内装工事の案件管理と、建材・資材の仕入や物販・在庫の管理が別々のツールに分かれ、同じ数字を何度も入力していませんか。案件ごとの最終利益が締めまで見えない、前受金や出来高、現場ごとの請求で計上漏れや二重計上が起きる、といった悩みも、内装工事会社では珍しくありません。
工事と材料販売をまたいで受注から原価・請求までを一つの仕組みで扱い、締めを待たずに案件ごとの採算を把握するには、どのような販売管理システムを選び、どの提供会社に相談すればよいのでしょうか。
この記事では、内装工事会社に合う販売管理システムを、料金・提供形態・内装や建設業での導入実績・会計やECとの連携に加え、製品を提供・開発する会社まで含めて比較します。工事と材料販売・在庫を一体で扱うタイプから、案件別の原価管理を重視するタイプ、小規模向けの手軽なタイプ、会計・人事まで統合するタイプまで、自社の業務スタイルに合わせて選べるよう整理しました。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
本記事の対象範囲
この記事は、内装仕上工事や間仕切り・膜天井・リフォームなどの職別工事を手がけ、あわせて建材・設備などの物販や在庫も抱える内装工事会社を対象としています。工事(案件)の管理と、材料の販売・仕入・在庫をまたいで、受注から見積・売上・原価・請求までを一つの仕組みで扱いたい会社を想定しています。
社員が十数名から数十名の中小規模が中心ですが、会計・人事まで全社で統合したい中堅規模の内装・建設会社のニーズも扱います。工事を伴わず物販のみを行う会社や、製造業・小売業向けの在庫管理が主目的の会社は、内装業に絞り込まない販売管理システム全般の比較が参考になります。
内装業に絞り込まず、販売管理システム全般を業種を問わず比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
内装業における販売管理システムとは(工事と材料販売を一体で扱う基幹システム)
ここからは、内装業における販売管理システムとは何かを整理します。
販売管理システムは、見積・受注から売上・請求・入金、そして仕入・在庫までの一連の商取引を一元管理する基幹システムです。受注ごとの進捗や売掛・買掛、在庫数量を一つの仕組みで扱うことで、二重入力や転記ミスを防ぎます。
内装工事会社の場合、この販売管理に「工事(案件)の管理」が重なります。現場ごとに材料を仕入れて施工し、同時に建材や設備を物販として販売する会社も多いため、工事と材料販売・在庫を切り離さずに扱えることが基幹システムの要点になります。案件単位で材料費・外注費・労務費を集計し、売上と対応させて採算を見られる仕組みが、商業簿記だけを前提とした一般的な販売管理ソフトとの違いです。
内装工事会社に販売管理システムが必要な理由とよくある課題
内装工事会社が販売管理システムの導入を検討する背景には、日々の業務で感じる次のような困りごとがあります。自社に当てはまるものがあるか確認してみてください。
- 工事と物販・在庫の管理が分断し、二重入力が発生している:工事台帳はExcel、材料の販売・在庫は別ソフト、というように仕組みが分かれ、同じ取引を何度も入力している。
- 案件ごとの最終利益が締めまで見えない:売上から材料費・外注費・労務費・諸経費を差し引いた利益が、月次の締めを待たないと分からず、採算の悪い案件に気づくのが遅れる。
- 前受金・出来高・現場別請求で請求漏れや二重計上が起きる:着工前の前受金や、工事の進み具合に応じた出来高請求、現場ごとの請求など、請求の形が複雑で漏れや重複が生じやすい。
- 仕掛原価の把握に工数がかかる:まだ売上に立っていない仕入や在庫(仕掛原価)がいくらあるかを月次で集計するのに手間がかかり、資金繰りの見通しが立てにくい。
- 過去の案件情報が属人化している:見積の根拠や協力会社とのやり取りが担当者の記憶や個人のファイルに残り、担当が変わると引き継げない。
これらはいずれも、工事と物販が重なり、案件ごとに原価と請求が動く内装業ならではの症状です。次章では、これらを選定時に見るべき管理論点として整理します。
内装業特有の管理論点と販売管理システムの対応状況
ここからは、前章の困りごとを「販売管理システムを選ぶときに見るべき管理論点」として裏返し、内装業特有の4つの論点と、どういう仕組みが対応するのかを整理します。製品ごとの優劣は比較表で扱うため、ここでは論点の意味とタイプごとの対応の考え方に絞ります。

