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中小企業の退職金、勤続30年の平均はいくら?企業規模・学歴・退職理由別の相場

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退職金・企業型DC(企業型確定拠出年金)比較表(2026年版)

中小企業に長く勤めた場合、退職金はどのくらい受け取れるのか。勤続30年という節目を前に、自分の退職金の見当をつけたい従業員の方もいれば、自社の退職金が世間の水準に見合っているかを確かめたい経営者・人事担当の方もいます。退職金は企業の規模・学歴・退職理由によって金額が変わるため、「平均でいくら」と一口に言いにくいのが実情です。

本記事では、中小企業で勤続30年の退職金の平均額を、企業規模帯・学歴・退職理由別の実額で示します。大企業との差や、調査によって金額が違う理由、退職金にかかる税金の目安も整理しました。

さらに後半では、相場に見合う退職金を会社としてどう準備するか、中小企業でも始めやすい制度の選択肢までまとめています。自分の退職金の目安を知りたい方にも、自社の退職金制度を見直したい方にも、判断の材料としてご活用ください。

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【結論】中小企業・勤続30年の退職金の平均はいくら?

中小企業で勤続30年の退職金は、大学卒・退職金制度のあるモデルで、自己都合退職なら750万円前後、会社都合退職なら780万円前後が一つの目安です。東京都産業労働局が都内の中小企業を対象に調査した「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のモデル退職金から、勤続30年の金額を企業規模帯・学歴・退職理由別にまとめると、以下のとおりです。

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大学卒・100〜299人大学卒・50〜99人大学卒・10〜49人大学卒・中小計(10〜299人)高校卒・100〜299人高校卒・50〜99人高校卒・10〜49人高校卒・中小計(10〜299人)
自己都合(勤続30年)1,233.0万円582.9万円678.8万円750.7万円602.2万円541.7万円582.2万円575.7万円
会社都合(勤続30年)1,026.9万円661.9万円758.0万円776.2万円750.4万円618.1万円653.4万円657.0万円

※東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」モデル退職金(勤続30年)。大学卒は52歳・高校卒は48歳時点のモデル。単位未満は四捨五入。

同じ中小企業でも、規模が小さい会社では大学卒でも自己都合で約580〜680万円にとどまります。高校卒は中小全体で自己都合約576万円・会社都合約657万円が目安です。規模帯によっては集計対象の企業数が少なく、自己都合が会社都合を上回って見える箇所もあるため、まずは中小全体の数字を目安にしてください。

この統計の「モデル退職金」とは、学校を卒業してすぐ入社した人が普通に勤め上げた場合に、その会社の退職金規程でいくら支給されるかを算出したものです。実在する退職者全員の平均ではなく、規程に基づく標準的な支給額である点を押さえておくと、自社や自分の状況に当てはめやすくなります。中小企業退職金共済(中退共)を運営する機構も、世間相場の資料としてこの東京都の調査を案内しています。

出典・参考資料(2件)

同じ中小企業でも規模で違う|従業員数別の読み解き

「中小企業の退職金はおよそ750万円」とまとめられることが多いものの、同じ中小企業でも従業員の規模帯によって金額には幅があります。大学卒・会社都合・勤続30年で見ると、従業員100〜299人の会社では1,000万円前後、50〜99人や10〜49人の会社では650万〜760万円程度です。おおむね規模が大きい会社ほど支給額が高い傾向が読み取れます。

一方で、上の表の大学卒・自己都合では、100〜299人の金額(1,233.0万円)が会社都合(1,026.9万円)を上回るなど、規模帯によっては数字が入り組んで見える箇所もあります。これは規模帯によっては集計の対象となった企業数が十数社から二十数社程度と限られ、少数のばらつきが反映されやすいためです。

また、中小全体の目安(中小計)は規模帯の単純な中間ではなく、調査に回答した企業の構成で決まる加重平均です。回答企業に100〜299人の層が一定数含まれ、その金額が高めに出るため、中小計が50〜99人・10〜49人の値を上回ることがあります。

自社や自分の目安を考えるときは、特定の1区分だけを取り出して断定せず、中小全体の目安(大学卒で自己都合750.7万円・会社都合776.2万円)を基準に、自社の規模帯の数字を幅として参考にするのが安全です。

