EC・通販の運営では、注文を受けてから商品を届けるまでに、在庫の管理や梱包、発送、問い合わせ対応といった数多くの作業が発生します。売上が伸びて出荷が増えるほど、こうしたバックヤード業務に時間と人手を取られ、商品企画や集客といった本来注力したい仕事に手が回らなくなっていきます。
2024年4月からはトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用され(いわゆる物流の2024年問題)、配送を取り巻くコストや人手の環境も変化しています。
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こうした負担を外部に任せる手段として広がっているのが「フルフィルメントサービス」です。受注から在庫管理、梱包、発送、返品、顧客対応までをまとめて代行する仕組みですが、どこまで任せられるのか、費用はどのくらいかかるのか、何を基準に選べばよいのかは、言葉だけではつかみにくいところです。
本記事では、フルフィルメントサービスで任せられる業務の範囲や、3PL・発送代行との違い、料金の決まり方と相場、選び方のポイントを整理します。導入が向いている企業の見極め方や、導入までの流れもあわせて解説するので、自社が利用すべきかどうかを判断する材料としてご活用ください。
目次
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フルフィルメントサービスとは
フルフィルメントサービスとは、EC・通販で注文を受けてから商品を届けるまでの一連の業務を、外部の事業者が代行するサービスです。具体的には、商品の入荷・検品、倉庫での保管と在庫管理、注文データの処理、ピッキング、梱包、発送に加え、返品・返金の処理やカスタマーサポートまでを含みます。出荷に関わる作業だけでなく、受注から顧客対応までを一つの事業者にまとめて任せられる点が、このサービスの特徴です。
「フルフィルメント」は英語で「履行」「遂行」を意味し、EC・物流の分野では注文を履行するための後工程全体を指す言葉として使われています。法令で定義された用語ではなく、事業者によって対応する業務の範囲は異なります。そのため、サービス名だけで判断せず、自社が任せたい業務が含まれているかを一つずつ確認することが大切です。
EC運営全体を委託する「EC運用代行」の一部として物流を担うケースもあれば、物流に特化して受託するケースもあります。
こうした入荷から発送までの作業を一手に担う物流拠点は「フルフィルメントセンター」と呼ばれ、事業者はこの拠点で在庫の保管から出荷までをまとめて処理します。
フルフィルメントで任せられる業務
ここからは、フルフィルメントサービスで具体的にどの業務を任せられるのかを、物流の流れに沿って4つの段階に分けて解説します。多くのサービスは一連の業務をまとめて引き受けますが、一部の作業だけを切り出して委託できる事業者もあります。

入荷・検品・保管(在庫管理)
メーカーや仕入先から届いた商品を倉庫で受け入れ、数量や品質に問題がないかを確認する入荷・検品が最初の工程です。受け入れた商品は倉庫に保管し、在庫数をシステムで管理します。ECカートやモールと在庫データを連携させることで、販売状況に応じた在庫の増減が自動で反映され、売り越しや欠品を防ぎやすくなります。
温度管理が必要な食品や化粧品など、商材によっては常温・定温・冷蔵・冷凍といった保管環境の対応可否も確認したいところです。
受注・決済処理
注文が入ると、注文データの取り込み、在庫の引き当て、出荷指示までを処理します。クレジットカードや代金引換などの決済に関わる確認作業を含めて代行する事業者もあります。複数のモールや自社ECで販売している場合は、各チャネルの注文を一元的に取り込めるかどうかが、処理の手間を左右します。
ピッキング・流通加工・梱包・発送(出荷業務)
出荷指示にもとづき、倉庫から対象の商品を取り出すピッキングを行い、必要に応じてラベル貼りやセット組み、ギフト包装といった流通加工を加えます。その後、商品を梱包して配送業者に引き渡し、購入者のもとへ発送します。誤出荷を防ぐための検品体制や、同梱物・ラッピングへの対応範囲は事業者ごとに差があり、ブランドの世界観を重視する商材では特に確認が必要です。
返品・返金・カスタマーサポート
商品が届いた後の返品・交換の受け付けや、返金処理、購入者からの問い合わせ対応までを代行するサービスもあります。ここまで任せれば、出荷後のやり取りに追われることなく運営を回せますが、顧客と直接やり取りする接点が減るため、どこまでを外部に委ねるかは事業方針に応じて判断します。出荷作業だけを切り出したい場合は、受注処理や顧客対応を自社に残す委託の仕方も選べます。
フルフィルメント・3PL・発送代行の違い
フルフィルメントと似た言葉に「3PL」や「発送代行」があり、サービスを比較していると混同しやすいところです。いずれも物流業務を外部に任せる点は共通しますが、任せられる範囲の広さに違いがあります。国土交通省は3PL(サードパーティー・ロジスティクス)を、荷主から物流業務を包括的に受託する仕組みと説明しています。
