従業員が退職することになり、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格喪失届を自社で出すことになったものの、「提出期限は何日以内だったか」「資格喪失年月日は退職日の翌日か当日か」「保険証はどこまで回収して添付するのか」があやふやなまま手が止まっていないでしょうか。社会保険の資格喪失手続きは経験の浅い担当者も多く、期限や記入内容を間違えると届出が差し戻され、保険料の計算にも影響します。
この届出は提出期限が資格喪失日から5日以内と短く、退職日が迫っているほど、まず「いつまでに・どこへ出すのか」を正確に押さえることが欠かせません。あわせて、資格喪失年月日の決め方や添付書類は、協会けんぽか組合健保か、退職か年齢到達かといった事情で扱いが変わります。
本記事では、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届について、提出期限と提出先、資格喪失年月日の決め方、添付書類、様式の入手と記入方法、提出方法、月末退職の社会保険料の扱い、雇用保険の喪失届との違いまでを整理します。退職手続きを担当する方が、自社のケースに当てはめて正しく届出を出すための手引きとしてご活用ください。
目次
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被保険者資格喪失届とは|提出が必要になる主なケース
被保険者資格喪失届(正式名称:健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届)は、従業員が健康保険・厚生年金保険の被保険者でなくなったときに、事業主が保険者へ届け出る書類です。健康保険法第48条と厚生年金保険法第27条が事業主に資格喪失の届出を義務づけており、健康保険分と厚生年金分は1枚の様式でまとめて届け出ます。
提出が必要になるのは、被保険者が資格を失う次のような場合です。自社の従業員がどれに当たるかを確認してから、以降の提出期限や資格喪失年月日の確認に進んでください。
- 退職・解雇により、その事業所に使用されなくなったとき
- 死亡したとき
- 転勤・出向などで適用事業所が変わったとき(異動先で新たに資格を取得します)
- 労働時間の短縮など雇用契約の変更により、社会保険の加入要件を満たさなくなったとき
- 70歳に到達したとき(厚生年金保険の資格を喪失。健康保険は継続)
- 75歳に到達したとき(後期高齢者医療制度へ移り、健康保険の資格を喪失)
- 65歳以上75歳未満で一定の障害の状態と認定され、後期高齢者医療制度へ移るとき(健康保険の資格を喪失)
このほか、60歳以上の従業員を退職後1日も空けずに再雇用する場合は、退職にともなう資格喪失届と、同じ日付の資格取得届を同時に提出します(同日得喪)。退職日が確認できる就業規則・退職辞令の写しと、継続再雇用が分かる雇用契約書の写し(または両方を兼ねる事業主の証明書)を添付します。これにより、再雇用後の報酬にもとづいて標準報酬月額を決め直せます。
出典・参考資料(3件)
【結論】提出期限と提出先
まず結論として、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届の提出期限と提出先は次のとおりです。急いで確認したい場合は、この表だけ押さえれば届出の期日と出し先が分かります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 資格喪失日から5日以内(資格喪失の事実が発生した日が起算日) |
| 提出先(協会けんぽ) | 事業所を管轄する年金事務所、または事務センター(日本年金機構) |
| 提出先(組合健保) | 健康保険分は加入する健康保険組合、厚生年金分は年金事務所(事務センター)に分けて提出 |
| 提出方法 | 窓口持参/郵送/電子申請(e-Gov)のいずれか |
| 届け出る人 | 事業主(会社) |
提出期限の5日以内は、健康保険法施行規則第29条・厚生年金保険法施行規則第22条で定められた期間です。起算点は「当該事実があった日」、つまり資格喪失日です。
資格喪失日は退職日の翌日になるため、たとえば3月20日に退職した従業員は、資格喪失日が3月21日となり、その3月21日から5日以内に届け出ます。3月31日退職なら資格喪失日は4月1日です。資格喪失日の決め方は次の章で詳しく解説します。
退職日・資格喪失日・提出期限の関係を図にすると次のとおりです。