大企業の退職金とどれくらい違う?(勤続30年で比較)

ここからは、中小企業の水準を大企業と比べてみます。中央労働委員会「令和5年賃金事情等総合調査」によると、大学卒・事務技術(総合職)の会社都合退職のモデル退職金は、勤続30年(52歳)で2,054.5万円、定年で2,858.4万円でした。この調査の対象は資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の企業で、いわゆる大企業の水準にあたります。

中小企業の大学卒・勤続30年が自己都合で750万円前後・会社都合で780万円前後だったのに対し、大企業は会社都合で2,000万円を超えます。勤続年数が同じでも、企業規模によって2倍以上の差が生じる形です。退職金は会社ごとの規程で決まるため、こうした差は会社の規模や制度設計の違いから生まれます。

中小企業と大企業の勤続30年・大学卒・会社都合のモデル退職金を比較した図。中小企業(従業員10〜299人)は約780万円、大企業(資本金5億円以上・労働者1,000人以上)は2,054.5万円で、勤続年数が同じでも企業規模で2倍以上の差があることを示す。

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」では、定年退職者1人あたりの退職給付額は大学・大学院卒で1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1,682万円でした。これは全国・全規模(常用労働者30人以上)を合わせた平均で、大企業も含むため中小企業だけの水準より高く出ます。中小企業の目安を知りたい場合は、規模をそろえた東京都の調査のほうが実態に近くなります。

出典・参考資料(2件)

統計によって金額が違うのはなぜ?自社・自分はどの数字を目安にすべきか

退職金の相場を調べると、記事や資料によって金額が大きく異なることがあります。これは、調査ごとに対象とする企業の範囲が違うためです。自分の目的に合った数字を選ぶために、主要な3つの調査の違いを整理します。

  • 東京都「中小企業の賃金・退職金事情」:都内の従業員10〜299人の中小企業が対象。中小企業の目安を知りたいときに最も近い。
  • 中央労働委員会「賃金事情等総合調査」:資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の大企業が対象。大企業の水準を知りたいときに使う。
  • 厚生労働省「就労条件総合調査」:全国・常用労働者30人以上の企業が対象(大企業も含む全規模)。全国の平均として引かれることが多いが、大企業を含むぶん中小企業だけの実態より高めに出る。

中小企業の経営者・人事担当が自社の退職金水準を確かめたい場合や、中小企業に勤める人が自分の退職金の見当をつけたい場合は、規模をそろえた東京都の調査を基準にするのが実態に近くなります。全国平均として示される大きい数字は大企業を含む点を踏まえ、自社の規模に近い調査を選んで比べることが大切です。退職金額の水準は業種や規模、地域によっても差があるため、幅のある目安として受け止めてください。

出典・参考資料(2件)

退職金額はどう決まる?(勤続年数・退職理由・学歴・計算方式)

ここからは、退職金の金額がなぜその額になるのか、決まり方を整理します。退職金は主に、勤続年数・退職理由・学歴(入社時の区分)と、会社が採用している計算方式の組み合わせで決まります。

勤続年数・退職理由・学歴で変わる仕組み

勤続年数が長いほど支給額は増え、勤続30年は多くの会社で支給額が大きく積み上がる節目にあたります。退職理由では、会社都合(定年・会社の都合による退職など)のほうが、自己都合よりも高く設定されているのが一般的です。上の表でも、同じ勤続30年で会社都合が自己都合を上回る区分が多く見られました。入社時の学歴区分によって支給カーブが分かれている会社もあります。

退職金の計算方式(基本給連動/定額/ポイント/別テーブル)

金額の計算方式は会社ごとに異なります。退職時の基本給に勤続年数などの係数を掛ける基本給連動型のほか、勤続年数ごとに定額を積み上げる定額制、職務や等級に応じたポイントを積み上げて単価を掛けるポイント制、基本給とは切り離した専用の支給テーブルを用いる別テーブル制などがあります。

自社の退職金規程がどの方式かを確認すると、勤続30年でどの程度になるかを具体的に見積もりやすくなります。基本給連動型では昇給の積み重ねが退職金に反映され、ポイント制や別テーブル制では役割や等級が支給額に影響します。

退職金にかかる税金と手取りの目安(退職所得控除)