出典・参考資料(1件)
一般的な区分として、3つの言葉が指す範囲を整理すると次のようになります。ただし事業者によって対応範囲は異なり、3PLを掲げながら受注・顧客対応まで担うサービスもあるため、言葉の区分はあくまで目安として捉えてください。
| フルフィルメント | 3PL(サードパーティー・ロジスティクス) | 発送代行(出荷代行) | |
|---|---|---|---|
| 主に委託できる範囲 | 受注・決済処理から在庫管理・ピッキング・梱包・発送、返品・返金、カスタマーサポートまで、EC運営のバックヤード業務を一連で代行 | 荷主に代わって物流業務を包括的に受託する仕組み。入荷・保管・流通加工・出荷など、物流拠点の設計・運用を含む物流全体が中心 | 保管・ピッキング・梱包・発送など、出荷に関わる作業を中心に代行。受注処理や顧客対応は含まないことが多い |
| 向いているケース | 受注から顧客対応まで含めてまとめて外に出したい | 物流の拠点設計や運用から任せたい | 出荷作業の手間だけを切り出したい |
※上記は一般的な区分の目安です。実際の対応範囲は事業者ごとに異なるため、各社の情報をご確認ください。
3つの言葉の境界は明確に決まっているわけではありません。自社が任せたいのが「出荷作業だけ」なのか、「受注から顧客対応まで」なのか、「物流の拠点設計から」なのかを整理しておくと、各社のサービス範囲と照らし合わせやすくなります。
任せたいのが出荷作業だけであれば、発送代行に絞ってサービスを選ぶ方法もあります。費用相場や、出荷規模・商材に応じた選び方は次の記事で詳しく解説しています。
フルフィルメントサービスのメリット・デメリット
フルフィルメントサービスの導入は負担の軽減につながる一方で、外部に委ねることで生じる注意点もあります。判断を誤らないために、メリットとデメリットの両面を確認しておきましょう。
メリット
最大のメリットは、出荷作業に割いていた時間と人手を、商品企画や販促といった売上に直結する業務へ振り向けられることです。受注や発送に追われる状態から抜け出すことで、事業の成長に向けた取り組みに集中しやすくなります。
人件費や倉庫の賃料といった固定費を、出荷量に応じた変動費に切り替えられる点も見逃せません。繁忙期と閑散期で出荷量の差が大きい事業では、自社で人員や倉庫を抱えるより費用を調整しやすくなります。加えて、物流を専門とする事業者のノウハウにより、誤出荷の抑制や出荷スピードの安定といった品質面の向上も期待できます。
デメリット
一方で、委託には費用がかかります。出荷量が少ないうちは、自社で対応するより割高になる場合もあるため、料金体系と自社の出荷規模を照らし合わせた検討が欠かせません。
また、物流業務を外部に任せることで、自社に出荷のノウハウが蓄積されにくくなります。将来的に物流を内製化したい場合には、委託への依存度を見据えておく必要があります。購入者と接する梱包や同梱物の工程を委ねることで、顧客との接点が減り、現場の声を直接つかみにくくなる面もあります。どの業務を任せ、どこを自社に残すかを設計することが、こうした影響を抑える鍵になります。
フルフィルメントサービスの料金相場と費用の決まり方
フルフィルメントサービスの費用は「月額いくら」という一律の金額ではなく、作業ごとの単価を積み上げて決まるのが基本です。ここでは、費用がどのような費目で構成され、どの単位で課金されるのかを整理します。費目と課金の単位を理解しておくと、各社の料金表を読み解き、自社の出荷量でおおよその費用を見積もれるようになります。
費用の内訳と課金の単位
フルフィルメントの費用は、主に次のような費目に分かれます。費目ごとに課金される単位が異なる点が、料金を分かりにくくしている要因です。
| 初期費用 | 月額固定費 | 入荷・入庫料 | 保管料 | 出荷・配送料 | オプション | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 課金の単位・考え方 | システム設定や倉庫への商品搬入など、利用開始時の作業にかかる費用。無料の事業者もある | 倉庫スペースの基本利用料など。従量課金のみで固定費を0円とする事業者もある | 商品1点あたり(または1箱あたり)。検品を含むことが多い | 商品1点・1日あたり、または棚・パレット・容積(1,000cm³など)の単位での月額 | 注文1件(1個口)あたり。梱包資材費を含む場合と別建ての場合がある | ギフト包装・同梱・ラベル貼り・返品処理など、作業ごとの個別単価 |
入荷料は「商品1点あたり」、保管料は「商品1点・1日あたり」や容積・パレット単位、出荷・配送料は「注文1件あたり」と、同じサービスのなかでも費目によって課金の単位が変わります。自社の費用を見積もるときは、月間の入荷点数・平均在庫数・出荷件数のそれぞれに単価を掛け合わせて足し上げる考え方が基本です。
公開されている料金の例と相場感
料金は委託する業務の範囲、商材のサイズや特性、出荷量によって大きく変わるため、多くの事業者は個別見積もりを基本としています。そのなかでも、単価を公開している事業者の料金を見ると、おおよその水準をつかめます。いずれも各社公式の料金ページにもとづく金額(税別、2026年7〜10月時点)で、プランや条件により変動します。