法第四十八条の規定による被保険者の資格の喪失に関する届出は、当該事実があった日から五日以内に、様式第八号又は様式第八号の二による健康保険被保険者資格喪失届を機構又は健康保険組合(様式第八号の二によるものである場合にあっては、機構)に提出することによって行うものとする。
出典:健康保険法施行規則 第29条|e-Gov法令検索
提出先は、加入している健康保険の種類で変わります。協会けんぽ(全国健康保険協会)の場合は、健康保険分も厚生年金分も日本年金機構(管轄の年金事務所または事務センター)へまとめて提出します。健康保険組合に加入している場合は、厚生年金分を年金事務所へ、健康保険分を加入先の健康保険組合へと、提出先が分かれる点に注意してください。
出典・参考資料(3件)
資格喪失年月日の決め方
届出でつまずきやすいのが、資格喪失年月日をいつにするかです。退職日の「翌日」になるケースと「当日」になるケースがあり、間違えると届出の差し戻しや保険料計算のずれにつながります。事由ごとの資格喪失年月日は次のとおりです。自社のケースに当たる行を確認してください。
| 資格喪失の事由 | 資格喪失年月日 |
|---|---|
| 退職・解雇 | 退職日の翌日 |
| 死亡 | 死亡日の翌日 |
| 転勤・適用事業所の変更 | 異動の当日 |
| 雇用契約の変更で加入要件を満たさなくなったとき | 要件を満たさなくなった当日 |
| 75歳到達(健康保険の喪失) | 誕生日の当日 |
| 障害認定(健康保険の喪失) | 認定日の当日 |
| 70歳到達(厚生年金の喪失) | 誕生日の前日 |
退職・死亡が「翌日」になるのは、健康保険法第36条・厚生年金保険法第14条が、資格を失う事由に「該当するに至った日の翌日」に資格を喪失すると定めているためです。たとえば3月31日付けで退職した場合、資格喪失日は4月1日になります。一方、転勤や雇用契約の変更、75歳到達などは「当日」が資格喪失日です。
70歳到達による厚生年金の資格喪失だけは扱いが異なり、資格喪失日は誕生日の前日になります。これは厚生年金保険法第14条第5号が70歳到達の場合を「その日」としており、年齢計算に関する法律により「70歳に達した日」が誕生日の前日を指すためです。
退職せず同じ事業所で働き続けながら70歳に到達する場合は、70歳以上被用者としての届出が必要になることがあり、様式や記入欄が通常の退職とは異なります。
ただし2019年4月以降は、70歳到達日以後も同じ事業所で継続して使用され、到達日時点の標準報酬月額相当額が到達日の前日と同額であれば、事業主からの70歳到達届の提出は不要です。この場合は、日本年金機構が資格喪失と70歳以上被用者該当を自動で処理します。報酬が下がるなど金額が変わる場合は、従来どおり届出が必要です。
出典・参考資料(3件)
添付書類(協会けんぽ/組合健保の違いと回収不能届)
資格喪失届には、退職する従業員から回収した書類を添付します。回収する対象や添付先は、加入している健康保険の種類によって変わります。回収するのは、退職者本人とその被扶養者が持っている健康保険証です。マイナ保険証への移行後に交付された「資格確認書」も同じく回収の対象で、本記事では以下「資格確認書」と表記します。
被保険者が資格を失うと、その被扶養者も同じ日に健康保険の被扶養者でなくなります。本人分だけでなく被扶養者分の資格確認書もあわせて回収するのは、このためです。退職者が国民健康保険へ加入したり家族の扶養に入ったりする際は、被扶養者分も含めて切り替えが必要になります。
| 区分 | 協会けんぽ | 組合健保 |
|---|---|---|
| 資格喪失届の提出先 | 年金事務所/事務センター(日本年金機構) | 厚生年金分は年金事務所、健康保険分は健康保険組合 |
| 日本年金機構への添付書類 | 資格確認書、高齢受給者証、各種認定証(交付されている場合のみ) | 特になし(健康保険分の回収は健康保険組合へ) |
| 回収範囲 | 本人分と被扶養者分のすべて | 加入先の健康保険組合の案内に従う |
| 回収できないとき | 「資格確認書回収不能届」を添付 | 健康保険組合の指定様式で届け出る |
協会けんぽの場合は、資格確認書を本人分と被扶養者分のすべて回収して添付します。高齢受給者証や各種認定証が交付されているときは、それらもあわせて回収します。退職者が資格確認書を紛失するなどして回収できないときは、「資格確認書回収不能届」を添付することで手続きを進められます。