1つ目は、工事と材料販売・在庫の一元管理です。工事の管理と材料の販売・在庫の管理が別々の仕組みに分かれていると、同じ取引を二度入力することになり、在庫数量や売上の数字も食い違いやすくなります。工事と物販・在庫を一つの基幹システムで扱えるかどうかが、内装業で販売管理システムを選ぶ際の最初の分かれ目です。
2つ目は、仕掛原価の即時把握です。まだ売上に立っていない仕入や在庫を仕掛原価と呼びます。建設業会計では、未完成の工事に投じた材料費・労務費・外注費などを「未成工事支出金」という流動資産の勘定科目で扱い、工事が完成して売上に立つまで区別して管理します。この未成工事支出金を案件ごとに即時に把握できれば、資金繰りと採算の見通しが立てやすくなります。
3つ目は、出来高・前受金・現場別請求への対応です。内装工事では、着工前や工事の進み具合に応じて代金の一部を先に受け取ることがあります。建設業会計ではこれを「未成工事受入金」という流動負債の勘定科目で扱い、工事の完成・引渡し前に受け取った代金を区別して管理します。
これらの勘定科目は会計上どう扱うかが国の規則で定められており、システムがこの区分に沿って原価・請求を管理できるかが選定のポイントになります。
出典:建設業法施行規則等の一部改正について|国土交通省
- 勘定科目「売上高 完成工事高」の定義について、同会計基準に則したものに改める予定です。
- 勘定科目「流動資産 未成工事支出金」、「流動負債 未成工事受入金」、「流動負債 工事損失引当金」の定義を同会計基準に即したものに改める
出来高払いや現場(物件)ごとの請求は、建設・内装業で広く行われている請求の実務です。一つの工事を進捗に応じて複数回に分けて請求したり、現場単位で請求書を起こしたりする運用に販売管理システムが対応できるかどうかは、請求漏れや二重計上を防ぐうえで重要な確認点になります。
4つ目は、案件別の最終利益の把握です。案件ごとの最終利益は、売上(建設業会計でいう完成工事高)から、材料費・外注費・労務費・諸経費(完成工事原価)を差し引いて求めます。これらを案件単位で集計できる仕組みがなければ、利益は月次の締めを待たないと見えません。原価を案件に紐づけて記録できれば、施工の途中でも採算の見通しが立てられます。
工事の収益をいつ計上するかという論点も建設業にはあります。近年の会計基準の改定で、かつての「工事進行基準」という区分名は会計上使われなくなりました。税務上は工期1年以上かつ請負対価10億円以上の長期大規模工事で進捗に応じた計上が求められますが、中小の内装工事会社が該当することは多くありません。
出典・参考資料(1件)
内装業での販売管理システムの選び方
ここからは、内装工事会社が自社に合う販売管理システムを絞り込むための観点を整理します。最も大きな分かれ目は「自社がどの業務スタイルで、どこまでを一つのシステムで管理したいか」です。この点は次章の業務スタイル別の整理と、診断ツール・比較表で詳しく扱うため、本章では残りの具体的な観点を取り上げます。
あわせて、規模と予算も絞り込みの軸になります。小規模なら月額型のクラウド製品、工事原価や在庫まで扱う基幹システムやERP型は、規模により数百万〜数千万円規模の個別見積もりが目安です。
内装・建設業での導入実績で選ぶ
同じ販売管理システムでも、内装工事業や建設業への導入実績があるかどうかで、商習慣への馴染みやすさは変わります。工事台帳・出来高・前受金といった内装業の業務が標準機能として用意されているか、製品ページや導入事例で自社と近い業種・規模の会社が使っているかを確認するとよいでしょう。
判断の分かれ目は、工事と物販の両方を扱う会社の事例があるかどうかです。物販中心の卸売業の実績しかない製品は在庫・請求には強くても工事原価が弱く、建設ERPの実績が中心の製品は大規模工事向けで中小内装には重いことがあります。
会計・ECなど既存システムとの連携で選ぶ
すでに使っている会計ソフトやネット受発注の仕組みがある場合、販売管理システムとの連携可否が運用の負担を左右します。売上や仕入のデータを会計へ自動で仕訳連携できれば、経理の二重入力がなくなります。建材のネット受発注やBtoB ECを使っているなら、受注データを販売管理に取り込めるかも確認点です。
連携の形は、APIによるリアルタイム連携、CSVファイルの取り込み、同一ベンダーの会計製品との標準連携などさまざまです。将来の会計ソフト乗り換えも見据え、特定の製品にしか連携できない仕組みか、汎用的に連携できるかを見ておくと安心です。
提供形態(クラウド/オンプレミス)・開発方式(パッケージ/スクラッチ)で選ぶ
提供形態には、インターネット経由で使うクラウド型と、自社のサーバーに導入するオンプレミス型があります。クラウド型は初期費用を抑えて現場からもアクセスしやすく、オンプレミス型は自社環境での細かい作り込みや既存資産との統合に向きます。
開発方式には、完成した製品を導入するパッケージ型と、要件に合わせて一から作るスクラッチ開発(受託開発)があります。自社の業務が一般的な内装工事の流れに収まるならパッケージ型が短期間・低コストで導入でき、独自の運用が多く標準機能では足りない場合はスクラッチ開発やカスタマイズを検討することになります。この判断軸は後半の「提供・開発ベンダーの見渡し方」で詳しく扱います。
サポート体制・ベンダーの内装・建設業への理解で選ぶ
基幹システムは導入して終わりではなく、運用の定着や制度改正への対応が続きます。導入時の初期設定や現場への教育、稼働後の問い合わせ対応、法改正や消費税率変更への追従をどこまで提供会社が担うかを確認するとよいでしょう。
とくに内装業では、工事原価や出来高請求といった業界の商習慣を提供会社がどこまで理解しているかが、設定のしやすさや運用相談の質に直結します。業種を問わない汎用製品でも、内装・建設業の導入経験が豊富な担当者が付くかどうかで、導入後の手応えは変わります。
内装業の業務スタイル別に見る販売管理システムのタイプ
内装工事会社といっても、工事と物販をどこまで一つの仕組みで扱いたいか、どの数字を最優先で見たいかは会社ごとに異なります。ここでは、内装業で販売管理システムを選ぶ読者が自社を当てはめやすいよう、業務スタイルを4つのタイプに分けて整理します。
| タイプ | 工事と材料販売・在庫を一体で管理したい内装工事会社向け | 案件(工事)単位の原価・収支管理を重視する内装会社向け | 受注・売上・請求を手軽に整えたい小規模内装会社向け | 会計・人事まで統合したい中堅内装・建設会社向け |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 工事(案件)管理と建材・資材の販売・仕入・在庫を1つの基幹システムで一元化。案件別在庫・仕掛在庫の引当や、出来高・前受金・現場別請求に対応する製品が中心です。 | 材料費・外注費・労務費・諸経費を案件別に集計し、実行予算・予実・最終利益を工事ごとに可視化。工事原価の見える化に特化し、物販・在庫・請求の機能は持たない製品が代表です。 | 見積〜受注〜売上〜請求〜入金を低コストに一元化。会計連携が中心で、在庫や工事原価の作り込みは簡易です。Excelの二重入力・請求漏れの解消に向きます。 | 販売・工事原価に加え、財務会計やJV(共同企業体)管理まで1つに統合するERP型。中堅〜大規模(PROACTIVEは年商100億円以上、PROCES.Sは完成工事高10億〜100億円超など)が主な対象で、完成工事高・未成工事支出金などの建設業会計に対応する製品が多くあります。 |
| 該当する主なサービス | アラジンオフィス、GrowOne 販売情報システム、e2-movE、建設WAO | どっと原価シリーズ | freee販売、弥生販売、board | OBIC7、PROACTIVE、GRANDIT、PROCES.S、EXPLANNER/C、ガリバーX・匠 |
自社がどのタイプに近いかは、次の選定診断ツールと比較表でより具体的に確認できます。どのタイプに適しているか判断が難しい場合も、30秒で終わる診断で最適なサービスを絞り込めます。