- オープンロジ(株式会社オープンロジ): 入荷料はSSサイズ18円から、保管料は商品1点・1日あたり0.2円〜15円(サイズ区分別)、配送料は1個口395円から(全国一律、沖縄・離島を除く)。初期費用・月額固定費は0円の従量課金制。
- STOCKCREW(株式会社STOCKCREW): 保管料は10cm角(1,000cm³)あたり月20円、入庫費用は1点10円、国内発送は投函型260円から・60サイズ500円から。初期費用・月額固定費は0円。
- ウルロジ(ディーエムソリューションズ株式会社): 発送費用は全国一律・資材費込みで300円から、ピッキングは1件20円から。小規模向けプランは初期費用・固定費0円の従量課金制で、保管料などは要問い合わせ。
- スクロール360(株式会社スクロール360): 物流ライトプランの出荷料金はポストイン399円から・60サイズ580円から、別途初期費用30,000円から。
このように、出荷1件あたりの配送料は数百円程度、保管料は商品の大きさや量に応じて積み上がるのが一般的な水準です。一方で、保管料や入庫料を非公開とし、商材や出荷量に応じた個別見積もりとする事業者も少なくありません。
これらの単価を自社の規模に当てはめると、総額の目安が見えてきます。たとえば月間の出荷が500件、平均在庫が1,000点程度の小規模なECの場合、配送料だけで1件あたり約400円×500件=20万円前後になります。ここに保管料・入荷料が積み上がるため、総額は月額で20万円台後半からが目安で、商材の大きさや在庫量によってはさらに大きくなります(配送単価は複数社の公開料金の目安)。
実際の金額は商材のサイズ・保管期間・委託する作業の範囲で変わるため、あくまで単価から計算した概算として捉えてください。正確な費用は、自社の商材サイズ・月間出荷件数・在庫数を伝えて見積もりを取り、複数社を同じ条件で比較して把握するのが確実です。
出典・参考資料(7件)
フルフィルメントの提供形態(委託の選択肢)
これまで料金や選び方を見てきた物流代行は、注文の履行を外部に任せる選択肢の一つです。委託の方法はほかにもあり、自社の販売チャネルや規模によって適した形態が変わるため、選択肢の全体像を押さえておくと、自社に合う方法を見極めやすくなります。
自社フルフィルメント
自社で倉庫を構え、在庫管理から出荷までを自前で行う形態です。梱包や同梱物を細かくコントロールでき、ブランドの世界観を出荷体験に反映しやすい一方、人員・倉庫・設備への投資と運用の手間がかかります。出荷量が安定して多く、物流を自社の強みにしたい事業者に向いています。
物流代行(3PL・フルフィルメントサービス)
専門の事業者に入荷から出荷、場合によっては受注・顧客対応までを委託する形態です。ここでの物流代行は、前の章で区別した3PLとフルフィルメントサービスをまとめて、専門事業者に委託する方法を指します。
自社で設備を持たずに物流を運用でき、出荷量の増減にも対応しやすいのが利点です。本記事で解説してきたフルフィルメントサービスはこの形態にあたり、複数のモールや自社ECを横断して出荷を一元化したい事業者に適しています。
モールの物流サービス(FBA など)
Amazonの「フルフィルメント by Amazon(FBA)」のように、出品するモール自身が提供する物流サービスを使う形態です。そのモール内での販売では配送や顧客対応をまとめて任せられますが、対象はそのモールの注文が中心となります。特定のモールでの販売比率が高い事業者に向いた選択肢です。
マルチチャネルでの出荷
自社ECと複数のモールなど、販売チャネルが複数にまたがる場合は、それらの在庫と注文を一つの倉庫・システムで束ねる形態が選択肢になります。モールごとに在庫を分けて持つ必要がなくなるため、在庫を一括で管理でき、欠品や過剰在庫を抑えやすくなります。先に挙げた物流代行の多くはこの複数チャネルの一元管理に対応しています。
フルフィルメントサービスの選び方
ここからは、フルフィルメントサービスを比較・検討する際に確認したいポイントを解説します。どれも、自社の商材や出荷状況に当てはめて判断することが大切です。
任せたい業務の範囲に対応しているか
まず確認したいのは、自社が委託したい業務をそのサービスがカバーしているかです。出荷作業だけを任せたいのか、受注処理やカスタマーサポートまで含めたいのかによって、選ぶべき事業者は変わります。ギフト包装や同梱物の封入、セット組みといった流通加工が必要な商材では、その作業に対応しているかまで確認すると、導入後の食い違いを防げます。
料金体系が自社の出荷規模に合うか
料金は、自社の出荷量との相性で評価します。出荷件数がまだ少ない段階では、初期費用・月額固定費が0円で、使った分だけ支払う従量課金制のサービスが負担を抑えやすくなります。出荷量が多く安定している場合は、固定費を含むプランでも1件あたりの単価が下がり、総額では有利になることがあります。複数社から同じ条件で見積もりを取り、自社の出荷件数・在庫数で試算して比べるのが確実です。