退職金は受け取る際に所得税・住民税の対象になりますが、長く働いた人ほど税負担が軽くなる仕組みが設けられています。退職金(退職所得)の金額は、受け取った額から「退職所得控除額」を差し引き、その残りを半分にして計算します。退職所得は、原則として給与など他の所得とは分けて税額を計算する分離課税です。

退職所得控除額は、勤続年数に応じて次のように決まります。

  • 勤続年数20年以下:40万円 × A(80万円に満たない場合には、80万円)
  • 勤続年数20年超:800万円 + 70万円 × (A – 20年)
出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁(Aは勤続年数)

勤続30年の場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×(30年−20年)=1,500万円」になります。中小企業の勤続30年の退職金は、大学卒で750万〜780万円前後、規模帯別に見ても多くが1,500万円を下回る水準でした。

このため、相場どおりの金額であれば控除額の範囲に収まり、退職金に所得税がかからない、あるいは負担が小さく済むケースが多くなります。相場の水準であれば、額面がほぼそのまま手取りになると考えてよいでしょう。

ただし、実際の税額は同じ年に受け取る他の退職金との合算や住民税なども関わります。退職金が控除額を超える場合や金額が大きい場合は、個別に確認するとよいでしょう。

そもそも退職金制度がある中小企業はどれくらい?(導入率)

相場を考えるうえで前提になるのが、そもそも退職金制度を設けている会社の割合です。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は全体で74.9%でした。企業規模別では、1,000人以上が90.1%、300〜999人が88.8%、100〜299人が84.7%、30〜99人が70.1%と、規模が小さいほど導入率が下がる傾向があります。

裏を返せば、従業員30〜99人の規模では3割近くの会社に退職金制度がないことになります。退職金は法律で義務づけられた制度ではないため、設けるかどうか、どの程度の水準にするかは会社ごとの判断に委ねられています。人材の確保や定着を考えて、これから退職金制度を整えたいと考える中小企業も少なくありません。

出典・参考資料(1件)

相場に見合う退職金を準備する制度の選択肢

自社の退職金が相場より低い、あるいはこれから退職金制度を整えたいという場合、会社として退職金を準備する主な方法に、中小企業退職金共済(中退共)・企業型確定拠出年金(企業型DC)・特定退職金共済(特退共)・確定給付企業年金(DB)の4つがあります。掛金の負担や運用リスクの所在、税制の扱いが制度ごとに異なるため、まず全体像を比べてみましょう。

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中小企業退職金共済(中退共)企業型確定拠出年金(企業型DC)特定退職金共済(特退共)確定給付企業年金(DB)
掛金の負担会社が拠出(月5,000〜30,000円の16段階)会社が拠出(月55,000円が上限、DB併用時は調整)/選択制は給与の一部を振替会社が拠出(団体により異なる)会社が拠出
運用リスクの所在国の機構が運用(会社は負わない)従業員が運用(会社の追加拠出は不要)実施団体が運用会社が負う(積立不足は会社が補填)
税制掛金は全額損金掛金は損金、給付は受取時に課税掛金は損金掛金は損金
特徴新規加入時は掛金の一部を国が助成選択制なら会社負担を増やさず導入可(将来の年金等に影響)商工会議所など承認団体が実施、内容は団体ごとに異なる給付額をあらかじめ約束する給付建て

※各制度の公的情報に基づく一般的な比較です。掛金の上限や助成の条件は制度・時期により変わるため、導入時は最新の要件をご確認ください。

中退共は、会社が従業員ごとに掛金(月額5,000〜30,000円の16段階)を拠出し、国の機構が運用・支給を行う制度です。新規に加入した場合は掛金の2分の1(上限5,000円)を加入4か月後から1年間、国が助成します。掛金は損金または必要経費として全額非課税で、運用リスクを会社が負わない点が、はじめて退職金制度を設ける中小企業にとって扱いやすい特徴です。

企業型DCは、会社が拠出した掛金を従業員自身が運用する制度です。事業主掛金の上限は月55,000円で、DBなど他の企業年金を併用する場合はその分を調整します。

給与の一部を掛金に振り替える「選択制」を使えば、会社の新たな負担を増やさずに導入でき、掛金に応じて社会保険料や所得税・住民税の負担が軽くなる場合があります。ただし、給与を振り替えると標準報酬月額が下がり、将来受け取る老齢厚生年金や傷病手当金・雇用保険の給付などが減る可能性があります。

