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経営計画の立て方を手順で解説|4要素と数値計画の記入例・長期中期短期の作り方

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経営管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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経営管理システム比較表(2026年版)

経営計画を立てようと思っても、何から手をつけ、どの順番で進めればよいか迷う経営者・経営企画担当は少なくありません。要素の名前(経営理念・経営戦略・事業戦略・数値計画)は知っていても、それぞれに何を書くのか、数値計画をどう数字に落とすのかでつまずきがちです。

本記事では、経営計画の立て方を「何から始めてどの順でつなげるか」という手順から示します。各ステップで書く4要素の記入例、長期・中期・短期の作り分け、数値計画の具体的な記入例、そのまま使える構成の型までを一気通貫で解説します。

さらに、立てた計画を形骸化させずに予実で回す運用のコツと、そのための経営管理システムまで紹介します。経営計画とは何か・事業計画との違いは、手順を押さえた後の後半で確認できます。はじめて経営計画を作る方が、自社の計画を自分で書き上げられる状態をゴールにしています。

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経営計画の立て方の全体手順(何から始め、どの順でつなげるか)

まず全体像です。経営計画は、理念の確認から始めて現状を分析し、目標・戦略・数値計画・行動計画へと落とし込み、最後に共有して実行・見直しにつなげる、という順序で立てます。はじめての場合は次の7ステップで進めると迷いません。

経営計画の立て方の全体手順を示したフロー図。STEP1 経営理念・ビジョンの確認、STEP2 現状を分析する、STEP3 目標を設定する、STEP4 経営戦略・事業戦略を策定する、STEP5 数値計画に落とし込む、STEP6 行動計画に分解する、STEP7 共有・実行し定期的に見直す、の7ステップを上から下へ矢印でつないで示す。
  1. 経営理念・ビジョンを確認する:自社が何のために存在し、どこを目指すのかという前提を言葉にします。
  2. 現状を分析する:内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)、自社の財務状況を把握します。
  3. 目標を設定する:長期(おおむね10年)→中期(3〜5年)→短期(1年)の順で、到達したい姿と数値目標を置きます。
  4. 経営戦略・事業戦略を策定する:目標と現状のギャップを埋めるための方針と、事業ごとの打ち手を決めます。
  5. 数値計画に落とし込む:戦略を売上・利益・資金・人員の数字に変換します。
  6. 行動計画(アクションプラン)に分解する:誰が・いつまでに・何をするかに落とし、短期計画とひも付けます。
  7. 共有・実行し、定期的に見直す:社内に共有して実行し、予実のズレを見て修正を繰り返します。

この手順は「理念・現状」という入力から始まり、「数値計画・行動計画」という実行可能な出力に至る流れです。中小企業向けには、中小企業基盤整備機構(中小機構)が計画作成を支援するツールを公開しており、こうした公的な枠組みとも整合する進め方です。次章から、各ステップで具体的に何を書くかを記入例とともに見ていきます。

出典・参考資料(1件)

現状分析の進め方(SWOTと財務の点検)

手順の2番目に置いた現状分析は、計画の数字と戦略の前提になる重要なステップです。内部環境と外部環境の両面を、次の観点で棚卸しします。

  • 内部環境(強み・弱み):自社の商品力・顧客基盤・技術・人材・財務体質など、他社と比べた強みと弱みを書き出します。
  • 外部環境(機会・脅威):市場の成長性・競合・法規制・技術変化など、自社に追い風・向かい風となる要因を挙げます。
  • 財務の現況:売上高・利益率・自己資本比率・借入の状況など、計画の出発点になる数字を確認します。

強み・弱み・機会・脅威を4象限で整理するSWOT分析は、この棚卸しを一枚にまとめる定番の方法です。財務の点検には、経済産業省の「ローカルベンチマーク」が使えます。財務6指標と非財務4視点で自社の状態を客観的に把握でき、数値計画の前提を定める出発点になります。

出典・参考資料(1件)

経営計画を構成する4要素と記入例(経営理念・経営戦略・事業戦略・数値計画)