倉庫の立地・保管環境が商材に合うか
倉庫の所在地は配送のリードタイムと送料に影響します。主要な配送先に近い拠点や、複数拠点を持つ事業者であれば、到着までの時間を短縮しやすくなります。食品・化粧品・医薬部外品など、温度管理や許認可が関わる商材では、冷蔵・冷凍などの保管環境や、取り扱いに必要な許可を事業者が備えているかが選定の分かれ目になります。
自社のカート・モールとシステム連携できるか
利用中のECカートやモールと、事業者の在庫・受注管理システムが連携できるかは、運用の手間を大きく左右します。連携していれば、注文データの取り込みや在庫の反映が自動化され、手作業による転記ミスを防げます。自社が使っているShopifyや楽天市場、Amazonなどのプラットフォームに、標準で連携対応しているかを事前に確認しましょう。
実績と品質管理の体制が信頼できるか
委託先の実績や品質管理の体制も、安心して任せられるかを判断する材料です。導入社数や出荷件数の実績、誤出荷率などの品質に関する指標を公開している事業者であれば、運用の安定性を推し量れます。あわせて、繁忙期の出荷増や拠点のトラブルに備えた体制があるかも、長く付き合ううえで確認しておきたい観点です。
情報漏えい・セキュリティ面の確認ポイント
フルフィルメントを委託すると、購入者の氏名・住所・連絡先といった個人情報や、在庫という資産を外部の事業者に預けることになります。そのため、委託先が情報をどう守る体制を整えているかは、料金や機能と並んで確認したいポイントです。判断の目安となるのが、第三者機関による認証の取得状況です。
預ける情報の種類とリスク
フルフィルメントでは、配送に必要な購入者の個人情報が委託先に渡ります。顧客対応まで任せる場合は、問い合わせ内容や購入履歴も共有されます。これらの情報が適切に管理されなければ、漏えいによる顧客の信頼低下や、自社の責任問題につながりかねません。委託前に、情報の取り扱いに関する契約内容と、事業者の管理体制を確認しておくことが欠かせません。
プライバシーマーク・ISMSなどの認証
個人情報の取り扱い体制を示す認証として、プライバシーマーク(Pマーク)があります。制度を運営する日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、この制度を次のように説明しています。
プライバシーマーク制度は、事業者の個人情報を取り扱う仕組みとその運用が適切であるかを評価し、その証として事業活動においてプライバシーマークの使用を認める制度です。
出典:プライバシーマーク制度パンフレット|一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
プライバシーマークは日本産業規格「JIS Q 15001」を基準に、個人情報の取り扱いが適切かを評価するもので、個人情報の保護に特化している点が特徴です。これに対し、情報セキュリティ全般を対象とする認証がISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証です。認定機関である情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)は、ISMSを次のように説明しています。
ISMSとは、Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)の略で、情報のCIA(「機密性(Confidentiality)」、「完全性(Integrity)」、「可用性(Availability)」)を保護するための、体系的な仕組みです。
出典:ISMS適合性評価制度パンフレット|一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)
ISMS認証は国際規格「ISO/IEC 27001」にもとづき、情報の機密性・完全性・可用性を守る仕組みが適切に運用されているかを第三者が審査するものです。個人情報に特化したプライバシーマークと、情報セキュリティ全般を対象とするISMSは守備範囲が異なるため、自社が預ける情報の性質に応じて、どちらの認証を重視するかを考えるとよいでしょう。
認証の有無に加え、秘密保持契約の締結や、倉庫・システムへのアクセス管理といった実務的な対策も、あわせて確認したいポイントです。
フルフィルメントサービスの導入が向いている企業・タイミング
フルフィルメントサービスは、すべての事業者にとって今すぐ必要というわけではありません。次のような、自社で気づける合図が出てきたときが、導入を検討するタイミングです。
分かりやすい合図は、出荷の現場に表れます。出荷や在庫管理に追われて商品企画や集客といったコア業務が止まっている、あるいは出荷量が増えて誤出荷や発送遅延が起き始めた、といった状態は、自社の体制が限界に近づいているサインです。こうした観察できる兆候が出てきたら、専門事業者への委託を検討する価値があります。
