきたいところです。JNSAの一覧でも、各事業者の受付時間が項目として示されており、緊急性の高い被害ほどこの点が重要になります。

デジタルフォレンジック調査の可否と報告書の証拠能力

原因や被害範囲を正確に把握するには、端末やログを保全・解析するデジタルフォレンジック調査が欠かせません。確認したいのは、調査に対応しているかだけでなく、作成される報告書が社内説明や取引先・監督官庁への説明、場合によっては訴訟の場でも通用する証拠能力を備えているかです。証拠として扱える形で保全・記録されているかは、後の説明責任を果たすうえで大きな差になります。

復旧支援の範囲(原因調査と復旧を同じ会社に頼めるか)

事業者によって、原因調査までを担う会社、業務復旧を中心に支援する会社、その両方に対応する会社があります。原因が分からないまま復旧を急ぐと被害が再発するおそれがあるため、調査と復旧をどこまで一社に任せられるかは重要な判断材料です。調査と復旧を別々の会社に依頼する場合は、両者の間で情報をどう引き継ぐかも含めて検討しておくと、対応がスムーズになります。

初期相談の有無と費用

有事には一刻も早く相談したい一方で、費用が見えないと依頼に踏み切りづらいものです。初期相談を無料で受け付けている事業者もあり、JNSAの一覧でも「初期相談が無料の企業もございます」と案内されています。まずは状況を相談し、対応範囲と概算費用の見積もりを得てから正式に依頼する流れが一般的です。費用の考え方は後述の「費用の目安」も参考にしてください。

対応実績と専門性

自社と同じ業種・規模、あるいは似た手口の被害に対応した実績があるかは、依頼先の専門性を測る手がかりになります。ランサムウェア、標的型攻撃、内部不正など、インシデントの種類によって必要な知見は異なります。

専門性は、公式サイトで公表されている対応実績の件数、JNSAをはじめとする業界団体への所属、経済産業省の情報セキュリティサービス基準への登録(登録番号の有無)、保有する認証などで確認できます。これらを手がかりに、自社の被害の種類に強い事業者かを見極めるとよいでしょう。

公的機関(JPCERT/CC・個人情報保護委員会等)への報告サポート

個人データの漏えいが起きた場合、個人情報保護法にもとづき、一定の要件に該当すれば個人情報保護委員会への報告と本人への通知が法律上の義務となります。個人情報の保護に関する法律第26条は、報告義務と本人通知義務を次のように定めています。

個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。(第1項)

前項に規定する場合には、個人情報取扱事業者(同項ただし書の規定による通知をした者を除く。)は、本人に対し、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。(第2項)

出典:個人情報の保護に関する法律 第26条|e-Gov法令検索

報告が必要となる具体的な事態(要配慮個人情報を含む漏えい、不正の目的による行為、本人の数が1,000人を超える漏えいなど)や報告期限は、個人情報保護委員会規則で定められています。報告は、発覚後まず速やかに行う速報と、原則として発覚から30日以内(不正の目的によるおそれがある場合は60日以内)に行う確報の二段階で求められます。

依頼先を選ぶ際は、公的機関への報告や監督官庁への説明に使える調査報告書の作成まで支援すると明記しているかを見極めるとよいでしょう。報告サポートまで対応する事業者を選んでおくと、報告や説明の負担を抑えられます。

公的機関のうち、JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は、インシデントに関する報告の受け付けや対応の支援、手口の分析、再発防止のための助言などを行う窓口です。個人情報保護委員会への報告が法律上の義務であるのに対し、JPCERT/CCへの連絡は任意の相談・調整の窓口である点が異なります。両者は性質が違うため、どちらに何を相談するのかを整理しておくと迷いません。

出典・参考資料(2件)

緊急対応・フォレンジック調査の費用の目安

緊急対応やフォレンジック調査の費用は、調査対象の台数やデータ量、被害の深刻さ、求められる報告書の精度によって大きく変わります。あらかじめ定価が示されているサービスは少なく、まずは状況を相談して見積もりを得る流れが一般的です。

相場観としては、端末1台程度の簡易な調査でおおむね数十万円から数百万円、サーバーやネットワーク全体に及ぶ大規模な調査ではさらに高額になります。

公式に目安を示している事業者もあり、公表例では、初期解析で税別250万円から、1台あたりの調査で100万円から、1週間規模の調査で税抜220万円から、PC1台の調査で税別200万円から、といった水準が見られます。各社の費用は後述の比較表の費用欄で確認できます。