ここからは、手順の中で書き込む中身=経営計画の4要素を、それぞれ「何を書くか」の記入例とともに整理します。要素名だけでは手が止まりやすいので、具体の書き出し方まで示します。

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要素経営理念経営戦略事業戦略数値計画
何を書くか自社の存在意義・価値観・目指す姿(ミッション・ビジョン・バリュー)理念と現状のギャップを埋める全社レベルの方針(どの市場で・どう戦うか)事業・商品ごとの具体的な打ち手(ターゲット・提供価値・施策)戦略を売上・利益・資金・人員の数字に変換した計画(損益計算書〈PL〉・資金繰り・要員計画)
記入例「地域の中小企業の経理をなくし、本業に集中できる社会をつくる」など、判断に迷ったとき立ち返れる一文「既存顧客の単価向上を軸に、3年で粗利率を5ポイント改善」など、資源配分の方向を示す方針「主力サービスを月額制に移行し、解約率を12%→8%に」など、事業単位の目標と施策下記の数値計画の作り方を参照

経営理念・経営戦略・事業戦略は上位から下位へ一貫させるのがポイントです。理念で方向を定め、経営戦略で全社の方針を示し、事業戦略で現場の打ち手に落とすと、計画全体の筋が通ります。

数値計画の作り方(売上・利益・資金・人員の記入例)

4要素のうち最も手が止まりやすいのが数値計画です。売上→利益→資金→人員の順に数字を一本につなげて組み立てます。ここでは架空企業(社員18名・前年売上1億円の製造業)を例に、1年目の計画を示します(数字はすべて仮の記入例です)。

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項目売上高売上総利益(粗利)販管費営業利益資金(手元資金の増減)人員
前年実績10,000万円4,000万円3,600万円400万円—18名
計画(1年目)12,000万円4,800万円4,200万円600万円+300万円20名
数字の置き方既存10,000万円+新規2,000万円粗利率40%で算定営業2名増の人件費などを反映粗利−販管費営業利益600万円+減価償却200万円−設備投資300万円−借入返済200万円新規売上2,000万円を担う営業を2名増員

ポイントは、売上の増加に合わせて販管費(人件費)と人員、資金を連動させることです。たとえば新規売上2,000万円は、見込み客数×受注率×平均単価で根拠を置きます(例:新規見込み40社×受注率25%×平均単価200万円=2,000万円)。こうして置いた数字は、営業利益だけでなく資金の過不足まで確認し、黒字でも資金がショートしないかを見ます。

長期・中期・短期の違いと各期間の立て方

経営計画は、対象とする期間によって長期・中期・短期に分かれ、役割と作り方が変わります。まず3つの違いを押さえ、そのうえで各期間の立て方を手順で見ていきます。

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種類長期経営計画中期経営計画短期経営計画
計画期間おおむね10年3〜5年1年
目的目指す将来像(ビジョン)を描き、進む方向を定める長期ビジョンに近づく具体的な道筋を示す中期計画を当年度の実行計画に落とす
主な内容理念の具体化、10年後のありたい姿、長期の数値目標現状分析、経営・事業戦略、利益・資金・人員の数値目標年度の数値目標、部門別・月別の行動計画、予実管理の単位

3つは別々に作るのではなく、長期の目標を中期・短期へ段階的に割り付けてつなげます。たとえば長期で「10年後に売上3億円」を描いたら、中期では「5年後に売上2億円」、短期(当年度)では「売上1億2,000万円」と、同じ数字を期間ごとに落とし込みます。

長期・中期・短期の数値目標の段階的な割り付けを示した図解。長期(おおむね10年)は10年後に売上3億円、中期(3〜5年)は5年後に売上2億円、短期(1年)は当年度に売上1億2,000万円と、同じ目標を期間ごとに落とし込む流れを矢印で示す(数字は記入例)。

長期経営計画の立て方

長期計画は、積み上げよりも「ありたい姿」から逆算して描きます。次の順で大枠を定めます。

  1. 経営理念をもとに、10年後のミッション・会社像を言葉にする
  2. その姿を実現したときの売上・利益などの長期の数値目標を置く
  3. 到達に必要な大きな打ち手(新規事業・投資・組織)の方向を定める