繁忙期と閑散期で出荷量の差が大きく、人員や倉庫を抱えることが負担になっている事業も向いています。従量課金のサービスなら出荷量に応じて費用を調整できるため、波のある事業と相性が良いためです。EC事業を始めたばかりで、最初から物流に人手をかけたくない段階でも、初期費用を抑えられるサービスを選べば小さく始められます。
配送を取り巻く人手やコストの環境が変化するなか、物流を外部に委ねる動きは業種を問わず広がっています。
導入までの流れと準備するもの
フルフィルメントサービスの導入は、問い合わせから運用開始まで、おおむね次のような流れで進みます。事業者や委託範囲によって期間は変わりますが、準備するものを把握しておくと、見積もりや契約がスムーズに進みます。
問い合わせ・ヒアリング
まず、候補となる事業者に問い合わせ、自社の商材や出荷状況を伝えます。扱う商品の種類やサイズ、月間の出荷件数、在庫数、利用中のカート・モールといった情報をもとに、対応可否や概算費用のヒアリングが行われます。この段階で、任せたい業務の範囲を具体的に伝えると、見積もりの精度が高まります。
提案・見積もりの比較検討
ヒアリングをもとに、各社から提案と見積もりが提示されます。複数社を同じ条件で比較し、費用だけでなく、対応範囲・倉庫の立地・システム連携・サポート体制まで含めて検討します。料金表の単価だけでは総額が見えにくいため、自社の出荷量を当てはめた月額の試算を出してもらうと比較しやすくなります。
契約・システム連携の準備
委託先が決まったら契約を結び、運用に向けた準備を進めます。ECカートやモールと事業者のシステムを連携させ、商品マスタ(商品ごとの情報)や在庫データを登録します。SKU(商品の管理単位)の数や、各商品の情報を整理しておくと、この工程が円滑に進みます。
商品移管・運用開始
在庫を委託先の倉庫へ移し、テスト出荷などで運用に問題がないかを確認してから、本格的な運用を開始します。運用開始後も、出荷状況の報告や定期的な打ち合わせを通じて、課題を改善しながら運用を安定させていきます。
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受注〜発送を任せられるEC物流代行サービス
ここからは、EC・通販のフルフィルメントに対応するサービスを紹介します。初期費用を抑えて小ロットから始められるものから、温度帯管理や受注・顧客対応まで含めて任せられるものまで、特徴はさまざまです。自社の商材・出荷規模・任せたい範囲に照らして、比較検討の候補を見つける参考にしてください。
ここで取り上げるのは物流(受注〜発送)を担うサービスが中心です。受注代行やカスタマーサポート、集客・サイト運営まで含めてEC運営全体の外注を検討している場合は、委託の形(一括・特定業務・システム型)ごとの違いや費用相場、選定軸を整理した次の記事が参考になります。
以下はご紹介するサービスの比較表です。
| サービス名 | オープンロジ | STOCKCREW | ウルロジ | スクロール360 | 富士ロジテック | 清長 | 醍醐倉庫 | イー・ロジット | 関通 | エスプールロジスティクス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用・月額固定費 | 0円(完全従量課金) | 0円(完全従量課金) | 0円(小規模プラン。中〜大規模は要お問い合わせ) | 30,000円〜(物流ライトプランの初期費用) | 要お問い合わせ | 0円(ロジモプロは完全従量課金) | 要お問い合わせ(従量課金制) | 要お問い合わせ | 0円(GAOW。委託型は個別見積) | 要お問い合わせ |
| 公開料金の例 | 入荷18円〜/保管0.2円〜(1点・1日)/配送395円〜 | 入庫10円/保管20円(1,000cm³・月)/発送260円〜 | 発送300円〜/ピッキング20円〜(保管料は要お問い合わせ) | 出荷ポストイン399円〜/60サイズ580円〜 | 入庫15円/保管3,000円〜(1パレット・月)/配送320円〜 | 入庫19.8円/保管1.1円〜(1点・1日)/配送781円〜 | 要お問い合わせ(単価の公開なし) | 要お問い合わせ(単価の公開なし) | 保管7円(1,000cm³・月)/発送300円〜(GAOW。委託型は個別見積) | 要お問い合わせ(単価の公開なし) |
| 小ロット対応 | スポット利用可 | 最低出荷件数なし | 月1個から | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 商品1個・出荷1件から(ロジモプロ) | 段ボール1箱から | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 任せられる範囲 | 入荷〜出荷・返品に対応(CS代行はオプション) | 入荷〜出荷に対応(受注連携・自動出荷) | 入荷〜出荷に加え受注代行・カスタマーサポートまで | 物流に加え受注代行・EC運営代行まで | 入荷〜出荷・返品に対応 | 入荷〜出荷・返品に対応(発送代行中心) | 入荷〜出荷・返品に対応 | 入荷〜出荷に加えカスタマーサポート・物流コンサルまで | 入荷〜出荷に加え受注管理代行まで | 受注処理〜出荷・返品に加えコールセンターまで |
