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ハラスメント専門家の選び方|社外相談窓口・研修・事案調査の依頼先タイプと費用を比較

ハラスメント 専門家の選び方のサムネイル画像

社内で起きたハラスメントの相談対応や事案調査に、人事・総務だけでは手が回らないと感じていませんか。パワーハラスメント防止法により相談窓口の設置はすべての企業の義務となり、2026年10月1日からはカスタマーハラスメント対策も事業主の義務に加わりました。社内の体制づくりが追いつかず、相談の受付や公平な調査、研修、規程づくりを外部の専門家に任せたいと考える企業が増えています。

ただ、ひとくちに「ハラスメントの専門家」といっても、社外相談窓口の受付を代行する会社、起きた事案を中立に調査する専門家、研修講師、規程や体制を整えるコンサルタント、弁護士や社会保険労務士まで幅広く、何をどこまで頼めて費用がどのくらいかかるのかは見えにくいのが実情です。どの依頼先に何を任せられるのか、どう選べばよいのでしょうか。

本記事では、ハラスメント対策を外部の専門家に頼むときの依頼先のタイプ・頼めること・費用の目安・選び方を横断的に整理します。公的な無料の相談先との使い分けや、信頼できる専門家の見極め方もあわせて解説します。自社の課題に合う依頼先を絞り込む材料としてご活用ください。

また、自社の課題に合う依頼先のタイプを手早く把握できるよう、30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、ハラスメントの予防・相談対応・事案対応を社内だけで完結させることが難しく、外部の専門家への依頼を検討している企業に向けた内容です。相談窓口の受付代行、起きた事案の調査、規程・体制の整備、従業員への研修まで、何を外部に任せられるのかを依頼先のタイプごとに整理し、自社の課題に合う依頼先を選べるようにします。

専門家への依頼は、予防の研修から相談の受付、事案の調査・解決、再発防止の体制づくりまで、どの段階でも使えます。すべてを一社に任せる方法も、段階ごとに依頼先を使い分ける方法もあります。まずは自社がどの段階で手当てを必要としているかを確認してください。

ハラスメントに限らずコンプライアンス全般の教育・研修をeラーニングで広く比較したい場合は、カテゴリ全体を扱った以下の比較記事もご参照ください。対象テーマ・料金・受講管理のしやすさで選べます。

ハラスメント対策を専門家に頼むとは(なぜ今、外部に頼むのか)

ここでは、ハラスメント対策を外部の専門家に頼む動きが広がっている背景を、法令の面から整理します。

労働施策総合推進法(いわゆるパワーハラスメント防止法)により、事業主にはパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置が義務づけられています。この義務は大企業で2020年6月1日から、中小企業で2022年4月1日から適用され、現在はすべての企業が対象です。措置の柱のひとつが、労働者からの相談に応じ適切に対応するための体制の整備(相談窓口の設置)です。

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

出典:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第三十条の二第一項(e-Gov法令検索)

厚生労働省の指針は、事業主が講ずべき措置を次の4つに整理しています。相談窓口の設置と担当者による対応は、このうち相談体制の整備にあたります。

  • 事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
  • 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  • 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
  • これらとあわせて講ずべき措置(相談者のプライバシー保護、不利益取扱いの禁止の周知など)
出典・参考資料(2件)

2026年10月1日からは、カスタマーハラスメント(顧客や取引先などからの著しい迷惑行為)への対策も事業主の義務に加わりました。改正法(令和7年法律第63号、2025年6月11日公布)により、顧客等の言動によって労働者の就業環境が害されないよう、相談に応じ適切に対応するための体制の整備などの措置が求められます。

あわせて、就職活動中の学生などに対するセクシュアルハラスメントの防止措置も、同じ日から事業主の義務になりました。

出典・参考資料(2件)

セクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法第11条)、妊娠・出産等に関するハラスメント(同法第15条)、育児休業・介護休業等に関するハラスメント(育児・介護休業法第25条)についても、いずれも「労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」が共通して事業主に義務づけられています。

このように、ハラスメントの種類を問わず、相談を受け止める体制づくりがすべての企業に求められている状況です。

これらの義務は、相談窓口を社内に設けても社外に委託しても満たせるもので、外部の専門家への委託そのものが義務づけられているわけではありません。それでも外部に頼む企業が増えているのは、社内の窓口では相談者が身内に話しにくいこと、調査には中立性が求められること、専門的な判断や継続的な運用に割ける人員が社内に限られることが理由です。

義務を形だけ満たすのではなく、実際に機能する体制にするために、どの部分を外部の専門家に任せるかを検討する企業が多くなっています。

専門家に依頼できる内容(何を外部化できるか)

ここからは、ハラスメント対策のうち外部の専門家に任せられる業務を、内容ごとに整理します。自社に足りていない部分がどれにあたるかを確認してください。

社外相談窓口の受付代行

従業員からのハラスメント相談を、社外の窓口で受け付ける業務です。電話・メール・Webフォームなどで相談を受け、内容を整理して会社の担当部署に報告します。相談者が社内の人間関係を気にせず話せる点が、社内窓口にはない利点です。相談を受けた後、会社側がどう動くかの助言まで含む契約もあります。内部通報制度の外部窓口とあわせて運用する会社も少なくありません。