組合健保の場合、日本年金機構へ提出する厚生年金分には添付書類は特になく、健康保険分の資格確認書の回収などは加入先の健康保険組合の案内に従います。
様式の入手先と記入方法・書き方
ここからは、届出の様式をどこで手に入れ、どの欄に何を書くかを順に説明します。様式を入手してから主要な記入欄を確認すると、手元の用紙を見ながら書き進められます。
様式の入手先
資格喪失届の様式は、日本年金機構の公式サイトからExcel形式でダウンロードできます(下記リンク)。協会けんぽ・組合健保のいずれも、厚生年金分を含む資格喪失届は日本年金機構の様式(様式第八号)を使います。電子申請を利用する場合は、後述のe-Govから届書を作成します。
主要な記入欄と書き方
資格喪失届の主要な記入欄は次のとおりです。手元の様式と照らし合わせながら、上から順に記入すると漏れを防げます。
- 事業所整理記号・事業所番号:年金事務所から交付された適用通知書などで確認して記入します。
- 被保険者整理番号:対象となる従業員の番号を記入します。
- 氏名・生年月日・個人番号(または基礎年金番号):従業員ごとに記入します。
- 資格喪失年月日:前章で確認した日付を記入します(退職なら退職日の翌日など)。
- 喪失(不該当)原因:退職・死亡・75歳到達など、該当する区分の番号を選びます。
- 資格確認書の枚数:回収した資格確認書の枚数を記入します。
- 70歳不該当:70歳以上の従業員が対象となる場合に記入します。
各欄の具体的な記入例や喪失原因の区分番号は、日本年金機構の記載要領で確認できます。
提出方法(窓口持参/郵送/電子申請)
記入した届書の提出方法は、窓口持参・郵送・電子申請の3通りです。郵送の場合は事務センター宛てに送ります。電子申請は、e-Gov(電子政府の総合窓口)から届書を作成して送信します。
e-Govでは、2024年12月以降の手続きとしてCSVファイル添付方式の資格喪失届が用意されています。電子申請には電子署名が必要ですが、GビズIDを利用する場合は電子署名を省略できます。手数料はかかりません。複数の従業員の資格喪失をまとめて届け出る場合や、ペーパーレスで手続きを完結させたい場合に適しています。
月末退職と社会保険料の控除
資格喪失の手続きとあわせて確認しておきたいのが、社会保険料をいつの分まで控除するかです。社会保険料は資格喪失日の属する月の前月分まで発生し、資格喪失月の分は発生しません。資格喪失日は退職日の翌日になるため、退職日が月末かどうかで、控除する保険料の月数が変わります。
| 退職のパターン | 資格喪失日 | 保険料の扱い |
|---|---|---|
| 月末退職(例:3月31日退職) | 翌月1日(4月1日) | 退職月(3月)分まで保険料が発生。最終給与で前月分と退職月分の2か月分を控除できる |
| 月末以外の退職(例:3月20日退職) | 同月中(3月21日) | 前月(2月)分まで。退職月(3月)分の保険料は発生しない |
| 同一月に入社・退職(同月得喪) | 入社月中 | その月の健康保険料・厚生年金保険料が1か月分発生する |
| 退職月に賞与を支給したとき | 退職日に応じる | 資格喪失日の属する月に支給された賞与には保険料がかからない |
月末退職では資格喪失日が翌月1日となるため、退職月分まで保険料がかかります。社会保険料は通常、前月分を当月の給与から控除しますが、退職月は健康保険法第167条・厚生年金保険法第84条により、前月分とその月分の2か月分を控除できます。月末以外の退職では、資格喪失日が同月中になるため、退職月分の保険料は発生しません。保険料は会社と本人が折半して負担します。
同一月に入社と退職があった場合(同月得喪)は、その月の保険料が1か月分発生します。ただし、厚生年金について同じ月にさらに別の厚生年金または国民年金(第2号被保険者を除く)の資格を取得した場合は、先に喪失した分の厚生年金保険料の納付が不要となります。この場合は、年金事務所から会社宛てに還付の案内が送られます。
賞与にかかる社会保険料も同じ考え方で、資格喪失日の属する月に支給された賞与には保険料がかかりません。退職月に賞与を支給する場合は、支給日と資格喪失日の関係を確認してください。退職月の給与計算は控除の月数を誤りやすいため、資格喪失日を正しく確定したうえで処理してください。
出典・参考資料(3件)
退職者に交付する資格喪失証明書
退職する従業員は、退職後に国民健康保険や国民年金へ切り替えたり、家族の扶養に入ったりする際に、社会保険の資格を失ったことを証明する書類を求められることがあります。これが健康保険・厚生年金保険資格喪失証明書です。市区町村での国民健康保険の加入手続きで提示を求められることが多く、退職者からの依頼に応じて会社が作成・交付します。