| 温度帯管理 | ●(常温・冷蔵・冷凍) | ×(常温のみ) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | ●(常温・定温・冷蔵・冷凍) | 要お問い合わせ | ×(温度管理商品は非対応) | 要お問い合わせ | ●(冷凍・冷蔵食品に対応) | 要お問い合わせ |
| 越境EC対応 | ●(海外配送に対応) | ●(200か国以上) | ●(220カ国) | 要お問い合わせ | ●(東南アジア・米国ほか) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | ●(国際物流サービスあり) | ●(越境EC支援あり) |
| 主な認証 | Pマーク | ISMS(ISO/IEC 27001) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | Pマーク/ISO9001 | 要お問い合わせ | Pマーク/ISO9001 | Pマーク/ISMS(ISO/IEC 27001) | 要お問い合わせ | Pマーク/エコアクション21 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各社公式サイトの公開情報にもとづく(2026年7〜10月時点)。公開料金の例は、清長は税込、その他の各社は税別の表示です。「要お問い合わせ」は公式に単価の公開がない項目で、詳細は各社へご確認ください。
1. オープンロジ(株式会社オープンロジ)

オープンロジは、入荷から保管・ピッキング・検品・梱包・出荷・返品対応までを一括で受託するEC向けの物流代行サービスです。初期費用・月額固定費が0円の従量課金制で、使った分だけ支払う料金体系のため、出荷量が少ない段階や繁忙期だけの利用にも向いています。
Shopify・STORES・BASE・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど多数のカート・モールと標準で連携しており、個別のシステム連携開発なしに在庫・受注を一元化できます。公式サイトでは導入実績13,000社以上、誤出荷率0.002%以下を掲げています。プライバシーマークの認定も受けており、個人情報の取り扱い体制を重視する事業者が候補に挙げやすいサービスです。
2. STOCKCREW(株式会社STOCKCREW)

初期費用・月額固定費0円に加え、最低出荷件数の定めを設けていないのがSTOCKCREWの特徴です。少量の在庫・少ない出荷からでも利用でき、個人事業主から大規模事業者まで受け入れる方針を公式に打ち出しています。保管料は10cm角あたり月20円、国内発送は投函型260円からと、単価を公開している点も費用を見積もりやすいポイントです。
自社倉庫に自律走行型のピッキングロボット(AMR)を導入し、出荷作業の自動化を進めています。国内発送に加え、越境ECの配送料をゾーン別・サイズ別に公開しており、海外販売を視野に入れる事業者にも対応します。最低契約期間や解約時の違約金を設けていない点も、小さく試したい事業者には始めやすい条件です。
3. ウルロジ(ディーエムソリューションズ株式会社)

ウルロジは、東証スタンダード上場のディーエムソリューションズ株式会社が運営する物流アウトソーシングサービスです。在庫管理・入庫検品・ピッキング・梱包・発送に加え、受注代行やカスタマーサポートまでを一括で代行します。月1個からの小ロットから月間5,000件以上の大規模まで、事業規模に応じたプランを用意している点が特徴です。
発送費用は全国一律・資材費込みで300円から、ピッキングは1件20円からと、小規模向けプランは初期費用・固定費0円の従量課金制です。楽天・Yahoo!・ShopifyなどとAPI連携し、複数チャネルの運用と物流を一元化できます。220カ国向けの越境EC物流にも対応しており、海外展開を進める事業者の選択肢にもなります。
4. スクロール360(株式会社スクロール360)

通販事業で60年以上の歴史を持つスクロールグループのノウハウを基盤に、物流代行・受注代行/コールセンター・EC運営代行までをまとめて提供するのがスクロール360です。物流から受注、運営まで複数の業務をまとめて1社に集約したい事業者に向いています。
物流ライトプランでは出荷料金をポストイン399円から・60サイズ580円からと公開しており、費用感を事前に把握しやすい点が特徴です。健康食品・サプリ・化粧品・アパレル・食品など幅広い商材と各種許認可に対応し、規制のある商材を扱う事業者も相談しやすいサービスです。公式では誤出荷率0.0016%以下の品質管理を掲げています。
5. 富士ロジテック(株式会社富士ロジテックホールディングス)

創業100年を超える歴史を持つ総合物流事業者、富士ロジテックホールディングスが、EC・D2C事業者向けに展開する発送代行・フルフィルメントサービスです。入出荷・保管・検品・流通加工・配送・返品対応までを一括で受託し、長年の倉庫運営の実績を基盤としています。