事案の調査・ヒアリング代行(第三者委員会の設置支援を含む)

実際にハラスメントの申告があったとき、関係者へのヒアリングや事実認定を外部の専門家が代行する業務です。当事者と利害関係のない立場で調査を進めるため、社内調査より結果の公平性を確保しやすくなります。

重大な事案では、弁護士などで構成する第三者委員会の設置を支援し、調査報告書の作成まで担うケースもあります。社内調査では「かばっているのではないか」という疑念が残りやすい場面で、外部に委ねる意味が大きい領域です。

規程・相談フロー・体制整備のコンサルティング

ハラスメント防止規程の作成・見直し、相談から対応までのフロー設計、就業規則への反映などを支援する業務です。法令で求められる措置を自社の実態に合う形に落とし込み、相談窓口を設けるだけで終わらせず、通報があったときに動ける仕組みまで整えます。カスタマーハラスメント対策のように新たに義務化された分野では、マニュアル作成や対応方針の策定から相談するケースが増えています。

研修・講師派遣(eラーニングを含む)

管理職や全従業員に向けた予防教育を行う業務です。集合研修やオンライン研修で講師が登壇する形式のほか、各自の都合に合わせて受講できるeラーニングの形式があります。

管理職向けには部下からの相談の受け止め方や事案発生時の初動、全従業員向けにはハラスメントの定義や相談先の周知といったように、対象に応じて内容を分けるのが一般的です。予防の段階で手を打つ業務であり、本記事で紹介するサービスの多くがこの領域を担います。

ADR・紛争解決

当事者間で解決がつかない場合に、裁判外の手続き(ADR)で話し合いによる解決を図る業務です。あっせんや調停といった形で、中立の第三者が間に入って合意形成を支援します。訴訟に至る前に収束させたい場合や、当事者双方が納得する着地点を探りたい場合に用いられます。対応できる依頼先は限られますが、こじれた事案の出口として選択肢に入れておく価値があります。

加害者・被害者のケアと再発防止

事案が一段落した後のケアや再発防止を支援する業務です。被害を受けた従業員への心理的なケア、行為者に対する再発防止プログラムの提供、職場環境の改善提案などが含まれます。産業カウンセラーや公認心理師などの専門職が関わることが多く、処分だけで終わらせず、同じことを繰り返さない職場づくりまで視野に入れる場合に必要になります。

依頼先のタイプ別の特徴と向き不向き

ここからは、前の章で整理した業務を「誰に頼むか」の観点でタイプに分け、それぞれの特徴と自社への向き不向きを解説します。具体的なサービスの比較は後述の比較表と個別紹介で確認してください。

予防のための研修・教育を頼むなら

まだ大きな事案は起きていないものの、予防教育を全社に行き渡らせたい段階に向くタイプです。研修会社やeラーニング事業者が該当し、受講管理や理解度テストまで含めて提供する製品もあります。

特にeラーニングは、全従業員が都合のよい時間に受講でき、受講履歴を記録として残せるため、措置義務の「周知・啓発」を無理なく回せる点が利点です。管理職だけに深い内容を、全従業員には基礎を、といった受講者別の設計ができるかを確認するとよいでしょう。

一方で、研修は実施するだけでは形だけに終わりやすく、続ける仕組みがなければ定着しにくい面があります。受講が作業のようになって形骸化したり、一時的な実施にとどまって内容を忘れてしまったりしやすいため、受講管理や繰り返し学べる仕組みを備えているかが、研修を選ぶときの着眼点になります。

社外相談窓口・内部通報の受付を頼むなら

相談窓口を設けても社内では相談が集まらない、あるいは中立な受け皿が必要だと感じる場合に向くタイプです。EAP(従業員支援プログラム)事業者や相談窓口の運営を専門とする会社が該当し、従業員規模に応じた月額制で契約するのが一般的です。内部通報制度の外部窓口も兼ねられるか、相談を受けた後に会社へどう連携するか、相談員がどのような資格を持つかが選定の分かれ目になります。

相談窓口を社内に置くか社外に委託するか、設置から日常の運用までの進め方を具体的に知りたい場合は、以下の記事で手順を解説しています。依頼先選びとあわせて、相談体制づくりの全体像を確認できます。

事案調査・体制整備・まとめて相談できる専門家を頼むなら

すでに申告のあった事案を公平に調査したい、規程や体制から作り直したい、あるいは相談から調査・研修・体制整備までをまとめて任せたい場合に向くタイプです。弁護士や社会保険労務士、公益財団法人、ハラスメント対策を専門に扱う法人などが該当します。

調査の中立性を重視するなら、当事者と利害関係のない立場で動けるか、担当者がどの資格を持つかを確認します。一社で幅広く対応できる依頼先は窓口が一本化できる利点がある一方、個別の業務ごとに費用が積み上がるため、何にいくらかかるかを見積もり段階で確かめておくことが大切です。

事案の調査や第三者委員会の設置を主に頼むなら、労働問題に強い弁護士に依頼するのが一般的です。顧問弁護士がいればまず相談でき、いなければ各地の弁護士会の紹介制度も利用できます。