資格喪失証明書は法令で様式が定められた届出書類ではありませんが、退職者が切り替え手続きをスムーズに進められるよう、資格喪失届の提出とあわせて準備しておくと退職後の問い合わせを減らせます。日本年金機構に資格喪失届を提出した後は、「健康保険・厚生年金保険資格取得・喪失等確認通知書」で資格喪失が確認できます。
雇用保険被保険者資格喪失届との違い
退職手続きでは、健康保険・厚生年金保険の資格喪失届とは別に、雇用保険の資格喪失届も必要です。2つは制度が異なり、提出先も期限も別なので、片方だけで済ませないよう注意してください。
| 項目 | 健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 | 雇用保険被保険者資格喪失届 |
|---|---|---|
| 提出先 | 年金事務所・事務センター(協会けんぽ)/健康保険組合 | 事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所) |
| 提出期限 | 資格喪失日から5日以内 | 被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内 |
| 根拠 | 健康保険法施行規則第29条・厚生年金保険法施行規則第22条 | 雇用保険法施行規則第7条 |
| あわせて必要な書類 | 資格確認書 ほか | 離職証明書(離職票が必要な場合) |
雇用保険の資格喪失届は、提出先がハローワークで、提出期限も「被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内」と、起算日と日数がどちらも社会保険の届出と異なります。退職者が失業給付を受ける場合は、資格喪失届とあわせて離職証明書を提出し、離職票を交付します。社会保険と雇用保険の手続きは別々に進める必要がある点を押さえておきましょう。
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社会保険手続きまで任せられる給与計算アウトソーシングという選択肢
資格喪失届の提出に加え、資格喪失年月日の確定、添付書類の回収、退職月の保険料控除、雇用保険の喪失届と、退職手続きは工程が多く、担当者が入れ替わると知識が途切れがちです。こうした入退社に伴う社会保険・労働保険の手続きを、給与計算とあわせて外部に委託できるのが給与計算アウトソーシングです。ここでは、資格取得・喪失届などの社会保険手続きまで対応するサービスを紹介します。
以下はご紹介するサービスの比較表です。
| サービス名 | NOC給与計算アウトソーシング(現FOC) | COMIT HR | アクタス |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | 芙蓉アウトソーシング& コンサルティング株式会社 (FOC) | 株式会社InfoDeliver | アクタス社会保険労務士法人 |
| 受託できる社会保険手続き | 資格取得・喪失届の作成、 行政機関への届出、 社会保険算定・月額変更、 労働保険年度更新 | 資格取得・喪失届の作成と 届出(電子・郵送・持ち込み)、 随時改定・定時決定、 労働保険年度更新 | 資格取得・喪失、算定基礎届、 月額変更届などの 代理・代行 |
| 社会保険手続きの担当 | NOC社会保険労務士法人 または提携社労士事務所 | 提携する社会保険労務士 法人(事務所) | 自法人(社会保険労務士 法人)が担当 |
| 対応業務(給与計算のほか) | 年末調整、入退社対応、 勤怠管理、社員問い合わせ窓口 (入退社・勤怠等はオプション) | 年末調整、入退社手続き、 勤怠管理、住民税、 従業員問い合わせ窓口 | 年末調整、マイナンバー管理、 各種届出の期限管理、 国際税務対応 |
| 対象企業規模 | 主に300名以上 (300名以下も相談可) | 導入事例は400〜1,100名 (下限・上限の明記なし) | 100名超〜1,000名超の 事例あり(規模制限の明記なし) |
| 料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※掲載内容は2026年10月時点の各社公式サイト等の公表情報に基づきます。受託範囲・担当・料金の詳細は各社へご確認ください。