常温・定温・冷蔵・冷凍の各温度帯での保管に対応しており、食品や化粧品など温度管理が必要な商材の委託先として検討できます。入庫料は1個15円、保管料は1パレット3,000円からと一部の単価を公開しています。主要なカートやモール、WMS/OMSとの連携先を30以上公式に一覧化しているほか、プライバシーマークも取得しています。
6. 清長(株式会社清長)

清長は、規模の異なる2つのサービスラインを持つ点が特徴の物流会社です。小ロット・スポット向けの「ロジモプロ」は、初期費用・月額固定費0円の完全従量課金制で、商品1個・出荷1件から委託できます。中〜大規模向けの「ロジプレミアム」は、荷主ごとに梱包資材や同梱施策をカスタマイズして構築する契約型のサービスです。
事業の成長フェーズに応じて使い分けられる構造のため、小さく始めて規模の拡大に合わせて移行しやすくなっています。化粧品製造業許可や高度管理医療機器等販売業許可などを取得しており(ロジプレミアム側)、化粧品・医療機器といった許可が必要な商材の物流にも対応できる体制を備えています。
7. 醍醐倉庫(醍醐倉庫株式会社)

1958年創業の醍醐倉庫は、倉庫業・流通加工を祖業とする物流会社で、そのノウハウを活かしてEC・通販向けの発送代行・物流アウトソーシングを展開しています。入庫・検品・在庫管理・ピッキング・流通加工・梱包・出荷・返品処理までをワンストップで引き受けます。
段ボール1箱からの小ロット利用に対応し、保管量・出荷量に応じた従量課金を基本とするため、小規模事業者でも始めやすい料金設計です。ギフト包装・名入れ・セット組み・検針など、細かい流通加工への対応実績が豊富で、幅広い業種の事例を公開しています。ISO9001とプライバシーマークを取得しており、品質・情報管理の体制も整えています。
8. イー・ロジット(株式会社イー・ロジット)

東証スタンダード上場の株式会社イー・ロジットは、フルフィルメントセンター運営による物流代行とカスタマーサポート代行を主軸に、EC事業の戦略策定やロジスティクスコンサルティングまでを一体で提供します。単なる作業の外注先ではなく、事業戦略の設計から運用までを同じ社内で担う体制を打ち出しているのが特徴です。
関東・関西に複数の自社フルフィルメントセンターを運営し、繁忙期の出荷波動や拠点分散によるリスク対策にも対応できる規模を備えています。自社開発のWMS(倉庫管理システム)により外部ECシステムとAPI連携する体制を構築しています。プライバシーマークとISMS認証を取得しており、大規模運用と情報管理の両面を任せたい事業者に適しています。
9. 関通(株式会社関通)

関通は、物流代行に加えてECサイトの受注業務まで代行できる物流専業の事業者です。受注管理と倉庫内の物流をあわせて委託できるため、受注処理と出荷をまとめて外に出したい事業者に向いています。自社開発のWMS「クラウドトーマス」で在庫を一元管理し、賞味期限の管理にも対応します。
年間1,000万個規模の出荷実績を持ち、受注処理ミス率0.008%を公表するなど、品質管理の体制を整えています。冷凍・冷蔵食品向けの専用サービスも用意しており、温度管理が必要な商材にも対応できます。固定費0円で最短2週間で導入できるEC物流プラットフォーム「GAOW」も提供しており、小規模から始めたい事業者の選択肢にもなります。
10. エスプールロジスティクス(株式会社エスプールロジスティクス)

東証プライム上場のエスプールグループに属するエスプールロジスティクスは、受注処理から入出荷・在庫管理・梱包・返品対応・コールセンター運営までの通販バックヤード業務を一括代行します。作業の請負にとどまらず、拠点選定やセンターのレイアウト設計、オペレーション設計を含む物流全体のコンサルティングを掲げている点が特徴です。
フルフィルメント・3PL・倉庫のIoT化支援・越境EC支援の4領域でサービスを展開しており、単なる出荷代行を超えて物流の仕組みづくりから相談したい事業者に向いています。料金は商材・出荷量に応じた個別見積もりが基本で、導入までの期間はフルフィルメントで最短2週間から1カ月程度が目安です。プライバシーマークの認定も受けています。
まとめ
フルフィルメントサービスは、EC・通販の受注から在庫管理、梱包、発送、返品、顧客対応までを外部に任せられる仕組みです。出荷作業から解放されて本来の業務に集中でき、固定費を出荷量に応じた変動費へ切り替えられる一方、委託費用やノウハウが残らない点など、注意すべき面もあります。
選ぶ際は、任せたい業務の範囲に対応しているか、料金体系が自社の出荷規模に合うか、倉庫の立地・保管環境や、カート・モールとのシステム連携、実績や情報管理の体制を、自社の状況に当てはめて確認することが大切です。料金は個別見積もりが基本となるため、複数社から同じ条件で見積もりを取り、自社の出荷量で試算して比較しましょう。本記事で紹介したサービスの資料を取り寄せ、比較検討の第一歩としてご活用ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. フルフィルメントサービスとは何ですか?