社会保険労務士(ハラスメント防止に関する資格を持つ人)や、中立な立場で調査を担う公益法人・専門法人も選択肢になります。本記事で個別に紹介する依頼先のうち事案調査まで担えるのは一部のため、調査を主目的に探す場合は、こうした専門家もあわせて検討してください。

まず公的な無料支援を使いたいなら

有料の依頼に進む前に、公的な無料の相談先で情報を得る選択肢もあります。都道府県労働局の総合労働相談コーナーや厚生労働省の相談事業などが利用でき、担当者が進め方の助言を受けたり、従業員の駆け込み先として案内したりできます。ただし、これらは自社の相談体制整備の義務を肩代わりするものではない点に注意が必要です。詳しくは公的な無料支援との使い分けで解説します。

自社に合う依頼先を30秒で診断

どのタイプの依頼先が自社に合うか、判断が難しいケースもあります。そのような場合でも、自社の状況に合わせて適した依頼先を手早く見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。いくつかの質問に答えるだけで、合いそうな依頼先のタイプと候補を確認できます。

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【比較表】ハラスメントの依頼先を横並びで比較

ここからは、ハラスメント対策を頼める主な依頼先を、依頼先のタイプ・頼めること・費用の目安・相談員の専門性・対応形態の観点で横並びに整理します。料金は公開されているものは実額を、非公開のものは要問い合わせと記載しています。気になる依頼先は、表の名称から個別紹介へ進んで詳細を確認してください。

← 横にスクロールできます →
依頼先OneCompliancemanebi eラーニングCAREERSHIPクオレ・シー・キューブダイヤモンド・コンサルティングオフィスNextEAP ハラスメント社外相談窓口ダイヤル・サービス「ディアログ」日本ハラスメント協会21世紀職業財団SOMPOリスクマネジメント
依頼先の型研修・教育(eラーニング)研修・教育(eラーニング)研修・教育(eラーニング)研修・教育(相談窓口の受託も)研修・教育(講師登壇)相談窓口(EAP)相談窓口(内部通報+ハラスメント統合)ワンストップ(相談・調査・研修・資格)研修・教育(資格養成も)体制整備コンサル(カスハラ)
主に頼めることハラスメント・カスハラ予防のeラーニング研修
(管理職向け・全従業員向け)
ハラスメント等のeラーニング+集合研修(2時間)
LMSで全社配信
ハラスメント対策のeラーニング(パワハラ〜SOGIハラ等の類型を幅広くカバー)
LMSで全社配信
集合・オンライン研修、eラーニング、社内講師養成、社外相談窓口受託、実態調査ハラスメント研修(役員・管理職・カスハラ・リモハラ等)
相談窓口代行・事案調査は提供なし
社外相談窓口(相談受付・回答)
調査・研修・規定作成はオプション
内部通報とハラスメント相談を1窓口で受付
研修・報告書提出も
相談窓口代行・事案調査(第三者委員会/ADR)・加害者更生・研修・就業規則コンサル・認定資格研修・公開セミナー・相談担当者養成・社外相談窓口受託・体制整備・事案のヒアリング調査代行・実態調査
ハラスメント防止コンサルタント認定資格
カスハラの方針・マニュアル作成、研修(講師派遣)、発生後対応、ネット誹謗中傷のモニタリング
料金の目安初期費用なし
受講者数に応じた月額(10名から・要問い合わせ)
初期費用10万円
月額19,800円〜(LITE・39IDまで定額)
要問い合わせ
(教材まなびプレミアムは1,000ID 月額350円/人〜)
要問い合わせ
(相談対応の公開講座は1名75,000円 ※税別)
要問い合わせ月額33,000円〜(30名まで)/55,000円(31〜100名)/77,000円(101〜300名)※税込
調査は1案件220,000円
要問い合わせ要問い合わせ研修は要問い合わせ
(養成講座77,000円・認定試験11,000円 ※税込)
要問い合わせ(支援期間は概ね3〜8か月)
相談員・担当者の専門性弁護士・大学教授等が教材を監修(公式訴求)公式に記載なし公式に記載なしハラスメント対策専門会社(社外相談窓口の運営実績)代表がハラスメント対策専門家・著者(研修講師)社労士・精神科医・公認心理師・精神保健福祉士・弁護士への取次網(国際EAPコンサルタント関与)社労士・公認心理師・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント等の有資格相談員第三者委員会・調査委員会に弁護士・専門家が関与公益財団法人(ハラスメント防止コンサルタント認定資格を運営)損保グループのリスクコンサルタント
対応形態eラーニング(PC・スマホ対応)eラーニング+集合研修(クラウドLMS)eラーニング(クラウドLMS・大企業向け)集合(来場)・オンライン研修・eラーニングオンライン研修(全国対応)電話・メール・ビデオ会議(Zoom)
平日10:00〜17:30(メールは24時間受付)
電話(平日12:00〜21:00・土日祝9:00〜17:00)・Web(24時間365日)
15言語以上に対応
電話・メール・オンライン(平日10:00〜18:00)
法人・組織のみ(個人相談は不可)
集合・オンライン研修、公開セミナー、社外相談窓口受託コンサル+講師派遣研修(体制構築型)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の料金・対応範囲は各依頼先にご確認ください。