一方で、多くの事業者は実額を公開しておらず、被害状況を相談したうえで個別に見積もる形をとっています。公表しているかどうか自体も事業者によって分かれるため、後述の比較表の費用欄もあわせて確認してください。

費用の内訳としては、端末やサーバーの保全、ログやデータの解析、報告書の作成、必要に応じた復旧支援などが挙げられます。初期相談を無料で受け付けている事業者もあるため、まずは相談のうえで対応範囲と概算を確認し、複数の見積もりを比べて判断すると安心です。

費用を抑えたい場合でも、安さだけで選ぶと、証拠能力のある報告書が得られなかったり、復旧後に被害が再発したりするおそれがあります。対応範囲と報告の質を踏まえたうえで、総額で比較することが大切です。

被害に気づいたらまず何をするか|依頼前に社内でやってはいけないこと

被害に気づいた直後の行動は、その後の調査や復旧の成否を左右します。証拠を壊さず、被害を広げないための初動と、避けたい行動を整理します。

被害に気づいた直後の初動フローとやってはいけないこと。初動はステップ1報告・体制づくり、ステップ2端末をネットワークから隔離(電源は切らない)、ステップ3時系列で記録、ステップ4専門家・相談窓口へ連絡の順。やってはいけないこととして、再起動・初期化・ウイルス駆除、ログの削除・上書き、バックアップの即時復元、身代金の独断支払いの4つを挙げる図。

被害に気づいてから相談するまでの初動

まず、異変に気づいた担当者は情報システムの責任者やセキュリティ担当へ速やかに報告し、経営層を含めた対応体制を立ち上げます。被害の拡大を防ぐため、感染が疑われる端末はネットワークから切り離しますが、電源は切らずに隔離するのが原則です。電源を落とすと、メモリ上にしか残っていない痕跡が失われ、後の調査が難しくなることがあります。

そのうえで、いつ・何に・どのような異変が起きたかを時系列で記録し、外部の緊急対応事業者や公的な相談窓口に連絡します。相談先としてはJPCERT/CCや警察のサイバー犯罪相談窓口などがあり、情報処理推進機構(IPA)も2026年10月時点で不正アクセスによる情報漏えいの初動対応を支援する相談窓口を設けています。

個人データの漏えいが関わる場合、個人情報保護委員会への報告は、任意の相談ではなく一定の要件に該当すれば法律上の義務となります(詳しくは前述の「公的機関への報告サポート」を参照)。

やってはいけないこと(証拠を壊す行動・独断の対応)

よかれと思った対応が、かえって調査を妨げたり被害を広げたりすることがあります。依頼前に社内で避けたいのは、次のような行動です。

  • 感染が疑われる端末の再起動・初期化・ウイルス駆除を自己判断で行う(メモリやディスク上の痕跡が失われ、原因調査が困難になります)。
  • ログを削除したり上書きしたりする(侵入経路や被害範囲を特定する手がかりが消えます)。
  • バックアップからの即時復元を急ぐ(原因が残ったまま復旧すると被害が再発するおそれがあり、証拠も上書きされます)。
  • 攻撃者からの要求に独断で応じる・身代金を支払う(支払っても復旧の保証はなく、対応は専門家や関係機関と相談して進めます)。

判断に迷う操作は行わず、現状を保ったまま専門の事業者や相談窓口に連絡することが、結果的に最短の復旧につながります。

検知・初動から報告や届出の期限、封じ込め・調査・復旧、再発防止までを順を追って確認したい場合は、インシデント対応の手順を事象タイプ別にまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。

出典・参考資料(2件)

専門の緊急対応事業者(JNSA系)とIPA「お助け隊」の違い

緊急対応の依頼先を調べると、JNSAの一覧に載る専門事業者のほかに、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の事業者一覧も見つかります。両者は射程が異なるため、自社の規模や緊急度に合わせて使い分けると迷いにくくなります。

JNSAの一覧に載る事業者は、有事に調査・切り分け・復旧を請け負う専門の緊急対応事業者です。深刻な被害や高度な手口への対応、証拠能力のある報告書の作成まで依頼できる反面、相応の費用がかかる傾向があります。

一方、IPAのお助け隊サービスは、中小企業向けに必要な機能をワンパッケージにまとめた制度です。公式には次のように位置づけられています。

「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は、中小企業に対するサイバー攻撃への対処として不可欠なサービスをワンパッケージにまとめた、民間の事業者から提供されるサービスです。