【比較表】内装業向け販売管理システムの比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、内装工事会社向けの販売管理システムを4つの業務スタイル別に分けて比較します。料金・提供形態・内装や建設業での導入実績に加え、工事と材料販売・在庫の一元管理、工事原価・案件別収支、出来高・前受金・現場別請求、建設業会計への対応を公表情報で横並びにしています。
工事と材料販売・在庫を一体で管理したい内装工事会社向け
工事と建材物販・在庫を一つの基幹システムで扱えるタイプの製品を比較します。
このグループの中でも、工事原価・出来高まで一体で扱える製品(e2-movE・建設WAO)と、販売・在庫の一元管理が中心で工事原価はオプションや別システムになる製品(アラジンオフィス・GrowOne)があります。
| サービス名 | アラジンオフィス | GrowOne 販売情報システム | e2-movE | 建設WAO |
|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社アイル | 株式会社ニッセイコム | 三谷商事株式会社 | 株式会社チェプロ |
| 工事×材料販売・在庫の一元管理 | ●工事管理はオプション | △販売・在庫中心(工事原価は明記なし) | ●工事管理+販売モジュール | ●販売在庫+工事管理を統合 |
| 工事原価・案件別収支 | ●オプション(仕掛原価) | ×公式に明記なし | ●工事台帳で実行予算・原価 | ●原価管理WAO(物件別) |
| 出来高・前受金・現場別請求 | △出来高・前受金は明記なし | ×公式に明記なし | ●出来高査定に対応 | △出来高・前受金は明記なし |
| 建設業会計対応 | ×記載なし | ×記載なし | ●建設会計モジュール | ●完成工事高・未成工事支出金・JV |
| 提供形態/開発方式 | オンプレミス/クラウド パッケージ(カスタマイズ可) | セミオーダー型開発 クラウド/オンプレは公式に明記なし | クラウド/オンプレミス パッケージ(モジュール選択) | 派生のBaeはクラウド 本体は要確認・パッケージ |
| 料金の目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 内装・建設業での実績 | 工事業向け機能あり (シリーズ全体6,000社以上) | 対応業種に内装工事業を明記 (卸売・商社向け8業種) | 建材・建設工事分野で400社以上 (総合/職別/設備工事業を明記) | 内装・リフォーム工事に対応 (本体は大手向け、中堅は派生製品) |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
案件(工事)単位の原価・収支管理を重視する内装会社向け
工事原価の見える化を最優先するタイプの製品を比較します。
受注・売上・請求を手軽に整えたい小規模内装会社向け
見積から請求までを低コストに一元化できる、小規模向けのタイプを比較します。
| サービス名 | freee販売 | 弥生販売 | board |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | フリー株式会社 | 弥生株式会社 | ヴェルク株式会社 |
| 工事×材料販売・在庫の一元管理 | △見積〜請求中心(在庫・工事原価は簡易) | △販売・仕入・在庫(工事管理なし) | ×在庫管理機能なし |
| 工事原価・案件別収支 | △案件別粗利(人件費は別契約) | ×非対応 | △案件単位の損益管理 |
| 出来高・前受金・現場別請求 | △前受・定期請求(出来高は非対応) | ×締め・都度請求のみ | △分割納品・定期請求に対応 |
| 建設業会計対応 | ×非対応 | ×非対応 | ×非対応 |
| 提供形態/開発方式 | クラウド(SaaS) パッケージ | デスクトップアプリ(買い切り) クラウドは外部事業者経由 | クラウド (在庫を持たない業態向け) |
| 料金の目安 | 月額 約5,000円〜 (スターター3名・年払・税抜) | 60,000円〜 (27スタンダード・初年度優待・税抜) | 初期費用0円/月額1,200円〜 (Personal・税抜、アカウント定額) |
| 内装・建設業での実績 | 業種非特化 内装・建設特化の実績は非公表 | 小売・卸売・製造等に対応 内装・建設特化の実績は非公表 | 対応業種に建設 (在庫を扱わない範囲) |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
会計・人事まで統合したい中堅内装・建設会社向け
販売・工事原価に加え、財務会計やJV管理まで統合するERP型を比較します。
| サービス名 | OBIC7 | PROACTIVE | GRANDIT | PROCES.S | EXPLANNER/C | ガリバーX・匠 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社オービック | SCSK株式会社 | インフォコム株式会社 | 株式会社内田洋行ITソリューションズ | NECソリューションイノベータ株式会社 | あさかわシステムズ株式会社 |
| 工事×材料販売・在庫の一元管理 | ●販売・在庫を会計一体型で統合 | ●販売・購買・在庫を一元化 | ●販売・購買・在庫を統合 | ●販売管理モジュールを内包 | △工事基幹中心(物販・在庫は明記なし) | ●販売・購買を含む全社ERP型 |
| 工事原価・案件別収支 | △個別案件型テンプレートで対応 | ●建設業向け基幹システムあり | ●設備工事業向け実行予算管理 | ●工事番号単位で原価・実行予算 | ●実行予算・出来高評価・費用配分 | ●原価管理を標準搭載 |
| 出来高・前受金・現場別請求 | △要問い合わせ | △建設業向けシステムで対応 | ●出来高での分割計上に対応 | ●出来高を会計仕訳へ自動反映 | ●出来高評価に対応 | △出来高の詳細仕様は要確認 |
| 建設業会計対応 | △建設工事業向けテンプレートあり | △建設業向けシステムあり(詳細は要確認) | △JV・建設業会計はアドオン依存 | ●完成/未成の自動判別・JV管理 | ●工事進行/完成基準・JV会計 | △JV管理は標準(勘定科目は要確認) |
| 提供形態/開発方式 | オンプレミス/プライベートクラウド パッケージ(コンポーネント型) | SaaS/オンプレミス/IaaS ハイブリッド導入 | クラウド/ライセンス パッケージ(カスタマイズ可) | クラウド/オンプレミス パッケージ(15モジュール選択) | ブラウザベース(モバイル対応) パッケージ(カスタマイズ可) | クラウド(完全Web版/クラウドERP) パッケージ |
| 料金の目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ (初期費用の目安2,000万円〜) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 内装・建設業での実績 | 対応業種に建設工事 シリーズ累計29,000社超 | 年商100億円以上の中堅〜大企業向け 導入7,500社超 | 設備工事業向けソリューションあり 導入1,500社以上 | 建設業向けERPで全国370社以上 (完成工事高10億〜100億円超) | 建設基幹業務で40年以上 中堅建設・設備会社に導入 | 建設業特化ERP シリーズ累計約1,000社以上 |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社の公表情報をもとに整理したものです。実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)、料金は変動することがあるため、最新の情報は各社にご確認ください。
内装業向け販売管理システムの個別紹介
ここからは、各タイプに該当する製品を個別に紹介します。提供会社や内装・建設業での導入実績、工事と物販の扱い方の違いに注目してご覧ください。
工事と材料販売・在庫を一体で管理したい内装工事会社向けの製品
工事と材料販売・在庫を一つの基幹で扱いたい内装工事会社に向く製品です。
1. アラジンオフィス(株式会社アイル)