頼みたいこと別のおすすめ依頼先

ここからは、代表的な依頼先を頼みたいこと別に紹介します。それぞれの特徴・費用・相談員の専門性を確認し、自社の課題に合う依頼先を見つけてください。

予防の研修・教育を手がける依頼先

全従業員や管理職への予防教育を担う、研修・eラーニングの依頼先です。相談窓口の受付代行や事案調査の専門家とは役割が異なり、ハラスメントを起こさないための教育を担う選択肢です。受講者別の内容設計や受講管理のしやすさに注目して見比べてください。

1. OneCompliance(株式会社Oyster)

OneComplianceの公式サイト

株式会社Oysterが運営する、コンプライアンス領域に特化したeラーニングです。法務・労務・情報セキュリティなどを含む33コース(2026年10月時点)の中に、ハラスメント予防研修を管理職向け(約70分)と全従業員向け(約64分)に分けて用意しています。

受講状況はダッシュボードで受講者別に一元管理でき、CSV出力や、期限内に終わっていない人への自動リマインドメールにも対応します。1コンテンツ数分のマイクロラーニング形式で、PC・スマートフォンから受講でき、セッションごとの確認テストで受講完了を確かめられます。

カスタマーハラスメントは3コースに分けて用意し、法規制と事業者の義務、事業者間のカスハラ、現場でのクレーム対応までを扱います。初期費用はかからず、受講者数に応じた料金体系で10名から利用でき、本契約の前に機能やコンテンツを試せる無料トライアルがあります。

同サービスを提供する株式会社Oysterの谷口氏は、コンプライアンス研修を選ぶうえで押さえておきたい点を次のように話します。

谷口氏
株式会社Oyster 代表取締役
谷口氏
独自インタビューより

コンプライアンス研修は、やらないといけない一方で後回しになりやすい領域です。だからこそ、研修の中身だけでなく、運用負担が少なく業務が回るか、受講者が続けられるかまで含めて設計することが大事だと思っています。

2. manebi eラーニング(株式会社manebi)

manebi eラーニングの公式サイト

2,100コース・10,000本以上(オプション動画を含む)の教材を月額定額で見放題にできる、株式会社manebiのLMS型eラーニングです。ハラスメントは必須教材として位置づけられ、パワハラ・セクハラ・マタハラから「カスハラ対応と対策」まで、eラーニングでは40〜60分前後の講座で学べます。

一般従業員から管理職までを対象とし、別に「管理職対象ハラスメント研修」も用意するなど、階層別に教材を分けられます。eラーニングに加えて2時間の集合研修もあり、全社員にはeラーニングで基礎を配り、管理職には集合研修を重ねるといった使い分けができます。

受講管理やテスト・アンケート、100GBまでの自社教材アップロードにも対応し、既存の社内教材を取り込んで配信できます。料金は初期費用10万円に月額制で、LITEプランは39IDまで月額19,800円から利用できます。

3. CAREERSHIP(株式会社ライトワークス)

CAREERSHIPの公式サイト

大企業やグループ企業の複雑な組織での運用を想定した、株式会社ライトワークスの統合型LMS(学習管理システム)です。eラーニング配信・研修管理・スキルの可視化を1つにまとめ、誰にいつどの研修を配信するかを柔軟な権限設定で制御できます。

定額教材「まなびプレミアム」にハラスメント対策シリーズが含まれ、パワハラ・セクハラに加えてスメハラ・リモハラ・カスハラ・SOGIハラまで、1本3〜5分の短い教材で扱います。新入社員・若手・管理職など階層別に対応し、全社員へ一括で展開できます。

教材のまなびプレミアムは1,000IDで1人あたり月額350円から、利用規模が大きいほど単価が下がる設定です。LMS本体の料金は要問い合わせで、従業員1,000名以下の企業には別プラン「CAREERSHIP GROWTH」が用意されています。

4. ハラスメント研修(株式会社クオレ・シー・キューブ)

クオレ・シー・キューブのハラスメント研修の公式サイト

1990年設立の、ハラスメント対策を専門に手がける株式会社クオレ・シー・キューブによる研修です。パワハラ・セクハラの基礎から、経営層・役員向け、管理職・一般職向け、マタハラ・SOGIハラ防止まで、受講者層とテーマごとにメニューが分かれています。

来場型の集合研修のほか、1.5〜2時間のオンライン研修、eラーニング・動画教材、課題をヒアリングして組み立てるオーダーメイド研修に対応します。自社で研修を続けられるよう、社内で講師を育てる社内講師養成研修を用意している点も特徴です。

企業向けの研修やオーダーメイドの多くは要問い合わせですが、公開講座では料金を示しているものもあり、相談対応を学ぶ公開講座(1日)は1名75,000円(税別)です。

5. ハラスメント対策研修(ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社)

ダイヤモンド・コンサルティングオフィスの公式サイト

ハラスメント対策専門家を名乗る山藤祐子氏が講師を務める、研修に特化したダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社のサービスです。ハラスメント防止研修に携わって10年、年間3,000人以上が受講しているとしています。