厚生労働省も、この影響を事業主が従業員へ正確に説明する必要があるとしています。目先の負担軽減と将来への影響の両面を理解して選ぶことが大切です。

特退共は、商工会議所や商工会などの承認を受けた団体が運営する退職金共済で、所得税法施行令に基づく制度です。掛金や給付の条件は実施団体ごとに異なります。確定給付企業年金(DB)は、あらかじめ給付額を約束する給付建ての制度で、運用のリスクは会社が負い、積立が不足した場合は会社が追加で負担します。従業員にとっては受取額が見通しやすい一方、会社の負担は運用環境に左右されます。

出典・参考資料(4件)

企業型DCで中小企業の退職金を準備する

準備手段の中でも、会社の新たな負担を抑えながら始めやすいのが選択制の企業型DCです。ここでは、中小企業の企業型DC導入を支援するサービスを紹介します。制度の仕組みや運営管理機関ごとの違いまで含めて幅広く比べたい場合は、導入支援サービスを比較した記事もあわせてご覧ください。

SBIの企業型DC(SBIベネフィット・システムズ株式会社)

SBIの企業型DCの公式サイト

SBIベネフィット・システムズが提供する、加入者1名から導入できる中小企業向けの企業型DCです。記録関連業務のシステムを自社開発しているため、他の金融機関では対応が難しい従業員30名以下の小規模な会社でも導入できる点を強みにしています。給与の一部を掛金に振り替える選択制にも対応し、新たな会社負担を増やさずに退職金の準備を始めたい企業に向いています。

運用商品は制度上で用意できる範囲で幅広くそろえ、信託報酬などのコストが低い商品を選定していることも特徴です。導入後は従業員向けの説明会をオプションで実施しており、仕組みが複雑になりがちな企業型DCについて、加入者が理解しやすい形で運用を始められるよう支援します。掛金や運営費を損金に算入できる税制メリットとあわせて、福利厚生の充実や社会保険料の軽減を目的に導入する中小企業に適した選択肢です。

中小企業が退職金制度を整える背景には、人材の確保や定着という狙いもあります。この点について、同サービスを取り扱うSBIグループ(SBIインシュアランスラボ)へのインタビューでは、次のような導入事例が語られました。

長谷川氏
SBIインシュアランスラボ株式会社
長谷川氏
独自インタビューより

特に印象に残っている事例ですと、工業団地の企業様や、地方の人手不足の悩みを抱えている中小企業様からのご相談です。「日本人の方を採用したい」、「幹部候補を育てたい」という企業様が「他社とどう差をつけようか」と考えられて、企業型DCで福利厚生を充実させ、金銭的な支援も含めて打ち出すという形で導入いただきました。求人票の福利厚生欄にDCを記載することで、応募者への訴求につながったケースもあります。

まとめ

中小企業で勤続30年の退職金は、大学卒・退職金制度のあるモデルで自己都合750万円前後・会社都合780万円前後が一つの目安です。同じ中小企業でも規模帯で幅があり、大企業の2,000万円台とは差があります。相場を調べるときは、中小企業を対象にした東京都の調査など、自社や自分の状況に近い調査の数字を選ぶと実態に近づきます。

自社の退職金が相場より低い、あるいはこれから制度を整えたい場合は、中退共・企業型DC・特退共・DBといった制度を、掛金の負担や税制、運用リスクの所在から比べて選びます。中でも選択制の企業型DCは、会社の新たな負担を抑えて始められる一方、将来の給付への影響もあります。

仕組みを正しく理解し、必要に応じて導入支援サービスも活用しながら、従業員にとっても会社にとっても意味のある退職金制度づくりを進めましょう。

退職金の平均に関するよくある質問(FAQ)

Q. モデル退職金とは何ですか?

A. モデル退職金とは、学校を卒業してすぐ入社した人が標準的に勤め上げた場合に、その会社の退職金規程でいくら支給されるかを算出したものです。実在する退職者全員の平均ではなく、規程に基づく標準的な支給額を表します。本記事で示した相場も、東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」のモデル退職金に基づいています。