ここで取り上げた3社に限らず、委託できる業務範囲や料金体系、自社の従業員規模に応じた選び方まで給与計算アウトソーシングを幅広く比較して検討したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
1. NOC給与計算アウトソーシング(現FOC)(芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社)

芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社(旧NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社)が提供する、給与計算を中心に人事労務業務を請け負う給与計算特化型のアウトソーシングサービスです。業務内容をヒアリングしたうえで受託範囲を設計する方式で、画一的なパッケージではなく企業ごとの運用に合わせられる点が特徴です。
給与・賞与計算や年末調整に加え、基本サービスの「社会保険・労働保険業務」として、社会保険の算定や月額変更、資格取得・喪失届の作成、行政機関への届出に対応します。社会保険・労働保険の手続きは、NOC社会保険労務士法人または提携する社会保険労務士事務所が担います。
自社開発のクラウド「SMART LINKシリーズ」(勤怠管理・人事管理・Web明細・ワークフロー)との統合提供もでき、既存システムとの手作業連携を減らせます。料金は業務範囲や従業員規模に応じた個別見積もりです。
2. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)

COMIT HRは、株式会社InfoDeliverが運営する人事労務BPOサービスです。給与計算を基盤に、勤怠管理・社会保険手続き・年末調整・入退社手続き・従業員からの問い合わせ対応まで、委託したい業務を組み合わせて利用できる設計になっています。
社会保険・労働保険の分野では、資格取得・喪失の届作成と提出、保険料の管理・納付、定時決定・随時改定、労働保険の年度更新などに対応します。社会保険に関する申請と手続き代理は社会保険労務士の独占業務にあたるため、提携する社会保険労務士(法人・事務所)が担当し、窓口はCOMIT HRに一本化できる体制です。
すでに社労士事務所へ委託している場合は、その契約を続けながら給与計算などだけを委託することもできます。料金は対象人数や委託する業務に応じた個別見積もりで、公式サイトの価格シミュレーションで委託前にコスト感を把握できます。
3. アクタス 給与計算アウトソーシング(アクタス社会保険労務士法人)

アクタス社会保険労務士法人が契約主体となって提供する給与計算アウトソーシングです。社会保険手続きの代理・代行は社会保険労務士の独占業務にあたります。一般的な給与計算アウトソーシング会社が社労士と提携するのに対し、アクタスは社労士法人自身が、給与計算から社会保険・労働保険の手続き、年末調整までを一元的に受託します。
給与計算のみ・社会保険手続きのみといった業務単位の部分委託にも対応し、自社の状況に合わせて切り出して任せられます。導入時にはグループのアクタスITコンサルティング株式会社のコンサルタントが導入を支援し、標準的な稼働開始までの目安は約3か月です。RPAによる定型業務の自動処理や、クラウド上での申請・承認にも対応します。料金は委託する業務範囲に応じた個別見積もりです。
まとめ
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届は、資格喪失日から5日以内に、協会けんぽなら年金事務所・事務センターへ、組合健保なら厚生年金分を年金事務所・健康保険分を健康保険組合へ提出します。資格喪失年月日は退職・死亡なら翌日、転勤・雇用契約変更・75歳到達なら当日、70歳到達なら誕生日の前日と事由で変わり、添付書類は本人と被扶養者の資格確認書を回収して添付します。
月末退職では退職月分まで保険料がかかり、最終給与で2か月分を控除できる点や、雇用保険の喪失届は提出先・期限が別である点も押さえておくと、退職手続き全体を正確に進められます。まずは日本年金機構の様式をダウンロードし、本記事の表で自社のケースを確認しながら記入してみてください。手続きの負担が大きい場合は、入退社の社会保険手続きまで委託できる給与計算アウトソーシングの利用も選択肢になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 被保険者資格喪失届とは何ですか?