アラジンオフィスは、株式会社アイルが提供する販売・在庫・購買を中核とした統合型パッケージシステムです。見積・受注から仕入・在庫・請求までを一つのパッケージで扱い、建材をはじめ業種ごとの商習慣に合わせた業種特化パッケージを用意しています。
工事と材料販売を一つの仕組みで扱いたい場合は、標準の販売・在庫管理にオプションの「プロジェクト管理」機能を加える構成が該当します。受注に紐づく仕入・外注・在庫出庫を、売上計上までの間は案件単位の仕掛原価として管理し、諸経費を案件に付け替えて収支を確認できます。公式ではこの機能を比較的工期が短い小規模な工事に向くと案内しています。
提供形態はオンプレミスとクラウド(アラジンクラウド)から選べます。導入実績は全体で6,000社以上(公式特徴ページ、時点の明示なし)で、プロジェクト管理機能の対象業種には卸売業や製造業とともに工事業も挙げられています。料金は要問い合わせです。
2. GrowOne 販売情報システム(株式会社ニッセイコム)

GrowOne 販売情報システムは、業種別テンプレートをベースに必要な機能を選んで構築するセミオーダー型の販売管理システムです。提供元は1974年創業のシステムインテグレーターである株式会社ニッセイコムで、卸売業・商社向けに見積・受注から請求・入金・支払までの販売プロセスを扱います。
公式サイトでは対応実績として、建材卸売業や食品卸売業などと並んで内装工事業が挙げられています。複数倉庫の在庫を一元管理し、受注時の在庫引当にも対応するため、建材など物販の在庫を抱える内装工事会社の販売・在庫管理に活用できます。
一方で、工事原価管理や倉庫間移動は公式サイトに機能としての明記がなく、必要に応じて個別の要件として相談することになります。稼働後は、コールセンターではなく開発を担当したSEが定例会などで対応する方針です。料金は要問い合わせです。
3. e2-movE(三谷商事株式会社)