Q. 中小企業で勤続30年の退職金の平均はいくらですか?

A. 中小企業で勤続30年の退職金の平均は、大学卒・退職金制度のあるモデルで、自己都合退職なら約750万円、会社都合退職なら約780万円です(東京都令和6年版、中小計10〜299人で自己都合750.7万円・会社都合776.2万円)。高校卒では自己都合約576万円・会社都合約657万円が目安です。

同じ中小企業でも従業員規模によって金額に幅があるため、特定の1区分だけで断定せず、中小全体の目安を基準に自社の規模帯の数字を参考にするのが安全です。

Q. 中小企業と大企業で勤続30年の退職金はどれくらい違いますか?

A. 退職金は大企業のほうが高く、大学卒・勤続30年の会社都合で見ると、中小企業の約780万円に対し大企業は2,054.5万円と2倍以上の差があります(大企業は中央労働委員会「令和5年賃金事情等総合調査」。資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上が対象)。退職金は会社ごとの規程で決まるため、企業規模や制度設計の違いがこうした差につながります。

Q. 退職金は自己都合退職と会社都合退職でどれくらい変わりますか?解雇された場合はもらえますか?

A. 中小企業の退職金は、会社都合退職(定年・会社の都合による退職など)のほうが、自己都合退職より高く設定されているのが一般的です(大学卒・中小計・勤続30年で自己都合750.7万円に対し会社都合776.2万円)。

解雇の場合も、退職金規程があれば一般に会社都合退職として扱われ退職金を受け取れますが、退職金は法律上の義務ではなく各社の退職金規程で定められるため、支給の有無や金額は規程の内容によります。

Q. 勤続20年や勤続40年では、中小企業の退職金の相場はどう変わりますか?

A. 中小企業の退職金は、勤続年数が長いほど支給額が増えるため、勤続20年は勤続30年(大学卒で約750〜780万円)より低く、勤続40年(定年まで)はより高くなるのが一般的です。本記事で示した金額は勤続30年時点のモデルで、具体的な金額は各社の退職金規程と計算方式(基本給連動型・定額制・ポイント制など)によって決まります。

Q. 退職金にかかる税金と手取りはどれくらいですか?

A. 中小企業の勤続30年の退職金は、退職所得控除(勤続30年なら1,500万円)の範囲に収まることが多く、所得税がかからない、または負担が小さく済むケースが多いです。

退職所得控除額は勤続20年超で「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」で計算し、退職所得は原則として給与など他の所得とは分けて税額を計算します(分離課税)。退職金が控除額を超える場合や住民税なども関わるため、金額が大きい場合は個別に確認するとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

Q. 退職金の相場はどの統計を目安にすればよいですか?

A. 中小企業の退職金の相場を知りたい場合は、都内の従業員10〜299人を対象とした東京都「中小企業の賃金・退職金事情」を基準にするのが実態に近いです。全国平均としてよく引かれる厚生労働省「就労条件総合調査」は大企業を含むぶん高めに出て、中央労働委員会「賃金事情等総合調査」は大企業が対象です。調査ごとに対象とする企業の範囲が違うため、自社や自分の規模に近い調査を選んで比べることが大切です。

Q. 退職金制度がある中小企業はどれくらいありますか?

A. 退職給付(一時金・年金)制度がある企業は、全体で74.9%、従業員30〜99人では70.1%、100〜299人では84.7%です(厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」)。規模が小さいほど導入率は下がり、従業員30〜99人では3割近くの会社に退職金制度がない計算になります。退職金は法律で義務づけられた制度ではないため、設けるかどうかや水準は会社ごとの判断に委ねられています。

Q. 相場に見合う退職金を準備するには、どんな制度がありますか?

A. 会社として退職金を準備する主な方法は、中小企業退職金共済(中退共)・企業型確定拠出年金(企業型DC)・特定退職金共済(特退共)・確定給付企業年金(DB)の4つです。

掛金の負担・運用リスクの所在・税制の扱いが制度ごとに異なり、会社の新たな負担を抑えて始めたい場合は、給与の一部を掛金に振り替える選択制の企業型DCが選ばれています。それぞれの違いを比べたうえで、自社に合った制度を選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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