出典:サイバーセキュリティお助け隊サービス|情報処理推進機構(IPA)

お助け隊サービスは、監視や検知、相談などを低額のパッケージで提供し、中小企業が平時から備えつつ、いざというときに相談できる体制を整えることを狙いとしています。全国で1万社を超える企業への導入が進んでいるとされ、まずは手頃に備えたい中小企業に向いています。

深刻な被害で高度な調査や大規模な復旧が必要な場合はJNSA系の専門事業者、平時からの備えと一次対応を手頃にまとめたい場合はお助け隊、というように、必要な専門性と予算に応じて選ぶとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

緊急対応を頼める事業者と平時の備え製品の比較

ここまで紹介した緊急対応を頼める事業者と、平時の備えになる製品を、対応範囲・24時間対応の可否・フォレンジック調査や業務復旧への対応・対応地域・費用・初期相談などの観点で横断的に比較します。自社に必要な範囲に照らして、候補を絞り込む際の材料としてご活用ください。

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サービス名サイバー119(ラック)デジタルフォレンジック(NTT-AT)フォレンジック・IR支援(GMOイエラエ)デジタルフォレンジック(BBSec)DFIRサービス(NECセキュリティ)デジタルデータフォレンジック(DDS)CEC Cyber NEXT フォレンジックフォレンジック調査(サイバーディフェンス研究所)Proactive Defense(神戸デジタル・ラボ)IIJデジタルフォレンジック調査フォレンジックサービス(ソリトンシステムズ)セキュリティ事故対応支援(NRIセキュア)FRONTEO フォレンジック調査KELインシデントレスキュー(兼松エレクトロニクス)Network BlackboxEye"247" Safety Zone
区分総合系総合系総合系総合系総合系フォレンジック専業フォレンジック専業フォレンジック専業フォレンジック専業フォレンジック専業フォレンジック専業マルウェア解析マルウェア解析業務復旧平時の備え平時の備え
主な対応範囲初動対応・フォレンジック調査・復旧支援フォレンジック調査(記憶媒体・ログ解析)証拠保全・フォレンジック調査・PFI調査緊急対応・フォレンジック調査・PFI調査初動対応・フォレンジック調査・復旧策支援フォレンジック調査(サイバー攻撃・社内不正)フォレンジック調査(端末・ログ解析)フォレンジック・マルウェア解析・復旧支援フォレンジック調査・インシデントレスポンスフォレンジック調査(証拠保全・原因特定)フォレンジック調査(PC・サーバー)インシデント調査・マルウェア解析・ログ解析AI活用フォレンジック・マルウェア調査・PFI調査ランサムウェア被害からの業務復旧NDR(全パケット保存・検知・調査)EDR+EPP(検知・調査・復旧)
対応地域全国・海外全国全国全国・海外全国全国・海外要問い合わせ全国・海外関西圏(全国も可)要問い合わせ要問い合わせ全国・海外全国・海外全国—(平時導入製品)—(平時導入製品)
デジタルフォレンジック調査●●●●●●●●●●●●●要確認△(製品のフォレンジック機能)△(EDRの調査・分析機能)
業務復旧支援●××●●××●×××××●×△(バックアップから復旧)
PFI調査対応要確認要確認●(2022年PCI SSC認定)●(PCI SSC登録)要確認要確認要確認要確認要確認要確認要確認要確認●(2025年PCI SSC認定)要確認××
報告書の証拠能力要確認要確認要確認●要確認●要確認●要確認●●要確認●要確認××
受付時間24時間365日平日9:30〜17:3024時間365日24時間365日平日9:30〜17:3024時間365日平日9:00〜17:45平日10:00〜18:00平日9:00〜18:00
(夜間・休日はオプション)
要問い合わせ要問い合わせ平日10:00〜17:00平日9:00〜18:00平日9:00〜17:20要問い合わせ要問い合わせ
初期相談無料無料無料無料無料無料要問い合わせ無料無料要問い合わせ要問い合わせ無料無料無料要問い合わせ要問い合わせ
費用の目安要問い合わせ税別250万円〜要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ100万円〜/台要問い合わせ220万円〜(税抜)要問い合わせPC200万〜/サーバー300万〜(税別)要問い合わせ50万円〜要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る公式資料を見る

※対応範囲・受付体制は各社の公表情報にもとづく一般的な傾向です。実際の対応可否・範囲・費用は各社へご確認ください。

平時に備える「検知・調査・復旧の土台」(予防×有事をつなぐ)