A. フルフィルメントサービスとは、EC・通販で注文を受けてから商品を届けるまでの一連の業務を、外部の事業者が代行するサービスです。具体的には、商品の入荷・検品、倉庫での保管と在庫管理、受注・決済処理、ピッキング、梱包、発送に加え、返品・返金の処理やカスタマーサポートまでを含みます。
「フルフィルメント」は英語で「履行」「遂行」を意味する言葉で、法令で定義された用語ではないため、対応する業務の範囲は事業者によって異なります。
Q. フルフィルメントサービスと3PL・発送代行は何が違いますか?
A. フルフィルメントサービスは、受注・決済から在庫管理・出荷、返品・顧客対応までEC運営のバックヤード業務を一連で代行する点が、物流業務を中心とする3PLや、出荷作業に絞った発送代行との違いです。3PLは荷主に代わって物流業務を包括的に受託する仕組み、発送代行は保管・ピッキング・梱包・発送など出荷に関わる作業を中心に担うのが一般的な区分です。
ただし境界は明確に決まっているわけではなく、3PLを掲げながら受注・顧客対応まで担うサービスもあるため、言葉の区分ではなく各社の対応範囲で確認するのが確実です。
Q. フルフィルメントサービスの料金相場はどのくらいですか?
A. フルフィルメントサービスの料金は、委託する業務の範囲・商材のサイズ・出荷量によって変わるため、多くの事業者が個別見積もりを基本としています。費用は初期費用・月額固定費に加え、入荷料(商品1点あたり)・保管料(商品1点・1日あたりや容積・パレット単位)・出荷配送料(注文1件あたり)といった従量の費目を積み上げて決まります。
単価を公開している事業者を見ると、出荷1件あたりの配送料は数百円程度が一つの目安です。正確な費用は、自社の商材サイズ・月間出荷件数・在庫数を伝えて、複数社から同じ条件で見積もりを取ると把握できます。
Q. フルフィルメントサービスは出荷量の少ない小規模なECでも利用できますか?
A. 出荷量が少ない小規模なEC事業者でも利用できます。初期費用・月額固定費が0円で使った分だけ支払う従量課金制のサービスや、最低出荷件数を設けず商品1個・出荷1件から受け付けるサービスもあります。むしろ、繁忙期と閑散期で出荷量の差が大きい事業や、EC事業を始めたばかりで最初から物流に人手をかけたくない段階では、費用を出荷量に応じて調整できる従量課金制のほうが負担を抑えやすくなります。
Q. フルフィルメントサービスに一部の業務だけを委託することはできますか?
A. 出荷作業だけを切り出して委託することもできます。フルフィルメントサービスは受注から顧客対応まで一連で任せられますが、受注処理やカスタマーサポートを自社に残し、保管・ピッキング・梱包・発送といった出荷業務だけを委託する形も選べます。
顧客と直接やり取りする接点をどこまで自社に残すかは、事業方針に応じて判断するとよいでしょう。対応範囲は事業者によって異なるため、任せたい業務をカバーしているかを事前に確認することが大切です。
Q. フルフィルメントサービスはどのような企業に向いていますか?
A. フルフィルメントサービスは、出荷や在庫管理に追われて商品企画・集客といった本来の業務に手が回らない事業者や、出荷量が増えて自社の体制では品質を保てなくなってきた事業者に向いています。ほかにも、繁忙期と閑散期で出荷量の差が大きく自社で人員や倉庫を抱える負担が重いケースや、EC事業を始めたばかりで最初から物流に人手をかけたくないケースでも、導入を検討する価値が高いといえます。
Q. フルフィルメントの委託先に預ける個人情報のセキュリティはどう確認すればよいですか?
A. 委託先のセキュリティ体制は、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証といった第三者機関による認証の取得状況が一つの判断材料になります。フルフィルメントでは購入者の氏名・住所・連絡先などの個人情報を外部に預けるため、個人情報の取り扱いに特化したPマークと、情報セキュリティ全般を対象とするISMSのどちらを重視するかを、預ける情報の性質に応じて考えます。
認証の有無に加え、秘密保持契約の締結や、倉庫・システムへのアクセス管理といった実務的な対策もあわせて確認しましょう。
Q. フルフィルメントサービスの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 導入期間は事業者や委託範囲によって変わりますが、早いサービスでは最短2週間程度、おおむね2週間〜1カ月程度が目安です。導入は、問い合わせ・ヒアリング→提案・見積もりの比較検討→契約・システム連携の準備→商品移管・運用開始という流れで進みます。ECカートやモールとのシステム連携や、商品マスタ・在庫データの登録、SKU(商品の管理単位)の整理を事前に進めておくと、立ち上げが円滑になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