研修は役員対象、管理職・リーダー対象の部下指導ブラッシュアップ、リモートハラスメント対策、カスタマーハラスメント対策というように、受講者層や類型ごとにカリキュラムを分けています。言いかえや部下指導といった、研修後の行動の変化まで踏み込む内容が中心です。

研修はすべてオンラインに対応し、全国から受講できます。相談窓口の代行や事案の調査は手がけておらず、講師が登壇する研修が中心です。料金は公開されておらず、問い合わせで確認する形です。

ここまで紹介した研修・eラーニングに加えて、ハラスメント研修に絞ってより多くの依頼先を比べたい場合は、提供形態(集合・オンライン・eラーニング)や受講対象別に研修会社を整理した以下の記事が参考になります。予防教育だけを手厚く検討したい方はあわせてご覧ください。

社外相談窓口・内部通報の受付を担う依頼先

従業員からの相談を社外で受け止める、相談窓口の受付代行の依頼先です。対応できる受付方法や相談員の資格、会社への連携のしかたを確認してください。

6. ハラスメント社外相談窓口サービス(株式会社NextEAP)

ハラスメント社外相談窓口サービス(NextEAP)のサービスサイト

EAP(従業員支援プログラム)を手がける株式会社NextEAPが運営する社外相談窓口です。相談員が電話・メール・ビデオ会議(原則Zoom)で従業員からの各種ハラスメント相談を受け付け、相談者の同意を得た案件を企業へ通報・状況説明します。受付時間は月〜金の10:00〜17:30で、メールは24時間受け付け、緊急時は休日も第1報を受けます。

基本料金は従業員規模に応じた月額制で、30名まで月額33,000円、31〜100名で55,000円、101〜300名で77,000円(いずれも税込)、301名以上は別途見積もりです。料金を公開していない相談窓口代行が多いなかで、従業員数から概算を出せる点が特徴です。

相談の受付と相談・回答が基本料金に含まれ、行為者・関係者へのヒアリングと調査レポート提出(1案件220,000円)、階層別研修(スポット1回3時間以内で220,000円、外部窓口の契約企業は110,000円)、規定作成支援などは別料金のオプションとして段階的に追加できます。顧問社会保険労務士・提携精神科医・公認心理師・精神保健福祉士・弁護士への取次網を持ち、メンタル不調を伴う相談にも対応します。

7. 内部通報・ハラスメント相談窓口「ディアログ」(ダイヤル・サービス株式会社)

内部通報・ハラスメント相談窓口「ディアログ」のサービスサイト

内部通報(コンプライアンス通報)とハラスメント相談を1つの外部窓口に統合して受託運営するのが、ダイヤル・サービス株式会社の「ディアログ(Dearlog)」です。委託先を別々に契約せず、2種類の相談を1窓口にまとめられる構成で、1969年創業の電話相談の運営実績を持つ会社が手がけています。

受付は電話が平日12:00〜21:00・土日祝9:00〜17:00、Webが24時間365日で、実名・匿名のどちらでも通報・相談できます。Web受付は15言語以上、電話も英語・中国語・韓国語など7言語に対応し、正社員から契約・派遣社員、退職者、役員まで幅広い対象者を受け付けます。

相談員は社会保険労務士・公認心理師・産業カウンセラー・キャリアコンサルタントなどの有資格者と説明されており、通報・相談の翌営業日に個別報告書を提出するほか、月次・年次のまとめ報告書も提供します。料金は公式サイトで公開されておらず、初期費用・月額とも要問い合わせです。

ハラスメント相談と内部通報を一体で外部委託する場合に気になるのが、委託費用の相場です。内部通報窓口を外部に委託するときの費用の内訳や料金体系の見方は、以下の記事で詳しく整理しています。

事案調査・体制整備を担う専門家・団体

起きた事案の調査や、規程・体制の整備、相談から対応までを幅広く任せられる依頼先です。調査の中立性や担当者の専門性、対応できる業務の範囲に注目してください。

8. 日本ハラスメント協会(一般社団法人日本ハラスメント協会)

一般社団法人日本ハラスメント協会 公式サイトのスクリーンショット

ハラスメント対策を専門に掲げる一般社団法人です。社外相談窓口の代行、第三者委員会やADR(裁判外紛争解決手続)による事案調査、加害者向けの更生プログラム、管理職・一般職向けの研修、就業規則コンサルティング、対策アドバイザーの認定資格までを一法人で扱います。

第三者委員会・調査委員会の設置には弁護士や専門家が委員として関与し、当事者へのヒアリングから調査報告書の提出までを担います。対象は企業・団体・行政・学校法人などの法人・組織に限られ、個人からのハラスメント相談は受け付けていません。

同協会は独自に「ハラスメントは46種類」とする分類を発信していますが、これは公的な定義ではなく協会独自の見解です。相談窓口代行の月額、研修単価、認定資格の受講料などの料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせとなります。

9. ハラスメント防止研修・コンサルタント養成講座(公益財団法人21世紀職業財団)