ここからは平時の備えの話になります。いま被害が起きていて相談先を探している場合は、この節は読み飛ばしても構いません。

有事に外部の事業者へ頼むだけでなく、平時から検知・調査・復旧の土台を社内に整えておくと、いざというときの原因調査や復旧を速められます。被害に気づくのが早く、何が起きたかをさかのぼって調べられ、安全な状態へ戻しやすいほど、緊急対応にかかる時間も費用も抑えやすくなります。ここでは、その土台となる製品を紹介します。

Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

Network Blackboxの公式サイト

株式会社クワッドマイナージャパンが提供する、ネットワークを流れるパケットを収集・保存し、脅威の検知から調査・対応までを担うNDR(ネットワーク検出・応答)製品です。ミラーリング方式で導入するため既存ネットワークへの影響を抑えやすく、エンドポイントにエージェントを入れられない機器も通信の面からカバーできます。

検知の仕組みは、シグネチャによる既知攻撃の検知に、ユーザー行為ベースの検出(BAD)と通信内容を復元するコンテンツ分析を組み合わせています。収集・検知・ハンティング・フォレンジック・対応の5機能を備え、MITRE ATT&CKフレームワークに基づく脅威ハンティングにも対応します。

平時からパケットを保存しておけば、被害に気づいた後に当時の通信をさかのぼり、宛先や時系列、やり取りされたファイルなどを確認できます。EDRやSIEMともSyslog・REST APIで連携でき、有事の原因調査を社内で進めるための土台になります。提供形態や料金は公表されていないため、導入条件は問い合わせで確認するとよいでしょう。

Eye”247″ Safety Zone(株式会社フーバーブレイン)

Eye247 Safety Zoneの公式サイト

端末を守るEPPと、侵入後の調査・対応を担うEDRを1つにまとめたエンドポイントセキュリティソフトウェアで、株式会社フーバーブレインが提供しています。セキュリティベンダーのBitdefenderと共同開発した機械学習ベースの検知エンジンを採用し、既知・未知のマルウェアの検知から隔離までを行います。

アプリケーションの挙動を常時監視する先進型振る舞い検知(ATC)を備え、不審な動きを検知するとログの収集・調査・分析や駆除・復旧を支援します。平時から端末の挙動を記録しておくことで、有事に何が起きたのかをさかのぼって調べやすくなります。

ランサムウェア対策では不審な挙動を監視しながらファイルを自動でバックアップし、被害を検知した際はクライアント側で直近のバックアップからリストアできます。被害に遭った端末を素早く元の状態へ戻せるため、業務復旧までの時間を抑えやすくなります。料金は公開されていないため、導入時は問い合わせで確認しましょう。

端末・ネットワーク・ID・データ・監視運用など、社内セキュリティを守る対象ごとに見渡して製品を比べたい場合は、以下の記事で代表的なソリューションをタイプ別に整理しています。平時の備えを幅広く検討する際の出発点としてご活用ください。

まとめ

サイバーインシデントの緊急対応は、初動の切り分け、原因と被害範囲を突き止めるフォレンジック調査、マルウェア解析、業務復旧、カード情報漏えいのPFI調査といった対応範囲に分かれます。まずは自社がいま必要としている範囲を見極め、対応範囲タイプから依頼先を絞り込むのが近道です。

依頼先を選ぶ際は、24時間対応の可否、フォレンジック調査と報告書の証拠能力、復旧支援の範囲、初期相談の有無と費用、対応実績、公的機関への報告サポートの6つの軸で比較すると、自社に合う事業者が見えてきます。

被害に気づいたら、端末の初期化やログ削除などの操作を避け、現状を保ったまま専門の事業者や相談窓口に連絡することが、最短の復旧につながります。あわせて、平時から検知・調査・復旧の土台を整えておくことで、有事の対応をより速く進められます。自社の被害状況や必要な対応範囲に合わせて、依頼先の比較検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. サイバーインシデントの緊急対応とは何ですか?