e2-movEは、建設資材商社である三谷商事株式会社が、自社の建材・建設業界での知見をもとに開発したERPパッケージです。工事原価管理・販売管理・建設会計を中核に、工事管理や支払管理、出面管理などをモジュール単位で組み合わせて利用します。
工事原価を担う「工事管理」モジュールでは、工事台帳を起点に実行予算・工事原価・出来高・外注業者への支払・予定利益を一元管理します。「販売」モジュールと組み合わせれば、建材の受注・売上と工事の原価を一つのERPで扱えます。対象業種には建材販売・卸売業、総合工事業、職別工事業、設備工事業が明記されています。
提供形態はクラウド版(e2クラウド)とオンプレミス版から選べます。導入実績は建材・建設工事分野で400社以上(公式サイト記載、時点の明示なし)とされています。料金は要問い合わせです。
4. 建設WAO(株式会社チェプロ)

建設WAOは、見積・原価管理・工事管理から販売在庫管理・会計まで、建設業の基幹業務を幅広く一元管理できる統合型ERPです。開発・提供元は1997年設立の株式会社チェプロです。
中核の「原価管理WAO」では、本社と現場の双方で予算・原価・注文・支払・利益をリアルタイムに把握でき、物件別・用途別に原価を分析できます。完成工事高や未成工事支出金といった建設業会計の勘定科目にも対応し、対応する工事形態には内装工事やリフォーム工事なども含まれます。
ただし本体の「建設WAO」は大手建設業向けに展開してきた製品で、中堅規模には売上高100億円未満を主な対象とする派生製品「建設WAO Bae クラウド」が用意されています。自社の規模に合う製品を見極めて相談するとよいでしょう。料金は要問い合わせです。
案件(工事)単位の原価・収支管理を重視する内装会社向けの製品
工事原価の見える化を最優先したい内装会社に向く製品です。
5. どっと原価シリーズ(株式会社建設ドットウェブ)

建設・工事業向けの工事別原価管理に特化したパッケージで、株式会社建設ドットウェブが提供しています。見積・実行予算・発注・原価集計・支払から会計連動までを工事(案件)単位で通し、工事ごとの売上・原価・利益を管理します。
建設業向け原価管理パッケージ市場で2015〜2023年度の9年連続 導入企業数第1位(東京商工リサーチ調べ、2025年2月)、導入6,500社・発売25年以上と、工事原価管理に絞った実績が長い製品です。見積は6階層、実行予算は4階層まで対応し、80種以上の帳票出力や財務会計ソフトとの双方向の仕訳連携を備えます。
サーバー不要のクラウド版「どっと原価3」とオンプレミス版「どっと原価NEO」があり、工事別の原価・支払・会計連動に軸足を置いています。建材の物販・在庫や売上請求を前提とした機能は公式の機能紹介には見当たらず、物販・在庫は別の仕組みで扱う内装会社に向きます。料金は非公開で、約30分の無料オンライン相談や資料請求でクラウド/オンプレの違いや帳票を確認できます。
受注・売上・請求を手軽に整えたい小規模内装会社向けの製品
見積から請求までを手軽に整えたい小規模の内装会社に向く製品です。
6. freee販売(フリー株式会社)

フリー株式会社のクラウド型販売管理システムです。見積・受注から売上・請求・入金までを案件(プロジェクト)単位で扱い、同社のfreee会計と連携して仕訳までつなげられます。個人・小規模法人向けのスタータープランと、中小企業向けのスタンダードプランの2つを用意しています。
料金はユーザー数に応じた月額で、スタータープランは3名利用で参考価格 約5,000円/月(年払い・税抜)から始められます。インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、30種類以上の帳票テンプレートを備えるため、Excelでの二重入力や請求書作成の手間を抑えられます。
freee会計を使っていなくても単体で利用でき、すでに使っている他社の会計ソフトへはデータを抽出して取り込めます。案件別の原価・粗利は販売管理の一機能として扱う設計で、専用の原価管理システムではない点をふまえて検討するとよいでしょう。
7. 弥生販売(弥生株式会社)

弥生販売は、パソコンにインストールして使うデスクトップアプリ型(買い切りパッケージ)の販売管理システムです。弥生株式会社が提供し、最新版は2026年10月16日発売の「弥生販売 27」。見積・受注・売上・請求・入金の管理を1本で行え、弥生会計と連携して売上・仕入・入出金の仕訳データを自動で取り込めます。
事業規模に応じてスタンダード・プロフェッショナル・ネットワークの3グレードがあります。小規模法人向けのスタンダードは帳票発行から売上・入金管理までをカバーし、仕入・在庫・複数倉庫の管理はプロフェッショナル以上が対象です。見積から請求までを手軽に整えたい段階なら、スタンダードから始められます。
料金は月額制ではなく買い切り型で、弥生販売27スタンダードの初年度優待価格は60,000円〜(税抜、セルフ/ベーシック適用時)です。別途、法令改正対応やサポートを受ける「あんしん保守サポート」を年額で契約します。対応OSはWindows 11のみで、クラウドでの常時アクセスを前提にする場合は利用形態を確認しておくとよいでしょう。
8. board(ヴェルク株式会社)