公益財団法人21世紀職業財団 ハラスメント防止事業ページのスクリーンショット

1986年の男女雇用機会均等法の施行を機に設立され、2013年に公益財団法人へ移行した団体です。ダイバーシティ推進とともにハラスメント防止を主要事業とし、企業向けのオーダーメイド研修、公開セミナー、社外相談窓口の受託、職場実態調査までを提供しています。

他の依頼先と異なるのが、ハラスメント防止コンサルタントの養成講座と認定試験を独自に設けている点です。養成講座の受講料は77,000円(税込、テキスト代別途)、認定試験の受験料は11,000円(税込)と公開されています。認定試験には、人事・労務管理経験5年以上や社会保険労務士などの受験資格が定められています。

研修メニューはハラスメント全般研修、相談担当者研修、カスタマーハラスメント対策研修などがあり、役員・管理職・全従業員・相談担当者と対象別に構成されています。これらの研修の料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。公益財団法人としての非営利の立場を背景に持つ依頼先です。

また同財団は、研修・養成講座に加えて、ハラスメントの体制整備と事案解決を支えるサポートも提供しています。防止対策を専門家が点検し、改善策を報告書で提案します。また、事実確認のためのヒアリング調査を有資格者(ハラスメント防止コンサルタント・産業カウンセラー・社会保険労務士など)が中立の立場で代行し、原則としてヒアリング終了後14営業日以内に報告書を提出します。

さらに、ヒアリング結果の受け止め方や行為者への対応方針について、コンサルタントや弁護士が担当者に助言する相談・助言のメニューや、行為者向けのプログラムも用意しています(いずれも被害者個人からの相談は対象外です)。

10. カスタマーハラスメント対策支援(SOMPOリスクマネジメント株式会社)

SOMPOリスクマネジメント株式会社 公式サイトのスクリーンショット

SOMPOホールディングスグループのリスクコンサルティング会社が、2024年6月に開始したカスタマーハラスメント対策の支援サービスです。研修の講師派遣だけでなく、対応方針・マニュアルの作成から発生後対応、再発防止までをコンサルティングとして支援します。

損害保険グループのリスクマネジメントの知見を背景に、インターネット上の誹謗中傷・投稿のモニタリングといった、研修会社にはないメニューを持つ点が特徴です。2026年10月のカスタマーハラスメント対策の義務化に向けて、方針策定から研修・モニタリングまでを組み合わせた体制構築型の支援を想定しています。

支援期間はおおむね3〜8か月とされています。料金は公式サイトで開示されておらず、研修やコンサルティングの費用は要問い合わせです。研修単体ではなく、体制づくりまで外部に委ねたい企業に向いた依頼先といえます。

ハラスメント対策を外部に頼む費用の目安

ここでは、依頼する業務ごとのおおまかな費用の考え方を整理します。各社の実際の料金は比較表と個別紹介を確認してください。料金を公開していない依頼先も多く、その場合は要問い合わせとなります。

社外相談窓口の受付代行は、従業員規模に応じた月額制が一般的で、小規模であれば月額数万円程度から利用できる依頼先があります。相談件数ではなく従業員数で料金が決まる契約が多いため、自社の規模で見積もりを取ると比較しやすくなります。研修・講師派遣は、1回あたりの実施単価や受講人数に応じた料金が中心で、eラーニングは1人あたりの月額・年額で設定されることが多い形です。

事案の調査は1案件ごとの料金で、内容の重さや関係者の人数によって幅があります。規程・体制整備のコンサルティングは、作業範囲に応じた個別見積もりになるのが通例です。相談窓口・調査・研修をまとめて任せられる依頼先では、基本契約に加えて業務ごとにオプション料金が積み上がる形が多いため、必要な業務だけを選べるか、どこまでが基本料金に含まれるかを契約前に確認しておくと、想定外の費用を避けられます。

公開されている料金の例では、社外相談窓口の受付代行が従業員30名規模で月額33,000円程度から、事案1件ごとの調査がおよそ22万円です。ハラスメント防止コンサルタントの養成講座に7万円台という水準もあります。ただし料金を公開していない依頼先も多いため、各依頼先の具体的な金額は上の比較表の料金欄と個別紹介で確認し、非公開のものは要問い合わせで見積もりを取ってください。

公的な無料支援との使い分け

有料の専門家に頼む前に、公的な無料の相談先を活用できる場面があります。ここでは、無料で使える支援と、有料の依頼が必要になる範囲の線引きを整理します。

都道府県労働局の総合労働相談コーナーは、労働者・事業主のどちらも無料・予約不要で利用でき、いじめ・嫌がらせやパワーハラスメントを含む労働問題の相談に対応しています。進め方に迷ったときの助言を得る先として、また従業員の案内先として、まず押さえておくとよいでしょう。

また厚生労働省は、企業のハラスメント個別事案の解決を無料で支援する「ハラスメント事案解決のための伴走型支援」の事業も設けています。労務管理に精通した専門家が全4回にわたって企業に伴走し、速やかな解決に向けた対応策を助言する仕組みで、オンラインでの対応も可能です。

2026年10月1日にはカスタマーハラスメント対策も事業主の義務となっており、新たに対応が必要になった類型でも、まずはこうした公的な支援から入る選択肢があります。