中期経営計画の立て方

中期計画は、長期ビジョンと現状のギャップを埋める具体的な道筋です。経営計画の核になる部分で、次の順で策定します。

  1. 内部・外部環境を分析し、強み・弱み・機会・脅威を整理する
  2. 3〜5年後のビジョン(到達したい状態)を具体化する
  3. ギャップを埋める経営戦略・事業戦略を策定する
  4. 利益・資金・人員の数値目標に落とし込む

短期経営計画の立て方

短期計画は、中期計画を当年度の実行計画に細分化したものです。予実管理を回す単位になります。

  1. 中期計画の数値目標を当年度分に割り付け、月別・部門別に細分化する
  2. 目標の達成に必要な人材・人員を見直す
  3. 毎月、実績を計画と突き合わせて差異を分析する

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経営計画のテンプレート(構成の型)と公的な計画様式

ここからは、ゼロから書き出す負担を減らすための構成の型と、そのまま使える公的な計画様式を案内します。

自社で経営計画書を作るときは、次の順に項目を並べると過不足のない構成になります。

  • 表紙・経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)
  • 現状分析(内部・外部環境、財務の現況)
  • 経営戦略・事業戦略
  • 数値計画(売上・利益・資金・人員)
  • 行動計画(部門別・年度別のアクションと担当・期限)

公的な計画様式の活用(経営力向上計画など)

中小企業向けには、国が定めた計画の様式があり、認定を受けると税制や金融の支援を利用できる場合があります。自社の経営計画と内容が重なるため、様式に沿って作ると効率的です。国が中小企業向けに整備した主な制度は次のとおりです。

  • 経営力向上計画:中小企業等経営強化法にもとづき、人材育成・設備投資などで経営力を高める計画を認定する制度
  • 経営革新計画:新商品開発や新たな事業活動で経営の向上を図る計画を都道府県等が承認する制度
  • 先端設備等導入計画:生産性を高める設備投資の計画を市区町村が認定する制度
  • 事業継続力強化計画:自然災害等への備えを定めた計画を経済産業大臣が認定する制度

また、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)は、経営の自己診断や計画作成を支援するツールを公開しており、現状把握や計画づくりの出発点に使えます。

出典・参考資料(5件)

立てた経営計画を形骸化させない運用(実行・見直し・予実管理)

経営計画は立てて終わりではなく、回してはじめて成果につながります。手順の最後のステップ「共有・実行・見直し」を毎月の実務に落とすのが予実管理です。

ポイントは、予実の差異を「見て終わり」にしないことです。計画(予算)と実績の差を、売上の未達か・費用の超過かまで分解し、原因に応じて次の打ち手(受注活動の強化、経費の見直しなど)に結び付けます。この差異分析を翌月の行動に反映する循環ができると、計画は形骸化しません。

毎月の予実の突き合わせや差異分析を具体的にどう進めるか、Excelでの予実管理表の作り方まで知りたい方は、以下の記事で手順を解説しています。

この予実管理をExcelで続けると、部門ごとに様式がばらつき、集計や差異分析に時間がかかって形骸化しがちです。数値計画の集計と予実のモニタリングを仕組みで支えると、立てた計画を継続的に回せます。

数値計画を予実で回す経営管理システム

ここからは、立てた数値計画を予実で回すための経営管理システムを紹介します。会計データを自動で集め、計画と実績の差異やKPIを可視化できるのが共通の強みで、Excelでの予実管理が取引件数や部門の増加で限界に近づいたときに検討する選択肢です。

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サービス名DIGGLE(ディグル)X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)Loglass 経営管理Manageboard
予算策定・数値計画●△KPI・予実の可視化が中心●KPI積み上げで予算作成●●財務三表連動で計画策定
予実管理・差異分析●●差異・異常値を自動検知●●ドリルダウンで仕訳まで遡及●
経営ダッシュボード・可視化△レポート・BIツール出力で可視化●ノーコードでダッシュボード設計●経営・管理部・事業部別の表示●●
会計データ連携●freee・MFクラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生ほか●会計ソフト・グループウェアとAPI連携●勘定奉行クラウド・freee・Salesforceほか●●MFクラウド会計・freee・勘定奉行クラウド
月額料金要問い合わせ要問い合わせ月額15万円〜要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年10月時点の各社公式情報にもとづく。料金・機能は変更される場合があります。