A. サイバーインシデントの緊急対応とは、ランサムウェア感染・不正アクセス・情報漏えいなどの被害が起きた(またはその疑いがある)ときに、被害の拡大を止め、原因と被害範囲を突き止め、業務を立て直すまでの一連の対応を指します。発生直後は専門的な知見がないと状況の把握さえ難しいため、初動の切り分け・デジタルフォレンジック調査・業務復旧などを外部の専門事業者に依頼する企業が少なくありません。

Q. サイバーインシデントの緊急対応は24時間対応してもらえますか?

A. サイバーインシデントの緊急対応は、24時間365日の受付窓口を設けている事業者と、受付が平日日中に限られる事業者に分かれます。被害は夜間や休日に発覚することも多く、初動の速さが被害の拡大防止を左右するため、依頼前に受付時間や緊急の相談窓口の有無を確認しておくことが大切です。JNSAの一覧でも、各事業者の受付時間が項目として示されています。

Q. 緊急対応の初期相談は無料ですか?

A. 緊急対応の初期相談は、無料で受け付けている事業者が多く、まず状況を相談して対応範囲と概算の見積もりを得てから正式に依頼する流れが一般的です。JNSAの一覧でも「初期相談が無料の企業もございます」と案内されています。ただし、すべての事業者が無料とは限らず、調査に着手してからは費用が発生するため、どこまでが無料かを最初に確認しておくと安心です。

Q. サイバーインシデントの緊急対応にかかる費用の目安はどれくらいですか?

A. 緊急対応やフォレンジック調査の費用は、調査対象の台数やデータ量、被害の深刻さによって変わり、端末1台の調査でおおむね数十万〜数百万円、サーバーやネットワーク全体に及ぶ大規模な調査ではさらに高額になります。あらかじめ定価を公開している事業者は少なく、まず相談して見積もりを得る流れが一般的です。

安さだけで選ぶと証拠能力のある報告書が得られなかったり復旧後に被害が再発したりするおそれがあるため、対応範囲と報告の質を含めた総額で比べることが大切です。

Q. 緊急対応では証拠能力のある調査報告書を出してもらえますか?

A. 証拠能力のある報告書は、証拠保全の手順を踏んで調査する事業者であれば、社内説明や取引先・監督官庁への説明、場合によっては訴訟の場でも通用する形で作成してもらえます。ただし対応の可否は事業者によって異なるため、報告書が法的手続きにも使える形式かを依頼前に確認しておくとよいでしょう。後の説明責任を果たすうえで、報告書の証拠能力は依頼先選びの重要な判断材料になります。

Q. 原因調査と業務復旧は同じ会社にまとめて頼めますか?

A. 原因調査と業務復旧は、初動から調査・復旧までを一社で担う総合系の事業者もあれば、原因調査は範囲外で業務復旧に特化した事業者もあり、対応範囲は会社によって分かれます。原因が分からないまま復旧を急ぐと被害が再発するおそれがあるため、どこまでを一社に任せられるかは重要な判断材料です。

調査と復旧を別々の会社に分ける場合は、両者の間で情報をどう引き継ぐかも含めて検討しておくと、対応がスムーズになります。

Q. 被害に気づいたら、依頼前に社内でやってはいけないことは何ですか?

A. 被害に気づいたら、感染が疑われる端末の再起動・初期化・ウイルス駆除や、ログの削除、バックアップからの即時復元、攻撃者への独断での支払いは避けるべきです。これらはメモリやディスク上の痕跡を失わせ、原因調査を困難にしたり被害を再発させたりします。

感染端末はネットワークから切り離しつつ電源は切らずに隔離し、現状を保ったまま専門の事業者や公的な相談窓口に連絡することが、結果的に最短の復旧につながります。

Q. 個人情報が漏えいした場合、個人情報保護委員会への報告は義務ですか?

A. 個人情報の漏えいは、一定の要件に該当する場合、個人情報保護法にもとづき個人情報保護委員会への報告と本人への通知が法律上の義務となります。

要配慮個人情報を含む漏えい、不正の目的によるおそれがある行為、本人の数が1,000人を超える漏えいなどが対象で、報告は発覚後まず速やかに行う速報と、原則として発覚から30日以内(不正の目的によるおそれがある場合は60日以内)に行う確報の二段階で求められます。

証拠能力のある調査報告まで支援してくれる事業者を選んでおくと、こうした報告や説明の負担を抑えられます。

出典・参考資料(2件)

Q. JNSAの緊急対応企業一覧とIPAの「お助け隊」はどう違いますか?

A. 両者は、JNSAの一覧が有事に調査・切り分け・復旧を請け負う専門の緊急対応事業者の名簿であるのに対し、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は中小企業向けに監視・相談などを低額パッケージでまとめた平時からの備えの制度という違いがあります。

深刻な被害や高度な手口への対応・証拠能力のある報告書まで必要ならJNSA系の専門事業者、平時からの備えと一次対応を手頃にまとめたい中小企業ならお助け隊、というように、必要な専門性と予算に応じて選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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