一方で、これらの公的な相談先は、自社の相談体制整備の義務を肩代わりするものではありません。法令が求めているのは、事業主が自ら相談に応じ適切に対応するための体制を整えることであり、公的窓口があるから自社の窓口は不要、とはなりません。

日常的な相談の受け皿づくり、起きた事案の中立な調査、規程や体制の整備、継続的な運用といった、企業が自らの責任で備えるべき部分は、社内で整えるか有料の専門家に委ねる必要があります。公的な無料支援は入口として活用し、自社の体制づくりそのものは別に手当てする、という使い分けが現実的です。

出典・参考資料(3件)

信頼できるハラスメント専門家の見極め方

「ハラスメントの専門家」という肩書きに明確な資格要件はなく、名乗り方だけでは実力が判断しにくいのが実情です。ここでは、依頼先の専門性と中立性を確かめるための着眼点を整理します。

まず確認したいのが、相談対応や調査を担う人がどのような資格・バックグラウンドを持つかです。相談対応では産業カウンセラーや公認心理師、法的な論点では弁護士、就業規則や労務の運用では社会保険労務士、企業の相談窓口運営ではEAPの専門資格といったように、担当する業務に見合った専門職が関わっているかを見ます。

会社の規模や相談員の人数、対応できる時間帯もあわせて確かめると、実際に機能する体制かどうかを判断しやすくなります。

事案の調査を頼む場合は、中立性が特に重要です。当事者や会社と利害関係のない立場で調査できるか、調査結果をどのような報告書の形で示すかを確認します。あわせて、その依頼先が本当にハラスメント対応を主たる専門分野としているかも見ておきたい点です。

別分野を本業とする人が付随的にハラスメント研修を手がけている場合もあるため、ハラスメント対応での実績や、どの業務までを自社で担い、どこからを提携先に委ねるのかを、問い合わせの段階で具体的に聞くと見極めやすくなります。

予防から事案対応・再発防止までの全体像(何を外部化し何を社内に残すか)

最後に、ハラスメント対応の一連の流れの中で、どこを外部に任せ、どこを社内に残すかを整理します。全体像を押さえておくと、自社に足りない部分を見つけやすくなります。

ハラスメント対応の流れを示す図。予防教育・相談の受付・事案の調査・対応・再発防止の5段階が左から右へ並ぶ。外部の専門家が担える範囲は相談の受付・中立な調査・専門的な助言・教育で、社内に残す判断はどの相談を優先するかや処分・改善の最終判断、意思決定と社内の信頼関係づくり。

流れとしては、予防のための教育・周知から始まり、相談の受付、申告があった場合の事実調査、処分や環境改善などの対応、そして再発防止へと続きます。

このうち予防教育は、研修やeラーニングで外部の力を借りやすく、受講管理まで任せれば措置義務の周知・啓発を安定して回せます。相談の受付も、中立な受け皿が必要なら社外窓口に委ねる判断がしやすい部分です。事案の調査は、公平性が強く求められるため、社内で担うと疑念が残りやすく、外部の専門家に任せる意味が大きい工程といえます。

一方で、どの相談を優先し、どのような処分や改善を行うかの最終判断は、会社として社内に残すべき部分です。外部の専門家は、相談の受付・中立な調査・専門的な助言・教育を担いますが、意思決定と社内の信頼関係づくりまでは代行できません。自社のどの工程が手薄かを見極め、そこに合う依頼先を選ぶことが、形だけでなく実際に機能するハラスメント対策につながります。

まとめ

ハラスメント対策を外部の専門家に頼むといっても、相談窓口の受付代行、事案の調査、規程・体制整備のコンサルティング、研修、紛争解決まで、頼める内容は幅広く、得意とする依頼先もそれぞれ異なります。パワーハラスメント防止法に加え、2026年10月1日からはカスタマーハラスメント対策も義務化され、すべての企業に相談体制の整備が求められています。

公的な無料の相談先も活用しつつ、自社で手薄な工程を見極めて、それに合う専門家に任せることが現実的な進め方です。

まずは自社がどの段階で手当てを必要としているかを整理し、依頼先のタイプ・費用・相談員の専門性を比較したうえで、資料を取り寄せて具体的に検討してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. ハラスメント専門家とは何ですか?

A. ハラスメント専門家とは、企業のハラスメント対策(予防・相談対応・事案調査・体制整備など)を外部から支援する専門の事業者や有資格者の総称です。

社外相談窓口の受付を代行する会社、起きた事案を中立に調査する専門家、研修講師、規程や体制を整えるコンサルタント、弁護士・社会保険労務士・産業カウンセラー・公認心理師といった士業・専門職まで幅広く含みます。「ハラスメント専門家」という肩書きそのものに明確な資格要件はないため、誰にどの業務を任せられるかは依頼先ごとに確認が必要です。