見積書・発注書・納品書・請求書の発行から入金・支払管理までを「案件単位」で一元管理するクラウドサービスです。提供元はヴェルク株式会社で、在庫を持たないビジネスに向けて機能を絞っており、在庫管理機能は搭載していません。対象は個人事業主から数十名規模の中小企業です。
初期費用は0円で、月額はアカウント全体にかかる定額制です。1名のPersonalが1,200円、3名までのBasicが2,400円、15名までのStandardが4,900円(いずれも税抜)と、人数が増えても料金が一定の範囲に収まります。法人はBasic以上で、30日間の無料お試しがあります。
freee会計やマネーフォワード クラウド会計、弥生会計などへの連携に対応し、最大4段階の承認ワークフローも設定できます。対応業種にはITやデザインのほか建設も挙げられており、在庫を扱わず見積から請求までを案件単位で手早く整えたい内装会社に向きます。ただし建材の仕入・在庫まで管理したい場合は、別の仕組みが必要です。
ここで挙げた製品を含め、業種を問わず小規模向けの販売管理ソフトを無料プランの有無や料金の実額で広く見比べたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
会計・人事まで統合したい中堅内装・建設会社向けの製品
会計・人事まで全社で統合したい中堅規模の内装・建設会社に向く製品です。
9. OBIC7(株式会社オービック)

OBIC7は、株式会社オービックが自社開発・直接販売する統合業務システムで、会計・人事給与・販売・生産などの基幹業務を、必要な部門から段階的に導入できるコンポーネント型のERPです。
販売管理のモジュールは、受注・出荷・請求・在庫・仕入を会計と一体で扱い、売上の計上と同時に自動で仕訳を生成する会計一体型の設計が特徴です。対応業種には建設工事も挙げられており、会計・人事まで1系統で統合したい会社に向きます。
シリーズ全体の累計導入社数は公式サイトで29,000社を超えると記載されています(基準時点の明示なし)。コンサルティングから運用サポートまでを自社一貫体制で提供し、料金は導入範囲に応じた個別見積りです。
10. PROACTIVE(SCSK株式会社)

PROACTIVE(プロアクティブ)は、SCSK株式会社が提供する国産の統合型ERPで、会計・人事給与・販売管理・生産管理を1系統でカバーします。公式のよくある質問では、年商100億円以上の中堅企業から大企業を対象と案内しています。
販売管理のモジュールは、販売・購買・在庫を一元化し、貿易取引までを対象とします。販売管理の領域に建設業向けの基幹業務システムをラインナップとして持ち、会計・人事まで含めた全社での統合を想定した構成です。
提供形態はSaaS・オンプレミス・IaaSに対応し、業務領域ごとに環境を組み合わせるハイブリッド導入も選べます。初期費用は公式のよくある質問で2,000万円からが目安とされ、導入社数は製品系譜全体で7,500社を超えると記載されています。
11. GRANDIT(インフォコム株式会社)

GRANDIT(グランディット)は、インフォコム株式会社が開発・保守を担い、国内70社以上のパートナー企業が導入・カスタマイズを手がけるコンソーシアム方式の国産統合型ERPです。新版は「コンポーザブルERP GRANDIT V4」です。
販売・購買・在庫・生産から会計・人事給与までをモジュールで構成します。設備工事業向けには、工事別の実行予算管理や、進捗率に応じて売上を計上する工事進行基準、工期の長い工事での出来高に応じた分割計上に対応します。
一方、JV(共同企業体)会計や完成工事高などの建設業会計の勘定体系は、パートナーが提供するアドオンでの対応となり、本体の標準機能としては公式に明示されていないため、個別の確認が必要です。導入実績は公式サイトで1,500社以上とされています。
12. PROCES.S(株式会社内田洋行ITソリューションズ)

PROCES.S(プロセス)は、株式会社内田洋行ITソリューションズが提供する建設業向けの統合型ERPです。財務会計・原価管理・JV(共同企業体)管理・現場原価管理など、建設業の基幹業務を15のモジュールでカバーし、必要なモジュールだけを組み合わせて導入できます。
工事番号・現場の単位で原価を積み上げ、工事登録メニューの完成振替日と伝票の日付を比較して工事の完成・未成を自動で判別します。完成した工事は完成工事原価、未成の工事は未成工事支出金として仕入仕訳を自動作成するため、建設業会計に沿った原価集計を行えます。
積算データを取り込んだ実行予算の作成や、現場で承認された出来高をそのまま会計の仕訳データへ反映する仕組みも備えます。完成工事高10億円規模から100億円超の企業まで、全国約370社以上への導入実績があります。
13. EXPLANNER/C(NECソリューションイノベータ株式会社)