上記は、数値計画を予実で回す用途に合わせて5サービスを取り上げたものです。予実管理に加えて連結会計やERPも含め、経営管理システムを幅広く比較して選び方から検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLE(ディグル)のウェブサイト

予実管理に軸足を置いた経営管理クラウドです。各部門から集めた予算・実績データを集約し、差異分析やレポート作成を効率化します。会計システムと連携して実績を取り込み、計画と実績の比較や配賦シナリオの検討を支えるため、立てた数値計画を月次で回す運用に向いています。

2. X-KPI(クロスケーピーアイ)

X-KPI(クロスケーピーアイ)のウェブサイト

ノーコードでKPIと予実の管理画面を自社で設計できるのが特徴のサービスです。会計ソフトとAPI連携して数値を自動で集め、経営計画で定めた指標の進捗をダッシュボードで可視化します。Excelで属人化していた集計をシステムに載せ替えたい企業に適しています。

3. Scale Cloud(スケールクラウド)

Scale Cloud(スケールクラウド)のウェブサイト

KPIと損益計画を連動させて扱えるのが強みのサービスです。KPIの変化が業績にどう影響するかをシミュレーションし、複数パターンの予算・見通しを作れます。経営・管理部・事業部それぞれの視点のダッシュボードを用意でき、数値計画を立てる段階から予実で回す段階まで一気通貫で支えます。

Excelやスプレッドシート、他システムからの移行で予実管理の工数がどの程度変わるかについて、株式会社Scale Cloudの広瀬氏は次のように話しています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

数値的な効果で申し上げると、他社システムからの乗り換えでは、工数が約40%削減できたとおっしゃっていただいているケースがあります。Excelやスプレッドシートからのリプレースに関しても、工数が6分の1程度になったという声をいただいています。

4. Loglass 経営管理(株式会社ログラス)

Loglass 経営管理のウェブサイト

株式会社ログラスが提供する、予算策定から予実管理までを一元化するサービスです。各部門に散らばった計画・実績データを集約し、集計や差異分析の手間を減らします。会計データを取り込んで予実を可視化できるため、立てた経営計画を全社で回す基盤として使えます。

5. Manageboard(マネーフォワードコンサルティング株式会社)

Manageboardのウェブサイト

財務三表と連動した計画策定を強みとするサービスです。数値計画を財務三表の形で作り、予実の差異やダッシュボードで経営状況を把握できます。計画づくりから予実のモニタリングまでを1つの画面で完結させたい企業向けです。

【基礎知識】経営計画とは・事業計画との違い・立てるメリット

最後に、計画づくりの土台となる基礎知識として、経営計画の定義・事業計画との違い・立てる意義を確認しておきます。

経営計画とは?事業計画との違い

経営計画とは、企業が目指す将来像と、その達成に向けた方針・数値目標・行動をまとめたものです。似た言葉の事業計画とは、扱う範囲が異なります。

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項目対象範囲主な目的使う場面
経営計画企業全体の方向性と目標全社の進む方向を定め、社内外で共有する中長期の経営の軸、全社の予実管理
事業計画個別の事業・プロジェクト単位特定事業の採算や実行方法を具体化する新規事業の立ち上げ、融資・出資の申込

経営計画を立てるメリット(なぜ必要か)

経営計画を立てる意義は、作って終わりではなく、日々の判断と実行に効く点にあります。主なメリットは次のとおりです。

  • 進むべき方向が明確になる:判断に迷ったとき立ち返る基準ができます。
  • 現状と課題を把握できる:計画づくりの過程で自社の強み・弱みが整理されます。
  • 社内で目標を共有できる:部門や社員が同じゴールに向かって動けます。
  • 信用力が高まる:金融機関や取引先に、根拠ある将来像を示せます。

まとめ

経営計画の立て方は、理念の確認→現状分析→目標設定→戦略→数値計画→行動計画→共有・見直し、という手順で進めます。各ステップでは4要素(経営理念・経営戦略・事業戦略・数値計画)を記入例に沿って書き込み、長期・中期・短期を一本の流れでつなげると、自社の計画を無理なく書き上げられます。

計画は立てて終わりではなく、予実で回してこそ成果につながります。Excelでの集計に限界を感じたら、数値計画と予実を仕組みで支える経営管理システムの活用も検討してください。まずは各社の資料を取り寄せ、自社の計画の進め方に合うかを比べてみましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 経営計画とは何ですか?