A. 被保険者資格喪失届とは、従業員が退職・死亡・年齢到達などで健康保険・厚生年金保険の被保険者でなくなったときに、事業主が保険者へ提出する届出です。健康保険法第48条・厚生年金保険法第27条が事業主に届出を義務づけており、健康保険分と厚生年金分を1枚の様式でまとめて、資格喪失日から5日以内に提出します。
出典・参考資料(3件)
Q. 被保険者資格喪失届の資格喪失年月日は、退職日の当日と翌日のどちらですか?
A. 退職・死亡による資格喪失の場合、資格喪失年月日は退職日・死亡日の「翌日」です。健康保険法第36条・厚生年金保険法第14条が「該当するに至った日の翌日」に資格を喪失すると定めているためで、たとえば3月31日付けで退職した場合の資格喪失日は4月1日になります。一方、転勤・雇用契約の変更・75歳到達は「当日」、70歳到達(厚生年金の喪失)だけは誕生日の「前日」が資格喪失日になります。
出典・参考資料(3件)
Q. 被保険者資格喪失届の提出先は、協会けんぽと組合健保で違いますか?
A. 協会けんぽの場合は健康保険分・厚生年金分ともに日本年金機構(管轄の年金事務所または事務センター)へまとめて提出し、組合健保の場合は厚生年金分を年金事務所へ、健康保険分を加入先の健康保険組合へと分けて提出します。加入している健康保険の種類で提出先が変わるため、自社がどちらに加入しているかを先に確認してください。いずれの場合も厚生年金分を含む資格喪失届の提出期限は、資格喪失日から5日以内です。
Q. 被保険者資格喪失届の提出が遅れたり、提出しなかったりするとどうなりますか?
A. 被保険者資格喪失届の提出は法律上の義務で、遅れると退職者が国民健康保険・国民年金へ切り替える手続きや、家族の扶養に入る手続きを進められなくなります。健康保険法第48条・厚生年金保険法第27条が事業主に届出を義務づけており、会社が届け出て保険者が資格喪失を処理するまで、退職者は社会保険の資格を失ったことを公的に証明できません。
退職者とのトラブルや保険料計算のやり直しを避けるため、資格喪失日から5日以内の期限内に提出してください。
出典・参考資料(3件)
Q. 同じ月に入社して退職した従業員(同月得喪)の社会保険料はどうなりますか?
A. 同一月に入社と退職があった場合(同月得喪)は、その月の健康保険料・厚生年金保険料が1か月分発生します。ただし厚生年金については、同じ月にさらに別の厚生年金または国民年金(第2号被保険者を除く)の資格を取得した場合、先に喪失した分の厚生年金保険料の納付は不要となり、年金事務所から会社あてに還付のお知らせが送られます。
退職月の給与計算では控除する月数を誤りやすいため、資格喪失日を正しく確定したうえで処理してください。
Q. 退職者が資格確認書(健康保険証)を返してくれないときはどうすればよいですか?
A. 退職者が資格確認書を紛失するなどして回収できないときは、「資格確認書回収不能届」を添付して資格喪失届を提出できます(協会けんぽの場合)。本来は本人分と被扶養者分の資格確認書をすべて回収して添付しますが、回収できない事情があっても、この回収不能届を添えることで手続きを進められます。組合健保の場合は、加入先の健康保険組合が定める様式や案内に従って回収・届出を行ってください。
Q. 健康保険・厚生年金の資格喪失届を出せば、雇用保険の喪失届も提出したことになりますか?
A. いいえ、健康保険・厚生年金保険の資格喪失届と雇用保険被保険者資格喪失届は別制度の手続きで、それぞれ別に提出する必要があります。雇用保険の喪失届は、提出先が事業所を管轄するハローワーク、提出期限が「被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内」と、提出先・起算日・日数のいずれも社会保険の届出と異なります。退職者が失業給付を受ける場合は、離職証明書もあわせて提出します。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