EXPLANNER/Cは、NECソリューションイノベータ株式会社が提供する建設業向けのERPパッケージです。建設基幹業務システムで40年以上の実績を持つ製品と位置づけられ、工事の引き合いから完成までの情報を現場と全社で共有する構成とされています。
公表情報によると、工事進行基準・工事完成基準の両方の会計処理に対応し、JV(共同企業体)プロジェクト会計や工事損失引当金、内部統制への対応を掲げています。工事原価管理では実行予算・発注・出来高評価・費用配分を扱うとされます。
ブラウザベースで動作し、現場や出先からのモバイル利用に対応するとされます。料金は公開されておらず、個別の問い合わせが必要です。導入事例には中堅規模の建設・設備会社が挙げられています。
14. ガリバーX・匠(あさかわシステムズ株式会社)

ガリバーX・匠は、あさかわシステムズ株式会社が建設・工事業向けに展開する統合基幹業務システム「ガリバーシリーズ」の製品です。2024年10月にローンチした完全Web版の「ガリバーX」は、中小から上場まで幅広い建設業を対象としています。
小規模向けの「ガリバーX・匠」は、原価管理・財務管理・給与管理・JV(共同企業体)管理を標準機能として備え、案件の発生から工事完成までを一元管理します。電子帳簿保存法への対応やAIエージェント機能、承認機能も搭載します。
建設業会計については、工事進行基準や内部統制への対応が公式ページに記載されていますが、完成工事高などの個別の勘定科目への対応は明示されていないため、個別の確認が必要です。シリーズ累計の導入社数は約1,000社以上とされています。
提供・開発ベンダーの見渡し方:パッケージ導入と受託開発
内装業の販売管理システムは、どの製品を選ぶかと同じくらい、誰に提供・開発を依頼するかが運用を左右します。ここでは、製品の提供会社の見方と、パッケージ導入とスクラッチ開発(受託開発)の判断軸を整理します。
製品を選ぶときは、その製品を提供する会社の内装・建設業での導入実績と、業界の商習慣への理解が判断の軸になります。工事原価や出来高請求、現場別請求といった内装業の業務を、提供会社がどこまで標準機能や導入支援でカバーしているかは、製品ページや導入事例から読み取れます。同じ製品でも、内装・建設業の案件を多く手がけた担当者が付くかどうかで、設定のしやすさや運用相談の質は変わります。
導入の方式は、大きくパッケージ導入と受託開発に分かれます。パッケージ導入は、完成した製品を使うため短期間・低コストで始められ、内装・建設業に特化したパッケージなら工事台帳や出来高請求に最初から対応しています。一方の受託開発(スクラッチ開発)は、自社の独自の業務に合わせて作り込める反面、費用・期間が大きくなり、稼働後の保守も自社が担う範囲が広くなります。
判断の分かれ目は、自社の業務が一般的な内装工事の流れからどれだけ外れるか、将来どこまで改修を見込むかです。標準的な工事・物販の運用で足りるならパッケージ導入が、独自の原価計算や基幹システムとの密な統合が必要ならカスタマイズや受託開発が候補になります。パッケージを基本に、足りない部分だけを追加開発するという中間の選び方もあります。