Q. ハラスメント専門家には何を頼めますか?

A. ハラスメント専門家には、社外相談窓口の受付代行、起きた事案の調査・ヒアリング代行、規程・相談フロー・体制整備のコンサルティング、研修・講師派遣、ADR(裁判外の紛争解決)、加害者・被害者のケアと再発防止までを頼めます。

予防のための研修から、相談の受付、事案の調査・解決、再発防止の体制づくりまで、ハラスメント対応の一連の流れのどの段階でも使えます。すべてを一社に任せる方法もあれば、段階ごとに得意な依頼先を使い分ける方法もあるため、まずは自社がどの段階で手当てを必要としているかを整理しておくと選びやすくなります。

Q. ハラスメント対策を外部に頼む費用の目安はどのくらいですか?

A. 費用は依頼する業務によって大きく変わり、社外相談窓口は従業員規模に応じた月額制(小規模なら月額数万円程度から)、研修は1回あたりの実施単価やeラーニングの1人あたり月額・年額、事案の調査は1案件ごとの料金が目安です。

料金を公開していない依頼先も多く、その場合は要問い合わせになります。相談窓口・調査・研修をまとめて任せられる依頼先では、基本契約に加えて業務ごとにオプション料金が積み上がる形が多いため、どこまでが基本料金に含まれるかを契約前に確認しておくと、想定外の費用を避けられます。

Q. ハラスメント相談窓口は社内と社外のどちらに設けるのがよいですか?

A. ハラスメント相談窓口は社内・社外のどちらに設けても法令上の義務を満たせますが、相談者が身内に話しにくい場合や調査の中立性を確保したい場合は社外の窓口が向きます。

社内窓口は事情を把握しやすく費用を抑えやすい一方、相談者が「身内に話しにくい」と感じて機能しないことがあります。社外窓口は中立な受け皿になりますが、会社側への連携のしかたを契約で確認しておく必要があります。社内に一次窓口を置きつつ社外窓口を併設する使い分けも可能です。

Q. 公的な無料相談があるのに、有料のハラスメント専門家に頼む必要はありますか?

A. 公的な無料相談は企業の相談体制整備の義務を肩代わりするものではないため、日常的な窓口の運用・中立な事案調査・規程や体制の整備といった部分は、社内で整えるか有料の専門家に頼む必要があります。

都道府県労働局の総合労働相談コーナーや、厚生労働省の「ハラスメント事案解決のための伴走型支援」は、進め方に迷ったときの助言を得る先として、また従業員の案内先として無料で活用できます。ただし法令が求めているのは事業主が自ら相談に応じ適切に対応する体制を整えることなので、公的窓口は入口として使い、自社の体制づくりそのものは別に手当てする、という使い分けが現実的です。

出典・参考資料(2件)

Q. ハラスメント相談窓口の設置は法律上の義務ですか?

A. 相談窓口を含む相談体制の整備は、労働施策総合推進法(パワーハラスメント防止法)によりすべての企業に義務づけられています。

この義務は大企業で2020年6月1日から、中小企業で2022年4月1日から適用され、現在はすべての企業が対象です。セクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法)、妊娠・出産等に関するハラスメント、育児休業・介護休業等に関するハラスメント(育児・介護休業法)についても、同じく「労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」が共通して事業主に義務づけられています。

ただし、窓口は社内・社外のいずれでも満たせるもので、外部の専門家への委託そのものが義務づけられているわけではありません。

出典・参考資料(2件)

Q. カスタマーハラスメント対策はいつから事業主の義務になりましたか?

A. カスタマーハラスメント対策は、2026年10月1日から事業主の義務になりました。

改正法(令和7年法律第63号、2025年6月11日公布)により、顧客や取引先などからの著しい迷惑行為によって労働者の就業環境が害されないよう、相談に応じ適切に対応するための体制の整備などの措置が求められます。あわせて、就職活動中の学生などに対するセクシュアルハラスメントの防止措置も同じ日から義務化されました。

パワーハラスメント防止措置と同様に、カスタマーハラスメント対策でも相談体制の整備が柱になります。

出典・参考資料(2件)

Q. 事案の調査を外部に頼むと、どのように中立性が確保されますか?

A. 事案の調査を外部に頼むと、当事者や会社と利害関係のない第三者が関係者への聞き取りと事実認定を担うため、社内調査で生じがちな「身内をかばっているのではないか」という疑念を避けやすくなります。

重大な事案では、弁護士などで構成する第三者委員会の設置を支援し、調査報告書の作成まで担うケースもあります。中立性を重視するなら、依頼先が当事者と利害関係のない立場で動けるか、調査結果をどのような報告書の形で示すかを、問い合わせの段階で確認するとよいでしょう。

Q. 信頼できるハラスメント専門家はどう見極めればよいですか?

A. 信頼できるハラスメント専門家は、担当者の資格・経歴が依頼する業務に見合っているか、ハラスメント対応を主たる専門分野としているか、事案調査では中立性を保てるかで見極めます。

相談対応では産業カウンセラーや公認心理師、法的な論点では弁護士、就業規則や労務の運用では社会保険労務士、相談窓口の運営ではEAPの専門資格といったように、担当する業務に見合った専門職が関わっているかを確認します。

「ハラスメント専門家」という肩書きには明確な資格要件がなく、別分野を本業とする人が付随的に手がけている場合もあるため、ハラスメント対応での実績や、どの業務までを自社で担いどこからを提携先に委ねるのかを具体的に聞くと見極めやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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