A. 経営計画とは、企業が目指す将来像と、その達成に向けた方針・数値目標・行動を全社レベルでまとめたものです。経営理念・経営戦略・事業戦略・数値計画の4要素で構成され、日々の経営判断の拠りどころになります。作って終わりにせず、予実管理で回すことで成果につながります。

Q. 経営計画と事業計画は何が違いますか?

A. 経営計画と事業計画の違いは、対象とする範囲にあります。経営計画は企業全体の方向性と目標を定めるのに対し、事業計画は個別の事業・プロジェクト単位の採算や実行方法を具体化します。全社の経営の軸づくりや予実管理には経営計画を、新規事業の立ち上げや融資・出資の申込には事業計画を使う、と場面で使い分けると整理しやすくなります。

Q. 経営計画は何から始めればよいですか?

A. 経営計画は、まず経営理念・ビジョンの確認から始め、次に現状分析(内部・外部環境と財務の把握)を行うのが出発点です。そのうえで目標設定→経営・事業戦略→数値計画→行動計画→共有・見直しの順に進めます。要素名からいきなり埋めようとせず、前提となる理念と事実としての現状を固めてから数字に落とすと、筋の通った計画になります。

Q. 長期・中期・短期の経営計画はどれから作ればよいですか?

A. 経営計画は、長期(おおむね10年)→中期(3〜5年)→短期(1年)の順で、長いスパンから作るのが基本です。長期でありたい姿を描き、中期でそこへ近づく道筋を具体化し、短期で当年度の実行計画に落とします。なかでも戦略と数値目標の核になるのは中期経営計画のため、長期ビジョンが定まったら中期の作り込みに最も時間をかけるとよいでしょう。

Q. 数値計画はどのように作ればよいですか?

A. 数値計画は、売上→利益→資金→人員の順に数字へ落とすと組み立てやすくなります。既存顧客の売上に新規・単価改善を積み上げて売上を置き、原価・販管費を引いて利益を出し、必要な人員・人件費を見積もって整合させます。黒字でも資金がショートしないよう、利益に減価償却を足して投資・返済を引く資金計画まで通して確認することが大切です。

Q. 経営計画書には最低限どんな項目を書けばよいですか?

A. 経営計画書には、経営理念、現状分析、経営・事業戦略、数値計画(売上・利益・資金・人員)、行動計画の5項目を入れると過不足のない構成になります。中小企業向けには経営力向上計画など国が定めた計画様式もあり、認定を受けると税制や金融の支援を利用できる場合があるため、自社の経営計画と内容が重なる範囲で様式を活用すると効率的です。

Q. 立てた経営計画が形骸化しないためにはどうすればよいですか?

A. 経営計画の形骸化を防ぐには、計画を社内に共有し、毎月予実(予算と実績)を突き合わせて差異を分析し、環境変化に合わせて見直しを繰り返すことが欠かせません。経営層だけで計画を抱えず、部門・社員の行動目標まで落とすと実行につながります。予実管理をExcelで続けると集計や差異分析に時間がかかり形骸化しやすいため、仕組みで支えることも有効です。

Q. 経営計画の管理はExcelと経営管理システムのどちらがよいですか?

A. 経営計画の管理は、計画を立てる初期や小規模ならExcelでも足りますが、部門横断で予実を継続的に回すなら経営管理システムが向いています。Excelは部門ごとに様式がばらつき、集計や差異分析に手間がかかりがちです。経営管理システムは会計データを自動で集め、計画と実績の差異やKPIをダッシュボードで可視化できるため、立てた数値計画を月次で回しやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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