この中間を担うベンダーには、いくつかの類型があります。業種特化のパッケージを持つベンダーは、業界の商習慣に合わせた標準機能を土台に、カスタマイズで自社の運用へ寄せられます。建材商社などが母体で、自社の業界知見をもとに開発したベンダーもあります。
建設・工事業に特化したベンダーの製品は、自社の要件に合わせた構築や個別対応を前提とし、標準機能で足りない部分を相談しながら詰められます。どの製品がどの類型に当たるかは、本記事の個別紹介と比較表で確認できます。
完全な受託開発(スクラッチ)を検討する場合は、内装・建設業の基幹システム構築の実績がある開発会社を、実績業種や工事原価・建設業会計への対応経験で見極めます。まず既存の建設特化パッケージのベンダーにカスタマイズの可否を相談するのが近道です。
脱Excel・システム導入をスムーズに進めるには
販売管理システムは、導入しただけでは現場に定着しません。二重入力や請求漏れをなくし、締めを待たずに採算が見える運用へ移すために、進め方のポイントを整理します。
最初に行うのは、現状業務の棚卸しです。見積・受注・発注・仕入・在庫・請求・入金の流れを書き出し、どこで二重入力や属人化が起きているか、どの帳票を誰が作っているかの洗い出しから始めるのが一般的です。この整理ができていないと、システムに合わせて業務を変えるのか、業務に合わせてシステムを選ぶのかの判断ができません。
Excelでまだ続けられる段階か、販売管理システムへ切り替える段階かの見極め方や、移行で日々の作業がどう変わるかは、以下の記事で移行判断のチェックリストとともに整理しています。
導入は、一度にすべてを切り替えるのではなく、段階的に進めると現場の負担を抑えられます。まず見積・請求といった入口と出口から始め、慣れてきたら原価管理や在庫管理へ広げるといった順序です。移行の初期は従来のExcelと並行し、数字が一致することを確かめながら切り替えると、現場の不安を減らせます。
定着のためには、入力のルールと担当を決め、現場の担当者が迷わず使える状態をつくることが重要です。導入時の初期設定や教育を提供会社がどこまで支援するか、稼働後の問い合わせにどう対応するかを、契約前に確認しておくとよいでしょう。採算が施工の途中で見えるようになると、現場の判断が早くなり、システムを使う意味を実感しやすくなります。
まとめ
内装業向けの販売管理システムは、自社がどの業務スタイルで、どこまでを一つの仕組みで管理したいかで選ぶのが近道です。工事と材料販売・在庫をまたいで一元管理したいなら工事×物販一元のタイプ、工事原価の見える化を最優先するなら案件原価重視のタイプ、見積から請求までを手軽に整えたいなら小規模向けのタイプ、会計・人事まで全社で統合したいなら統合ERP型が候補になります。
選ぶ際は、内装・建設業での導入実績、会計やECとの連携、提供形態と開発方式、サポート体制と提供会社の業界理解を確認します。仕掛原価(未成工事支出金)の把握や、出来高・前受金・現場別請求への対応といった内装業特有の論点に、候補の製品がどこまで応えるかを比較表と診断ツールで見比べ、気になる製品の資料を取り寄せて具体的に検討してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 内装業向け販売管理システムとは何ですか?
A. 内装業向け販売管理システムとは、工事(案件)の管理と、建材・資材の販売・仕入・在庫の管理を一つの基幹システムで扱えるようにした販売管理システムです。見積・受注から売上・請求・入金、仕入・在庫までを一元管理する一般的な販売管理に、案件単位で材料費・外注費・労務費を集計して採算を見る工事管理の仕組みが重なる点が、商業簿記だけを前提とした販売管理ソフトとの違いです。
Q. 内装工事会社が販売管理をExcelや個別ソフトで続けると、どんな問題が起きますか?
A. Excel中心の管理を続けると、工事と物販・在庫が別々の仕組みに分かれて二重入力が発生します。案件ごとの最終利益が締めまで見えない、前受金・出来高・現場別の請求で漏れや二重計上が起きる問題も生じやすくなります。仕掛原価(未成工事支出金)の把握にも工数がかかり、資金繰りの見通しも立てにくくなります。工事と物販が重なる内装業特有の症状で、一つの基幹システムで扱えるかが分かれ目です。
Q. 内装業向け販売管理システムは、何を基準に選べばよいですか?
A. 選定は、まず「どの業務スタイルで、どこまでを一つのシステムで管理したいか」で絞り込み、そのうえで内装・建設業での導入実績、会計やECとの連携、提供形態と開発方式、サポート体制を確認するのが基本です。工事と材料販売・在庫の一元管理か、工事原価の見える化か、小規模で手軽か、会計・人事まで統合か、という見極めが最初の分かれ目です。自社に近いタイプは本記事の診断ツールと比較表で確認できます。
Q. クラウド型とオンプレミス型、パッケージ型とスクラッチ開発は、内装会社ではどう選べばよいですか?
A. 内装会社では、初期費用を抑えて現場からもアクセスしたいならクラウド型、自社環境で作り込むならオンプレミス型が候補です。一般的な内装工事の流れに収まるならパッケージ型、独自の運用が多く標準機能で足りないならスクラッチ開発(受託開発)が候補になります。提供形態と開発方式は別々の選択肢で、組み合わせて考えます。パッケージを基本に、足りない部分だけ追加開発する選び方もあります。
Q. 内装業向け販売管理システムの費用はどのくらいかかりますか?
A. 費用は、小規模向けのクラウド型なら月額千円台から数千円程度で始められる一方、工事原価や在庫まで扱う基幹システムや統合ERP型は要問い合わせの個別見積りとなり、規模が大きいほど高額になります。本記事の製品でも、月額制のクラウド型、買い切りのパッケージ、個別見積りのERP型まで幅があります。料金だけでなく「どこまでを一つのシステムで管理するか」と合わせて確認するとよいでしょう。
Q. 内装業向け販売管理システムは、今使っている会計ソフトと連携できますか?
A. 多くの製品は、売上や仕入のデータを会計ソフトへ自動で仕訳連携でき、freee会計・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計などに対応する製品もあります。連携の形はAPIによるリアルタイム連携、CSVの取り込み、同一ベンダーの会計製品との標準連携などさまざまです。特定の製品にしか連携できないか、汎用的に連携できるかは、将来の会計ソフト乗り換えも見据えて確認すると安心です。
Q. 内装業向け販売管理システムは、出来高請求や仕掛原価の管理に対応できますか?
A. 対応状況は製品によって分かれ、工事と物販を一元管理するタイプや統合ERP型には、工事の進捗に応じた出来高請求や、まだ売上に立っていない仕掛原価(未成工事支出金)を案件別に把握できる製品があります。一方、見積から請求までを手軽に整える小規模向けの製品は、在庫や工事原価の作り込みが簡易な場合が多いです。出来高・前受金・現場別請求や仕掛原価の把握が必要かを先に決めて絞ると、過不足なく選べます。
Q. パッケージ製品が自社の業務に合わない場合は、受託開発を依頼すべきですか?
A. 受託開発(スクラッチ開発)が向くかは、自社の業務が一般的な内装工事の流れからどれだけ外れるか、将来どこまで改修を見込むかで判断します。標準的な運用で足りるならパッケージ導入が短期間・低コストで始められますが、独自の原価計算や基幹システムとの密な統合が必要なら受託開発が候補です。まずは特化型パッケージで要件を満たせないか確認し、足りない部分だけ追加開発する選び方も検討するとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。














